以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、第一の実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
画像形成装置1は、原稿の画像を読取るスキャナ2(読取装置の一例)と、原稿を搬送して搬送された原稿の画像を読み取る自動原稿搬送装置3と、画像形成装置1への操作入力を受け付ける操作部4と、画像形成されたシートが排紙される排紙部5と、原稿やシート等を載せるための載置部6と、シートに画像を形成する画像形成部7と、画像形成部7にて生じたシートのジャムを処理するためのジャム処理部8と、各々画像形成部7に搬送されるシートを積載するシートトレイ9A、9B、9Cと、画像形成装置1の下部に形成される開口部10と、画像形成装置1に用いられる電装部品を収納する電装収納部11、画像形成装置1の内部構成(画像形成装置本体)を覆う外装12を有する。
なお、以降各図の画像形成装置1の正面でユーザが操作を行う。そして、ユーザが画像形成装置1を操作する際にユーザが対向する画像形成装置1の面を画像形成装置1の前面と呼ぶ。また図1に示されるX軸方向は画像形成装置1の幅方向であり、Y軸方向は画像形成装置1の高さ方向であり、Z軸方向は画像形成装置1の奥行き方向である。
図1において、排紙部5は上部を画像形成装置1の一部、一例として図1中はスキャナ2で覆われている。また排紙部5は、画像形成装置1の幅方向の寸法内に設けられることにより、画像形成装置1の幅方向の省スペース化を実現できる。
操作部4は、ユーザが操作しやすいように、画像形成装置1の前面側、幅方向の中央付近に設けられることが好ましい。図1においては、排紙部5の、画像形成装置1の幅方向中央寄りの端部付近に設けられている。つまり、図1において操作部4の反対側の面は、排紙部5に面している。操作部4の位置はこれに限られずスキャナ2の側面に設けてもよいし、使用しない場合は画像形成装置1の内部に収納されていてもよい。
シートトレイ9A、9B、9Cは、シートトレイ9A、9B、9Cを引き出すための取っ手90A、90B、90Cを有する。ユーザは、画像形成装置1内部に収容された状態から、取っ手90A、90B、90Cを画像形成装置1の前面方向に引っ張ることで、シートトレイ9A、9B、9Cを画像形成装置1内部から少なくともその一部を引き出すことができる。なお、以降シートトレイ9A、9B、9Cを互いに区別する必要のないときはシートトレイ9と呼ぶことがある。
画像形成装置1は、その幅方向、つまり図1中のX軸方向に、複数のシートトレイが互いに並列に配置されている。このような構成を有することにより、最も低いシートトレイの操作性を良くしつつ、複数のシートトレイの容量を確保できる。複数のシートトレイが並列に配置されている場合、各シートトレイが、画像形成装置1の高さ方向、つまり図1中のY軸方向で重なる部分があってもなくてもよい。一例として、シートトレイ9Aとシートトレイ9Cは画像形成装置1の高さ方向で重なる部分がなく、並列に配置されている。
例えば、床から300mm程度以下の給紙トレイ位置は、操作がしにくいと言われるが、給紙容量を多くするために、給紙トレイを画像形成装置1の高さ方向に重ねて増やしていく構成の画像形成装置では、一番下の給紙トレイが床から約100mm程度の低い箇所に位置することもある。その場合ユーザはその位置まで手を伸ばして作業したり、車椅子に乗った状態では車椅子に遮られ低い位置のシートトレイが操作できなかったりして操作性が悪いという課題があった。
それに対し本実施形態では、シートトレイ9のうち少なくとも二つが画像形成装置1の幅方向に並列に配置されている。複数のシートトレイ9が高さ方向に狭い範囲内に収まるため、複数のシートトレイの高さ方向の操作範囲が狭くなり、高さ方向の操作性が良くなる。また高さ方向に狭い幅内に収まるため、その分シートトレイ9を床からより高い位置に設けることができ、ユーザが低い位置まで手を伸ばしたり、車椅子に乗った状態でシートトレイへの操作を車椅子によって遮られたりしない。
