JP7285019B2 - 凍結血漿解凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、凍結血漿解凍装置に関し、さらに詳しくは、凍結血漿バッグに貯蔵された凍結血漿を解凍する凍結血漿解凍装置に関する。
従来の凍結血漿解凍装置として、本体と、本体に揺動自在に支持される揺動アームと、揺動アームに水平な支持軸回りに揺動自在に支持される上蓋と、上蓋の下面側に設けられる上側熱板と、本体の上面側に設けられる下側熱板と、を備え、上蓋は、揺動アームの揺動により本体の上面側を開放する第1状態と本体の上面側を覆う第2状態との間で変位され、上蓋を第1状態から第2状態に変位させて上側熱板と下側熱板との間に凍結血漿バッグを挟み込み、上蓋を支持軸回りに揺動させることで、加熱された上側熱板及び下側熱板の間で凍結血漿バッグに貯蔵された凍結血漿を解凍するものが知られている(例えば、特許文献1及び2等を参照)。
特開2013-252204号公報 特開2018-061719号公報
しかし、従来の凍結血漿解凍装置では、均一で速く凍結血漿バッグを適正温度で解凍するための上蓋の最適な揺動条件が十分に検討されておらず、これを確定することが求められている。
また、従来の凍結血漿解凍装置では、凍結血漿バッグを下側熱板上にセットする際に、凍結したバッグなので滑りやすく下側熱板に乗せた時に位置ズレが起きやすい。また、凍結血漿バッグを下側熱板上にセットしたのち揺動アームを下ろして上側熱板と下側熱板との間で凍結血漿バッグを挟み込むときにも位置ズレが起きやすく、作業者がセットする時、また、装置が稼働するまでに注意力を要し、位置ズレが起きてれば修正するなど装置を監視している必要があった。この修正や監視を怠り位置ズレが起こったまま解凍を続ければ、適切な温度(30~37℃)に解凍できず、最悪の場合、バッグが揺動アームの支柱(軸受)に当たり正常動作ができなくなることがあった。
特に、下側熱板上に凍結血漿バッグをセットしたのち揺動アームを下ろすとき、ヒータを内蔵した上蓋が重く、自重で下ろすと一気に落ちることになるので、正確に凍結血漿バッグをセットしたにもかかわらず、衝撃を与え位置ズレが起こる。凍結血漿バッグは割れやすいので破損などの損傷、また操作している作業者の手を挟み込む危険性もあった。従って、常時作業者がハンドルを操作しながら慎重に揺動アーム(即ち上蓋)を下ろす必要があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、上蓋の最適な揺動条件を確定することにより均一で速く凍結血漿バッグを適正温度で解凍することができる凍結血漿解凍装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的に加えて、上側熱板上にセットされる凍結血漿バッグの位置ズレを抑制して安全に装置を稼働させることができる凍結血漿解凍装置を提供することを他の目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、本体と、前記本体に揺動自在に支持される揺動アームと、前記揺動アームに水平な支持軸回りに揺動自在に支持される上蓋と、前記上蓋の下面側に設けられる上側熱板と、前記本体の上面側に設けられる下側熱板と、を備え、前記上蓋は、前記揺動アームの揺動により前記本体の上面側を開放する第1状態と前記本体の上面側を覆う第2状態との間で変位され、前記上蓋を前記第1状態から前記第2状態に変位させて前記上側熱板と前記下側熱板との間に凍結血漿バッグを挟み込み、前記上蓋を前記支持軸回りに揺動させることで、加熱された前記上側熱板及び前記下側熱板の間で前記凍結血漿バッグに貯蔵された凍結血漿を解凍する凍結血漿解凍装置であって、前記上蓋の揺動回数は10~60回/分であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記上蓋は、前記支持軸と直交する長手方向の一端側の下面を昇降部材で押し上げることで前記支持軸回りに揺動され、前