先ず始めに、専用車線または専用道路で走行する車両のための車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムの各種態様について説明する。
本発明に係る第1の態様の車両編成方法は、専用車線または専用道路で走行する車両のための車両編成装置であって、車両の運行に関連し、目的停車場、出発停車場、停車場に到着する到着時間、輸送量及び運行時間帯のうち少なくともいずれか1つを含む運行情報を取得するステップと、運行情報に基づいて、異なるサイズを有する複数の車両で形成される隊列における当該複数の車両のサイズ及び整列順番を決定することによって、隊列を編成するステップと、を含む。
本発明に係る第2の態様の車両編成方法は、第1の態様において、運行情報は、第1目的停車場と、第2目的停車場と、を含んでもよい。隊列を編成するステップは、運行情報に基づいて、隊列内において、1つ又は複数の車両を含む第1子隊列と、第1子隊列の後方に配置される1つ又は複数の車両を含む第2子隊列と、を含む複数の子隊列を編成するステップ、を含んでもよい。第1子隊列は第1目的停車場に向かい、第2子隊列は第2目的停車場に向ってもよい。車両編成方法は、運行情報に基づいて、所定の停車場で隊列から第2子隊列を分離するステップをさらに含んでもよい。
本発明に係る第3の態様の車両編成方法は、第2の態様において、所定の停車場は、第1目的停車場と第2目的停車場とに向かう複数のルートに分岐する分岐停車場であってもよい。
本発明に係る第4の態様の車両編成方法は、第2の態様において、所定の停車場は、第2目的停車場であってもよい。
本発明に係る第5の態様の車両編成方法は、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、運行情報は輸送量または運行時間帯を含んでもよい。隊列を編成するステップは、輸送量または運行時間帯と車両のサイズとに基づいて、隊列に追加するための1つ又は複数の車両を含む第3子隊列を編成するステップと、隊列の最後尾車に第3子隊列を追加するステップと、を含んでもよい。
本発明に係る第6の態様の車両編成方法は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、運行情報は特定の途中停車場に到着した到着時間を含んでもよい。隊列内において、1つ又は複数の車両を含む第1子隊列と、第1子隊列の後方に配置される1つ又は複数の車両を含む第2子隊列と、を含んでもよい。運行情報を取得するステップは、第2子隊列が特定の途中停車場に到着した第1到着時間と、隊列の出発時間よりも後に出発した1つ又は複数の車両を含む別の隊列が特定の途中停車場に到着した第2到着時間と、を取得するステップ、を含んでもよい。隊列を編成するステップは、第1到着時間と第2到着時間との差が所定の閾値以下である場合、第2子隊列の最後尾車に別の隊列を追加するステップ、を含んでもよい。
本発明に係る第7の態様の車両編成方法は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、運行情報は出発停車場、および特定の途中停車場に到着した到着時間を含んでもよい。運行情報を取得するステップは、隊列が特定の途中停車場に到着した第3到着時間と、隊列と異なる出発停車場から出発した1つ又は複数の車両を含む別の隊列が特定の途中停車場に到着した第4到着時間と、を取得するステップ、を含んでもよい。隊列を編成するステップは、第3到着時間と第4到着時間との差が所定の閾値以下である場合、隊列の最後尾車に別の隊列を追加するステップ、を含んでもよい。
本発明に係る第8の態様の車両編成方法は、第1~7の態様のいずれか1つの態様において、隊列は、複数の車両において、第1車両のサイズが、第1車両よりも後方に位置する第2車両のサイズよりも小さい隊列を含んでもよい。
本発明に係る第9の態様の車両編成方法は、第1~8の態様のいずれか1つの態様において、車両のそれぞれは車両識別子を有し、車両識別子は、サイズ、および所属隊列を含む属性に関連してもよい。隊列を編成するステップは、隊列に対して隊列識別子を生成するステップと、隊列の隊列識別子を、隊列に編成される車両の車両識別子に関連する所属隊列として記憶するステップと、をさらに含んでもよい。
本発明に係る第10の態様の車両編成方法は、第9の態様において、隊列識別子は、編成車両情報、編成順番、編成台数、先頭車両、走行パターン、および運行用途の少なくとも1つを含む属性に関連してもよい。
本発明に係る第11の態様の車両編成方法は、第10の態様において、隊列識別子は編成順番に関連し、編成順番は、隊列に編成された車両の車両識別子と、整列順番とに関連してもよい。複数の車両は、サイズの異なる複数の車庫を有する駐機場に収納されており、複数の車庫のそれぞれは当該複数の車両のサイズに対応してもよい。隊列を編成するステップは、編成順番に基づいて、隊列に編成された車両のサイズを所要サイズとし、所要サイズに対応する車庫から所要台数の車両を出させるように、所要台数を指定した出車指令を駐機場に順次送信するステップを含む。
本発明に係る第12の態様の車両編成方法は、第10の態様において、隊列識別子は、隊列間の通信のために少なくとも1つの隊列に対応するコミュニケーショングループ識別子にさらに関連してもよい。
本発明に係る第13の態様の車両編成装置は、専用車線または専用道路で走行する車両のための車両編成装置であって、プロセッサと、プロセッサに第1~12の態様のいずれか1つの車両編成方法を実行させるためのプログラムを記憶した記憶部と、を備える。
本発明に係る第14の態様の車両編成システムは、専用車線または専用道路で走行する車両のための車両編成システムであって、異なるサイズを有する複数の車両と、第13の態様の編成装置と、備える。
以下、本発明に係る車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムのいくつかの実施の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下で説明する実施の形態のそれぞれは、本発明の一例を示すものである。以下の実施の形態のそれぞれにおいて示される数値、形状、構成、ステップ、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
以下に述べる実施の形態のそれぞれにおいて、特定の要素に関しては変形例を示す場合があり、その他の要素に関しては任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。実施の形態1のそれぞれおいて、それぞれの変形例の構成をそれぞれ組み合わせることにより、それぞれの変形例における効果を奏するものとなる。
以下の詳細な説明において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
《実施の形態1》
以下の実施の形態1における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
本発明に係る車両編成方法は、車両編成装置または車両編成システムによって実行可能である。図1は、本発明に1つの実施の形態1に係る車両編成装置および車両編成システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1における車両編成装置20および車両編成システム10の適用環境の一例のブロック図である。車両編成装置20は、管理センタ70、出発停車場40、途中停車場50、および目的停車場60のうちの少なくとも1つに設けられてもよく、少なくとも1つの車両30に設けられてもよい。
まず、図1に示す車両編成システム10および車両編成装置20の概要について説明する。
<車両編成システム10>
