JP7285796B2 - 粉塵飛散防止材調製用組成物、粉塵飛散防止材、粉塵飛散防止材の調製方法 - Google Patents
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Description
本実施形態の粉塵飛散防止材は、土壌の表層に散布する液状の混合物であって、水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、増粘剤と、分散剤とを含有する。
粉塵飛散防止材の調製に際し、増粘剤及び分散剤をあらかじめ混合して粉塵飛散防止材調製用組成物とする。
分散剤が常温で液体のものである場合は、増粘剤との混合に先立ち、分散剤を水溶液とする。このときの分散剤水溶液の濃度は、31体積%以上の濃度とする。この濃度は35体積%以上であってもよく、40体積%以上であってもよい。また、この濃度の上限としては、80体積%、70体積%、60体積%、50体積%が挙げられる。増粘剤と分散剤との混合比としては、増粘剤の重量(単位はg)に対する分散剤の体積(単位はmL)の比を1.0~4.0とする。この比は1.5~3.5であってもよく、2.0~3.0であってもよく、2.2~2.8であってもよく、2.4~2.6であってもよい。その後の取り扱いや保存が容易になる観点から、増粘剤と分散剤水溶液とを混合して調製された粉塵飛散防止材調製用組成物は、ペーストであることが好ましい。
粉塵飛散防止材の調製方法としては、ダイライトタンク等の大きな容器に水を入れ、この水に対して粉塵飛散防止材調製用組成物と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールとを投入し、ハンドミキサー等で撹拌することが好ましい。また、ポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールとを適量の水に混合して溶解させた後に、加水して上記組成割合とする方法が好ましい。例えば、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルアルコールを、ポリ酢酸ビニルの1倍~3倍の体積の水に混合し(つまりポリ酢酸ビニルとして25体積%~50体積%とし)、これを常温で、又は加温しながら撹拌して溶解させたものを調整しておく。
1L用のハイテール瓶(角瓶)に水を500mL程度入れた。増粘多糖類としてのグアガムと、分散剤としてのショ糖(比重0.68)とを重量比で1:1となるように秤量・混合した。この粉体混合物をグアガムの濃度が0.5%(グアガム重量/全量体積)となる量で上記ハイテール瓶に投入し、その後200(±20)rpmで1.5分間撹拌し、0.5分、1分、1.5分の各時点でダマが生じているかどうかの観察を行った。その後24時間の間静置した。その過程において、0.5分、1分、1.5分、2時間、5時間、24時間の各時点で粘度を測定した。粘度の測定は、粘度計((株)エー・アンド・ディ社製SV型粘度計(SV-10))で行った。結果を表1に示す。なお、「ダマ判定」の評価基準は以下のとおりである。
◎…まったくダマにならずに溶解した。
○…若干ダマになったが、概ね良好に溶解した。
△…表面に小さいダマが複数点在した。
×…ダマになって溶け切らなかった。
試験例1の手順のうち、ショ糖をカプサイシン(かさ比重0.44)に変更したこと以外は試験例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
試験例1の手順のうち、ショ糖をエタノールに変更し、グアガムとの混合比をグアガムの重量(g)とエタノールの体積(mL)との比で1:2となるように変更したこと以外は試験例1と同様にして試験を行った。グアガムとエタノールとの混合物は、ペースト状であった。結果を表1に示す。
試験例3の手順のうち、エタノールを液体のポリエチレングリコール(PEG)(分子量:200、凝固点:-45℃)に変更したこと以外は試験例3と同様にして試験を行った。グアガムとポリエチレングリコールとの混合物は、ペースト状であった。結果を表1に示す。
試験例1の手順のうち、分散剤を用いずグアガムのみをハイテール瓶に投入したこと以外は試験例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
試験例1の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール(PEG)の粉末(かさ比重0.52、分子量:3100、凝固点:55℃)に変更したこと以外は試験例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
試験例1の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール(PEG)の顆粒(かさ比重0.64、分子量:3100、凝固点:55℃)に変更したこと以外は試験例1と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
2L用のビーカー(円筒瓶)に水を1000mL入れた。増粘多糖類としてのグアガムと、分散剤としてのショ糖とを重量比で1:1となるように秤量・混合した。この混合物をグアガムの濃度が0.5%(グアガム重量/全量体積)となる量で上記ビーカー瓶に投入し、その後200(±20)rpmで1.5分間撹拌し、0.5分、1分、1.5分の各時点でダマが生じているかどうかの観察を行った。その後24時間の間静置した。その過程において、0.5分、1分、1.5分、2時間、5時間、24時間の各時点で粘度を測定した。粘度の測定は、粘度計((株)エー・アンド・ディ社製SV型粘度計(SV-10))で行った。結果を表2に示す。なお、「ダマ判定」の評価基準は以下のとおりである。
◎…まったくダマにならずに溶解した。
○…若干ダマになったが、概ね良好に溶解した。
△…表面に小さいダマが複数点在した。
×…ダマになって溶け切らなかった。
試験例8の手順のうち、ショ糖をカプサイシンに変更したこと以外は試験例8と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
試験例8の手順のうち、ショ糖をエタノールに変更し、グアガムとの混合比をグアガムの重量(g)とエタノールの体積(mL)との比で1:2となるように変更したこと以外は試験例8と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
