JP7287312B2 - 多管式反応器への粒状物の充填方法 - Google Patents

多管式反応器への粒状物の充填方法 Download PDF

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Description

本発明は、多管式反応器への粒状物の充填方法に関する。
従来、多管式反応器への粒状物の充填方法は種々提案されている。
例えば、特許文献1には、少なくとも一つの反応管内に計測装置を設置してなる多管式
反応器に固体粒子を充填するにあたり、該計測装置が設置してある反応管と他の反応管と
に同一の固体粒子を充填し、該計測装置が設置してある反応管への充填をゆっくり充填す
ることで、固体粒子層長、圧力損失が実質的に同一となることが記載されている。
特許文献2には、固体充填物を充填した多管式反応器において、目標層高又は目標差圧
に達しない反応管を検知及び特定し、該反応管から固体充填物を抜き出すことが記載され
ている。
特開2003-1094号公報 特開2008-238044号公報
しかしながら、従前知られた多管式反応器における粒状物の充填方法では、何を基準と
して目標に達しない充填(以下「不良充填」と称する場合がある。)と決めたのか不明で
ある。例えば、特許文献1等には反応管の計装装置の有無による充填方法については記載
されているが、各反応管の充填の基準は開示されていない。また、特許文献2等には、目
標層高と記載があるが、いかにして該目標層高を決めたのかの記載がない。
多管式反応管への粒状物の充填において、前記した従来方法では、充填層高の均一化が
困難であり、又、充填に要する時間が長くなる、という問題があった。とりわけ、オレフ
ィンを酸素含有ガスにより気相で接触酸化して、対応する不飽和アルデヒドを製造するた
めの多管式反応器(以下「前段多管式反応器」と称する場合がある)、又は、不飽和アル
デヒドを酸素含有ガスにより気相で接触酸化して対応する不飽和カルボン酸を製造するた
めの多管式反応器(以下「後段多管式反応器」と称する場合がある。)への粒状物の充填
においては、粒状物の形状や粒径にばらつきがあったり、各反応管への粒状物の充填速度
を一定にしようとしても、特に充填開始時や充填終了時には各反応管に充填速度のばらつ
きが生じる可能性がある、さらに複数種の粒状物を混合して一つの充填層に充填する場合
や、充填層が多層となる場合があることより、前記した反応管内の充填層高の均一化、充
填時間の短縮が大きな課題となる。尚、本発明における粒状物とは、触媒、不活性物質、
又は触媒と不活性物質の混合物である。
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、多管式反応器の各反応管への粒状物の充填に
おいて、各反応菅における充填層高の均一化を短時間で実施することができる多管式反応
器への粒状物の充填方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、多管式反応器の反応管に粒状物
を充填する方法であって、該多管式反応管の全反応管に対し特定割合の反応管(以下、「
反応管A」と称する場合がある。)に、多管式反応器の反応管に充填する粒状物と同量の
粒状物を充填し、粒状物が充填された反応管Aの平均充填層高をもとに目標充填層高を決
めて、それを基準とすることにより、上記課題を解決することができることを見いだし、
本発明に至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 10,000本以上の鉛直方向に配置された反応管と、該反応管の両端部が管
板に取り付けられた構造を有する多管式反応器において、上側管板上より粒状物を反応管
に充填する方法であって、目標充填層高を以下の方法で設定し、目標充填層高に達しない
反応管を選別することを含む、粒状物の充填方法。
(1)多管式反応器の反応管の本数に対し0.3%以上5%以下の本数の反応管(以下、
「反応管A」という。)それぞれに、多管式反応器の反応管に充填する粒状物と同量の粒
状物を充填する。
(2)粒状物が充填された反応管Aの平均充填層高を求める。
(3)目標充填層高の上限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる充填層高の標準偏差
をδとした場合、下記式(I)を満たす。
m+0.5δ≦目標充填層高の上限≦m+6δ (I)
(4)目標充填層高の下限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる充填層高の標準偏差
をδとした場合、下記式(II)を満たす。
m-6δ≦目標充填層高の下限≦m-0.5δ (II)
[2] 前記全反応管の端部が管板上で同一円内に取り付けられており、前記反応管Aの
