JP7275946B2 - 光学フィルター、及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルター、及び電子機器に関する。
従来、ファブリーペロー型の光学フィルター(波長可変干渉フィルター)が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変干渉フィルターは、固定基板に設けられた固定ミラーと、可動基板に設けられた可動ミラーとを、ギャップを介して対向して配置したフィルターである。この波長可変干渉フィルターでは、静電アクチュエーターによって、固定ミラーと可動ミラーとの間のギャップ寸法が可変となり、ギャップ寸法を変更することで、波長可変干渉フィルターを透過する光が変化する。
また、特許文献1の波長可変干渉フィルターでは、固定ミラー及び可動ミラーとして、誘電体多層膜を用いたもの、金属合金膜を用いたもの、金属膜を用いたものが例示されている。
特開2018-112750号公報
しかしながら、上記特許文献1のような光学フィルターや、当該光学フィルターを備える測定装置等の電子機器では、測定が可能となる測定波長域の広域化と、分光測定精度の高精度化とを両立できない、との課題がある。つまり、特許文献1のような光学フィルターにおいて、固定ミラー及び可動ミラーとして誘電体多層膜を用いる場合、高い波長分解能で目標波長の光を透過できるが、分光可能な測定波長域が狭くなるとの課題がある。一方、固定ミラー及び可動ミラーとして金属合金膜や金属膜を用いると、可視光域から赤外域に亘る広い波長域に対して分光可能となるが、誘電体多層膜に比べて波長分解能が低く、分光測定精度が低下する、との課題がある。
第一適用例に係る光学フィルターは、ギャップを介して対向する一対の反射膜と、一対の前記反射膜の間隔を変更するギャップ変更部と、を備え、前記反射膜は、複数の積層体により構成され、複数の前記積層体は、それぞれ、高屈折層と、前記高屈折層よりも屈折率が小さい低屈折層とが交互に積層されることで構成されており、各前記積層体において、前記高屈折層の光学膜厚、及び、前記低屈折層の光学膜厚が、前記積層体毎に設定された所定の設計中心波長に基づいた膜厚であり、前記設計中心波長は、前記積層体毎にそれぞれ異なる。
本適用例の光学フィルターにおいて、複数の前記積層体の前記設計中心波長は、前記ギャップに近接するにしたがって短くなることが好ましい。
本適用例の光学フィルターにおいて、複数の前記積層体は、透光性の接続層により接続され、前記接続層の光学膜厚は、前記接続層を挟む一対の前記積層体の前記設計中心波長の平均に基づいた膜厚であることが好ましい。
第二適用例に係る光学フィルターは、ギャップを介して対向する一対の反射膜と、一対の前記反射膜の間隔を変更するギャップ変更部と、を備え、前記反射膜は、高屈折層と低屈折層とを交互に積層した多層膜により構成され、前記高屈折層及び前記低屈折層の各層の光学膜厚が、前記層毎にそれぞれ異なる設計中心波長に基づいた膜厚であり、前記ギャップに近づくほど前記設計中心波長が小さくなることを特徴とする。
本適用例の光学フィルターにおいて、隣り合う前記層の前記設計中心波長の差は一定値であることが好ましい。
第一適用例及び第二適用例の光学フィルターにおいて、一対の前記反射膜の光軸上に、所定の波長域の光を透過させる波長域設定フィルターが設けられていることが好ましい。
第一適用例及び第二適用例の光学フィルターにおいて、前記波長域設定フィルターは、前記光軸に沿って互いに対向する一対の金属反射膜と、一対の前記金属反射膜の間の寸法を変更する透過波長域変更部と、を備えることが好ましい。
第三適用例の電子機器は、上述した適用例の光学フィルターと、前記ギャップ変更部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示す図。 第一実施形態の第一フィルターの概略構成を模式的に示す断面図。 第一実施形態の第一フィルターの反射膜構成の概略を示す断面図。 第一実施形態の第二フィルターの概略構成を模式的に示す断面図。 第一実施形態の分光測定装置の分光測定方法を示すフローチャート。 第一実施形態の光学フィルターの光学特性の一例を示す図。 第一実施形態の光学フィルターにおいて、目標波長に対する第一ギャップ及び第二ギャップの設定例を示す図。 比較例1の波長可変干渉フィルターの光学特性を示す図。 第二実施形態の第一反射膜及び第二反射膜の膜構成を示す断面図。 第二実施形態の第一フィルターの光学特性を示す図。 変形例1の第一フィルターの光学特性を示す図。 変形例2の第一フィルターの光学特性を示す図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の分光測定装置1の概略構成を示す図である。
[分光測定装置1の全体構成]
分光測定装置1は、測定対象から入射される測定光を分光して、測定対象の分光スペクトルや色度等を測定する電子機器である。この分光測定装置1は、図1に示すように、光学フィルター10と、受光部40と、制御部50とを備えて構成されている。
また、光学フィルター10は、図1に示すように、第一フィルター20と、第二フィルター30とを備えている。
[第一フィルター20の構成]
図2は、第一フィルター20の概略構成を模式的に示す断面図である。
第一フィルター20は、ファブリーペロー型の波長可変干渉フィルターであり、透光性の第一基板21と、透光性の第二基板22とを備える。第一基板21及び第二基板22は、受光部40の光軸Oに沿って配置されている。
第一基板21には、一対の反射膜の一方である第一反射膜23が設けられ、第二基板22には、一対の反射膜の他方である第二反射膜24が設けられている。また、第一フィルター20は、第一反射膜23と第二反射膜24との間の寸法を変更する静電アクチュエーターである第一アクチュエーター25を備えている。この第一アクチュエーター25は、第一基板21に設けられる第一電極251と、第二基板22に設けられる第二電極252により構成され、ギャップ変更部を構成する。
第一基板21は、測定光が入射する第一面21Aと、第二基板22に対向する第二面21Bとを有する。第一基板21は、第一面21Aがエッチング処理されることで、略環状の凹溝であるダイアフラム部212が形成されている。また、このダイアフラム部212に囲われる領域は、可動部211を構成する。当該可動部211は、ダイアフラム部212により、第一基板21から第二基板22に向かう方向に移動可能に保持される。
そして、この可動部211の第二面21Bに、第一反射膜23が設けられている。なお、第一反射膜23の詳細な構成については後述する。
また、第一反射膜23の第一ギャップG1側には、透明電極である第一検出電極261が設けられている。透明電極は、例えばIGOやITOなどを用いることができる。
さらに、第一基板21の第二面21Bには、第一反射膜23を囲うように、第一電極251が配置されている。第一電極251は、可動部211に設けられていてもよく、ダイアフラム部212に設けられていてもよい。本実施形態では、第一電極251が、可動部211に設けられる構成を例示する。
第一基板21のダイアフラム部212の外側は、ダイアフラム部212よりも光軸Oに沿った厚みが大きい外周部213を構成する。この外周部213は、図示略の接合部材を介して第二基板22に接合される。
第二基板22は、第一基板21に対向する第三面22Aと、第二フィルター30に対向する第四面22Bとを備える。
第二基板22は、第三面22Aがエッチング処理等によって加工されることで、可動部211に対向するミラー台221と、ミラー台221の外側に設けられる溝部222と、溝部222の外側に設けられる基台部223とが形成されている。
ミラー台221は、第一反射膜23に対して第一ギャップG1を介して対向する第二反射膜24が設けられる部位である。