実施の形態1の車両編成システム10は、車両編成装置20と、異なるサイズを有する複数の車両30(例えば、車両30a~車両30f)とを含む。車両編成装置20は、後述するように、車両編成方法が実行可能である。車両編成システム10において、車両編成装置20は運行情報に基づいて複数の車両30を含む隊列を編成し、編成した隊列を運行させることができる。車両編成装置20は車両編成方法を実行するためにまたは隊列を運行させるために、車両編成システム10外の様々な装置、例えば、出発停車場40、途中停車場50、または目的停車場60に設けられた制御装置と協働する。車両編成システム10は、出発停車場40、途中停車場50、または目的停車場60に設けられた制御装置からデータを受信し、これらの停車場の制御装置へデータを送信することができる。また、車両編成システム10は、複数の車両30を用いて隊列に編成してもよく、これらの車両30に加えて車両編成システム10外の他の車両を用いて隊列を編成してもよい。
車両編成システム10における複数の車両30は異なるサイズを有する。車両30のサイズとは、車両30自身の輸送能力と関連するパラメータであり、例えば、車両30の定員数(単位:人)、最大輸送量(単位:人、トン、またはその組み合わせ)、全長(単位:メートル)、最大積載量(単位:トン)、容積(単位:立方メートル、合など)などであってもよい。例えば、車両30aのサイズとする定員数が90人であってもよく、車両30eのサイズとする全長が7メートルであってもよい。
車両30によって編成された隊列は、不特定多数の乗客を定められたルート(路線)と時刻表にしたがって運行することができ、短距離サービスまたは長距離サービスの提供に利用され得る。本明細書において、隊列における複数の車両30は、デジタルの信号のやり取りによって連結し合う例示を説明するが、機械的に連節されてもよい。
<車両編成装置20>
車両編成装置20は、運行情報を取得し、運行情報に基づいて複数の車両30を含む隊列を編成し、編成した隊列を運行させることができる。以下の実施の形態では、主には車両編成装置20が管理センタ70に適用される構成、すなわち、車両編成装置20が管理センタ70に設けられている構成について説明するが、この構成は例示に過ぎない。前述したように、車両編成装置20は、出発停車場40、途中停車場50、および目的停車場60のうちの少なくとも1つに設けられてもよく、少なくとも1つの車両30に設けられてもよい。
車両編成装置20は、プロセッサ22と記憶部24とを含む。プロセッサ22は車両編成方法を実行する。記憶部24は、プロセッサ22に車両編成方法を実行させるためのプログラムを記憶する。
プロセッサ22は、車両編成装置20全体の制御を司る制御部である。プロセッサ22は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPU、MPU、FPGA、DSP、ASICのような汎用プロセッサを含む。プロセッサ22は、記憶部24に格納された制御プログラムを呼び出して実行することにより、車両編成装置20における各種の制御を実現することができる。また、プロセッサ22は記憶部24と協働して記憶部24に記憶されたデータを読み取り/書き込みを行うことができる。プロセッサ22は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
記憶部24は、種々の情報や制御プログラムを記録する記録媒体であり、プロセッサ22の作業領域として機能するメモリであってもよい。記憶部24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、RAM、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部24は、車両編成装置20内部のメモリであってもよく、車両編成装置20と無線通信または有線通信にて接続されているストレージ装置であってもよい。記憶部24は、受信した様々な情報を記憶してもよい。また、記憶部24は受信した様々な情報、特に運行情報をデータベースの一部としてまたは個別の電子ファイルとして記憶してもよい。
1つの実施例において、車両編成装置20は通信部26をさらに含んでもよい。通信部26は、車両編成装置20と、車両30、出発停車場40、途中停車場50、目的停車場60、管理センタ70のうちの少なくとも1つとの通信をすることができる。通信部26は、プロセッサ22と協働して、車両30や各停車場等とインターネットパケットを送受信する、すなわち、通信することもできる。車両編成装置20は通信部26を介して、車両30、出発停車場40、途中停車場50、または目的停車場60から運転情報に関する情報を受信してもよい。車両編成装置20は通信部26を介して、さらに気象情報源、ニュース情報源、他の交通機関などの外部情報源から運転情報に関する情報を受信してもよい。
通信部26は、車両編成装置20と、車両30と、出発停車場40と、途中停車場50と、目的停車場60と、管理センタ70との間において、データの送受信を行うために用いられる通信手段を有する。通信手段としては、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格にしたがい通信を行ってもよい。また、インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、ブルートゥース(登録商標)と通信してもよい。
<車両30>
車両30は、専用車線または専用道路で車両を走行させるシステムにおいて運行する車両である。車両30は、大型バス、マイクロバス、連節バス、小型乗用車、などの旅客運送のための車両であってもよく、貨物運送のための車両であってもよい。例えば、バス・ラピッド・トランジットにおいて運行する場合、車両は基本的にはバスである。車両30は、乗客または貨物を収納するための内部空間を有する。
以下の実施の形態においては、主にはバス・ラピッド・トランジット用の車両を例示として、車両編成方法、車両編成装置または車両編成システムを説明するが、本願発明の範囲はこの応用に限らない。バス・ラピッド・トランジットに応用されるとき、車両編成方法、車両編成装置または車両編成システムに利用される車両30は、最初からバス・ラピッド・トランジットの専用車両として製造された車両であってもよく、バス・ラピッド・トランジットの専用車両でなかったバスから改造されたものであってもよい。
車両編成システム10に含まれる複数の車両30は、異なるサイズや車種を有してもよい。例えば、図1の実施例において、車両30aと車両30bとが第1サイズを有し、車両30cと車両30dとが第2サイズを有し、車両30eと車両30fとが第3サイズを有し、第1サイズが第2サイズより大き、第2サイズが第3サイズより大きい。例示的には、第1サイズは定員数90人、第2サイズは定員数50人、第3サイズは定員数25人である。これらのサイズは例示に過ぎず、本発明の範囲を制限するものはない。車両30の車種の例示としては、人員輸送用車、または貨物輸送用車などである。
車両30は、有人運転または無人運転(自動制御・自動運転)によって稼働でき、輸送の対象や目的、求められる輸送量、自動運転の要否などに基づいて設計され得る。例えば、緊急停止の自動制御機能を有する車両30は、少なくともその前方にカメラや距離センサが設けられている。運転速度の自動制御機能を有する車両30には、速度センサおよび加速度センサが設けられている。扉の自動開閉制御機能を有する車両30には、扉に向いて配置されたカメラや距離センサが設けられている。これらのセンサは一定時間ごとに検出を行い、車両30は検出値を内の記憶部に記憶してもよく、さらに車両編成装置20に送信し記憶部24に記憶させてもよい。また、車両30は自身の運転記録、制御履歴などの各種のデータを内の記憶部に記憶してもよく、さらに車両編成装置20に送信してもよい。