端部が、管板上の該円の中心を通る直線により、該円を均等に分割した複数の区画毎に均
等に分配されている[1]に記載の粒状物の充填方法。
[3] 前記反応管Aの平均充填層高が500mm以上4,000mm以下である[1]
又は[2]に記載の粒状物の充填方法。
[4] 前記選別された目標充填層高に達しない反応管は、粒状物を抜き出したのちに再
充填する[1]乃至[3]のいずれかに記載の粒状物の充填方法。
[5] 前記多管式反応器が不飽和アルデヒド製造用反応器である[1]乃至[4]のい
ずれかに記載の粒状物の充填方法。
[6] 前記多管式反応器が不飽和カルボン酸製造用反応器である[1]乃至[4]のい
ずれかに記載の粒状物の充填方法。
本発明によれば、多管式反応器の各反応管への粒状物の充填において、各反応管におけ
る充填層高の均一化を短時間で実施することができる。
以下、本発明の粒状物の充填方法について、詳細に説明するが、本発明は何ら以下の説
明内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更して実施することが
できる。
本発明の粒状物の充填方法は、多管式反応器の反応管に適用される。該多管式反応器と
は鉛直方向に配置された複数の反応管と、該複数の反応管の両端部が管板に取り付けられ
た構造を有する多管式反応器である。又、該複数の反応管は管状胴体に収納されているこ
とが好ましく、該管板は該管状胴体の上端側、下端側それぞれに配置されていることが好
ましい。該管状胴体には熱媒体を通液することにより、反応温度を制御することが可能と
なる。該複数の反応管の本数は10,000本以上であり、13,000本以上であるこ
とが好ましく、20,000本以上であることより好ましい。上限は80,000本であ
ることが好ましく、60,000本であることがより好ましい。本数が前記範囲内である
ことにより、多管式反応器として経済的かつ安定な操業が可能となる。又、反応管の配置
は、反応温度の制御を目的として、各反応管は近接する反応管との間隔を等しくするため
、反応管の両端部は管板に千鳥状に取り付けられていることが好ましく、45°千鳥状に
取り付けられていることがより好ましく、60°千鳥状に取り付けられていることがさら
に好ましい。更に、各反応管の管形状は反応管内の粒状物の充填密度が不均一となったり
、反応ガスの偏流が発生することを避けるため、円柱状であることが好ましい。加えて、
各反応管において反応が均一に進行することより、管径は均一であることが好ましい。更
に加えて、各反応管で反応にバラつきを生じることなく、効率的に反応を進行させるため
に、全反応管の両端部が管板上で同一円内に取り付けられていることが好ましい。
本発明の粒状物の充填方法は目標充填層高を以下の方法で設定する。まず、多管式反応
器の反応管の本数に対し0.3%以上5%以下の本数の反応管(以下。「反応管A」と称
する場合がある。)を設定する。反応管Aの本数の下限は多管式反応器の反応管の本数に
対し0.5%が好ましく、0.8%がより好ましい。反応管Aの本数の上限は多管式反応
器の反応管の本数に対し3%が好ましく、2%がより好ましい。前記範囲内とすることで
、各反応管の充填層高が均一化を短時間で実施することが可能となる。
前記反応管Aの管径、菅形状は、該多管式反応器内の反応管の管径、菅形状と同一であ
る。該反応管Aは、該多管式反応器内の反応管であっても、該多管式反応器とは別の反応
管であってもよいが、該多管式反応器内の反応管であることが好ましい。
さらに、該反応管Aが多管式反応器内の反応管である場合、該多管式反応器の全反応管
の両端部が管板上で同一円内に取り付けられており、該反応管Aの端部が、管板上の該円
の中心を通る直線により、該円を均等に分割した複数の区画毎に均等に分配されているこ
とが好ましい。さらに、複数の区画の数は3~16であることが好ましく、6~12であ
ることがより好ましい。又、複数の区画のそれぞれを、該円の中心から円周の間、長さで
三つの区分に分けると、三つの区分それぞれに反応管Aの端部が分散されて存在すること
が好ましい。又、複数の区画のそれぞれの反応管Aの端部の位置はすべての区画において
略同じ位置であることが好ましい。「略同じ位置である」とは、すべての区画の全く同じ
位置に反応管の端部があるとは限らないので、反応管Aの端部は、複数の区画の同じ位置
か又はその近傍に存在することを意味する。
全反応管の両端部が管板上で同一円内に取り付けることで、前述した通り、粒状物を充
填したのちに、効率的な反応を進行させることが可能であると共に、粒状物の充填におい
ても、効率的な粒状物の充填、目標充填層高に達しているかの確認を容易とすることがで
きる。更に、前記した、該反応管Aの端部を管板上の該円を基本として特定位置とするこ
とより、充填場所による充填状況のばらつきがあったとしても、反応管Aそれぞれにおけ
