JP7287066B2 - 樹脂組成物および電子デバイス製造方法 - Google Patents
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Description
別の例として、特許文献2には、センサー構造の製造において、センサーエレメントの保護のために、犠牲層を形成することが記載されている。
レーザグルービングとは、ブレードを用いたウェハのダイシングにおいて、ウェハ上にLow-k層などの脆弱層がある場合、ダイシング前にその脆弱層をレーザで焼き切ることをいう。これにより、ブレードでのダイシング時に、脆弱層の剥離を抑制することができる。
しかし、本発明者らの知見として、従来の犠牲層をレーザグルービングに供した場合、適切にレーザグルービングを行うことができない場合があった。例えば、犠牲層をレーザで十分に焼き切ることができない場合があった。
電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
樹脂と、紫外線吸収剤とを含み、非感光性である樹脂組成物
が提供される。
上記の樹脂組成物により基板上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜をドライエッチングするドライエッチング工程と、
を含む電子デバイス製造方法
が提供される。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書における「電子デバイス」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
本実施形態の樹脂組成物は、電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂と、紫外線吸収剤とを含み、非感光性である。
検討の結果、従来の犠牲層は、レーザグルービングで通常用いられる紫外線レーザ光(通常、波長355nm)の吸収性が低いためにレーザ照射による発熱が少なく、このため、適切にレーザグルービングを行うことができないと考えられた。
そこで、本発明者らは、樹脂組成物中に紫外線吸収剤を含ませて、波長355nmのレーザ光を適度に吸収するようにした。この設計により、樹脂組成物により形成した硬化膜(犠牲層)がレーザ光を適度に吸収して発熱し、良好なレーザグルービングが可能となっている。
本実施形態の樹脂組成物は、非感光性であるにもかかわらず紫外線吸収剤を用いて波長355nmのレーザ光を吸収するように設計されている。この点で、本実施形態の樹脂組成物は、従来にない技術思想に基づく樹脂組成物と言える。
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂を含む。
樹脂は、好ましくは、主鎖に非芳香族性の環状骨格を有するポリマーを含む。以下、このポリマーのことを「特定ポリマー」とも表記する。
また、主鎖の非芳香族性の環状骨格は、剛直でありつつ、芳香環構造などに比べると、エッチングレートが比較的大きい傾向にある。よって、例えば特許文献1に記載の樹脂組成物(芳香環構造を含むポリイミド樹脂を含む)などに比べると、本実施形態の樹脂組成物は、エッチングレートを大きく設計しやすいものと考えられる。エッチングレートが大きいことは、すなわち、エッチングにより除去しやすいということであり、使用後の除去が必須である犠牲層形成用の樹脂組成物として好ましい性質である。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、
a1は0、1または2である。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
R1、R2、R3およびR4の炭素数1~30の有機基中の水素原子は、任意の原子団により置換されていてもよい。例えば、フッ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基などで置換されていてもよい。より具体的には、R1、R2、R3およびR4の炭素数1~30の有機基として、フッ化アルキル基などを選択してもよい。
一般式(NB)において、a1は好ましくは0または1、より好ましくは0である。
一般式(NB-2)中、R1、R2、R3、R4およびa1の定義および具体的態様は、一般式(NB)と同様である。
特定ポリマーが一般式(NB)で表される構造単位と一般式(NB-2)で表される構造単位の両方を含む場合は、それらの合計が上記範囲にあることが好ましい。
式(MA)で表される構造単位は、その構造中に酸素原子を含む。よって、ポリマー中にこの構造単位を含めることで、ドライエッチング(O2プラズマエッチング)による犠牲層の除去性を比較的大きく設計しやすい。
第三の構造単位としては、例えば、下記一般式(a2-1)、(a2-2)または(a2-3)により示される構造単位を挙げることができる。
一般式(a2-1)および一般式(a2-2)中、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して炭素数1~30の有機基である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、ビニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基等が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、エチリデン基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
アルカリル基としては、例えば、トリル基、キシリル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
ポリマーは、少なくとも、一般式(a2-1)および/または一般式(a2-3)で示される構造単位を含むことが好ましい。