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の他端との間隔(L1)と前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の一端との間隔(L2)との比(L1:L2)が45:55~25:75であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記上蓋を前記第1状態から前記第2状態に変位させるときに、前記下側熱板上にセットされた前記凍結血漿バッグに対する前記上側熱板の衝突を緩衝するためのダンパー機構を備えることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記下側熱板の表面には、前記凍結血漿バッグのサイズに合わせて可撓性部材が設けられていることを要旨とする。
本発明の凍結血漿解凍装置によると、上蓋の揺動回数が10~60回/分である。これにより、上蓋の最適な揺動条件(揺動回数)を確立することにより均一で速く凍結血漿バッグを適正温度で解凍することができる。
また、前記上蓋が、前記支持軸と直交する長手方向の一端側の下面を昇降部材で押し上げることで前記支持軸回りに揺動され、前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の他端との間隔(L1)と前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の一端との間隔(L2)との比(L1:L2)が45:55~25:75である場合は、上蓋の最適な揺動条件(支持軸の位置)を確立することにより均一で速く凍結血漿バッグを適正温度で解凍することができる。
また、前記上蓋を前記第1状態から前記第2状態に変位させるときに、前記下側熱板上にセットされた前記凍結血漿バッグに対する前記上側熱板の衝突を緩衝するためのダンパー機構を備える場合は、凍結血漿バッグを下側熱板上にセットしたのち揺動アームを下ろして上側熱板と下側熱板との間で凍結血漿バッグを挟み込む際に、ダンパー機構により結血漿バッグに対する上側熱板の衝突が緩衝される。その結果、凍結血漿バッグの位置ズレ及び凍結血漿の損傷が抑制されるとともに、作業者の危険性も取り除くことができる。
さらに、前記下側熱板の表面に、前記凍結血漿バッグのサイズに合わせて可撓性部材が設けられている場合は、凍結血漿バッグを下側熱板上にセットする際に、可撓性部材が目印となり位置確認を正確にすることができるとともに、可撓性部材の位置決め効果により凍結血漿バッグの滑りが抑制される。さらに、凍結血漿バッグを下側熱板上にセットしたのち揺動アームを下ろして上側熱板と下側熱板との間で凍結血漿バッグを挟み込む際に、可撓性部材の位置決め効果により凍結血漿バッグの滑りが抑制される。その結果、上側熱板上にセットされる凍結血漿バッグの位置ズレを抑制して安全に装置を稼働させることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る凍結血漿解凍装置の縦断面図である。 図1のII-II線断面図である。 凍結血漿解凍装置の斜視図である。 実施例に係る可撓性部材を説明するための説明図であり、(a)は下側熱板の表面の前後に配置される形態を示し、(b)は下側熱板の表面の前後左右に配置される形態を示し、(c)は下側熱板の表面に環状に配置される形態を示す。 図4のV-V線断面拡大図である。 実施例に係るダンパー機構を説明するための説明図である。 実施例に係る制御部を説明するためのブロック図である。 凍結血漿解凍装置の作用を説明するための説明図である。 凍結血漿解凍装置の上蓋の最適な揺動条件(支持軸の位置)を説明するための説明図である。 他の形態に係る撓性部材を説明するための説明図であり、(a)は下側熱板の表面の前後に配置される形態を示し、(b)は下側熱板の表面の前後左右に配置される形態を示す。