JP7277346B2 - シリコーン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

シリコーン系樹脂発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
樹脂発泡体は、例えば、クッション材、断熱材、防音・吸音材又は衝撃吸収材の材質として、各種高分子発泡体が使用されている。前記高分子発泡体の基となる高分子としては、オレフィン系樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン系樹脂等が知られており、この中でもウレタン樹脂はその発泡時における取り扱い性並びに密度及び気泡径等の物性設定をなす発泡倍率の設定が容易である、といった長所を有するため、一般に多用されている。
しかしながら、ウレタン樹脂は、熱に弱く、その使用限度が180℃であり、130~220℃前後から熱分解を始めてしまう。このため前述の断熱材や、高温下で使用される防音・吸音材又は衝撃吸収材としては、好適に使用し得ない。
これに対してシリコーン系樹脂は、その主骨格がシロキサン結合(-Si-O-)やシラザン結合(-Si-N-)のみから形成されているため、この分子構造に起因して耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性及び耐老化性が高いことが知られている。
特開2018-162368号公報
上述のように、従来のシリコーン系樹脂を用いた発泡体は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性及び耐老化性等が高く、高性能なものであるが、密度の高いものに限られており、限定的な用途にしか用いることができない場合があった。
本発明者らは、原料末端にあるメトキシ基を脱離させ、機能性付与基を導入することでフォームに新規機能を付与する方法を知見した。しかしながら、多くの機能性付与基を導入するほどフォームは多機能化し、あらゆる用途で使用できるようになるが、その反面、メタノール等が脱離してしまうため、それがべたつきや悪臭の原因となることに想到した。
そこで、本発明は、べたつきや悪臭が生じ難い、シリコーン系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行い、シリコーン系樹脂発泡体を製造する際に、特定の工程を実施することによって上記課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成させた。即ち本発明は以下の通りである。
本発明は、
シリコーン系樹脂発泡体の製造方法であって、
前記シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、
末端に複数のアルコキシシラン基を有する化合物(A)を加水分解して、末端に複数のシラノール基を有する化合物(B)を含む原料液を得る加水分解工程と、
前記原料液から前記化合物(B)を抽出する抽出工程と、
前記化合物(A)と抽出後の前記化合物(B)とを反応させてシリコーン系樹脂組成物を調整する反応工程と、
前記シリコーン系樹脂組成物を発泡させ、シリコーン系樹脂発泡体を得る発泡工程と、
前記シリコーン系樹脂発泡体を水により洗浄する洗浄工程と、
を含むことを特徴とする、シリコーン系樹脂発泡体の製造方法である。
前記洗浄工程の後の工程として、前記シリコーン系樹脂発泡体を乾燥させる乾燥工程を更に含んでもよい。
前記乾燥工程における乾燥温度が80℃以上であってもよい。
前記乾燥工程は、過熱蒸気による乾燥であってもよい。
本発明によれば、べたつきや悪臭が生じ難い、シリコーン系樹脂発泡体の製造方法を提供することが可能である。
なお、説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
本願における化合物の末端とは、化合物の主骨格の末端に限られず、側鎖も含むものとする。
本発明の効果を阻害しない範囲内で、各工程を連続して実施してもよいし分割して実施してもよく、各工程を複数回実施してもよく、複数の工程を同時に実施してもよい。
<<<シリコーン系樹脂発泡体の製造方法>>>
シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、
末端に複数のアルコキシシラン基を有する化合物(A)を加水分解して、末端に複数のシラノール基を有する化合物(B)を含む原料液を得る加水分解工程と、
加水分解工程で得られた原料液から化合物(B)を抽出する抽出工程と、
化合物(A)と、抽出工程により抽出された後の化合物(B)とを反応させて、シリコーン系樹脂組成物を調整する反応工程と、
シリコーン系樹脂組成物を発泡させ、シリコーン系樹脂発泡体を得る発泡工程と、
シリコーン系樹脂発泡体を水により洗浄する洗浄工程と、
を含む。
シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、洗浄工程よりも後の工程として、シリコーン系樹脂発泡体を乾燥させる乾燥工程を更に含むことが好ましい。
シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、更にその他の工程を含んでいてもよい。
以下、各々の工程について説明する。
<<加水分解工程>>
加水分解工程は、末端に複数のアルコキシシラン基を有する化合物(A)を加水分解して、末端に複数のシラノール基を有する化合物(B)を含む原料液を得る工程である。
加水分解工程は、公知の方法に従って実施可能であり、例えば、化合物(A)に、過剰量の水を含む液体媒体を接触させる(化合物(A)と水とを混合する)ことで実施することができる。この際、液体媒体の温度や接触時間等は、化合物(A)のアルコキシシラン基が加水分解可能な範囲で適宜調整可能である。
<化合物(A)>
化合物(A)に含まれるアルコキシシラン基は、アルキル基が酸素を介してケイ素と結合した官能基である。
アルコキシシラン基は、1つのケイ素原子に少なくとも1つのアルコキシ基が結合していればよく、最大3つのアルコキシ基が結合したものとすることができる。
アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、ペントキシ基、イソブトキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、2-エチルヘキソキシ基、ノノキシ基、デコキシ基、ウンデコキシ基、ドデコキシ基、トリデコキシ基、テトラデコキシ基、ペンタデコキシ基、ヘキサデコキシ基等を挙げることができる。これらは、アルコキシシラン基に含まれるケイ素に、単独で、又は、複数を組み合せて結合させてもよい。
アルコキシシラン基に含まれるケイ素は、少なくとも1つのアルコキシ基と結合していればよく、その他の官能基を含んでいてもよい。その他の官能基は、特に限定されず、例えば、水素、ハロゲン、直鎖状、分鎖状、環状の炭化水素基等と結合することができる。
化合物(A)は、特に限定されず、公知のものを使用することができる。化合物(A)の末端に含まれるアルコキシシランの官能基数は、2個以上であれば特に限定されないが、一般には、2~20個とすることができ、2~15個が好ましく、2~10個がより好ましい。アルコキシシラン基の官能基数が多くなると、重合、架橋、硬化等させた場合に、硬い材質となるため、発泡体として用いる場合には、可塑剤等を添加する必要があり、コストと手間がかかる場合がある。
化合物(A)としては、例えば、直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素、エーテル等;及びそれらの誘導体;アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等のオリゴマーやポリマー等の多量体又は高分子体;等の末端に複数のアルコキシシラン基が含まれる化合物を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
化合物(A)の構造例として式1~3を示す。
式1は、直鎖状のエーテル又はその誘導体の末端にアルコキシシラン基を有する場合の例であり、アルコキシシラン基のケイ素がエーテル化している例である。
式2は、直鎖状の炭化水素又はその誘導体の末端にアルコキシシラン基を有する場合の例である。
式3は、アクリル樹脂の高分子体の末端にアルコキシシラン基を有する場合の例である。
Figure 0007277346000001
~Rの少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
~Rは、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
~R10の少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
lは、1以上の整数である。
Figure 0007277346000002
11~R13の少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
14~R17は、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
18~R20の少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
mは、1以上の整数である。
Figure 0007277346000003
21~R23の少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
24~R27は、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