ポリマーは、一般式(a2-1)、(a2-2)または(a2-3)により示される構造単位のうち、1種のみを含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。もちろん、ポリマーは、これら構造単位を含まなくてもよい。
(i)まず、前掲の式(MA)で表される構造単位を特定ポリマー中に導入する。
(ii)その後、その構造単位を適当な手段で開環させる。
特定ポリマーが第三の構造単位を含む場合、その含有比率は、ポリマー中の全構造単位を基準として、例えば10~80mol%、好ましくは20~60mol%である。
樹脂は、公知の高分子合成技術、具体的には公知のラジカル重合や触媒重合に関する技術を適用して製造することができる。より具体的には、例えば特開2017-9915号公報の記載や特許第5618537号公報に記載の合成例などを参考とすることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは紫外線吸収剤を含む。これにより、波長355nmの光の透過率を高度に制御することができる。そして、レーザグルービングに対する適性をさらに高めることができる。
紫外線吸収剤は、ポリマーや架橋剤との相溶性、後のエッチングによる除去性などの観点から、紫外線吸収剤は、無機粒子などではなく有機化合物であること(紫外線吸収剤は、有機紫外線吸収剤を含むこと)が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中の紫外線吸収剤の割合は、樹脂組成物の全固形分中、好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは0.5~20質量%、さらに好ましくは1~10質量%である。組成物中の紫外線吸収剤の割合を調整することで、他の性能を維持しつつ、波長355nmの光の吸収性を最適化して、レーザグルービング適性を一層高めることができる。
(樹脂組成物の「全固形分」とは、樹脂組成物中の不揮発成分のことを意味する。通常、樹脂組成物の全固形分は、樹脂組成物中の有機溶剤以外の成分を指す。)
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは架橋剤を含む。これにより、例えば、硬化膜(犠牲層)の耐熱性をより高めることができる。
架橋剤が1分子中に含む架橋性基の数は、通常2~8、好ましくは2~6、より好ましくは2~4である。この数を適切に選択することで、架橋構造を制御することができ、各種性能を高め得る。
架橋性基としては、アルコキシメチル基、メチロール基、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、マレイミド基などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂は、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができる。エポキシ樹脂の分子量や分子構造は特に限定されない。
エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂(例えばフルオレン骨格を有する多官能エポキシ樹脂など)、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、2-[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-2-[4-[1,1-ビス[4-([2,3-エポキシプロポキシ]フェニル)エチル]フェニル]プロパン、フェノールノボラック型エポキシ、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、α-2,3-エポキシプロポキシフェニル-ω-ヒドロポリ(n=1~7){2-(2,3-エポキシプロポキシ)ベンジリデン-2,3-エポキシプロポキシフェニレン}、1-クロロ-2,3-エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7-ナフタレンジオール重縮合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、ビフェニル型フェノキシ樹脂とビスフェノールS型フェノキシ樹脂との共重合フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂またはビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合フェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000~10000、より好ましくは1000~5000である。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法のポリスチレン換算値として測定される。
フェノキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
例えば、1,4-ビス{[(3-エチルー3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、4,4'-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4'-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3-[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3-ビス[(3-エチルオキセタンー3-イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられる。
ポリオール化合物は、例えば、以下一般式(PO)で表される化合物を含むことができる。
nは、2以上であり、
複数のR5は、それぞれ独立に、炭素数2~8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、
