JP7281334B2 - フィルム製造方法及びフィルム製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム製造方法及びフィルム製造装置に関する。
樹脂を有機溶媒に溶解した塗工液を基材上に塗工し、塗工により形成される塗膜を乾燥することによって樹脂フィルムを製造する方法が知られている。このような方法でフィルムを製造する場合、塗工の不均一さに起因するフィルムの厚みムラが問題となり得る。
塗工液の有機溶媒として高沸点溶媒を使用することで塗工液の表面張力等によって塗工から乾燥までの間に塗膜の厚みムラが低減されることが知られている。しかしながら、塗膜の厚みが大きい場合、溶媒を完全に蒸発させるためには高沸点溶媒を用いることができない。例として、厚みが80μmのフィルムを製造する場合、塗膜の厚みは400μm以上となる。
下記特許文献1には、塗料の塗布位置に対して相対的に支持体(ベースフィルム)を移動させながら、この支持体の一方の面に前記塗料を塗布する工程と、この塗布後に前記塗料の塗布面を少なくとも気体の吹きつけにより平滑化する工程とを有する塗膜形成方法が記載されている。特許文献1では、塗布直後の塗料を気体の流体圧により流動させ、塗布面に発生したスジ状の面荒れ等をならして塗布面の平滑化を促進することができるとされている。
特開平10-263453号公報
上記特許文献1に記載の方法により塗膜を平滑化すると、厚みムラは低減できるが、フィルムの表面に微細な高さの風紋が形成される。特に厚みが大きいフィルムを形成する場合には、微細な風紋が発生しやすくなるため、人の目で見た場合に外観不良として認識される。このような外観不良をもたらす風紋は、得られたフィルムを光学フィルムとして用いる場合には欠陥となり得る。
本発明は、厚みムラ及び外観不良を低減できるフィルム製造方法及びフィルム製造装置を提供することを課題とする。
(1) 本発明の一態様に係るフィルム製造方法は、長手方向に連続搬送される帯状の基材に塗工液を塗工する工程と、前記塗工により形成される塗膜へのノズルからの気体の吹き付けにより前記塗膜を平滑化する工程と、前記塗膜を乾燥する工程と、を備え、前記基材の表面位置における前記気体の風速の前記基材に垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/min以上12m/min以下であり、前記衝突風速が最大となる位置から下流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が、前記衝突風速が最大となる位置から上流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上である。
(2) (1)のフィルム製造方法において、前記気体の吹き付け方向と前記基材の搬送方向との相対角度が30°以上60°以下であってもよい。
(3) (1)又は(2)のフィルム製造方法において、前記気体が吹き付けられるときの前記塗膜の平均温度が10℃以上40℃以下であってもよい。
(4) (1)~(3)のフィルム製造方法において、前記塗膜の平均厚みが400μm以上1000μm以下であってもよい。
(5) (1)~(4)のフィルム製造方法において、前記塗工液が樹脂と有機溶媒とを含み、前記気体が前記有機溶媒の気化ガスを含んでもよい。
(6) 本発明の一態様に係るフィルム製造装置は、帯状の基材を長手方向に連続搬送する搬送装置と、前記搬送装置により搬送されている前記基材に塗工液を塗工する塗工装置と、前記塗工装置により形成された塗膜への気体の吹き付けにより前記塗膜を平滑化する平滑化装置と、を備え、前記平滑化装置は、前記基材の表面位置における前記気体の風速の前記基材に垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/min以上12m/min以下、かつ前記衝突風速が最大となる位置から下流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が前記衝突風速が最大となる位置から上流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上となるよう前記気体を噴射する。
本発明によれば、厚みムラ及び外観不良を低減できるフィルム製造方法及びフィルム製造装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るフィルム製造装置の構成を示す模式図である。 試作例における衝突風速の分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフィルム製造装置の構成を示す模式図である。
