JP2019158514A - 乗客コンベア用軸受の検査装置及び乗客コンベア用軸受の検査方法 - Google Patents

乗客コンベア用軸受の検査装置及び乗客コンベア用軸受の検査方法 Download PDF

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俊昭 松本
法美 小平
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Abstract

【課題】乗客コンベア用軸受を検査する場合に、軸受以外からの振動を取り除き、正確に軸受の劣化を検査できるようにする。【解決手段】乗客コンベア用軸受5の振動を検出する振動センサ11と、軸受から発生する磁気を検出する磁気センサ13と、振動センサの出力信号を基に軸受の状態を判定する判定処理部16と、を有する。ここで、判定処理部16は、磁気センサ13の出力信号から算出した軸受5内の転動体の1公転の時間における振動センサ11の出力信号の状態から、転動体を含む軸受5の劣化あるいは軸受5の軸41又は軸41と連動して回転する部材の劣化に起因する振動成分を取り出す。【選択図】図2

Description

本発明は、乗客コンベア用軸受の検査装置及び乗客コンベア用軸受の検査方法に関する。
エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアには、多数の軸受けが使用されている。軸受は、一般的にグリス等の潤滑油が枯渇し、内部剥離や摩耗が発生することで、故障する。その際、固有の振動が発生するため、振動加速度に基づく相対値や絶対値を用いた振動信号レベルによる簡易診断や、信号を高速フーリエ変換し特定周波数のスペクトログラム解析を行うことで、軸受の劣化を検査することができる。
しかしながら、乗客コンベア等の昇降機に用いられている低速で回転している軸受の場合、軸受の損傷によって発生する振動の信号レベルが乗客コンベアの回転設備稼働に起因する振動や外部で発生している振動の振動レベルと比較し著しく小さい。このため、これら振動と軸受から発生している信号を区分することは難しく、一般的な振動法を用いて早期に異常の有無を判定することは困難である。
従来、このような低速回転軸受の異常診断方法としては、加速度センサで計測したデータを高速フーリエ変換処理し、固有振動数を元にした振動周波数帯域に応じた重み付けを行い、軸受に起因した振動を取り出すことが提案されている(特許文献1参照)。
特開2013−224853号公報
しかしながら、従来の技術では、外部で発生した振動の周波数が軸受の固有振動と近接している場合に正確に分離することが難しいという問題があった。このため、軸受の固有振動と同じ周波数の外部振動が大きい場合、劣化していない軸受であっても、劣化していると誤判定してしまうことがあった。特に乗客コンベア用の軸受のように、低速で回転する軸受の劣化を正確に判断することは困難であった。
本発明の目的は、軸受以外からの振動を取り除き、正確に軸受の劣化を検査することが可能な乗客コンベア用軸受の検査装置及び乗客コンベア用軸受の検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、軸の周囲に複数配置された転動体が軸の回りを公転しながら回転することにより、乗客コンベアに設置された軸を支持する乗客コンベア用軸受の検査装置において、軸受の振動を検出する振動センサと、軸受から発生する磁気を検出する磁気センサと、振動センサの出力信号を基に軸受の状態を判定する判定処理部と、を有する。
ここで、判定処理部は、磁気センサの出力信号から算出した軸受内の転動体の1公転の時間における振動センサの信号の状態から、転動体を含む軸受を構成する部材の劣化あるいは軸受が支持した軸又は軸と連動して回転する部材の劣化に起因する振動成分を取り出すようにした。
