JP2021025072A - 方向性電磁鋼板、巻鉄芯、方向性電磁鋼板の製造方法、及び、巻鉄芯の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板、巻鉄芯、方向性電磁鋼板の製造方法、及び、巻鉄芯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本形態は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板、及び、この方向性電磁鋼板を巻回して形成された巻鉄芯とそれらの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本形態に係る方向性電磁鋼板は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板であって、巻鉄芯巻回用の板幅を有し、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部が形成され、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝が形成されてなる。【選択図】図2

Description

本発明は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板、及び、この方向性電磁鋼板を巻回して形成された巻鉄芯に関する。
また、本発明は、方向性電磁鋼板に、その板幅方向に延在する溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法、及び、その方向性電磁鋼板を巻回して形成する鋼板巻回工程を含む巻鉄芯の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板は、比較的小さな磁化力において磁化する際のエネルギー損失(鉄損)が低いため、例えば変圧器(トランス)の巻鉄芯を製造するために用いられている。このような巻鉄芯に用いられる方向性電磁鋼板は、低鉄損であることが求められる。
方向性電磁鋼板の鉄損を改善する方策の一つとして、方向性電磁鋼板に溝を導入することで溝周辺に磁極を発生させ、磁区を細分化し、異常渦電流損を下げることができる技術(耐SRA性磁区制御)が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。耐SRA性とは、高温の応力緩和焼鈍「SRA(Stress Relief Annealing)」を行っても鉄損改善効果が消滅しないことを意味する。
特公昭62−54873号公報 特公昭62−53579号公報 特開平6−57335号公報 特開2003−129135号公報 特許第5234222号公報 特開平6−299244号公報
従来、耐SRA性磁区制御のための溝は、方向性電磁鋼板の全幅にわたり形成されている。
耐SRA性磁区制御のための溝を設けることにより、鉄損を低くした電磁鋼板を提供できるようになったが、この電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯においては、交流通電時に騒音が発生し易い問題がある。
即ち、電磁鋼板に溝を形成した部分は巻鉄芯において空隙部分となるので、交流通電時の磁歪現象により電磁鋼板に伸縮を生じると、空隙部分が共振点となる可能性があり、低周波騒音などの騒音発生の原因となる問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、鉄損改善率に優れ、巻鉄芯を構成した場合に騒音を抑制できる方向性電磁鋼板とその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、鉄損改善率に優れ、騒音を抑制した巻鉄芯とその製造方法を提供することを目的とする。
「1」本形態の方向性電磁鋼板は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板であって、巻鉄芯巻回用の板幅を有し、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部が形成され、前記溝なし部を除いた部分に前記溝が形成されたことを特徴とする。
板幅方向の一部領域に溝なし部を備えた方向性電磁鋼板を巻回して巻鉄芯を構成した場合、巻回し積層した下層の方向性電磁鋼板と上層の方向性電磁鋼板との間に溝の存在により空隙を生じるが、板幅方向の全幅に渡り溝を設けた構造に対比し、溝なし部が上層の方向性電磁鋼板と下層の方向性電磁鋼板との間を埋めるブリッジとして機能する。このブリッジは、巻き中心側から巻き外周側にまで複数存在するので、溝なし部を設けた巻鉄芯は、溝なし部を設けていない巻鉄芯と比べると剛性が高く、緻密な構造となり、方向性電磁鋼板が交流通電により振動した場合に振動の共振点を生じ難くなるので、低騒音化した巻鉄芯を提供できる。
「2」本形態に係る方向性電磁鋼板において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にあることが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
溝加工比率を特定の範囲に規制することは、板幅方向に沿う溝なし部の幅を特定範囲に抑制することと同義となる。溝なし部の幅を特定範囲に抑制することにより、溝を形成しないことによる方向性電磁鋼板の鉄損改善率低下を抑制できる。特に、溝加工比率を85%以上95%以下の範囲とするならば、溝を設けるタイプの方向性電磁鋼板における優れた鉄損改善率を維持したまま巻鉄芯とした場合の低騒音化に寄与する方向性電磁鋼板を提供できる。
溝なし部の板幅方向中央位置は、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸上において板幅中央から板幅端までの距離の75%以下の範囲であれば、巻鉄芯とした場合の騒音低減に寄与する。
「3」本形態に係る方向性電磁鋼板において、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%であることが好ましい。
溝なし部の形成位置として、上述の関係を満足させることにより、より優れた騒音低減率を得ることができる。
「4」本形態に係る巻鉄芯は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回して構成された巻鉄芯であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部を設け、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝を設けた方向性電磁鋼板が巻回されたことを特徴とする。