フィルム製造装置は、帯状の基材Bを長手方向に連続搬送する搬送装置1と、搬送装置1により搬送されている基材Bに塗工液Pを塗工する塗工装置2と、塗工装置2により形成された塗膜Fへの気体Gの吹き付けにより塗膜Fを平滑化する平滑化装置3と、平滑化装置3により平滑化した塗膜Fを乾燥する乾燥装置4とを備える。乾燥装置4により乾燥した塗膜Fを基材Bから剥離することで、製品フィルムが得られる。
搬送装置1は、図示するように、無端ループ状の基材Bが2つのローラ11間にかけ渡されて循環搬送されるベルトコンベア状の装置構成とすることができる。また、搬送装置1は、長尺帯状の基材を複数の搬送ローラにより連続搬送する構成とすることもできる。この場合、搬送装置1は、リールに巻き取られた基材Bを巻き解いて搬送し、塗膜Fを乾燥して形成される製品フィルムを剥離した後の基材Bを別のリールに巻き取るよう構成されてもよい。
塗工装置2は、塗工液Pを基材Bの表面に一様に塗布する。具体的には、塗工装置2は、例えばダイコータ、ナイフコータ、バーコータ、グラビアコータ等を挙げることができる。
特に限定されないが、図示する例では、塗工装置2は、不図示のタンクから供給される塗工液Pを、基材Bの幅全体に吐出するダイ21を有する構成とされている。
塗工装置2で基材Bに塗布される塗工液Pは、製造する製品フィルムの主成分となる樹脂と、この樹脂を溶解する有機溶媒とを含むものを用いることができる。
塗工液Pに含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば得られるフィルムを光学用途に用いる場合等には、透明性が高いアクリル樹脂、ポリカーボネート等が好適に用いられる。
塗工液Pに含まれる有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、メチルエチルケトン等の低沸点溶媒が好ましい。このような低沸点溶媒を使用することによって、比較的厚みが大きい製品フィルムを製造する場合にも、製品フィルムに残留しないよう有機溶媒を完全に揮発させることが比較的容易となる。
比較的厚みが大きいフィルムを形成するためには、塗工液Pの粘度を高くする必要がある。塗工液Pの粘度が高くなると、塗膜Fに厚みムラ及び外観不良が生じやすいので平滑化装置3により厚みムラ及び外観不良を抑制する効果が顕著となる。
塗工装置2により形成される塗膜Fの平均厚み(平滑化装置3により平滑化する時点での平均厚み)の下限としては、400μmが好ましく、600μmがより好ましい。一方、塗工装置2により形成される塗膜Fの平均厚みの上限としては、1000μmが好ましく、800μmがより好ましい。塗工装置2により形成される塗膜Fの平均厚みが前記下限以上である場合、塗膜Fに厚みムラ及び外観不良が生じやすいので平滑化装置3により厚みムラ及び外観不良を抑制する効果が顕著となる。また、塗工装置2により形成される塗膜Fの平均厚みが前記上限以下である場合、平滑化装置3によって厚みムラ及び外観不良を十分に抑制することができる。
塗工装置2により形成される塗膜Fの平滑化装置3により気体Gが吹き付けられる領域(後述する吹付領域)における平均温度の下限としては、10℃が好ましく、15℃がより好ましい。一方、塗工装置2により形成される塗膜Fの平均温度の上限としては、40℃が好ましく、30℃がより好ましい。塗工装置2により形成される塗膜Fの平均温度を前記下限以上とすることによって、冷却が不要となるため、塗工装置2の設備コスト及びランニングコストの増大を抑制できる。また、塗工装置2により形成される塗膜Fの平均温度を前記上限以下とすることによって、塗工後に平滑化装置3で平滑化する前に塗膜F中の有機溶媒が蒸発して平滑化を阻害することを防止できると考えられる。
平滑化装置3は、塗工装置2により形成された塗膜Fに気体Gを吹き付けることによって、塗膜Fの厚みムラを低減する。塗膜Fの厚みムラは、塗膜Fの厚みが大きい部分又は小さい部分が基材Bの搬送方向に筋状に延びるものが形成されやすい。また、塗工液の粘度が大きい場合には、塗膜Fの厚みムラは、塗膜Fの厚みが大きい部分又は小さい部分が基材Bを幅方向(搬送方向印垂直な方向)に横断するよう形成されることも少なくない。
平滑化装置3は、塗膜Fに吹き付ける気体Gを噴射するノズル31を有する。ノズル31から噴射される気体Gは、気化した有機溶媒を含むことが好ましい。具体的には、平滑化装置3は、空気と有機溶媒とを混合した気体Gをノズル31から噴射して塗膜Fに吹き付けるよう構成することができる。塗膜Fに吹き付ける気体Gが有機溶媒を含むことによって、平滑化装置3による気体Gの吹き付けが終了する前に塗膜Fの乾燥が進行して粘度が増大することにより塗膜Fの厚みの均一化及び表面の平滑化が阻害されることを抑制できる。このため、平滑化装置3は、有機溶媒を貯留するタンク、有機溶媒を気化させる装置、空気に有機溶媒を導入するエジェクタ等を有してもよい。また、平滑化装置3は、塗工装置2が形成した塗膜から蒸発した有機溶媒を含む空気を吸引してノズル31に供給するようにしてもよい。これにより、有機溶媒の消費量を抑制することができる。