また、第二反射膜24の第一ギャップG1側には、透明電極である第二検出電極262が設けられている。この第二検出電極262は、第一ギャップG1を介して、第一検出電極261に対向し、第一検出電極261とともに、第一容量検出部26を構成する。つまり、本実施形態では、第一検出電極261及び第二検出電極262で保持される電荷が変化することで、第一ギャップG1の寸法を検出することが可能となる。
溝部222は、第一電極251に対向して設けられる部位であり、第一電極251に対向して配置される第二電極252が配置される。第二電極252は、上述のように、第一電極251とともに第一アクチュエーター25を構成し、第一電極251及び第二電極252の間の駆動電圧が印加されることで、静電引力によって可動部211を第二基板22側に変位させる。
基台部223は、接合部材を介して第一基板21の外周部213に接合される部位である。
なお、図示は省略するが、第一フィルター20には、第一アクチュエーター25の第一電極251及び第二電極252のそれぞれに電気接続された駆動端子と、第一検出電極261及び第二検出電極262のそれぞれに電気接続された検出端子とが設けられている。これらの端子が制御部50に接続され、制御部50の制御によって、第一アクチュエーター25への駆動電圧の印加や、容量検出部を用いた第一ギャップG1の寸法の検出が実施される。
[第一反射膜23及び第二反射膜24の構成]
図3は、第一実施形態の第一フィルター20における第一反射膜23及び第二反射膜24の概略構成を示す図である。
第一反射膜23及び第二反射膜24は、図3に示すように、複数の光学層が積層されることで構成されている。
具体的には、第一反射膜23は、第一基板21から第一ギャップG1に向かって複数の積層体が積層されることで構成されている。また、第二反射膜24も、第一反射膜23と同様の構成を有し、第二基板22から第一ギャップG1に向かって複数の積層体が積層されることで構成されている。
図3に示す例では、複数の積層体として、第一積層体61、第二積層体62、及び第三積層体63を備えている。第一積層体61は、第一基板21または第二基板22に積層される積層体である。第三積層体63は、第一反射膜23及び第二反射膜24において、第一ギャップG1に最も近い位置に配置される積層体である。第二積層体62は、第一積層体61及び第三積層体63の間に配置される積層体である。
なお、図3の例では、上記のように、第一反射膜23及び第二反射膜24が3つの積層体を備えて構成される例を示すが、4つ以上の積層体を備える構成や、2つの積層体を備える構成などとしてもよい。
これらの積層体は、それぞれ、高屈折層と、低屈折層と、を交互に積層することで構成されている。例えば、第一積層体61は、第一基板21または第二基板22から、第一高屈折層61H、第一低屈折層61L、第一高屈折層61Hの順に交互に積層されている。同様に、第二積層体62は、第一積層体61側から、第二高屈折層62H、第二低屈折層62L、第二高屈折層62Hの順に交互に積層され、第三積層体63は、第二積層体62側から、第三高屈折層63H、第三低屈折層63L、第三高屈折層63Hの順に交互に積層されている。
以降の説明にあたり、第一高屈折層61Hの屈折率をn1H、第一高屈折層61Hの厚みをd1H、第一低屈折層61Lの屈折率をn1L、第一低屈折層61Lの厚みをd1Lとする。第二高屈折層62Hの屈折率をn2H、第二高屈折層62Hの厚みをd2H、第二低屈折層62Lの屈折率をn2L、第二低屈折層62Lの厚みをd2Lとする。第三高屈折層63Hの屈折率をn3H、第三高屈折層63Hの厚みをd3H、第三低屈折層63Lの屈折率をn3L、第三低屈折層63Lの厚みをd3Lとする。
ここで、第一積層体61は、第一設計中心波長λを中心とした光を反射する誘電体多層膜である。つまり、第一積層体61における第一高屈折層61H及び第一低屈折層61Lの光学膜厚(第一光学膜厚)は同じ膜厚である。具体的には、第一高屈折層61H及び第一低屈折層61Lは、n1H×d1H=n1L×d1L=λ/4を満たす第一光学膜厚を有する。
第二積層体62は、第二設計中心波長λを中心とした光を反射する誘電体多層膜である。つまり、第二積層体62における第二高屈折層62H及び第二低屈折層62Lの光学膜厚(第二光学膜厚)は同じ膜厚である。具体的には、第二高屈折層62H及び第二低屈折層62Lは、n2H×d2H=n2L×d2L=λ/4を満たす第二光学膜厚を有する。ここで、第二設計中心波長λは、λ>λの関係を満たす。
同様に、第三積層体63は、第三設計中心波長λを中心とした光を反射する誘電体多層膜である。つまり、第三積層体63における第三高屈折層63H及び第三低屈折層63Lの光学膜厚(第三光学膜厚)は同じ膜厚である。具体的には、第三高屈折層63H及び第三低屈折層63Lは、n3H×d3H=n3L×d3L=λ/4を満たす第三光学膜厚を有する。ここで、第三設計中心波長λは、λ>λ>λの関係を満たす。
第一設計中心波長λ、第二設計中心波長λ、及び第三設計中心波長λは、分光測定装置1による測定対象となる波長域(以降、測定波長域と称する)に応じて設定される。例えば、可視光域から近赤外広域までを対象波長域(400nm~1000nm)とする場合、λ=1000nm、λ=650nm、λ=400nmとする。なお、第一設計中心波長λと第二設計中心波長λとの波長間隔が、第二設計中心波長λと第三設計中心波長λとの波長間隔より大きくなる例を示すが、これに限定されない。例えば、第一設計中心波長λと第二設計中心波長λとの波長間隔と、第二設計中心波長λと第三設計中心波長λとの波長間隔とを等間隔にしてもよい。詳細は後述するが、本実施形態の第一フィルター20では、測定波長域に複数のピーク波長を含む光を透過させる。第一設計中心波長λと第二設計中心波長λとの波長間隔と、第二設計中心波長λと第三設計中心波長λとの波長間隔は、これらのピーク波長の間隔が略均一となるように設定されていればよい。
また、第一積層体61と第二積層体62とは、透光性の第一接続層64を介して接続され、第二積層体62と第三積層体63とは、透光性の第二接続層65を介して接続されている。
第一接続層64は、屈折率n、膜厚dを有し、第一接続層64の光学膜厚は、第一設計中心波長と第二設計中心波長の平均に基づいた膜厚となる。つまり、第一接続層64の設計中心波長をλとすると、当該設計中心波長λは、λ=(λ+λ)/2であり、n×d=λ/4を満たしている。
第二接続層65は、屈折率n、膜厚dを有し、第二接続層65の光学膜厚は、第二設計中心波長と第三設計中心波長の平均に基づいた膜厚となる。つまり、第二接続層65の設計中心波長をλとすると、当該設計中心波長λは、λ=(λ+λ)/2であり、n×d=λ/4を満たしている。
具体的な例を挙げて、さらに説明すると、本実施形態では、第一反射膜23及び第二反射膜24において、第一高屈折層61H、第二高屈折層62H、及び第三高屈折層63Hは、同一素材により構成され、例えばTiOを用いる。また、第一低屈折層61L、第二低屈折層62L、及び第三低屈折層63Lは、同一素材により構成され、例えばSiOを用いる。
また、本実施形態では、第一積層体61の最も第二積層体62側に配置される層は第一高屈折層61Hであり、第二積層体62の最も第一積層体61側に配置される層は第二高屈折層62Hである。同様に、第二積層体62の最も第三積層体63側に配置される層は第二高屈折層62Hであり、第三積層体63の最も第二積層体62側に配置される層は第三高屈折層63Hである。この場合、第一接続層64及び第二接続層65として、低屈折層を用いることが好ましく、例えばSiOを用いる。