板幅方向の一部領域に溝なし部を備えた方向性電磁鋼板を巻回して巻鉄芯を構成すると、巻回し積層した下層の方向性電磁鋼板と上層の方向性電磁鋼板との間に溝の存在により空隙を生じるが、板幅方向の全幅に渡り溝を設けた構造に対比し、溝なし部が上層の方向性電磁鋼板と下層の方向性電磁鋼板との間を埋めるブリッジとして機能する。このブリッジは、巻き中心側から巻き外周側にまで複数存在するので、溝なし部を設けた巻鉄芯は、溝なし部を設けていない巻鉄芯と比べると剛性が高く、緻密な構造となり、方向性電磁鋼板が交流通電により振動した場合に振動の共振点を生じ難くなるので、低騒音化できる特徴を有する。
「5」本形態に係る巻鉄芯において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にある方向性電磁鋼板が巻回されたことが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「6」本形態に係る巻鉄芯において、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である方向性電磁鋼板を用いることが好ましい。
「7」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板の製造方法であって、巻鉄芯巻回用の板幅となった際に、当該板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設けるように前記溝を前記板幅方向に形成することを特徴とする。
「8」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置に形成することが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「9」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法において、前記溝をレーザー加工により形成することが好ましい。
「10」本形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法において、長さ方向に沿って鋼板を搬送する途中に、前記板幅方向に沿って板面から離間して設置した複数のレーザー装置からレーザー光を照射し、板幅方向に前記溝なし部と前記溝を形成する処理を前記板長方向に繰り返し、前記板長方向に所定の間隔で複数の溝を形成することが好ましい。
「11」本形態に係る巻鉄芯の製造方法は、板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回して構成される巻鉄芯の製造方法であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設け、残りの部分に前記溝を形成した方向性電磁鋼板を巻回することを特徴とする。
「12」本形態に係る巻鉄芯の製造方法において、前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する方向性電磁鋼板を巻回することが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
「13」本発明に係る巻鉄芯の製造方法において、前記溝をレーザー加工により形成することが好ましい。
本発明によれば、方向性電磁鋼板の板幅方向において板幅端を除く内側に溝なし部を設けることができ、溝なし部の存在により巻鉄芯の内部に空隙の無い緻密な部分を設けることができ、この緻密な部分において巻き付けた方向性電磁鋼板どうしを面接触させて剛性を向上させることができるので、鉄損改善率を維持しつつ、低騒音の巻鉄芯を実現できる方向性電磁鋼板を提供できる。また、この方向性電磁鋼板を用いることで鉄損改善率を維持しつつ、低騒音の巻鉄芯を提供することができる。
本実施形態に係る方向性電磁鋼板の一例構成を示す板厚方向に沿った断面図である。 本実施形態に係る巻鉄芯の一例構成を示す斜視図である。 図2に示す巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板を展開した状態の一例を示す平面図である。 図3のF4−F4線に沿う断面図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板において溝なし部を板幅方向端部側寄りの位置に設けた場合の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板において溝なし部を板幅方向端部側に設けた場合の一例を示す平面図である。 比較例の方向性電磁鋼板において全幅に溝を設けた場合の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板と巻鉄芯の製造工程の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造工程について図8に示す工程と異なる場合の例を示すもので、(A)は冷間圧延工程の後にレーザー加工工程を行う場合の一例を示すフローチャート、(B)は脱炭焼鈍工程の後にレーザー加工工程を行う場合の一例を示すフローチャート、(C)は最終仕上げ焼鈍工程の後にレーザー加工工程を行う場合の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板に溝を形成する場合に用いるレーザー加工装置の概要とレーザー加工中の方向性電磁鋼板を示す斜視図である。 図10に示すレーザー加工装置で溝が形成された方向性電磁鋼板の一例を示す平面図である。 実施例において製造された方向性電磁鋼板を巻回して構成される巻鉄芯について鉄損改善率と加工比率の関係を示すグラフである。 実施例において製造された方向性電磁鋼板を巻回して構成される巻鉄芯について騒音低減率と「(|溝なし中央位置|/(C/2))」との関係を示すグラフ。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として方向性電磁鋼板に溝を一列のみ形成する工程を示す斜視図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として歯型ロールによって方向性電磁鋼板に溝を形成する工程を示す斜視図である。 比較例に係る巻鉄芯の構成の一例を示す斜視図である。 図16に示す巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板を展開した状態の一例を示す平面図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。
