JP2002022616A - 亀裂診断方法及び亀裂診断装置 - Google Patents

亀裂診断方法及び亀裂診断装置

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JP2002022616A
JP2002022616A JP2000213131A JP2000213131A JP2002022616A JP 2002022616 A JP2002022616 A JP 2002022616A JP 2000213131 A JP2000213131 A JP 2000213131A JP 2000213131 A JP2000213131 A JP 2000213131A JP 2002022616 A JP2002022616 A JP 2002022616A
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JP2000213131A
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English (en)
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Makihito Yamada
牧人 山田
Chiaki Yasuda
千秋 安田
Takanobu Oda
隆信 小田
Keiichi Morishita
慶一 森下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、回転軸系のクラック等を運
転中でも容易に診断できる亀裂診断方法とその装置を提
供することである。 【解決手段】 本発明は、駆動機、被駆動機、若しくは
伝達系を構成する回転軸系の亀裂状態を診断する亀裂診
断方法において、所定のセンサ手段より検知した検知信
号を演算して前記回転軸系の捩り固有振動数を逐次取り
込むか、また前記被検知対象がモータの駆動軸若しくは
これに連接する伝導軸系である場合には、前記モータの
電流信号出力より既知の電源周波数成分を除去して、捩
り振動によるトルク変動によって変調されている周波数
応答を検出するとともに、該周波数応答より捩り固有振
動数を求め、該固有振動数の経時的変化を監視し、該経
時的変化によって亀裂の有無若しくは程度を判定するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転軸系のクラック
等の亀裂診断方法とその装置に係り、特に駆動軸若しく
は被駆動軸側の回転軸系のクラック等を運転中でも容易
に診断できる亀裂診断方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータや原動機等の回転機械
よりの駆動力は、これらの駆動軸よりカップリング等を
介して伝達軸、更には被駆動軸側に伝達され、エンジン
やタービン、ポンプ、圧縮機等の各種被駆動機械に伝達
され、所望の負荷若しくは無負荷運転がなされる。そし
てこれらの回転軸系にクラックが入った場合、起動時若
しくは運転中にそのクラック部分に、応力が集中し、最
終的には軸破損等の大きな事故につながる。
【0003】さて従来より回転機械の軸に亀裂が発生す
ると、軸の曲げ振動に回転周波数の2倍成分(2N成分)
の振動が発生することが知られており、このため回転機
械運転中の亀裂の検知は、この2N成分の有無によって
診断されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら2N成分
はクラックのみならず、軸受部の摩耗やクリアランスの
ガタ等によっても発生することから2N成分のみでは、
亀裂の検知及び判定は困難であり、結果として亀裂の正
確な診断は、前記回転機械を分解して回転軸系を浸透探
傷や磁気探傷によって亀裂の有無を検知していたが、こ
のように運転を停止しなければ亀裂の有無を判別できな
いことは、長時間若しくは連続的に運転する回転機械に
は対応できない。
【0005】かかる欠点を解消するために、アコーステ
ックエミッション(AE)、即ち材料に変形を加えたとき
に発生する超音波振動を検知して回転体の異常を検知す
る特許が特開昭64−91031号に開示されており、
更に特開平6−221963号にはその改良発明が開示
されているが、いずれも軸受のクラックから発生したA
Eの基準レベルを検知するものである。
【0006】しかしながら前記技術はいずれも軸受のノ
イズ除去を有効に回避しながらAEを精度良く取り込む
もので、本発明のように固有振動数を把握するものでは
ない。特にAE等の超音波検知では種々の発生音源によ