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態に係る凍結血漿解凍装置1は、図1及び図2に示すように、本体2と、本体2に水平軸回りに揺動自在に支持される揺動アーム3と、揺動アーム3に水平な支持軸4回りに揺動自在に支持される上蓋5と、上蓋5の下面側に設けられる金属製の上側熱板6と、本体2の上面側に設けられる金属製の下側熱板7と、を備えている。この上蓋5は、揺動アーム3の揺動により本体2の上面側を開放する第1状態S1と本体2の上面側を覆う第2状態S2との間で変位される。そして、揺動アーム3の揺動により上蓋5を第1状態S1から第2状態S2に変位させて上側熱板6と下側熱板7との間に凍結血漿バッグ9を挟み込み、上蓋5を支持軸4回りに揺動させることで、加熱された上側熱板6及び下側熱板7の間で凍結血漿バッグ9に貯蔵された凍結血漿が解凍される(図8参照)。
なお、本凍結血漿解凍装置1では、支持軸4の軸心と直交する水平方向を前後方向Aとし、支持軸4の軸心に沿う水平方向を左右方向Bとする。
本体2は、金属製又は樹脂製で箱状に形成されている。この本体2の後部には、揺動アーム3の基端部を水平軸回りに揺動自在に支持するヒンジ部11が設けられている。また、本体2内には、下側熱板7を本体2の上面側で水平状態に支持するブラケット12が設けられている。また、本体2の上面側には、支柱14を介して揺動片15の中間側が揺動自在に支持されている。この揺動片15の一端側には、上蓋5の長手方向の一端側の底面に当接する揉みローラー16(本発明に係る「昇降部材」として例示する。)が回動自在に支持されている。また、揺動片15の他端側は、連結部17を介して回転板18に連結されている。この回転板18は、本体2内で水平軸回り回動自在に支持されている。また、回転板18の中心側には、本体2内に設けられたモータ19の駆動軸が連結されている。さらに、本体2の前面側には、電源スイッチ、表示パネル、警報ブザー及びスタートスイッチ20等が配置されている。
揺動アーム3は、金属製又は樹脂製のパイプ材により形成されている。この揺動アーム3は、上蓋5の側方に配置される左右のアーム部22と、上蓋5の前方に配置されて左右のアーム部22の先端側同士を連絡するハンドル部23と、を備えている。この左右のアーム部22の基端部がヒンジ部11により本体2に揺動自在に支持されている。さらに、左右のアーム部22の長手方向の中間部には、上蓋5を揺動自在に支持する支持軸4が配置されている。この支持軸4は、上蓋5の支持軸4と直交する長手方向の一端5aと他端5bとを結ぶ直線上に配置されている。さらに、支持軸4と上蓋5の長手方向の他端5bとの間隔L1と支持軸4と上蓋5の長手方向の一端5aとの間隔L2との比(L1:L2)は30:70とされている。
上蓋5は、金属製又は樹脂製でプレート状に形成されている。この上蓋5は、ハンドル部23(あるいはアーム部22)を把持して揺動アーム3を揺動させることで、本体2の上面側を開放する第1状態S1と本体2の上面側を覆う第2状態S2との間で変位される。さらに、上蓋5は、第2状態S2で、モータ19の駆動による揉みローラー16の昇降によって、その一端側の底面が押し上げられて支持軸4を中心として揺動される(図8参照)。
上側熱板6は、複数(図中2つ)が並ぶように上蓋5の下面側に固定されている。また、下側熱板7は、複数(図中2つ)が並ぶように本体2の上面側に固定されている。
なお、本実施形態では、熱板6、7として、その厚みが3mm以上で40mm以下の、切削または鋳造によるアルミ板または銅板を使用する。これら熱板の厚みが厚いほど、解凍を早くすることができるが、40mmを超える厚みとすると装置全体が重く取扱者の使い勝手が悪く現実的でないのと、後述するヒータ27にかける供給電力も多くなる。したがって、熱板6、7の厚みは3mm以上で40mm以下が適当である。さらに、熱板6、7の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、カーボン等が挙げられる。これらのうち、高熱伝導率といった観点から、熱板が、アルミニウム板、銅板、又はアルミニウム板と銅板とを貼り合わせた複合板からなることが好ましい。