隊列における車両30は、隊列における順番によって、先頭車、中間車、および最後尾車に分けられる。先頭車、中間車、および最後尾車は、それぞれに同じ機能と役割とを有してもよく、固有の機能と役割とを有してもよい。例えば、完全に自動運転する隊列におけるすべての車両30は緊急停止の自動制御機能を有する。先頭車のみが有人運転であって後続の車両全部が無人運転である隊列においては、先頭車が後続車両を監視する機能を有し、後続車両は先頭車にしたがって自動運転する機能を有する。同様の車両30に対して、異なる役割を指定してもよい。例えば、車両30aに対して、前回編成した隊列において先頭車として指定したとしても、今回の編成では中間車または最後尾車として指定してもよい。
このようなサイズの車両30を用いて以下の各実施の形態を説明するが、実際の運用上はこれに限らないことが自明である。
<出発停車場40・途中停車場50・目的停車場60>
隊列が運行・走行するルートは、出発停車場40から目的停車場60まで、当該隊列が走行する道筋である。ルートは出発停車場40および目的停車場60の他、少なくとも1つの途中停車場50を含んでもよい。専用車線または専用道路で走行する車両のための複数の停車場(出発停車場40、途中停車場50、および目的停車場60)は、専用車線または専用道路75によって繋がっている。隊列が運行する際には、同じ隊列が出発停車場40から目的停車場60まで1サイクルのみ運行してもよく、運行予定のルートで複数回、往復または環状に運行してもよい。
ここでいう停車場とは、車両30が一時停止する場所を指す。例えば、乗客や貨物の乗り降りのために、車両30が一時停止する駅、停留場、乗降場であってもよい。例えば、出発停車場40は、車両30が出発するまで一時停止して乗客を乗せたり荷物・貨物を載せたりする場所である。出発停車場40において、乗客を乗せたり荷物・貨物を載せたりするところは駐車場42と異なるところであってもよい。途中停車場50は、一時停止して乗客を乗せたり荷物・貨物を載せたりするまたは降ろす場所である。目的停車場60は、一時停止して乗客や荷物を降ろす場所である。また、目的停車場60において、車両30は一時停止したのちに駐機場62に行って駐車してもよい。なお、実際の運行状況によって、出発停車場40、途中停車場50または目的停車場60において、乗客や荷物の乗り降りがないことがある。
これらの停車場は、有人停車場であってもよく、自動制御・自動管理する無人停車場であってもよい。1つの実施例において、これらの停車場には、それぞれに制御装置が設けられており、これらの制御装置は有線通信または無線通信を介して、停車場間の通信、任意の車両30との通信、または管理センタ70との通信を行うことができる。
一般的には、出発停車場40は編成前または運行前の車両30を収納するための駐機場42を有し、目的停車場60は到着後または隊列解散後の車両30を収納するための駐機場62を有する。需要に応じて、少なくとも1つの途中停車場50も、編成前または運行前の車両30、または到着後または隊列解散後の車両30を収納するための駐機場52を有してもよい。
<管理センタ70>
管理センタ70は、バス・ラピッド・トランジットなどの、車両を専用車線または専用道路で走行する応用システムの全体を管理する装置であり、例えば、サーバであってもよい。管理センタ70を介して、停車場、隊列、車両のそれぞれおよび全体的な運行・走行状況を監視し管理することができる。以下に説明する実施の形態において、車両編成装置20が管理センタ70に設けられており、管理センタ70が車両編成装置20を介して車両編成方法を実行する。管理センタ70または任意の停車場において車両30を隊列に編成することができる。また、管理センタ70は、車両編成装置20の通信部26を介して、車両編成装置20と、車両30と、出発停車場40と、途中停車場50と、目的停車場60と、管理センタ70との間において、データの送受信を行うことができる。
車両編成装置20はプロセッサ22および記憶部24を用いて、さらに上述した環境内のハードウェアを用いてまたは協働して、車両編成方法を実行する。以下、図面を参照しながら車両編成方法を説明する。
<車両編成方法>
図3は、実施の形態1における車両編成方法の一例のフローチャートであり、車両編成方法は以下のステップS100とステップS200とを含む。
プロセッサ22は、車両の運行に関連し、目的停車場、出発停車場、停車場に到着する到着時間、輸送量及び運行時間帯のうち少なくともいずれか1つを含む運行情報を取得する(ステップS100)。様々な状況に応じて複数の車両30を含む隊列を編成するために、プロセッサ22は編成の準拠となり得る現状を知っておくことができる。プロセッサ22は、記憶部24からデータを読み出すことによって、または管理センタ70に問い合わせることによって、編成対象となる隊列の目的停車場や出発停車場、運行予定のルートを取得してもよい。目的停車場や出発停車場についての運行情報は、例えば、当該停車場の名称、停車場識別子、整理番号など、当該停車場を一意的に識別できる情報であればよい。運行予定のルートについては、例えば、出発停車場40から目的停車場60まで、通過する停車場の停車場識別子などを通過順で繋がった文字列(string、英数字、かな文字、漢字、記号などを包含可能)、事前に決められた所定ルートに対応するルート識別子であってもよい。
プロセッサ22は通信部26を介して、少なくとも1つの車両30からその運転に関連する運転情報、例えば、その車両30の目的停車場、出発停車場、現在の乗客数、運転記録、制御履歴などを受信してもよい。プロセッサ22は通信部26を介して、出発停車場40、途中停車場50、または目的停車場60から運転情報、例えば、隊列がその停車場に到着した到着時間や、その停車場から発車した発車時間、その停車場での停留時間、その停車場で乗車した乗客数、その停車場で降車した乗客数、その停車場で現在並んでいる乗客数などの情報を受信してもよい。プロセッサ22は通信部26を介して、他の外部情報源から運転情報、例えば、現在の天気状況、バス・ラピッド・トランジットなどの応用のサービス範囲においてゲリラ豪雨・台風・地震・津波・人身事故などの異常状況が発生したか否かとその詳細情報、他の交通機関のサービス範囲内に異常状況が発生したか否かとその詳細情報、代替輸送となる必要性など、車両30または停車場が保持していない情報を受信してもよい。
プロセッサ22は、記憶部24からデータを読み出すことによって、管理センタ70に問い合わせることによって、または、関連する指令を受信することによって、編成対象となる隊列に対して予想される輸送量または運行時間帯を取得してもよい。例えば、管理センタ70における管理員は車両編成装置20に対して、編成しようとする隊列の輸送量または運行時間帯を指定する指令を出して、車両編成装置20に隊列を自動的に編成させてもよい。また、例えば、車両編成装置20は自動的に現在時刻、または記憶部24に保存されたダイヤ、運行履歴、もしくは関連する指令を取得してもよい。
ここで、輸送量とは、予定上、編成される隊列が運ぶ人員・貨物などの量をいい、主には隊列が運ぶ乗客数を指す。ただし、車両30が乗客とともに荷物や貨物を運ぶ場合、または貨物のみを運ぶ場合には、輸送量は荷物・貨物の重量(トン数)によって表現し得る。また、輸送量は、乗客の輸送人数にその輸送距離を乗じた数字(単位「人キロ」)や、輸送した貨物のトン数にその輸送距離を乗じた数字の合計(単位「トンキロ」)によっても表現し得る。
運行時間帯とは、編成される隊列が運行する時間帯をいい、例えば、「朝7時から9時」、「昼10時から17時」などである。具体的な時間を指定せずに、「ラッシュアワー」、「通勤ラッシュ」、「下校時刻」、「イベント終了時間」など、特定の時間・時間帯と関連する表現によって運行時間帯を指定し得る。例えば、「通勤ラッシュ」の運行時間帯は「朝7時から9時」との時間帯に対応してもよく、「野球観戦終了時間」は「夜9時から10時」との時間帯に対応してもよい。
