JP7282142B2 - 遊星歯車減速機の異常診断装置及び建設機械 - Google Patents

遊星歯車減速機の異常診断装置及び建設機械 Download PDF

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Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械向けの遊星歯車減速機の異常診断装置及びこの減速機を備えた建設機械に関するものである。
遊星歯車減速機は、複数の歯車により構成される遊星歯車機構により、入力軸に入力される回転を減速してトルクを増幅して出力軸から出力する装置である。遊星歯車減速機の異常診断に関しては、遊星歯車機構近傍で発生する振動を検出し、その振動の周波数から損傷の種類、部位及び程度を判定する手法が知られている(例えば、特許文献1)。
この異常診断方法では、まず振動検出手段により得られた遊星歯車機構近傍の振動データを周波数分析処理し、スペクトル波形に変換する。遊星歯車機構の或る歯車の歯の一部が損傷した場合、それに起因した周期的な振動が発生することが知られており、その周波数は各歯車諸元や回転数から求まる。これを特徴周波数と言う。特徴周波数における振幅を、スペクトル波形から抽出し、それがしきい値を超えていた場合、特徴周波数に紐づく歯車が損傷したと判定される。
特開平8-043257号公報
特許文献1は、一定の回転数を減速機に入力する機械を対象としたものであり、既知の回転数の値を設備諸元として入力可能であり、異常診断に際して実際の回転数をセンサ等で計測する必要が無い。しかしながら、建設機械の油圧モータに連結される遊星歯車減速機では、油圧モータから入力される回転数が変化し得るため、実際の回転数の計測(実際の回転数データの取得)を行うことが正確な診断を行う点で必須となる。しかし、建設機械用の遊星歯車減速機は、油圧モータで駆動されるため、電動モータと違いインバータから回転数データを得られない場合が多い。また、油圧モータの回転部は、土砂等の侵入を防ぐために露出が少なく、回転数センサの設置も容易ではないなど、実回転数を計測することが難しい場合が多い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転数データの直接的な取得が難しい建設機械の油圧モータに連結される遊星歯車減速機の異常診断を容易に行うことができる建設機械用の遊星歯車減速機の異常診断装置及び建設機械を提供することができる。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、油圧モータ及び前記油圧モータの出力軸に結合された遊星歯車減速機によって駆動される建設機械における遊星歯車減速機の異常診断装置であって、前記遊星歯車減速機のハウジングである減速機ハウジングに取り付けられ、前記減速機ハウジングの振動を検出する第1振動センサと、前記油圧モータのハウジングであるモータハウジングに取り付けられ、前記モータハウジングの振動を検出する第2振動センサと、前記第1振動センサ及び前記第2振動センサによる検出結果に基づいて前記遊星歯車減速機に含まれる複数の歯車の異常の有無を判定するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記第2振動センサによって取得される第2振動データから前記油圧モータの振動のピーク周期に対応するピーク周波数及び前記油圧モータの回転数を演算し、前記油圧モータの回転数と、前記複数の歯車の数及び当該複数の歯車の各々の歯数と、に基づいて、前記複数の歯車の回転周期に対応する特徴周波数をそれぞれ演算し、前記油圧モータの前記ピーク周波数と、前記第1振動センサによって取得される第1振動データの前記特徴周波数における振幅と、に基づいて、前記複数の歯車の異常の有無を判定することとする。
本発明によれば、回転数データの直接的な取得が難しい建設機械の油圧モータに連結される遊星歯車減速機の異常診断を容易に行うことができる。
