JP7027923B2 - 方向性電磁鋼板、巻鉄芯、方向性電磁鋼板の製造方法、及び、巻鉄芯の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板、巻鉄芯、方向性電磁鋼板の製造方法、及び、巻鉄芯の製造方法 Download PDF

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本発明は、板幅方向に延びる溝が板長方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板、及び、この方向性電磁鋼板を巻回して形成された巻鉄芯に関する。また、本発明は、方向性電磁鋼板に板幅方向に延びる溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法、及び、その方向性電磁鋼板を巻回して形成する鋼板巻回工程を含む巻鉄芯の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板は、比較的小さな磁化力において磁化する際のエネルギー損失(鉄損)が低いため、例えば変圧器(トランス)の巻鉄芯を製造する際に用いられている。このような巻鉄芯に用いられる方向性電磁鋼板は、鉄損を低減することが求められる。かかる鉄損を改善する方策としては、方向性電磁鋼板に溝を形成する方法が採用されている(例えば、特許文献1~6参照)。従来、この溝は、方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されている。
特公昭62-54873号公報 特公昭62-53579号公報 特開平6-57335号公報 特開2003-129135号公報 特許5234222号公報 特開平6-299244号公報
しかしながら、溝が方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されていると、巻鉄芯の製造時において方向性電磁鋼板の曲げ加工を行う際に、巻鉄芯のコーナ部における溝が形成されたエッジ部の曲げ強度が不足し、このエッジ部の溝を起点にして方向性電磁鋼板が割れる虞がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る方向性電磁鋼板は、板幅方向に延びる溝が板長方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板であって、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝が形成されていなことを特徴とする。
この方向性電磁鋼板によれば、板幅方向両端側のエッジ部には、溝が形成されていな。したがって、溝が方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されることによりエッジ部に溝が形成される場合に比して、エッジ部の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第二態様に係る巻鉄芯は、板幅方向に延びる溝が板長方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板を巻回して形成される巻鉄芯であって、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝が形成されていなことを特徴とする。
この巻鉄芯によれば、この巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向両端側のエッジ部には、溝が形成されていな。したがって、溝が方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されることによりエッジ部に溝が形成される場合に比して、エッジ部の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第三態様に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、方向性電磁鋼板に板幅方向に延びる溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法であって、前記溝加工工程において、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝を形成しなことを特徴とする。
