JP4194359B2 - 気相接触酸化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の反応管を有する固定床式多管熱交換型反応器を用いて反応原料ガスを供給しながら気相接触酸化を行う方法に関し、より詳しくは、固定床式多管熱交換型反応器の各反応管毎の反応状態のばらつきをなくした気相接触酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、固定床式多管熱交換型反応器(以下、「固定床多管型反応器」ともいう)に触媒を充填する方法は、反応器上部より触媒を投入落下させて充填するが、この方法では(1)触媒落下投入時の物理的衝撃により触媒が粉化、崩壊する、(2)充填時間にばらつきがある等の理由で充填状態は各反応管で異なっている。具体的には、触媒充填時での触媒の粉化、崩壊程度も反応管毎によって異なり、また、充填時間が長くなると触媒の充填密度は大きくなり、充填時間が短いと充填密度は小さくなることから、従来の充填方法では、各反応管の圧力状態、特に該酸化反応で重要な因子となる圧力損失を均一になるように充填することは困難であった。
【0003】
従来、固定床多管型反応器の反応管毎の圧力損失を均一にすることを目的とした技術はなく、上記(1)或いは(2)の問題を解決する方法が提案されている。
【0004】
触媒充填時の触媒の粉化、崩壊を抑制する方法としては、以下のものがある。
【0005】
触媒をその表面上に解重合性を有する有機高分子化合物でコーティングすることにより触媒の機械的強度を向上する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、すべての触媒に対して均一にコーティングすることは難しく、全体的に触媒強度が上がっても触媒強度にばらつきがあり、圧力損失の低下には多少の効果はあるものの、各反応管の圧力損失を均一にする方法としては、満足のいく方法とは言い難い。
【0006】
また、触媒を反応器上部より落下充填する場合に、反応器内に実質的に触媒の落下を妨げない形状及び太さを有するひも状物質を介在させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、触媒の粉化、崩壊の防止には若干の効果は見られるものの、触媒充填時間による充填密度への影響は避けられないため、各反応管の圧力損失を均一にする方法として、満足いくものとは言い難い。
【0007】
また、触媒を落下充填するに先だってドライアイスを充填した後触媒を充填し、次いでドライアイスを気化除去する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
また、反応器上部より触媒を充填するに際し、まず該反応管内に液状物を充填し、続いて該触媒を充填し、しかる後、該液状物質を除去する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これら触媒充填前にドライアイスや液状物質を予め充填しておく方法は、触媒充填後の後処理に手間がかかることや取り扱う物質によっては作業環境の悪化となっていたため、工業的に、満足のいく方法とは言い難い。
【0009】
一方、充填操作(時間)の制御方法としては、以下のものがある。
【0010】
触媒充填時間を制御できる触媒供給コンベアを有する自動充填機を用いることが知られている(例えば、特許文献5参照)。しかし、該充填機は、充填時間を均一にすることにより各反応管の圧力損失を均一にできるとあるが、触媒によってはそれでも圧力損失差が生じる場合があり、満足のいくものとは言い難い。
【0011】
【特許文献1】
特許第2852712号明細書
【特許文献2】
特開平5−31351号公報
【特許文献3】
特開平10−277381号公報
【特許文献4】
特開平9−141084号公報
【特許文献5】
特開平11−333282号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、固定床式多管熱交換型反応器の反応管に触媒を充填して気相接触酸化反応を行う方法において、各反応管の圧力損失を均一にして全ての反応管において最適温度で反応が進行する気相接触酸化方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、固定床式多管熱交換型反応器を用いてプロピレンの気相接触酸化にてアクロレイン及びアクリル酸等を製造するプラントにおいて、例えば、定修作業時にコーキングを起こしている反応管があり、しかもこの反応管は点在しており、反応器内の反応ガスの流れや熱媒体の流れでは説明できない、何の傾向もない場所で起こっていることを確認した。
