JP7277755B2 - 方向性電磁鋼板、巻鉄芯、方向性電磁鋼板の製造方法、及び、巻鉄芯の製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、方向性電磁鋼板に、その板幅方向に延在する溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法、及び、その方向性電磁鋼板を巻回して形成する鋼板巻回工程を含む巻鉄芯の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板の鉄損を改善する方策の一つとして、方向性電磁鋼板に溝を導入することで溝周辺に磁極を発生させ、磁区を細分化し、異常渦電流損を下げることができる技術(耐SRA性磁区制御)が知られている(例えば、特許文献1~6参照)。耐SRA性とは、高温の応力緩和焼鈍「SRA(Stress Relief Annealing)」を行っても鉄損改善効果が消滅しないことを意味する。
耐SRA性磁区制御のための溝を設けることにより、鉄損を低くした電磁鋼板を提供できるようになったが、この電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯においては、交流通電時に騒音が発生し易い問題がある。
即ち、電磁鋼板に溝を形成した部分は巻鉄芯において空隙部分となるので、交流通電時の磁歪現象により電磁鋼板に伸縮を生じると、空隙部分が共振点となる可能性があり、低周波騒音などの騒音発生の原因となる問題がある。
また、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、鉄損改善率に優れ、騒音を抑制した巻鉄芯とその製造方法を提供することを目的とする。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
溝なし部の板幅方向中央位置は、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸上において板幅中央から板幅端までの距離の75%以下の範囲であれば、巻鉄芯とした場合の騒音低減に寄与する。
溝なし部の形成位置として、上述の関係を満足させることにより、より優れた騒音低減率を得ることができる。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「6」本形態に係る巻鉄芯において、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である方向性電磁鋼板を用いることが好ましい。
「8」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置に形成することが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「9」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法において、前記溝をレーザー加工により形成することが好ましい。
「12」本形態に係る巻鉄芯の製造方法において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する方向性電磁鋼板を巻回することが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「13」本発明に係る巻鉄芯の製造方法において、前記溝をレーザー加工により形成することが好ましい。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。
方向性電磁鋼板は、鋼板の結晶粒の磁化容易軸(体心立方晶の<100>方向)が製造工程における圧延方向に略揃っている電磁鋼板である。方向性電磁鋼板は、圧延方向に磁化が向いた磁区を、磁壁を挟んで複数配列した構造を有する。このような方向性電磁鋼板は圧延方向に磁化しやすいため、磁力線の方向がほぼ一定に流れるトランスの鉄芯材料に適している。
図1に示すように、本実施形態に係る方向性電磁鋼板10は、鋼板本体(地鉄)12と、鋼板本体12の表裏両面に形成されたグラス被膜14と、グラス被膜14上に形成された絶縁被膜16と、を有する。
変圧器用の巻鉄芯等に加工される直前の、最終的な方向性電磁鋼板10における鋼板本体12の組成は、一例として、Si;2.0質量%以上4.0質量%以下、C;0.003質量%以下、Mn;0.05質量%以上0.15質量%以下、酸可溶性Al;0.003質量%以上0.040質量%以下、N;0.002質量%以下、S;0.02質量%以下、残部がFe及び不純物である。鋼板本体12の厚さは、例えば、0.15mm以上、かつ、0.35mm以下である。
上述した構成の方向性電磁鋼板10は、複数枚重ねられた状態で巻回され、変圧器(トランス)用の図2に示す巻鉄芯50が形成される。
本実施形態において、溝20は、方向性電磁鋼板10の幅方向両端に到達しているが、方向性電磁鋼板10の幅方向中央に溝なし部21を備えている。換言すると、方向性電磁鋼板10の幅方向に沿って溝なし部21を介し方向性電磁鋼板10の幅の1/2よりも若干幅の小さい(板幅方向長さの小さい)第1の溝部20Aと第2の溝部20Bから溝20が形成されている。
詳細は後述するが、溝20は、例えば、レーザー加工装置によって地鉄12の表面にレーザービームを照射することにより形成されている。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