試験例10の手順のうち、エタノールをポリエチレングリコールに変更したこと以外は試験例10と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
試験例8の手順のうち、分散剤を用いずグアガムのみをハイテール瓶に投入したこと以外は試験例8と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
試験例8の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール粉末(かさ比重0.52)に変更したこと以外は試験例8と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
試験例8の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール顆粒(かさ比重0.64)に変更したこと以外は試験例8と同様にして試験を行った。結果を表1に示す。
2L用のビーカー(円筒瓶)に水を所定量入れ、約200rpmで撹拌した。この水の量は、後に添加するグアガム及び分散剤の体積を考慮して、グアガムの濃度が0.5%となる量とした。増粘多糖類としてのグアガムと、分散剤としてのショ糖とを重量比で表3に示した量で混合した。このときの混合物の性状を表3の「グアガムと分散剤の混合具合」の項目に示す。
◎…まったくダマにならずに溶解した。
○…若干ダマになったが、概ね良好に溶解した。
△…表面に小さいダマが複数点在した。
×…ダマになって溶け切らなかった。
試験例15~19の手順のうち、ショ糖をカプサイシンに変更したこと以外は試験例15~19と同様にして試験を行った。試験例20~24の結果を表3に示す。
試験例15~19の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール粉末に変更したこと以外は試験例15~19と同様にして試験を行った。試験例25~29の結果を表3に示す。
試験例15~19の手順のうち、ショ糖をポリエチレングリコール顆粒に変更したこと以外は試験例15~19と同様にして試験を行った。試験例30~34の結果を表3に示す。
試験例15の手順のうち、ショ糖をエタノールに変更し、グアガムとの混合比をグアガムの重量(g)とエタノールの体積(mL)との比で表3に示した量(グアガム5g、エタノール32mL)となるように変更したこと以外は試験例15と同様にして試験を行った。ここで、エタノールは5%水溶液としてからグアガムと混合した。すなわち、32mLのエタノールを用いて調製したエタノール水溶液640mLをグアガムと混合し、その混合物を、水を入れたビーカーに投入した。結果を表3に示す。
試験例21の手順のうち、エタノールの使用量とエタノール水溶液の濃度を表3に示したものに変更したこと以外は試験例35と同様にして試験を行った。結果を表3に示す。
試験例15の手順のうち、ショ糖を液体のポリエチレングリコールに変更し、グアガムとの混合比をグアガムの重量(g)とポリエチレングリコールの体積(mL)との比で表3に示した量(グアガム5g、ポリエチレングリコール26mL)となるように変更したこと以外は試験例15と同様にして試験を行った。ここで、ポリエチレングリコールは10%水溶液としてからグアガムと混合した。すなわち、26mLのポリエチレングリコールを用いて調製したポリエチレングリコール水溶液260mLをグアガムと混合し、その混合物を、水を入れたビーカーに投入した。結果を表3に示す。
試験例42の手順のうち、ポリエチレングリコールの使用量とポリエチレングリコール水溶液の濃度を表3に示したものに変更したこと以外は試験例42と同様にして試験を行った。結果を表3に示す。
試験例15の手順のうち、ショ糖を非イオン系界面活性剤である油分散洗浄剤に変更し、グアガムとの混合比をグアガムの重量(g)と油分散洗浄剤の体積(mL)との比で表3に示した量(グアガム5g、油分散洗浄剤22mL)となるように変更したこと以外は試験例15と同様にして試験を行った。ここで、油分散洗浄剤は60%水溶液としてからグアガムと混合した。すなわち、22mLの油分散洗浄剤を用いて調製した油分散洗浄剤水溶液37mLをグアガムと混合し、その混合物を、水を入れたビーカーに投入した。結果を表3に示す。
試験例49の手順のうち、油分散洗浄剤の使用量と油分散洗浄剤水溶液の濃度を表3に示したものに変更したこと以外は試験例49と同様にして試験を行った。結果を表3に示す。
Claims (6)
- 増粘剤と、常温で液体の分散剤と、水とを含み、
前記分散剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール又は2-ブタノールであり、
前記増粘剤の重量(単位はg)に対する前記分散剤の体積(単位はmL)の比が1.0~4.0であり、
前記分散剤及び前記水は、前記分散剤を前記水に溶解させて水溶液を調製したと仮定した場合に、前記分散剤の濃度が31体積%以上の濃度となる量で含まれている、粉塵飛散防止材調製用組成物。 - 前記分散剤は、エタノール又はポリエチレングリコールである、請求項1記載の粉塵飛散防止材調製用組成物。
- ペースト状である、請求項1又は2記載の粉塵飛散防止材調製用組成物。
- 前記増粘剤は、多糖類である、請求項1~3のいずれか一項記載の粉塵飛散防止材調製用組成物。
- 水と、ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、増粘剤と、分散剤とを含有する粉塵飛散防止材であって、
前記水と前記ポリ酢酸ビニルとの体積比が90:10~99.2:0.8であり、
前記水と前記ポリ酢酸ビニルとの合計体積を100%としたときの前記ポリビニルアルコールの体積が0.005%~0.5%であり、
前記増粘剤及び前記分散剤は、請求項1~4のいずれか一項記載の粉塵飛散防止材調製用組成物を用いて含有されたものであり、
前記増粘剤の含有量は、当該粉塵飛散防止材の全重量を100%としたとき、2.0重量%以下である、粉塵飛散防止材。 - ポリ酢酸ビニルと、ポリビニルアルコールと、請求項1~4のいずれか一項記載の粉塵飛散防止材調製用組成物と、水とを混合し、
前記水と前記ポリ酢酸ビニルとの体積比が90:10~99.2:0.8であり、
前記水と前記ポリ酢酸ビニルとの合計体積を100%としたときの前記ポリビニルアルコールの体積が0.005%~0.5%であり、
前記増粘剤の含有量は、当該粉塵飛散防止材の全重量を100%としたとき、2.0重量%以下である、粉塵飛散防止材の調製方法。
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