この方向性電磁鋼板の製造方法によれば、溝加工工程において、方向性電磁鋼板の板幅方向両端側のエッジ部に、溝を形成しな。したがって、溝が方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されることによりエッジ部に溝が形成される場合に比して、エッジ部の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第四態様に係る巻鉄芯の製造方法は、方向性電磁鋼板に板幅方向に延びる溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を経て製造された方向性電磁鋼板を巻回して巻鉄芯を形成する鋼板巻回工程を含む巻鉄芯の製造方法であって、前記溝加工工程において、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝を形成しなことを特徴とする。
この巻鉄芯の製造方法によれば、この巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板の製造時の溝加工工程において、方向性電磁鋼板の板幅方向両端側のエッジ部に、溝を形成しな。したがって、溝が方向性電磁鋼板の全幅に亘って形成されることによりエッジ部に溝が形成される場合に比して、エッジ部の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、巻鉄芯の製造時に方向性電磁鋼板が割れることを抑制することができる。
本実施形態に係る方向性電磁鋼板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る巻鉄芯の構成の一例を示す斜視図である。 図2の巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板を展開した状態の一例を示す平面図である。 図3のF4-F4線断面図である。 本実施形態に係る巻鉄芯の製造工程の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造工程について図5と異なる例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るレーザ加工装置の構成の一例を示す斜視図である。 図7のレーザ加工装置で溝が形成された方向性電磁鋼板の一例を示す平面図である。 本実施例に係る方向性電磁鋼板についてレーザビームの未照射比率と繰返し曲げ平均回数との関係の一例を示すグラフである。 本実施例に係る方向性電磁鋼板についてレーザビームの未照射比率と鉄損改善率との関係の一例を示すグラフである。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として方向性電磁鋼板に溝を一列のみ形成する一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として方向性電磁鋼板の板幅方向両端側のエッジ部となる領域に浅溝を形成する一例を示す斜視図である。 図12の製造方法によって製造された方向性電磁鋼板の一例を示す平面図である。 図13のF14-F14線断面図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として方向性電磁鋼板の板幅方向両端側のエッジ部となる領域及びそのエッジ部となる領域の間に浅溝をそれぞれ形成する一例を示す斜視図である。 図15の製造方法によって製造された方向性電磁鋼板の一例を示す平面図である。 本実施形態に係る方向性電磁鋼板の製造方法の変形例として歯型ロールによって方向性電磁鋼板に溝を形成する一例を示す斜視図である。 比較例に係る巻鉄芯の構成の一例を示す斜視図である。 図18の巻鉄芯を構成する方向性電磁鋼板を展開した状態の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。以下の実施形態において、浅溝を形成する例は、本発明の参考例である。
<方向性電磁鋼板の概要>
方向性電磁鋼板は、鋼板の結晶粒の磁化容易軸(体心立方晶の<100>方向)が製造工程における圧延方向に略揃っている電磁鋼板である。方向性電磁鋼板は、圧延方向に磁化が向いた磁区を、磁壁を挟んで複数配列した構造を有する。このような方向性電磁鋼板は圧延方向に磁化しやすいため、磁力線の方向がほぼ一定に流れるトランスの鉄芯材料として適している。
トランスは、通常、積みトランスと巻きトランスとに大別される。本実施形態に係る方向性電磁鋼板は、鋼板に巻き変形を加えながらトランスの形状に組み上げる巻きトランスの鉄芯材料として利用される。
図1に示すように、本実施形態に係る方向性電磁鋼板10は、鋼板本体(地鉄)12と、鋼板本体12の両面に形成されたグラス被膜14と、グラス被膜14上に形成された絶縁被膜16と、を有する。
鋼板本体12は、Siを含有する鉄合金で構成されている。鋼板本体12の組成は、一例として、Si;2.5質量%以上4.0質量%以下、C;0.02質量%以上0.10質量%以下、Mn;0.05質量%以上0.20質量%以下、酸可溶性Al;0.020質量%以上0.040質量%以下、N;0.002質量%以上0.012質量%以下、S;0.001質量%以上0.010質量%以下、P;0.01質量%以上0.04質量%以下、残部がFe及び不可避不純物である。鋼板本体12の厚さは、例えば0.15mm以上で、かつ0.35mm以下である。