る充填が全反応管の充填を代表できる可能性があり、各反応管における充填層高の均一化
を短時間で実施することが可能となる。
前記反応管Aには多管式反応器の反応管に充填する粒状物と同じ粒状物を充填する。「
同じ粒状物を充填する」とは、多管式反応器の反応管に充填する粒状物と、種類が同じで
あり、且つ量も同じである粒状物を該反応管Aに充填することである。該反応管Aに充填
する時期は、多管式反応管に充填する時期と同じであっても、相違してもかまわないが、
充填する環境の差異による充填層高への影響を抑えるため、充填時期を同じとすることが
好ましい。
前記反応管Aに粒状物を充填したのちに、充填層高を測定し、平均充填層高を計算によ
り求める。尚、充填層高は、粒状物を充填したのちに、反応管の上端から充填層上面まで
の長さを測定し、予め把握していた反応管の充填層下端から上側管板上にある反応管の端
までの長さ(以下「有効長さ」と称する場合がある。)から、該反応管の上端から充填層
上面までの長さを引くことにより求めることができる。本発明の粒状物の充填方法では、
目標充填層高を設定する。目標充填層高の上限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる
充填層高の標準偏差をδとした場合、下記式(I)を満たす。
m+0.5δ≦目標充填層高の上限≦m+6δ (I)
目標充填層高の下限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる充填層高の標準偏差をδ
とした場合、下記式(II)を満たす。
m-6δ≦目標充填層高の下限≦m-0.5δ (II)
前記式(I)における左辺は「m+δ」が好ましく、「m+2δ」がより好ましい。前
記式(I)における右辺は「m+5δ」が好ましく、「m+4δ」がより好ましい。又、
前記式(II)における左辺は「m-5δ」が好ましく、「m-4δ」がより好ましい。
前記式(I)における右辺は「m-δ」が好ましく、「m-2δ」がより好ましい。目標
充填層高の上下限を前記範囲内とすることにより、各反応管における充填層高の均一化を
短時間で実施することが可能となる。
前記反応管Aの平均充填層高は500mm以上4,000mm以下であることが好まし
い。上限は2,500mmであることがより好ましく、下限は600mmであることがよ
り好ましい。前記範囲であることにより、効率の良い充填作業が可能となり、時間をおか
ず充填された粒状物により反応を実施することができる。
次いで、多管式反応器の粒状物が充填された反応管において、前記設定した目標充填層
高に達しない反応管を選別する。選別する方法としては、予め把握していた反応管の有効
長さから、設定した目標充填層高を引き算した数値を、メジャー又は棒状の器具の箇所に
印としてつけておき、それを使用することにより、簡易に選別することができる。
前記選別された目標充填層高に達しない反応管は、粒状物を抜き出したのちに再度粒状
物を充填することが好ましい。再度充填する粒状物は、抜き出した粒状物をそのまま再度
充填する粒状物として使用してもよく、新たな粒状物を再度充填する粒状物として使用し
てもよいが、抜き出した粒状物は損傷している可能性があるので、新たな粒状物により再
度充填することが好ましい。
前記多管式反応器で行われる反応は特に限定されず、反応管に導入する反応原料も特に
限定されないが、気相反応であることが好ましい。とりわけ、該多管式反応器は不飽和ア
ルデヒド製造用であることが好ましく、アクロレイン製造用であることがより好ましい。
又、該多管式反応器は不飽和カルボン酸製造用であることが好ましく、アクリル酸製造用
であることがより好ましい。不飽和アルデヒド製造用多管式反応器とは、プロピレン等の
オレフィン又はターシャリーブタノールを酸素含有ガスと気相接触酸化させてアクロレイ
ン等の対応する不飽和アルデヒドとするための多管式反応器である。又、不飽和カルボン
酸製造用多管式反応器とは不飽和アルデヒドを酸素含有ガスと気相接触酸化させてアクリ
ル酸等の対応する不飽和カルボン酸とするための多管式反応器である。該不飽和アルデヒ
ド製造用多管式反応器や該不飽和カルボン酸製造用多管式反応器である場合、充填される
粒状物の形状や粒径にばらつきがあったり、各反応管への粒状物の充填速度を一定にしよ
うとしても、特に充填開始時や充填終了時には各反応管に充填速度のばらつきが生じる可
能性があり、さらに複数種の粒状物を混合して一つの充填層に充填する場合や、充填層が
多層となる場合があるため、本発明を適用することが有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
鉛直方向に配置された、円柱状であり、内径が25.4mm、有効長さが3.8mの2
5,000本の反応管と、該反応管の両端部が管板に同一円内に取り付けられた構造を有