本発明によれば、軸受の回転に同期した振動成分を取り出すことができ、軸受以外からの振動を取り除いて、正確に軸受や軸受が支持した軸や転動体の劣化を診断することが可能になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例を適用するエスカレーターの概略構成を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例による異常診断構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるセンサケースの構成を示す三面図である。 本発明の一実施の形態例による軸受球の1公転を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例による異常診断処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による軸受の回転と振動、並びに磁気センサ出力との関係を示す特性図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)を、添付図面を参照して説明する。
[1.エスカレーターの構成例]
図1は、本例を適用する乗客コンベアの一例としてのエスカレーターの概略構成を示す図である。
図1に示すように、エスカレーターは、駆動モーター1、減速機2、ドライビングチェーン3、ターミナルギヤ4、ターミナルギヤ軸受5、踏段6、踏段チェーン7、ハンドレール8、ハンドレール駆動装置9、及びハンドレール駆動チェーン10を備える。
駆動モーター1の駆動軸には駆動プーリが設けられており、この駆動プーリが減速機2を介してドライビングチェーン3に動力を伝達する。ドライビングチェーン3は、エスカレーター上部に設置されたターミナルギヤ4等を介して踏段チェーン7及びハンドレール8に動力を伝達する。踏段チェーン7は踏段6に連結されている。この踏段チェーン7は、エスカレーター上部に設置されたターミナルギヤ4とエスカレーター下部に設置された別のターミナルギヤ4とに巻きかけられている。そして、上部側のターミナルギヤ4が駆動モーター1に回転駆動されるのに伴い、踏段チェーン7が踏段6と共に循環稼働するようになっている。
また、エスカレーター上部に設置されたターミナルギヤ4には、踏段チェーン7だけでなくハンドレール駆動チェーン10も巻きかけられており、このハンドレール駆動チェーン10がハンドレール駆動装置9を介してハンドレール8を駆動する。そして、ターミナルギヤ4が回転駆動されると、ハンドレール8が踏段6と同期して循環稼働するため、踏段6上に乗ってハンドレール8を把持している乗客を安全に搬送できるようになっている。
ターミナルギヤ4の回転軸41(図2)は、ターミナルギヤ軸受5により支持される。このエスカレーターはターミナルギヤ4の回転に伴い毎分30メートル程度の定格速度で乗客を搬送するため、ターミナルギヤ軸受5は50rpm以下の低速で回転する。
そして、ターミナルギヤ軸受5は、後述する図3に示すように、ハウジング51に収納されている。本例の軸受異常診断を行う際には、ターミナルギヤ軸受5のハウジング51に、センサ(振動加速度センサ11及び磁気センサ13)が内蔵されたセンサケース52を取り付け、診断用のセンサ出力を得る。この診断用のセンサ出力には、ターミナルギヤ軸受5を構成する部材(後述する転動体など)の振動成分の他に、その軸受5が支持した回転軸41(図2)や回転軸41に取り付けられたターミナルギヤ4等からの振動の成分も含まれる。なお、本明細書で軸受の振動と述べた場合には、特に区別する場合を除いて、軸受そのものを構成する部材(転動体など)の振動のみならず、軸受が支持した回転軸や、回転軸に取り付けられて、回転軸に連動して回転する部材(ターミナルギヤ4など)の振動も含むものとする。
このセンサケース52は、エスカレーターの保守点検作業を行う際に、作業員が取り付けて、診断の処理を行う。但し、センサケース52は、常時ターミナルギヤ軸受5のハウジング51に取り付けるようにして、エスカレーターの稼働中に随時診断を行うようにしてもよい。
[2.軸受異常診断の構成例]
図2は、ターミナルギヤ軸受5の異常を診断する異常診断装置の構成を示す。
異常診断装置は、センサケース52に収納された振動加速度センサ11及び磁気センサ13を備える。これら振動加速度センサ11及び磁気センサ13が収納されたセンサケース52は、ターミナルギヤ軸受5のハウジング51(図3)に取り付けられる。ハウジング51に収納されたターミナルギヤ軸受5は、ターミナルギヤ4の回転軸41を支持する。
振動加速度センサ11は、ターミナルギヤ軸受5の振動加速度信号を検出する振動検出処理を行う。振動加速度センサ11の検出信号(振動加速度信号)は、増幅器12により増幅された後、アナログ・デジタルコンバーター15に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号化された検出信号は、判定処理部16に供給される。
