以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成システム100が備える画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
画像形成システム100は、図1において用紙Sを記録媒体として使用し、用紙S上に画像を形成するシステムである。
図1に示すように、画像形成システム100は、用紙Sの搬送方向に沿って上流側から、画像形成装置1および後処理装置2が接続されて構成される。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット51a~51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
現像装置412には、例えば帯電装置414の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置414の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置411によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部60は、用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により後処理装置2に搬送される。
後処理装置2は、例えば、用紙に対して穿孔処理、綴じ処理(ステープル処理)、二つ折り処理などの後処理を施すことが可能である。図3は、後処理装置2の一例を概略的に示す図である。図3に示す後処理装置2では、穿孔処理を行う穿孔装置200が描かれており、その他の処理を行う装置が省略されている。また、図3にはX軸、Y軸およびZ軸が描かれている。図3における左右方向をX方向といい、左方向を用紙搬送方向または「+X方向」という。また、図3の紙面に直交する方向を用紙幅方向またはY方向といい、手前方向を用紙搬送方向の左側、左方向または「+Y方向」といい、奥行方向を用紙搬送方向の右側、右方向または「-Y方向」という。また、図3における上下方向をZ方向といい、上方向を「+Z方向」といい、下方向を「-Z方向」という。
図2に示すように、穿孔装置200は、穿孔処理部210と、移動部220と、穿孔処理制御部230と、検出部240と、を備えている。
穿孔処理部210は、図3に示すように、パンチユニット210Aと駆動部(不図示)とを備えている。パンチユニット210Aは、ダイ211と、パンチ212とを有している。ダイ211は、複数のパンチ穴213を有している。パンチ212は、パンチ穴213の上方位置に配置される。
駆動部には、例えば、モーターと、モーターの回転運動を直線運動に変換する機構とを有する公知の手段が用いられる。駆動部は、パンチ212を上下方向(Z方向)に移動する。パンチ212は、駆動部により下方向(-Z方向)に移動してパンチ穴213に嵌合する。これにより、用紙Sに孔があけられる。
図4Aから図4Eは、穿孔装置200の種類の一例を示す平面図である。図4Aから図4Eに示す穿孔装置200では、パンチ212が省略されて描かれている。図4Aに示す穿孔装置200は、ダイ211に2つのパンチ穴213が用紙幅方向対称に配置された2穴の穿孔装置である。図4Bに示す穿孔装置200は、ダイ211に3つのパンチ穴213が用紙幅方向対称に配置された2穴の穿孔装置である。
図4Cに示す穿孔装置200は、ダイ211に4つのパンチ穴213が用紙幅方向対称に配置された2穴の穿孔装置である。図4Dに示すように、ダイ211には2つのパンチ穴213Aが用紙幅方向対称に配置されている。また、ダイ211には3つのパンチ穴213Bが用紙幅方向対称に配置されている。図4Dに示す穿孔装置200は、2穴、3穴選択式の穿孔装置である。
図4Eに示すように、ダイ211には4つのパンチ穴213C,213D,213E,213Fが用紙幅方向対称に配置されている。図4Eに示す穿孔装置200は、内側2つのパンチ穴213C、213Dと、4つ全部のパンチ穴213C,213D,213E,213Fとを選択可能な2穴、4穴選択式の穿孔装置である。
本発明は、図4Aから図4Eに示す穿孔装置200を含む各種の穿孔装置に適用可能である。なお、以下の説明では、本発明を、2穴、4穴選択式の穿孔装置に適用した一例を示す。
図5Aは、移動部220の構成の一例を示す平面図である。図5Bは、パンチユニット210A等の動作の一例を示す説明図である。図5Bには、パンチユニット210Aを支持するための支持部材215が描かれているが、移動部220が省略されている。