複数のXは、それぞれ独立に、カーボネート基(-O-(C=O)-O-)、エステル基(-COO-または-OCO-)およびエーテル基(-O-)からなる群より選ばれるいずれかであり、
R6は、炭素数2~8の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。
化合物の入手の容易性や、適度な柔軟性などの観点からは、R5の炭素数は、好ましくは4~7、より好ましくは5~6である。R6の炭素数も同様である。
炭素数2~8の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、例えば、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-C(CH3)2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-C(CH3)2-CH2-などを挙げることができる。
特に好ましくは、R1は、-(CH2)5-または-(CH2)6-である。R2についても同様である。
一例として、宇部興産社より販売されているETERNACOLL(登録商標)UH-50、UH-100、UH-200、UH-300、PH-50、PH-100、PH-200、PH-300などを挙げることができる(これらはポリカーボネートジオールである)。
別の例として、旭化成ケミカルズ社製の商品名デュラノールシリーズ(ポリカーボネートジオール)、三菱ケミカル社製の商品名BENEBiOLシリーズ(ポリカーボネートジオール)、クラレ社製の商品名クラレポリオール(ポリカーボネートジオールおよびポリエステルポリオールがラインアップされている)なども挙げることができる。
さらに別の例として、AGC社の商品名エクセノール(ポリエーテルジオール)、DIC社の商品名ポリライトシリーズ(ポリエーテルジオール)、ADEKA社製の商品名アデカポリエーテル(ポリエーテルジオールおよびポリエステルポリオールがラインアップされている)なども挙げることができる。
本実施形態の樹脂組成物中、架橋剤の量は、樹脂100質量部に対し、好ましくは25~150質量部、より好ましくは30~120質量部、さらに好ましくは40~100質量部である。適度な量の架橋剤を用いることで、硬化収縮率をより小さくできる等のメリットを得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、界面活性剤を含んでもよい。これにより、膜形成時の膜の均一性を向上させうる。
界面活性剤の市販品としては、例えば、DIC株式会社製の「メガファック」シリーズの、F-251、F-253、F-281、F-430、F-477、F-551、F-552、F-553、F-554、F-555、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-562、F-563、F-565、F-568、F-569、F-570、F-572、F-574、F-575、F-576、R-40、R-40-LM、R-41、R-94等の、フッ素を含有するオリゴマー構造の界面活性剤、株式会社ネオス製のフタージェント250、フタージェント251等のフッ素含有ノニオン系界面活性剤、ワッカー・ケミー社製のSILFOAM(登録商標)シリーズ(例えばSD 100 TS、SD 670、SD 850、SD 860、SD 882)等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物が界面活性剤を含む場合、その量は、ポリマー100質量部に対し、0.005~1質量部であることが好ましく、0.02~0.5質量部であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは溶剤を含む。換言すると、本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、各成分を溶剤に溶解または分散したものである。溶剤により、樹脂組成物を膜状に形成しやすくなる。
本実施形態の樹脂組成物が溶剤を含む場合、その量は特に限定されないが、組成物中の不揮発成分の濃度が例えば10~70質量%、好ましくは15~60質量%となるような量で使用される。溶剤の量を適当に調整することで、例えば樹脂組成物を基板上に塗布して製膜する際の膜厚を調整することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、レーザグルービングを含む電子デバイス製造工程に適用可能な限り、上記以外の各種成分を含んでもよい。そのような成分としては、例えば酸化防止剤、フィラー等を挙げることができる。ただし、電子デバイスの意図せぬ汚染防止などの観点から、本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、染料や顔料などの着色剤を含まない。
本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤等の密着助剤を含んでもよい。しかしながら、エッチング後の残渣の低減の観点からは、本実施形態の樹脂組成物は、シランカップリング剤のようなSi含有化合物を含まないか、または含むとしても少量であることが好ましい。
別観点として、本実施形態の樹脂組成物の全固形分中の全Si含有化合物の量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。さらに好ましくは、本実施形態の樹脂組成物は、Si含有化合物を含まない。
本実施形態の樹脂組成物は、非感光性である。換言すると、本実施形態の樹脂組成物で形成した樹脂膜に、g線やi線を照射しても、アルカリ水溶液に対する溶解性が実質的に変化することはない。
本実施形態の樹脂組成物は、通常、キノンジアジド化合物や感光性オニウム塩などの感光剤、すなわち、紫外線等の光が照射されることで、酸、アルカリ、ラジカル等の化学種を発生する化合物を含まない。