各熱板6、7には、凍結血漿バッグ9と接触する表面側に凹部25が形成されている。この凹部25は、底浅なボウル状に形成されており、その深さは1mm~5mmとされている。さらに、各熱板6、7には、凍結血漿バッグ9と接触する表面と反対の表面側に断熱材26が設けられている。この断熱材26としては、例えば、グラスウール、ロックウール等の繊維材やウレタンフォーム等の発泡材等を採用できる。
各熱板6、7は、熱板6、7を加熱するヒータ27と、熱板6、7の温度を検出する温度センサ28と、を備えている。このヒータ27は、熱板6、7内に埋設されている。また、ヒータ27としては、例えば、シーズヒータ、カートリッジヒータ、平面ヒータ等を採用できる。さらに、温度センサ28は、熱板6、7の凍結血漿バッグ9と接触する中央表面部(例えば、表面から約1mmの部位)に内蔵されている。
凍結血漿解凍装置1は、図7に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータからなる制御部30を備えている。この制御部30は、温度調節手段31及び揺動指令手段32の各処理に対応するプログラムをROMに記憶しながら、各手段31、32に対応する各処理をCPUに実行させる。また、制御部30は、上記のヒータ27、温度センサ28、モータ19及びスタートスイッチ20に電気的に接続されている。
なお、各手段31、32の処理は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれか又は両者により実現される。
制御部30は、スタートスイッチ20がON操作されたときに、ヒータ27を駆動するとともに、温度センサ28の検出値に基づいて温度調節器33での供給電力を調整して熱板6、7の温度を所定の温度範囲(例えば、30℃~40℃)に調節する。また、制御部30(具体的に、揺動指令手段32)は、ヒータ27の加熱開始から所定時間T1(例えば、5分等)が経過したときに、モータ19を駆動して上蓋5を揺動させる。さらに、制御部30は、ヒータ27の加熱開始から所定時間T2(T2>T1;例えば、10分等)が経過したときに、ヒータ27及びモータ19の駆動を停止する。
下側熱板7(具体的に凹部25)の表面には、図3に示すように、凍結血漿バッグ9のサイズに合わせて可撓性部材35が設けられている。すなわち、下側熱板7の表面には、凍結血漿バッグ9がセットされる位置に凍結血漿バッグ9の滑りを抑制するための可撓性部材35が設けられている。この可撓性部材35の材質としては、例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム等の可撓性ゴムやEVA、軟質ポリエチレン等の軟質樹脂部材などを採用できる。また、可撓性部材35は、下側熱板7の表面に形成された溝36内に配置(具体的に、埋め込み、貼り付け等)されている(図4(a)及び図5参照)。さらに、可撓性部材35は、長尺状に形成されているとともに、下側熱板7の表面から所定の高さhで突出している。この可撓性部材35は、横幅が1cm以内、特に高さhは、凍結血漿バッグ9の厚み以上になった場合、揺動操作が効かなくなるので1cm以内が現実的である。
なお、可撓性部材35は、溝36内に配置されることで取付性が高められるが、溝36を設けることなく下側熱板7の表面に貼り付けられていてもよい。
可撓性部材35は、例えば、凍結血漿バッグ9のサイズにあわせ、前後、前後左右、または外周全体に配置することができる(図4参照)。具体的に、下側熱板7の前後方向Aの両側に、左右方向Bに沿って長尺状の可撓性部材35又は複数の可撓性部材35を配置することで、凍結血漿バッグ9の前後に接するように可撓性部材35を配置することができる(図4(a)及び図10(a)参照)。また、下側熱板7の前後方向Aの両側に、左右方向Bに沿って長尺状の可撓性部材35又は複数の可撓性部材35を配置するとともに、下側熱板7の左右方向Bの両側に、前後方向Aに沿って長尺状の可撓性部材35又は複数の可撓性部材35を配置することで、凍結血漿バッグ9の前後左右に接するように可撓性部材35を配置することができる(図4(b)及び図10(b)参照)。さらに、下側熱板7に環状の可塑性部材35を配置することで、凍結血漿バッグ9の外周全体に接するように可撓性部材35を配置することができる(図4(c)参照)。