するアクロレイン製造用多管式反応器において、該アクロレイン製造用多管式反応器の上
側管板上より、25,000本の各反応管に同量の粒状物を充填した。全反応管へ粒状物
の充填を完了した後に、約1%の本数に当たる256本の反応管を選定した。尚、反応管
を選定した方法は、上側管板上の25,000個の反応管の端部が形成する円を円の中心
を通る線により八区画に等分し、ある区画において円の中心から円周までの間、長さで三
つの区分に分け、三つの区分それぞれで反応管を選び、32本の反応管を選択し、次いで
、その他七区画も同じ位置又はその近傍にある32本の反応管を選び、計256本を選定
した。
該256本の各反応管それぞれにおいて、反応管の有効長さから、上側管板面から充填
された充填層の上面までの長さを引き、充填層高を求め、平均充填層高を計算したところ
1,943mmであった。また充填層高の標準偏差は28mmであった。目標充填層高の
上限は該平均充填層高に、該標準偏差の約3倍である83mmを加え、1,943+83
=2,026mmとした。目標充填層高の下限は該平均充填層高に、該標準偏差の約3倍
である83mmを引き、1,943-83=1,860mmとした。すなわち1,860
mm~2,026mmが目標充填層高である。
次いで、市販の巻き尺(メジャー)20個に、反応管の有効長さから目標充填層高の上
下限である1,860mm、1968mmそれぞれを引いた数値の箇所に印をつけた。2
5,000本の全反応管に対して上側管板面より該巻き尺を反応管内に挿入し、その先端
が充填された粒状物の上面に達した際の印の位置を確認して、目標充填層高に達している
か否をチェックした。
その結果、目標充填層高に達しなかった反応管は、114本であり、その反応管に充填
された粒状物は反応管から抜き出し、再度、新たに粒状物を充填し、前記と同様に充填高
さをチェックし、目標充填層高となるまで繰り返し、充填作業を終了した。
尚、全反応管に粒状物の充填が完了してから、目標充填層高に達しなかった反応管検知
に要した時間はのべ20名かけて約4時間を要した。
(実施例2)
鉛直方向に配置された、円柱状であり、内径が27.2mm、有効長さが3.3mの2
6,000本の反応管と、該反応管の両端部が管板に同一円内に取り付けられた構造を有
するアクリル酸製造用多管式反応器において、該アクリル酸製造用多管式反応器の上側管
板上より、26,000本の各反応管に同量の粒状物を充填した。全反応管へ粒状物の充
填完了後に、約1%の本数に当たる264本の反応管を選定した。尚、反応管を選定した
方法は、上側管板上の26,000個の反応管の端部が形成する円を円の中心を通る線に
より八区画に等分し、ある区画において円の中心から円周までの間、長さで三つの区分に
分け、三つの区分それぞれで反応管を選び、33本の反応管を選択し、次いで、その他七
区画も同じ位置又はその近傍にある33本の反応管を選び、計264本を選定した。
該264本の各反応管それぞれにおいて、反応管の有効長さから、上側管板面から充填
された充填層の上面までの長さを引き、充填層高を求め、平均充填層高を計算したところ
1,491mmであった。また、充填層高の標準偏差は21mmであった。目標充填層高
の上限は該平均充填層高に、該標準偏差の3倍である63mmを加え、1,491+63
=1,554mmとした。目標充填層高の下限は該平均充填層高に、該標準偏差の3倍で
ある63mmを引き、1,491-63=1,428mmとした。すなわち1,428m
m~1,554mmが目標充填層高である。
次いで、市販の巻き尺(メジャー)20個に、反応管の有効長さから目標充填層高の上
下限である1,428mm、1,554mmそれぞれを引いた数値の箇所に印をつけた。
26,000本の全反応管に対して上側管板面より該巻き尺を反応管内に挿入し、その先
端が充填された粒状物の上面に達した際の印の位置を確認して、目標充填層高に達してい
るか否をチェックした。
その結果、目標充填層高に達しなかった不良充填の反応管は13本であった。その反応
管に充填された粒状物は反応管から抜き出し、再度、新たに粒状物を充填し、前記と同様
に充填高さをチェックし、目標充填層高となるまで繰り返し、充填作業を終了した。
尚、全反応管に粒状物の充填が完了してから、目標充填層高に達しなかった反応管検知
に要した時間はのべ20名かけて約4時間を要した。
(比較例1)
実施例1と同じアクロレイン製造用多管式反応器において、実施例1と同様に25,0
00本の各反応管に同量の粒状物を充填した。全反応管へ粒状物の充填完了後に、約20
%の本数に当たる5,000本の反応管を選定した。尚、反応管は無作為に選定した。
該5,000本の各反応管それぞれにおいて、反応管の有効長さから、上側管板面から