28~R30の少なくとも1つが、アルコキシ基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
nは、1以上の整数である。
<化合物(B)>
化合物(B)は、化合物(A)に含まれる末端のアルコキシシラン基が、加水分解されることで、シラノール基に変性されたものである。
化合物(A)を式1~3とした場合の化合物(B)の構造例を式4~6に示す。
式4は、直鎖状のエーテル又はその誘導体の末端にシラノール基を有する場合の例であり、シラノール基のケイ素がエーテル化している例であり、化合物(A)が式1で示される化合物の場合に対応する。
式5は、直鎖状の炭化水素又はその誘導体の末端にシラノール基を有する場合の例であり、化合物(A)が式2で示される化合物の場合に対応する。
式6は、アクリル樹脂の高分子体の末端にシラノール基を有する場合の例であり、化合物(A)が式3で示される化合物の場合に対応する。
Figure 0007277346000004
31~R33の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
34~R37は、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
38~R40の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
xは、1以上の整数である。
Figure 0007277346000005
41~R43の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
44~R47は、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
48~R50の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
yは、1以上の整数である。
Figure 0007277346000006
51~R53の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
54~R57は、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
58~R60の少なくとも1つが、水酸基であればよく、特に限定されないが、例えば、水素;直鎖状、分鎖状、環状の、飽和又は不飽和の炭化水素;とすることができる。
zは、1以上の整数である。
<<抽出工程>>
抽出工程は、加水分解工程で得られた化合物(B)を含む原料液から、化合物(B)を抽出する工程である。
抽出の条件としては、化合物(B)を取り出すことが可能であれば特に限定されず、公知の手段を適用可能である。抽出工程は、より具体的には、溶媒抽出法によって実施することができる。
より具体的には、化合物(A)と水(加水分解用原料)を混合し、反応させると、上澄み液と沈殿物に分離するので、ろ過等により上澄み液を除去することによって化合物(B)が取り出される。また別の例として、水と化合物(A)を1:1で混合し撹拌した場合、上澄みに化合物(B)が分布し、底に水とメタノールの混合液が分布するように分離する場合、底の混合液を捨てることで、化合物(B)を取り出すことができる。
前述の加水分解工程では、化合物(B)の副生成物としてアルコール(特には、メタノール)が生成される。アルコール類が系内に存在すると、後述する反応工程における反応が阻害され、原料中の未反応成分が発生しやすくなる。更に、アルコール類が発泡体に残留すると、悪臭やべたつきの原因となる。加水分解工程後に抽出工程を実施することにより、このようなアルコール類の影響を抑制することが可能である。抽出工程では、アルコール等の不要成分の比率を低くすることができればよく、化合物(B)を純度100%とする必要はない。
<<反応工程>>
反応工程は、抽出工程により抽出された後の化合物(B)と、化合物(A)と、を反応させて、シリコーン系樹脂組成物を調整する工程である。
反応工程としては、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。配合方法としては、原料である化合物(A)と化合物(B)とを、容器に秤取り、さらに必要に応じてその他の成分を添加し、撹拌することを挙げることができる。
反応工程で使用される化合物(A)及び化合物(B)は、前述の通りである、
反応工程における反応条件(反応時間及び反応温度等)は、化合物(A)のアルコキシシラン基と化合物(B)のシラノール基とが反応可能であれば特に限定されず、公知の条件とすればよい。反応工程は室温にて実施することも可能であり、例えば、15℃~45℃、好ましくは、20℃~28℃にて、20秒~60秒、好ましくは、30秒間、化合物(B)と化合物(A)とを撹拌すればよい。