本実施形態の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含むことにより、硬化膜としたときの紫外光の透過率が小さくなっている。透過率を定量的に表現すると、本実施形態の樹脂組成物を、窒素雰囲気下、200℃で90分間加熱して得られる硬化膜の、膜厚25μmあたりの、波長355nmの光の透過率は、好ましくは50%以下である。この透過率は、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
透過率の下限は特にない。波長355nmの光の透過率は0%であってもよい。ちなみに、レーザグルービングは樹脂膜をレーザで「焼き切る」ものであるため、光の透過率が0%であっても、樹脂膜は上面から徐々に焼き切られる(樹脂膜の下部まで光が届かないからといって、レーザグルービングできないということは無い)。
透過率の測定を膜厚25μmの硬化膜で行った場合には、その測定で得られる数値をそのまま採用することができる。種々の誤差をできるだけ少なくする観点からは、透過率の測定は、膜厚25μmの硬化膜で行われることが好ましい。
ランベルト・ベールの法則より、入射光強度と透過光強度から算出される吸光度Aは、媒質の光路長Lに比例する。よって、「膜厚25μmあたりの」吸光度A25μmは、A×(L/25)と表すことができる(Lの単位はμmである)。
ここで、吸光度Aと透過率Tには、A=-logTの関係があるから、この関係式に上記A25μmの値を代入してTについて計算すれば、膜厚25μmあたりの光の透過率を求めることができる。
電子デバイスの製造において、ウェハの位置合わせなどのために、波長633nmの光を利用する場合がある。この点で、硬化膜は、波長633nmおよびその周辺波長の光をよく透過することが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる樹脂組成物として、様々な加熱プロセスに耐えられること(つまり耐熱性が良好であること)が好ましい。耐熱性については、樹脂組成物を熱で硬化させた硬化物のガラス転移温度により定量的に評価することができる。
ガラス転移温度の上限は特に無いが、硬化膜の適度な柔軟性などの観点から、300℃以下である。
本実施形態の樹脂組成物により基板上に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、その犠牲層をドライエッチングするドライエッチング工程と、を含む工程により、電子デバイスを製造することができる。
例えば、前述の特許文献1や2に開示されているような、犠牲層形成工程を含むデバイスの製造において、本実施形態の樹脂組成物を用いることができる。犠牲層としての役割(基板上の部材の保護や、中空構造の形成など)を終えた後の犠牲層は、O2ガスを用いたドライエッチングにより比較的容易に除去される。
犠牲層5の形成(成膜)の際、加熱による乾燥を行ってもよい。乾燥は、典型的にはホットプレート、熱風、オーブン等で加熱処理することで行われる。加熱温度は、通常80~140℃、好ましくは90~120℃である。また、加熱の時間は、通常30~600秒、好ましくは30~300秒程度である。
製膜の際の膜厚は特に限定されず、最終的に得ようとする電子デバイスの構造等により適宜調整すればよい。製膜の際の膜厚は、一例として5~50μm程度である。
形成された犠牲層5は、加熱により熱硬化されることが好ましい。熱硬化の条件は、例えば、150~350℃程度で、10分~3時間程度とすることができる。
レーザ光10の波長は、典型的には355nmである。レーザの出力、レーザがパルスレーザの場合はその周波数、レーザを動かすスピードなどは、特に限定されない。レーザグルービングが可能である限り任意の条件を採用することができる。条件の一例としては後述の実施例などを参照されたい。
レーザグルービングは、具体的には、πレーザグルービング、ωレーザグルービングなどとして知られている、細い溝(グルーブ)を2本形成する方法であってもよい。
図2に示される電子デバイス製造方法は、基板1と犠牲層5の間に中間層3が存在する点で、図1の製造方法と異なっている。別の言い方として、犠牲層形成工程において、犠牲層は、中間層3を備える基板のその中間層3の上に形成される(特に図2A参照)。
中間層3は、例えばポリイミド膜などの永久膜である。
本発明者らの知見として、本実施形態の樹脂組成物により形成された犠牲層5の波長355nmの光の透過率は、ポリイミド膜のそれと同程度となっている。このため、一度のレーザ照射により、中間層3と犠牲層5の両方をきれいに(目立った剥離など無く)焼き切ることができると考えられる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
樹脂と、紫外線吸収剤とを含み、非感光性である樹脂組成物。
2.
1.に記載の樹脂組成物であって、
前記紫外線吸収剤は、有機紫外線吸収剤を含む樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の樹脂組成物であって、
前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびアントラセン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる1種または2種以上を含む樹脂組成物。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物の全固形分中の前記紫外線吸収剤の割合は、0.1~30質量%である樹脂組成物。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
前記樹脂は、主鎖に非芳香族性の環状骨格を有するポリマーを含む樹脂組成物。
6.
5.に記載の樹脂組成物であって、
前記ポリマーは、前掲の一般式(NB)で表される構造単位を含む樹脂組成物。
一般式(NB)中、
R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~30の有機基であり、
a 1 は0、1または2である。
7.