【0014】
本発明者らは、この事実をもとに鋭意検討した結果、(1)固定床式多管熱交換型反応器の各反応管の圧力損失の違いが、反応状況に大きく影響すること、(2)触媒充填後の圧力損失が、それ以降のその反応管の反応状況に影響を及ぼすことを見出して本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)複数の反応管を有する固定床式多管熱交換型反応器を用い、触媒を充填した反応管内部に反応原料ガスを供給することにより、反応生成ガスを得る気相接触酸化方法において、触媒充填後の各反応管の圧力損失が反応管圧力損失の平均値の±20%以内となるように、圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも低い反応管には、反応管の原料ガス入口部分に不活性物質を充填又は充填された触媒を抜き出し充填し直し、圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも高い反応管には、充填された触媒を抜き出し充填し直して、各反応管の圧力損失を調整することを特徴とする気相接触酸化方法。
(2)圧力損失調整用不活性物質は、アルミナ、シリコンカーバイド、シリカ、酸化ジルコニア及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも一種である(1)に記載の気相接触酸化方法。
(3)圧力損失調整用不活性物質の形状は、球状、円柱状、リング状、又は不定形であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の気相接触酸化方法。
(4)前記触媒は、Mo−Bi系複合酸化物触媒又はMo−V系複合酸化物触媒であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の気相接触酸化方法。
(5)前記触媒の形状は、球状、円柱状、リング状、又は不定形であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の気相接触酸化方法。
(6)前記触媒は、単独触媒または不活性物質で希釈されている触媒であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の気相接触酸化方法。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の気相接触酸化方法を用いて、プロパン、プロピレン又はイソブチレンを分子状酸素により酸化して、(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸を製造することを特徴とする(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明は、複数の反応管を有する固定床式多管熱交換型反応器を用いて、気相接触酸化方法を行う。
【0018】
つまり、上記反応器において、反応管外部に熱媒体を循環させ、触媒を充填した反応管内部に反応原料ガスを供給することにより、反応生成ガスを生成させる。
【0019】
本発明において、上記熱媒体は、反応管から発生する反応熱を吸収するために使用することが好ましい。該熱媒体としては、反応管から発生する反応熱を吸収する機能を有していれば、例えば、部分水素化トリフェニル等の有機熱媒や、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属(亜)硝酸塩いわゆるナイター等の無機溶触塩等、如何なる材料も使用し得る。
【0020】
また、本発明の気相接触酸化方法では、生成させたい反応生成ガスの種類に応じて、反応原料ガスや触媒を適宜選択することができる。
【0021】
本発明の気相接触酸化反応は、プロパン、プロピレンまたはイソブチレンを複合酸化物触媒の存在下で分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用いて(メタ)アクロレイン或いは(メタ)アクリル酸を製造する際に広く用いられる方法である。
【0022】
通常、この反応はプロパンをMo−V−Te系複合酸化物触媒、或いはMo−V−Sb系複合酸化物触媒等を用いて、気相酸化させてアクリル酸を製造、又はプロピレンまたはイソブチレンをMo−Bi系複合酸化物触媒の存在下で酸化して主に(メタ)アクロレインを製造する前段反応と前段反応で生成した(メタ)アクロレインをMo−V系複合酸化物触媒の存在下で酸化して(メタ)アクリル酸を製造する方法が取られる。