り、ノイズが発生しやすく、必ずしも精度良い検知が出
来ない。
【0007】本発明は、かかる課題に鑑み、回転軸系の
クラック等を運転中でも容易に診断できる亀裂診断方法
とその装置を提供することを目的とする。そして本発明
は特に駆動軸若しくは被駆動軸側で発生したクラック等
を捩り振動の固有振動数を把握し、その変化を計時的に
監視することにより回転軸系のクラック等を容易に診断
できる亀裂診断方法とその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、請求項1記載の発明は、駆動機、被駆動
機、若しくは伝達系を構成する回転軸系の亀裂状態を診
断する亀裂診断方法において、所定のセンサ手段より検
知した検知信号を演算して前記回転軸系の捩り固有振動
数を逐次取り込むとともに、該固有振動数の経時的変化
を監視し、該経時的変化によって亀裂の有無若しくは程
度を判定する事を特徴とする。
【0009】そして前記固有振動数は、請求項2に記載
のように、被検知対象となる回転軸系よりの回転数若し
くはトルク変動に起因する位相差を検出し、該位相差か
ら前記回転軸系の捩り振動の固有振動数を算出するのが
よい。
【0010】かかる発明によれば、亀裂が発生すると、
捩り剛性が下がるために、回転数変動若しくはトルク変
動の位相差から算出できる前記回転軸系の捩り振動の固
有振動数が低下する。従って捩り振動の有意差を超える
低下の有無の判別によりクラックが検知できる。又その
低下の程度より、亀裂の程度(深さ)が判別できる。
【0011】また前記被検知対象がモータの駆動軸若し
くはこれに連接する伝導軸系である場合には、回転数若
しくはトルク変動を検出するセンサが不要となり、前記
モータの電流信号出力を用いてセンスする事が出来る。
即ち、モータ電流は捩り振動によるトルク変動によって
次のように変調される。 Sin2πft×Sin2πft= -1/2(Cos2π(f+f)t−Cos2π(f−f)t) …(1) f1:電源周波数 f2:捩り固有振動数 従って前記トルク変動によって変調されているモータ電
流信号より得られる振動の周波数応答を計測することに
よって(f+f)Hzと(f−f)Hzの周波数成
分が検出される。電源周波数は交流波形として既知であ
るから、前記(1)式より捩り固有振動数(f)が分
かる。
【0012】請求項3記載の発明は、かかる知見に基づ
くもので、前記モータの電流信号出力より既知の電源周
波数成分を除去して、捩り振動によるトルク変動によっ
て変調されている周波数応答を検出するとともに、該周
波数応答より捩り固有振動数を求め、該固有振動数の経
時的変化を監視し、該経時的変化によって亀裂の有無若
しくは程度を判定することを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1若しくは
2記載の発明を効果的に実施する装置に関する発明で、
駆動機、被駆動機、若しくは伝達系を構成する回転軸系
の亀裂状態を診断する亀裂診断装置において、トルク変
動若しくは回転数変動の位相差を検知する1又は複数の
センサ手段と、該センサ手段より検知した検知信号を演
算して前記回転軸系の捩り固有振動数を演算する演算手
段と、該固有振動数の固有振動数の経時的変化を監視す
る監視手段、該経時的変化によって亀裂の有無若しくは
程度を判定する判定手段とを含むことを特徴とする。
【0014】かかる発明によれば、センサ手段で位相差
を検知するためにモータ以外の回転軸系にも適用可能で
あり、汎用性が広い。
【0015】請求項5記載の発明は、前記発明を更に具
体化し、被検知対象となる回転軸系よりの回転数変動の
位相差を検知するために、回転軸系に取り付けた回転ピ
ッチ現出手段と、該ピッチ現出手段と対面して回転方向
に一ピッチ以上ずらして配置した複数の信号検出手段
と、該複数の検出手段よりの信号に基づいて回転位相差
を検出し、該位相差から前記回転軸系の捩り振動の固有
振動数を求める固有振動演算手段と、該固有振動数の経
時的変化を監視する監視手段、該経時的変化によって亀
裂の有無若しくは程度を判定する判定手段とを具えた事
を特徴とする。
【0016】この場合、前記回転ピッチ現出手段は、歯
車若しくは等間隔バーコードが印刷された反射テープで
あり、一方前記信号検出手段が、フォトセンサ等の光電
変換手段であるのがよい。請求項7記載の発明は、請求
項3記載の発明を効果的に実施する装置に関する発明
で、前記被検知対象がモータの駆動軸若しくはこれに連
接する伝導軸系である場合に、前記モータの電流信号出
力より元の電流信号成分を除去して、捩り振動によるト