移動部220は、ラックギヤ221と、ピニオン222と、モーター(不図示)とを有する。ラックギヤ221は、用紙幅方向(Y方向)に延在している。ピニオン222は、ラックギヤ221に噛合している。モーターは、ピニオン222を回転する。モーターによりピニオン222が反時計回りの方向に回転した場合、パンチユニット210A(ダイ211、パンチ212)および検出部240が用紙搬送方向の左側(+Y方向)に移動する。モーターによりピニオン222が時計回りの方向に回転した場合、パンチユニット210Aおよび検出部240が用紙搬送方向の右側(-Y方向)に移動する。
図5Bに、+Y方向に移動したパンチユニット210Aおよび検出部240を実線で示す。また、-Y方向に移動したパンチユニット210Aを一点鎖線で示す。
穿孔処理制御部230は、穿孔装置200を統括的に制御する機能を担っている。穿孔処理制御部230としては、制御部101と同様に、例えばCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピューターを用いることができる。穿孔処理制御部230は、ROMに格納された制御プログラムに従い、各種の演算を行い、この演算結果に基づいて穿孔装置200の動作状態を制御する。すなわち、穿孔処理制御部230は、穿孔装置200の各部を制御する。
また、穿孔処理制御部230は、制御部101との間で互いに通信可能に構成されている。これにより、穿孔処理制御部230は、画像が形成される用紙Sに関する情報(例えば、用紙Sのサイズ等)を取得する。また、穿孔処理を実行する際の各種情報を取得する。取得された情報は、穿孔処理制御部230の記憶部(例えば、RAM)に記憶される。
具体的には、穿孔処理制御部230は、用紙Sに穿孔処理を行うように、穿孔処理部210、移動部220、および、検出部240などを制御する。さらに、具体的には、穿孔処理制御部230は、用紙Sが送られてくるのを待機する待機位置と用紙Sの穿孔を行う穿孔位置との間を穿孔処理部210が移動するように、移動部220を制御する。
図3に示すように、検出部240は、パンチユニット210Aのパンチ212側に装着されている。検出部240には公知の手段が用いられる。
検出部240は、例えば、複数の受光部が用紙幅方向へ配列されたラインセンサーを有する。検出部240は、穿孔処理部210に搬送されてくる用紙Sに光を照射し、用紙Sからの反射光をラインセンサーで受光し、ラインセンサーからの画像信号出力に基づいて、用紙Sの用紙幅方向の位置を検出する。具体的には、検出部240は、用紙Sの用紙幅方向の端である側端の位置を検出する。
次に、穿孔装置200の機能の一例、特に、パンチ穴213の位置ずれを調整する機能について図6Aから図6Dを参照して説明する。なお、図6Aから図6Dには、2穴の穿孔装置、および、パンチユニット210Aを支持するための支持部材215が描かれているが、移動部220は省略されている。
図6Aに示すように、用紙Sが穿孔処理部210に搬送されてくる。図6Aに、穿孔処理部210に搬送されてくる用紙S、および、パンチユニット210Aの用紙幅方向中央位置Cと用紙Sの用紙幅方向中央位置との間のずれ量δを示す。
次に、検出部240(図2を参照)は、用紙Sの側端の位置を検出する。穿孔処理制御部230は、検出された用紙Sの側端の位置、用紙Sのサイズ、および、パンチユニット210Aの用紙幅方向の現在位置情報に基づいて、ずれ量δを算出する。図6Bに、用紙Sの側端の位置を検出する検出部240を示す。
次に、穿孔処理制御部230(図2を参照)は、ずれ量δに基づいて、パンチユニット210Aを移動するように移動部220を制御する。図6Cに用紙搬送方向の右側へ移動されたパンチユニット210Aを示す。
次に、穿孔処理制御部230は、用紙Sに穿孔するようにパンチユニット210Aを制御する。図6Dに穿孔処理が行われた用紙Sを示す。以上により、パンチユニット210Aの用紙幅方向中央位置Cと用紙Sの用紙幅方向中央位置との間にずれがある場合(ずれ量δ>0)、パンチユニット210Aを所定の方向へずれ量δだけ移動することで、パンチ穴213の位置ずれを調整することができる。これにより、用紙Sの所定位置に穿孔処理を行うことが可能となる。
図7、図8Aおよび図8Bは、比較例に係る穿孔装置を示す説明図である。図7に示すように、穿孔装置に搬送されてくる用紙Sの用紙搬送方向前端の角である前端角の用紙幅方向(Y方向)の位置とパンチ穴1213の用紙幅方向(Y方向)の位置とが重なる場合、用紙Sの前端角がパンチ穴1213に引っ掛かることで、紙詰まり、角折れ等の不具合が発生するおそれがある。
そこで、パンチユニット1210Aは、所定方向(ここでは、+Y方向)に所定の移動量だけ移動される。このとき、検出部1240はパンチユニット1210Aと共に移動される。その結果、図8Aに示すように、検出部1240は支持部1215材の位置に移動されるおそれがある。検出部1240が支持部材1215の位置に移動された場合、検出部1240の検出範囲には、他の装置を構成する部材(ここでは、支持部材)が入るようになる。その結果、検出部1240が用紙Sの側端の位置を誤検知するおそれがある。