【0023】
工業化されている気相接触酸化方法の代表的な方式としては、ワンパス方式、未反応プロピレンリサイクル方式および燃焼廃ガスリサイクル方式がある。以下、プロピレンを例に挙げて説明する。
【0024】
ワンパス方式は、前段反応ではプロピレンと空気とスチームを、前段反応のための固定床多管型反応器の各反応管の反応原料ガス入口から混合供給して、主としてアクロレインとアクリル酸に転化させ、出口ガスを生成物と分離することなく後段反応のための固定床多管型反応器の反応管へ供給し、アクロレインをアクリル酸に酸化する方法である。このとき、後段反応で反応させるのに必要な空気およびスチームを前段反応出口ガスに加えて後段反応へ供給する方法も一般的である。
【0025】
未反応プロピレンリサイクル方式は、後段反応器の出口で得られたアクリル酸を含有する反応生成ガスをアクリル酸捕集装置に導き、アクリル酸を水溶液として捕集し、該捕集装置より未反応プロピレンを含有する廃ガスの一部を前段反応の反応原料ガス入口に供給することにより、未反応プロピレンの一部をリサイクルする方法である。
【0026】
燃焼廃ガスリサイクル方式は、後段反応器の出口で得られたアクリル酸を含有する反応生成ガスをアクリル酸捕集装置に導き、アクリル酸を水溶液として捕集し、該捕集装置よりの廃ガスを全量接触的に燃焼酸化させ、含有される未反応プロピレン等を二酸化炭素及び水に主として変換し、得られた燃焼廃ガスの一部を前段反応原料入口ガスに添加する方法である。
【0027】
本発明の気相接触酸化方法に用いられる触媒は、(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸を生成するために用いる固定床多管型反応器の反応管のアクリル酸生成用触媒の充填に用いられることが好ましく、触媒としては具体的に、以下のものが挙げられる。
【0028】
(メタ)アクリル酸あるいは(メタ)アクロレイン生成の気相接触酸化反応に用いられる触媒としては、オレフィンから不飽和アルデヒド又は不飽和酸への前段反応に用いられるものと、不飽和アルデヒドから不飽和酸への後段反応に用いられるものがあり、本発明においてはどちらの反応にも適応できる。
【0029】
前段反応に用いられる触媒としては、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
【0030】
【化1】
MoaWbBicFedAeBfCgDhEiOx (I)
(式中、Moはモリブデン、Wはタングステン、Biはビスマス、Feは鉄、Aはニッケルおよびコバルトから選ばれる少なくとも一種の元素、Bはナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素、ホウ素および亜鉛から選ばれる少なくとも一種の元素、Eはシリコン、アルミニウム、チタニウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、a、b、c、d、e、f、g、h、iおよびxはそれぞれMo、W、Bi、Fe、A、B、C、D、EおよびOの原子比を表し、a=12のとき、0≦b≦10、0<c≦10(好ましくは0.1≦c≦10)、0<d≦10(好ましくは0.1≦d≦10)、2≦e≦15、0<f≦10(好ましくは0.001≦f≦10)、0≦g≦10、0≦h≦4、0≦i≦30である。xは各々の元素の酸化状態によって定まる数値である。)
本発明に用いられる後段反応触媒としては、下記一般式(II)で表されるものが挙げられる。
【0031】
【化2】
MoaVbWcCudXeYfOg (II)
(式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Cuは銅、XはMg、Ca、SrおよびBaよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、YはTi、Zr、Ce、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Nb、Sn、Sb、PbおよびBiよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素、そしてOは酸素であり、a、b、c、d、e、fおよびgはそれぞれMo、V、W、Cu、X、YおよびOの原子比を示し、a=12とするとき、2≦b≦14、0≦c≦12、0<d≦6、0≦e≦3、0≦f≦3であり、gは各々の元素の酸化状態によって定まる数値である。)