上記のように、下側熱板7の表面のうちの少なくとも前後方向Aの両側に可撓性部材35を配置することで、凍結血漿バッグ9の外周部のうちの少なくとも前後に可撓性部材35が接することとなり、可撓性部材35による凍結血漿バッグ9の位置決め効果が高められる。
本凍結血漿解凍装置1は、図6に示すように、揺動アーム3の揺動により上蓋5を第1状態S1から第2状態S2に変位させるときに、下側熱板7上にセットされた凍結血漿バッグ9に対する上側熱板7の衝突を緩衝(吸収)するためのダンパー機構41を備えている。このダンパー機構41は、伸縮式の棒状ダンパーであり、揺動アーム3(具体的に左右のアーム部22)と本体2との間に設けられている。より具体的に、ダンパー機構41は、本体2に軸支されるシリンダ42と、一端側にシリンダ42内を摺動するピストンを備え且つ他端側が揺動アーム3に軸支されるピストンロッド43と、を備えている。
なお、ダンパー機構41としては、例えば、揺動アーム3のヒンジ部11に設けられるローターリーダンパーを採用してもよい。
次に、上記構成の凍結血漿解凍装置1の作用について説明する。
上蓋5の第1状態S1(本体2の開放状態;図3参照)において、下側熱板7の凹部25上に凍結血漿バッグ9を載せてセットする。このとき、可撓性部材35を目印として凍結血漿バッグ9を正確な位置にセットできるとともに、可撓性部材35の位置決め効果により凍結血漿バッグ9の滑りが抑制される。次に、揺動アーム3を下ろして上蓋5を第1状態S1から第2状態S2(本体2の覆い状態;図1参照)とすることで、上側熱板6と下側熱板7との間に凍結血漿バッグ9を挟み込む。このとき、ダンパー機構41により凍結血漿バッグ9に対する上側熱板6の衝突が緩衝される(図6参照)。
次いで、スタートスイッチ20がON操作されると、ヒータ27が駆動されて熱板6、7が加熱される。そして、温度センサ28の検出値に基づいてヒータ27の供給電力が調整されて熱板6、7の温度が30~40℃の適切な温度に調節される。この熱板6、7の加熱により、凍結血漿バッグ9の解凍が加速され、凍結血漿バッグ9の表面の一部が解凍したことにより、熱板6、7との接触面積が増え接触抵抗が増し、更に可撓性部材35の位置決め効果も加わり、バッグ9のずれがなくなる。
その後、ヒータ27の加熱開始から所定時間T1が経過すると、モータ19が駆動されて揉みローラー16の昇降により上蓋5が揺動される(図8参照)。このとき、下側熱板7に対して上側熱板6がシーソーのように上下に揺らされて凍結血漿バッグ9が揉み込まれるため、バッグ9内の溶けた液体が回遊されて解凍が加速される。この解凍は、湯煎を行わないドライな方式で、雑菌の増殖、接触を少なくし、衛生的であるとともに、ばらつきなく正確に行われる。その後、ヒータ27の加熱開始から所定時間T2が経過すると、ヒータ27及びモータ19の駆動が停止されて解凍処理が終了する。
以上より、本実施形態の凍結血漿解凍装置1によると、下側熱板7の表面には、凍結血漿バッグ9のサイズに合わせて可撓性部材35が設けられている。これにより、凍結血漿バッグ9を下側熱板7上にセットする際に、可撓性部材35が目印となり位置確認を正確にすることができるとともに、可撓性部材35の位置決め効果により凍結血漿バッグ9の滑りが抑制される。さらに、凍結血漿バッグ9を下側熱板7上にセットしたのち揺動アーム3を下ろして上側熱板6と下側熱板7との間で凍結血漿バッグ9を挟み込む際に、可撓性部材35の位置決め効果により凍結血漿バッグ9の滑りが抑制される。その結果、上側熱板7上にセットされる凍結血漿バッグ9の位置ズレを抑制して安全に装置1を稼働させることができる。