<方向性電磁鋼板の概要>
方向性電磁鋼板は、鋼板の結晶粒の磁化容易軸(体心立方晶の<100>方向)が製造工程における圧延方向に略揃っている電磁鋼板である。方向性電磁鋼板は、圧延方向に磁化が向いた磁区を、磁壁を挟んで複数配列した構造を有する。このような方向性電磁鋼板は圧延方向に磁化しやすいため、磁力線の方向がほぼ一定に流れるトランスの鉄芯材料に適している。
トランスは、通常、積みトランスと巻きトランスとに大別される。本実施形態に係る方向性電磁鋼板は、鋼板に巻き変形を加えながらトランスの形状に組み上げる巻きトランスの鉄芯材料として利用される。
図1に示すように、本実施形態に係る方向性電磁鋼板10は、鋼板本体(地鉄)12と、鋼板本体12の表裏両面に形成されたグラス被膜14と、グラス被膜14上に形成された絶縁被膜16と、を有する。
鋼板本体12は、Siを含有する鉄合金で構成されている。
変圧器用の巻鉄芯等に加工される直前の、最終的な方向性電磁鋼板10における鋼板本体12の組成は、一例として、Si;2.0質量%以上4.0質量%以下、C;0.003質量%以下、Mn;0.05質量%以上0.15質量%以下、酸可溶性Al;0.003質量%以上0.040質量%以下、N;0.002質量%以下、S;0.02質量%以下、残部がFe及び不純物である。鋼板本体12の厚さは、例えば、0.15mm以上、かつ、0.35mm以下である。
グラス被膜14は、例えば、フォルステライト(MgSiO)、スピネル(MgAl)及びコージライト(MgAlSi18)などの複合酸化物によって構成されている。グラス被膜14の厚さは、例えば、1μmである。
絶縁被膜16は、例えば、コロイド状シリカとリン酸塩(リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウムなど)を主体とするコーティング液やアルミナゾルとホウ酸を混合したコーティング液の塗膜を加熱乾燥させた被膜により構成されている。
上述した構成の方向性電磁鋼板10は、複数枚重ねられた状態で巻回され、変圧器(トランス)用の図2に示す巻鉄芯50が形成される。
図2に示すように、本実施形態に係る巻鉄芯50は、略直方体形状をなしており、中央側に空間が形成されている。図2に示すように、空間の開口部を横向き(Y軸向き)とした巻鉄芯50において、外周の横の長さはAと表記することができ、縦の長さはBと表記することができ、奥行きの長さはCと表記することができる。また、巻鉄芯50の内周の横の長さはaと表記することができ、縦の長さはbと表記することができ、内周の奥行きは外周の奥行きと同じ長さに形成されている。巻鉄芯50は、四隅に製造時に曲げ加工されたコーナ部52を有する。コーナ部52は、例えばR形状となっている。
巻鉄芯50は、上述の通り方向性電磁鋼板10を巻回した構成であるため、方向性電磁鋼板10を展開すると図3に示す形状となる。図3には、巻鉄芯50を構成する方向性電磁鋼板10の長さ方向の一部が示されている。なお、図2のX方向が図3の圧延方向に対応し、図2のY方向が図3の板幅方向に対応する。また、図3のF4−F4線に沿う断面を図4に示す。
図3、図4に示すように、方向性電磁鋼板10においては、鉄損を低減させるために、方向性電磁鋼板10の製造時の搬送方向(圧延方向)と交差する方向(図の例では90°交差方向)に延在する溝20が、鋼板本体(地鉄)12の表面に圧延方向(板長方向)に所定の間隔で複数形成されている。
本実施形態において、溝20は、方向性電磁鋼板10の幅方向両端に到達しているが、方向性電磁鋼板10の幅方向中央に溝なし部21を備えている。換言すると、方向性電磁鋼板10の幅方向に沿って溝なし部21を介し方向性電磁鋼板10の幅の1/2よりも若干幅の小さい(板幅方向長さの小さい)第1の溝部20Aと第2の溝部20Bから溝20が形成されている。
詳細は後述するが、溝20は、例えば、レーザー加工装置によって地鉄12の表面にレーザービームを照射することにより形成されている。
また、本実施形態の方向性電磁鋼板10において、板幅をC(mm)、板幅方向に沿う溝なし部21の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、溝なし部21の板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする図3に示すような座標軸を鋼板上の各位置の板幅方向に沿って定義した場合、溝なし部21の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にあることが好ましい。
85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
方向性電磁鋼板10において、板幅方向の一部、例えば、図3、図4に示すように幅方向中央に溝なし部21を備えた方向性電磁鋼板を巻回して図2に示す巻鉄芯を構成すると、巻回し積層した下層側の方向性電磁鋼板10と上層側の方向性電磁鋼板10との間に溝20の存在により空隙を生じる。
本実施形態の方向性電磁鋼板10では、板幅方向の全幅に渡り溝を設けた従来構造に対比し、溝なし部21が上層側の方向性電磁鋼板10と下層側の方向性電磁鋼板10との間を埋めるブリッジとなる。このブリッジは、巻鉄芯50において巻き中心側から巻き外周側にまで複数存在するので、複数の溝なし部21を設けた巻鉄芯50は、溝なし部21を設けていない巻鉄芯と比べると巻鉄芯としての剛性が高くなり、緻密な構造となる。
前記ブリッジとなる緻密な部分においては、巻き付けた内外層の方向性電磁鋼板10どうしを面接触させることができ、この面接触部分を複数存在させることで巻鉄芯50の剛性向上に寄与する。
また、ブリッジとなる溝なし部21を設けることで方向性電磁鋼板10が通電時に振動した場合に振動の共振点が発生し難くなるので、巻鉄芯50を従来構造よりも低騒音化できる特徴を有する。溝なし部21を設ける位置は、方向性電磁鋼板10の板幅方向の板幅端以外であれば、いずれの位置に設けても良いが、上述の(2)式の関係を満足させる位置に設けることが好ましい。溝なし部21の幅を規定する溝加工比率は、上述の(1)式の関係を満足させることが好ましい。
溝加工比率(%)は、鉄損改善率(%)と騒音低減率(%)に関連する。
巻鉄芯を交流駆動(例えば50Hz)して最大磁束密度(例えば1.7T)で磁化した場合、方向性電磁鋼板1kgあたりの電気エネルギー損失をW17/50(W/kg)と表記することができる。
W17/50(W/kg)=トランス鉄損(W)/トランス重量(kg)
この巻鉄芯において、巻トランス鉄損は、巻鉄芯に一次素線(励磁巻線)および二次巻線(サーチコイル)をそれぞれ巻き付けて、電力計により測定することができる。