ここで、反応工程は、化合物(A)及び化合物(B)と共に、その他の化合物を反応させる工程であってもよい。本発明によれば、化合物(A)と、化合物(A)を加水分解して得られた化合物(B)と、を反応させるため、その他の化合物(例えば、機能性付与基を有する化合物)をシリコーン系樹脂の高分子鎖中に導入することができ、その結果、ブロック共重合体のような構造の多様な生成物を得ることができる。
化合物(A)及び化合物(B)と反応させるその他の化合物としては特に限定されないが、活性水素を含む官能基を末端に複数有する化合物(C)が挙げられる。但し、化合物(C)に含まれる官能基としては、シラノール基は除く。
活性水素を含む官能基とは、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基を含むことができる。化合物(C)に含まれる活性水素を含む官能基は、同一のものであってもよいし、複数種を組み合わせてもよい。
複数の水酸基を含む化合物としては、ポリオールを挙げることができる。ポリオールとしては、特に限定されず、低分子量ポリオール及び高分子量ポリオールを用いることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。なお、本願において、低分子量ポリオールとは、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー法による重量平均分子量が、1000未満のものをいい、高分子量ポリオールは、重量平均分子量が、1000以上のものをいう。
低分子量ポリオールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロパンジオール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカンジオール(炭素数:7~22)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン-1,2-ジオール(炭素数:17~20)、水素化ビスフェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの低分子量ジオール;
グリセリン、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-3-ブタノール、及び炭素数8~24の脂肪族トリオールなどの低分子量トリオール;
ペンタエリスリトールなどの、1分子中に4つ以上の水酸基を有する低分子量ポリオール;
ジエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラ-2-プロパノールなど、上記低分子量ジオール、上記低分子量トリオール、及び上記1分子中に4つ以上の水酸基を有する低分子量ポリオールをそれぞれ分子間で脱水縮合して得られる対応多価アルコールエーテル;
テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコール;
ひまし油などの天然油脂ポリオール;
などを挙げることができる。
これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
高分子量ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオール等の高分子量ポリオールを挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
複数のアミノ基を有する化合物としては、ポリアミンを用いることができる。
ポリアミンとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
ポリアミンとしては、例えば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミンなどの脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、水添キシリレンジアミンなどの脂環式ポリアミン;
キシリレンジアミンなどの芳香環含有脂肪族ポリアミン;
3,5-ジエチル-2,4-ジアミノトルエン、3,5-ジエチル-2,6-ジアミノトルエン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリレンジアミン、1,1'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジクロロ-4.4'-ジアミノジフェニルメタン、1,1',2,2'-テトラクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,3,5-トリエチル-2,6-ジアミノベンゼン、3,3',5,5'-テトラエチル-4,4'-ジアミノジフェニル-メタン、N,N'-ビス(t-ブチル)-4,4'-ジアミノジフェニル-メタン、ジ(メチルチオ)トルエンジアミンなどの芳香族ポリアミン;
などを挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