誤検知を防止するため、例えば、図8Bに示すように、支持部材1215の配置位置を+Y方向に移動した場合、装置の大型化が必要となる。この結果、製造コストが上がる。
本実施の形態においては、穿孔処理制御部230は、は、検出部240により検出された用紙Sの側端の位置に基づいて、パンチユニット210Aを穿孔位置から待機位置に移動する場合のパンチユニット210Aの移動量および移動方向を決定する決定部250を備える。
ここで、パンチユニット210Aの移動量および移動方向は、パンチユニット210Aにより穿孔が行われる用紙Sより一つ前にパンチユニット210Aへ搬送される用紙Sの側端の位置に基づいて決定される。また、移動量とは、パンチユニット210Aが予め定められた初期位置から用紙幅方向(Y方向)に移動する移動距離である。ここで、初期位置とは、例えば、左右の支持部材215間の中央位置をいう。
本実施の形態における待機位置とは、パンチユニット210Aに搬送される用紙Sの前端角の位置に対して、パンチユニット210Aのパンチ穴213の位置を予め定められた所定量(以下、「退避量」という場合がある)ずらした位置である。また、本実施の形態における穿孔位置とは、用紙Sの用紙幅方向(Y方向)の中央位置に基づいて穿孔を行う位置である。パンチユニット210Aに搬送されてくる各用紙Sの位置が用紙幅方向にずれていく場合、用紙Sの位置ずれに応じて、待機位置がずれていく。結果的に、待機位置におけるパンチユニット210Aの位置と初期位置との間の用紙幅方向の移動距離が長くなる。パンチユニット210Aの初期位置からの移動距離が長くなると、パンチユニット210Aと共に移動する検出部240(図2を参照)が、予定される検出範囲の外に移動して、検出範囲用紙Sの側端の位置以外の他の構成を検出する可能性が高まる。検出部240が予定される検出範囲の外に移動することは、パンチユニット210Aの移動量が許容範囲を超えたことを意味する。
決定部250(図2を参照)は、移動量が許容範囲内である場合、移動方向を+Y方向(用紙幅方向における第1方向)に決定する。決定部250は、移動量が許容範囲を超える場合、移動方向を-Y方向(第1方向とは反対の第2方向)に決定する。ここで、許容範囲は、検出部240が用紙Sの側端の位置以外(ここでは、支持部材215の位置)を検出しない範囲に基づいて定められる。また、許容範囲は、パンチユニット210Aの移動可能範囲である。
穿孔処理制御部230は、決定部250により決定された移動量および移動方向に基づいて、パンチユニット210Aが穿孔位置から待機位置にするように移動部220を制御する。
次に、本実施の形態に係る穿孔装置の動作の一例について図9Aから図9Hを参照して説明する。
図9Aに、パンチユニット210Aに搬送される用紙Sと、当該用紙Sより一つ前の用紙を穿孔した穿孔位置に位置するパンチユニット210Aとを示す。
穿孔処理制御部230は、一つ前の用紙Sの側端の位置情報に基づいて、パンチユニット210Aが穿孔位置から待機位置へ所定方向(ここでは、+Y方向)に所定量(退避量)だけ移動するように移動部220を制御する。なお、所定量は、パンチユニット210Aに搬送される用紙Sの想定される最大ずれ量を考慮して定められる。これにより、用紙Sの最大ずれ量が生じた場合であっても、パンチユニット210Aが待機位置に移動されることで、用紙Sの前端角がパンチ穴213に引っ掛かるおそれがない。図9Bに、パンチユニット210Aに搬送される用紙Sの前端角の位置に対して、パンチ穴213の位置を所定量(退避量)ずらしたパンチユニット210Aを示す。
次に、検出部240は、パンチユニット210Aに搬送されてくる用紙Sの側端の位置を検出する。穿孔処理制御部230は、用紙Sの側端の位置情報を取得する。取得された用紙Sの側端の位置情報は、穿孔処理制御部230の記憶部(例えば、RAM)に記憶される。なお、記憶部には、パンチユニット210Aの用紙幅方向の現在位置情報が記憶される。図9Cに、用紙Sの側端の位置を検出する検出部240を示す。
次に、穿孔処理制御部230は、用紙Sの側端の位置情報に基づいて、パンチユニット210Aが用紙Sの用紙幅方向中央位置(穿孔位置)に移動するように移動部220を制御する。図9Dに、穿孔位置に移動したパンチユニット210Aを示す。
次に、穿孔処理制御部230は、図9Eに示すように、用紙Sに穿孔処理を行うようにパンチユニット210Aを制御する。