この場合、n1H=n2H=n3H、かつ、n1L=n2L=n3L=n=nとなるので、第一光学膜厚、第二光学膜厚、第三光学膜厚は、各層の厚みのみにより設定することができる。例えば、λ=1000nm、λ=650nm、λ=400nmである場合、第一高屈折層61Hの厚みをd1H=105.3nm、第一低屈折層61Lの厚みをd1L=169.8nmとする。第二高屈折層62Hの厚みをd2H=68.5nm、第二低屈折層62Lの厚みをd2L=110.4nmとする。第三高屈折層63Hの厚みをd3H=42.1nm、第三低屈折層63Lの厚みをd3L=67.9nmとする。また、第一接続層64の厚みは、d=(d1L+d2L)/2とすることができ、d=140.1nmである。同様に、第二接続層65の厚みは、d=(d2L+d3L)/2とすることができ、d=89.2nmである。
なお、第一反射膜23上に設けられる第一検出電極261や、第二反射膜24上に設けられる第二検出電極262の光学膜厚は、各積層体61,62,63を構成する各層の光学膜厚に対して十分に小さい。例えば、本実施形態では、第一検出電極261及び第二検出電極262をIGOにより構成し、その光学膜厚を20nmとして、約10nmの膜厚となるように形成する。
[第二フィルターの構成]
図4は、第二フィルター30の概略構成を模式的に示す断面図である。
第二フィルター30は、ファブリーペロー型の波長可変干渉フィルターであり、透光性の第三基板31と、透光性の第四基板32とを備える。これらの第三基板31及び第四基板32は、受光部40の光軸Oに沿って配置されている。この第二フィルター30は、波長域設定フィルターであり、第一フィルター20を透過した複数のピーク波長を有する透過光から、所定の波長域の光を透過させることで、目標波長のピーク波長の光のみを透過させるものである。
第三基板31には、第三反射膜33が設けられ、第四基板32には、第四反射膜34が設けられている。また、第二フィルター30は、第一フィルター20と同様に、第三反射膜33と第四反射膜34との間の寸法を変更する静電アクチュエーターである第二アクチュエーター35を備えている。この第二アクチュエーター35は、第三基板31に設けられる第三電極351と、第四基板32に設けられる第四電極352により構成されている。
第三基板31は、受光部40に向かう側の第五面31Aと、第四基板32に対向する第六面31Bとを有する。第三基板31は、第一基板21と略同様の構成を有する。つまり、第三基板31は、第五面31Aがエッチング処理されることで、略環状の凹溝である第二ダイアフラム部312と、第二ダイアフラム部312により囲われる第二可動部311とが形成されている。また、第二可動部311の第六面31Bに、第三反射膜33が設けられている。この第三反射膜33は、金属反射膜により構成されている。ここでの金属反射膜とは、金属膜の他、金属合金膜も含めるものである。第三反射膜33の第四基板32に対向する面には、第一フィルター20と同様、透明電極である第三検出電極361が設けられている。
また、第三基板31の第六面31Bには、第三反射膜33を囲うように、第二アクチュエーター35を構成する第三電極351が配置されている。第二アクチュエーター35は、透過波長域変更部を構成し、第三反射膜33と第四反射膜34との間の第二ギャップG2の寸法を変更することで、第二フィルター30を透過させる透過光の波長域を変更する。
第三基板31の第二ダイアフラム部312の外側は、第二ダイアフラム部312よりも光軸Oに沿った厚みが大きい第二外周部313を構成され、図示略の接合部材を介して第四基板32に接合されている。
第四基板32は、第三基板31に対向する第七面32Aと、第一フィルター20に対向する第八面32Bとを備える。
第四基板32は、第七面32Aがエッチング処理等によって加工されることで、第二基板22と同様、第二ミラー台321と、第二溝部322と、第二基台部323とが形成されている。
第二ミラー台321は、第三反射膜33に対して第二ギャップG2を介して対向する第四反射膜34が設けられる部位である。第四反射膜34は、第三反射膜33と同様、金属膜または金属合金膜により構成されている。
第四反射膜34の第二ギャップG2側には、透明電極である第四検出電極362が設けられている。この第四検出電極362は、第二ギャップG2を介して、第三検出電極361に対向し、第三検出電極361とともに、第二容量検出部36を構成する。つまり、本実施形態では、第三検出電極361及び第四検出電極362で保持される電荷が変化することで、第二ギャップG2の寸法を検出することが可能となる。
第二溝部322は、第三電極351に対向して設けられ、第四電極352が配置される。第四電極352は、上述のように、第三電極351とともに第二アクチュエーター35を構成し、第二可動部311を第四基板32側に変位させる。
第二基台部323は、接合部材を介して第三基板31の第二外周部313に接合される部位である。
なお、図示は省略するが、第二フィルター30には、第一フィルター20と同様に、第二アクチュエーター35の第三電極351及び第四電極352のそれぞれに電気接続された駆動端子と、第三検出電極361及び第四検出電極362のそれぞれに電気接続された検出端子とが設けられている。これらの端子が制御部50に接続され、制御部50の制御によって、第二アクチュエーター35への駆動電圧の印加や、第二容量検出部36を用いた第二ギャップG2の寸法の検出が実施される。
なお、図1に示す例では、第一フィルター20及び第二フィルター30を区別するために、第二基板22と、第四基板32とが、隙間を開けて配置されているが、第二基板22の第四面22Bと、第四基板32の第八面32Bとが透光性の接造材によって接合されていてもよい。
また、第二基板22と第四基板32とが同一構成であってもよい。つまり、第二基板22と第四基板32とが1つの基板により構成され、当該基板のうち第一基板21に対向する面に、ミラー台221や溝部222が設けられ、当該基板のうち第三基板31に対向する面に、第二ミラー台321や第二溝部322が設けられる構成としてもよい。
[受光部40の構成]
受光部40は、光学フィルター10を透過した光を受光するセンサーである。受光部40としては、例えば、CCDやCMOS等のイメージセンサーを用いることができる。受光部40は、光学フィルター10を透過した光を受光すると、受光量に応じた受光信号を制御部50に出力する。
[制御部50の構成]
制御部50は、図1に示すように、フィルター駆動回路51、受光制御回路52、分光測定部53等を備えて構成されている。
フィルター駆動回路51は、光学フィルター10の駆動を制御する回路である。フィルター駆動回路51は、光学フィルター10を設置する回路基板に設けられていてもよく、当該回路基板とは別体として設けられてもよい。
このフィルター駆動回路51は、第一駆動回路511、第二駆動回路512、第一容量検出回路513、第二容量検出回路514、メモリー515、及びマイコン516を備える。
第一駆動回路511は、マイコン516の制御に基づいて、第一フィルター20の第一アクチュエーター25に第一駆動電圧を印加する回路である。より具体的には、本実施形態では、第一駆動回路511は、マイコン516から目標波長に対応する第一目標電圧が指令されると、当該第一目標電圧に基づいて、第一アクチュエーター25を駆動させる。また、第一容量検出回路513で検出された第一ギャップG1の寸法に応じた検出信号を参照し、第一ギャップG1が目標波長に応じた目標値となるように、第一アクチュエーター25に印加する第一駆動電圧をフィードバック制御する。
第二駆動回路512は、マイコン516の制御に基づいて、第二フィルター30の第二アクチュエーター35に第二駆動電圧を印加する回路である。具体的には、第二駆動回路512は、マイコン516から目標波長に対応する第二目標電圧が指令されると、当該第二目標電圧に基づいて、第二アクチュエーター35を駆動させる。また、第二容量検出回路514で検出された第二ギャップG2の寸法に応じた検出信号を参照し、第二ギャップG2が目標波長に応じた目標値となるように、第二アクチュエーター35に印加する第二駆動電圧をフィードバック制御する。