複数のチオール基を有する化合物としては、ポリチオールを用いることができる。
ポリチオールとしては、特に限定されず、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオール等が挙げられる。脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとしては、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン-2,4-ジチオール、キシレンジチオール等が挙げられる。
また、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステルでは、メルカプトカルボン酸として、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等が挙げられ、多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等が挙げられる。ポリチオールの中では、臭気が少ない点で、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類が好ましく、具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
複数のカルボキシル基を含む化合物としては、ポリカルボン酸を用いることができる。
ポリカルボン酸は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。ポリカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジエン-1,2-ジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合せて用いることができる。
各原料は、同時に配合してもよいし、段階を経て、別々に配合しても良い。
各原料の配合量としては、特に限定されないが、例えば、化合物(A)に含まれるアルコキシシラン基のアルコキシ基当量(a)と、化合物(B)に含まれる水酸基当量(b)と、の比(t)が、0.7~1.4となるように配合することができ、0.8~1.2とするのが好ましく、0.9~1.1とするのがより好ましい。tが、かかる範囲にある場合には、配合された化合物の反応性に優れるため、容易に所望するシリコーン系樹脂組成物を得ることが可能となる。なお、tは、下記式1により算出される。
(式1)
t=a/b
また、化合物(C)の配合量は、特に限定されないが、例えば、配合される化合物(A)と、配合される化合物(B)と、の合計を100質量部とした場合に、化合物(C)を0.1~30質量部とすることができ、0.5~20質量部とすることが好ましく、1~10質量部とすることがより好ましい。
<<発泡工程>>
発泡工程は、シリコーン系樹脂組成物を発泡させる工程である。
シリコーン系樹脂組成物を発泡させる方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。シリコーン系樹脂組成物を発泡させる方法の例としては、化学発泡剤を用いる化学発泡によるもの、気体を混入する機械発泡(メカニカルフロス)によるもの等が挙げられる。
化学発泡剤は、加熱により分解して炭酸ガス、窒素ガス等の無機ガスを発生する化学発泡剤が好ましく、化学発泡剤としては、有機系熱分解型発泡剤、無機系熱分解型発泡剤、無機系反応型発泡剤等が挙げられる。
有機系熱分解型発泡剤としてはアゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、テトラゾール化合物、有機酸が挙げられる。無機系熱分解型発泡剤としては、重炭酸塩、炭酸塩、有機酸塩、亜硝酸塩が挙げられる。無機系反応型発泡剤としては、重炭酸塩と有機酸または有機酸塩の組み合わせ等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼン等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が挙げられる。
ヒドラジン誘導体としては、例えば、p,p’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等が挙げられる。
セミカルバジド化合物としては、例えば、p-トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられる。テトラゾール化合物としては、例えば、5-フェニルテトラゾール、1-Hテトラゾール塩、1,4-ビステトラゾール等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、アクリル酸、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、フタル酸、シュウ酸、塩酸、リン酸等が挙げられる。これらのうち、酸による影響が少ないという観点で、カルボン酸が好ましい。