次に、穿孔処理制御部230は、次に搬送されている用紙Sのサイズ、および、パンチユニット210Aの用紙幅方向の現在位置情報に基づいて、パンチユニット210Aを穿孔位置から待機位置に移動する必要があるか否かについて判定する。パンチユニット210Aを待機位置に移動する必要がある場合、用紙Sのサイズ、および、当該用紙Sの側端の位置情報に基づいて、パンチユニット210Aが穿孔位置から待機位置に移動するように移動部220を制御する(図9Bを参照)。なお、用紙S2のサイズの情報に基づいて、パンチユニット210Aを待機位置に移動する必要がない場合(図9Fを参照)、検出部240は、パンチユニット210Aに搬送されてくる用紙S2の側端の位置を検出する。次に、穿孔処理制御部230は、用紙S2に穿孔処理を行うようにパンチユニット210Aを制御する。
次に、パンチユニット210Aの移動方向を決定する決定部250について説明する。図9Gは、穿孔位置から待機位置へ所定方向(+Y方向)に所定量(退避量)だけ移動するパンチユニット210Aを示す。図9Gに、支持部材215の位置に移動した検出部240を一定鎖線で示す。なお、パンチユニット210Aの移動量には許容範囲が設定されている。ここで、許容範囲は、検出部240が用紙Sの側端の位置以外の他の構成を検出するか否かに基づいて定められる。また、許容範囲は、パンチユニット210Aの移動可能範囲に基づいて定められる。したがって、例えば、検出部240が支持部材215の位置を検出することは、許容範囲を超えたことを意味する。
決定部250は、パンチユニット210Aを+Y方向に所定量(退避量)だけ移動した場合の移動量が許容範囲を超える場合、パンチユニット210Aの移動方向を、+Y方向とは反対の-Y方向に決定する。そして、穿孔処理制御部230は、図9Hに示すように、パンチユニット210Aが穿孔位置から待機位置へ所定方向(-Y方向)に所定量(退避量)だけ移動するように移動部220を制御する。
次に、本実施の形態に係る穿孔処理方法の一例について図10を参照して説明する。図10は、本実施の形態に係る穿孔処理方法の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、穿孔処理制御部230が制御プログラムに従って順に実行する処理である。本フローチャートは、画像形成装置1の印刷ジョブの実行開始時に開始される。以下の説明においては、一つ前の用紙S(パンチユニット210Aに搬送されてくる用紙より一つ前に搬送された用紙)の側端の位置は、穿孔処理制御部230の記憶部(例えば、RAM)に記憶されている。なお、用紙Sの側端の位置が記憶部に記憶されていない場合、一つ前の用紙Sの側端の位置として初期値が用いられる。
先ず、ステップS100において、穿孔処理制御部230は、制御部101から次の用紙Sのサイズ情報を取得する。また、穿孔処理制御部230は、一つ前の用紙Sの側端の位置情報を取得する。
次に、ステップS110において、穿孔処理制御部230は、パンチユニット210Aの穿孔位置から待機位置への移動が必要であるか否かについて判定する。移動が必要である場合(ステップS110:YES)、処理は、ステップS160に遷移する。移動が必要でない場合(ステップS110:NO)、処理は、ステップS120に遷移する。
ステップS120において、穿孔処理制御部230は、用紙の側端の位置を検出するように検出部240を制御する。
次に、ステップS130において、穿孔処理制御部230は、検出された用紙の側端の位置に基づいて、パンチユニット210Aが穿孔位置に移動するように移動部220を制御する。
次に、ステップS140において、穿孔処理制御部230は、用紙Sに穿孔するように穿孔処理部210を制御する。
次に、ステップS150において、穿孔処理制御部230は、穿孔された用紙Sが最後の用紙であるか否かについて判定する。最後の用紙である場合(ステップS150:YES)、図10に示す処理は終了する。最後の用紙でない場合(ステップS150:NO)、処理はステップS100の前に戻る。
次に、ステップS160において、穿孔処理制御部230は、パンチユニット210Aが用紙搬送方向の左側へ所定量(退避量)だけ移動した場合、パンチユニット210Aの初期位置からの移動距離が許容範囲を超えるか否かについて判定する。パンチユニット210Aの初期位置からの移動距離が許容範囲を超える場合(ステップS160:YES)、処理はステップS180に遷移する。パンチユニット210Aの初期位置からの移動距離が許容範囲を超えない場合(ステップS160:NO)、処理はステップS170に遷移する。
ステップS170において、穿孔処理制御部230は、パンチユニット210Aが用紙搬送方向の左側へ所定量(退避量)だけ移動するように、移動部220を制御する。その後、処理は、ステップS120の前に遷移する。
ステップS180において、穿孔処理制御部230は、パンチユニット210Aが用紙搬送方向の右側へ所定量(退避量)だけ移動するように、移動部220を制御する。その後、処理は、ステップS120の前に遷移する。