5.または6.に記載の樹脂組成物であって、
前記ポリマーは、前掲の式(MA)で表される構造単位を含む樹脂組成物。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
さらに架橋剤を含む樹脂組成物。
9.
8.に記載の樹脂組成物であって、
前記架橋剤は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかの化合物を含む樹脂組成物。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
感光剤を含まない樹脂組成物。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物の固形分全体中のシランカップリング剤の量が5質量%以下である樹脂組成物。
12.
1.~11.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物を、窒素雰囲気下、200℃で90分間加熱して得られる硬化膜の、膜厚25μmあたりの、波長355nmの光の透過率が50%以下である樹脂組成物。
13.
1.~12.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物を、窒素雰囲気下、200℃で90分間加熱して得られる硬化膜の、膜厚25μmあたりの、波長633nmの光の透過率が80%以上である樹脂組成物。
14.
1.~13.のいずれか1つに記載の樹脂組成物により基板上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜をドライエッチングするドライエッチング工程と、
を含む電子デバイス製造方法。
15.
14.に記載の電子デバイス製造方法であって、
前記犠牲膜形成工程と前記ドライエッチング工程の間に、前記犠牲膜にレーザグル―ビングを行うレーザグルービング工程と、
前記レーザグル―ビング工程と前記ドライエッチング工程との間に、前記基板をダイシングするダイシング工程と、
を含む電子デバイス製造方法。
16.
14.または15.に記載の電子デバイス製造方法であって、
前記犠牲膜形成工程では、前記犠牲膜を、ポリイミド膜を備える基板の当該ポリイミド膜上に形成する電子デバイス製造方法。
<樹脂の合成>
[合成例1:ポリマー1の合成]
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(122.4g、1.25mol)、2-ノルボルネン(117.6g、1.25mol)およびジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(11.5g、50.0mmol)を投入した。これに対してメチルエチルケトン(150.8g)およびトルエン(77.7g)を加えて溶解し、溶解液を得た。
この溶解液に対して、10分間窒素を通気して酸素を除去し、その後、撹拌しつつ60℃、16時間、加熱した。
その後、この溶解液に対して、メチルエチルケトン(320g)を加え、さらにその後、これを、水酸化ナトリウム(12.5g、0.31mol)、ブタノール(463.1g、6.25mol)、トルエン(480g)の懸濁液に加え、45℃で3時間混合した。そして、この混合液を40℃まで冷却し、ギ酸(88質量%水溶液、49.0g、0.94mol)で処理してプロトン付加を行った。
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定によると、重量平均分子量Mwは13,700、数平均分子量Mnは7,400であった。
後掲の表1に示される配合に従って各成分を均一に攪拌・混合し、その後、孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより、樹脂組成物を調製した。
表1に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
ポリマー1:上述のもの
PMMA:公知のポリ(メチルメタクリレート)
エポキシ1:VG3101L(プリンテック株式会社製、以下構造)
エポキシ2:EPICRON(登録商標) HP-6000(DIC株式会社製、ナフタレン骨格含有)
フェノキシ1:jER(登録商標)YX7105(三菱ケミカル社製、重量平均分子量3000~4000)
ポリオール1:PCP-100L2(東ソー株式会社製、3官能以上の多官能ポリオール)
紫外線吸収剤1:Uvinul(登録商標)3049(BASFジャパン株式会社製、以下構造)
紫外線吸収剤2:Uvinul(登録商標)3050(BASFジャパン株式会社製、以下構造)
紫外線吸収剤3:RUVA-93(大塚化学株式会社製、以下構造)
紫外線吸収剤4:アントラキュアー(登録商標)UVS-1331(川崎化成工業株式会社製、以下構造)
シランカップリング剤:KBM-403E(信越化学工業株式会社製、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