開口部10は、開口部10の上端である開口部上端101を有する。また図1において開口部10は画像形成装置1の下部において画像形成装置1の外装12の前面に開口するよう設けられている。したがって車椅子ユーザが画像形成装置1の下部に車椅子の足置き部分をぶつけたりすることなく画像形成装置1に近づいた状態で画像形成装置1の各部、つまりスキャナ2、自動原稿搬送装置3、操作部4、排紙部5、載置部6、画像形成部7、ジャム処理部8、シートトレイ9、電装収納部11等の操作が出来る。なお開口部10は、図1においては一例として外装12の一部として形成されており、開口部上端101は外装12の一部とも言える。
また開口部10は画像形成装置1の前面に開口しているため、車椅子等のユーザは画像形成装置1の前面から開口部10に足置き部分を入れて装置に近づいた状態で画像形成装置1の各部、つまりスキャナ2、自動原稿搬送装置3、操作部4、排紙部5、載置部6、画像形成部7、ジャム処理部8、シートトレイ9、電装収納部11等の操作を行うことができ、操作性が良い。
特に車椅子は、足置き部分が車椅子に座ったユーザの顔や胴体の位置よりも前に飛び出しているため、従来は、画像形成装置1を操作するためにユーザが画像形成装置1を操作できるように接近するには、車いすを横に向けて近づく必要があった。そのためには、画像形成装置1周辺に十分なスペースが必要であるという課題があった。ユーザは車椅子に乗って画像形成装置1に横に向けた状態で操作するため、片手で操作するか、両手で操作をするために体をねじる必要があるという課題があった。
それに対し、本実施形態では、画像形成装置1の下部に開口部10が設けられているため、車椅子ユーザは開口部10に足置き部分を入れて、車椅子を画像形成装置1の前面に向けた状態で画像形成装置1を操作するのに十分な距離まで近づくことができる。
電装収納部11は、画像形成装置1の画像形成動作を制御するコントローラや電源等を有する電装基板などに代表される電装部品を収納する。
外装12は、画像形成装置1の内部を覆う少なくとも前面、側面、背面を有しており、画像形成装置1の奥行き、幅は、図1においては一例として外装12の奥行き(前面と背面の間の距離)、幅(両側面間の距離)によって定められる。
ここで複数のシートトレイ9A、9B、9Cと開口部10との位置関係について述べる。シートトレイ9A、9B、9Cの底部をそれぞれ底部91A、底部91B、底部91Cとすると、底部91A、底部91B、底部91Cの中で底部91Cが最も低い。開口部10は、より詳細には開口部上端101は、三つのシートトレイ9A、9B、9Cのうち最も底部が低いシートトレイであるシートトレイ9Cの底部91Cよりも下に位置している。より詳細には、開口部10は、最も底部が低いシートトレイであるシートトレイ9Cの底部91C全体よりも下に位置している。このような構成を有することにより、ユーザにとって操作しやすい画像形成装置を提供できる。一例として最も低いシートトレイ9Cの操作性が良くなる。
ここで複数のシートトレイ9A、9B、9Cの位置関係について述べる。複数のシートトレイのうち底部が最も低いシートトレイである第一のシートトレイとしてのシートトレイ9Cと、第二のシートトレイとしてのシートトレイ9Aとは、画像形成装置1の幅方向、つまり図1中のX軸方向に並列に配置されている。このような構成を有することにより、最も低いシートトレイの操作性を良くしつつ、複数のシートトレイの容量を確保できる。複数のシートトレイが並列に配置されている場合、各シートトレイが、画像形成装置1の高さ方向、つまり図1中のY軸方向で重なる部分があってもなくてもよい。一例として、シートトレイ9Aとシートトレイ9Cは画像形成装置1の高さ方向で重なる部分がなく、並列に配置されている。
ここで複数のシートトレイ9A、9B、9Cと開口部10との位置関係についてさらに述べる。複数のシートトレイのうち底部が最も低いシートトレイである第一のシートトレイとしてのシートトレイ9Cと、第二のシートトレイとしてのシートトレイ9Aは並列に配置されており、開口部10は、第一のシートトレイであるシートトレイ9Cと第二のシートトレイであるシートトレイ9Aの少なくとも一方の下に位置する。また、開口部10は、シートトレイ9Cおよびシートトレイ9Aの下に位置する。