溝なしの方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯(加工比率0%)のトランス鉄損(W)と、測定対象とする所定の加工比率の溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯(加工比率100%)のトランス鉄損(Wi)を対比し、{(W−Wi)/W}×100(%)の関係式から、当該所定の加工比率の溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯の鉄損改善率(η)を求めることができる。
ここで、溝を全幅に有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯のトランス鉄損を(Wg)とすると、その鉄損改善率は、上記式から、(η)={(W−Wg)/W}×100(%)により求められ、後述する実施例に示すように16.6%などの値となる。そのため、後述する実施例によると、所定の加工比率の溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯の鉄損改善率は、15%以上を備えることが望ましいと考えられる。
溝加工比率(%)については、加工比率の値が向上するにつれて、鉄損改善率が徐々に上昇するが85%以上で鉄損改善率として15%以上を確保できる。
騒音低減率(%)は、巻鉄芯を交流(例えば50Hz)で最大磁束密度(例えば1.7T)で磁化した際の騒音として、全幅に溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯との比較から求めることができる。
全幅に溝を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(N)と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(Ni)を比較し、{(N−Ni)/N}×100(%)の関係式から騒音低減率(%)を求めることができる。
この関係式から求められる騒音低減率(%)として、5%以上が望ましいと考えられる。騒音低減率(%)については、加工比率の値が向上するにつれて、低下するが加工比率が85%〜95%の範囲であれば、5〜13%程度の騒音低減率を確保できる。
このため、前述の(1)式を満足することが好ましい。
溝なし部21の板幅方向中央位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100の関係式で表される値が40%を超えると騒音低減率が徐々に低下する。騒音低減率として3%以上を確保するためには、上述の関係式に関し、0〜75%(0%以上75%以下)の範囲(加工比率90%の場合)とすることが好ましく、騒音低減率6%以上を確保するためには、0〜70%(0%以上70%以下)の範囲(加工比率85%の範囲)とすることがより好ましい。
図3に示す方向性電磁鋼板10において、溝なし部21の板幅方向中心位置は板幅方向中央であるので、(2)式の値は0%であるが、溝なし部21の板幅方向中央位置は、図5に示す構成のように(2)式の値が75%の構成であっても良い。
なお、参考のために、図6に溝なし部の板幅方向中央位置に関し、(2)式の値が90%の場合を例示し、図7に溝なし部がなく、全幅に溝を設けた場合に相当する例を示しておく。
また、溝なし部21を設ける位置は、方向性電磁鋼板10の板幅方向の板幅端以外であれば、いずれの位置に設けても良い。例えば、溝なし部21の板幅方向形成位置は、図3に示すように方向性電磁鋼板10の板長方向に均一に揃って形成されていても良いし、板長方向の位置毎に溝なし部21の板幅方向中央位置が位置ずれするように形成されていても良い。
従って、例えば、溝なし部21の板幅方向中央位置は、方向性電磁鋼板10の板長方向に千鳥状に形成されていても良いし、溝なし部21の板幅方向中央位置は、板長方向の位置毎に板幅方向に板幅端部を除くランダムな位置に形成されていても良い。
ここで、比較例として、図16、図17に示すように溝120が、巻鉄芯に使われる板幅の全幅に亘って形成された方向性電磁鋼板110、及び、この方向性電磁鋼板110を巻回して形成した巻鉄芯150を例に挙げて、方向性電磁鋼板について説明する。
方向性電磁鋼板の曲げ加工においては、通常、鋼板が圧延方向に曲げられる。
巻鉄芯150においては、方向性電磁鋼板110が内周側から外周側に巻回され、方向性電磁鋼板110が巻層毎に積層されているが、方向性電磁鋼板110の全幅に渡るように溝120が形成されていると、巻鉄芯150の積層構造の内部に複数の空隙が存在することとなる。図16は略図のため、巻鉄芯150の最外層表面に存在する溝120のみを描いているが、巻鉄芯150を構成する方向性電磁鋼板110の全長に渡り間欠的に溝120を形成しているので、溝120による空隙は巻鉄芯150の内層側から外層側に複数存在する。
巻鉄芯150においてその内層側から外層側にかけて複数の空隙が存在すると、巻鉄芯全体の剛性が低下するため、交流通電により方向性電磁鋼板110が伸縮した場合、巻鉄芯150から騒音が発生し易くなる。また、空隙が複数存在すると巻回構造の巻鉄芯150において遊びの部分が多く存在するので、滑り等に起因して巻鉄芯150から騒音が発生し易くなる。
図16、図17に示す構造に対し、図2〜図4に示すように溝部20A、20Bに隣接させて溝なし部21を備えた方向性電磁鋼板10からなる巻鉄芯50であるならば、前述したように巻鉄芯50の剛性を向上させているので、低騒音化した巻鉄芯50を提供できる。また、溝なし部21は上層の方向性電磁鋼板10と内層の方向性電磁鋼板10を密に繋ぐブリッジとなるため、図16、図17に示す従来構造の巻鉄芯150より低騒音化した巻鉄芯50を提供できる。
<巻鉄芯の製造方法の流れ>
図8を参照しながら、本実施形態に係る巻鉄芯50の製造方法の流れについて説明する。
巻鉄芯50の製造工程は、図8に示すように、鋳造工程S2と、熱間圧延工程S4と、焼鈍工程S6と、冷間圧延工程S8と、脱炭焼鈍工程S10と、焼鈍分離剤塗布工程S12と、最終仕上げ焼鈍工程S14と、絶縁被膜形成工程S16と、板幅方向鉄損測定工程S18と、レーザー加工工程S20と、再絶縁被膜形成工程S22と、鋼板巻回工程S30とを含む。
鋳造工程S2では、所定の組成に調整された溶鋼を連続鋳造機等に供給して、鋳塊を連続的に形成する。熱間圧延工程S4では、鋳塊を所定温度(例えば1150〜1400℃)に加熱して熱間圧延を行う。これにより、所定厚さ(例えば厚さ1.8〜3.5mm)の熱間圧延材が形成される。