前記ブリッジとなる緻密な部分においては、巻き付けた内外層の方向性電磁鋼板10どうしを面接触させることができ、この面接触部分を複数存在させることで巻鉄芯50の剛性向上に寄与する。
また、ブリッジとなる溝なし部21を設けることで方向性電磁鋼板10が通電時に振動した場合に振動の共振点が発生し難くなるので、巻鉄芯50を従来構造よりも低騒音化できる特徴を有する。溝なし部21を設ける位置は、方向性電磁鋼板10の板幅方向の板幅端以外であれば、いずれの位置に設けても良いが、上述の(2)式の関係を満足させる位置に設けることが好ましい。溝なし部21の幅を規定する溝加工比率は、上述の(1)式の関係を満足させることが好ましい。
巻鉄芯を交流駆動(例えば50Hz)して最大磁束密度(例えば1.7T)で磁化した場合、方向性電磁鋼板1kgあたりの電気エネルギー損失をW17/50(W/kg)と表記することができる。
W17/50(W/kg)=トランス鉄損(W)/トランス重量(kg)
この巻鉄芯において、巻トランス鉄損は、巻鉄芯に一次素線(励磁巻線)および二次巻線(サーチコイル)をそれぞれ巻き付けて、電力計により測定することができる。
ここで、溝を全幅に有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯のトランス鉄損を(Wg)とすると、その鉄損改善率は、上記式から、(η)={(W0-Wg)/W0}×100(%)により求められ、後述する実施例に示すように16.6%などの値となる。そのため、後述する実施例によると、所定の加工比率の溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯の鉄損改善率は、15%以上を備えることが望ましいと考えられる。
溝加工比率(%)については、加工比率の値が向上するにつれて、鉄損改善率が徐々に上昇するが85%以上で鉄損改善率として15%以上を確保できる。
全幅に溝を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(N0)と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(Ni)を比較し、{(N0-Ni)/N0}×100(%)の関係式から騒音低減率(%)を求めることができる。
この関係式から求められる騒音低減率(%)として、5%以上が望ましいと考えられる。騒音低減率(%)については、加工比率の値が向上するにつれて、低下するが加工比率が85%~95%の範囲であれば、5~13%程度の騒音低減率を確保できる。
このため、前述の(1)式を満足することが好ましい。
なお、参考のために、図6に溝なし部の板幅方向中央位置に関し、(2)式の値が90%の場合を例示し、図7に溝なし部がなく、全幅に溝を設けた場合に相当する例を示しておく。
従って、例えば、溝なし部21の板幅方向中央位置は、方向性電磁鋼板10の板長方向に千鳥状に形成されていても良いし、溝なし部21の板幅方向中央位置は、板長方向の位置毎に板幅方向に板幅端部を除くランダムな位置に形成されていても良い。
方向性電磁鋼板の曲げ加工においては、通常、鋼板が圧延方向に曲げられる。
図8を参照しながら、本実施形態に係る巻鉄芯50の製造方法の流れについて説明する。
巻鉄芯50の製造工程は、図8に示すように、鋳造工程S2と、熱間圧延工程S4と、焼鈍工程S6と、冷間圧延工程S8と、脱炭焼鈍工程S10と、焼鈍分離剤塗布工程S12と、最終仕上げ焼鈍工程S14と、絶縁被膜形成工程S16と、板幅方向鉄損測定工程S18と、レーザー加工工程S20と、再絶縁被膜形成工程S22と、鋼板巻回工程S30とを含む。
なお、板幅方向鉄損測定工程S18は必須ではなく、特に、方向性電磁鋼板10が得られる最終仕上げ焼鈍工程S14より前に、レーザー加工工程を行う場合(後述する図9(A)、図9(B)の場合)等には、板幅方向鉄損測定工程S18を省略できる。
これにより、鋼板本体12の表面に、交差方向に溝なし部21を介して延在する溝20が、前記圧延方向(鋼板10の長さ方向)に所定間隔で複数形成される。なお、レーザービームの集光・照射は、鋼板本体12の表面及び裏面の両方から行ってもよい。このレーザー加工工程S20は、溝加工工程の一例である。
例えば、方向性電磁鋼板10の製造工程において、図9(A)に示すように、冷間圧延工程S8の後に、レーザー加工工程S20を行ってもよい。この場合、図9(A)に示すように、レーザー加工工程S20の後に絶縁被膜形成工程S16を行なうので、図8に示す再絶縁被膜形成工程S22が不要となり、方向性電磁鋼板10の製造工程(結果的に、巻鉄芯50の製造工程も)を短縮できる。
図10を参照しながら、方向性電磁鋼板10にレーザービームを照射して溝20を形成するレーザー加工装置100の構成の一例について説明する。この例のレーザー加工装置100は、圧延方向に一定速度で水平搬送される方向性電磁鋼板10の絶縁被膜の上から圧延方向と交差する交差方向(例えば90°交差方向)にレーザービームを照射し、その交差方向に延在する溝部20A、20Bを形成し、レーザービームを照射しない部分を溝なし部21とする。
図10に示す形態では、1つの方向性電磁鋼板10を水平搬送しながらレーザー加工した後、3本の仮想線Lに沿って切断し、4本の方向性電磁鋼板10Aを得る場合に適用するレーザー加工装置100を描いている。
レーザー加工装置100においては、1つの方向性電磁鋼板10Aに相当する幅に対し、2基、隣接させて対となるようにレーザー照射装置106が設置されている。また、これら2基のレーザー照射装置106、106の組は、互いの位置の干渉を避けるために、方向性電磁鋼板10の上方空間に、方向性電磁鋼板10の板幅方向に位置ずれするように設置されている。