グラス被膜14は、例えば、フォルステライト(Mg2SiO4)、スピネル(MgAl2O4)及びコージライト(Mg2Al4Si5O18)、といった複合酸化物によって構成されている。グラス被膜14の厚さは、例えば1μmである。
絶縁被膜16は、例えば、コロイド状シリカとリン酸塩(リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウムなど)を主体とするコーティング液やアルミナゾルとホウ酸を混合したコーティング液によって構成されている。
上述した構成の方向性電磁鋼板10は、複数枚重ねられた状態で巻回されて、図2に示す変圧器(トランス)の巻鉄芯50として用いられる。
図2に示すように、本実施形態に係る巻鉄芯50は、略直方体形状を成しており、中央側に空間が形成されている。巻鉄芯50の外周の横の長さはAであり、縦の長さはBであり、奥行きの長さはCである。また、巻鉄芯50の内周の横の長さはaであり、縦の長さはbであり、内周の奥行きは外周の奥行きと同じ長さである。巻鉄芯50は、四隅に製造時に曲げ加工されたコーナ部52を有する。コーナ部52は、例えばR形状となっている。
巻鉄芯50は、上述の通り方向性電磁鋼板10を巻回して形成したものであるため、展開されると図3に示すようになる。図3には、巻鉄芯50を構成する方向性電磁鋼板10の長さ方向の一部が示されている。なお、図2のX方向が図3の圧延方向に対応し、図2のY方向が図3の板幅方向に対応する。
図3、図4に示すように、方向性電磁鋼板10においては、鉄損を低減させるために、方向性電磁鋼板10の製造時の搬送方向(圧延方向)と交差する方向に延在する溝20が、鋼板本体(地鉄)12の表面に圧延方向(板長方向)に所定間隔で形成されている。詳細は後述するが、溝20は、例えば、レーザ加工装置によって地鉄の表面にレーザビームを照射することで形成される。
<巻鉄芯の製造方法の流れ>
図5を参照しながら、本実施形態に係る巻鉄芯50の製造方法の流れについて説明する。巻鉄芯50の製造工程は、図5に示すように、鋳造工程S2と、熱間圧延工程S4と、焼鈍工程S6と、冷間圧延工程S8と、脱炭焼鈍工程S10と、焼鈍分離剤塗布工程S12と、最終仕上げ焼鈍工程S14と、絶縁被膜形成工程S16と、板幅方向鉄損測定工程S18と、レーザ加工工程S20と、再絶縁被膜形成工程S22と、鋼板巻回工程S30とを含む。
鋳造工程S2では、所定の組成に調整された溶鋼を連続鋳造機に供給して、鋳塊を連続的に形成する。熱間圧延工程S4では、鋳塊を所定温度(例えば1150~1400℃)に加熱して熱間圧延を行う。これにより、所定厚さ(例えば1.8~3.5mm)の熱間圧延材が形成される。
焼鈍工程S6では、熱間圧延材に対して、例えば、加熱温度750~1200℃、加熱時間30秒~10分の条件で熱処理を行う。冷間圧延工程S8では、熱間圧延材の表面を酸洗した後に、冷間圧延を行う。これにより、所定厚さ(例えば、0.15~0.35mm)の冷間圧延材が形成される。
脱炭焼鈍工程S10では、冷間圧延材に対して、例えば、加熱温度700~900℃、加熱時間1~3分の条件で熱処理を行い、鋼板本体12を形成する。鋼板本体12の表面には、シリカ(SiO2)を主体とする酸化物層が形成される。焼鈍分離剤塗布工程S12では、鋼板本体12の酸化物層の上に、マグネシア(MgO)を主体とする焼鈍分離剤を塗布する。
最終仕上げ焼鈍工程S14では、焼鈍分離剤が塗布された鋼板本体12をコイル状に巻き取った状態で、バッチ式炉内に挿入して熱処理を行う。熱処理条件は、例えば、加熱温度1100~1300℃、加熱時間20~24時間である。この際、鋼板本体12の圧延方向と磁化容易軸とが一致した、いわゆるゴス粒が優先的に結晶成長する。この結果、仕上げ焼鈍の後に結晶方位性(結晶配向性)が高い方向性電磁鋼板10が得られることとなる。また、最終仕上げ焼鈍工程S14により、酸化物層と焼鈍分離剤が反応し、鋼板本体12の表面にフォルステライト(MgSiO)からなるグラス被膜14が形成される。
絶縁被膜形成工程S16では、コイル状に巻き取られた鋼板本体12を巻き解して板状に伸ばして搬送する。そして、鋼板本体12の両面に形成されたグラス被膜14の上に絶縁剤を塗布、焼付けを行い、絶縁被膜16を形成する。絶縁被膜16が形成された鋼板本体12は、コイル状に巻き取られる。板幅方向鉄損測定工程S18では、例えば、後述するレーザ加工工程S20で溝20が板幅方向に間隔を空けて断続的に形成される場合において、間隔で分けられた領域毎の鉄損の値を前もって測定する。板幅方向鉄損測定工程S18で鉄損を測定しておくことで、続くレーザ加工工程S20で、測定結果に基づいて、間隔で分けられた領域毎のレーザ加工の条件を変えることができる。なお、板幅方向鉄損測定工程S18は必須ではなく、特に、方向性電磁鋼板10が得られる最終仕上げ焼鈍工程S14より前に、レーザ加工工程を行う場合(後述する図6(A)、図6(B)の場合)等には、板幅方向鉄損測定工程S18を省略することができる。