充填された充填層の上面までの長さを引き、充填層高を求めた。平均充填層高は1,94
3mm、標準偏差は28mmであった。
尚、目標充填層高は実施例1と同様1,860mm~2,026mmとした。
次いで、市販の巻き尺(メジャー)20個に、目標充填層高の上下限に対応する充填高
さの箇所に各々印をつけた。25,000本の全反応管に対して上側管板面より該巻き尺
を反応管内に挿入し、その先端が充填された粒状物の上面に達した際の印の位置を確認し
て、目標充填層高に達しているか否をチェックした。
その結果、目標充填層高に達しなかった不良充填の反応管の本数を得た。その反応管に
充填された粒状物は反応管から抜き出し、再度、新たに粒状物を充填し、前記と同様に充
填高さをチェックし、目標充填層高となるまで繰り返し、充填作業を終了した。
尚、全反応管に粒状物の充填が完了してから、目標充填層高に達しなかった反応管検知
に要した時間はのべ20名かけて約7時間を要した。これは実施例1の1.8倍である。
(比較例2)
実施例2と同じアクリル酸製造用多管式反応器において、実施例2と同様に26,00
0本の各反応管に同量の粒状物を充填した。全反応管へ粒状物の充填完了後に、約20%
の本数に当たる5,200本の反応管を選定した。尚、反応管を選定する方法は、無作為
であった。
該5,200本の各反応管それぞれにおいて、反応管の有効長さから、上側管板面から
充填された充填層の上面までの長さを引き、充填層高を求めた。平均充填層高は1,49
1mm、標準偏差は21mmであった。
尚、目標充填層高は実施例2と同様1,428mm~1,554mmとした。
次いで、市販の巻き尺(メジャー)20個に、目標充填層高の上下限に対応する充填高
さの箇所に各々印をつけた。26,000本の全反応管に対して上側管板面より該巻き尺
を反応管内に挿入し、その先端が充填された粒状物の上面に達した際の印の位置を確認し
て、目標充填層高に達しているか否をチェックした。
その結果、目標充填層高に達しない不良充填の反応管の本数を得た。その反応管に充填
された粒状物は反応管から抜き出し、再度、新たに粒状物を充填し、前記と同様に充填高
さをチェックし、目標充填層高となるまで繰り返し、充填作業を終了した。
尚、全反応管に粒状物の充填が完了してから、目標充填層高に達しなかった反応管検知に
要した時間はのべ20名かけて約7時間を要した。これは実施例2の1.8倍である。

Claims (6)

  1. 10,000本以上の鉛直方向に配置された反応管と、該反応管の両端部が管板に取り
    付けられた構造を有する多管式反応器において、上側管板上より粒状物を反応管に充填す
    る方法であって、目標充填層高を以下の方法で設定し、目標充填層高に達しない反応管を
    選別することを含む、粒状物の充填方法。
    (1)多管式反応器の反応管の本数に対し0.3%以上5%以下の本数の反応管(以下、
    「反応管A」という。)それぞれに、多管式反応器の反応管に充填する粒状物と同量の粒
    状物を充填する。
    (2)粒状物が充填された反応管Aの平均充填層高を求める。
    (3)目標充填層高の上限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる充填層高の標準偏差
    をδとした場合、下記式(I)を満たす。
    m+0.5δ≦目標充填層高の上限≦m+6δ (I)
    (4)目標充填層高の下限は、該平均充填層高をm、反応管Aにおる充填層高の標準偏差
    をδとした場合、下記式(II)を満たす。
    m-6δ≦目標充填層高の下限≦m-0.5δ (II)
  2. 前記全反応管の端部が管板上で同一円内に取り付けられており、前記反応管Aの端部が
    、管板上の該円の中心を通る直線により、該円を均等に分割した複数の区画毎に均等に分
    配されている請求項1に記載の粒状物の充填方法。
  3. 前記反応管Aの平均充填層高が500mm以上4,000mm以下である請求項1又は
    2に記載の粒状物の充填方法。
  4. 前記選別された目標充填層高に達しない反応管は、粒状物を抜き出したのちに再充填す
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粒状物の充填方法。
  5. 前記多管式反応器が不飽和アルデヒド製造用反応器である請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の粒状物の充填方法。
  6. 前記多管式反応器が不飽和カルボン酸製造用反応器である請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の粒状物の充填方法。
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