JP7277399B2 - 走査型電子顕微鏡で撮影するための試料の前処理方法 - Google Patents
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Description
特に積層セラミックコンデンサにおいては、電極材料に使用される金属粉末も、例えば粒子径が0.4μm超の粗大粒子をカットしたものが最先端製品として商品化されている。
製品となる金属粉末から除去するべき粗大粒子の粒子径は、試料となる金属粉の平均粒径によって異なるが、本明細書では粒子径が、0.4μm超のものをいう。
また、本明細書中で連結粒子とは、金属粉末粒子同士が衝突、及び焼結し二つ以上の粒子が連結した粒子をいう。
この、沈降濃縮法を用いた粗大粒子評価方法が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された粗大粒子評価は、「少なくとも導電性粉末を含む導電性ペーストにアルコールを添加し、前記導電性ペーストが分散した分散溶液を形成する第1工程と、前記分散溶液を静置して、前記分散溶液を沈降物と上澄み液に分離し、分離した前記上澄み液を除去して沈降物を回収する第2工程と、回収した前記沈降物を塗布処理により平滑な面を有する塗膜を形成後、乾燥して乾燥塗膜を形成する第3工程と、前記乾燥塗膜を、走査型電子顕微鏡観察により前記乾燥塗膜の乾燥塗膜面像を得て、前記乾燥塗膜面像を用いて、前記導電性ペーストに含まれる前記導電性粉末の粗大粒子を評価する第4工程とからなることを特徴とする」(請求項1参照)ものである。
まず、沈降濃縮法は2.0μm以上の粗大粒子の濃縮は可能であるが、前述した次世代製品のように粗大粒子として粒子径が0.4μm超のものを除去するような場合には、2.0μm以上の粗大粒子を濃縮する場合の沈降濃縮時間では沈降が十分ではなく、沈降させなければならない計測対象粒子まで上澄みとして除去してしまっているという問題がある。
これにより、前記試料を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を用いれば、画像処理において粗大粒子及び連結粒子を明瞭に分離できるので、粗大粒子及び連結粒子の自動計測及び粒子解析の自動処理が可能となる。
以下、金属粉末1として、気相法や液相法などに公知の方法で製造されたニッケル超微粉(ニッケル粉末)を例に挙げて、上記の各工程を詳細に説明する。なお、本発明は、平均粒子径が0.1μm~0.6μmの金属粉末の前処理に好適である。
分散工程S1は、金属粉末1を分散媒中に分散させる工程である。
分散媒には、イオン交換水(以下純水とする)、ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液、有機溶媒(エタノール、メタノールなど)を用いることができる。それぞれの溶液で金属粉末1のスラリー化は可能であるが、0.4μm超のものは純水、0.4μm以下のものはヘキサメタリン酸ナトリウム溶液が望ましい。
高速攪拌を行う場合には、ガラス製もしくはステンレス製の高さ110mm以上のトールビーカー等の容器を用いるのが好ましい。
塗布工程S3は、分散工程S1によって得られた分散液3を所定の量分取して、メンブレンフィルター5上に塗布する工程である。以下、図2を用いて具体的に説明する。
分取する分散液3の適切な量は液中の金属粉末1の平均粒子径により異なるが、例えば、平均粒子径0.2μm~0.4μmの金属粉末1の場合は、0.1ml~0.5ml分取するとよい(分散液3における金属粉末1の濃度が0.08wt%の場合)。
まず、金属粒子層が形成されたメンブレンフィルター5を走査型電子顕微鏡用の試料台にカーボンテープで固定し、導電性を持たせる為、金属蒸着を行う。
その後、走査型電子顕微鏡で粒子が均一な一層に形成されている範囲を選出し、撮影する。
ステンレス製のトールビーカーに、分散媒としてヘキサメタリン酸ナトリウム溶液120mlと試料100mgを入れ、邪魔板を設置し、ローター・ステーター式分散機(ウルトラタラックスT25)を用いて、10000rpmで10分間分散処理を行った。分散処理中は、ビーカー周りを10℃の冷却水槽で冷やした。