レーザ加工工程S20では、コイル状に巻き取られた鋼板本体12を巻き解して板状に伸ばして搬送する。そして、後述するレーザ照射装置によって、鋼板本体12の片面に向けてレーザビームを集光・照射し、圧延方向に搬送される方向性電磁鋼板10の圧延方向と交差する交差方向に走査する。これにより、鋼板本体12の表面に、交差方向に延在する溝20が、上記圧延方向(鋼板10の長さ方向)に所定間隔で形成される。なお、レーザビームの集光・照射は、鋼板本体12の表面及び裏面の両方から行ってもよい。このレーザ加工工程S20は、溝加工工程の一例である。
再絶縁被膜形成工程S22では、溝20が形成された鋼板本体12に対して、絶縁被膜形成工程S16と同様に絶縁被膜16を形成する。すなわち、2回目の絶縁被膜16を形成する。上記の一連の工程により、上記圧延方向と交差する方向に延在する溝20が、鋼板本体12(地鉄)の表面に圧延方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板10が製造される。
このように、本実施形態では、鋼板本体12の表面にグラス被膜14及び絶縁被膜16が形成され、レーザ照射によって磁区制御された方向性電磁鋼板10が製造される。すなわち、上述した工程S2~S22が、方向性電磁鋼板10の製造工程となる。
鋼板巻回工程S30では、まず、溝20が形成された方向性電磁鋼板10を圧延方向に所定長さだけカットし、複数枚準備する。そして、複数枚の方向性電磁鋼板10を重ねた状態で巻回することで、図2に示す巻鉄芯50が製造される。すなわち、上述した工程S2~S22に、鋼板巻回工程S30を加えた工程が、巻鉄芯50の製造工程となる。
なお、上記では、レーザ加工工程S20が絶縁被膜形成工程S16の後に行われることとしたが、これに限定されず、レーザ加工工程S20が絶縁被膜形成工程S16よりも前に行われてもよい。例えば、方向性電磁鋼板10の製造工程において、図6(A)に示すように、冷間圧延工程S8の後に、レーザ加工工程S20が行われてもよい。かかる場合には、図6(A)に示すように、レーザ加工工程S20の後に絶縁被膜形成工程S16が行われるので、図5に示す再絶縁被膜形成工程S22が不要となり、方向性電磁鋼板10の製造工程(結果的に、巻鉄芯50の製造工程も)を短縮できる。
また、図6(B)に示すように、脱炭焼鈍工程S10の後に、レーザ加工工程S20が行われてもよい。さらに、図6(C)に示すように、最終仕上げ焼鈍工程S14の後に、レーザ加工工程S20が行われてもよい。かかる場合においても、レーザ加工工程S20の後に絶縁被膜形成工程S16が行われるので、図5に示す再絶縁被膜形成工程S22が不要となり、方向性電磁鋼板10の製造工程(結果的に、巻鉄芯50の製造工程も)を短縮できる。
<レーザ加工装置の構成>
図7を参照しながら、方向性電磁鋼板10にレーザビームを照射して溝20を形成するレーザ加工装置100の構成の一例について説明する。このレーザ加工装置100は、圧延方向に一定速度で搬送される方向性電磁鋼板10の絶縁被膜の上から圧延方向と交差する交差方向にレーザビームを照射して、その交差方向に延在する溝20を形成する。前述の交差方向は、方向性電磁鋼板10の板厚方向とも交差する方向である。
レーザ加工装置100は、レーザ発振器102と、伝送ファイバ104と、レーザ照射装置106とを、それぞれ複数有する。この複数のレーザ発振器102、伝送ファイバ104、レーザ照射装置106の各構成は同様である。
レーザ発振器102は、例えば高出力のレーザビームを出射する。伝送ファイバ104は、レーザ発振器102から出射されたレーザビームをレーザ照射装置106まで伝送する光ファイバである。
レーザ発振器102の種類としては、微小集光特性に優れ、狭い溝を形成できる観点等から、ファイバレーザ又はディスクレーザが好ましい。ファイバレーザ又はディスクレーザは、波長が近紫外域から近赤外域(例えば1μm帯)にあるためレーザビームを光ファイバによる伝送が可能であり、レーザビームを光ファイバで伝送することで比較的コンパクトなレーザ加工装置100を実現できる。また、レーザ発振器102は連続波レーザでもパルスレーザでもよい。
レーザ照射装置106は、レーザ発振器102から伝送ファイバ104により伝送されたレーザビームを方向性電磁鋼板10に集光・走査させる。ここで、レーザビームの集光形状は、例えばレーザ照射に伴う溶融物の発生を抑制する観点等から、楕円形状である。
なお、上記では、方向性電磁鋼板10上のレーザビームの集光形状が楕円形状であることとしたが、これに限定されない。例えば、レーザビームの集光形状が、真円形状であってもよい。