上記触媒は、例えば、特開昭63−54942号公報に記載される方法により調製可能である。
【0032】
本発明の気相接触酸化方法で使用する反応管には、触媒と必要に応じて触媒希釈用の不活性物質(以下、「希釈剤」ともいう)とを充填する。このように本発明において、使用する触媒は、単独触媒であっても、不活性物質で希釈されている触媒であってもよい。
【0033】
また、触媒の反応管への充填仕様は、触媒の種類、触媒の量、触媒の形状(形、大きさ)、触媒の希釈方法(希釈剤の種類、希釈剤の量)、反応帯域の長さ等の各要素を総合的に勘案し、決定するとよい。
【0034】
本発明の気相接触酸化方法で使用する触媒の形状(形、大きさ)は特に制限はなく、触媒の成型法についても特に制限はない。例えば、押し出し成型法または打錠成型法で成型された成型触媒でも使用でき、また触媒成分よりなる複合酸化物を、炭化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの不活性な担体に担持して構成させた担持触媒を使用してもよい。
【0035】
また、触媒の形も、球状、円柱状、円筒状、リング状、星型状、不定形などのいずれの形でも良い。特にリング状触媒を使用するとホットスポット部における蓄熱の防止に効果がある。
【0036】
また、希釈剤の種類としては、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリル酸生成反応条件下で安定であり、オレフィン等の原料物質及び不飽和アルデヒド、不飽和脂肪酸等の生成物と反応性がない材質のものであれば何でも良く、具体的には、アルミナ、シリコンカーバイド、シリカ、酸化ジルコニア、酸化チタン等、触媒の担体に使われるものがよい。また、希釈剤の形状は触媒と同様に制限はなく、球状、円柱状、リング状、小片状、網状、不定形などのいずれでも良い。不活性物質は、充填層における触媒全体の活性を調整して、発熱反応時の異常発熱防止のために用いられる。
【0037】
不活性物質の使用量は、目的とする触媒活性により適宜決定されるものである。また、一つの反応管における反応帯域において、触媒の充填仕様を層状で異ならせてもよい。例えば、反応管上部に充填する触媒の充填仕様と、反応管下部に充填する触媒の充填仕様とを異ならせてもよい。一般に、一つの反応管における反応帯数は2〜3までの数で設定するとよい。
【0038】
また、例えば、反応管の充填層を区分して、反応原料ガス入口付近は触媒活性を低くして、発熱を抑えるために不活性物質の使用量を増やし、反応ガス出口付近は触媒活性を高くして反応を促進させるために不活性物質の使用量を減らす方法が好ましい。
【0039】
本発明において、固定床式多管熱交換型反応器とは、一般に工業的に用いられているものであり特に制限はない。
【0040】
次に、本発明の気相接触酸化方法における、反応管の圧力損失について説明する。
【0041】
本発明は、(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸等を製造するための気相接触酸化方法において、気相接触酸化を行う固定床式多管熱交換型反応器に上記触媒を充填した後の各反応管の圧力損失を均一にするものであり、より詳しくは、触媒充填後の各反応管の圧力損失が反応管圧力損失の平均値の±20%以内となるように、反応管の圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも低い場合には、反応管の原料ガス入口部分に不活性物質を充填し、又は充填された触媒を抜き出し充填し直し、各反応管の圧力損失を調整し、反応管の圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも高い場合には、充填された触媒を抜き出し、充填し直すことを特徴とする気相接触酸化方法である。
【0042】
ここで、反応管圧力損失の平均値とは、無作為に選んだ全反応管の0.5%以上、好ましくは1%以上の反応管についての圧力損失の平均値をいう。
【0043】
プロパン、プロピレン等の気相接触酸化に用いられる固定床多管型反応器は、数千本から数万本の反応管を有しており、従来の充填方法では、すべての反応管の触媒充填状態を均一にすることは非常に難しい。つまり、触媒充填時の触媒の粉化、崩壊を各反応管で同じにすることは困難であり、また各反応管への触媒充填時間を同じにすることも容易でなく、触媒の充填状態、酸化反応で特に重要な因子となる圧力損失が反応管毎で大きく異なる。
