JP7280507B2 - 洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトコンベアから落下する粉塵を受け止める樋を間欠的に洗浄する方法に関する。
石炭や鉱石等の粉状物を扱う産業分野では、これら粉状物をベルトコンベアで搬送するのが一般的である。搬送物中の粉塵は、水分の影響等によりベルト搬送面に付着し、復路においてベルト搬送面が下方を向いた際に落下する。その結果、ベルトコンベア下には、こうした粉塵が堆積することとなる。そのため、落下粉塵を受け止める樋をベルトコンベアの下方に設置し、この樋に水を供給して樋の洗浄を行う方法がよく採られる。
樋洗浄後の水は後処理が必要であることから極力少量としたいが、洗浄性を確保するため、ある程度の水量も必要となる。そこで、水をタンク等に貯めて間欠的に流す方法が考えられ、幾つかの方法が提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、ベルトコンベア下の落鉱受け板近傍に、回転する貯水タンクを設け、受水に伴う重心移動によって貯水タンクが回転して放水する装置が開示されている。
特許第2640785号公報 実用新案登録第3152811号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2の装置は、回転機構によって一気に放水し、ヘッド差によって粉塵を流し落とすことから、洗浄水の水量パターンは、ほぼ一定もしくは前半の水量が多く後半の水量が相対的に低下するパターンとなり、十分な洗浄性を得ることができない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ベルトコンベアから落下する粉塵を受け止める樋を、従来に比べて少ない水量で洗浄することが可能な方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、復路ベルトを下支えするロールが配置されたベルトコンベアから落下する粉塵を受け止める傾斜させた樋の上部に間欠的に水を供給して該樋を洗浄する方法であって、
洗浄前半、洗浄後半、及び次回洗浄までの間欠放置を1サイクルとする複数サイクルによって前記樋を洗浄することとし、
前記樋を洗浄する水の量を洗浄前半の水量<洗浄後半の水量、且つ前記間欠放置の時間を5分以上40分以下とすることを特徴としている。
復路ベルトを下支えするロールが配置されたベルトコンベアの場合、ロールの下方に粉塵が集中的且つ島状に堆積する。低水量で島状堆積物の周囲から洗い流し始め、ある程度、島が小さくなった段階で排水量を増やして、残存する粗粒を含めて洗い流すような水量増加パターンとすることが洗浄水量を抑えるのに有効である。また、間欠洗浄することにより洗浄水量を低減することが可能である。その際、間欠放置時間を長くとると、洗浄性が悪化し洗浄水量が増加するため、間欠放置の時間は5分以上40分以下とする。
また、本発明に係る洗浄方法では、前記樋を洗浄する水を貯える貯水タンクと、前記貯水タンクから前記樋に供給される水の量を調節する排水調節器とを設置し、
前記排水調節器を構成する管路は、前記貯水タンクから供給される水が上昇と下降を複数回繰り返し、且つ前記貯水タンクに貯水する過程で、該管路内の水路に複数の空気溜りが形成されるよう配置されてなり、前記貯水タンクの水位上昇による水圧上昇及び前記管路内空気の排出による揺動によって前記排水調節器内で自動的にサイフォンを形成して前記貯水タンク内の水を排出するようにしてもよい。
当該構成に係る洗浄方法において、貯水タンクに給水していくと、排水調節器内に形成されている空気溜りの空気が排出口から徐々に排出され、少量の水の流出が始まる。貯水タンクの水位上昇による水圧上昇と管路内空気の排出によって排水調節器内で水の揺動が引き起こされ、排水調節器内の水が空気溜りを乗り越えてサイフォンを形成し、本格的な水の流出が始まる。即ち、洗浄前半の水量<洗浄後半の水量が実現される。
また、本発明に係る洗浄方法では、前記排水調節器内の上流側空気溜りの上部A点と、顔空気溜りに下流側で接する水溜りの下部B点と、該水溜りに下流側で接する空気溜りの下部C点とを、前記A点、前記B点、前記C点の順に連通する連通管を設け、