次に、プロセッサ22は、運行情報に基づいて、異なるサイズを有する複数の車両30で形成される隊列における当該複数の車両30のサイズ及び整列順番を決定することによって、隊列を編成する(ステップS200)。ステップ200において、プロセッサ22は運行情報に基づいて、編成すべき隊列に必要な車両30のサイズおよび台数を決定し、これらの車両30の隊列における整列順番を決定する。
例えば、「予想の輸送量の対応する定員数が140人」という運行情報を取得した。仮に、車両編成システム10は、定員数90人の第1サイズ、定員数50人の第2サイズ、および定員数25人の第3サイズを有する複数の車両30を含む。この場合において、プロセッサ22は、総輸送量が予想の輸送量以上である隊列を編成するために、例えば、第1サイズを有する車両2台をこの隊列を形成する車両として決定してもよい。あるいは、運行情報に基づいて、プロセッサ22は、例えば、第1サイズを有する車両1台と第2サイズを有する車両1台とを決定してもよく、第1サイズを有する車両1台と第3サイズを有する車両2台とを決定してもよい。編成する際に、プロセッサ22は、現在編成に利用可能な各サイズの車両の台数(すなわち、現在利用されていなく、空いている台数)にも基づいて、隊列における車両30のサイズおよびその台数を決定してもよい。なお、輸送量を計算する際に、混雑率・乗車率を考慮してもよい。
編成に利用する車両30のサイズおよびその台数の決定とともに、プロセッサ22は隊列におけるこれらの車両30の整列順番も決定する。整列順番とは、車両30が隊列内における順番である。例えば、先頭車が最も前方に配置される第1車とされ、先頭車のすぐ後方に配置される車両が第2車とされ、その後も同様のように順番が決められる。整列順番については、先頭車から最後尾車への順番で、決定した車両を示す文字列によって表示してもよい。例えば、「第1車:車両30a;第2車:車両30b」や「車両30a、車両30b」などの形式で表示され得る。
図4Aは、実施の形態1における隊列80の一例である。整列順番に影響を与え得る他の運行情報を取得していない場合、安全性を高めるために、プロセッサ22は決定した複数の車両30のサイズの大きい順によって整列順番を決定してもよい。例えば、第1サイズを有する車両30の2台と、第1サイズより小さい第2サイズを有する車両30の2台と、第2サイズより小さい第3サイズを有する車両30の1台とを用いて隊列80を編成すると決定した場合、プロセッサ22は、図4Aに示されているように、「車両30a、車両30b、車両30c、車両30d、車両30e」という整列順番を決定する。
図4Bは、実施の形態1における隊列80の別例である。後述するように、例えば「異なる目的停車場60」など、整列順番に影響を与え得る様々な他の運行情報を取得した場合、これらの運行情報に基づいて、車両30のサイズ順と関わらない整列順番を決定することができる。例えば、同じ車両30a~車両30eを用いて、プロセッサ22は、図4Bに示されているように、「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」という、車両30のサイズの大きい順に沿わない整列順番を決定してもよい。
運行情報に基づいて編成した隊列80は、複数の車両30において、第1車両(例えば、図4Bにおける車両30d)のサイズが、第1車両よりも後方に位置する第2車両(例えば、図4Bにおける車両30b)のサイズよりも小さい隊列を含んでもよい。すなわち、編成した隊列80において、サイズが小さい車両30は、サイズが大きい車両30より前方に配置され得る。
これにより、バス・ラピッド・トランジットなどの、車両を専用車線または専用道路で走行する応用について、車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムは、異なるサイズの車両を用いて隊列を編成することができるため、輸送量に対しては効率がよく自由に調整することができる。また、編成する際には、様々な運行情報に基づいて、隊列における車両のサイズ順に関わらない整列順番を決定し編成することができるため、様々な状況に応じて柔軟に対応できる。
第1車両のサイズが、第1車両よりも後方に位置する第2車両のサイズよりも小さい隊列の例について説明する。例えば、第1車両が目的停車場60で停車し、第2車両が出発停車場40と目的停車場60との間の途中停車場50で停車する場合を説明する。この場合、第1車両の後方に第2車両が配置されるように隊列内における車両の整列順番が決定される。このとき、出発停車場40から途中停車場50までの輸送量が途中停車場50から目的停車場60までの輸送量より多い場合、第2車両のサイズは第1車両のサイズよりも大きくなるように、隊列内における車両のサイズが決定される。即ち、第1車両のサイズが第1車両の後方に位置する第2車両よりも小さくなるように、隊列内における車両のサイズおよび整列順番が決定される。
また、プロセッサ22は異なる車種を有する複数の車両30を含む隊列80を編成することができる。車両30の車種の例示としては、人員輸送用車、または貨物輸送用車などが挙げられる。プロセッサ22は、例えば、「人員輸送用車、人員輸送用車、貨物輸送用車、人員輸送用車、貨物輸送用車」のように、異なる車種の車両30が混在している隊列を編成してもよい。
以下の実施の形態において、いくつかの具体的な応用例を開示するが、当業者は上述した様々な運転情報に基づいて、およびこちらの実施の形態で説明される編成の原則に基づいて、異なるサイズを有する複数の車両30を適した整列順番に決定し、隊列80を編成することができる。
《実施の形態2》
<識別子を用いて編成する場合>
実施の形態2において、車両30のそれぞれは車両識別子を有し、編成する隊列80は隊列識別子を有する。車両識別子は特定の車両30を一意的に識別するデータであり、対応する車両30のサイズ、および所属隊列を含む属性に関連する。例えば、図4Bにおける車両30bは「30b/bus002」の車両識別子に対応し、当該車両識別子は「第1サイズ」のサイズと「line80」の所属隊列という属性に関連する。
なお、需要に応じて、車両識別子は対応する車両30の車種やメンテナンス情報の属性にさらに関連してもよい。メンテナス情報とは、当該車両30のメンテナス要否に関する情報を指し、例えば、走行距離、メンテナス要否のフラグ、前回の点検期日などであってもよい。
隊列識別子は、編成する特定の隊列80を一意的に識別するデータであり、対応する隊列80における編成車両情報、編成順番、編成台数、先頭車両、走行パターン、および運行用途の少なくとも1つを含む属性に関連する。編成車両情報とは、当該隊列80における車両30を識別する情報であり、例えば、当該隊列80におけるすべての車両30の車両識別子の羅列である。編成順番は、当該隊列80に編成された車両30の車両識別子と、整列順番とに関連する。例えば、先頭車両から最後尾車までの整列順番で、編成されたすべての車両30の車両識別子を列挙した文字列である。図4Bの実施例において、隊列80の編成車両情報は「車両30a、車両30b、車両30c、車両30d、車両30e」であり、編成順番は「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」である。
編成台数は隊列80に編成された車両30の総台数である。先頭車両は、隊列における先頭車である車両30を識別する情報であり、例えば、当該先頭車の車両識別子である。図4Bの実施例において、隊列80の編成台数および先頭車両のそれぞれは、「5」および「30a/bus001」である。走行パターンは隊列80の運行予定のルートを指し、通過する停車場を指定した情報や、事前に決められた所定ルートに対応するルート識別子である。運行用途は隊列80の運行の用途・目的であり、例えば、営業、非営業、回送、人員輸送、貨物輸送などである。