【0044】
具体的には、圧力損失の違いにより、反応管へ流れるガス量が変化し、反応管毎での反応状況が変わり、同じ反応器内にも関わらず、反応管毎で反応状況が異なることが問題である。
【0045】
反応器の反応温度は、全反応管の反応状態の平均値で決定され、例えば、プロピレンの酸化反応を目的とする前段反応器では、反応管ごとにプロピレン転化率にばらつきがあるため、全反応管のプロピレンの転化率の平均値で熱媒体温度は決められ、すべての反応管が最適な条件で運転されている訳ではない。
【0046】
即ち、以下に示す理由により、酸化反応器内の各反応管の反応状態、つまり圧力損失を均一にすることが、酸化反応器の安定運転には重要である。
(1)反応温度が同じでガス量が多い反応管では、原料物質の転化率が低下し、収率が低下する。反応温度が同じで、逆にガス量が少ない反応管では、過度の反応が起こり副反応が多くなり、選択率が低下する。
(2)更には、ガス量が少ない反応管では、過度の副反応が起こり、選択率の低下と相まって、反応管出口部分では酸素不足になり、触媒の劣化を引き起こすだけでなく、コーキングも引き起こす。
(3)各反応管での反応状況が異なることにより、触媒劣化の状況も異なり、全体としての触媒寿命が低下する。
【0047】
本発明において、固定床式多管熱交換型反応管の反応管に触媒を充填する方法としては、特に限定されないが、反応管上部に空間部を残して触媒を充填することが好ましい。
【0048】
触媒充填後に全反応管の0.5%以上、好ましくは1%以上の反応管を無作為に選び、圧力損失を測定する。これはマスフローメーターで一定流量のガスを反応管に流し、そのときの圧力を測定することにより可能である。この時、反応管に流すガスは、特に限定されないが、安全上、空気が望ましく、反応管に流すガス量は、実際に定常的に反応する時に流すガス量が望ましい。
【0049】
全反応管の圧力損失測定後、測定した反応管の圧力損失の平均値を算出する。平均値よりも低い反応管については、不活性物質を反応管空塔部に充填し、又は触媒を抜き出し充填し直して、平均値の±20%、好ましくは±10%の範囲になるように圧力損失を調整する。
【0050】
平均値よりも20%以上高い反応管は、触媒を抜き出して充填し直す。
【0051】
測定した反応管の圧力損失の平均値よりも20%以上の高い圧力損失である場合、該反応管に流れる反応原料ガス量が減り、過度の反応が起こってしまう。また、20%よりも低い圧力損失である場合、該反応管に流れる反応原料ガス量が増え、反応性が悪くなる。
【0052】
各反応管は、通常下部に触媒押さえを有しており、反応管上部より触媒が充填される。反応管の触媒を抜き出すには、反応管下部にある触媒押さえを外し、触媒を落下させることにより行えばよい。触媒押さえが複数の反応管に共有されている形態の場合は、減圧ポンプにより上部から触媒を抜き出しても良い。
【0053】
なお、本発明では、上述した反応管に充填する不活性物質のうち、特に圧力損失を調整するため圧力損失の測定後に追加される不活性物質、又は充填し直される触媒に希釈されている不活性物質を、調整用不活性物質という。該調整用不活性物質としては、上記のとおりアルミナ、シリコンカーバイド、シリカ、酸化ジルコニア、酸化チタン等からなる群から選ばれるものが好ましい。また、その形状は特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれでも良い。
【0054】
また、本発明において、触媒の充填仕様を設定するにあたり、反応管内部の反応状態の予測結果を考慮に入れるとよい。
【0055】
各反応管毎の反応状態のばらつきをなくすのに、各反応管の圧力損失を均一にするようにすることは有効である。しかし、これは主に反応管における触媒の充填状態等、反応管内部の影響を考慮しているものであり、熱媒体の流動状態や反応器の構造等、反応管外部の影響までは考慮していない。そこで、反応管の場所や同じ反応管でも位置により除熱効果の悪い箇所がある等の反応管外部の影響をも考慮に入れ、反応管内部の反応状態を予測し、各反応管の予測される反応状態が均一になるよう触媒の充填仕様を設定すると、各反応管毎の反応状態のばらつきをさらになくすことができる。
【0056】
従って、反応管に触媒を充填する際、又は圧力損失を均一にするよう触媒を充填し直す際、以下で説明するように反応管の触媒層温度を測定すること又はコンピューターを用いて反応管外部に循環する熱媒体の流動状態と反応管内部の反応熱とのシミュレーション解析を行うことにより、反応管内部の反応状態を予測し、その予測結果に応じて、反応管の間の反応状態の不均一性が減少されるように、反応管における触媒の充填仕様を決めるとよい。