第一容量検出回路513は、第一フィルター20の第一容量検出部26で保持される電荷に応じた検出信号を受信する。当該検出信号は、第一ギャップG1の寸法に応じて変化する信号である。また、第一容量検出回路513は、当該検出信号を第一駆動回路511に出力する。これにより、上述のように、第一駆動回路511により、第一ギャップG1の寸法が所望の目標値となるようにフィードバック制御され、第一フィルター20から所望の目標波長の光を透過させることが可能となる。
第二容量検出回路514は、第一容量検出回路513と同様であり、第二フィルター30の第二容量検出部36で保持される電荷に応じた検出信号を受信し、当該検出信号を第二駆動回路512に出力する。これにより、上述のように、第二駆動回路512により、第二ギャップG2の寸法が所望の目標値となるようにフィードバック制御され、第二フィルター30から所望の目標波長の光を透過させることが可能となる。
メモリー515は、光学フィルター10から透過させる光の目標波長と、当該目標波長に対応する第一ギャップG1の目標値(第一目標値)と、当該目標波長に対応する第二ギャップG2の目標値(第二目標値)とを記録した駆動テーブルが記録されている。また、メモリー515には、各目標値に対応する初期駆動電圧が記録されていてもよい。
マイコン516は、分光測定部53から測定開始の指令を受信すると、目標波長を設定し、第一駆動回路511及び第二駆動回路512を制御して、分光測定を実施させる。分光測定部53からの測定開始の指令としては、所定の波長間隔で、所定波長域に対する各波長に対する分光測定を実施する旨の指令の他、単一の目標波長に対する測定指令等が含まれる。
受光制御回路52は、受光部40から出力された受光信号をサンプリングするサンプリング回路、受光信号を増幅する増幅回路、受光信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路などを備えている。受光制御回路52は、これらの各回路により受光信号を信号処理し、信号処理された受光信号を分光測定部53に入力する。
分光測定部53は、例えばユーザーの操作に基づいて、フィルター駆動回路51及び受光制御回路52に分光測定の開始を指令する。そして、受光制御回路52から入力された受光信号に基づいて、測定対象に対する分光測定を実施する。
なお、本実施形態では、制御部50に、分光測定部53が含まれる構成を例示するが、例えば、分光測定装置1とは別体に、分光測定部53が設けられていてもよい。この場合、例えば、分光測定装置1と通信可能に接続されるパーソナルコンピューターやタブレット端末等のコンピューターを分光測定部53として機能させることができる。
[分光測定装置1の分光測定方法]
次に、本実施形態の分光測定装置1を用いた分光測定方法、及び、光学フィルター10の第一フィルター20及び第二フィルター30の光学特性について説明する。
図5は、本実施形態の分光測定装置1における分光測定方法を示すフローチャートである。
本実施形態の分光測定装置1では、例えばユーザーにより、分光測定処理を実施する旨の操作信号が分光測定部53に入力されると、分光測定部53から、フィルター駆動回路51及び受光制御回路52に、分光測定を指令する指令信号が出力される。
ここでは、一例として、特定の1つの波長を目標波長として分光測定処理を実施する旨の指令信号が出力された場合を例示する。
フィルター駆動回路51において、マイコン516は、分光測定部53から指令信号を受信すると(ステップS1)、メモリー515の駆動データから、目標波長に対応する第一目標値、及び第二目標値を読み出す(ステップS2)。
そして、マイコン516は、第一駆動回路511に、第一目標値に基づいた駆動を指令する駆動指令を出力し、第二駆動回路512に、第二目標値に基づいた駆動を指令する駆動指令を出力する(ステップS3)。
これにより、第一駆動回路511は、第一容量検出回路513から入力される第一ギャップG1が、第一目標値に応じた寸法となるように、第一アクチュエーター25を制御する。また、第二駆動回路512は、第二容量検出回路514から入力される第二ギャップG2が、第二目標値に応じた寸法となるように、第二アクチュエーター35を制御する。
ここで、本実施形態の光学フィルター10の光学特性について説明する。
図6は、本実施形態における第一フィルター20の光学特性、第二フィルター30の光学特性、及び光学フィルター10を透過した光の光学特性を示す図である。
本実施形態における第一フィルター20では、第一積層体61、第二積層体62及び第三積層体63が順に積層されることで構成された第一反射膜23及び第二反射膜24を有する。このような第一フィルター20では、1つの設計中心波長に基づいて高屈折層と低屈折層の層厚が設計された誘電体多層膜を用いた通常の波長可変干渉フィルターと比べて、広い測定波長域を持つ。つまり、誘電体多層膜を用いた通常の波長可変干渉フィルターでは、測定波長域が100nm~200nm程度の狭帯域となり、当該帯域外では、分光特性が得られず、高い透過率で光を透過してしまう。これに対して、本実施形態の第一フィルター20では、図6に示すように、可視光域から近赤外域の約600nmに亘る広い測定波長域内に対して、分光特性を有する。
また、第一フィルター20は、測定波長域内に、複数のピーク波長を含み、図6に示す例では、8個のピーク波長が現れる。各ピーク波長における透過光の半値幅は、図6に示すように、反射膜として金属膜や金属合金膜を用いた第二フィルター30よりも狭く、高い波長分解能でピーク波長を中心とした波長を出力することができる。図6の第一フィルター20の光学特性において、双方向矢印は、第一ギャップG1の寸法を変更した際の、各ピーク波長のシフト範囲を示している。つまり、これらのピーク波長は、第一ギャップG1の寸法を小さくすると、全体的に短波長側にシフトし、第一ギャップG1の寸法を大きくすると、全体的に長波長側にシフトする。
本実施形態では、第一フィルター20において、目標波長が、複数のピーク波長のうちの1つとなるように、第一ギャップG1を設定するが、図6に示すように、同時にその他の複数のピーク波長の光が第一フィルター20を透過する。そこで、本実施形態では、第二フィルター30により、目標波長以外の光を遮断し、目標波長の光のみを透過させる。
つまり、本実施形態では、マイコン516は、第一フィルター20及び第二フィルター30において、ピーク波長が目標波長となり、かつ、その他のピーク波長が、第一フィルター20及び第二フィルター30において重ならないように、第一目標値及び第二目標値を設定する。この際、第二フィルター30を透過するピーク波長を中心とした透過波長域A内に、第一フィルター20のピーク波長が1つのみ含まれるようにする。
例えば、図6に示す例では、目標波長を900nmとして、第一ギャップG1及び第二ギャップG2の寸法を設定した例である。この場合、第二フィルター30は、1次ピーク波長として、900nmの光を透過し、2次ピーク波長として450nm近傍の光を透過する。これに対して、第一フィルター20において、長波長側から2番目のピーク波長が目標波長である900nmとなるように、第一ギャップG1を設定すると、第二フィルター30における2次ピーク波長の450nmの光は、第一フィルター20を透過しない。これにより、光学フィルター10は、図6に示すように、目標波長である900nmの光を、第一フィルター20と同じ半値幅で透過させることができる。
また、図7は、目標波長と、第一ギャップG1及び第二ギャップG2の寸法との関係を示す図である。
図7の一点鎖線の矩形で囲われる部分に対する大括弧の添え字は、第二フィルター30において、目標波長に一致させるピーク波長の次数を示している。つまり、本実施形態では、第二フィルター30では、550nm未満の光を目標波長とする場合、2次ピーク波長が目標波長に一致するように、また、550nm以降の光を目標波長とする場合、1次ピーク波長が目標波長に一致するように、第二目標値を設定する。