図5は、実施の形態2における車両編成方法の一例のフローチャートである。実施の形態2において、車両編成方法のステップS200は以下のステップS210とステップS220とを含む。隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、編成する隊列80に対して隊列識別子を生成する(ステップS210)。そして、隊列80の隊列識別子を、隊列80に編成される車両30の車両識別子に関連する所属隊列として記憶部24において記憶する(ステップS220)。言い換えると、ステップS220において、プロセッサ22は、生成した隊列80の隊列識別子を、当該隊列80に編成されたすべての車両30に関連する「所属隊列」の値として記憶部24に書き込む。また、これらの車両30の整列順番や車両識別子に基づいて、当該隊列80の隊列識別子と関連するそれぞれの属性を記憶部24に書き込む。
これにより、プロセッサ22は車両識別子および隊列識別子を用いて隊列の編成および管理ができる。例えば、ある隊列80の編成順番を参照すれば、当該隊列80に編成された任意の車両30の整列順番および車両識別子を取得することができる。所属隊列などの属性を有する車両識別子、および、編成車両情報や編成順番などの属性を有する隊列識別子によれば、隊列の編成と管理とが容易となり、隊列の編成と管理との効率もよくなる。
《実施の形態3》
<異なるサイズの車両に対応する車庫を用いて隊列を編成する場合>
実施の形態3において、車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムは、決定した整列順番または編成順番に基づいて、車両を収納する車庫を有する駐機場に指令を送信し、車庫から出車させて実際に隊列を組む。図6は、実施の形態3における車両編成方法の一例のフローチャートである。
前述したように、一般的には、出発停車場40は編成前または運行前の車両30を収納するための駐機場42を有する。目的停車場60は到着後または隊列解散後の車両30を収納するための駐機場62を有する。需要に応じて、少なくとも1つの途中停車場50が、編成前または運行前の車両30、または到着後または隊列解散後の車両30を収納するための駐機場52を有してもよい。また図7Aに示されているように、駐機場72は、任意の停車場の内部ではなく、専用の駐機スペースとして外部に設けられるものであってもよい。駐機場72は、編成前の車両30または隊列80から解散された車両30を収納するように、出発停車場40または目的停車場60に繋がってもよい。
以下は、駐機場42を有する出発停車場40において車両編成方法を実行する場合を例として説明するが、車両編成方法は駐機場がある任意の停車場において実行可能である。例えば、車両編成方法は、図1に示された駐機場52を有する途中停車場50、または駐機場62を有する目的停車場60においても実行可能である。
図7Bは、実施の形態3における駐機場の概略構成を示すブロック図である。実施の形態3における車庫44(44a~44c)は、所要空間を節約するために、単一車線の構成を採用し、後入れ先出し方式(Last In, First Out)で対応サイズの車両30を収納するまたは出車する。
駐機場42が単一車線の車庫44を複数有し、車庫44a~44cのそれぞれは前述した複数の車両30のサイズに対応する。そして、駐機場42に収納された車両30のそれぞれは、サイズが対応する車庫44に収納されており、すなわち、車庫44a~44cのいずれか1つに収納されている。車庫44aは、第1サイズを有する車両を収納する。車庫44bは、第1サイズより小さい第2サイズを有する車両を収納する。車庫44cは、第2サイズより小さい第3サイズを有する車両を収納する。
図7Bに示されているように、出発停車場40はそれぞれの車庫44a~44cと繋がっているさらに編成エリア46を有してもよい。編成エリア46は車庫44と同様に単一車線の構成を有してもよい。車庫44a~44cのいずれかから出されたある車両30は、編成エリア46において、隊列を形成する他のすべての車両30が揃うまで待機し、その他の車両30とともに実際の隊列に組み合わせる。編成エリア46は、編成完成で運行できるようになった隊列80が専用車線または専用道路75へ走行できるように、専用車線または専用道路75に繋がっている。
実施の形態3において、車両編成方法のステップS200は以下のステップS230を含む。隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、隊列80の隊列識別子に関連する編成順番に基づいて、隊列80に編成された車両30のサイズを所要サイズとし、所要サイズに対応する車庫44(例えば、車庫44a~車庫44c)から所要台数の車両30を出させるように、所要台数を指定した出車指令を駐機場42に順次送信する(ステップS230)。
編成順番は、上述したように、隊列80に編成された車両の車両識別子と、整列順番とに関連する。編成順番によれば、その順番において、隊列80を形成する車両30のサイズおよび台数が分かる。例えば、車両30aと車両30bとが第1サイズを有し、車両30cと車両30dとが第2サイズを有し、車両30eと車両30fとが第3サイズを有する場合を説明する。「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」の編成順番である場合、プロセッサ22は、この隊列80を形成するための所要サイズと所要台数が、第1サイズの車両1台と、第2サイズの車両2台と、第1サイズの車両1台と、第2サイズの車両1台と、第3サイズの車両1台となることが分かる。
プロセッサ22は、所要サイズと所要台数とを指定した出車指令(例えば、「第1サイズの車両1台」)を作成し駐機場42に順次送信する。駐機場42は、出車指令を受信すると、指定された所要サイズと対応する車庫44に、収納している車両から所要台数の車両30を編成エリア46へ出車させる。このように、編成順番の通りに、車両30は、編成エリア46へ順次出車され、隊列80を組む。これにより、実際の隊列80の編成を完成する。
1つの実施例において、編成順番ではなく、決定した車両のサイズ及び整列順番を直接参照し、所要サイズと所要台数との情報を取得することができる。この情報に基づいて出車指令を駐機場42に順次送信してもよい。この場合、整列順番に基づいて、隊列80の隊列識別子と関連付ける前にステップS230を行うことができる。
仮に車庫44をサイズで区別せずに、1つの単一車線の車庫44に異なるサイズを有する複数の車両30を収納させると、車庫44に収納された車両30のサイズが混在し、隊列の編成時に車庫44から次に出る車両のサイズを指定することができない。そのため、編成時、所要サイズも所用台数も指定できず、需要に応じて隊列を編成することができない。
本発明に係る車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムによれば、複数の車庫44を複数のサイズにそれぞれに対応させ、対応するサイズを有する複数の車両を別々に収納させる。これによって、単一車線の車庫を用いても、異なるサイズを有する複数の車両を含む隊列を自由に編成することができる。
1つの実施例において、車庫44は複数車線の構成を有していてもよい。この場合、異なるサイズを有する複数の車両30をすべて同じ車庫44に収納してもよい。また、後入れ先出し方式で出車する必要もなく、ランダムアクセス方式で出車して隊列80を編成することができる。
《実施の形態4》