また、上記では、レーザ発振器102がファイバレーザ又はディスクレーザであることとしたが、これに限定されない。例えば、レーザ発振器102が、COレーザであってもよい。
<巻トランス製造時の鋼板の曲げ加工に伴う割れの発生>
溝が形成された方向性電磁鋼板は、巻きトランスの鉄芯(巻鉄芯)として利用される。方向性電磁鋼板は元々巻鉄芯のサイズに応じた板幅で製造されるか、又は、溝形成後に適宜巻鉄芯のサイズに応じた板幅に切り分けられる。そして、巻鉄芯の製造時に、巻鉄芯に好適な板幅となった方向性電磁鋼板の曲げ加工が行なわれる。かかる曲げ加工の際に、溝を起点にして方向性電磁鋼板が割れる虞がある。
ここで、比較例として、図18、図19に示すように溝120が、巻鉄芯に使われる板幅の全幅に亘って形成された方向性電磁鋼板110、及び、この方向性電磁鋼板110を巻回して形成した巻鉄芯150を例に挙げて、方向性電磁鋼板の割れについて説明する。方向性電磁鋼板の曲げ加工においては、通常、鋼板が圧延方向に曲げられる。図18では、巻鉄芯150のコーナ部152に溝120が一つのみ形成されているように示されているが、実際は複数の溝120が形成されることが多い。
図19に示す方向性電磁鋼板110を巻回して図18に示す巻鉄芯150を得る場合には、コーナ部152に応力が集中する。したがって、溝120が方向性電磁鋼板110の全幅に亘って形成されていると、巻鉄芯150の製造時において方向性電磁鋼板110の曲げ加工を行う際に、巻鉄芯150のコーナ部152における溝120が形成されたエッジ部となる領域124の曲げ強度が不足し、このエッジ部となる領域124の溝120を起点にして方向性電磁鋼板110が割れる虞がある。
特に、レーザ加工で溝120を形成する場合には、溶融再凝固層によって応力集中することと、溝幅と溝深さのアスペクト比の高い溝形状になることにより、エッジ部となる領域124の溝120を起点にして方向性電磁鋼板110が割れやすくなる。
<鋼板の割れを抑制する方策及びその効果>
上述した方向性電磁鋼板の割れを防止するために、本実施形態では、一例として、以下の方策を採用する。図7、図8には、一例として、方向性電磁鋼板10の製造後に板長方向に延びる複数の仮想線L(切断予定線)で方向性電磁鋼板10が板幅方向に複数に切断され、巻鉄芯に好適な板幅とする例が示されている。この例では、方向性電磁鋼板10の製造後に3本の仮想線Lの位置で切断され、方向性電磁鋼板10が板幅方向に4枚の短冊状の方向性電磁鋼板10Aに分離される。
このようにして切り出される複数の方向性電磁鋼板10Aの各々は、図3、図4の方向性電磁鋼板10に相当する。なお、方向性電磁鋼板10から切り出される方向性電磁鋼板10Aの枚数は4枚以外でもよい。
本実施形態では、一枚の方向性電磁鋼板10から切り出され、巻鉄芯に使われる板幅となった複数の方向性電磁鋼板10Aの各々において、板幅方向両端側のエッジ部となる領域24(図3、図4参照)には、溝20が形成されないようにする。溝20が形成されないようにするためには、例えば、図7に示す各レーザ照射装置106から照射されるレーザビームの走査方向の範囲を適宜調節するか、又は、エッジ部となる領域24の照射タイミングでレーザビームの出力をオフにするか、若しくは、マスキング材を用いてレーザビームを遮断すればよい。
そして、上述のようにすることにより、図7、図8に示す仮想線Lで切断される前の方向性電磁鋼板10においては、巻鉄芯に使われる板幅となった際にエッジ部となる領域24に溝20が形成されずに、このエッジ部となる領域24の間に、各レーザ照射装置106によって、溝20が板幅方向に間隔を空けて断続的に形成される。このとき、板幅方向に隣り合う溝20の間の中央部に仮想線Lが位置するように、溝20が板幅方向に間隔を空けて断続的に形成される。
このようにして方向性電磁鋼板10に溝20を形成すると、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線L(板幅方向に隣り合う溝20の間の溝20が形成されていない部位)で方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、一枚の方向性電磁鋼板10から複数の方向性電磁鋼板10Aを得ることができる。このようにして切り出された複数の方向性電磁鋼板10Aの各々は、上述の通り、図3、図4の方向性電磁鋼板10に相当する。