上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、用紙搬送方向(+X方向)と直交する用紙幅方向(Y方向)に移動可能にされ、用紙Sが搬送されてくるのを待機するとともに、搬送された用紙Sの穿孔を行う穿孔処理部210と、穿孔処理部210を用紙幅方向に移動する移動部220と、用紙Sが搬送されてくるのを待機する待機位置と用紙Sの穿孔を行う穿孔位置との間を穿孔処理部210が移動するように、移動部220を制御する穿孔処理制御部230と、穿孔処理部210に搬送されてくる用紙Sの側端の位置を検出する検出部240と、を備える。穿孔処理制御部230は、検出された用紙Sの側端の位置に基づいて、穿孔処理部210を穿孔位置から待機位置に移動する場合の穿孔処理部210の移動量および移動方向を決定する決定部250を有する。穿孔処理制御部230は、用紙の穿孔が行われた際、決定された移動量および移動方向に基づいて、穿孔処理部210が穿孔位置から待機位置に移動するように移動部220を制御する。
これにより、検出部240の検出範囲を広げなくても、用紙Sの側端の位置を確実に検出することが可能となる。これにより、検出部240の設置場所を拡大する必要がないため、装置の大型化を抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、穿孔処理制御部230は、穿孔処理部210の移動量が許容範囲内である場合、移動方向を用紙幅方向における第1方向に決定し、穿孔処理部210の移動量が許容範囲を超える場合、移動方向を第1方向とは反対の第2方向に決定する。検出部240は、穿孔処理部210に搬送されてくる用紙Sの側端の位置を検出するため、検出部240は、穿孔処理部210の第1方向へ移動に対応して移動する必要がある。しかし、穿孔処理部210の第1方向への移動量が許容範囲を超えた場合、穿孔処理部210は、第1方向とは反対の方向である第2方向に移動する。そして、移動先を待機位置とする。検出部240は、穿孔処理部210の第2方向の移動に対応して移動し、用紙Sの側端の位置を検出する。これにより、検出部240の検出範囲を第1方向へ広げる必要がない。仮に、第1方向に広げた検出範囲に支持部材215が入るようになる場合、検出部240が用紙Sの側端の位置を誤検知するおそれがある。検出部240の誤検知を防止するため、支持部材215を検出範囲の外側に移動した場合、穿孔装置200が大型化する。本発明では、検出部240の検出範囲を第1方向へ広げる必要がないため、穿孔装置200の大型化を防止することが可能となる。その結果、製造コストが上がるのを抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、穿孔処理部210の移動量の許容範囲は、検出部240が用紙Sの側端の位置以外の他の構成を検出しない範囲に基づいて定められる。これにより、検出部240が用紙Sの側端の位置を誤って検出することを防止することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、穿孔処理部210の移動量の許容範囲は、穿孔処理部210の移動可能範囲に基づいて定められる。許容範囲が穿孔処理部210の移動可能範囲を超えて設定されないようにすることにより、穿孔処理部210を移動する移動部220が大型化するのを防止することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、穿孔処理部210の移動量は、穿孔処理部210が用紙幅方向の予め定められた初期位置から移動する移動距離である。これにより、穿孔処理部210が初期位置から第1位置又は第2位置のいずれの方向にどの程度離間しているかが明らかとなる。その結果、穿孔処理部210を穿孔位置から退避位置に確実に移動することが可能となる。
また、上記実施の形態に係る穿孔装置200によれば、穿孔処理部210の移動量および移動方向は、穿孔処理部210により穿孔が行われる用紙Sに対して一つ前に穿孔処理部210へ搬送される用紙Sの側端の位置に基づいて決定される。穿孔処理部210へ搬送されてくる用紙Sとそれより一つ前に搬送されてくる用紙Sとの間には、用紙幅方向においてずれが生じる。しかしながら、当該ずれを見込んで、穿孔処理部210が穿孔位置から待機位置に移動されるため、待機位置に位置する穿孔処理部210へ搬送されてくる用紙Sの前端角の位置と、パンチ穴213の位置とが用紙幅方向において重なるおそれはない。これにより、用紙Sの前端角がパンチ穴213に引っ掛かることを防止することができる。
また、上記実施の形態においては、画像形成装置1に接続される後処理装置2に穿孔装置200が組み込まれるが、これに限らず、画像形成装置1に穿孔装置200が組み込まれてもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。