本発明の実施形態に係る油圧ショベルの側面図を模式的に表す図。 図1の油圧ショベルに搭載された油圧モータ1及び遊星歯車減速機10の軸断面を模式的に表す図。 図2の遊星歯車減速機10の横断面を模式的に表す図。 コントローラ9による異常診断処理のフローチャートの一例を示す図。 油圧モータ1に取り付けた振動センサで検出された振動のスペクトル波形の一例を示す図。 遊星歯車減速機10に取り付けた振動センサで検出された振動のスペクトル波形(異常時)の一例を示す図。 遊星歯車減速機10に取り付けた振動センサで検出された振動のスペクトル波形(正常時)の一例を示す図。 コントローラ9による異常診断処理のフローチャートの一例を示す図。 本発明の実施形態に用いられる振動センサの取り付け治具の一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は,本実施形態に係る建設機械の一例である油圧ショベルの外観を模式的に示す側面図である。なお,以下ではフロント作業装置の先端に位置するアタッチメントとしてバケットを備える油圧ショベルについて説明するが,アタッチメントはバケットの他にグラップル,ブレーカ,リフティングマグネットなど種々のものに付け替え可能である。
図1の油圧ショベル100は,垂直方向にそれぞれ回動する複数のフロント部材(ブーム31,アーム33,バケット35)を直列的に連結した多関節型のフロント作業装置(作業装置)30と,車両本体を構成する上部旋回体60及び下部走行体70とを備えている。上部旋回体60は下部走行体70に対して旋回可能に設けられている。上部旋回体60は,旋回フレーム61上に各部材を配置して構成されており,上部旋回体60を構成する旋回フレーム61が下部走行体70に対して旋回可能となっている。また,フロント作業装置30の基端部であるブーム31の基端は車両本体を構成する上部旋回体60の前部に回動可能に取り付けられており,アーム33の基端はブーム31の先端に回動可能に支持されており,アーム33の先端にはバケット35が回動可能に支持されている。
下部走行体70は,左右一対のクローラフレーム72a(72b)にそれぞれ掛け回された一対のクローラ71a(71b)と,クローラ71a(71b)をそれぞれ駆動する走行油圧モータ73a(73b)とを備えている。なお,下部走行体70の各構成については,左右一対の構成のうちの一方のみを図示して符号を付し,他方の構成については図中に括弧書きの符号のみを示して図示を省略する。
ブーム31,アーム33,バケット35,及び下部走行体70は,油圧アクチュエータであるブームシリンダ32,アームシリンダ34,バケットシリンダ36,及び左右の走行油圧モータ73a(73b)によりそれぞれ駆動される。
上部旋回体60は、旋回油圧モータ2により遊星歯車減速機10を介して駆動され,下部走行体70に対して回転移動(旋回動作)を行う。遊星歯車減速機10は、旋回油圧モータ2の出力軸16(図2参照)から入力される回転を減速しつつトルクを増幅して出力軸4(図2参照)から出力する。
上部旋回体60を構成する旋回フレーム61上には,フロント作業装置30(複数のフロント部材31,32,35),上部旋回体60および下部走行体70を操作するための操作装置45が搭載されたキャブ(運転室)65と、遊星歯車減速機10の異常診断を行うことができるコントローラ9等が配置されている。この他にも旋回フレーム61上には,原動機であるエンジン62とともに,ブームシリンダ32,アームシリンダ34,バケットシリンダ36,旋回油圧モータ2及び左右の走行油圧モータ73a(73b)などの複数の油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプを含む油圧回路システム41が搭載されている。
図2は、本実施形態に係る異常診断装置300、油圧モータ(旋回油圧モータ)2及び遊星歯車減速機10の模式的な軸断面図である。図示した遊星歯車減速機10は、軸方向に連結された2段の遊星歯車機構(第1遊星歯車機構3A,第2遊星歯車機構3B)により構成されており、油圧モータ2の出力軸(回転軸)16は遊星歯車減速機10(具体的には第1遊星歯車機構3Aの太陽歯車11a)と機械的に連結されている。
図3は第1遊星歯車機構3Aが位置する部分における遊星歯車減速機10の横断面図である。第1遊星歯車機構3Aは、油圧モータ2の出力軸(回転軸)16に固定された第1太陽歯車11aと、第1太陽歯車11aと噛み合って第1太陽歯車11aの周囲を公転及び自転しながら回転し得る複数の第1遊星歯車12a(図示の例では遊星歯車12aは3つ)と、複数の第1遊星歯車12aと噛み合い、遊星歯車減速機10のハウジング(減速機ハウジング)6に固定された第1内歯車13aと、第1遊星歯車12aの回転中心部に挿入された複数の第1遊星歯車ピン14aと、複数の第1遊星歯車ピン14aに固定され、第1遊星歯車12aの公転速度で回転し得る第1キャリア15aとを備えている。