焼鈍工程S6では、熱間圧延材に対して、例えば、加熱温度750〜1200℃、加熱時間30秒〜10分の条件で熱処理を行う。冷間圧延工程S8では、熱間圧延材の表面を酸洗した後に、冷間圧延を行う。これにより、所定厚さ(例えば、厚さ0.15〜0.35mm)の冷間圧延材が形成される。
脱炭焼鈍工程S10では、冷間圧延材に対し、例えば、加熱温度700〜900℃、加熱時間1〜3分の条件で熱処理を行い、鋼板本体12を形成する。鋼板本体12の表面には、シリカ(SiO)を主体とする酸化物層が形成される。焼鈍分離剤塗布工程S12では、鋼板本体12の酸化物層の上に、マグネシア(MgO)を主体とする焼鈍分離剤を塗布する。
最終仕上げ焼鈍工程S14では、焼鈍分離剤が塗布された鋼板本体12を例えばコイル状に巻き取った状態で、バッチ式炉内に挿入して熱処理を行う。熱処理条件は、例えば、加熱温度1100〜1300℃、加熱時間20〜24時間である。この際、鋼板本体12の圧延方向と磁化容易軸とが一致した、いわゆるゴス粒が優先的に結晶成長する。この結果、仕上げ焼鈍の後に結晶方位性(結晶配向性)が高い方向性電磁鋼板10が得られることとなる。また、最終仕上げ焼鈍工程S14により、酸化物層と焼鈍分離剤が反応し、鋼板本体12の表面にフォルステライト(MgSiO)からなるグラス被膜14が形成される。
絶縁被膜形成工程S16では、コイル状に巻き取られた鋼板本体12を巻き解して板状に伸ばして搬送する。そして、鋼板本体12の両面に形成されたグラス被膜14の上に絶縁剤を塗布、焼付けを行い、絶縁被膜16を形成する。絶縁被膜16が形成された鋼板本体12は、コイル状に巻き取られる。
板幅方向鉄損測定工程S18では、例えば、後述するレーザー加工工程S20で溝20が板幅方向に間隔を空けて断続的に形成される場合において、所定の間隔で分けられた領域毎の鉄損の値を前もって測定する。板幅方向鉄損測定工程S18で鉄損を測定しておくことで、続くレーザー加工工程S20において、先の測定結果に基づき、所定間隔で分けられた領域毎のレーザー加工の条件を変えることができる。
なお、板幅方向鉄損測定工程S18は必須ではなく、特に、方向性電磁鋼板10が得られる最終仕上げ焼鈍工程S14より前に、レーザー加工工程を行う場合(後述する図9(A)、図9(B)の場合)等には、板幅方向鉄損測定工程S18を省略できる。
レーザー加工工程S20では、コイル状に巻き取られた鋼板本体12を巻き解して板状に伸ばして水平搬送する。そして、後述するレーザー照射装置によって、鋼板本体12の片面に向けてレーザービームを集光・照射し、圧延方向に搬送される方向性電磁鋼板10の圧延方向と交差する交差方向、例えば90°交差方向にレーザービームを走査する。
これにより、鋼板本体12の表面に、交差方向に溝なし部21を介して延在する溝20が、前記圧延方向(鋼板10の長さ方向)に所定間隔で複数形成される。なお、レーザービームの集光・照射は、鋼板本体12の表面及び裏面の両方から行ってもよい。このレーザー加工工程S20は、溝加工工程の一例である。
再絶縁被膜形成工程S22では、溝20が形成された鋼板本体12に対して、絶縁被膜形成工程S16と同様に絶縁被膜16を形成する。すなわち、2回目の絶縁被膜16を形成する。前記の一連の工程により、前記圧延方向と交差する方向に延在する溝20が、鋼板本体12(地鉄)の表面に圧延方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板10が製造される。
このように、本実施形態では、鋼板本体12の表面にグラス被膜14及び絶縁被膜16を形成し、レーザー照射によって磁区制御された方向性電磁鋼板10を製造する。すなわち、上述した工程S2〜S22が、方向性電磁鋼板10の製造工程となる。
鋼板巻回工程S30では、まず、溝20が形成された方向性電磁鋼板10を圧延方向に所定長さだけカットし、複数枚準備する。そして、複数枚の方向性電磁鋼板10を重ねた状態で巻回することで、図2に示す巻鉄芯50が製造される。すなわち、上述した工程S2〜S22に、鋼板巻回工程S30を加えた工程が、巻鉄芯50の製造工程となる。
なお、以上の説明では、レーザー加工工程S20を絶縁被膜形成工程S16の後に行うこととしたが、この順序に限定されず、レーザー加工工程S20を絶縁被膜形成工程S16よりも前に行ってもよい。
例えば、方向性電磁鋼板10の製造工程において、図9(A)に示すように、冷間圧延工程S8の後に、レーザー加工工程S20を行ってもよい。この場合、図9(A)に示すように、レーザー加工工程S20の後に絶縁被膜形成工程S16を行なうので、図8に示す再絶縁被膜形成工程S22が不要となり、方向性電磁鋼板10の製造工程(結果的に、巻鉄芯50の製造工程も)を短縮できる。
また、図9(B)に示すように、脱炭焼鈍工程S10の後に、レーザー加工工程S20を行ってもよい。さらに、図9(C)に示すように、最終仕上げ焼鈍工程S14の後に、レーザー加工工程S20を行ってもよい。これらの場合においても、レーザー加工工程S20の後に絶縁被膜形成工程S16が行われるので、図8に示す再絶縁被膜形成工程S22が不要となり、方向性電磁鋼板10の製造工程(結果的に、巻鉄芯50の製造工程も)を短縮できる。
<レーザー加工装置の構成>
図10を参照しながら、方向性電磁鋼板10にレーザービームを照射して溝20を形成するレーザー加工装置100の構成の一例について説明する。この例のレーザー加工装置100は、圧延方向に一定速度で水平搬送される方向性電磁鋼板10の絶縁被膜の上から圧延方向と交差する交差方向(例えば90°交差方向)にレーザービームを照射し、その交差方向に延在する溝部20A、20Bを形成し、レーザービームを照射しない部分を溝なし部21とする。
レーザー加工装置100は、レーザー発振器102と、伝送ファイバ104と、レーザー照射装置106とを、それぞれ複数有する。この複数のレーザー発振器102、複数の伝送ファイバ104、複数のレーザー照射装置106の各構成はいずれも同様である。
図10に示す形態では、1つの方向性電磁鋼板10を水平搬送しながらレーザー加工した後、3本の仮想線Lに沿って切断し、4本の方向性電磁鋼板10Aを得る場合に適用するレーザー加工装置100を描いている。
レーザー加工装置100においては、1つの方向性電磁鋼板10Aに相当する幅に対し、2基、隣接させて対となるようにレーザー照射装置106が設置されている。また、これら2基のレーザー照射装置106、106の組は、互いの位置の干渉を避けるために、方向性電磁鋼板10の上方空間に、方向性電磁鋼板10の板幅方向に位置ずれするように設置されている。
レーザー発振器102は、例えば高出力のレーザービームを出射することができる。伝送ファイバ104は、レーザー発振器102から出射されたレーザービームをレーザー照射装置106まで伝送する光ファイバである。