前記B点は前記A点より低く前記C点より高い位置にあり、前記B点と前記C点とを連通する前記連通管の管路が、前記B点より高い位置に一旦上昇してから前記C点に接続されるようにしてもよい。
当該構成では、排水調節器内の空気を排出する連通管を設け、後半水量比(排水時間を前半と後半に二分して後半の排水量を前半の排水量で除した値)を適正な値に調節することにより、排水調節器内にサイフォンを安定して形成することが可能となる。
本発明に係る洗浄方法では、洗浄前半、洗浄後半、及び次回洗浄までの間欠放置を1サイクルとする複数サイクルによって樋を洗浄する。その際、樋を洗浄する水の量を洗浄前半の水量<洗浄後半の水量、且つ間欠放置の時間を5分以上40分以下とすることにより、洗浄水量を従来に比べて低位にすることができる。
洗浄実験装置の模式図である。 排水パターンのイメージ図である。 洗浄完了までの排水量と後半水量比との関係を排水パターンごとに示したグラフである。 復路ベルトを下支えするロールが配置されたベルトコンベアから落下する粉塵が樋上に堆積している状況を示した模式図である。 樋上に島状に堆積した粉塵の洗浄イメージを上方から見た模式図である。 間欠放置時間に関する実験に用いた排水パターンのグラフである。 洗浄に要する水量と間欠放置時間との関係を示したグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る洗浄方法に使用する洗浄装置の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る洗浄方法に使用する洗浄装置の模式図である。 連通管が無い場合と連通管を設置した場合の排水量パターンを比較したグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明者らは、図1に示す洗浄実験装置を用いて、ベルトコンベアから落下して落粉受けに堆積した粉の洗浄性と水量や水の供給パターンとの関係について種々検討した。実験には、石炭を搬送するベルトコンベア(長さ15m、ベルト幅1.4m、傾斜角度10度)を使用し、このベルトコンベアの直下に幅1.7m、深さ150mmの落粉受けをベルトコンベアと平行に配置した。また、傾斜した落粉受けの最上部には、落粉受けに水を供給する洗浄装置を設置した。
なお、以下では、石炭を搬送するベルトコンベアを用いて検討した実験結果について説明するが、製鉄所で取り扱われるコークス、鉱石類、焼結原料、焼結鉱、及びスラグ類を搬送するベルトコンベアから落下する粉塵のいずれについても同様の傾向が認められた。
洗浄装置は、貯水タンクと、排水間隔(間欠放置時間)や排水量のパターンを調整する排水調整器(開閉バルブとその開度調整器)から構成されており、所定量の水を貯水タンクに貯めた後、開閉バルブの開度調整により排水量とその時間変化を調整する。
なお、時間当たりの水量は、樋の代替として水槽で排出水を受け、1秒単位で水槽の質量増加を測定し、当該測定値を樋の幅で除すことにより単位時間及び単位幅当たりの水量(L/s/m)を算出した。ただし、Lはリットル、sは秒である。
先ず、排水間隔(間欠放置時間)を15分一定として、この間に落下堆積した石炭粉を洗い流すための水量と排水パターンの関係を調査した。
排水パターンは、ほぼ一定量で水を排出するフラットパターンと、前半の水量が少なく後半にかけて次第に水量が増加していく水量増加パターンとした。図2は、各パターンにおいて同じ量の貯水タンクの水を同じ時間で排出した場合の単位時間当たりの排水量を示している。
ここで、排水時間を前半と後半に二分(図2の例では、水量増加パターンとフラットパターンの交点で二分)して後半の排水量を前半の排水量で除した値(後半排水量)/(前半排水量)を後半水量比と定義した。この値が大きいほど後半の排水量が多いことを示しており、この後半水量比と洗浄性の関係を調査した。なお、フラットパターンの後半水量比は1.0、水量増加パターンの後半水量比は1.6である。
実験では、図2に示す各パターンで洗浄を開始し、落粉受け上の石炭粉が全て洗い流されるタイミングを観察した。その結果、フラットパターンでは、貯水タンクのほぼ全水量が排出されたが、水量増加パターンでは、全水量が排出される前に洗浄が完了した。