第2遊星歯車機構3Bは、第1キャリア15aに固定された第2太陽歯車11bと、第2太陽歯車11bと噛み合って第2太陽歯車11bの周囲を公転及び自転しながら回転し得る複数の第2遊星歯車12bと、複数の第2遊星歯車12bと噛み合い、ハウジング6に固定された第2内歯車13bと、第2遊星歯車12bの回転中心部に挿入された複数の第2遊星歯車ピン14bと、複数の第2遊星歯車ピン14bに固定され、第2遊星歯車12bの公転速度で回転し得る第2キャリア15bとを備えている。
第2キャリア15bは遊星歯車減速機10の出力軸4に連結されている。出力軸4の周囲には出力軸4の回転を支持する複数の軸受5が設けられている。出力軸4の下端には、下部走行体70に設けられた旋回ベアリング内歯18と噛み合うピニオン17が設けられている。油圧モータ2の駆動力によってピニオン17を回転させることで上部旋回体60が旋回(回転)する。
本実施形態においては、ハウジング6は複数の遊星歯車機構3A,3Bと出力軸4を覆う筒状の部品であり、ハウジング6と出力軸4の間には複数の軸受5が固定されている。
ハウジング6の上部には、油圧モータ2のハウジング(モータハウジング)1が固定されている。油圧モータ2としては、例えばラジアル型やアキシャル型のピストンモータが利用できる。本実施形態においては、ハウジング1は、ピストンモータの構成部品であるピストンやシリンダブロックなどを覆う筒状の部品である。
遊星歯車減速機10のハウジング6における第1遊星歯車機構3Aの近傍(例えば第1内歯車13aの外周側の位置)には、第1振動センサ8が取り付けられている。第1振動センサ8は、遊星歯車減速機10のハウジング6に生じる振動を検出するセンサであり、例えば、加速度センサ、速度センサ、接触式変位センサが利用可能である。本実施形態においては、第1振動センサ8は、ハウジング6の外壁、より具体的にはハウジング6の側面(側壁の外側)に接触して設けられている。例えば、ハウジング8は鋳物部品であり、第1振動センサ8は、ハウジング8に第1振動センサ8を固定可能なマグネット(図示せず)を含む。
第1振動センサ8の取り付け位置は、好ましくは遊星歯車減速機10の軸方向において内部に歯車が位置する範囲とし、さらに好ましくは診断対象の遊星歯車機構のできるだけ近傍とする。図2の例では第1遊星歯車機構3Aの近傍に取り付けている。
油圧モータ2のハウジング1には、第2振動センサ7が取り付けられている。第2振動センサ7は、油圧モータ2のハウジング1に生じる振動を検出するセンサであり、例えば、加速度センサ、速度センサ、接触式変位センサが利用可能である。本実施形態においては、第2振動センサ7は、ハウジング1の外壁、より具体的にはハウジング1の側面(側壁の外側)に接触して設けられている。例えば、ハウジング1は鋳物部品であり、第2振動センサ7は、ハウジング1に第2振動センサ7を固定可能なマグネット(図示せず)を含む。
第2振動センサ7の取り付け位置は、遊星歯車減速機10の発生する振動の影響をできるだけ受けないように、ハウジング1の表面において第1振動センサ8からできるだけ離れた位置に設定することが好ましい。ハウジング1の上面(天面)に第2振動センサ7を取り付けても良い。
なお、上記した第1振動センサ8及び第2振動センサ7の取付位置及び取付態様は一例に過ぎない。例えば、第1振動センサ8又は第2振動センサ7は、ハウジング6又は1にネジによって締結されることもできるし、接着剤などによって貼りつけられることもできる。例えば、第1振動センサ8はハウジング6に取り付けられていればよく、第2振動センサ7はハウジング1に取り付けられていればよい。
第1振動センサ8と第2振動センサ7は、プロセッサ(例えばCPU)及び記憶装置(例えばROM,RAM)を備えるコントローラ9と通信可能に接続されている。コントローラ9は、第1振動センサ8及び第2振動センサ7を介して取得される振動データに基づいて、遊星歯車減速機10に含まれる複数の歯車の異常の有無を判定する処理を行う。本実施形態においては、第1振動センサ8、第2振動センサ7及びコントローラ9は、遊星歯車減速機10の異常の有無を判定する異常診断装置300を構成する。
なお、第1振動センサ8及び第2振動センサ7のそれぞれとコントローラ9との接続は通信ケーブルなどを利用した有線接続でも良いし、無線接続でも良い。コントローラ9はコンピュータやマイクロコンピュータで構成しても良いし、コントローラ9に振動データの波形や診断結果を表示するモニタを接続しても良い。第1振動センサ8と第2振動センサ7からの入力がアナログ信号の場合には、アナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータをコントローラ9に搭載しても良い。すなわち、異常診断装置300は、例えば、診断結果や診断内容を表示するモニタを有していてもよい。