ルク変動によって変調されている周波数成分より捩り固
有振動数を求める固有振動演算手段と、該固有振動数の
経時的変化を監視する監視手段、該経時的変化によって
亀裂の有無若しくは程度を判定する判定手段とを具えた
事を特徴とする。尚、前記固有振動演算手段は、請求項
8に記載のように、前記モータ電流信号を2乗回路と低
域通過フィルタを通過して得られた捩り波形成分を周波
数分析して捩り固有振動数を求める固有振動演算手段で
構成しても良く、これにより良好な波形監視が可能とな
る。
【0017】請求項9記載の発明は、前記固有振動演算
手段が、前記モータ電流信号を帯域通過フィルタに通過
させて電源周波数成分を抽出し、この信号を電流信号と
かけ算することにより同期検波し、該同期検波された信
号をフィルタによりカットオフした後に周波数分析して
捩り固有振動数を求める固有振動演算手段である、いわ
ゆる同期検波方式に関するもので、かかる発明によれば
良好な波形監視が可能となる。
【0018】請求項10記載の発明は、前記固有振動演
算手段が、前記モータ電流信号を帯域通過フィルタに通
過させて電源周波数成分を抽出し、この信号を、引き算
処理により電源周波数成分を除去した電流信号とかけ算
することにより同期検波し、該同期検波された信号をフ
ィルタによりカットオフした後に周波数分析して捩り固
有振動数を求める固有振動演算手段である事を特徴とす
る。かかる発明によれば前記同期検波方式に電流信号中
の電源周波数成分を除去する引き算回路が追加されてい
るもので、良好な波形監視とともに選択度を得ることが
出来る。
【0019】請求項11記載の発明は、前記被検知対象
がモータの駆動軸若しくはこれに連接する伝導軸系であ
る場合に、簡易な亀裂診断装置を提供するものであり、
前記モータの電流信号出力を周波数分析して捩り固有振
動数を求める固有振動演算手段と、該固有振動数の経時
的変化を監視する監視手段、該経時的変化によって亀裂
の有無若しくは程度を判定する判定手段とを具えた事を
特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定
的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定
する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1は本発
明の実施形態にかかる回転軸の亀裂診断装置で、主とし
てモータ以外の駆動装置、例えば発電機や駆動装置の軸
系の亀裂診断装置としても有効である。図において、駆
動装置若しくは発電機1は回転軸2を介して空気圧縮
機、若しくはポンプ等の負荷4と接続されている。そし
て本実施形態においては、被検知対象となる回転軸2に
回転ピッチ現出手段として、精度良い回転ピッチ角を有
する歯車3を嵌着させるか、若しくは精度良い等間隔バ
ーコードが印刷された反射テープを巻着させる。
【0021】そして前記歯車3の歯面若しくは反射テー
プ面と対面させて、回転方向に一ピッチ以上ずらして一
対のフォトセンサやタコメータ等の光電変換センサ5を
配置する。前記一対のセンサ5の配設ピッチ間隔は、1
ピッチ以上であれば2ピッチ若しくは3ピッチ等の整数
倍でも良く、又1.5ピッチ、若しくは2.5ピッチ等の
非整数倍でもよい。その理由は回転数の変動は1個のセ
ンサで検知可能であるが、歯車ピッチのタイミングず
れ、即ち位相差を検知するのは一ピッチ以上離れた2つ
のセンサが必要であることによる。
【0022】前記一対の光電変換センサ5は公知の捩り
振動計6に入力される。捩り振動計6は公知のように、
歯車3の回転角の一ピッチ毎に信号を前記一対のセンサ
5よりの信号に基づいて回転位相差を検出し、該位相差
から前記回転軸系の捩り振動の固有振動数を求める事が
出来る。そして前記固有振動数の演算信号は判定器7に
送られ、該判定器7内で、固有振動数の経時的変化を監
視し、該経時的変化によって亀裂の有無若しくは程度を
判定する。
【0023】かかる点をフローにしたものを図1の右側
に示す。 (S1)2つのセンサより歯車、反射テープ各ピッチ信号
を取り込み、その2つのピッチ信号の位相差を演算して
該位相差に基づいて捩り振動を計測する。 (S2)前記捩り振動波形に基づいて固有振動数を算出す
る。かかるステップまでは従来の捩り振動計で公知であ
る。そして前記固有振動数の信号は判定器7に逐次取り
込む。 (S3)判定器7には有意差レベルの対応する閾値データ
が格納されており、該閾値データと固有振動数とを逐次
経時的に比較するか(ゾーン監視)若しくは計時的変化を