レーザー発振器102の種類としては、微小集光特性に優れ、狭い溝を形成できる観点等から、ファイバレーザーまたはディスクレーザーが好ましい。ファイバレーザーまたはディスクレーザーは、波長が近紫外域から近赤外域(例えば1μm帯)にあるため、レーザービームを光ファイバにより高効率で伝送が可能であり、レーザービームを光ファイバで伝送することで比較的コンパクトなレーザー加工装置100を実現できる。また、レーザー発振器102は連続波レーザーでもパルスレーザーでもよい。
レーザー照射装置106は、レーザー発振器102から伝送ファイバ104により伝送されたレーザービームを方向性電磁鋼板10に集光・走査させる。ここで、レーザービームの集光形状は、例えばレーザー照射に伴う溶融物の発生を抑制する観点等から、楕円形状が好ましい。
なお、図10の説明では、方向性電磁鋼板10上のレーザービームの集光形状が楕円形状であることとしたが、これに限定されない。例えば、レーザービームの集光形状が、真円形状であってもよい。
また、上述の説明では、レーザー発振器102がファイバレーザーまたはディスクレーザーであることとしたが、これらに限定されない。例えば、レーザー発振器102が、COレーザーであってもよい。
溝20が溝なし部21を介し形成された方向性電磁鋼板10は、巻きトランスの鉄芯(巻鉄芯)として利用される。方向性電磁鋼板は元々巻鉄芯のサイズに応じた板幅で製造されるか、または、溝形成後に適宜巻鉄芯のサイズに応じた板幅に切り分けられる。そして、巻鉄芯の製造時に、巻鉄芯に好適な板幅となった方向性電磁鋼板の曲げ加工が行なわれる。
図10では、一例として、方向性電磁鋼板10の製造後に3本の仮想線Lに沿って方向性電磁鋼板10を板幅方向に4つに切断する場合を示したが、方向性電磁鋼板10を切断する数は任意で良く、後に図14を基に説明する変形例のように切断しない場合を想定しても良い。
<変形例>
前記実施形態では、図10に示すように、方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することに対応させ、方向性電磁鋼板10に複数列の溝20を形成した。しかしながら、図14に示すように、方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することなく一枚の鋼板として巻鉄芯に使用する場合は、方向性電磁鋼板10に対し溝20を板幅方向に一列のみ形成してもよい。
図14に示す変形例において、方向性電磁鋼板10の板幅方向中央部に溝なし部21を設け、その両側に位置するように溝20を設けることができる。
また、前記実施形態では、溝加工工程において、レーザー加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成したが、例えば、エッチング加工や電子ビーム加工などのレーザー加工以外の除去加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成してもよい。
また、溝加工工程では、転写加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成してもよい。例えば、図15に示す変形例では、転写加工の一例として、歯型ロール30と押付ロール40を用いて方向性電磁鋼板10を板厚方向の両側から挟み込み、歯型ロール30の歯部32を方向性電磁鋼板10の表面に押し付けることにより、方向性電磁鋼板10に溝なし部21を挟むように溝部20A、20Bを形成している。
本変形例では、歯型ロール30の軸長を方向性電磁鋼板10の板幅方向の長さと同等に形成し、歯型ロール30の周面軸長方向中央部(ロール周面の幅方向中央部)に所定幅の歯なし部33を設け、ロールの軸長に沿うように歯なし部33の両側に歯部32を設けた構造を採用できる。この構造の歯型ロール30により、方向性電磁鋼板10の板幅方向中央部となる領域に溝なし部21を形成し、その両側に溝部20A、20Bを形成できる。
なお、歯型ロール30の軸長を方向性電磁鋼板10の板幅方向の長さより長くするとともに、歯部32の長さ方向の両端部を低く設定したロール形状とし、歯型ロール30の歯部32を方向性電磁鋼板10の表面に押し付けることにより、溝なし部21と溝部20A、20Bを形成してもよい。
また、図10、図11に示すように、仮想線Lに沿って方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断する場合、歯部32を歯型ロール30の軸方向に断続的に複数形成することにより、溝20を板幅方向に間隔を空けて断続的に形成してもよい。
歯型ロール30を前述のように構成しても、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、図3に示す構成の方向性電磁鋼板10Aを複数得ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれまで説明した実施形態に限定されない。
本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例を採用できることは明らかであり、これらの例についても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと解釈できる。
本実施例に係る方向性電磁鋼板を以下に記載の条件の基、製造した。
まず、方向性電磁鋼板を製造するための材料(出発材料)として、Si;3.0質量%、C;0.05質量%、Mn;0.1質量%、酸可溶性Al;0.02質量%、N;0.01質量%、S;0.01質量%、残部がFe及び不純物、といった組成のスラブを準備した。このスラブに対して、1280℃で熱間圧延を実施し、厚さ2.3mmの熱間圧延材を製出した。
次に、熱間圧延材に対して、1000℃×1分の条件で熱処理を行った。熱処理後に酸洗処理を施した上で冷間圧延を実施し、厚さ0.23mmの冷間圧延材を製出した。この冷間圧延材に対して、800℃×2分の条件で脱炭焼鈍を実施した。次に、脱炭焼鈍後の冷間圧延材の両面に、マグネシアを主成分とする焼鈍分離材を塗布した。
そして、焼鈍分離材を塗布した冷間圧延材をコイル状に巻き取った状態で、バッチ式炉に装入し、1200℃×20時間の条件で仕上げ焼鈍を実施した。これにより、表面にグラス被膜14が形成された鋼板地鉄(鋼板本体12)を製造した。次に、グラス被膜14の上に、リン酸アルミニウムからなる絶縁材を塗布、焼き付け(850℃×1分)し、1回目の絶縁被膜16を形成した。
次に、グラス被膜14及び絶縁被膜16が形成された鋼板本体12に対して、レーザービームを照射し、鋼板本体12の表面に溝なし部21を伴う溝20を形成した。