さらに、開口部10は、シートトレイ9Cとシートトレイ9Aの間の部分の下に位置する。
すなわち、開口部10は、シートトレイ9Cの下方からシートトレイ9Aの下方まで連続的に形成されている。開口部10は、シートトレイ9Cの下方からシートトレイ9Aの下方に跨って形成されているということもできる。このような構成により、車椅子ユーザ等が開口部10に足置き部分を入れて、第一のシートトレイ、第二のシートトレイいずれも操作しやすい。
ここで、画像形成装置1の前面の構成について述べる。図1においては一例として、シートトレイ9A、9B、9Cが画像形成装置1の内部に収容された状態での各シートトレイの前面と、外装12の前面が略同一平面である。すなわち、外装12の開口部10を形成する面の部分とシートトレイ9A、9B、9Cが画像形成装置1の内部に収容された状態での各シートトレイ9の前面とも略同一平面となっている。また一例としてシートトレイ9Cの幅方向の少なくとも一端部は、開口部10を形成する外装12の右側面に寄せて設けられている。シートトレイ9の外装12に寄せて設けられた一端部は、シートトレイ9が画像形成装置1の内部に収容された状態で、寄せて設けられた外装12の側面と略同一平面となっている。
なお、複数のシートトレイのうち底部が最も低いシートトレイである第一のシートトレイとしてのシートトレイ9Cと、シートトレイ9Cと並列に配置された第二のシートトレイとしてのシートトレイ9Aとで、収容可能なシートの最大収容サイズを互いに異ならせてもよい。また、収容可能なシートの最大収容枚数を互いに異ならせてもよい。シートの収容サイズが異なる、つまり装置の左右方向に幅の異なるシートトレイを、または最大収容枚数が異なる、つまり装置の高さ方向に幅の異なるシートトレイを、他部材との関係で適宜配置することで画像形成装置1のレイアウトの自由度が上がる。一例として各シートトレイの最大サイズ/最大収容枚数は、シートトレイ9Aがリーガル/500、シートトレイ9BがA4/100、シートトレイ9CがA4/250である。
図2は、本発明の一実施形態である画像形成装置の上面図および正面図である。
図2(a)は、画像形成装置1の上面図である。図2(a)において、Wは画像形成装置1の幅方向のサイズを表し、一例としては外装12の両側面間の距離である。Dは画像形成装置1の奥行方向のサイズを表し、一例としては外装12の前面と背面間の距離である。自動原稿搬送装置3は、原稿が積載される原稿積置部3Aと、搬送された原稿が排紙される原稿排紙部3Bを有する。
矢印Pはシートが画像形成される際に搬送され、また画像形成されたシートが排紙される方向を表し、矢印dは自動原稿搬送装置3における原稿が搬送される方向を表し、矢印P
と矢印dは直交している。すなわち、自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿の原稿搬送方向と、画像が形成されるシートが搬送されるシート搬送方向とが直交している。このような構成により、例えば長尺のシートをコピーする場合に画像形成装置の幅が大きくなることを抑制できる。
Wは一例として900mm以下である。このようにオフィス家具、一例として書類等を収納するキャビネット等の大きさを基準として幅を決めることで、画像形成装置1をオフィスに設置した際に画像形成装置1が元々あった通路に出っ張ることがない。例えば車椅子ユーザの通路を確保しやすい。
Dは一例として450mm以下である。Wは一例として900mm以下である。このようにオフィス家具、一例として書類等を収納するキャビネット等の大きさを基準として幅を決めることで、画像形成装置1をオフィスに設置した際に画像形成装置1が元々あった通路に出っ張ることがない。例えば車椅子ユーザの通路を確保しやすい。