磁気センサ13は、ターミナルギヤ軸受5内の転動体である軸受球の回転に関して、磁場の変化または大きさを電気信号として検出する磁気検出処理を行う。この磁気センサ13の検出信号(磁気電圧信号)は、増幅器14により増幅された後、アナログ・デジタルコンバーター15に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号化された検出信号は、判定処理部16に供給される。
なお、アナログ・デジタルコンバーター15は、例えば時分割で振動加速度センサ11の検出信号と磁気センサ13の検出信号とを変換処理する。
判定処理部16は、振動加速度センサ11の検出信号と磁気センサ13の検出信号に基づいて、ターミナルギヤ軸受5の異常診断処理を行う。判定処理部16が行う異常診断処理(判定処理)の詳細については後述する。
[3.軸受の構成とセンサの配置例]
図3は、ターミナルギヤ軸受5のハウジング51へのセンサケース52の取り付け状態の例を示す。図3は、取り付け状態を三面図として示し、図3(A)は正面図、図3(B)は上面図、図3(C)は側面図である。
ハウジング51の上部には、センサケース52が取り付けられる。このとき、センサケース52内の磁気センサ13が、ハウジング51内の転動体である軸受球の回転経路xとほぼ重なる位置に配置されるように、センサケース52をハウジング51の上部に取り付ける。すなわち、センサケース52にはセンサ位置決め機構53が設けられ、このセンサ位置決め機構53でハウジング51の側面に対するセンサケース52の位置が一定になるように、センサケース52の上面のほぼ中央にセンサケース52が取り付けられるようにする。センサケース52は、例えばマグネットによりハウジング51に固定される。
このようにセンサ位置決め機構53を備えることで、保守点検作業時にセンサケース52をハウジング51に取り付ける際には、センサケース52内の磁気センサ11が、軸受球の回転状態を最適に検知できる位置に自動的に定まるようになる。したがって、保守作業員によるセンサケース52の設置作業の簡易化を図ることができる。
図4は、ターミナルギヤ軸受5の構成と、内部の軸受球20の回転状態を示す。図4では、軸の回転に伴った軸受球20の回転状態を、軸受状態5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6として時間の経過で示す。
ハウジング51の内部には、内輪17と外輪18が設置され、内輪17と外輪18との間に、複数個(ここでは8個)の軸受球20が一定の角度ごとに配置されている。内輪17には、ターミナルギヤ4の回転軸41に取り付けられ、回転軸41と一体に回転する。外輪18はハウジング51側に固定されて回転しない。
軸や内輪17の回転に伴って軸受球20が回転する状態について説明すると、例えば、左端の軸受状態5−1から、内輪17の矢印bで示す回転により、軸受球20が矢印aで示すように回転(自転)しながら、内輪17の周囲を矢印bに沿って徐々に回転する。すなわち、軸受状態5−2,5−3,・・・と徐々に回転が進むに従って、それぞれの軸受球20の位置が内輪17の周囲で進み、軸受状態5−6からさらに進むことで、軸受球20が内輪17の周囲を1回転して、軸受状態5−1に戻る。本明細書では、この軸受球20が内輪17の周囲を回転することを、軸受球の公転と称する。
本例においては、この図4に示すターミナルギヤ軸受5の異常振動(及びターミナルギヤ軸受5が支持した回転軸41や転動体の異常振動)の有無を診断するものである。
[4.軸受の異常診断処理]
図5は、判定処理部16が行う軸受異常診断処理の流れを示すフローチャートである。この軸受異常診断処理は、判定処理部16に軸受5が数回転したときの各センサ11,13の検出信号が蓄積された状態で行われる。
まず、判定処理部16は、磁気センサ13が出力する検出信号(磁気信号)を読み出し(ステップS11)、初期状態として、読み出し位置を1にセットする(ステップS12)。また、磁気信号を判断する閾値aを読み出し(ステップS13)、軸受球カウントcに0をセットする(ステップS14)。ステップS13で読み出す閾値aは、後述する図6(a)に示すような磁気信号のレベル変動を判断するための値である。