また、図7の破線長円に囲われる部分に対する小括弧の添え字は、第一フィルター20において、目標波長に一致させるピーク波長の短波長側からの位置を示している。
つまり、マイコン516は、480nm未満の光を目標波長とする場合、図7の(1)に示すように、8つのピーク波長のうち、最も短波長側のピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。また、マイコン516は、480nm以上560nm未満の光を目標波長とする場合、(2)のように、8つのピーク波長のうち、2番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、560nm以上580nm未満の光を目標波長とする場合、(3)のように、3番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、580nm以上740nm未満の光を目標波長とする場合、(4)のように、4番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、740nm以上780nm未満の光を目標波長とする場合、(5)のように、5番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、780nm以上880nm未満の光を目標波長とする場合、(6)のように、6番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、880nm以上980nm未満の光を目標波長とする場合、(7)のように、7番目に短いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。マイコン516は、980nm以上の光を目標波長とする場合、(8)のように、最も長いピーク波長を目標波長に合わせるように第一目標値を設定する。
なお、図7に示す例は一例であり、目標波長をどのピーク波長に合わせるかは、第一フィルター20の各積層体の設計中心波長等の条件に応じて、適宜設定することができる。
図5に戻り、ステップS3の後、分光測定部53は、受光制御回路52から出力される受光信号を受信し(ステップS4)、受信信号の信号値に基づいて、測定対象の目標波長に対する光特性値を演算する(ステップS5)。例えば、分光測定部53は、測定対象の目標波長に対する光量や反射率等を演算する。なお、本実施形態では、1波長に対する分光測定のみを例示したが、例えば、測定波長域内の所定間隔となる各波長に対する分光スペクトルを算出する場合も、上記ステップS1~ステップS5を繰り返し実施すればよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の光学フィルター10は、第一フィルター20を有する。この第一フィルター20は、第一ギャップG1を介して対向する第一反射膜23及び第二反射膜24と、第一ギャップG1の寸法を変更する第一アクチュエーター25と、を備える。そして、本実施形態の第一反射膜23及び第二反射膜24は、第一積層体61、第二積層体62、及び第三積層体63により構成されている。また、これらの積層体61,62,63は、それぞれ、高屈折層と、低屈折層とが交互に積層されることで構成されている。さらに、各積層体61,62,63において、高屈折層の光学膜厚、及び、低屈折層の光学膜厚が、積層体61,62,63毎に設定された所定の設計中心波長λ,λ,λに基づいた膜厚であり、設計中心波長λ,λ,λは、積層体61,62,63毎にそれぞれ異なる。
つまり、第一積層体61では、第一設計中心波長λに基づいて、第一高屈折層61Hの光学膜厚n1H×d1H、及び第一低屈折層61Lの光学膜厚n1L×d1Lが設定されている。また、第二積層体62では、第二設計中心波長λに基づいて、第二高屈折層62Hの光学膜厚n2H×d2H、及び第二低屈折層62Lの光学膜厚n2L×d2Lが設定されている。第三積層体63では、第三設計中心波長λに基づいて、第三高屈折層63Hの光学膜厚n3H×d3H、及び第三低屈折層63Lの光学膜厚n3L×d3Lが設定されている。
これにより、第一ギャップG1の寸法に応じたピーク波長の光を第一フィルター20から透過させることができ、かつ、図6に示すように、当該ピーク波長が、可視光域から近赤外域に亘る広い範囲に現れる。また、各ピーク波長における光の透過特性において、半値幅は、第二フィルター30のような金属膜を反射膜とした波長可変干渉フィルターの透過波長域Aに対して十分に小さく、波長分解能が非常に高い。したがって、第一フィルター20を有する光学フィルター10は、第一フィルター20から出力される複数のピーク波長を適切に選択することで、広い測定波長域から、所望の目標波長の光を高精度に分光させて透過させることができる。
つまり、1つの設計中心波長に基づいて光学膜厚を設定した誘電体多層膜を備えた従来の波長可変干渉フィルターでは、例えば、100nm~200nm程度の狭帯域に対して、1つのピーク波長が現れるフィルターとなる。このため、このような誘電体多層膜を用いた従来の波長可変干渉フィルターでは、例えば可視光域から近赤外域までを含む広い測定波長域の測定を実施することができない。
また、複数の従来の波長可変干渉フィルターを光軸Oの方向に並べて配置することで、測定対象域を拡大することは可能であるが、この場合、多数の波長可変干渉フィルターが必要となる。例えば、本実施形態のように、約600nmの広い測定波長域とする場合、少なくとも3つ以上の波長可変干渉フィルターを積層する必要があり、装置の大型化を招いてしまう。
これに対して、本実施形態では、1つの第一フィルター20により、広い測定波長域に対して目標波長を設定することが可能となり、かつ、半値幅が狭く波長分解能が高い目標波長の光を透過させることが可能となる。
本実施形態の光学フィルター10では、第一積層体61の第一設計中心波長λ、第二積層体62の第二設計中心波長λ、及び第三積層体63の第三設計中心波長λは、第一ギャップG1に近接するにしたがって短くなる。
つまり、本実施形態では、λ>λ>λを満たし、これにより、図6に示すような光学特性が得られ、光学フィルター10の分光精度を高めることができる。
ここで、λ>λ>λを満たす積層体61,62,63を形成することによる効果を、本実施形態と比較例とを対比して説明する。比較例として、第一フィルター20と同様の構成を有するが、第一反射膜23及び第二反射膜24として、第一設計中心波長λ、第二設計中心波長λ、及び第三設計中心波長λを、第一ギャップG1に向かうにしたがって長波長となるように設定(λ<λ<λ)した波長可変干渉フィルター(比較例1)を用いる。
図8は、比較例1の波長可変干渉フィルターの光学特性を示す図である。なお、図8において、破線は、本実施形態の第一フィルター20の光学特性を示し、実線が、比較例1の光学特性を示す。図8の双方向矢印は、比較例1の波長可変干渉フィルターの反射膜間のギャップを変化した際のピーク波長のシフト範囲である。また、破線の双方向矢印は、第二フィルター30のピーク波長における透過波長域Aの一例を示している。
図8に示すように、比較例1の波長可変干渉フィルターは、透過光の光学特性において、長波長側でのピーク波長における半値幅が大きくなり、かつ、隣り合うピーク波長の間の波長域で光の透過率が高くなる。つまり、比較例1は、本実施形態に比べて、長波長側での分光精度が悪化している。
また、比較例1の波長可変干渉フィルターでは、長波長側において、λ>λ>λとする場合に比べて、複数のピーク波長の波長間隔が大きくなる。このため、反射膜間のギャップを変更しても分光できない波長が生じる。なお、第一ギャップG1の可変距離が大きくなるように、第一基板21の形状を設計することで、ピーク波長のシフト量を増大させることもできるが、この場合、波長可変干渉フィルターの大型化を招き、かつ、可動部の傾斜や撓みが生じやすくなることで、分光精度も悪化する。