コントローラ9が異常診断に利用する振動データは、第1振動センサ8及び第2振動センサ7のそれぞれで同時に計測されたデータである。すなわち、異常診断に利用される各センサ8,7の振動データの計測開始時刻と計測終了時刻は一致する。例えば、振動データは数kHzから数十kHzで数秒間から数十秒間サンプリングしたデータである。
図4はコントローラ9によって実行される異常診断処理のフローチャートの一例を示す図である。コントローラ9は記憶装置に記憶されたプログラムと第1振動センサ8及び第2振動センサ7を介して取得された振動データとに基づいて図4に示した処理を実行する。
コントローラ9は、ステップ201にて第2振動センサ7を介して取得される油圧モータ2に係る第2振動データを取得し、ステップ202にて当該第2振動データを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によりスペクトル波形に変換する。図5に油圧モータ2に係る第2振動データから得られるスペクトル波形の一例を示す。この図に示すようにスペクトル波形は周波数(Frequency)と振幅(Amplitude)によって表される。なお、ステップ202で第2振動データを高速フーリエ変換する前の処理として、第2振動データにおける或る周波数領域を除去するフィルタ処理や、第2振動データをエンベロープ波形に変換する包絡線処理等を行っても良い。
ステップ203において、コントローラ9は、ステップ202で取得したスペクトル波形に基づいて油圧モータ2の振動のピーク周期に対応するピーク周波数Fmを算出する。油圧モータ2のピーク周波数Fmの算出方法としては、ステップ202で取得したスペクトル波形において振幅が最大のピークに係る周波数をピーク周波数Fmと特定する方法がある。油圧モータ2の回転時には、図5に示すように或る周波数Fmにおいてピークが確認でき、これを油圧モータ2のピーク周波数と算出できる。算出したピーク周波数Fmはコントローラ9内の記憶装置に記憶する。
ステップ204において、コントローラ9は、ステップ203で算出した油圧モータ2のピーク周波数に基づいて油圧モータ2の回転数を算出する。油圧モータ2の回転数はピーク周波数Fmを油圧モータ2のピストン数で除した値として算出できる。
ステップ205において、コントローラ9は、ステップ204で算出した油圧モータ2の回転数と、第1振動センサ8の近傍に位置する遊星歯車機構3を構成する複数の歯車の数n及び歯数Tとに基づいて、当該複数の歯車の特徴周波数fd、すなわち当該複数の歯車の各々の回転周期をそれぞれ算出する。ここでは第1振動センサ8の近傍に位置するのは第1遊星歯車機構3Aであるため、第1太陽歯車11a、第1遊星歯車12a及び第1内歯車13aの特徴周波数fds,fdp,fdrを算出する。
或る歯車の歯の一部が損傷すると、或る周波数(特徴周波数fd)において振動が発生する。特徴周波数fdは回転数に依存するため、ステップ204で算出した油圧モータ2の回転数から各歯車の特徴周波数を計算する。各歯車11a,12a,13aの特徴周波数fds,fdp,fdrは下記式(1)-(3)により演算できる。ここで、fは回転周波数、Tは各歯車の歯数、nは遊星歯車機構3を構成する複数の歯車の数であり、添え字s,p,rはそれぞれ太陽歯車、遊星歯車、内歯車を意味する。第1太陽歯車11aの回転周波数fsはステップ204で算出した油圧モータ2の回転数から演算できる。
Figure 0007282142000001
Figure 0007282142000002
Figure 0007282142000003
なお、特徴周波数fdの代わりに、噛み合い周波数fzを算出しても良い。噛み合い周波数fzは、1秒間に歯車の歯が噛み合う回数を示し、遊星歯車減速機10の場合には下記式(4)により演算できる。
Figure 0007282142000004
また、コントローラ9は、ステップ206にて第1振動センサ8を介して取得される遊星歯車減速機10に係る第1振動データを取得し、ステップ207にて当該第1振動データを高速フーリエ変換(FFT)によりスペクトル波形に変換する。図6に遊星歯車減速機10に係る第1振動データから得られるスペクトル波形の一例を示す。なお、ステップ207で第1振動データを高速フーリエ変換する前の処理として、第1振動データにおける或る周波数領域を除去するフィルタ処理や、第1振動データをエンベロープ波形に変換する包絡線処理等を行っても良い。