図2(b)は、画像形成装置1の正面図である。図2(b)において、G1は画像形成部7の幅方向のサイズ(長さ)を、W10は開口部10の幅方向のサイズを、T1はシートトレイ9Aの幅方向のシート収納サイズを、T2はシートトレイ9Bの幅方向のシート収納サイズを、T3はシートトレイ9Cの幅方向のシート収納サイズを、それぞれ表している。矢印Pはシートが搬送され、排紙される方向を表す。G1は、具体的には、幅方向における画像形成部7の左側端部と右側端部の間の距離を示す。画像形成装置1は、底部に底板13を有する。また底板13は、開口部10の底部として構成され、底板13の画像形成装置1前面側端部は開口部10下端である開口部下端102として構成される。また画像形成装置1は、シートトレイ9A、9B、9Cに収納されたシートを画像形成部7および排紙部5に搬送するシート搬送部である搬送路70を内部に有する。シートトレイ9A、9B、9Cに収納されたシートは、搬送路70を搬送され、画像形成部7を下方から上方を通過する際に画像が形成される。
図2(b)に示すように、画像形成装置本体(画像形成装置1の内部構成)は、画像形成装置本体の(図1に示したZ軸方向)前面から見て水平方向に並ぶ第1領域(図の左側)と第2領域(図の右側)とを有し、第1領域にはスキャナ2、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9Aおよび電装収納部11が設けられている。
そして、第2領域には自動原稿搬送装置3(原稿の画像を読取る読取装置の他の例)、載置部6、ジャム処理部8(外装内に設けられた空間の一例)、およびシートトレイ9B、9Cが設けられている。
ここで、第1の領域に含まれる画像形成部7と、第2の領域に含まれるジャム処理部8が高さ方向(図1に示したY方向)において重なっている。すなわち、第1の領域と第2の領域は高さ方向において一部が重なっている。
スキャナ2は、原稿を押圧する圧板2Aと、読み取り原稿が載置される読取部2Bと、読取部2Bに積置された原稿の画像を読取るスキャナ本体2Cを有する。排紙部5は、画像形成されたシートが積載されるシート積載部50と、画像形成されたシートをユーザが取り出すための取出口51を有する。取出口51が画像形成装置1の前面に開口しているため、車椅子ユーザは、開口部10に足置き部分を入れて画像形成装置1により近づいた状態で取出口51から画像が形成されたシートを取り出すことができる。
圧板2Aは、読取部2Bに対し開閉可能である。すなわち、圧板2Aは読取部2Bの上部を覆うことにより閉じる閉位置と、読取部2Bの上部を開放する開位置を取ることが可能である。図2は圧板2Aが閉位置にある場合を示している。ユーザは圧板2Aを開位置に移動させた状態で読取部2Bに原稿を積置し、圧板2Aを閉位置に移動させてスキャナ本体2Cに原稿読み取りを行わせる。圧板2Aは、閉位置において原稿に圧を加えて原稿がずれることを防止できる。また圧板2Aは閉位置において原稿読み取り時の背景板となることで良好な読取を行うことができる。
自動原稿搬送装置3は、載置部6に対し開閉可能である。すなわち、自動原稿搬送装置3は載置部6の上部を覆うことにより閉じる閉位置と、載置部6の上部を開放する開位置を取ることが可能である。図2は自動原稿搬送装置3が閉位置にある場合を示している。ユーザは自動原稿搬送装置3を開位置に移動させた状態で載置部6に原稿やシートを置いたり取り出したりし、自動原稿搬送装置3を閉位置に移動させて自動原稿搬送装置3を使用する。
W10は一例として600mm以上である。あるいはJIS―T9201に定める車椅子のシート幅W1以上である。このような構成により、開口部10に車椅子の足置き部分を入れることができるため、車椅子ユーザが装置に近づいて操作しやすい。
画像形成装置1は、画像形成部7の隣に並列する部材として、画像形成部7の右隣にジャム処理部8を有する。また開口部10の幅方向長さW10は、画像形成部7の幅方向長さG1よりも長い。つまり、画像形成装置1は、画像形成部7の下方に、画像形成部7よりも少なくとも幅方向に広い空間である開口部10を有する。
そして開口部10は、画像形成装部7の下方から、画像形成部7の右隣に並列する部材であるジャム処理部8の下方へと跨って設けられている。