なお、図10の説明では、方向性電磁鋼板10上のレーザービームの集光形状が楕円形状であることとしたが、これに限定されない。例えば、レーザービームの集光形状が、真円形状であってもよい。
図10では、一例として、方向性電磁鋼板10の製造後に3本の仮想線Lに沿って方向性電磁鋼板10を板幅方向に4つに切断する場合を示したが、方向性電磁鋼板10を切断する数は任意で良く、後に図14を基に説明する変形例のように切断しない場合を想定しても良い。
前記実施形態では、図10に示すように、方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することに対応させ、方向性電磁鋼板10に複数列の溝20を形成した。しかしながら、図14に示すように、方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することなく一枚の鋼板として巻鉄芯に使用する場合は、方向性電磁鋼板10に対し溝20を板幅方向に一列のみ形成してもよい。
また、前記実施形態では、溝加工工程において、レーザー加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成したが、例えば、エッチング加工や電子ビーム加工などのレーザー加工以外の除去加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成してもよい。
本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例を採用できることは明らかであり、これらの例についても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと解釈できる。
まず、方向性電磁鋼板を製造するための材料(出発材料)として、Si;3.0質量%、C;0.05質量%、Mn;0.1質量%、酸可溶性Al;0.02質量%、N;0.01質量%、S;0.01質量%、残部がFe及び不純物、といった組成のスラブを準備した。このスラブに対して、1280℃で熱間圧延を実施し、厚さ2.3mmの熱間圧延材を製出した。
照射条件としては、レーザービーム強度を1000W、ビーム走査速度を30m/s、照射ピッチを5mmとした。また、レーザービームの形状は楕円形状であり、ビーム径の圧延方向は0.1mmであり、ビーム径の走査方向は0.3mmである。かかる照射条件により、幅が50μmで、深さが20μmの溝を形成できた。
レーザービームを照射して溝を形成し、方向性電磁鋼板を作製する場合、先に説明した(1)式で示される溝加工率を0%、60%、70%、80%、90%、100%とし、溝なし部を板幅方向中央に配置したそれぞれの方向性電磁鋼板試料を作製した。
また、先に説明した(2)式「{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100」で示される溝なし部の板幅方向中央位置を、0%、20%、40%、60%、70%、75%、80%、90%のいずれかに設定してそれぞれの方向性電磁鋼板試料を作製した。
本実施例では、溝なし部の位置や幅を試料によって適宜変更する必要があるため、方向性電磁鋼板の上方に方向性電磁鋼板の板幅方向に延在する支持レールを設け、該支持レールに沿ってレーザー照射装置を移動自在に取り付け、レーザー照射装置から照射するレーザービームの照射位置と範囲を調節できるように構成した。
「鉄損改善率の定義」
巻鉄芯を交流駆動(50Hz)して最大磁束密度(1.7T)で磁化した場合、方向性電磁鋼板1kgあたりの電気エネルギー損失をW17/50(W/kg)と表記することができる。
W17/50(W/kg)=トランス鉄損(W)/トランス重量(kg)
この巻鉄芯において、巻トランス鉄損は、巻鉄芯に一次素線(励磁巻線)および二次巻線(サーチコイル)をそれぞれ巻き付けて、電力計により測定した。
溝なし(加工比率0%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス鉄損は30.6Wであり、W17/50=0.9(W/kg)=W0に設定した。
溝あり(加工比率100%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス鉄損(Wg)は25.5Wであり、W17/50=0.75(W/kg)=Wgに設定した。
そのため、巻鉄芯を備えたトランスにおいては、鉄損改善率が重要であることから、上述のように求められる鉄損改善率が15%以上必要と判断した。
それぞれの加工比率で作製した巻鉄芯について上述の例と同様の測定法により鉄損改善率を求めた結果を図12に示す。なお、図12において、加工比率85%の巻鉄芯はトランス鉄損26.0Wであり、W17/50=0.765(W/kg)である。
騒音低減率(%)は、巻鉄芯を交流(50Hz)で最大磁束密度(1.7T)で磁化した際の騒音として、全幅に溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯との騒音の比較から求めた。
全幅に溝を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(N0)と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(Ni)を比較し、{(N0-Ni)/N0}×100(%)の関係式から騒音低減率(%)を求めた。騒音低減率は、全幅に溝を有する巻鉄芯を基準として、それぞれの溝なし位置の試料の値を求めた。
全幅に溝を有する(加工比率100%)方向性電磁鋼板からなる試料のトランス騒音は、N0=50dBAとなった。