図6のスペクトル波形は、第1太陽歯車11aが損傷した場合の例を示しており、ステップ203で算出した油圧モータ2のピーク周波数Fmにおけるピークと、第1太陽歯車11aの損傷により特徴周波数fds及びその整数倍の周波数2fdsに発生した2つのピークが確認できる。なお、各歯車に損傷の無い場合(つまり正常時)には、特徴周波数fd及びその整数倍の周波数nfdにピークは観測されない。また、歯車の損傷が酷く、発生する振動が大きい場合には、油圧モータ2のスペクトル波形においても特徴周波数にピークが観測されることがある。この点に関して本実施形態の第1太陽歯車11aの損傷による振動は微少であるため、図5の油圧モータ2のスペクトル波形において特徴周波数fdsのピークはほぼ観測されない。
ステップ208において、コントローラ9は、ステップ207で第1振動データを変換して得たスペクトル波形から、ステップ203で演算した油圧モータ2のピーク周波数Fmにおけるピークを探索し、ピークが発見された場合には当該ピークを除去する。すなわち図6の例では破線で囲んだ周波数Fmにおける振幅をゼロにしてピークを除去する。特徴周波数fdと油圧モータ2のピーク周波数Fmが接近している場合、後続するステップ209で算出(抽出)する特徴周波数振幅にピーク周波数Fmの振幅が含まれて診断を誤る可能性がある。しかし、本実施形態のようにピーク周波数Fmにおけるピークを除去すれば、残ったスペクトル波形において各歯車の特徴周波数fdでのピークの発生の有無を容易に判別できるので、油圧モータ2の回転により生じるノイズの影響を低減でき、結果的に異常診断の精度が向上する。なお、ピークを除去する周波数はピーク周波数Fmのみに限らず、ピーク周波数Fmの前後の所定の範囲の周波数を対象にしても良い。また、各歯車に損傷が無い正常時における、遊星歯車減速機10の振動のスペクトル波形(但し、油圧モータ2のピーク周波数Fmは除去済み)の一例を図7に示す。
ステップ209において、コントローラ9は、ステップ208でピーク除去したスペクトル波形からステップ205で算出した各特徴周波数fds,fdp,fdrにおける振幅を抽出する。このとき各特徴周波数fds,fdp,fdrの整数倍の周波数における振幅をさらに抽出しても良い。振幅の抽出に際しては、算出した油圧モータ2の回転数の誤差を考慮して、抽出対象の周波数±数Hzの範囲において最大のピークを探索し、当該最大のピークの振幅を当該抽出対象の周波数における振幅としても良い。
ステップ210において、コントローラ9は、ステップ209で抽出した各特徴周波数fds,fdp,fdrにおける振幅を各特徴周波数に紐付くしきい値Ats,Atp,Atrと比較する。この比較の結果、コントローラ9は、振幅がしきい値At以下であれば異常なしと診断し(ステップ212)、振幅がしきい値Atより大きければその特徴周波数fdに紐づく歯車が損傷した(異常あり)と診断する(ステップ211)。しきい値Atは予め設定された値である。しきい値Atは、実験から求める方法、正常時の振幅値またはその整数倍とする方法、機械学習により求める方法などが考えられる。しきい値Atは特徴周波数ごとに異なることもある。
図6の減速機10のスペクトル波形の例では、ステップ209で第1太陽歯車11aの特徴周波数fds及びその2倍の周波数2fdsにおける振幅にピークが発見される。発見された各ピークの振幅としきい値Atsとの比較がステップ210で行われ、発見された各ピークの振幅がしきい値Atsよりも大きいので第1太陽歯車11aが損傷しているという診断が下される(ステップ211)。
(効果)
以上のように本実施形態では、油圧モータ2及び油圧モータ2の出力軸4に結合された遊星歯車減速機3によって駆動される油圧ショベル100における遊星歯車減速機3の異常診断装置300に、遊星歯車減速機3のハウジングである減速機ハウジング6に取り付けられ、減速機ハウジング6の振動を検出する第1振動センサ8と、油圧モータ2のハウジングであるモータハウジング1に取り付けられ、モータハウジング1の振動を検出する第2振動センサ7と、第1振動センサ8及び第2振動センサ7による検出結果に基づいて遊星歯車減速機3に含まれる複数の歯車11,12,13の異常の有無を判定するプロセッサ(コントローラ9)とを備えた。そして当該プロセッサ(コントローラ9)が、第2振動センサ7によって取得される第2振動データから油圧モータ2の振動のピーク周期に対応するピーク周波数Fm及び油圧モータ2の回転数を演算し、油圧モータ2の回転数と、複数の歯車11,12,13の数及び当該複数の歯車11,12,13の各々の歯数と、に基づいて、複数の歯車11,12,13の回転周期に対応する特徴周波数fdをそれぞれ演算し、油圧モータ2のピーク周波数Fmと、第1振動センサ8によって取得される第1振動データの特徴周波数における振幅と、に基づいて、複数の歯車11,12,13の異常の有無を判定することとした。