ノズル31は、基材Bの搬送方向に垂直かつ基材Bの表面に平行な方向(基材Bの幅方向と平行)に延びるスリット状の吹出口を有し、吹出口の直前の流路が吹出口に向かってテーパ状に縮幅(流路の吹出口の短手方向の寸法が吹出口に向かって減少)する。
基材Bの表面位置における気体Gの風速の基材Bに垂直な方向の成分である衝突風速の最大値の下限としては、7m/sが好ましく、8m/sがより好ましい。一方、衝突風速の最大値の上限としては、12m/sが好ましく、10m/sがより好ましい。衝突風速の最大値を前記下限以上とすることによって、塗膜Fの厚みを十分に均一化することができる。また、衝突風速の最大値を前記上限以下とすることによって、塗膜Fの表面に風紋が形成されることを抑制できる。なお、衝突風速は、基材Bがない状態で、基材Bが搬送される位置に配置した風速計により測定される値とする。
衝突風速が最大となる位置の基材Bの搬送方向前後10mmにおける衝突風速の最大値からの平均変化率(最大風速の変化量を前後距離10mmで除した値の平均値、以下、ピーク前後の平均変化率という)の下限としては、0.02m/(s・mm)が好ましく、0.05m/(s・mm)がより好ましい。一方、ピーク前後の平均変化率の上限としては、0.25m/(s・mm)が好ましく、0.20m/(s・mm)がより好ましい。ピーク前後の平均変化率を前記下限以上とすることによって、衝突風速の最大値を十分な大きさとしつつ、気体Gが衝突する範囲が大きくなり過ぎることを防止できる。また、ピーク前後の平均変化率を前記上限以下とすることによって、基材Bの搬送方向前後の風力差によって生じる塗膜Fの前後移動を抑制することにより、塗膜Fの表面に風紋が形成されることを抑制できる。
気体Gの吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度の下限としては、30°が好ましく、40°がより好ましい。一方、気体Gの吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度の上限としては、60°が好ましく、50°がより好ましい。気体Gの吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度を前記下限以上とすることによって、十分な衝突風速を確保して塗膜Fの厚みを均一化することができると共に、気体Gの基材フィルムBに平行な成分が小さくなるので塗膜Fの表面に風紋が形成されにくくなる。また、気体Gの吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度を前記上限以下とすることによって、基材フィルムBの搬送方向下流側の衝突風速の減少率を小さくすることができるので、塗膜Fの表面に風紋が残りにくくなる。
ノズル31から基材フィルムBに吹き付けた後に基材フィルムBの搬送方向上流側に向かう気体の流量のノズル31から基材フィルムBに吹き付ける気体全体の流量に対する割合(以下、逆流割合)の下限としては、0.07が好ましく、0.12がより好ましい。一方、前記逆流割合の上限としては、0.50が好ましく、0.25がより好ましく、0.18がさらに好ましい。前記逆流割合を前記下限以上とすることによって、必要な衝突風速を確保することができる。また、前記逆流割合を前記上限以下とすることによって、上流側での塗膜Fの乾燥を抑制でき、これにより塗膜の厚みの均一化及び表面の平滑化を効率よく行うことができる。なお、前記逆流割合は、気体の吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度θを用いて、(1-cosθ)/2として算出することができる。
実質的に気体Gが吹き付けられている吹付領域として、衝突風速が1m/min以上である領域の基材Bの搬送方向長さ(以下、吹付領域長さ)の下限としては、10mmが好ましく、50mmがより好ましく、80mmがさらに好ましい。一方、前記吹付領域長さの上限としては、10mmが好ましく、50mmがより好ましい。前記吹付領域長さを前記下限以上とすることによって、局所的に大きな衝突風速で気体Gが衝突して塗膜に波紋を形成することを抑制できる。また、前記吹付領域長さを前記上限以下とすることによって、気体Gが分散して厚みを均一化することができなくなることや、エネルギ消費が不必要に増大することを防止できる。