有機系熱分解型発泡剤としては、さらに、トリヒドラジノトリアジン等も挙げられる。重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
有機酸塩としては、前記有機酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、アルミニウム、亜鉛等の金属塩等が挙げられる。亜硝酸塩としては、例えば亜硝酸アンモニウムが挙げられる。
発泡剤は、重炭酸塩単独、又は、重炭酸塩と有機酸の混合物が好ましい。重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが挙げられる。有機酸としては、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸が挙げられる。また、重炭酸塩と有機酸の金属塩の混合物も同様に好ましく用いることが出来る。
発泡剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、重炭酸塩と有機酸または有機酸塩からなる化学発泡剤の場合、化合物(A)と化合物(B)の合計100質量部に対して重炭酸塩の含有量は、1~60質量部とすることができ、5~55質量部以下がより好ましい。重炭酸塩と有機酸または有機酸塩の比率は、重炭酸塩/有機酸または有機酸塩(重量比)が1/4~4とすることができ、1/2~4以下であることが好ましい。
重炭酸塩の含有量が少ない、または重炭酸塩と有機酸の比率が低いと、熱分解する炭酸ガスの量が少なく、発泡倍率が低下する場合がある。また、重炭酸塩の含有量が多い、または重炭酸塩と有機酸の比率が高いと、熱分解する炭酸ガス量が多く、発泡と硬化のバランスが崩れ、発泡セルが大きくなる等不良な発泡体となる場合がある。
また、シリコーン系樹脂組成物を発泡させる方法としては、超臨界流体を用いた超臨界発泡等も適用可能である。
発泡条件(発泡時間等)は、使用する発泡方法や、発泡体の厚みや密度等に応じて適宜変更可能である。
ここで、発泡工程は、発泡させたシリコーン系樹脂組成物を硬化させる、硬化工程を含むことが好ましい。
硬化工程としては、公知の方法を用いることができる。本形態にかかる発泡体は自己架橋をさせることもできるが、エネルギーを印加してエマルジョンを構成する樹脂を、架橋剤を介して架橋させることにより、発泡体を硬化させてもよい。エネルギーを印加する工程としては特に限定されないが、例えば、加熱工程が挙げられる。
加熱工程では、架橋剤を添加した場合に、原料の架橋(硬化)反応を進行及び完了させる。具体的には、上述した架橋剤により原料同士が架橋され、硬化したシリコーン系樹脂発泡体が形成される。この際の加熱手段としては、原料に充分な加熱を施し、原料を架橋(硬化)させ得るものであれば特に制限はされないが、例えば、トンネル式加熱炉等を使用することができる。また、加熱温度及び加熱時間も、原料を架橋(硬化)させることができる温度及び時間であればよく、例えば、80~150℃(特に、120℃程度が好適)で1時間程度とすればよい。
<<洗浄工程>>
洗浄工程は、シリコーン系樹脂発泡体を水により洗浄する工程である。
洗浄工程は、例えば、シリコーン系樹脂発泡体と水とを接触させることにより実施される。洗浄工程のより具体的な例としては、水(例えば流水)で発泡体全体を濡らす含水工程と、シリコーン系樹脂発泡体を圧縮する圧縮工程と、を実施する方法が挙げられる。含水工程と圧縮工程とは、別々に実施されてもよいし、同時に実施されてもよい。例えば、水中でシリコーン系樹脂発泡体を圧縮させてもよいし、シリコーン系樹脂発泡体を水から引き上げた後にシリコーン系樹脂発泡体を圧縮させてもよい。なお、含水工程及び/又は圧縮工程は、繰り返し実施されることが好ましい。
洗浄工程で使用される水は、工業的に使用可能なものであれば何ら限定されず、例えば、水道水、アルカリイオン水、純水(脱イオン水、蒸留水等)、イオン交換水等とすればよい。
シリコーン系樹脂組成物が末端アルコキシシランを含む場合、発泡体も末端アルコキシシランを含み得る。シリコーン系樹脂発泡体に含まれる末端アルコキシシランが空気中の水分等と反応し、アルコール類が生じる。洗浄工程を行うことで、シリコーン系樹脂発泡体の末端アルコキシシランが除去される。その結果、シリコーン系樹脂発泡体からのアルコール類の発生を防止し、悪臭やべたつきの発生を防止することができる。
また、シリコーン系樹脂組成物中には、抽出工程で除去しきれなかったアルコール類や、反応工程において生成される副生成物であるアルコール類が含まれ得る。このようなアルコール類が発泡体を形成する段階で残存したとしても、洗浄工程を実施することにより、シリコーン系樹脂発泡体に含まれ得るアルコール類を除去することが可能である。
<<乾燥工程>>