さらに、比較例1の波長可変干渉フィルターは、短波長側での複数のピーク波長の間隔が、本実施形態に比べて短くなる。この場合、第二フィルター30のピーク波長を中心とした透過光の透過波長域Aに対して、複数のピーク波長が含まれることになる。よって、光学フィルター10から複数のピーク波長の光が透過され、短波長側でも分光精度が悪化する。
これに対して、本実施形態では、図8と図6とを比較すると分かるように、長波長側のピーク波長の波長間隔が、比較例1よりも小さく、短波長側のピーク波長の波長間隔が、比較例1よりも大きくなる。つまり、測定波長域に対して、複数のピーク波長の波長間隔が略均等に現れる。このため、第一ギャップG1の可変距離を過剰に大きくする必要がないので、第一フィルター20の小型化を図れる。また、各ピーク波長の波長間隔が、第二フィルター30のピーク波長における透過波長域Aよりも大きくなるので、複数のピーク波長が光学フィルター10を透過する不都合も抑制できる。よって、λ<λ<λとする場合にくらべて、光学フィルター10の分光精度を向上させることができる。
本実施形態の光学フィルター10では、第一積層体61と第二積層体62との間に第一接続層64が配置され、第二積層体62と第三積層体63との間に第二接続層65が配置されている。そして、第一接続層64の光学膜厚n×dは、第一接続層64を挟んで配置される第一積層体61及び第二積層体62のそれぞれの設計中心波長(第一設計中心波長λ及び第二設計中心波長λ)の平均に基づいた膜厚である。第二接続層65においても同様であり、光学膜厚n×dは、第二接続層65を挟んで配置される第二積層体62及び第三積層体63のそれぞれの設計中心波長(第二設計中心波長λ及び第三設計中心波長λ)の平均に基づいた膜厚である。
これにより、各積層体61,62,63の間の設計中心波長の差を、接続層64,65により均すことができ、図6に示すように、複数のピーク波長が略均等に位置する光学特性が得られる。
本実施形態の光学フィルター10は、第一フィルター20の光軸、つまり、受光部40の光軸上に、所定の波長域の光を透過させる波長域設定フィルターである第二フィルター30が設けられている。つまり、第二フィルター30は、目標波長を中心とした所定波長域の光を透過させる。
これにより、第一フィルター20から複数のピーク波長の光が透過される場合でも、目標波長に対応した特定のピーク波長の光のみを光学フィルター10から透過させることができる。
そして、本実施形態では、第二フィルター30は、金属反射膜により構成された第三反射膜33及び第四反射膜34を有する波長可変干渉フィルターであり、第三反射膜33及び第四反射膜34の間の第二ギャップG2を変更する第二アクチュエーター35を備えている。
これにより、第二アクチュエーター35によって、第二ギャップG2の寸法を変更することで、第二フィルター30を透過させる波長域を変更することができる。また、第二フィルター30が、金属反射膜である第三反射膜33及び第四反射膜34を用いた波長可変干渉フィルターにより構成されている。この場合、第二アクチュエーター35により第二ギャップG2の寸法を変更することで、可視光域から近赤外域に亘る広い波長域で透過光のピーク波長を変化させることができる。また、金属反射膜を用いた第二アクチュエーター35では、透過光は、ピーク波長を中心とした比較的広い波長域(透過波長域A)の波長成分を含む。つまり、第二フィルター30の波長分解能は第一フィルター20に比べて低い。しかしながら、本実施形態では、第一フィルター20が設けられることで、光学フィルター10から半値幅が狭く、波長分解能が高い透過光を透過させることができる。
そして、本実施形態では、第二フィルター30の透過波長域Aが、第一フィルター20における複数のピーク波長の波長間隔よりも狭い。これにより、第一フィルター20から出力される複数のピーク波長に対応した透過光から、所望の目標波長に対応するピーク波長の光のみを透過させることができる。
本実施形態の分光測定装置1は、上記のような第一フィルター20及び第二フィルター30を備える光学フィルター10と、第一アクチュエーター25及び第二アクチュエーター35を制御する制御部50と、を備える。具体的には、制御部50は、第一フィルター20から透過される複数のピーク波長の1つを目標波長とし、第二フィルター30の透過ピーク波長を目標波長とし、かつ、第二フィルター30の他の次数の透過ピーク波長が第一フィルター20の目標波長以外のピーク波長と重ならないように、第一ギャップG1及び第二ギャップG2の目標値を設定して、光学フィルター10を制御する。
これにより、第一フィルター20及び第二フィルター30を透過した目標波長の光を、高い波長分解能で透過させることができ、かつ、可視光域から近赤外域に亘る広い測定波長域内で、目標波長を選択することができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、同一の設計中心波長に基づいて高屈折層と低屈折層とを交互に積層して積層体を構成し、かつ、設計中心波長が異なる複数の積層体を積層することで第一反射膜23及び第二反射膜24を構成した。これに対して、第二実施形態では、設計中心波長が同一となる層により構成される積層体が設けられず、高屈折層及び低屈折層の各々において、設計中心波長が異なる点で上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項については同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態と、第一実施形態との相違点は、上述のように、第一反射膜23及び第二反射膜24の、膜構成であり、分光測定装置1の基本構成は第一実施形態と同じである。つまり、本実施形態の分光測定装置1も、第一実施形態と同様、第一フィルター20及び第二フィルター30を備えた光学フィルター10と、受光部40と、制御部50とを備えるものであり、これらの詳細な説明は省略する。
図9は、本実施形態の第一反射膜23の膜構成を示す断面図である。なお、図示は省略するが、第二反射膜24も第一反射膜23と同一の膜構成を有する。
本実施形態では、図9に示すように、第一反射膜23及び第二反射膜24は、複数の層71が積層された多層膜により構成されている。具体的には、各層71は、高屈折層71Hと、低屈折層71Lとを備え、これらの高屈折層71Hと低屈折層71Lとが交互に積層されることで構成されている。ここで、添え字の「M」は、第一基板21及び第二基板22からの積層順を示している。本実施形態では、最も第一基板21及び第二基板22に近い位置に配置される層は、図9に示すように、高屈折層71Hであり、第一基板21及び第二基板22から数えて奇数番目、つまり、mを1以上の整数として、M=2m-1の層は高屈折層71Hである。また、偶数番目、つまり、M=2mの層は低屈折層71Lである。なお、図9では、第一基板21及び第二基板22に近い位置に高屈折層71Hが配置される例であるが、第一基板21及び第二基板22に近い位置に低屈折層71Lが配置されていてもよい。この場合、M=2m-1の場合に、低屈折層71Lが配置され、M=2mの場合に、高屈折層71Hが配置される。
本実施形態では、複数の高屈折層71H、及び複数の低屈折層71Lは、それぞれ異なる光学膜厚を有し、かつ、第一ギャップG1に向かうにしたがって、当該光学膜厚が小さくなる。例えば、複数の高屈折層71Hが同一の構成素材で構成されて屈折率が同じである場合、複数の高屈折層71Hは、第一ギャップG1に向かうにしたがって、膜厚が漸減するように構成されている。同様に、複数の低屈折層71Lが同一の構成素材で構成されて屈折率が同じである場合、複数の低屈折層71Lは、第一ギャップG1に向かうにしたがって、膜厚が漸減するように構成されている。