その後、判定処理部16は、読み出した磁気信号の値bをセットし(ステップS15)、値bが閾値aを超えたか否かを判断する(ステップS16)。ここで、閾値aを超えていない場合(ステップS16のNO)、判定処理部16は、ステップS15の処理に戻る。
そして、閾値aを超えた場合(ステップS16のYES)、判定処理部16は、軸受球カウントcの値を1つ加算し(ステップS17)、軸受球カウントcの値が軸受球20の数になったか否かを判断する(ステップS18)。本例の場合には、軸受球20の数は、図4に示すように8個であり、ステップS18では軸受球カウントcが8以上になったか否かを判断する。
ここで、軸受球カウントcの値が軸受球20の数未満である場合(ステップS18のNO)、判定処理部16は、ステップS15の処理に戻る。そして、軸受球カウントcの値が軸受球20の数(ここでは8)以上になったとき、判定処理部16は、ステップS14でcを0にセットしてからステップS18で8を判断した期間を、軸受球20の1公転期間とする。この軸受球20の1公転期間を取得すると、判定処理部16は、軸受球20の1公転期間分の、振動加速度センサ11が出力する検出信号(振動信号)を取り出す(ステップS19)。
そして、判定処理部16は、ステップS19で得た軸受球20の1公転期間分の振動信号と、1周期前の1公転期間分の振動信号と、1周期後の1公転期間分の振動信号との3つを比較して、同じタイミングに共通する異常があるか否かを判断する(ステップS20)。ここで、3周期期間の振動信号に共通する異常がある場合(ステップS20のYES)、判定処理部16は、軸受に異常があったと判定し、軸受異常フラグを1にセットする(ステップS21)。また、3周期期間の振動信号に共通する異常がない場合(ステップS20のNO)、判定処理部16は、ステップS14の処理に戻る。
なお、ステップS20では、軸受球20の3公転周期分の振動信号を比較するようにしたが、この比較数は一例であり、少なくとも2公転周期分の振動信号を比較すればよい。逆に、3公転周期を超える周期の振動信号を比較して、共通する異常の有無を判断するようにしてもよい。
図6は、判定処理部16がセンサ11,13の出力波形に基づいて、異常診断処理(判定処理)を行う例を示す。
図6Aに示す磁気信号mは、磁気センサ13が検出する信号であり、図6Bに示す振動信号vは、振動加速度センサ11が検出する信号である。
図6Aに示す磁気信号mは、波形の山部がターミナルギヤ軸受5の軸受球20が磁気センサ13の下を通過する時に出力される。また、磁気信号mの波形の谷部は、2つの軸受球20の間が磁気センサ13の下を通過する時に出力される。
ここでは、ターミナルギヤ軸受5内に8個の軸受球20が配置されているため、磁気信号mの波形の上下が8回繰り返されることで、軸受球20が1公転した状態になる。判定処理部16は、この8波長分の磁気信号の変化を検出することで、ターミナルギヤ軸受5内の軸受球20が1公転する周期を検出する。図6の例では、時間T1,T2が1公転周期の時間になる。
判定処理部16は、このようにして軸受5内の軸受球20の1公転時間T1,T2,・・・を検出すると、振動信号vを1公転周期ごとの信号S1,S2,・・・に分割する処理を行う。そして、判定処理部16は、分割した振動信号S1,S2,・・・を、予め決められた数だけ取り出して比較する。図5のフローチャートの場合には3周期分の信号を比較する例を示したが、最低2周期、最大で数十周期程度である。
図6では、下側に1公転周期ごとの振動信号S1,S2を上下に並べて示す。判定処理部16では、例えば、このような1公転周期ごとの振動信号S1,S2,・・・を所定回数加算した信号と、予め設定された閾値レベルとが比較され、閾値レベルを超えた箇所があるとき、軸受5が異常であると診断する。
このような異常診断処理を行うことで、軸受5の回転に同期した振動成分を取り出すことができ、軸受5以外の外部から伝わる振動を取り除いて、正確な軸受異常の診断ができる。すなわち、図6に示すように、時間T1の間にターミナルギヤ軸受5内の軸受球20は1回転(1公転)し、ターミナルギヤ軸受5の内輪17(および内輪17に接続された回転軸41)が回転する間に、軸受球20はそれぞれに自転している。ここで、それぞれの軸受球20は、ターミナルギヤ軸受5の内輪17の特定の一点と、内輪17が1回転する間に1回だけ合致した位置になる。したがって、ターミナルギヤ軸受5の潤滑油が枯渇し、内部剥離や摩耗が軸受球20、または内輪17の一部に発生した場合に、軸受が1回転する間に1度、それぞれの位置が合致したところで劣化に起因する振動が発生する。