経時関数的に監視し、その関数(勾配等)に有意差が出た
場合(関数監視)に亀裂の有無若しくは程度を判定する
(S4)。
【0024】かかる実施形態によれば亀裂が出ると捩り
剛性が下がるために、捩り振動計で演算される固有振動
数が低下し、亀裂(クラック)を検知できる。又その低下
の程度より亀裂の深さが判別でき、爾後の機械を停止さ
せるか否か等のリスク判断が可能となる。
【0025】図2は本発明の他の実施例で、前記被検知
対象がモータの駆動軸若しくはこれに連接する伝導軸系
である場合に適用されるものである。図において、駆動
モータ10は回転軸2を介して負荷4と接続されてい
る。そして本実施形態においては、前記モータ10の電
流信号出力を捩り振動計6に取り込み交流波形からなる
電源周波数成分を除去して、捩り振動によるトルク変動
によって変調されている周波数成分より捩り固有振動数
を求める。そして前記求めた固有振動数の経時的変化を
監視するゾーン幅25(閾値)、該経時的変化によって
亀裂の有無若しくは程度を判定する判定器7を設ける点
は、前記した通りである。
【0026】そして周波数応答成分は、下記の式とな
る。 Sin2πft×Sin2πft= -1/2(Cos2π(f+f)t−Cos2π(f−f)t) …(1) f:電源周波数 f:捩り固有振動数 従って前記トルク変動によって変調されているモータ電
流信号より得られる振動の周波数応答を計測することに
よって(f+f)Hzと(f−f)Hzの周波数成
分が検出される。
【0027】電源周波数は交流波形(f)として既知で
あるから、前記(1)式より捩り固有振動数(f)が
分かる。
【0028】そしてより具体的には、例えば図9によ
り、36.5Hzの捩り振動波形がある場合(A)に、実
測されるモータ電流信号は、元の交流電流波形と捩り振
動波形の組み合わさってものとなり、 χi=ASin(ωt+θ)+ASin(ωt+θ)×Sin(ωtt+θ) =ASin(ωt+θ){1+Sin(ωtt+θ)} 言い換えれば図9(B)に示す波形ととなる。
【0029】そして図3及び図9(D)に示すように、前
記「ASin(ωt+θ)」が電流信号成分で、図9
(C)の「ASin(ωt+θ)×Sin(ωtt+
θ)」が捩り振動成分となる。従って図3に示すように
下側帯域と上側帯域との間の周波数領域をカットすれ
ば、捩り振動成分のみを得ることが出来る。
【0030】図4乃至図7は、前記モータ電流信号20
から亀裂診断を行う各回路を示し、例えば図4は、この
捩り振動の変調は振幅変調であるために、包絡線方式の
振幅変調を利用したもので、前記モータ電流信号20を
2乗回路21と低域通過フィルタ22を通過して得られ
た捩り波形成分(図9(G)参照))を周波数分析器24で
周波数分析して捩り固有振動数を求める固有振動演算手
段で構成し、前記固有振動数の変化を比較器26にて通
常の捩り固有振動数のゾーン幅25(閾値)でその変化を
監視し、そのゾーン幅を超えた際に亀裂があると判断
し、警報器27で警報を鳴らす。
【0031】又、図5は、同期検波線方式を利用したも
ので、前記モータ電流信号20を帯域通過フィルタA3
4に通過させて電源周波数成分を抽出し、この信号を掛
算器31で電流信号20とかけ算することにより同期検
波し、該同期検波された信号を高域通過フィルタ32と
低域通過フィルタ33によりカットオフした後に得られ
た捩り波形成分(図9(E)参照))を、周波数分析器24
で周波数分析して捩り固有振動数を求める固有振動演算
手段で構成し、前記固有振動数の変化を比較器26にて
通常の捩り固有振動数のゾーン幅25(閾値)でその変化
を監視し、そのゾーン幅を超えた際に亀裂があると判断
し、警報器27で警報を鳴らす。尚、図3に示すよう
に、帯域通過フィルタA34の通過帯域の中心周波数は
50Hz(東日本地域)、若しくは60Hz(西日本地域)
に設定する。
【0032】又高域通過フィルタB32のカットオフ周
波数は、DC成分カットのために1〜2Hz程度に設定
する。低域通過フィルタC33のカットオフ周波数は電
源周波数以下で以下で捩り振動の振動数以上に設定され
る。
【0033】更に、図6は、同期検波線方式を利用した
他の実施例で、基本的にはモータ電流信号20中の電源
周波数成分を除去する引算器36を追加したものであ
る。即ち、図6においては、前記モータ電流信号20を
帯域通過フィルタA34に通過させて電源周波数成分を
抽出し、この信号を、引き算処理により電源周波数成分
を除去した電流信号20とかけ算することにより同期検
波し、該同期検波された信号を高域通過フィルタB32