このように、開口部10が十分な幅方向の長さを有している。つまり開口部10は、画像形成装置1において画像形成部7より幅方向に広い。したがって、車椅子ユーザは、画像形成装置1において画像形成部7とその周囲の部材を操作するにあたり、開口部10に足置き部分を入れたまま幅方向に手を伸ばして画像形成部7、各シートトレイ9やその他の部材の操作を行なえるのに加え、車椅子の一部、例えば足置き部が開口部10に入った状態で、車椅子を回転させたり画像形成装置1の幅方向に移動したりできる。つまり例えば画像形成部7と同程度の幅の開口部10の幅であると、画像形成部7の横にある部材を操作したり、画像形成部7を操作しながら少し異なる方向を見ようとしたりする度に、開口部10から車椅子毎出る必要があるが、本実施形態の構成により、画像形成装置1に近い状態を保ったまま様々な作業を行うことができる。
また、開口部10の幅方向長さW10は、各シートトレイ9の幅方向のシート収納サイズT1,T2,T3よりも長い。つまり、画像形成装置1は、シートトレイ9A,9B,9Cの下に、各シートトレイ9よりも少なくとも幅方向に広い空間である開口部10が設けられている。開口部10は画像形成装置1のシートトレイのうち最も幅方向に長いシートトレイのシート収納サイズ長さよりも長いということもできる。
また開口部10の幅方向長さW10は、各シートトレイ9自体の幅方向長さよりも長い。つまり、画像形成装置1は、シートトレイ9の下方に、シートトレイ9よりも少なくとも幅方向に広い空間である開口部10を有する。そして開口部10は、シートトレイ9の下方から、シートトレイ9の右隣に並列する部材であるジャム処理部8の下方へと跨って設けられている。
以上説明したように画像形成部7によって記録媒体に画像形成する画像形成装置において、画像形成装置1の前面に開口された開口部10を有し、開口部10は、画像形成部7の下方に設けられ、開口部10の幅方向の長さは、画像形成部7の幅方向の長さよりも長い。したがって、車椅子ユーザが画像形成装置1の前面に向かった状態で画像形成装置1に近づいて作業することができる。
また、開口部10は、画像形成装置1の外装12の前面の一部として形成されており、画像形成部7の幅方向の少なくとも一端部は、外装12の側面の一部として形成されている。
また、開口部10と画像形成部7は、高さ方向において積み重なっており、さらに幅方向における互いの一部の領域が重複しており、開口部10の、画像形成部7と幅方向に一部重複している領域を除いた幅方向の領域と、シート取り出し空間としてのジャム処理部8、シートトレイ9B,9Cが積み重なっている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
画像形成装置1の幅は、例えば600mm以上でかつ900mm以下とすることで、車椅子の足置き部分を入れるために十分な幅の開口部10を設けることができ、さらにオフィスに設置した際に画像形成装置1が元々あった通路に出っ張ることがない。
図3は、本発明の一実施形態である画像形成装置の断面図である。図2に示した実施形態のA-A断面図である。Hは、床に対する底板13の高さである。Hは床に対する開口部下端102の高さということもできる。HLは、床に対する底部が最も低いシートトレイ9Cの底部91Cまでの高さである。D10は開口部10の奥行き方向のサイズを表す。自動原稿搬送装置3は、搬送される原稿の裏面(原稿積置部3Aに置かれた原稿の下面)の画像を読み取る裏面読取部33と、搬送される原稿の表面(原稿積置部3Aに置かれた原稿の上面)の画像を読み取る表面読取部34を有する。
ユーザが自動原稿搬送装置3の上部に置いた原稿は、矢印dの経路を搬送される間に、裏面読取部33を通過する際に裏面の画像が読み取られ、表面読取部34を通過する際に表面の画像が読み取られる。このような構成により、原稿一枚につき一方向への搬送を一回行う間に、原稿の両面の画像を読み取ることができる。このような構成により、原稿一枚につき搬送を二方向以上に行う場合と比べ搬送経路が短くなるため、自動原稿搬送装置3におけるジャム発生率を下げることができ操作性が向上できる。またこのような構成を1パス両面読取構成と呼ぶことがある。