衝突風速が最大となる位置から下流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の、衝突風速が最大となる位置から上流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離に対する比(以下、20%距離比)の下限としては、1.1が好ましく、1.2がより好ましい。一方、前記20%距離比の上限としては、2.5が好ましく、2.0がより好ましい。前記20%距離比を前記下限以上とすることによって、衝突風速が大きく、塗膜Fの厚みが均一化される領域の下流側において衝突風速が徐減するので、衝突風速が大きいときに形成され得る塗膜F表面の波を落ち着かせて波紋が残ることを抑制できる。また、前記20%距離比を前記上限以下とすることによって、衝突風速の最大値が不十分となることや風量が過度に大きくなることを避けられる。
乾燥装置4は、塗膜Fを乾燥することによって樹脂フィルムとする装置である。塗膜Fを乾燥する方法としては、温風、輻射熱等により塗膜F中の有機溶媒の気化を促進する方法とすることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の一態様に係るフィルム製造装置は、帯状の基材フィルムBを長手方向に連続搬送する搬送装置1と、搬送装置1により搬送されている基材フィルムBに塗工液Pを塗工する塗工装置2と、塗工装置2により形成された塗膜Fへの気体Gの吹き付けにより塗膜Fを平滑化する平滑化装置3と、を備え、平滑化装置3は、基材フィルムBの表面位置における気体Gの風速の基材フィルムBに垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/min以上12m/min以下、かつ衝突風速が最大となる位置から下流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が衝突風速が最大となる位置から上流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上となるよう気体Gを噴射する。この構成によれば、衝突風速の最大値が範囲内であることによって、比較的厚みが大きい塗膜Fの厚みムラを低減できるとともに、衝突風速が最大となる位置から下流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が相対的に大きいことによって厚みムラを除去した後に徐々に衝突風速が低下することで風紋の形成が抑制されるので、得られる製品フィルムの外観不良を低減できる。
また、本実施形態のフィルム製造装置は、本発明の一実施形態のフィルム製造方法を実施する装置である。つまり、本発明の一実施形態のフィルム製造方法は、長手方向に連続搬送される帯状の基材フィルムBに塗工液Pを塗工する工程(塗工工程)と、塗工により形成される塗膜Fへのノズル31からの気体Gの吹き付けにより塗膜Fを平滑化する工程(平滑化工程)と、塗膜Fを乾燥する工程(乾燥工程)と、を備え、基材フィルムBの表面位置における気体Gの風速の基材フィルムBに垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/min以上12m/min以下であり、衝突風速が最大となる位置から下流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が、衝突風速が最大となる位置から上流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上である。この構成によれば、衝突風速の最大値が範囲内であることによって、比較的厚みが大きい塗膜Fの厚みムラを低減できるとともに、衝突風速が最大となる位置から下流側で衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が相対的に大きいことによって塗膜Fの厚みムラを除去した後に徐々に衝突風速が低下することで風紋の形成が抑制されるので、得られる製品フィルムの外観不良を低減できる。
本発明の一実施形態のフィルム製造方法において、気体Gの吹き付け方向と基材フィルムBの搬送方向との相対角度が30°以上60°以下であることが好ましい。このような角度で気体Gを吹き付けることによって、基材フィルムBの搬送方向下流側の衝突風速の変化率を小さくすることができるので、風紋の形成をさらに確実に抑制することができる。
本発明の一実施形態のフィルム製造方法において、気体Gが吹き付けられるときの塗膜Fの平均温度が10℃以上40℃以下であることが好ましい。これによって、塗膜Fの乾燥が抑制されるので、厚みムラ及び外観不良をより確実に低減することができる。
本発明の一実施形態のフィルム製造方法において、塗膜Fの平均厚みが400μm以上1000μm以下であることが好ましい。このように、塗膜の厚みが大きい場合に、厚みムラ及び外観不良を抑制する効果が特に顕著になる。