フッ素含有界面活性剤:メガファックR-41(DIC株式会社製)
以下手順により測定した。
(1)樹脂組成物をシリコンウェハにスピンコートした。回転数などについては、硬化後の膜厚が25μmとなるように適宜調整した。その後、100℃で3分乾燥し、そして室温(23℃)まで冷却した。これによりシリコンウェハ上に樹脂膜を形成した。
(2)(1)で得られた樹脂膜を、N2雰囲気のオーブン内で、200℃、90分間加熱し、その後室温まで放冷して硬化膜を得た。
(3)(2)で得られた硬化膜を、シリコンウェハごと、1質量%フッ酸水溶液に浸漬し、硬化膜をウェハから剥離した。その後、硬化膜に付着したフッ酸水溶液を十分に水洗した。
(4)(3)で剥離・水洗された硬化膜を、オーブンを用いて60℃で10時間乾燥し、そして室温(23℃)まで冷却した。その後、硬化膜を30mm×30mmサイズにカットした。これを光の透過率の測定用サンプルとした。
(5)(4)で得られた測定用サンプルを、日本分光株式会社製の紫外可視近赤分光光度計「JASCOV-670」にセットし、波長190~1000nm範囲の透過率を測定した。この測定結果より、膜厚25μmの硬化膜の光の透過率(波長355nm、633nm)を得た。
以下手順により評価した。
(1)シリコンウェハ上にポリイミドワニス(ポリイミド前駆体の有機溶剤溶液、汎用品)をスピンコートし、120℃、3分の条件で乾燥し、そして室温まで冷却した。これによりポリイミド前駆体の樹脂膜を形成した。塗布量やスピンコートの回転数などは、以下(2)で得られる硬化ポリイミド膜の厚みが5μmとなるように適宜調整した。
(2)オーブンを用いて、320℃、30分の条件で、ポリイミド前駆体の樹脂膜をシリコンウェハごと加熱した。このようにして、硬化ポリイミド膜(厚み5μm)が形成されたシリコンウェハを得た。
(3)上記(2)の硬化ポリイミド膜の上に、上記<光の透過率の測定>の(1)および(2)のようにして、硬化膜(犠牲層)を設けた。
(4)上記(3)の硬化膜(犠牲層)に対し、株式会社ファインデバイス製の装置「MWL-WS05T」を用いて、以下条件でレーザグルービングを行い、硬化膜(犠牲層)および硬化ポリイミド膜を焼き切った。その後、レーザグルービングにより形成されたライン上を、DISCO社製の装置を用い、カットスピード10mm/secダイシングした(すなわち、シリコンウェハをカットした)。
(レーザグルービング条件)
レーザ波長:355nm
出力:0.8W
繰り返し周波数:10kHz
加工速度:500mm/min
〇(良好):断面のSEM観察において、犠牲層と下地PI層間に剥離が全くない。
△(普通):断面のSEM観察において、犠牲層と下地PI層間の剥離は見られるが、剥離範囲は5μm以下。
×(不良):レーザーグルービング・ダイシング後のダイシングライン断面のSEM観察において、犠牲層と下地PI層間の剥離が見られ、剥離範囲が5μmより大きい。
まず、上記<光の透過率の測定>の(1)および(2)のようにして、シリコンウェハ上に硬化膜を設けた。
硬化膜に対し、以下の装置および条件で、2分間、ドライエッチングを行った。そして、この前後での膜厚変化量から、(硬化膜の膜厚-プラズマ処理後膜厚)/(ドライエッチング時間)の式に基づき、エッチングレートを算出した(単位:μm/min)。膜厚の測定には、オリンパス社の光干渉式膜厚計VM-1030を用いた。
・装置:Samco社製のICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング装置、品番「RIE-200iP」
・エッチング条件:O2ガス、出力900W(ICP)、450W(Bias)、流量550sccm、圧力4.0Pa、温度23℃(室温)、電圧200V、周波数13.56MHz
まず、上記<光の透過率の測定>の(1)~(4)のようにして測定用サンプルを得た。ただし、硬化膜の膜厚が10μmとなるようにスピンコートの回転数などを調整した。また、測定用サンプルの大きさは20mm×4mmサイズとした。
測定用サンプルを、日立ハイテクサイエンスの熱機械分析装置TMA-6000にセットした。そして、サンプルに引張荷重30mNをかけつつ、昇温速度5℃/分で10℃から400℃まで昇温して、横軸:温度、縦軸:伸び量のグラフを描いた。このグラフにおける高温側の直線部分と低温側の直線部分の延長線の交点を、Tgとした。
シリコンウェハをCuウェハに変えた以外は、上記<光の透過率の測定>の(1)および(2)と同様の手順により、硬化膜を得た。
上記硬化膜に対し、上記<エッチングレートの測定>と同様の装置および条件でドライエッチングを行った。ただし、時間については、(膜厚/エッチングレート)×1.5で算出される時間とし、硬化膜を全て除去するようにした。
顕微鏡観察により残渣が見られた場合には、その残渣がSi由来であるか(ケイ素化合物に由来する残渣であるか)を、エネルギー分散型X線分析(EDX分析)により分析した。そして、以下3段階で評価した。
〇(良):Si由来の残渣面積が全面積に対して0%