溝なし(加工比率0%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス騒音は、N=35dBAとなった。
それぞれの加工比率で作製した巻鉄芯について上述の例と同様の手法により騒音低減率を求めた結果を図12に併せて示す。なお、図12に示す試料において、全幅に溝がない(加工比率0%)試料の騒音低減率は30.0%となった。
また、図12に示す結果から、鉄損改善率をより重要視して鉄損改善率が低下しない範囲を採用すると、加工比率90%以上95%以下の範囲がより好ましい。
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100の値が、0%、20%、40%、60%、70%、75%、80%、85%、90%のそれぞれの値になるように、溝なし部の板幅方向中央位置を規定して得た方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯を試作して試料を作製した。各試料は、加工比率90%の場合の試料と加工比率85%の場合の試料を用いて溝なし部の位置を変更し、試作した。
このため、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100の値は、0%以上75%以下の範囲が好ましく、0%以上70%以下の範囲がより好ましいと判断できる。
Claims (13)
- 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板であって、
巻鉄芯巻回用の板幅を有し、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部が形成され、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝が形成された方向性電磁鋼板。 - 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にある請求項1に記載の方向性電磁鋼板。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式 - {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である請求項2に記載の方向性電磁鋼板。
- 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回した巻鉄芯であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部を設け、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝を設けた方向性電磁鋼板を巻回した巻鉄芯。
- 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にある方向性電磁鋼板が巻回された請求項4に記載の巻鉄芯。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式 - {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である方向性電磁鋼板が巻回された請求項5に記載の巻鉄芯。
- 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板の製造方法であって、
巻鉄芯巻回用の板幅となった際に、当該板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設けるように前記溝を前記板幅方向に形成することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置に形成することを特徴とする請求項7に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式 - 前記溝をレーザー加工により形成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 長さ方向に沿って鋼板を搬送する途中に、前記板幅方向に沿って板面から離間して設置した複数のレーザー装置からレーザー光を照射し、板幅方向に前記溝なし部と前記溝を形成する処理を前記板長方向に繰り返し、前記板長方向に所定の間隔で複数の溝を形成することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回して構成される巻鉄芯の製造方法であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設け、残りの部分に前記溝を形成した方向性電磁鋼板を巻回することを特徴とする巻鉄芯の製造方法。
- 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C-D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する方向性電磁鋼板を巻回することを特徴とする請求項11に記載の巻鉄芯の製造方法。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式 - 前記溝をレーザー加工により形成することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の巻鉄芯の製造方法。
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