50mlデスカップに、分散媒としてエタノール溶液20ml、試料600mgを入れ、超音波ホモジナイザーを用いて5分間分散処理を行った後、10分間静置して上澄み溶液を除去した。
ステンレス製のトールビーカーに、分散媒としてヘキサメタリン酸ナトリウム溶液120mlと試料100mgを入れ、邪魔板を設置し、ローター・ステーター式分散機(ウルトラタラックスT25)を用いて、10000rpmで10分間分散処理を行った。分散処理中は、ビーカー周りを10℃の冷却水槽で冷やした。
走査型電子顕微鏡(SU-5000、日立製作所製)を用いて、倍率10000倍のBSE画像を40視野得る。その後、得られたBSE画像を、画像解析ソフト(WinROOF、三谷商事株式会社製)により解析し、BSE画像内の粒子形状の全様が見える粒子の外枠を計測して各粒子の長径を求め、その長径が0.6μm以上である粒子を粗大粒子と規定し、その数を自動計測した。
上記の方法により粗大粒子の数を計測した結果を表1に示す。
これは、従来の沈降濃縮法を用いた比較例1では、粗大粒子として規定した0.6μm以上の粒子の一部が上澄みとして除去されているからと考えられる。また、沈降物内に存在する粗大粒子についても、試料台11に塗布される試料は、金属粒子層が厚いので、層の上側の粒子によって下側の粗大粒子1aが隠れ(図5参照)、検出される数が少なかったと考えられる。
上記の方法により粗大粒子の数を計測した結果を表2に示す。
発明例2と比較例3における計測数の差は、粒径の小さい粗大粒子ほど顕著に表れており、これは、前述したように、粒径の小さい粒子ほど前処理中に上澄みとして除去されやすいからと考えられる。
カーボンテープ13に試料を直接圧接し観察試料を作製した(図6参照)。得られた観察試料を走査型電子顕微鏡の所定の観察位置にセットして、後述する連結粒子計測方法によって連結粒子計測を行った。
走査型電子顕微鏡(SU-5000、日立製作所製)を用いて、倍率20000倍のBSE画像を8視野得る。その後、得られたBSE画像を、画像解析ソフト(WinROOF、三谷商事株式会社製)により解析し、BSE画像内の粒子形状の全様が見える粒子の外枠を計測し、各粒子の特徴量として円形度、アスペクト比、楕円長短比、円凹凸度の組み合わせを用いた一定の抽出条件により、連結粒子を自動処理にて抽出した。なお、各特徴量は、目視計測を行って抽出した粒子を解析することによって得た数値とした。
上記の方法により連結粒子及び全粒子の数を計測した結果を表3に示す。
これは、カーボンテープ13に圧接された試料は、金属粒子層が厚く、層の上側の粒子によって下側の連結粒子1bが隠され(図6(b)参照)、各特徴量を用いた自動解析では、安定した抽出が行えなかったからと考えられる。
これは、薄層の粒子層(図3)を形成したことで、自動画像解析による粒子の分離精度が向上したからと考えられる。
1a 粗大粒子
1b 連結粒子
3 分散液
5 メンブレンフィルター
7 エアーブラシ
9 ガラスろ過器
11 試料台
13 カーボンテープ
Claims (2)
- 平均粒子径が0.1μm~0.6μmの金属粉末中に存在する粗大粒子及び連結粒子の個数を、走査型電子顕微鏡で撮影した画像に基づいて自動計測するために、前記走査型電子顕微鏡で撮影するための試料の前処理方法であって、
前記金属粉末を分散媒中に分散させる分散工程と、
前記金属粉末が分散された分散液を分取して、メンブレンフィルター上に塗布する塗布工程とを有し、
該塗布工程は、前記メンブレンフィルターの表面にエアーブラシで前記分散液を噴霧しながら、前記メンブレンフィルターの裏面側から前記分散液の液体を吸引ろ過することを特徴とする走査型電子顕微鏡で撮影するための試料の前処理方法。 - 前記金属粉末が、ニッケル粉末、鉄粉末、銅粉末であることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡で撮影するための試料の前処理方法。
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