【0057】
以下に、各反応管内部の反応状態の予測方法について説明する。
【0058】
反応状態の予測は、通常の反応状態を逸脱して、ホットスポット等異常な反応状態となる反応管の発生を防止するために行うものである。
【0059】
そこで、通常の反応状態とは異なる、異常な反応状態を生じている又は生じる可能性がある反応管を予測する。具体的には、他の反応管と均一な状態(同レベルの反応状態)にない反応管を挙げることになる。
【0060】
そして、上記反応状態を予測するには、反応管内部の熱状態を把握することが好ましい。
【0061】
反応管内部の熱状態を把握するには、反応管の触媒層温度を測定すること、又はコンピューターシミュレーション解析を用いることにより行うことができる。
【0062】
具体的には、反応管の触媒層の温度を測定した結果、他の反応管と比較して温度が高いと判断される場合や、コンピューターシミュレーション解析の結果、反応管内の温度が他の反応管内の温度より高いと判断される場合に、他の反応管の反応状態と異なる状態であると予測することができる。
【0063】
上記コンピューターによるシミュレーション解析を用いて反応管内部の熱状態を把握する場合、より具体的には、熱媒体の流動解析を行う、又は、熱媒体の流動解析と反応管内部の反応熱解析とを併せて解析することにより把握することができる。
【0064】
上記熱媒体の流動解析は、邪魔板や反応管のレイアウト、及び熱媒体供給口等の反応器の構造、及び、熱媒体の物性や熱媒体の流通量等熱媒体の関する項目を決めシミュレ−ションすることにより得る。具体的には、運動量保存式、質量保存式、エンタルピー保存式等を用いて熱媒体の流れ方向及び熱媒体流れの速度等を計算して、伝熱係数、温度分布を算出するとよい。本発明では、流体解析ソフトとして、CFX(イギリス、CFX社製)を用いて解析を行うことができる。
【0065】
また、反応管内部の反応熱解析は、反応管構造、供給ガス及び触媒物性、反応速度式等の反応管に関する項目を決めシュミレーションすることにより得る。具体的には、運動量保存式、質量保存式、エンタルピー保存式、反応速度式等を用いて反応管内の各微小区間での反応量を求めるとよい。本発明では、解析ソフトとして、g−PROMS(イギリス、AEA社製)を用いて解析を行うことができる。
【0066】
このようにして、上記熱媒体の流動解析により除熱が悪い部分を考慮し、さらに反応管内部の反応熱解析を加えると、より反応管内のすべての場所にある各反応管内の反応状態を予測することができる。
【0067】
本発明者らは、コンピューターによるシミュレーションの解析の結果、ダブルセグメントタイプの固定床式多管熱交換型反応器やディスクアンドド−ナツタイプの固定床式多管熱交換型反応器を用いた気相接触酸化方法において、反応管に対して垂直流れ(横流れ)に比べて、反応管に沿う流れ(縦流れ)は除熱が悪いこと、更に、反応器外周部の縦流れよりも反応器中心部の縦流れの部分の除熱が非常に悪いこと確認した。
【0068】
また、これらの固定床式多管熱交換型反応器において熱媒体の流通量を増加させた場合、横流れの部分は熱媒体の流通量に応じて除熱効果は向上するが、熱媒の縦流れになる部分、特に反応器中心部の縦流れになる部分は、熱媒体の流通量を増加しても、流通量を増加した割には除熱効果は上がらないことを確認した。
【0069】
また、マルチバッフルタイプの固定床式多管熱交換型反応器を用いた気相接触酸化方法において、反応器外周部の熱媒体の滞留部に除熱の悪い部分が存在することを確認した。
【0070】
よって、上記除熱の悪い部分を充分考慮に入れ、該部分に存在する反応管における反応状態を慎重に予測するとよい。
【0071】
そして、本発明では、上記予測の結果をもとに、その予測結果に応じて、各反応管における触媒の充填仕様を変更する。
【0072】
つまり、上記した他の反応管と反応状態が異なると判断した反応管について、他の反応管と同じ反応状態となるよう、言い換えると、反応管の間の反応状態の不均一性が減少されるように、触媒の充填仕様を変更する。
【0073】
例えば、反応管の触媒層温度を測定した結果、所定の触媒層温度領域からはずれていると判断される反応管に対しては、他の反応管の触媒層温度と同レベルになるように、触媒の充填仕様を変更する。
【0074】