ここで、本実施例では、図10に示す構成のレーザー照射装置106を2基、隣接させて対となるように揃えたレーザー加工装置を用い、図3、図4に示すような、溝なし部21と溝20を板幅方向に隣接形成した方向性電磁鋼板10を製造した。
照射条件としては、レーザービーム強度を1000W、ビーム走査速度を30m/s、照射ピッチを5mmとした。また、レーザービームの形状は楕円形状であり、ビーム径の圧延方向は0.1mmであり、ビーム径の走査方向は0.3mmである。かかる照射条件により、幅が50μmで、深さが20μmの溝を形成できた。
次に、溝20が形成された鋼板本体12に対して、2回目の絶縁被膜16を形成した。これにより、図3、図4に示す方向性電磁鋼板10と同等構成の方向性電磁鋼板を製造した。
レーザービームを照射して溝を形成し、方向性電磁鋼板を作製する場合、先に説明した(1)式で示される溝加工率を0%、60%、70%、80%、90%、100%とし、溝なし部を板幅方向中央に配置したそれぞれの方向性電磁鋼板試料を作製した。
また、先に説明した(2)式「{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100」で示される溝なし部の板幅方向中央位置を、0%、20%、40%、60%、70%、75%、80%、90%のいずれかに設定してそれぞれの方向性電磁鋼板試料を作製した。
本実施例では、溝なし部の位置や幅を試料によって適宜変更する必要があるため、方向性電磁鋼板の上方に方向性電磁鋼板の板幅方向に延在する支持レールを設け、該支持レールに沿ってレーザー照射装置を移動自在に取り付け、レーザー照射装置から照射するレーザービームの照射位置と範囲を調節できるように構成した。
作製したそれぞれの方向性電磁鋼板を用いて巻鉄芯試料を試作した。巻鉄芯は図2に示す各サイズ、A=270mm、B=200mm、C=100mm、積層厚60mm、a=150mm、b=70mm、重量34kgとした。
作製した各巻鉄芯試料に対し、溝の加工比率(%)と鉄損改善率(%)の相関関係を求めるとともに、加工比率(%)と騒音低減率(%)の相関関係を求めた。
「鉄損改善率の定義」
巻鉄芯を交流駆動(50Hz)して最大磁束密度(1.7T)で磁化した場合、方向性電磁鋼板1kgあたりの電気エネルギー損失をW17/50(W/kg)と表記することができる。
W17/50(W/kg)=トランス鉄損(W)/トランス重量(kg)
この巻鉄芯において、巻トランス鉄損は、巻鉄芯に一次素線(励磁巻線)および二次巻線(サーチコイル)をそれぞれ巻き付けて、電力計により測定した。
溝なしの方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯(加工比率0%)のトランス鉄損(W)と、測定対象とする所定の加工比率の溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯のトランス鉄損(Wi)とを対比し、{(W−Wi)/W}×100(%)の関係式から、鉄損改善率(η)を求めた。
溝なし(加工比率0%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス鉄損は30.6Wであり、W17/50=0.9(W/kg)=Wに設定した。
溝あり(加工比率100%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス鉄損(Wg)は25.5Wであり、W17/50=0.75(W/kg)=Wgに設定した。
鉄損改善率(η)={(W−Wg)/W}×100(%)として、溝加工比率100%の巻鉄芯の鉄損改善率は16.6%となった。
そのため、巻鉄芯を備えたトランスにおいては、鉄損改善率が重要であることから、上述のように求められる鉄損改善率が15%以上必要と判断した。
それぞれの加工比率で作製した巻鉄芯について上述の例と同様の測定法により鉄損改善率を求めた結果を図12に示す。なお、図12において、加工比率85%の巻鉄芯はトランス鉄損26.0Wであり、W17/50=0.765(W/kg)である。
「騒音低減率の定義」
騒音低減率(%)は、巻鉄芯を交流(50Hz)で最大磁束密度(1.7T)で磁化した際の騒音として、全幅に溝を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板を巻回して構成した巻鉄芯との騒音の比較から求めた。
全幅に溝を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(N)と、溝なし部を有する方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯におけるトランス騒音(Ni)を比較し、{(N−Ni)/N}×100(%)の関係式から騒音低減率(%)を求めた。騒音低減率は、全幅に溝を有する巻鉄芯を基準として、それぞれの溝なし位置の試料の値を求めた。
全幅に溝を有する(加工比率100%)方向性電磁鋼板からなる試料のトランス騒音は、N=50dBAとなった。
溝なし(加工比率0%)の方向性電磁鋼板からなる試料のトランス騒音は、N=35dBAとなった。
{(N−Ni)/N}×100(%)の関係式から騒音低減率(%)を求めることができる。
それぞれの加工比率で作製した巻鉄芯について上述の例と同様の手法により騒音低減率を求めた結果を図12に併せて示す。なお、図12に示す試料において、全幅に溝がない(加工比率0%)試料の騒音低減率は30.0%となった。
図12に示す結果から、トランスにおいて重要な鉄損改善率を重要視し、15%以上必要と判断し、騒音低減率については、5%以上必要と判断すると、加工比率は85%以上、95%以下の範囲が望ましいと判断できる。
また、図12に示す結果から、鉄損改善率をより重要視して鉄損改善率が低下しない範囲を採用すると、加工比率90%以上95%以下の範囲がより好ましい。
次に、溝なし部の板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端(鋼板エッジ部端)をC/2とする座標軸を定義した場合、溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上のいずれの位置にある場合に良好な騒音低減率を得られるか試験した。
{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100の値が、0%、20%、40%、60%、70%、75%、80%、85%、90%のそれぞれの値になるように、溝なし部の板幅方向中央位置を規定して得た方向性電磁鋼板からなる巻鉄芯を試作して試料を作製した。各試料は、加工比率90%の場合の試料と加工比率85%の場合の試料を用いて溝なし部の位置を変更し、試作した。