ここで、図6に示す振動波形を比較すると、時間T1に得た振動データS1に発生している振動c1と、時間T2に得た振動データS2に発生している振動c2は、ターミナルギヤ軸受5の1回転の中で同じタイミングで発生しているということが分かる。したがって、振動c1,c2は、ターミナルギヤ軸受5を構成する部材の劣化に伴った振動であると判断できる。ターミナルギヤ軸受5を構成する部材には、ターミナルギヤ軸受5に内蔵された軸受球20(転動体)も含まれる。また、ここでのターミナルギヤ軸受5自身の劣化に伴った振動とは、ターミナルギヤ軸受5が支持した回転軸41の異常や、回転軸41に取り付けられて、回転軸41と連動して回転する部材(ターミナルギヤ4)の異常が含まれる。
一方、振動データS1で発生している振動d1は、振動データS2では発生しておらず、これは軸受の劣化に起因した振動以外のものであると判断できる。例えば、回転軸41には直接取り付けられていない部材(踏み段6,踏段チェーン7など)の要因による振動、あるいはエスカレーターが設置された建物側の要因による振動の可能性がある。
このようにターミナルギヤ軸受5の劣化に起因した信号は、データを並べた場合に同じ箇所に発生しているため、比較して同じ異常がある信号は、軸受の劣化に起因する振動成分を取り出した信号になる。したがって、判定処理部16は、閾値レベルとの比較から、外部からの振動の要因を除いて、軸受の劣化のみを正確に判定することができる。
判定処理部16がターミナルギヤ軸受5の劣化を検知した際には、例えば判定処理部16に接続された不図示の表示部に、ターミナルギヤ軸受5が劣化していることが表示される。あるいは、外部のエスカレーターの監視センタに、判定処理部16がターミナルギヤ軸受5の劣化を通知するようにしてもよい。
[5.変形例]
なお、上述した実施の形態例では、エスカレーターのターミナルギヤ軸受5の異常を診断する処理に適用した。これに対して、エスカレーター等の乗客コンベアが備えるその他の低速回転を行う軸受の異常を、同様の処理で診断するようにしてもよい。ターミナルギヤ軸受5の場合には、内輪17側に回転軸41が取り付けられ、外輪18側が固定される構成であるが、外輪側が回転し、内輪側が固定された軸受に本発明を適用してもよい。
なお、ここでの低速回転とは、毎分5回以上100回以下の回転速度である。このような低速回転を行う軸受についての異常診断時に、本例の診断処理を行うことで特に高い効果が得られる。
また、上述した実施の形態例では、軸受球を備えた軸受の異常診断を行うようにしたが、ローラ型の転動体を備えた軸受に、本例の処理で異常を診断するようにしてもよい。
また、図2に示す構成では、ターミナルギヤ軸受5の振動を検出するセンサとして、加速度を検出する振動加速度センサ11を使用したが、振動センサとして、加速度以外を検出するセンサを使用してもよい。
また、センサとして配置した振動加速度センサ11と磁気センサ13の内の、磁気センサ13については、転動体である軸受球を検出するために使用したが、磁気センサ13の検出信号を、振動などの異常判断に使用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、軸受球(転動体)の1公転ごとの信号を、その前後の1公転の信号と比較して、劣化の有無を判断するようにしたが、1公転ごとの振動信号をより多くの複数周期で比較することを行って、劣化を判断するようにしてもよい。すなわち、判定処理部16は、1公転ごとの振動信号を比較して、所定の複数周期で連続して同じ位置に異常振動があるとき、軸受異常と判断するようにしてもよい。
また、汎用のコンピュータ装置に、判定処理部16が行う判定処理を行うプログラムを実装し、コンピュータ装置にプログラムを実行させて異常診断処理(判定処理)を行うようにしてもよい。ここでのコンピュータ装置には、保守作業員が所持するタブレット端末やスマートフォンなど各種形態の情報処理装置が含まれる。また、乗客コンベアが設置された箇所では、センサ信号の取り込みだけを行って、その取り込んだセンサ信号を、外部の判定処理を行う監視センタに送信して、監視センタ側の端末で、判定処理部16での判定に相当する処理を行うようにしてもよい。