堆積した石炭粉が全て洗い流されるまでの時間を測定して、1回の洗浄に要した水量(落粉受け幅1m当たりの水量)を算出した結果を図3に示す。フラットパターンに比べて水量増加パターンの洗浄性が高いことが同図よりわかる。即ち、後半水量比を1.0超とすることにより、フラットパターンよりも洗浄性が向上する。
上記の試験結果についてさらに考察するため、落粉の堆積状態や洗浄状態について詳細に観察したところ、図4に示すように、復路ベルトを下支えするロールの下方に落粉が集中的且つ島状に落下堆積していることが判明した。
ベルトコンベアの下部は、搬送物を降ろした後にリターンする復路ベルトが通っているが、復路ベルトの垂れ下がりを防止するため、復路ベルトを下支えするロールが一定間隔で設置されている場合が多い。復路ベルトは搬送物を載せた面(稼働面)が下方を向いてリターンする。そのため、搬送物を降ろした後も稼働面に付着している粉が、ロールを通過した際に復路ベルトから剥がれて落下する確率が高くなり、ロール下に堆積し易いと考えられる。なお、復路ベルトから剥れて落下する粒子は、搬送物が石炭である場合に限らず、ロール下の堆積物として、0.5mm(500μm)以下を多く含み、0.5mm以下の粒子を50質量%以上、多い場合で100質量%の割合で含む場合がある。
また、復路ベルトとロールの接触が均一ではないことから、ロールの幅方向において堆積し易い箇所ができ、ロール下に落粉が島状に堆積する。そして、時間経過と共に、この島状堆積物が広がっていく。
この島状堆積物を水で洗浄するためには、図5に示すように、堆積物周囲に水を流しながら徐々に洗い流す必要がある。0.5mm以下の粒子が多い微粉が主体であることから低水量でも徐々に洗い流すことが可能であるが、水量を増加したわりに洗い流す速度が改善されない。そこで、低水量で洗浄時間を確保して島状堆積物の周囲から洗い流し始め、ある程度、島が小さくなった段階で排水量を増加して、残存する粗粒を含めて洗い流すような水量増加パターンとすることにより洗浄水量を抑えることができる。
一方、フラットな水量パターンの場合、初期の水量が多い状態でも微粉の洗浄性が水量のわりに向上せず、無駄となる水量が多くなる。その結果、水量増加パターンに比べて洗浄に要する排水量が増加する。
島状堆積物を洗浄する際、間欠洗浄することにより洗浄水量をさらに低減することができる。しかし、間欠放置時間を長くとると、島状に堆積する面積が拡大することに加えて、堆積した粉塵が乾燥して付着性が増すことにより、洗浄性が悪化し洗浄水が増加することが考えられる。そこで、間欠放置時間を考慮したうえで、洗浄水量を低減するための最適条件について検討した。
実験装置には、前述した石炭搬送ベルトコンベアと、貯水タンク及び排水調整器からなる洗浄装置を用い、図6に示す水量増加パターンによって実験した。なお、水量増加パターンにおいて排水開始時の水量を5L/s/mとしているのは、水量が少量すぎると実験条件として安定せず、複数の実験条件間での比較に支障となる可能性があるためである。
実験では、落粉受けの洗浄が一旦完全に完了した状態を起点とし、設定した間欠放置時間が経過した時点で、洗浄装置から上述した水量増加パターンで排水を開始し、落粉受け上の残存粉が無くなる(目視確認)までの排水時間を測定した。そして、この排水時間の間に排水した水量(落粉受け幅1m当たりの水量)を求め、これを間欠放置時間と排水時間の和で除して間欠放置時間と排水時間の間に貯水タンクに貯水すべき速度(L/h/m)を算出し、これを洗浄に要する水量とした。
間欠放置時間を種々変化させた際における洗浄に要する水量を図7に示す。
間欠放置時間を5分より短くすると、洗浄水量が急激に増加した。これは、間欠放置時間が短いと、一回の排水操作当たりの排水量が少ないため洗浄性が悪く、結果的に比較的多量の水を短い時間間隔で流すこと(多量の水を頻繁に流すこと)となって総水量が増加するためと考えられる。
一方、間欠放置時間が5分から40分以下の場合、比較的少ない水量で洗浄できたが、10分以上では次第に水量が増加する傾向を示し、40分を超えると顕著に増加する傾向となった。これは、間欠放置時間が長くなると、島状に堆積する落粉の面積が大きくなって洗浄性が悪化し洗浄に要する水量が次第に増加することに加えて、時間経過によって堆積物の乾燥が進むため、付着性が増大して洗浄性が悪化し洗浄に要する水量が顕著に増加するためと考えられる。