図13に{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100の値と騒音低減率との相関関係を示した。なお、板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離は、板幅中央部から板幅方向に存在する2つの板幅端のどちらに座標をとるかによって正負の関係が生じるので、正の値になることを意図し、図13では、|溝なし中央位置|/(C/2)と表記している。
図13に示す結果から、溝なし部の板幅方向中央位置は、板幅中央から板幅端(鋼板エッジ部端)に向かって0%以上75%の範囲であれば、いずれの加工比率においても3%以上確保することができ、0%以上70%の範囲であれば、いずれの加工比率においても6%以上確保することができると分かった。
このため、{(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離)/(C/2)}×100の値は、0%以上75%以下の範囲が好ましく、0%以上70%以下の範囲がより好ましいと判断できる。
C…板幅、D…溝なし部の幅、10…方向性電磁鋼板、12…鋼板本体(地鉄)、14…グラス被膜、16…絶縁被膜、20…溝、20A…第1の溝部、20B…第2の溝部、21…溝なし部、30…歯型ロール、32…歯型、33…歯なし部、50…巻鉄芯、52…コーナ部、100…レーザー加工装置、102…レーザー発振器、104…電送ファイバ、106…レーザー照射装置、L…仮想線、10A…方向性電磁鋼板。

Claims (13)

  1. 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板であって、
    巻鉄芯巻回用の板幅を有し、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部が形成され、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝が形成された方向性電磁鋼板。
  2. 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にある請求項1に記載の方向性電磁鋼板。
    85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
    {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
  3. {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である請求項2に記載の方向性電磁鋼板。
  4. 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回した巻鉄芯であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの領域に溝なし部を設け、前記板幅方向において前記溝なし部を除いた領域に前記溝を設けた方向性電磁鋼板を巻回した巻鉄芯。
  5. 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置にある方向性電磁鋼板が巻回された請求項4に記載の巻鉄芯。
    85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
    {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
  6. {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦50%である方向性電磁鋼板が巻回された請求項5に記載の巻鉄芯。
  7. 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    巻鉄芯巻回用の板幅となった際に、当該板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設けるように前記溝を前記板幅方向に形成することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する位置に形成することを特徴とする請求項7に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
    85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
    {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
  9. 前記溝をレーザー加工により形成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  10. 長さ方向に沿って鋼板を搬送する途中に、前記板幅方向に沿って板面から離間して設置した複数のレーザー装置からレーザー光を照射し、板幅方向に前記溝なし部と前記溝を形成する処理を前記板長方向に繰り返し、前記板長方向に所定の間隔で複数の溝を形成することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  11. 板幅方向に延在する溝が板長方向に所定間隔で複数形成された方向性電磁鋼板を巻回して構成される巻鉄芯の製造方法であって、前記板幅方向の板幅端を除く、いずれかの部分に溝なし部を設け、残りの部分に前記溝を形成した方向性電磁鋼板を巻回することを特徴とする巻鉄芯の製造方法。
  12. 前記板幅をC(mm)、前記板幅方向に沿う前記溝なし部の幅をD(mm)と定義した場合、溝加工比率「{(C−D)/C}×100:(%)」が以下の(1)式の関係を満足するとともに、前記溝なし部の前記板幅方向位置に関し、板幅中央を0、板幅端をC/2とする座標軸を定義した場合、前記溝なし部の板幅方向中央位置が前記座標軸上であり、以下の(2)式を関係を満足する方向性電磁鋼板を巻回することを特徴とする請求項11に記載の巻鉄芯の製造方法。
    85%≦溝加工比率≦95% …(1)式
    {(板幅中央から溝なし部の板幅方向中央位置までの座標軸上の距離:mm)/(C/2)}×100≦75% …(2)式
  13. 前記溝をレーザー加工により形成することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の巻鉄芯の製造方法。
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