これに対して、可撓性部材35の代わりに、図示した位置表示とか、硬い金属を使用した位置決めでは、凍結血漿バッグ9をセットし上蓋5で抑えた時に凍結した血漿バッグ9は滑りやすいので、位置決めの効果は期待できない。
さらに、本実施形態では、揺動アーム3の揺動により上蓋5を第1状態S1から第2状態S2に変位させるときに、下側熱板7上にセットされた凍結血漿バッグ9に対する上側熱板6の衝突を緩衝するためのダンパー機構41を備える。これにより、凍結血漿バッグ9を下側熱板7上にセットしたのち揺動アーム3を下ろして上側熱板6と下側熱板7との間で凍結血漿バッグ9を挟み込む際に、ダンパー機構41により凍結血漿バッグ9に対する上側熱板6の衝突が緩衝される。その結果、凍結血漿バッグ9の位置ズレ及び凍結血漿の損傷が抑制されるとともに、作業者の危険性も取り除くことができる。
次に、上記構成の凍結血漿解凍装置1の上蓋5の最適な揺動条件(揺動回数)について説明する。本凍結血漿解凍装置1で、上蓋5の支持軸4回りの揺動回数のみを変えて、20分稼働(具体的に、上蓋5の揺動なしでヒータ27を5分加熱した後に、上蓋5の揺動ありでヒータ27を15分加熱)し、480ccの凍結血漿バッグ9を解凍させ血漿温度を測定した。その実験結果を表1に示す。
Figure 0007285019000001
表1に示すように、上蓋5の揺動回数が0回/分、5回/分、及び70回/分の場合は、最適な血漿温度(30~37℃)に解凍できなかった。特に、上蓋5の揺動回数が0回/分の場合(即ち、上蓋5の揺動操作がない場合)は、凍結血漿バッグ9内の温度にむらがあることがわかった。さらに、上蓋5の揺動回数が70回/分の場合は、内部の血漿が揺動操作についていけず、温度にむらがあることがわかった。
これに対して、上蓋5の揺動回数が10~60回/分の場合は、凍結血漿バッグ9内の血漿が最適な血漿温度(30~37℃)でむらなく均一に解凍ができることがわかった。上蓋5の揺動回数の低減化等の観点から、上蓋5の揺動回数が10~50回/分であることが好ましい。
なお、血漿温度が30~37℃に解凍されれば、日本赤十字社の要求温度を満足するため、これを最適な血漿温度とする。
次に、上記構成の凍結血漿解凍装置1の上蓋5の最適な揺動条件(支持軸4の位置)について説明する。本凍結血漿解凍装置1では、凍結血漿を均一に早く目的の温度に解凍することにおいて、上蓋5を揺動しており、その上蓋5を支えている揺動アーム3と上蓋5の支持軸4の位置の最適化を図ることが望ましい。
図9(a)に示すように、支持軸4と上蓋5の長手方向の他端5bとの間隔L1と支持軸4と上蓋5の長手方向の一端5aとの間隔L2との比(L1:L2)が25:75である場合、揉みローラー16が最上部になった場合、凍結血漿にかかる圧力は部分的となるが、逆に揉みローラー16が最下部になった時凍結血漿に上蓋5の自重が大きくかかるため、均一な揉み解しとなり、結果的に均一な解凍となる。しかし、これ以上支持軸4の位置を上蓋5の長手方向の他端5b側に寄せると、凍結血漿にかかる圧力は揺動のバランスが悪く極めて部分的となり、不均一な揉み解しとなってしまう。また、揉みローラー16の上下動もこの場合、10cmを越えて稼働させなければならず、設計上限界でこれ以上の可動は、現実的でない。
図9(b)に示すように、支持軸4と上蓋5の長手方向の他端5bとの間隔L1と支持軸4と上蓋5の長手方向の一端5aとの間隔L2との比(L1:L2)が45:55である場合、揉みローラー16が最下部になった時凍結血漿にかかる上蓋5の自重が小さいが、逆に揉みローラー16が最上部になった場合、凍結血漿にかかる圧力は揺動のバランスが良くほぼ均一な揉み解しとなり、結果的に均一な解凍となる。支持軸4の位置が上蓋5の長手方向の中央となる場合が一番揺動は均等であるが、上蓋5の自重がかからず片側のみの揉み解しとなる。
したがって、揺動アーム3の支持軸4は、比(L1:L2)が45:55~25:75(好ましくは40:60~30:70)である場合に、凍結血漿を均一に早く目的の温度に解凍することができる最適な位置となる。言い替えると、揺動アーム3の支持軸4は、上蓋5の長手方向の長さをLmmとしたときに、支持軸4と上蓋5の長手方向の一端5aとの間隔L2が0.55・L~0.75・Lmm(好ましくは0.6・L~0.7・L)である場合に最適な位置となる。