さらに、本発明は上記した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
また、図2の構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…駆動モーター、2…減速機、3…ドライビングチェーン、4…ターミナルギヤ、5…ターミナルギヤ軸受(低速回転軸受)、6…踏段、7…踏段チェーン、8…ハンドレール、9…ハンドレール駆動装置、10…ハンドレール駆動チェーン、11…振動加速度センサ、12…増幅器、13…磁気センサ、14…増幅器、15…アナログ・デジタルコンバーター、16…判定処理部、17…内輪、18…外輪、20…軸受球(転動体)、41…回転軸、51…ハウジング、52…センサケース、53…センサ位置決め機構、T1…磁気信号波形による軸受1回転時間、T2…磁気信号波形による次の軸受1公転時間、S1…時間T1に発生した軸受1公転時間における振動波形、S2…時間T2に発生した軸受1公転時間における振動波形、c1…振動波形S1の中で発生した軸受劣化に起因する振動、c2…振動波形S2の中で発生した軸受劣化に起因する振動、d1…振動波形S1の中で発生した軸受以外からの振動、m…磁気信号、v…振動信号

Claims (5)

  1. 軸の周囲に複数配置された転動体が前記軸の回りを公転しながら回転することにより、乗客コンベアに設置された前記軸を支持する乗客コンベア用軸受の検査装置において、
    前記軸受の振動を検出する振動センサと、
    前記軸受から発生する磁気を検出する磁気センサと、
    前記振動センサの出力信号を基に前記軸受の状態を判定する判定処理部と、を有し、
    前記判定処理部は、前記磁気センサの出力信号から算出した軸受内の前記転動体の1公転の時間における前記振動センサの出力信号の状態から、前記転動体を含む前記軸受を構成する部材の劣化あるいは前記軸受が支持した前記軸又は前記軸と連動して回転する部材の劣化に起因する振動成分を取り出すようにした
    乗客コンベア用軸受の検査装置。
  2. 前記乗客コンベアに設置された前記軸受は、毎分5回以上100回以下の低速で回転する低速回転軸受である
    請求項1に記載の乗客コンベア用軸受の検査装置。
  3. 前記判定処理部は、前記振動センサの信号を前記1公転の時間ごとに分割し、その分割したそれぞれの信号を所定回数取り出し、それぞれの信号の同じタイミングに異常となる振動があるとき、前記転動体を含む前記軸受を構成する部材の劣化あるいは前記軸受が支持した前記軸又は前記軸と連動して回転する部材の劣化を判定する
    請求項2に記載の乗客コンベア用軸受の検査装置。
  4. 前記振動センサと前記磁気センサはセンサケースに収納され、
    前記センサケースは、軸受内の前記転動体が配置された位置とほぼ重なる位置に前記磁気センサを設置するためのセンサ位置決め機構を有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗客コンベア用軸受の検査装置。
  5. 軸の周囲に複数配置された転動体が軸の回りを公転しながら回転することにより、乗客コンベアに設置された前記軸を支持する乗客コンベア用軸受を検査する乗客コンベア用軸受の検査方法において、
    前記軸受の振動を振動センサにより検出する振動検出処理と、
    前記軸受から発生する磁気を磁気センサにより検出する磁気検出処理と、
    前記振動センサの出力信号を基に前記軸受の状態を判定する判定処理と、を含み、
    前記判定処理は、前記磁気センサの出力信号から算出した軸受内の前記転動体の1公転の時間における前記振動センサの信号の状態から、前記転動体を含む前記軸受を構成する部材の劣化あるいは前記軸受が支持した前記軸又は前記軸と連動して回転する部材の劣化に起因する振動成分を取り出すようにした
    乗客コンベア用軸受の検査方法。
JP2018044280A 2018-03-12 2018-03-12 乗客コンベア用軸受の検査装置及び乗客コンベア用軸受の検査方法 Pending JP2019158514A (ja)

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