または、コンピューターによるシミュレーションの結果、熱媒体の循環状態が悪い部分に存在する反応管であって、反応管で生じた反応熱が充分除熱されず所定の温度領域からはずれていると判断される反応管に対しては、他の反応管内部の想定温度と同レベルになるように、触媒の充填仕様を変更する。
【0075】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
<標準条件>
・固定床式多管熱交換型反応器の反応管
固定床反応器としてのパイロット装置は、内径が27mm長さ5mの熱媒体用のジャケットを備えた反応管からなり、熱媒体としてナイターを用いて均一に温度を制御できるものである。
・前段反応触媒(プロピレン気相接触酸化触媒)
プロピレンの気相接触酸化触媒として、特開昭63−54942号公報に開示される方法にて下記組成(原子比)の触媒を調製した。
Mo:Bi:Co:Fe:Na:B:K:Si:O=12:1:0.6:7:0.1:0.2:0.1:18:X
但し、Xはそれぞれの金属元素の酸化状態により定まる値である。
【0076】
反応管に触媒を0.86L充填し、その上に触媒70%とアルミナボール30%を体積比で混合したものを0.43L、更にその上に触媒50%とアルミナボール50%を体積比で混合したものを0.43L充填した。
・前段反応条件プロピレン9.5mol%、空気71.9mol%、水蒸気18.6mol%の組成からなる原料ガスを、1032NL/Hの流量でパイロット装置又は実機の固定床多管型反応器の反応管へ供給した。
・反応圧力後段反応器の出口圧力を50kPaG(ゲージ圧)になるように調整した。
【0077】
【実施例1】
前段触媒を標準条件でパイロット装置の反応管に触媒を充填後、標準反応条件時に供給するガス量と同じ量の空気(1032NL/H)を供給した時の圧力損失は7.1kPaであった。
【0078】
また、この反応管での反応成績は、反応温度(尚、この反応温度とは、反応管から発生する反応熱を吸収するために反応管外部を循環させる熱媒体の温度で判断することができるため、「熱媒体温度」ともいうことができる)323℃でプロピレン転化率98.0%で、アクリル酸とアクロレインの合計収率は92.1%であった。
【0079】
【比較例1】
触媒充填時間を変えた以外は実施例1と同じ方法で触媒を充填した結果、触媒充填後の圧力損失は5.6kPaであり、空気量を増加させて圧力損失が実施例1と同じ7.1kPaになる時の空気量は、1200NL/Hであった。
【0080】
前段反応管へのガス供給量を1200NL/Hに変更した以外は、実施例1と同様の方法で反応した時、熱媒温度323℃でプロピレン転化率は96.7%で、アクリル酸とアクロレインの合計収率は90.1%であり、実施例1に比べて非常に低い転化率であった。
【0081】
【比較例2】
触媒充填時間を変えた以外は実施例1と同じ方法で触媒を充填した結果、触媒充填後の圧力損失は8.4kPaであり、空気量を減少させて圧力損失が実施例1と同じ7.1kPaになる時の空気量は、920NL/Hであった。
【0082】
前段反応管へのガス供給量を920NL/Hに変更した以外は、実施例1と同様の方法で反応した時、熱媒温度323℃でプロピレン転化率は98.8%で、アクリル酸とアクロレインの合計収率は91.6%であり、過度の酸化反応が起こっている。
【0083】
【実施例2】
比較例1において、標準反応条件時に供給するガス量と同じ量の空気(1032NL/H)を供給した時の圧力損失が実施例1と同じ7.1kPaになるように不活性物質であるアルミナボールを充填して、前段反応器へのガス供給量を1032NL/Hとし、実施例1と同様の条件で反応した時、熱媒温度323℃でプロピレン転化率は97.9%で、アクリル酸とアクロレインの合計収率は92.0%であった。実施例1とほぼ同じ結果となった。
【0084】
実施例1と2、比較例1と2の結果をまとめて表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【実施例3〜5及び比較例3、4】
触媒充填時の圧力損失の触媒に与える経時的影響について、実機で確認した。
【0087】
実機は、反応管を15000本有する固定床式多管熱交換型反応器で、反応条件は基本的には実施例1と同じであるが、反応管1本当たりの平均ガス供給量は1250NL/Hである。
【0088】
この反応器に触媒充填時間及び触媒充填方法を変えて触媒の充填状態が異なる反応管を8本準備し、それぞれ実施例3〜5、比較例3、4とした。
【0089】