<運行ルートによって、隊列を分離させる予定がある場合>
実施の形態4において、車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムは、異なる目的停車場に向かう複数の車両30を、複数の子隊列を含む1つの隊列で編成することができる。
図8は、実施の形態4における車両編成方法の一例のフローチャートである。図9は、実施の形態4における第1子隊列および第2子隊列の概略構成を示すブロック図である。実施の形態4において、運行情報は、異なる目的停車場60である第1目的停車場と第2目的停車場とを含む。そして、車両編成方法のステップS200は以下のステップS240を含む。
隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、運行情報に基づいて、隊列80内において、1つ又は複数の車両30を含む第1子隊列82と、第1子隊列82の後方に配置される1つ又は複数の車両30を含む第2子隊列84と、を含む複数の子隊列を編成する(ステップS240)。編成された隊列80は、少なくとも2つの子隊列(第1子隊列82および第2子隊列84)を含む。子隊列は、少なくとも1つの車両30を含む。すなわち、1つの車両30からでも子隊列を形成することができる。
第1子隊列82は第1目的停車場に向かう。第1子隊列82において、第1目的停車場に向かう複数の車両30a,30c,30dが連続的に整列している。第2子隊列84は第2目的停車場に向かう。第2子隊列84において、第2目的停車場に向かう複数の車両30b,30eが連続的に整列している。そして、第2子隊列84は第1子隊列82の後方に配置される。よって、この実施例の隊列80において、第2子隊列84を形成する複数の車両30b,30eは、第1子隊列82を形成する複数の車両30a,30c,30dの間に割り込んで配置されない。隊列80における整列順番は、第1子隊列82における整列順番と第2子隊列84における整列順番との組み合わせである。それぞれの子隊列に対して、プロセッサ22は決定した複数の車両30のサイズの大きい順によって、子隊列における整列順番を決定してもよい。
1つの実施例において、プロセッサ22は先に第1子隊列82および第2子隊列84をそれぞれ編成してから、第1子隊列82と第2子隊列84とを組み合わせることによって隊列80を編成してもよい。
1つの実施例において、子隊列は子隊列識別子を有する。子隊列識別子は、子隊列における編成車両情報、編成順番、編成台数、先頭車両、走行パターン、および運行用途の少なくとも1つを含む属性に関連してもよい。子隊列の子隊列識別子および関連する属性の内容は、記憶部24に記憶させてもよい。
編成された隊列80は走行パターンによってルート内の一定区間にわたって走行する。その後、プロセッサ22は、所定の停車場で隊列80から第2子隊列84を分離する(ステップS300)。隊列80内に残った第1子隊列82および隊列80から分離した第2子隊列84は、それぞれ、第1目的停車場および第2目的停車場へ向かって走行してもよい。
1つの実施例において、分離されて1つの子隊列が単独で走行するようになった場合、プロセッサ22はその子隊列を新たな隊列80として取り扱ってもよい。例えば、分離した第1子隊列82および第2子隊列84に対して、プロセッサ22は個別に新たな隊列識別子を生成して付与することができる。このとき、新たな隊列識別子および関連する属性の内容は、元の子隊列の子隊列識別子および関連する属性の内容を継承してもよく、元の子隊列の子隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。
これにより、運行途中に分離する予定がある子隊列を含む隊列、を編成することができる。子隊列は、出発停車場40から分離停車場までの重なるルートを隊列内の他の車両30と共に走行し、分離停車場から目的停車場60までのルートを単独で走行することができる。
図10は、実施の形態4における隊列の分離の一例である。図10の実施例において、運行情報は、第1目的停車場60aと、第2目的停車場60bと、を含む。さらに具体的にいうと、運行情報は、第1目的停車場60aおよび第2目的停車場60bの名称、停車場識別子、整理番号など、当該停車場を一意的に識別できる情報を含んでもよい。
第1子隊列82は第1目的停車場60aに向かい、第2子隊列84は第2目的停車場60bに向かう。この実施例において、ステップS300における所定の停車場は、第1目的停車場60aと第2目的停車場60bとに向かう複数のルートに分岐する分岐停車場であり、例えば、途中停車場50cである。分岐停車場は複ルートを分岐させる構成を有してもよい。隊列80において、途中停車場50cにおいて第1子隊列82と第2子隊列84とが分離される。分離した第1子隊列82および第2子隊列84は、それぞれ、第1目的停車場60aおよび第2目的停車場60bへ向かって走行する。
分離した第1子隊列82と第2子隊列84のそれぞれに対して、プロセッサ22は別々の新たな隊列80として取り扱ってもよい。その際、分離した第1子隊列82と第2子隊列84のそれぞれに対して、新しい隊列識別子および関連する属性の内容を生成してもよい。新たな隊列識別子および関連する属性の内容は、元の分離した第1子隊列82または第2子隊列84の隊列識別子および関連する属性から継承してもよく、元の離した第1子隊列82または第2子隊列84の隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。
図11は、実施の形態4における隊列の分離の別例である。図11の実施例において、運行情報は第1目的停車場60aと第2目的停車場60bとを含み、ステップS300における所定の停車場は、第2目的停車場60bである。そして、図11に示されているように、第2目的停車場60bは第1目的停車場60aに到達するまでの1つの途中停車場50(例えば、途中停車場50b)でもある。分離した第1子隊列82は引き続き第1目的停車場60aへ向かって走行する。分離した第2子隊列84は、第2目的停車場60bで停車する。1つの実施例において、プロセッサ22は分離した第2子隊列84を解散して途中停車場50bの駐機場52に収納させてもよい。別の実施例において、プロセッサ22は、分離した第2子隊列84を用いて再編成または再度運行させるため、分離した第2子隊列84を途中停車場50bのすれ違い部(図示せず)に一時的に停車させてもよい。
なお、ステップS200において、運行情報に基づいてある子隊列が特定の途中停車場に停車する予定があると認識している場合、このような停車予定のある子隊列を、後方に配置される第2子隊列84に決定し、隊列80における整列順番を決定する。こうすると、分離した前方の第1子隊列82は分離した第2子隊列84を追い越す必要がなく、容易に引き続き走行することができる。同様に、隊列80が3つ以上の子隊列を含む場合、目的停車場60が出発停車場40から見て遠い順に先頭車から複数の子隊列を並べるように隊列80を編成する。
これにより、目的停車場の異なる複数の子隊列を同一の隊列に編成しておき、分岐停車場などで容易に分離させて複数の子隊列を別々に運行させることができる。車両のサイズに関わらず、同一の目的停車場に向かう複数の車両を連続的に同一の子隊列に編成できるため、編成の柔軟性が高い。
《実施の形態5》
<輸送量の調整に応じて動的に隊列を編成する場合>
実施の形態5において、特定の運行時間帯またはルート内の特定区間の輸送量に応じて、隊列に車両・子隊列を追加することによって、動的に隊列を編成することができる。
図12は、実施の形態5における車両編成方法の一例のフローチャートである。図13は、実施の形態5における隊列の追加の一例である。実施の形態5において、取得した運行情報は輸送量または運行時間帯を含み、車両編成方法のステップS200は以下のステップS250とステップS260とを含む。
隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、輸送量または運行時間帯と車両30のサイズとに基づいて、隊列80に追加するための1つ又は複数の車両を含む第3子隊列86を編成する(ステップS250)。ステップS250における輸送量とは、隊列80が運行するルートにわたって、現在時刻の輸送量または未来の一定時間内の輸送量を指す。例えば、実際の輸送量が想定を上回っているとき、隊列80に1つ又は複数の車両を含む第3子隊列86を追加してもよい。また、時間上、ラッシュアワーに入るなどの要因で、輸送量が増加することが予想される場合、隊列80に第3子隊列86を予め追加してもよい。同様に、現在の運行時間帯に基づいて、混雑になりやすい運行時間帯に入ることが予想される場合、隊列80に第3子隊列86を予め追加してもよい。
さらに、空間上、運行するルートによって、混雑しやすい特定区間に入るなどの要因で、輸送量が増加することが予想される場合、隊列80に第3子隊列86を予め追加してもよい。図14は、実施の形態5における特定区間の一例である。特定区間とは、運行するルートにおける特定の2つの停車場の間の区間を指し、例えば、図14に示された途中停車場50aから途中停車場50cまでの区間である。なお、特定区間の起点と終点とは、任意の出発停車場40、途中停車場50、または目的停車場60であってもよい。車両編成装置20は自由に特定区間の起点および終点を指定することができる。例えば、混雑率が所定閾値より高い複数の停車場から形成される区間を特定区間として指定してもよい。
プロセッサ22は、運行情報に基づいて輸送量を予測し、編成されている隊列80において不足する輸送量と追加可能な車両30のサイズとに基づいて、隊列80に追加するための第3子隊列86を編成してもよい。第1サイズは定員数90人、第2サイズは定員数50人、第3サイズは定員数25人である例を説明する。定員数が20人の輸送量を追加したい場合、プロセッサ22は第3サイズの車両30の1台を第3子隊列86に編成してもよい。定員数が150人の輸送量を追加したい場合、プロセッサ22は第1サイズの車両30の2台を第3子隊列86に編成してもよい。
そして、プロセッサ22は、隊列80の最後尾車に第3子隊列86を追加する(ステップS260)。第3子隊列86に編成された車両30のサイズに関わらず、プロセッサ22は第3子隊列86を隊列80の最後尾車の後方に配置することができる。図13に示されているように、第3子隊列86における車両30bのサイズが隊列80における車両30c、30dのサイズより大きいが、これらの車両30c、30dの後方に配置されている。
隊列80と、その後方に追加された第3子隊列とが新たな隊列80’を形成する。プロセッサ22は、新たな隊列80’に対して新しい隊列識別子および関連する属性の内容を生成してもよい。新たな隊列識別子および関連する属性の内容は、元の隊列80の隊列識別子から継承してもよく、元の隊列80の隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。新たな隊列識別子と関連する属性の内容は、元の隊列80と関連する属性の内容、ならびに、第3子隊列における車両30およびその整列順番に基づいて生成されてもよい。例えば、図13の実施例において、元の隊列80の編成順番が「車両30a、車両30c、車両30d」であり、車両30bと車両30eが第3子隊列86に編成されて隊列80の後方に追加された場合を説明する。この場合、プロセッサ22はこれらの情報を統合して、新たな隊列80’の編成順番として「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」を生成して記憶部24に記憶させる。
これにより、予想の輸送量または運行時間帯に基づいて、新たな隊列を動的に編成・調整することができる。第3子隊列における車両30のサイズに関わらず、元の隊列80の最後尾車の後方に第3子隊列86を自由に追加することができるため、編成の柔軟性が高く、様々な状況に応じて調整しやすい。
《実施の形態6》
<別の隊列と合併して隊列を新たに編成する場合>
実施の形態6において、隊列80の一部の運転が遅れる場合、後に出発した別の隊列と合併させて新たな隊列を編成し運行させることができる。
図15は、実施の形態6における車両編成方法の一例のフローチャートである。図16Aおよび図16Bは、実施の形態6における隊列の追加の一例である。実施の形態6において、隊列80内において、1つ又は複数の車両30を含む第1子隊列82と、第1子隊列82の後方に配置される1つ又は複数の車両30を含む第2子隊列84と、を含む。
運行情報は、隊列80が特定の途中停車場50に到着した到着時間を含む。プロセッサ22は、ステップS100において、第2子隊列84が特定の途中停車場50(例えば、途中停車場50a)に到着した第1到着時間と、を取得する。さらに、プロセッサ22は、隊列80の出発時間よりも後に出発した1つ又は複数の車両30を含む別の隊列90が当該特定の途中停車場50aに到着した第2到着時間を取得する(ステップS110)。これらの到着時間は、隊列80、第1子隊列82、第2子隊列84、または別の隊列90の先頭車から取得してもよく、当該特定の途中停車場50から取得してもよい。
そして、実施の形態6において、車両編成方法のステップS200は以下のステップS270を含む。隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、第1到着時間と第2到着時間との差が所定の閾値以下である場合、すなわち、第2子隊列84と別の隊列90とが近づいている場合、第2子隊列84の最後尾車に別の隊列90を追加することによって、新たな隊列80’を編成する(ステップS270)。ステップST270では、第2子隊列84の最後尾車の後方に、別の隊列90の先頭車を配置する。例えば、隊列80の運行中に地震などの事故が発生したことによって、第1子隊列82と第2子隊列84とが分離されて、第2子隊列84がダイヤ通りに走行できず、遅れることが起こり得る。こういう場合において、隊列80の出発時間よりも後に出発したものの第2子隊列84に追いついた別の隊列90と、遅れた第2子隊列84とを合併して新たに隊列を編成し、運行させてもよい。
第2子隊列84の後方に第3子隊列86を追加・合併するときには、前述した実施の形態5と同様の方法で追加してもよい。それによって、別の隊列90における車両30のサイズに関わらず、第2子隊列84の最後尾車の後方に別の隊列90を自由に合併することができる。
図16Bに示されているように、新たな隊列80’に合併して編成した後、分離した第1子隊列82と新たな隊列80’とはそれぞれ、目的停車場60に向かって、例えば、次の途中停車場50bに走行する。
プロセッサ22は、新たな隊列80’および分離した第1子隊列82のそれぞれに対して、新しい隊列識別子および関連する属性の内容を生成してもよい。プロセッサ22は、分離した第1子隊列82を独立した隊列として取り扱ってもよい。当該隊列の隊列識別子および関連する属性の内容は、分離した第1子隊列82の隊列識別子から継承してもよく、分離した第1子隊列82の隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。新たな隊列80’の隊列識別子および関連する属性の内容は、分離した第2子隊列84と別の隊列90との隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。例えば、分離した第2子隊列84の編成順番が「車両30a、車両30c、車両30d」であり、別の隊列90の編成順番が「車両30b、車両30e」である場合、プロセッサ22はこれらの情報を統合して、新たな隊列80’の編成順番として「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」を生成して記憶部24に記憶させる。