より具体的には、本実施形態では、各層71の設計中心波長λは、等間隔となるように設定されている。つまり、x∈Mとし、x番目の層71の設計中心波長λと、x+1番目の層71x+1の設計中心波長λx+1との差(λ-λx+1)は、一定値Δλとなる。例えば、図9に示す例は、第一基板21及び第二基板22に最も近い位置に配置される高屈折層71Hは、設計中心波長を1000nmとして光学膜厚が設定され、2番目に配置される層71である低屈折層71Lは、設計中心波長を960nmとして光学膜厚が設定される。そして、以降、Δλ=40nmとして、第一ギャップG1に向かうにしたがって設計中心波長が小さくなり、最も第一ギャップG1に近い位置に配置される高屈折層71H17は、設計中心波長を360nmとして光学膜厚が設定されている。
次に、上記のような膜構成を有する第一フィルター20の光学特性について説明する。
図10は、第二実施形態の第一フィルター20の光学特性を示す図である。なお、図10において、双方向矢印は、第一ギャップG1を変化させた際のピーク波長のシフト範囲である。
図10に示すように、本実施形態の第一フィルター20の光学特性も、第一実施形態と同様に、可視光域から近赤外域(約400nmから約1000nm)に亘る広い測定波長域に、半値幅が狭い複数のピーク波長が現れる。この際、隣り合う層71間で、設計中心波長の差Δλを一定値としているので、複数のピーク波長の波長間隔が略均等となり、例えば短波長側の一部や長波長側の一部にピーク波長の波長間隔が密となる部分が生じない。
そして、本実施形態では、第一実施形態と同様、第一ギャップG1を小さくすると、各ピーク波長は、全体的に短波長側にシフトし、第一ギャップG1を大きくすると、各ピーク波長は、全体的に長波長側にシフトする。
したがって、第一実施形態と同様、第一フィルター20と第二フィルター30とを組み合わせることで、光学フィルター10から、可視光域から近赤外域までの広い測定波長域から目標波長の光のみを透過させることができる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の第一フィルター20は、第一実施形態と同様に、第一ギャップG1を介して対向する第一反射膜23及び第二反射膜24と、第一ギャップG1の寸法を変更する第一アクチュエーター25とを有する。そして、本実施形態の第一反射膜23及び第二反射膜24は、高屈折層71Hと低屈折層71Lとを交互に積層した多層膜により構成されており、各層71の光学膜厚が、層71毎にそれぞれ異なる設計中心波長λに基づいた膜厚であり、第一ギャップG1に近づくほど設計中心波長λが小さくなる。
これにより、第一実施形態と同様に、第一ギャップG1の寸法に応じたピーク波長の光を第一フィルター20から透過させることができ、かつ、当該ピーク波長が、例えば可視光域から近赤外域に亘る広い測定波長域に現れる。また、各ピーク波長における光の透過特性において、半値幅は、第二フィルター30のような金属膜を反射膜とした波長可変干渉フィルターに対して十分に小さく、波長分解能が非常に高い。したがって、第一フィルター20から出力される複数のピーク波長を適切に選択することで、広い測定波長域から、所望の目標波長の光を高精度に分光させて透過させることができる。
また、本実施形態では、隣り合う層71の設計中心波長λの差は一定値Δλである。この場合、図10に示すように、第一フィルター20の光学特性において、隣り合うピーク波長の波長間隔が略均一となる。よって、一部の波長間隔が密となることで、分光精度が低下する不都合や、一部の波長間隔が粗となることで、目標波長に設定できない波長が生じる不都合を抑制できる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(変形例1)
上記第二実施形態では、隣り合う層71間の設計中心波長λの差が一定値となるように、各層71の設計中心波長λを設定した。
これに対して、隣り合う層71間の設計中心波長λの差が一定値とならなくてもよい。例えば、隣り合う層71の設計中心波長λの差が、第一ギャップG1に向かうにしたがって徐々に小さくなるように、各層71の設計中心波長λが設定され、その設計中心波長λに基づいて、各層71の光学膜厚が設定されてもよい。
具体的な例を挙げると、図9に示すような第一反射膜23及び第二反射膜24の膜構成において、第一基板21及び第二基板22から1層目から6層目までの層71では、隣り合う層71の設計中心波長λの差が60nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。また、6層目から12層目のまでの層71では、前記差が40nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。さらに、12層目から17層目までの層71では、前記差が40nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。この場合の、第一フィルター20の光学特性を図11に示す。なお、図11において、破線は、第二実施形態の第一フィルター20の光学特性を示し、実線は、変形例1の第一フィルター20の光学特性を示している。
図11に示すように、本変形例1の第一フィルター20においても、第一実施形態や第二実施形態と同様に、可視光域から近赤外域に亘る約600nmの広い帯域を測定波長域とすることができ、当該測定波長域内に半値幅が小さい複数のピーク波長が現れる。また、各ピーク波長の波長間隔は、第二フィルター30の透過波長域Aよりも大きくなり、各ピーク波長が略均等に位置する。よって、第一実施形態と第二実施形態と同様、第一フィルター20から出力される複数のピーク波長を適切に選択することで、広い測定波長域から、所望の目標波長の光を高精度に分光させて透過させることができる。
一方、変形例1では、第二実施形態に比べて、長波長側の透過率が全体的に高くなり、ピーク波長の間の波長域の光が一定量透過するが、短波長側のピーク波長において、第二実施形態に比べて半値幅が小さくなる。つまり、本実施形態では、特に短波長側の分光測定を実施する際に、精度の高い測定を実施することが可能となる。
(変形例2)
また、第二実施形態において、隣り合う層71の設計中心波長λの差が、第一ギャップG1に向かうにしたがって徐々に大きくなるように、各層71の設計中心波長λが設定され、その設計中心波長λに基づいて、各層71の光学膜厚が設定されてもよい。
具体的な例を挙げると、図9に示すような第一反射膜23及び第二反射膜24の膜構成において、第一基板21及び第二基板22を基準として1層目から6層目までの層71では、隣り合う層71の設計中心波長λの差が20nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。また、6層目から12層目のまでの層71では、前記差が40nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。さらに、12層目から17層目までの層71では、前記差が60nmとなるように、各層71の設計中心波長λを設定する。この場合の、第一フィルター20の光学特性を図12に示す。なお、図12において、破線は、第二実施形態の第一フィルター20の光学特性を示し、実線は、変形例2の第一フィルター20の光学特性を示している。
図12に示すように、変形例2の第一フィルター20においても、第一実施形態や第二実施形態と同様に、可視光域から近赤外域に亘る約600nmの広い帯域を測定波長域とすることができ、当該測定波長域内に半値幅が小さい複数のピーク波長が現れる。また、各ピーク波長の波長間隔は、第二フィルター30の透過波長域Aよりも大きくなり、各ピーク波長が略均等に位置する。よって、第一実施形態と第二実施形態と同様、第一フィルター20から出力される複数のピーク波長を適切に選択することで、広い測定波長域から、所望の目標波長の光を高精度に分光させて透過させることができる。