これら反応管の触媒充填時の圧力損失と運転開始1年後の圧力損失を表2に示す。また、本反応器の150本の反応管の圧力損失を測定した結果、圧力損失の平均値は8.5kPaであり、実施例3の反応管の圧力損失の値と同じであった。
【0090】
実施例4と5、比較例3と4の触媒充填時の圧力損失と運転開始1年後の圧力損失の結果も表2に示す。
【0091】
圧力損失の平均値より高い反応管に流れるガス量は、圧力損失が平均値の反応管よりも少なく、その結果、過度の反応が起こり、触媒の劣化をもたらすだけではなく、コーキングの原因にもなる。比較例3と比較例4では、反応管出口部分が黒く、コーキングを引き起こしており、完全に閉塞していた。すなわち、この反応管はコーキング当初は、収率の低下を引き起こし、最終的には完全閉塞し、酸化反応に有効に使われていない状態に至った。
【0092】
【表2】
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、固定床式多管熱交換型反応器を用いてプロパン、プロピレン等の反応原料ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化してアクロレイン及びアクリル酸を製造する方法において、触媒を固定床式多管熱交換型反応器の各反応管に充填した後、各反応管の圧力損失が均一になるように調整してから反応に使用することにより、各反応管間での反応状態のばらつきが抑えられ、触媒寿命の向上が達成されるばかりでなく、高収率でアクロレイン及びアクリル酸等の製造が可能になる。
Claims (9)
- 複数の反応管を有する固定床式多管熱交換型反応器を用い、触媒を充填した反応管内部に反応原料ガスを供給することにより、反応生成ガスを得る気相接触酸化方法において、触媒充填後の各反応管の圧力損失が反応管圧力損失の平均値の±20%以内となるように、圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも低い反応管には、反応管の原料ガス入口部分に不活性物質を充填し、圧力損失が反応管圧力損失の平均値よりも高い反応管には、充填された触媒を抜き出し充填し直して、各反応管の圧力損失を調整することを特徴とする気相接触酸化方法。
- 圧力損失調整用不活性物質は、アルミナ、シリコンカーバイド、シリカ、酸化ジルコニア及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の気相接触酸化方法。
- 圧力損失調整用不活性物質の形状は、球状、円柱状、リング状、又は不定形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の気相接触酸化方法。
- 前記触媒は、Mo−Bi系複合酸化物触媒又はMo−V系複合酸化物触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の気相接触酸化方法。
- 前記触媒の形状は、球状、円柱状、リング状、又は不定形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の気相接触酸化方法。
- 前記触媒は、単独触媒または不活性物質で希釈されている触媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の気相接触酸化方法。
- 反応管に触媒を充填するのに、反応管の触媒層温度を測定すること又はコンピューターを用いて反応管外部に循環する熱媒体の流動状態と反応管内部の反応熱とのシミュレーション解析を行うことにより、反応管内部の反応状態を予測し、その予測結果に応じて、反応管の間の反応状態の不均一性が減少されるように、反応管における触媒の充填仕様を決めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の気相接触酸化方法。
- 触媒の充填仕様を決める項目として、触媒の種類、触媒の量、触媒の形状、触媒の希釈方法、反応帯域の長さの各項目が挙げられることを特徴とする請求項7に記載の気相接触酸化方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の気相接触酸化方法を用いて、プロパン、プロピレン又はイソブチレンを分子状酸素により酸化して、(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸を製造することを特徴とする(メタ)アクロレイン又は(メタ)ア
クリル酸の製造方法。
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