図16Aおよび図16Bの実施例において、プロセッサ22が隊列80の一部と別の隊列90とを合併して新たな隊列80’を編成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、新たな隊列80’の編成は、隊列80の全部と別の隊列90とを合併させてもよいし、または、隊列80と別の隊列90の一部とを合併させてもよい。例えば、別の隊列90が第2子隊列84または隊列80に近づいてきた場合、プロセッサ22は別の隊列90を隊列80に合併して新たな隊列80’に編成してもよい。
これにより、隊列が事故や運行状況によって予定通りに走行できない場合などであっても、動的に隊列を自由に分離させたり合併させたりすることができる。また、複数の隊列・子隊列を合併する際には、隊列内の車両のサイズに関わらず、一方の全体を他方の最後尾車に追加するだけで合併できるため、効率よく運用できる。そのため、編成の柔軟性が高く、様々な状況に対して対応しやすい。
《実施の形態7》
<異なる出発停車場から出発した複数の隊列を合併し新たな隊列に編成する場合>
実施の形態7において、異なる出発停車場から出発した複数の隊列を途中停車場で合併して新たな隊列を編成し、新たに編成した隊列を目的停車場に向かわせることができる。
図17は、実施の形態7における車両編成方法の一例のフローチャートである。図18は、実施の形態7における隊列の追加の一例である。実施の形態7において、隊列80内において、1つ又は複数の車両30を含む第1子隊列82と、第1子隊列82の後方に配置される1つ又は複数の車両30を含む第2子隊列84と、を含む。
運行情報は隊列80の出発停車場40、および特定の途中停車場50に到着した到着時間を含む。プロセッサ22は、ステップS100において、出発停車場40aから出発した隊列80が特定の途中停車場50(例えば、途中停車場50b)に到着した第3到着時間と、隊列80と異なる出発停車場40bから出発した1つ又は複数の車両30を含む別の隊列90が特定の途中停車場に到着した第4到着時間と、を取得する(ステップS120)。これらの到着時間は、隊列80または別の隊列90の先頭車から取得してもよく、当該特定の途中停車場50から取得してもよい。
実施の形態7において、車両編成方法のステップS200は以下のステップS280を含む。隊列80を編成する際に、プロセッサ22は、第3到着時間と第4到着時間との差が所定の閾値以下である場合、隊列80の最後尾車の後方に、別の隊列90の先頭車を配置するように、隊列80の最後尾車に別の隊列90を追加することによって、新たな隊列80’を編成する(ステップS280)。すなわち、隊列80と別の隊列90とが近づいており、合併してもよいと判断された場合、合併して新たな隊列80’を編成する。
隊列80の後方に別の隊列90を追加・合併するときには、前述した実施の形態5と同様の方法で追加してもよい。それによって、別の隊列90における車両30のサイズに関わらず、隊列80の最後尾車の後方に別の隊列90を自由に合併することができる。
図18に示されているように、新たな隊列80’を編成した後は同様の目的停車場60に向かって、例えば、次の途中停車場50cに走行する。1つの実施例において、元の隊列80および別の隊列90の目的停車場60が異なり、その走行パターンにおいて特定区間(例えば、途中停車場50bから分岐停車場までの間)のみ重なっていてもよい。この場合において、隊列80’は分岐停車場までにまた2つの隊列80、90に分離して、それぞれの目的停車場60に向かわせてもよい。
プロセッサ22は、新たな隊列80’に対して、新しい隊列識別子および関連する属性の内容を生成してもよい。新たな隊列80’の隊列識別子および関連する属性の内容は、元の隊列80および別の隊列90の隊列識別子から継承してもよく、元の隊列80および別の隊列90の隊列識別子および関連する属性の内容に基づいて生成されてもよい。例えば、隊列80の編成順番が「車両30a、車両30c、車両30d」であり、別の隊列90の編成順番が「車両30b、車両30e」である場合、プロセッサ22はこれらの情報を統合して、新たな隊列80’の編成順番として「車両30a、車両30c、車両30d、車両30b、車両30e」を生成して記憶部24に記憶させる。
これにより、異なる出発停車場から出発した複数の隊列を合併する再編成ができる。また、複数の隊列を合併する際には、隊列内の車両のサイズに関わらず、一方の全体を他方の最後尾車に追加するだけで合併できるため、効率よく運用できる。そのため、編成の柔軟性が高く、様々な状況に対して対応しやすい。
《実施の形態8》
<コミュニケーショングループ識別子を用いる場合>
実施の形態8において、車両編成方法、車両編成装置および車両編成システムは、隊列間の通信のためのコミュニケーショングループを生成し、コミュニケーショングループを用いて任意の隊列にデータの送受信をすることができる。
この実施の形態において、隊列識別子は、隊列間の通信のために少なくとも1つの隊列80に対応するコミュニケーショングループ識別子にさらに関連する。プロセッサ22は隊列80と通信するために、例えば、通信の目的(通常連絡、特定イベント対応など)、または通信先(隊列80の運行地域や経過する停車場)に基づいて、コミュニケーションググループを生成してもよい。コミュニケーショングループは、コミュニケーショングループ識別子を有し、グループのメンバーとなる隊列80の隊列識別子と関連する。
プロセッサ22は任意の時点でコミュニケーショングループを生成することができ、例えば、特定の通信の目的について需要が発生したとき、または、特定の隊列80が編成されたときに生成することができる。プロセッサ22は、隊列80を編成するときに、新しい隊列80の隊列識別子を少なくとも1つのコミュニケーショングループ識別子に関連付けてもよい。すなわち、1つの隊列80は複数のコミュニケーショングループに所属することができる。
プロセッサ22はコミュニケーショングループを介してそのコミュニケーショングループに所属する隊列80と通信してもよい。特に、コミュニケーショングループを介して、所属する全隊列80、または所属する全隊列80の全車両30に対して、指令または情報をブロードキャストすることができる。コミュニケーショングループを用いて通信を実行すれば、通信する度に通信対象となる隊列80を詳細に指定しなくても行えるため、効率が向上し、通信対象が間違えた誤通信が減少する。
1つの実施例において、プロセッサ22がコミュニケーショングループを介して通信を行うとき、コミュニケーショングループ内の一部の隊列80または車両30のみを指定して、指定対象のみと通信を行ってもよい。
これにより、隊列間・車両間のコミュニケーションが自由に行える上、関連する複数の隊列に対して効率よくコミュニケーションを取ることができる。また、コミュニケーショングループは需要に応じて自由に作成し、任意の隊列に関係付けられるため、隊列間・車両間のコミュニケーションの自由度が高く、様々な状況に対して対応しやすい。
以上は本発明の具体的な実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。本発明は図面および前述した具体的な実施の形態において前述された内容を含むが、本発明がそれらの内容に限定されるものではない。本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された様々の実施の形態または実施例を組み合わせることができる。本発明の機能および構造原理から逸脱しない変更は特許請求の範囲内のものである。