この図3、図4の方向性電磁鋼板10では、溝20が、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際の、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域24よりも板幅方向内側で終端しており、エッジ部となる領域24には溝20が形成されていない。したがって、溝20が方向性電磁鋼板10の全幅に亘って形成されないことにより、エッジ部となる領域24に溝20が形成される場合に比して、エッジ部となる領域24の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯50の製造時に方向性電磁鋼板10が割れることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、図8に示すように、板幅方向に隣り合う溝20が板長方向にずれているが、板幅方向に隣り合う溝20が板長方向の同じ位置に形成されてもよい。
<実施例>
上述した本実施形態に係る方向性電磁鋼板10の有効性を確認するための実施例について説明する。
本実施例に係る方向性電磁鋼板は、以下のように製造されている。
まず、Si;3.0質量%、C;0.05質量%、Mn;0.1質量%、酸可溶性Al;0.02質量%、N;0.01質量%、S;0.01質量%、P;0.02質量%、残部がFe及び不可避不純物、といった組成のスラブを準備した。このスラブに対して、1280℃で熱間圧延を実施し、厚さ2.3mmの熱間圧延材を製出した。
次に、熱間圧延材に対して、1000℃×1分の条件で熱処理を行った。熱処理後に酸洗処理を施した上で冷間圧延を実施し、厚さ0.23mmの冷間圧延材を製出した。この冷間圧延材に対して、800℃×2分の条件で脱炭焼鈍を実施した。次に、脱炭焼鈍後の冷間圧延材の両面に、マグネシアを主成分とする焼鈍分離材を塗布した。
そして、焼鈍分離材を塗布した冷間圧延材をコイル状に巻き取った状態で、バッチ式炉に装入し、1200℃×20時間の条件で仕上げ焼鈍を実施した。これにより、表面にグラス被膜14が形成された鋼板地鉄(鋼板本体12)を製出した。次に、グラス被膜14の上に、リン酸アルミニウムからなる絶縁材を塗布、焼き付け(850℃×1分)し、1回目の絶縁被膜16を形成した。
次に、グラス被膜14及び絶縁被膜16が形成された鋼板本体12に対して、レーザビームを照射し、鋼板本体12の表面に溝20を形成した。
ここで、本実施例では、図7に示すレーザ照射装置106を一つ用い、図3、図4に示すような、エッジ部となる領域24に溝20が形成されていない方向性電磁鋼板10を製造する。照射条件としては、レーザビーム強度を1000W、ビーム走査速度を30m/s、照射ピッチを3mmとした。また、レーザビームの形状は楕円形状であり、ビーム径の圧延方向は0.1mmであり、ビーム径の走査方向は0.3mmである。かかる照射条件により、幅が50μmで、深さが20μm、断面積785μmの溝が形成された。
次に、溝20が形成された鋼板本体12に対して、2回目の絶縁被膜16を形成した。これにより、図3、図4に示すような方向性電磁鋼板10が製造される。
本実施例では、レーザビームの未照射比率が異なる複数の方向性電磁鋼板10を製造した。レーザビームの未照射比率(未加工比率)は、方向性電磁鋼板10の全幅に対し、レーザビームを照射していないエッジ部となる領域24の板幅方向に沿った長さの割合に相当する。レーザビームの未照射比率(未加工比率)は、次式(1)で求められる。
レーザビームの未照射比率=(方向性電磁鋼板の全幅-溝の全長)/方向性電磁鋼板の全幅×100(%)・・・(1)
そして、上記要領で製造した複数の方向性電磁鋼板10を測定することで、図9、図10に示すような測定結果を得た。
図9は、本実施例に係る方向性電磁鋼板についてレーザビームの未照射比率と繰返し曲げ平均回数との関係の一例を示すグラフである。グラフの横軸は未照射比率を示し、グラフの縦軸は鋼板の繰り返し曲げ平均回数を示す。ここで、繰り返し曲げ平均回数とは、鋼板の曲げ試験を行った際に鋼板が割れずに繰り返して曲げを行える平均回数を意味する。曲げ試験では、鋼板を直径10mmに繰り返し曲げる。
図9のグラフを見ると分かるように、レーザビームの未照射比率が0%の場合(すなわち、溝が全幅に亘って形成されている場合)には、繰り返し曲げ平均回数は0.5回であり、鋼板が割れやすい結果となった。一方で、レーザビームの未照射比率が大きくなるにつれて、繰り返し曲げ平均回数が多くなる傾向を示す。
図9のグラフを見ると、繰り返し曲げ平均回数が5回になるのは、レーザビームの未照射比率が5%以上の場合である。繰り返し曲げ平均回数が5回以上であれば、巻鉄芯の製造時の方向性電磁鋼板の割れを有効に抑制できるので、レーザビームの未照射比率は5%以上が望ましい。
ところで、レーザビームの未照射比率を上げると、磁極の発生が減少するため、鉄損改善の効果が低下してしまう。
図10は、本実施例に係る方向性電磁鋼板についてレーザビームの未照射比率と鉄損改善率との関係の一例を示すグラフである。グラフの横軸はレーザビームの未照射比率を示し、グラフの縦軸は鉄損改善率を示す。図10のグラフを見ると分かるように、レーザビームの未照射比率が大きくなるにつれて、鉄損改善率が低下する傾向を示している。鉄損改善率が20%になるのは、レーザビームの未照射比率が17%以下である。鉄損改善率が20%以下であれば、鉄損改善の効果が十分に得られるので、レーザビームの未照射比率は17%以下が望ましい。