本発明の一実施形態のフィルム製造方法において、塗工液が樹脂と有機溶媒とを含み、気体Gが有機溶媒の気化ガスを含んでもよい。このように、塗工液に含まれる有機溶媒を含む気体Gを塗膜に吹き付けることによって、塗膜の乾燥を抑制して厚みムラ及び外観不良をさらに確実に抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。
本発明に係るフィルム製造装置において、乾燥装置は必須ではなく、塗膜を自然乾燥してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリイミド(PI)を有機溶媒に溶解して粘度を100Pに調整した塗工液を、2.0m/minの速度で搬送される基材にダイコータにより塗工してから、平滑化装置において基材搬送方向の衝突風速の分布を異ならせて塗膜に気体(空気と塗工液に用いた有機溶媒を気化したガスとの混合体)を吹き付けて平滑化したものを乾燥することによってフィルムを試作し、得られたフィルムの厚み及び外観を評価した。
厚みは、山文電気社製の厚み計測装置「TOF-5R01」を用いて測定し、平均値との最大偏差(最大値又は最小値と平均値との差)が平均値の2%以下であったものを「良」、最大偏差が2%超であったものを「不良」とした。外観は、光源を用いた反射及び投影による目視において、風紋が視認されなかったものを「良」とし、風紋が視認されたものを「不良」とした。
塗膜に衝突する気体の風速分布は、基材がない状態で、日本カノマックス社の風速計「アネモマスター6162」を用いて、基材を搬送する面上の各位置での基材に垂直な方向の風速(衝突風速)として測定した。
図2に、測定した衝突風速の分布を示し、次の表1に、使用した樹脂の種類、衝突風速の最大値及び20%距離比と、厚みムラ及び外観の良否の評価結果とを示す。
Figure 0007281334000001
この結果から、衝突風速の最大値が一定の大きさであり、かつ衝突風速の20%距離比が一定以上の大きさである場合には、得られるフィルムの厚みムラが小さく、風紋による外観異常が生じないことが確認できた。
1 搬送装置
2 塗工装置
3 平滑化装置
4 乾燥装置
11 搬送ローラ
21 ダイ
31 ノズル
B 基材
F 塗膜
G 気体
P 塗工液

Claims (6)

  1. 長手方向に連続搬送される帯状の基材に塗工液を塗工する工程と、
    前記塗工により形成される塗膜へのノズルからの気体の吹き付けにより前記塗膜を平滑化する工程と、
    前記塗膜を乾燥する工程と、
    を備え、
    前記基材の表面位置における前記気体の風速の前記基材に垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/sec以上12m/sec以下であり、
    前記衝突風速が最大となる位置から下流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が、前記衝突風速が最大となる位置から上流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上である気体を吹き付けるフィルム製造方法。
  2. 前記気体の吹き付け方向と前記基材の搬送方向との相対角度が30°以上60°以下である請求項1に記載のフィルム製造方法。
  3. 前記気体が吹き付けられるときの前記塗膜の平均温度が10℃以上40℃以下である請求項1又は2に記載のフィルム製造方法。
  4. 前記塗膜の平均厚みが400μm以上1000μm以下である請求項1から3のいずれかに記載のフィルム製造方法。
  5. 前記塗工液が樹脂と有機溶媒とを含み、
    前記気体が前記有機溶媒の気化ガスを含む請求項1から4のいずれかに記載のフィルム製造方法。
  6. 帯状の基材を長手方向に連続搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置により搬送されている前記基材に塗工液を塗工する塗工装置と、
    前記塗工装置により形成された塗膜への気体の吹き付けにより前記塗膜を平滑化する平滑化装置と、
    を備え、
    前記平滑化装置は、前記基材の表面位置における前記気体の風速の前記基材に垂直な方向の成分である衝突風速の最大値が7m/sec以上12m/sec以下、かつ前記衝突風速が最大となる位置から下流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離が前記衝突風速が最大となる位置から上流側で前記衝突風速が最大値の0.2倍となる位置までの距離の1.1倍以上である気体を吹き付けるフィルム製造装置。
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