乾燥工程は、洗浄工程後のシリコーン系樹脂発泡体中の液体媒体(洗浄工程で使用された水やシリコーン系樹脂発泡体中に残留するアルコール類)を除去する工程である。
乾燥工程の乾燥条件は特に限定されず、公知の条件にて実施可能である。乾燥温度としては、発泡体の耐熱性等を考慮して実施すればよいが、例えば、80℃以上であることが好ましく、80℃~100℃であることがより好ましい。乾燥時間は、十分な乾燥が実施されたと判断した状況で乾燥を停止させればよい。
乾燥工程を実施することで、抽出工程や洗浄工程で除去されなかったアルコール類等を除去することが可能である。その結果、発泡体のべたつきや悪臭を更に低減することが可能となる。
ここで、乾燥工程は、過熱蒸気を使用した工程であってもよい。過熱蒸気を使用することで効率的に乾燥が実施できる。
<過熱蒸気>
過熱蒸気とは、水を沸騰させ発生した飽和蒸気を、さらに加熱した高温の蒸気のことをいう。過熱蒸気は、飽和蒸気や熱風と比較して、常圧で高温化が可能な点、伝熱性が極めて高い点、乾燥力が非常に強い点、低酸素状態で火災や爆発の恐れが低い点、で優れた特長を有する。そのため、洗浄、除菌、乾燥などが必要となる用途において、食品業界、医療業界等、様々な分野で注目を集めている。
過熱蒸気を使用して乾燥工程を実施する場合の乾燥条件の一例としては、直本工業 過熱水蒸気装置を使用して、ハンドガンから照射される過熱蒸気を照射時間10~30秒、にて実施することができる。
過熱蒸気は、例えば、より具体的には、シリコーン系樹脂発泡体を所定の型内にセットし、上型をOリングで4か所固定し、ハンドガンから10秒間過熱蒸気を照射し、水とメタノールを除去する。このときの過熱蒸気の温度はおおよそ250℃ほどになる。過熱蒸気照射後、放冷し、乾燥が不十分であれば再度、過熱蒸気を照射してフォーム内に残留する水とメタノールを除去する。
ここで、洗浄工程や乾燥工程を実施するための具体例を以下に示す。
(1)流水洗浄を利用する方法
1)水道からの流水により、発泡体中に含水させる。
2)発泡体を圧縮することによって、除水する。
3)再度流水により含水させその後、圧縮して除水する。
4)上記1~3の作業を10分繰り返し実施する。
5)洗浄後、80℃で15分間発泡体を乾燥させる。
6)乾燥させた発泡体の質量を測定し、質量に変化が見られなくなるまで
洗浄および乾燥を実施する。
(2)水中浸漬圧縮洗浄を利用する方法
1)水の入った水槽中に、発泡体を浸漬させる。
2)水槽中で、スポンジの水切りをするように、発泡体を圧縮する。
3)再度、発泡体に含水させその後、圧縮する作業を繰り返し実施する。
4)上記作業を10分間繰り返し実施する。
5)洗浄後、80℃で15分間発泡体を乾燥させる。
6)乾燥させた発泡体の質量を測定し、質量に変化が見られなくなるまで
洗浄および乾燥を実施する。
(3)過熱蒸気照射乾燥を利用する方法
1)洗浄後の発泡体に過熱蒸気を10秒間照射する。
2)過熱蒸気照射後、発泡体を放冷させる。
3)放冷後、発泡体の質量を測定する。
4)再度、過熱蒸気を10秒間照射し、その後放冷する。
5)再度、発泡体の質量を測定する。
6)発泡体の質量変化がなくなるまで上記作業を繰返し実施する。
洗浄工程と乾燥工程とを繰り返し実施することが好ましい。
<<その他の工程>>
シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、その他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、例えば、いずれかの段階の組成物にその他の成分を添加する、添加工程が挙げられる。添加工程を実施する場合、配合する添加成分の種類に応じて、添加のタイミングや添加量等を決定すればよい。
その他の成分としては、溶媒、分散媒、触媒、整泡剤、発泡剤、気泡剤、架橋剤、界面活性剤、増粘剤、気泡核剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤、表面処理剤、酸、塩基、防カビ剤、抗菌剤等の公知の添加成分を使用してもよい。
このようにして得られたシリコーン系樹脂発泡体は、高温環境下で用いられる防音・吸音材又は衝撃吸収材として、又は、耐薬品性、電気絶縁性及び耐老化性が高い発泡体を求められる用途に好適である。
<<シリコーン発泡体の作製>>
<実施例1>
(原料)
・化合物(A):Desmoseal S XP2636(加水分解用と、発泡体配合用) (住化コベストロウレタン社製)
・化合物(C):グリセリン (組成物:グリセリン、f=3、Mw=92.1)
・触媒 :MRH-110(スズ触媒) (組成物:オクチル酸第一スズ)
・整泡剤 :L-5639 (モメンティブ社製)
・重曹
・酸 :クエン酸(pH2.26)
(化合物(B)の調整:加水分解工程、溶媒抽出工程)
表1及び表2に基づいて、各実施例及び比較例の配合量の化合物(A)(加水分解用)を容器に秤取り、その容器に、イオン交換水を化合物(A)と同量もしくは半分の量注ぎ入れ、室温にて10秒~120秒間撹拌し、化合物(A)を加水分解して、減圧吸引溶媒抽出法により、下澄み液を除去し、化合物(B)を得た。