上記洗浄実験より、ベルトコンベア下の落下石炭粉を間欠洗浄する際、洗浄の間欠放置時間を5分以上40分以下とすれば洗浄に要する水量を低位に抑えられることが判明した。
なお、ベルトコンベアの下部に復路ベルトを下支えするロールを有し、コークス、鉱石類、焼結原料、焼結鉱及びスラグ類を搬送するベルトコンベアでも同様の結果であった。これは、復路ベルトを下支えするロールによって復路ベルト表面の付着粉が落下し、落粉受け上に粉塵が堆積する状況やベルトの単位幅当たり落下する量がほぼ同様となるためであると考えられる。
実操業において洗浄に要する水量の低減を図るには、排水量が次第に増加するパターンを簡便に実現する必要がある。そこで、本発明者らは、貯水タンクにサイフォンを備えた洗浄装置の適用を検討した。
[本発明の第1の実施の形態に係る洗浄方法]
本発明の第1の実施の形態に係る洗浄方法に使用する洗浄装置10を図8に示す。
洗浄装置10は、復路ベルトを下支えするロール25が配置されたベルトコンベア20から落下する粉塵を受け止める傾斜させた樋19の上部に設置され、樋19を洗浄する水を貯える貯水タンク12と、貯水タンク12から樋19に供給される水の量を調節する排水調節器14とを備えている。
洗浄装置10では、貯水タンク12に所定量の水が貯まると、排水調節器14内にサイフォンが形成され、貯水タンク12内の全水量が樋19に排出され、その後、一定時間(5分以上40分以下の間欠放置時間)をかけて貯水タンク12内に貯水するサイクル(即ち、洗浄前半、水量が前半より多い洗浄後半、及び次回洗浄までの間欠放置)が繰り返され、間欠的に水を供給して樋19を洗浄する。洗浄装置10を用いてサイフォンの形成を調整することにより、樋19に供給する水量のパターンを水量増加パターンに調整する。
排水調節器14を構成する管路16は、貯水タンク12から供給される水17が上昇と下降を複数回繰り返し、且つ貯水タンク12に貯水する過程で、管路16内の水路に複数の空気溜り18が形成されるように、水17が上昇する上昇管と水17が下降する下降管が交互に配置された葛折り状とされている。なお、管路16の排出口には、上面が開口部とされた排水容器21が取り付けられている。
貯水タンク12への給水を開始し、貯水タンク12の水位が上昇すると、排水調節器14内にも水17が流入し、管路16内の水路に複数の空気溜り18が形成される。貯水タンク12が満水近くになると、排水調節器14内に形成されている空気溜り18の空気が排出口から徐々に排出され、少量の水17の流出が始まる。貯水タンク12の水位上昇による水圧上昇と管路16内空気の排出によって排水調節器14内で水17の揺動が引き起こされ、排水調節器14内の水17が空気溜り18を乗り越えてサイフォンを形成する。
排水調節器14内で自動的にサイフォンが形成されることにより本格的な水17の流出が始まるが、一部の空気が排水調節器14内に残存していることから、水量はやや少ない状態から始まる。水流に随伴して空気の排出が進むことによって、より強いサイフォンが形成されて流出量が増加していき、最終的に貯水タンク12内の水17をほぼ全て吸引するほどの水勢となる。貯水タンク12内の水17がほぼ全て吸い出されるとサイフォンは停止するが、再度、貯水タンク12に給水することにより上記作用を繰り返すことができる。
[本発明の第2の実施の形態に係る洗浄方法]
サイフォンの形成をさらに安定化する方法として、排水調節器内の空気を排出する配管(以下、連通管と呼ぶ。)を排水調節器に設置してもよい。本発明の第2の実施の形態に係る洗浄方法に使用する洗浄装置30を図9に示す。なお、理解を容易にするため、図9の洗浄装置30は透明な容器とした。また、線が錯綜するのを防ぐため、排水容器21の記載は省略した。
本実施の形態に係る洗浄装置30では、排水調節器14内から外部へ貫通する孔として、排水調節器14内の上流側空気溜り22の上部A点と、空気溜り22に下流側で接する水溜り23の下部B点と、水溜り23に下流側で接する空気溜り24の下部C点が形成されている。孔の高さはA点>B点>C点とされている。