以上より、本実施例では、レーザビームの未照射比率を5%以上、17%以下にすることで、巻鉄芯の製造時の方向性電磁鋼板の割れを有効に抑制しつつ、鉄損改善の効果を十分に得ることができる。
<変形例>
上記実施形態では、図7に示すように、方向性電磁鋼板10が板幅方向に複数に切断されることに対応して、方向性電磁鋼板10に複数列の溝20が形成される。しかしながら、図11に示すように、方向性電磁鋼板10が板幅方向に複数に切断されずに一枚の鋼板として巻鉄芯に使用される場合には、方向性電磁鋼板10に溝20が一列のみ形成されてもよい。
この図11に示す変形例において、溝20は、方向性電磁鋼板10の板幅方向両端側のエッジ部となる領域24よりも板幅方向内側で終端しており、エッジ部となる領域24には溝20が形成されていない。
また、図12~図14に示すように、エッジ部となる領域24には、レーザ照射装置106によって溝20よりも深さが浅い浅溝22が溝20と連続して形成されていてもよい。図12、図13において、浅溝22は、溝20との区別を容易にするために、点線で示されている。この浅溝22は、一例として、一定の深さで形成されている。浅溝22の深さは、例えば、溝20の深さに対し50%以下であると好適である。
本変形例では、例えば、エッジ部となる領域24の照射タイミングでレーザ発振器102の出力を下げるか、又は、レーザ照射装置106に設けられるポリゴンミラーの回転を速くしてレーザビームの強度を下げることにより、溝20よりも深さが浅い浅溝22が形成される。
このように、エッジ部となる領域24に浅溝22が形成されていても、溝20が方向性電磁鋼板10の全幅に亘って形成されることによりエッジ部となる領域24に溝20が形成される場合に比して、エッジ部となる領域24の曲げ強度が確保されるので、巻鉄芯50の製造時に方向性電磁鋼板10が割れることを抑制することができる。また、全幅に亘って溝20及び浅溝22が形成されるので、エッジ部となる領域24以外だけに溝20を形成する場合に比して、鉄損改善の効果の低減を抑制することができる。
なお、図12~図14に示す変形例において、浅溝22は、一定の深さで形成されているが、溝20から浅溝22にかけて徐々に深さが浅くなってもよい。
また、上記実施形態では、図7、図8に示すように、仮想線Lで切断される前の方向性電磁鋼板10においては、エッジ部となる領域24に溝20が形成されずに、このエッジ部となる領域24以外の領域に、各列の溝20が板幅方向に間隔を空けて断続的に形成される。
しかしながら、図15、図16に示すように、仮想線Lで切断される前の方向性電磁鋼板10のエッジ部となる領域24に浅溝22が形成されると共に、このエッジ部となる領域24の間には、板幅方向に隣り合う各列の溝20の間に、溝20よりも深さが浅い浅溝22が各列の溝20と連続して形成されてもよい。図15、図16において、浅溝22は、溝20との区別を容易にするために、点線で示されている。
この図15、図16に示す変形例では、一例として、各列の溝20の一方側に形成された浅溝22と、その隣の列の溝20の他方側に形成された浅溝22とが板長方向にずれている。このため、本変形例では、各列の溝20の一方側に形成された浅溝22と、その隣の列の溝20の他方側に形成された浅溝22との間に仮想線Lが位置するように、溝20及び浅溝22が形成される。
このように、方向性電磁鋼板10に溝20及び浅溝22を形成すると、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、一枚の方向性電磁鋼板10から複数の方向性電磁鋼板10Aを得ることができる。このようにして切り出された複数の方向性電磁鋼板10Aの各々は、図13、図14の方向性電磁鋼板10に相当する。
なお、図15、図16に示す変形例では、板幅方向に隣り合う各列の溝20が板長方向にずれることに対応して、各列の溝20の一方側に形成された浅溝22と、その隣の列の溝20の他方側に形成された浅溝22とが板長方向にずれている。
しかしながら、板幅方向に隣り合う各列の溝20が板長方向の同じ位置に形成された場合には、板幅方向に隣り合う各列の溝20とその隣の列の溝20との間に、直線状に延びる浅溝22がその両側の溝20と連続して形成されてもよい。この場合には、浅溝22の中央部に仮想線Lが位置するように、溝20及び浅溝22が形成される。
このようにしても、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、一枚の方向性電磁鋼板10から複数の方向性電磁鋼板10Aを得ることができる。このようにして切り出された複数の方向性電磁鋼板10Aの各々は、図13、図14の方向性電磁鋼板10に相当する。