つまり、本実施形態の異常診断装置300及びこれを含む油圧ショベル(建設機械)100では、油圧モータ2のハウジング1に第2振動センサ7を取り付け、この第2振動センサ7を利用して取得される第2振動データを利用することで油圧モータ2のピーク周波数Fmを演算し、演算したピーク周波数Fmから油圧モータ2の回転数を演算することを実現した。すなわち油圧モータ2の回転数を回転数センサ等で直接的に取得することなく第2振動データを利用することで算出した。そして、演算した油圧モータ2の回転数を利用して各歯車の特徴周波数fdを演算し、第1振動センサ8を利用して取得されるスペクトル波形において油圧モータ2のピーク周波数における振幅を除去することで、油圧モータ2に連結された遊星歯車減速機10の特徴周波数fdに基づく歯車の異常診断を実現した。すなわち、本実施形態の異常診断装置は、回転数データの直接的な取得が難しい建設機械の油圧モータに連結される遊星歯車減速機において、第2振動センサ7を利用して油圧モータ2の回転数を演算することができるので、建設機械向けの遊星歯車減速機の異常診断を容易に行うことができる。
(変形例1)
上記の図4のフローチャートのステップ208では、第1振動データに係るスペクトル波形(例えば図6)においてピーク周波数Fmにおける振幅(ピーク)を除去する処理を行った。しかし、ピーク周波数Fmが算出できていれば、このピーク周波数Fmにおけるピークの除去処理は異常診断に必須な処理ではない。すなわち、このピーク除去処理を省略した図8のフローチャートをコントローラ9に実行させて異常診断を行っても良い。
すなわち、本変形例においては、コントローラ9は、油圧モータ2の回転数と、遊星歯車減速機10の複数の歯車の数及び当該歯車の各々の歯数と、に基づいて、当該複数の歯車の回転周期に対応する特徴周波数fdをそれぞれ演算し、油圧モータ2のピーク周波数Fmと、第1振動センサ8によって取得される第1振動データの特徴周波数fdにおける振幅と、に基づいて、複数の歯車の異常の有無を判定する。
図8はコントローラ9によって実行される異常診断処理のフローチャートの変形例の1つを示す図である。この図のフローチャートは図4のフローチャートからステップ208に係るピーク除去処理を省略したものである。このような処理を行っても、回転数データの直接的な取得が難しい建設機械の油圧モータに連結される遊星歯車減速機の異常診断を容易に行うことができる。
(変形例2)
上記の図4及び図8のフローチャートのステップ210では、各歯車の特徴周波数fdにおける振幅を抽出してそれらを各しきい値Atと比較する処理を行った。しかし、このステップ210の処理に代えて、各歯車について特徴周波数fdにおける振幅と当該特徴周波数fdを整数倍した周波数における振幅を合算し(すなわちステップ209で抽出された複数の振幅を歯車ごとに合算し)、その合算値をしきい値と比較する処理を行っても良い。このような処理に変更すると、異常時と正常時の振幅の差がより明確に現れるため、歯車の異常診断精度が向上し得る。なお、この場合のしきい値はステップ210のしきい値と異なっても良い。
(変形例3)
第1振動センサ8及び第2振動センサ7をハウジング6,1に取り付ける際に用いる治具について説明する。図9は第1振動センサ8及び第2振動センサ7の取り付け治具であるマグネットベース75の概略構成図である。
マグネットベース75は、概略直方体状の本体部78から突出し外周にねじが切られた雄ねじ部76を有している。この雄ねじ部76に振動センサ7,8に設けられた雌ねじ部79を締結すると、マグネットベース75に振動センサ7,8が固定される。
マグネットベース75には、本体部78から突出した2つの吸着部77に磁力を発生するためのレバーやダイヤルなどの切換スイッチ(図示せず)が設けられており、当該切換スイッチをOFFからONに切り替えると吸着部77に強力な磁力が発生する。