各孔はA点、B点、C点の順に連通管32で接続され、B点とC点とをつなぐ連通管32の管路は、B点より高い位置(管路上昇部36)に一旦上昇してからC点に接続されている。本例では、下降管と上昇管が交互に配置された葛折り状の主配管34と、主配管34とA点、B点、C点とをつなぐ3本の副配管35とから連通管32を構成している。
排水調節器14に連通管32を設置すると、排水調節器14内の上流側に形成された空気溜り22の空気が連通管32を通して下流側空気溜り24の低圧部へ抜けようとするが、B点から連通管32内に流入した水により一旦せき止められた状態となる。その後、貯水タンク12への貯水が進行すると、B点から連通管32内に流入した水が、B点とC点間の管路上昇部36を乗り越えてC点へ流れ落ちる。その際、A点から排出された空気が同伴されC点へ抜ける。空気溜り22の空気がA点から抜けることにより、空気溜り22の圧力が急低下し、貯水タンク12から空気溜り22、24へ水が勢い良く流入して排水調節器14内にサイフォンが形成される。
サイフォンを形成するタイミングは、排水調節器14内から外部へ貫通する各孔や連通管32の径、B点とC点間の管路上昇部36の高さによって調節可能である。また、排水調節器14の外部に設置した連通管32とバルブを組み合わせることにより、サイフォン形成タイミングを容易に調節することができる。
図10に連通管が無い場合と連通管を設置した場合の排水量パターンの比較を示す。連通管が無い場合の後半水量比はおよそ9.0、連通管を設置した場合の後半水量比はおよそ3.4である。
連通管が無い場合、排水初期の流量が少なく、サイフォンの形成が不安定となり、頻度は低いもののサイフォンを形成しない場合があったが、連通管の設置により、サイフォンを安定して形成することが可能となった。
なお、後半水量比を適正な値に調節する方法として、排水調節器14内の空気を排出する連通管を排水調節器14内に設置してもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や上記実施の形態の組み合わせを施してもよい。例えば、上記実施の形態では、管路の折れ曲がり部は直角としているが、U字状としてもよい。
10、30、:洗浄装置、12:貯水タンク、14:排水調節器、16:管路、17:水、18、22、24:空気溜り、19:樋、20:ベルトコンベア、21:排水容器、23:水溜り、25:ロール、32:連通管、34:主配管、35:副配管、36:管路上昇部

Claims (3)

  1. 復路ベルトを下支えするロールが配置されたベルトコンベアから落下する粉塵を受け止める傾斜させた樋の上部に間欠的に水を供給して該樋を洗浄する方法であって、
    洗浄前半、洗浄後半、及び次回洗浄までの間欠放置を1サイクルとする複数サイクルによって前記樋を洗浄することとし、
    前記樋を洗浄する水の量を洗浄前半の水量<洗浄後半の水量、且つ前記間欠放置の時間を5分以上40分以下とすることを特徴とする洗浄方法。
  2. 請求項1記載の洗浄方法において、前記樋を洗浄する水を貯える貯水タンクと、前記貯水タンクから前記樋に供給される水の量を調節する排水調節器とを設置し、
    前記排水調節器を構成する管路は、前記貯水タンクから供給される水が上昇と下降を複数回繰り返し、且つ前記貯水タンクに貯水する過程で、該管路内の水路に複数の空気溜りが形成されるよう配置されてなり、前記貯水タンクの水位上昇による水圧上昇及び前記管路内空気の排出による揺動によって前記排水調節器内で自動的にサイフォンを形成して前記貯水タンク内の水を排出することを特徴とする洗浄方法。
  3. 請求項2記載の洗浄方法において、前記排水調節器内の上流側空気溜りの上部A点と、該空気溜りに下流側で接する水溜りの下部B点と、該水溜りに下流側で接する空気溜りの下部C点とを、前記A点、前記B点、前記C点の順に連通する連通管を設け、
    前記B点は前記A点より低く前記C点より高い位置にあり、前記B点と前記C点とを連通する前記連通管の管路が、前記B点より高い位置に一旦上昇してから前記C点に接続されていることを特徴とする洗浄方法。
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