と低域通過フィルタC33によりカットオフした後に得
られた捩り波形成分(図9(F)参照))を、周波数分析器
24で周波数分析して捩り固有振動数を求める固有振動
演算手段で構成し、前記固有振動数の変化を比較器26
にて通常の捩り固有振動数のゾーン幅25(閾値)でその
変化を監視し、そのゾーン幅を超えた際に亀裂があると
判断し、警報器27で警報を鳴らす。
【0034】図7は、電流信号20成分を直接周波数分
析して、捩り固有振動数を取り出したもので、図3に示
すように、電流信号成分と捩り振動成分とは周波数領域
が異なるために、周波数分析24により捩り振動成分の
みを得ることが出来、振動数の変化を比較器26にて通
常の捩り固有振動数のゾーン幅25(閾値)でその変化を
監視し、そのゾーン幅25を超えた際に亀裂があると判
断し、警報器27で警報を鳴らせばよい事は前記した通
りである。図8は前記夫々の実施例のメリット、デメリ
ットを記載した表であり、夫々目的に応じて対応する実
施例を記載すればよい。
【0035】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、回転
軸系の捩り振動の固有振動数の有意差を超える低下の判
別によりクラックが容易に検知でき且つその程度より、
亀裂の程度(深さ)が判別できる。
【0036】また前記被検知対象がモータの駆動軸若し
くはこれに連接する伝導軸系である場合には、前記モー
タの電流信号出力を用いてセンスする事により、回転数
若しくはトルク変動を検出するセンサが不要となる。
【0037】又請求項4〜6記載の発明によれば、セン
サ手段で位相差を検知するためにモータ以外の回転軸系
にも適用可能であり、汎用性が広い。
【0038】請求項7〜10記載の発明によれば簡単な
回路構成で、捩り波形成分を周波数分析して捩り固有振
動数を求めることにより良好な波形監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる回転軸の亀裂診断
装置とそのフロー図である。
【図2】 本発明の他の実施例で、前記被検知対象がモ
ータの駆動軸若しくはこれに連接する伝導軸系である場
合に適用される回転軸の亀裂診断装置とそのフロー図で
ある。
【図3】 図2のモータ電流信号の周波数波形図であ
る。
【図4】 図2の装置に適用される回転軸の亀裂診断回
路を示すブロック図で包絡線方式を利用したものであ
る。
【図5】 図2の装置に適用される回転軸の亀裂診断回
路を示すブロック図で同期検波方式を利用したものであ
る。
【図6】 図2の装置に適用される回転軸の亀裂診断回
路を示すブロック図で同期検波方式の利用した他の変形
例である。
【図7】 図2の装置に適用される回転軸の亀裂診断回
路を示すブロック図で周波数分析を利用したものであ
る。
【図8】 図4から図7夫々の実施例のメリット、デメ
リットを記載した表である。
【図9】 36.5Hzの捩り振動波形がある場合(A)
におけるモータ電流信号(B)、元の交流電流波形(D)と
捩り振動波形(C)及び夫々の実施例の出力である復調さ
れた捩り振動波形成分(E〜G)である。
【符号の説明】
1 発電機 2 回転軸 4 負荷 3 歯車 5 光電変換センサ 6 捩り振動計 7 判定器 21 2乗回路 22 低域通過フィルタ 24 周波数分析器 26 比較器 27 警報器 31 掛算器 32 高域通過フィルタ 33 低域通過フィルタ 34 帯域通過フィルタ 36 引算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 隆信 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 森下 慶一 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 2G024 AB02 BA27 CA14 FA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動機、被駆動機、若しくは伝達系を構
    成する回転軸系の亀裂状態を診断する亀裂診断方法にお
    いて、 所定のセンサ手段より検知した検知信号を演算して前記
    回転軸系の捩り固有振動数を逐次取り込むとともに、該
    固有振動数の経時的変化を監視し、該経時的変化によっ
    て亀裂の有無若しくは程度を判定する事を特徴とする亀
    裂診断方法。
  2. 【請求項2】 被検知対象となる回転軸系よりの回転数
    若しくはトルク変動に起因する位相差を検出し、該位相
    差から前記回転軸系の捩り振動の固有振動数を算出し