(反応工程、発泡工程)
化合物(B)100gを容器に秤取りし、更に、化合物(A)が100g、化合物(C)が5g、触媒が0.5g、整泡剤が3g、重曹が0.5g、酸が1.0g、となるように容器に秤取り、組成物を得た。この組成物を撹拌した後に、設定温度93℃の水蒸気存在下の恒温槽の中で10~30分間放置して、発泡硬化させ、シリコーン系樹脂発泡体を得た。なお、重曹が配合されないシリコーン系樹脂発泡体については、乾燥空気を用いたメカニカルフロス法で発泡させた。メカニカルフロス法は、室温で撹拌後、設定温度93℃の水蒸気存在下の恒温槽の中で10~30分間放置の条件で行った。
(洗浄工程、乾燥工程)
シリコーン系樹脂発泡体について、流水で発泡体全体を濡らし、スポンジの水切りをするように圧縮し、その後シリコーン系樹脂発泡体を80℃にて60分間乾燥させた。
<実施例2>
乾燥工程で、前述の過熱蒸気による乾燥をした以外は、実施例1に同じ方法によって、発泡体を得た。実施例2の発泡体は、過熱蒸気を使うことにより、乾燥時間の短縮ができた。
<比較例1>
加水分解工程、溶媒抽出工程、反応工程、洗浄工程を実施しなかった以外は実施例1に同じ方法によって、発泡体を得た。比較例1の発泡体は、発泡状態が悪く、未反応原料及びメタノールが残った状態である。
<比較例2>
溶剤抽出工程を実施しなかった以外は、実施例1に同じ方法によって、発泡体を得た。比較例2の発泡体は、発泡体の中に未反応原料及びメタノールが多く残った状態である。
<比較例3>
洗浄工程を実施しなかった以外は、実施例1に同じ方法によって、発泡体を得た。比較例3の発泡体は、発泡体の中に未反応原料は残らなかったが、メタノールが残った状態である。
<比較例4>
溶剤抽出工程を実施しなかった以外は、実施例1に同じ方法によって、発泡体を得た。比較例4の発泡体は、発泡体の中に未反応原料が残った状態である。
<<評価>>
得られた発泡体について、以下の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
<メタノール残量>
乾燥後のシリコーン系樹脂発泡体の質量を測定し、再度洗浄・乾燥工程を3回繰り返した後に、再び質量測定を実施した。洗浄・乾燥工程を実施する前と、洗浄・乾燥工程を3回実施した後と、の質量の変化率(%)を、発泡体に含まれていたメタノール残量とした。実施例1および実施例2に係る発泡体は、洗浄・乾燥工程を実施する前と実施した後とで質量が変化しなかった(質量の変化率が0%であった)ことから、未反応メトキシ基を有しないものであったと理解される。なお、各比較例に係る発泡体は、洗浄工程を3回繰り返すことで完全に未反応メトキシ基を除去できたことが確認された。
<臭い>
人による感覚試験法を適用し、評価した。
明らかな臭いを感じるものを×、かすかに臭いを感じるものを○、全く臭いを感じないものを◎とした。なお、評価に際しては、複数人による試験を実施した上で総合的に判断した。
その結果、洗浄工程を含めた方法で得られた発泡体の臭いを不快と感じる評価はなかった。
<べたつき>
乾燥工程後の発泡体について、薬包紙を当ててその濡れ具合を評価した。
少しでも濡れが生じたものを×、全く濡れが生じなかったものを◎とした。
その結果、各実施例については、薬包紙はぬれることはなかった。
Figure 0007277346000007

Claims (4)

  1. シリコーン系樹脂発泡体の製造方法であって、
    前記シリコーン系樹脂発泡体の製造方法は、
    末端に複数のアルコキシシラン基を有する化合物(A)を加水分解して、末端に複数のシラノール基を有する化合物(B)を含む原料液を得る加水分解工程と、
    前記原料液から前記化合物(B)を抽出する抽出工程と、
    前記化合物(A)と抽出後の前記化合物(B)とを反応させてシリコーン系樹脂組成物を調製する反応工程と、
    前記シリコーン系樹脂組成物を発泡させ、シリコーン系樹脂発泡体を得る発泡工程と、
    前記シリコーン系樹脂発泡体を水により洗浄する洗浄工程と、
    を含むことを特徴とする、シリコーン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 前記洗浄工程の後の工程として、前記シリコーン系樹脂発泡体を乾燥させる乾燥工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記乾燥工程における乾燥温度が80℃以上であることを特徴とする、請求項2に記載のシリコーン系樹脂発泡体の製造方法。
  4. 前記乾燥工程は、過熱蒸気による乾燥であることを特徴とする、請求項2に記載のシリコーン系樹脂発泡体の製造方法。
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