一方、変形例2では、第二実施形態に比べて、短波長側の透過率が全体的に高くなり、ピーク波長の波長間隔が密となるが、長波長側のピーク波長において、第二実施形態に比べて半値幅が小さくなり、ピーク波長間の波長域の透過率が低下する。つまり、本実施形態では、特に長波長側の分光測定を実施する際に、精度の高い測定を実施することが可能となる。
(変形例3)
第一実施形態において、第一高屈折層61H、第二高屈折層62H、及び第三高屈折層63Hが同一素材により構成され、第一低屈折層61L、第二低屈折層62L、及び第三低屈折層63L、第一接続層64、及び第二接続層65が同一素材により構成される例を示した。これに対して、第一高屈折層61H、第二高屈折層62H、及び第三高屈折層63Hが異なる素材により構成されていてもよい。同様に、第一低屈折層61L、第二低屈折層62L、及び第三低屈折層63L、第一接続層64、及び第二接続層65が異なる素材により構成されていてもよい。
また、第一積層体61を構成する2つの第一高屈折層61Hが異なる素材により構成されていてもよい。第二積層体62及び第三積層体63においても同様であり、2つの第二高屈折層62Hが異なる素材により構成されていてもよく、2つの第三高屈折層63Hが異なる素材により構成されていてもよい。
さらに、第一積層体61が2つの第一高屈折層61Hと、1つの第一低屈折層61Lとにより構成される構成を例示したが、例えば、第一低屈折層61Lが複数設けられていてもよい。この場合、各第一低屈折層61Lがそれぞれ異なる素材により構成されていてもよい。なお、第二積層体62及び第三積層体63においても同様である。
すなわち、第一積層体61、第二積層体62、及び第三積層体63が、高屈折層と、高屈折層よりも低い屈折率の低屈折層とが交互に積層される構成を有し、各層の光学膜厚が、積層体61,62,63毎に設定された設計中心波長(第一設計中心波長λ、第二設計中心波長λ、第三設計中心波長λ)の1/4となる膜厚に設定されていればよい。
第二実施形態においても同様であり、高屈折層71Hと低屈折層71Lとが交互に積層される構成であれば、各高屈折層71Hを構成する素材や、各低屈折層71Lを構成する素材がそれぞれ異なっていてもよい。各層71の光学膜厚が、層71毎に設定された設計中心波長λの1/4倍となるように、膜厚が設定されていればよい。
(変形例4)
第一実施形態において、各積層体61,62,63は、第一基板21及び第二基板22側から、高屈折層、低屈折層の順に交互に積層される例を示したが、これに限定されない。例えば、低屈折層、高屈折層の順に交互に積層される構成としてもよい。なお、第二実施形態においても同様である。
また、第一実施形態では、第一積層体61の最も第二積層体62に近い位置に配置される層が第一高屈折層61Hであるため、第一積層体61と第二積層体62とを接続する第一接続層64は低屈折層により構成した。これに対して、第一積層体61の最も第二積層体62に近い位置に配置される層が第一低屈折層61Lである場合、第一接続層64は高屈折層により構成することが好ましい。また、この場合、第二積層体62の最も第一積層体61に近接する位置に配置される層は、第二低屈折層62Lとすることが好ましい。なお、第二接続層65においても同様である。
(変形例5)
第一実施形態において、第一接続層64により第一積層体61と第二積層体62とを接続し、第二接続層65により第二積層体62と第三積層体63とを接続する例を示した。これに対して、第一接続層64や第二接続層65が設けられず、第一積層体61に対して直接第二積層体62を積層し、第二積層体62に対して直接第三積層体63を積層する構成としてもよい。
(変形例6)
上記第一実施形態において、光学フィルター10は、波長域設定フィルターとして、第二フィルター30を備える構成としたが、これに限定されない。
例えば、光学フィルター10は、波長域設定フィルターとして、所定の狭帯域の光を透過させるバンドバスフィルターを複数備え、目標波長に応じて受光部40の光軸O上に配置するバンドバスフィルターを切り替える構成としてもよい。
(変形例7)
上記第一実施形態において、光学フィルター10は、測定光の入射側に第一フィルター20が配置され、受光部40に対向して第二フィルター30が配置される構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、光学フィルター10は、第二フィルター30が測定光の入射側に位置し、受光部40に対向して第一フィルター20が配置される構成としてもよい。
10…光学フィルター、20…第一フィルター、21…第一基板、22…第二基板、23…第一反射膜、24…第二反射膜、25…第一アクチュエーター(ギャップ変更部)、30…第二フィルター(波長域設定フィルター)、33…第三反射膜(金属反射膜)、34…第四反射膜(金属反射膜)、35…第二アクチュエーター(透過波長域変更部)、40…受光部、50…制御部、51…フィルター駆動回路、61…第一積層体、61H…第一高屈折層、61L…第一低屈折層、62…第二積層体、62H…第二高屈折層、62L…第二低屈折層、63…第三積層体、63H…第三高屈折層、63L…第三低屈折層、64…第一接続層、65…第二接続層、71…層、71H…高屈折層、71L…低屈折層、251…第一電極、252…第二電極、261…第一検出電極、262…第二検出電極、511…第一駆動回路、512…第二駆動回路、513…第一容量検出回路、514…第二容量検出回路。

Claims (7)

  1. ギャップを介して対向する一対の反射膜と、
    一対の前記反射膜の間隔を変更するギャップ変更部と、を備え、
    前記反射膜は、複数の積層体により構成され、
    複数の前記積層体は、それぞれ、高屈折層と、前記高屈折層よりも屈折率が小さい低屈折層とが交互に積層されることで構成されており、各前記積層体において、前記高屈折層の光学膜厚、及び、前記低屈折層の光学膜厚が、前記積層体毎に設定された所定の設計中心波長に基づいた膜厚であり、
    前記設計中心波長は、前記積層体毎にそれぞれ異なり、
    複数の前記積層体の前記設計中心波長は、前記ギャップに近接するにしたがって短くなる
    ことを特徴とする光学フィルター。
  2. 請求項1に記載の光学フィルターにおいて、
    複数の前記積層体は、透光性の接続層により接続され、
    前記接続層の光学膜厚は、前記接続層を挟む一対の前記積層体の前記設計中心波長の平均に基づいた膜厚である
    ことを特徴とする光学フィルター。
  3. ギャップを介して対向する一対の反射膜と、
    一対の前記反射膜の間隔を変更するギャップ変更部と、を備え、
    前記反射膜は、高屈折層と低屈折層とを交互に積層した多層膜により構成され、
    前記高屈折層及び前記低屈折層の各層の光学膜厚が、前記層毎にそれぞれ異なる設計中心波長に基づいた膜厚であり、前記ギャップに近づくほど前記設計中心波長が小さくなる
    ことを特徴とする光学フィルター。
  4. 請求項3に記載の光学フィルターにおいて、
    隣り合う前記層の前記設計中心波長の差は一定値である
    ことを特徴とする光学フィルター。
  5. 請求項1に記載の光学フィルターにおいて、
    一対の前記反射膜の光軸上に、所定の波長域の光を透過させる波長域設定フィルターが設けられている
    ことを特徴とする光学フィルター。
  6. 請求項5に記載の光学フィルターにおいて、
    前記波長域設定フィルターは、前記光軸に沿って互いに対向する一対の金属反射膜と、一対の前記金属反射膜の間の寸法を変更する透過波長域変更部と、を備える
    ことを特徴とする光学フィルター。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学フィルターと、
    前記ギャップ変更部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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