マグネットベース75にねじ部76,69を介して振動センサ8,7を固定し、強磁性体から成るハウジング6,1上の所望の位置に吸着部77を接触させた状態で切換スイッチをONに切り替えると、吸着部77から発生した磁力によりマグネットベース75はハウジング6,1の表面に吸着固定される。このような取り付け治具(マグネットベース75)を利用すると、振動センサ8,7をハウジング6,1に容易かつ強固に固定することができ、振動センサ8,7による振動データの取得が容易になる。
(変形例4)
上記の実施形態では、油圧モータ2及び減速機10を備える建設機械(油圧ショベル100)に搭載したコントローラ9にて減速機10(歯車)の異常診断を行ったが、異常診断は当該建設機械の外部で行っても良い。すなわち、異常診断装置300は、その全体が油圧ショベルの構成要素である必要はない。例えば、異常診断装置300のコントローラ9として、異常診断装置300は、油圧ショベル100の外部に設けられた情報処理装置を有し、この情報処理装置が第1振動センサ8及び第2振動センサ7と通信可能な構成を有していてもよい。
より具体的には、例えば、第1振動センサ8及び第2振動センサ7を介して取得された振動データを通信機器(例えば無線通信装置)を介して外部のコンピュータ(例えばインターネットに接続されたサーバ)に送信し、当該コンピュータで異常診断を行う構成を採用しても良い。また、コントローラ9に代えて、第1振動センサ8及び第2振動センサ7を介して取得された振動データを記憶する記憶装置を搭載する構成を採用し、当該記憶装置に記憶した振動データを他の端末(コンピュータ等)に移動・送信して異常診断は当該他の端末で行うようにしても良い。さらに、当該記憶装置に加えて通信機器(例えば無線通信装置)を追加し、当該記憶装置に記憶された振動データを当該通信装置を介して外部のコンピュータ(例えばインターネットに接続されたサーバ)に送信し、当該コンピュータで異常診断を行う構成を採用しても良い。
(その他)
なお、上記では第1遊星歯車機構3Aの近傍に第1振動センサ8を取り付けた場合について説明したが、第2遊星歯車機構3Bの近傍に第1振動センサ8を取り付けて第2遊星歯車機構3Bに含まれる歯車の異常診断を行っても良いことは言うまでも無い。
また、図4等ではステップ205で各歯車の特徴周波数fdを演算したが、特定の歯車の特徴周波数fdのみを演算しても良い。この場合、ステップ209では当該特定の歯車の特徴周波数fdの振幅と当該特徴周波数fdの整数倍の周波数の振幅を抽出し、ステップ210では抽出した振幅としきい値の比較を行うことで当該特定の歯車の異常の有無を判断しても良い。
また、上記では油圧モータ2と遊星歯車減速機10のハウジング1,6に2つの振動センサ7,8が取り付けられた図2を用いて説明したが、この2つの振動センサ7,8はハウジング1,6に常時取り付けておく必要はない。すなわちメンテナンスのときにだけ2つの振動センサ7,8をハウジング1,6に取り付けるようにしても良い。
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
また、上記のコントローラ9に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は、それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また、コントローラ9に係る構成は、演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることでコントローラ9の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は、例えば、半導体メモリ(フラッシュメモリ、SSD等)、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク、光ディスク等)等に記憶することができる。