    て、該固有振動数の経時的変化によって亀裂の有無若し
    くは程度を判定する事を特徴とする請求項1記載の亀裂
    診断方法。
  3. 【請求項3】 前記被検知対象が、モータの駆動軸若し
    くはこれに連接する伝導軸系である場合に、前記モータ
    の電流信号出力より既知の電源周波数成分を除去して、
    捩り振動によるトルク変動によって変調されている周波
    数応答を検出するとともに、該周波数応答より捩り固有
    振動数を求め、該固有振動数の経時的変化を監視し、該
    経時的変化によって亀裂の有無若しくは程度を判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の亀裂診断方法。
  4. 【請求項4】 駆動機、被駆動機、若しくは伝達系を構
    成する回転軸系の亀裂状態を診断する亀裂診断装置にお
    いて、 トルク変動若しくは回転数変動の位相差を検知する1又
    は複数のセンサ手段と、 該センサ手段より検知した検知信号を演算して前記回転
    軸系の捩り固有振動数を演算する演算手段と、 該固有振動数の固有振動数の経時的変化を監視する監視
    手段、該経時的変化によって亀裂の有無若しくは程度を
    判定する判定手段とを含むことを特徴とする亀裂診断装
    置。
  5. 【請求項5】 被検知対象となる回転軸系よりの回転数
    変動を検知するために、回転軸系に取り付けた回転ピッ
    チ現出手段と、 該ピッチ現出手段と対面して回転方向に1ピッチ以上ず
    らして配置した複数の信号検出手段と、 該複数の検出手段よりの信号に基づいて回転位相差を検
    出し、該位相差から前記回転軸系の捩り振動の固有振動
    数を求める固有振動演算手段と、 該固有振動数の経時的変化を監視する監視手段、該経時
    的変化によって亀裂の有無若しくは程度を判定する判定
    手段とを具えた事を特徴とする請求項4記載の亀裂診断
    装置。
  6. 【請求項6】 前記回転ピッチ現出手段が、歯車若しく
    は等間隔バーコードが印刷された反射テープであり、一
    方前記信号検出手段が、フォトセンサ等の光電変換手段
    である請求項4記載の亀裂診断装置。
  7. 【請求項7】 前記被検知対象がモータの駆動軸若しく
    はこれに連接する伝導軸系である場合に、 前記モータの電流信号出力より元の電流信号成分を除去
    して、捩り振動によるトルク変動によって変調されてい
    る周波数成分より捩り固有振動数を求める固有振動演算
    手段と、 該固有振動数の経時的変化を監視する監視手段、該経時
    的変化によって亀裂の有無若しくは程度を判定する判定
    手段とを具えた事を特徴とする亀裂診断装置。
  8. 【請求項8】 前記固有振動演算手段が、前記モータ電
    流信号を2乗回路と低域通過フィルタを通過して得られ
    た捩り波形成分を周波数分析して捩り固有振動数を求め
    る固有振動演算手段であることを特徴とする請求項4記
    載の亀裂診断装置。
  9. 【請求項9】 前記固有振動演算手段が、前記モータ電
    流信号を帯域通過フィルタに通過させて電源周波数成分
    を抽出し、この信号を電流信号とかけ算することにより
    同期検波し、該同期検波された信号をフィルタによりカ
    ットオフした後に周波数分析して捩り固有振動数を求め
    る固有振動演算手段であることを特徴とする請求項4記
    載の亀裂診断装置。
  10. 【請求項10】 前記固有振動演算手段が、前記モータ
    電流信号を帯域通過フィルタに通過させて電源周波数成
    分を抽出し、この信号を、引き算処理により電源周波数
    成分を除去した電流信号とかけ算することにより同期検
    波し、該同期検波された信号をフィルタによりカットオ
    フした後に周波数分析して捩り固有振動数を求める固有
    振動演算手段であることを特徴とする請求項4記載の亀
    裂診断装置。
  11. 【請求項11】 前記被検知対象がモータの駆動軸若し
    くはこれに連接する伝導軸系である場合に、 前記モータの電流信号出力を周波数分析して捩り固有振
    動数を求める固有振動演算手段と、 該固有振動数の経時的変化を監視する監視手段、該経時
    的変化によって亀裂の有無若しくは程度を判定する判定
    手段とを具えた事を特徴とする亀裂診断装置。
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