△(可):Si由来の残渣面積が全面積に対して0.01~3%
×(不可):Si由来の残渣面積が全面積に対して3%超
上記<光の透過率の測定>の(1)および(2)のようにして、シリコンウェハ上に硬化膜を設けた。このときの、硬化前後での膜厚を測定し、以下式より硬化収縮率(%)を求めた。膜厚の測定には、オリンパス社の光干渉式膜厚系VM-1030を用いた。
式:{(硬化前の樹脂膜の厚み-硬化膜の厚み)/硬化前の樹脂膜の厚み}×100
また、実施例1~8の樹脂組成物の硬化膜のエッチングレートは2.5μm/min以上であった。実施例1~8の樹脂組成物は、犠牲層形成用の樹脂組成物として優れた除去性を有するものといえる。
一方、紫外線吸収剤を含まない比較例1および2の樹脂組成物のレーザグルービング適性は悪かった。
また、樹脂組成物がシランカップリング剤を含まないほうが、エッチング後残渣がより少なかった(実施例8とその他の実施例との対比)。
3 中間層
5 犠牲層
10 レーザ光
11 ダイシングブレード
Claims (16)
- 電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、
樹脂と、紫外線吸収剤とを含み、非感光性であり、
前記樹脂は、主鎖に非芳香族性の環状骨格を有するポリマーを含む樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記紫外線吸収剤は、有機紫外線吸収剤を含む樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびアントラセン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる1種または2種以上を含む樹脂組成物。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物の全固形分中の前記紫外線吸収剤の割合は、0.1~30質量%である樹脂組成物。 - 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
さらに架橋剤を含む樹脂組成物。 - 請求項7に記載の樹脂組成物であって、
前記架橋剤は、エポキシ化合物、オキセタン化合物およびポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかの化合物を含む樹脂組成物。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
感光剤を含まない樹脂組成物。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物の固形分全体中のシランカップリング剤の量が5質量%以下である樹脂組成物。 - 請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物を、窒素雰囲気下、200℃で90分間加熱して得られる硬化膜の、膜厚25μmあたりの、波長355nmの光の透過率が50%以下である樹脂組成物。 - 請求項1~11のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物を、窒素雰囲気下、200℃で90分間加熱して得られる硬化膜の、膜厚25μmあたりの、波長633nmの光の透過率が80%以上である樹脂組成物。 - 請求項1~12のいずれか1項に記載の樹脂組成物により基板上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜をドライエッチングするドライエッチング工程と、
を含む電子デバイス製造方法。 - 請求項13に記載の電子デバイス製造方法であって、
前記犠牲膜形成工程と前記ドライエッチング工程の間に、前記犠牲膜にレーザグル―ビングを行うレーザグルービング工程と、
前記レーザグル―ビング工程と前記ドライエッチング工程との間に、前記基板をダイシングするダイシング工程と、
を含む電子デバイス製造方法。 - 請求項13または14に記載の電子デバイス製造方法であって、
前記犠牲膜形成工程では、前記犠牲膜を、ポリイミド膜を備える基板の当該ポリイミド膜上に形成する電子デバイス製造方法。 - 電子デバイス製造における犠牲層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、樹脂と、紫外線吸収剤とを含み、非感光性である樹脂組成物により基板上に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜をドライエッチングするドライエッチング工程と、
を含む電子デバイス製造方法であって、
前記犠牲膜形成工程と前記ドライエッチング工程の間に、前記犠牲膜にレーザグル―ビングを行うレーザグルービング工程と、
前記レーザグル―ビング工程と前記ドライエッチング工程との間に、前記基板をダイシングするダイシング工程と、
を含む電子デバイス製造方法。
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