また、上記の各実施の形態の説明では、制御線や情報線は、当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが、必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1…ハウジング(モータハウジング),2…油圧モータ(旋回油圧モータ),3…遊星歯車機構,4…出力軸,5…軸受,6…ハウジング(減速機ハウジング),7…第2振動センサ,8…第1振動センサ,9…コントローラ,10…遊星歯車減速機,11a…第1太陽歯車,11b…第2太陽歯車,12a…第1遊星歯車,12b…第2遊星歯車,13a…第1内歯車,13b…第2内歯車,14a…第1遊星歯車ピン,14b…第2遊星歯車ピン,15a…第1キャリア,15b…第2キャリア,16…出力軸(回転軸),17…ピニオン,18…旋回ベアリング内歯,30…フロント作業装置(作業装置),60…上部旋回体,61…旋回フレーム,75…マグネットベース,76…雄ねじ部,77…吸着部,78…本体部,79…雌ねじ部,100…油圧ショベル,300…異常診断装置

Claims (5)

  1. 油圧モータ及び前記油圧モータの出力軸に結合された遊星歯車減速機によって駆動される建設機械における遊星歯車減速機の異常診断装置であって、
    前記遊星歯車減速機のハウジングである減速機ハウジングに取り付けられ、前記減速機ハウジングの振動を検出する第1振動センサと、
    前記油圧モータのハウジングであるモータハウジングに取り付けられ、前記モータハウジングの振動を検出する第2振動センサと、
    前記第1振動センサ及び前記第2振動センサによる検出結果に基づいて前記遊星歯車減速機に含まれる複数の歯車の異常の有無を判定するプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記第2振動センサによって取得される第2振動データから前記油圧モータの振動のピーク周期に対応するピーク周波数及び前記油圧モータの回転数を演算し、
    前記油圧モータの回転数と、前記複数の歯車の数及び当該複数の歯車の各々の歯数と、に基づいて、前記複数の歯車の回転周期に対応する特徴周波数をそれぞれ演算し、
    前記油圧モータの前記ピーク周波数と、前記第1振動センサによって取得される第1振動データの前記特徴周波数における振幅と、に基づいて、前記複数の歯車の異常の有無を判定する
    ことを特徴とする遊星歯車減速機の異常診断装置。
  2. 請求項1の遊星歯車減速機の異常診断装置において、
    前記プロセッサは、前記第2振動データをスペクトル波形に変換し、当該スペクトル波形に基づいて前記油圧モータのピーク周波数を演算し、前記油圧モータのピーク周波数を前記油圧モータのピストン数で除した値を前記油圧モータの回転数とすることを特徴とする遊星歯車減速機の異常診断装置。
  3. 請求項2の遊星歯車減速機の異常診断装置において、
    前記プロセッサは、前記第2振動データをスペクトル波形に変換し、当該スペクトル波形において振幅が最大のピークに係る周波数を前記油圧モータのピーク周波数として演算することを特徴とする遊星歯車減速機の異常診断装置。
  4. 請求項1の遊星歯車減速機の異常診断装置において、
    前記プロセッサは、前記第1振動データをスペクトル波形に変換し、当該スペクトル波形から前記油圧モータのピーク周波数におけるピークを除去し、当該ピーク周波数におけるピークを除去したスペクトル波形から前記複数の歯車のうち1つの歯車の特徴周波数における振幅を抽出し、抽出した前記1つの歯車の特徴周波数における振幅が前記1つの歯車の特徴周波数に紐付くしきい値を超える場合に前記1つの歯車に異常があると診断することを特徴とする遊星歯車減速機の異常診断装置。
  5. 旋回体を駆動する油圧モータと、
    前記油圧モータの出力軸に連結された遊星歯車減速機と、
    前記遊星歯車減速機を覆う減速機ハウジングに取り付けられた第1振動センサと、
    前記遊星歯車減速機に含まれる複数の歯車の異常の有無を判定するコントローラとを備えた建設機械において、
    前記油圧モータを覆うモータハウジングに取り付けられた第2振動センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記第2振動センサによって取得される第2振動データに基づいて前記油圧モータの振動のピーク周期に対応するピーク周波数及び前記油圧モータの回転数を演算し、
    前記油圧モータの回転数と、前記複数の歯車の数及び当該複数の歯車の各々の歯数と、に基づいて、前記複数の歯車の回転周期に対応する特徴周波数をそれぞれ演算し、
    前記油圧モータのピーク周波数と、前記第1振動センサによって取得される第1振動データの前記特徴周波数における振幅とに基づいて、前記複数の歯車の異常の有無を判定する
    ことを特徴とする建設機械。
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