また、上記実施形態では、溝加工工程において、レーザ加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成していたが、例えば、エッジング加工や電子ビーム加工などのレーザ加工以外の除去加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成してもよい。また、溝20に加えて浅溝22を形成する場合にも、例えば、エッジング加工や電子ビーム加工などのレーザ加工以外の除去加工が用いられてもよい。
また、溝加工工程では、転写加工によって方向性電磁鋼板10に溝20を形成してもよい。例えば、図17に示す変形例では、転写加工の一例として、歯型ロール30と押付ロール40で方向性電磁鋼板10を板厚方向の両側から挟み込み、歯型ロール30の歯部32を方向性電磁鋼板10の表面に押し付けることにより、方向性電磁鋼板10に溝20を形成している。本変形例では、歯型ロール30の軸長が方向性電磁鋼板10の板幅方向の長さよりも短くなっており、これにより、方向性電磁鋼板10の板幅方向両端側のエッジ部となる領域24に溝20を形成しないようにしている。
なお、歯型ロール30の軸長を方向性電磁鋼板10の板幅方向の長さと同じか、又は、それよりも長くすると共に、歯部32の長さ方向の両端部を低くし、歯型ロール30の歯部32を方向性電磁鋼板10の表面に押し付けることにより、エッジ部となる領域24の間に溝20を形成すると共に、エッジ部となる領域24に浅溝22を形成してもよい。
また、図7、図8に示すように、仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断する場合に、歯部32を歯型ロール30の軸方向に断続的に形成することにより、板幅方向両端側のエッジ部となる領域24の間に、溝20を板幅方向に間隔を空けて断続的に形成してもよい。
このようにしても、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、図3に示す方向性電磁鋼板10Aを複数得ることができる。
また、図15、図16に示すように、仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断する場合に、歯型ロール30の軸方向に交互に並ぶ高い歯部と低い歯部を歯型ロール30に設けることにより、エッジ部となる領域24に浅溝22を形成すると共に、そのエッジ部となる領域24の間に溝20を形成してもよい。
このようにしても、方向性電磁鋼板10の製造後に仮想線Lで方向性電磁鋼板10を板幅方向に複数に切断することにより、図13に示す方向性電磁鋼板10Aを複数得ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 方向性電磁鋼板
12 鋼板本体
14 グラス被膜
16 絶縁被膜
20 溝
22 浅溝
24 エッジ部となる領域
30 歯型ロール
32 歯部
40 押付ロール
50 巻鉄芯
52 コーナ部
100 レーザ加工装置
102 レーザ発振器
104 伝送ファイバ
106 レーザ照射装置
L 仮想線

Claims (4)

  1. 板幅方向に延びる溝が板長方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板であって、
    前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝が形成されていない方向性電磁鋼板。
  2. 板幅方向に延びる溝が板長方向に所定間隔で形成された方向性電磁鋼板を巻回して形成される巻鉄芯であって、
    前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝が形成されていない巻鉄芯。
  3. 方向性電磁鋼板に板幅方向に延びる溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を含む方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    前記溝加工工程において、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝を形成しない方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 方向性電磁鋼板に板幅方向に延びる溝を板長方向に所定間隔で形成する溝加工工程を経て製造された方向性電磁鋼板を巻回して巻鉄芯を形成する鋼板巻回工程を含む巻鉄芯の製造方法であって、
    前記溝加工工程において、前記方向性電磁鋼板が巻鉄芯に使われる板幅となった際に、当該板幅方向両端側のエッジ部となる領域には、前記溝を形成しない巻鉄芯の製造方法。
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