尚、本発明においては、上記実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施形態では、モータ19の駆動により揺動される上蓋5を例示したが、これに限定されず、例えば、流体シリンダ等の駆動により揺動される上蓋5としてもよい。
また、上記実施形態では、揉みローラー16で上蓋5を押し上げて揺動させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、滑り性に優れた棒材やブロック材で上蓋5を押し上げて揺動させる形態としてもよい。
また、上記実施形態では、複数の凍結血漿バッグ9を解凍するように各熱板6、7を複数ずつ備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、1つの凍結血漿バッグ9を解凍するように各熱板6、7を1つずつ備える形態としてもよい。
さらに、上記実施形態では、ヒータ27の加熱開始から所定時間T1(5分)が経過したときにモータ19を駆動して上蓋5を揺動させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、上記実施形態では、可撓性部材35の位置決め効果により凍結血漿バッグ9の滑りが抑制されるため、所定時間T1を零としてヒータ27の加熱開始と同時に上蓋5を揺動させたり、ヒータ27の加熱開始から従来の設定値(5分)よりも小さな所定時間T1(例えば、5分未満(好ましくは1~4分、更に1~3分))の経過後に上蓋5を揺動させたりしてもよい。
本発明は、凍結血漿バッグに貯蔵された凍結血漿を解凍する技術として広く利用される。
1;凍結血漿解凍装置、2;本体、3;揺動アーム、4;支持軸、5;上蓋、6;上側熱板、7;下側熱板、9;凍結血漿バッグ、16;揉みローラー(昇降部材)、35;可撓性部材、41;ダンパー機構、S1;第1状態、S2;第2状態。

Claims (3)

  1. 本体と、前記本体に揺動自在に支持される揺動アームと、前記揺動アームに水平な支持軸回りに揺動自在に支持される上蓋と、前記上蓋の下面側に設けられる上側熱板と、前記本体の上面側に設けられる下側熱板と、を備え、前記上蓋は、前記揺動アームの揺動により前記本体の上面側を開放する第1状態と前記本体の上面側を覆う第2状態との間で変位され、前記上蓋を前記第1状態から前記第2状態に変位させて前記上側熱板と前記下側熱板との間に凍結血漿バッグを挟み込み、前記上蓋を前記支持軸回りに揺動させることで、加熱された前記上側熱板及び前記下側熱板の間で前記凍結血漿バッグに貯蔵された凍結血漿を解凍する凍結血漿解凍装置であって、
    前記上蓋の揺動回数は、前記凍結血漿を30~37℃で解凍するために10~60回/分であり、
    前記下側熱板の表面には、前記凍結血漿バッグのサイズに合わせて可撓性部材が所定高さで突出して設けられており、
    前記所定高さは前記凍結血漿バッグの厚みより小さいことを特徴とする凍結血漿解凍装置。
  2. 前記上蓋は、前記支持軸と直交する長手方向の一端側の下面を昇降部材で押し上げることで前記支持軸回りに揺動され、
    前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の他端との間隔(L1)と前記支持軸と前記上蓋の前記長手方向の一端との間隔(L2)との比(L1:L2)は、前記凍結血漿を30~37℃で解凍するために45:55~25:75である請求項1に記載の凍結血漿解凍装置。
  3. 前記上蓋を前記第1状態から前記第2状態に変位させるときに、前記下側熱板上にセットされた前記凍結血漿バッグに対する前記上側熱板の衝突を緩衝するためのダンパー機構を備える請求項1又は2に記載の凍結血漿解凍装置。
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