ここでHは一例として、JIS―T9201に定める車椅子のフットサポート高H7である50mmよりも低い。また、D10は、JIS―T9201に定める車椅子のフットサポート長L5以上である。このような構成により、車椅子ユーザが画像形成装置1に足置きの部分をぶつけることなく画像形成装置1により近づいて操作できる。
またHLは一例として、300mm以上である。このような構成により、車椅子ユーザが画像形成装置1に足置きの部分をぶつけることなく画像形成装置1により近づいて例えばシートトレイの開閉等の操作を行うことができる。
以上説明した本実施形態において、図1でも示したように開口部10が第一のシートトレイ9Aの下方から第二のシートトレイ9Cの下方まで連続的に形成されていると、図3に示したように車椅子ユーザは足置き部分を開口部10に入れた状態で、画像形成装置1のほぼ中央位置において画像形成装置1の各種操作を行うことができる。
具体的には、画像形成装置1のほぼ中央に位置する操作部4を、操作部4のほぼ正面で操作可能である。また、画像形成装置1の中央部付近に位置する搬送路70を挟んで幅方向に並んだシートトレイの、左右どちらのシートトレイにも手が届き操作可能である。また、画像形成装置1の中央部付近に位置する搬送路70を挟んで幅方向左右に並んだシートトレイの、左右どちらのシートトレイにも手が届き操作可能である。また画像形成装置1の中央部付近を挟んで並んだ画像形成部7の部品交換処理やジャム処理部8でのジャム処理を、どちらにも手が届き処理可能である。また画像形成装置1の中央部付近を挟んで並んだスキャナ2と自動原稿搬送装置3のどちらにも手が届き操作可能である。
図4は、画像形成装置1の内部構成を示す正面図である。画像形成装置1は、画像形成部7の内部を開放する開閉部71と、ジャム処理部8の内部を開放する開閉部81と、電装収納部11の内部を開放する開閉部111を有する。
画像形成部7は、画像形成装備1において、支持部14によって支持されている。支持部14の幅方向の長さG2は画像形成部7の幅方向長さG1よりも長い。支持部14の上方には支持部14の下方には空間が設けられている。空間の一例としては開口部10である。画像形成部7は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色のトナーを収納するトナーボトル72K、72C、72M、72Yと、トナーボトル72K、72C、72M、72Yから供給されるトナーを用いてブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色の画像を形成する画像形成ユニット73K、73C、73M、73Yを内部に有する。
画像形成部7は、また、画像形成ユニット73K、73C、73M、73Yが形成した各色の画像が転写される中間転写ユニット74と、搬送路70を搬送されるシートに中間転写ユニット74に転写された画像を二次転写する二次転写ローラ75と、二次転写ローラ75に対してシートを搬送するレジストローラ76を内部に有する。
ジャム処理部8は、少なくとも画像形成時に搬送路70を覆う搬送部カバーであるジャム処理用開閉カバー82と、ジャム処理用開閉カバー82をスライドして移動させるスライドレール84と、ユーザによる搬送路70からのシート除去等のジャム処理を行うシート取り出し空間であるジャム処理空間85と、ジャム処理空間85を画像形成装置1の前面に対して開放するジャム処理空間開口部86を有する。
ジャム処理部8は、画像形成部7に並列する空間であり、一例として外装12の一部からなる天井部87A、側壁部87B、87Cそして支持部14によって区切られた空間である。支持部14の下方には空間が設けられている。空間の一例としては開口部10である。また画像形成部7に並列する空間の一例としてのジャム処理部8は、支持部14の上方に位置する。そして前述のように支持部14の幅方向の長さG2は画像形成部7の幅方向長さG1よりも長い。
このように画像形成部7に幅方向に並列する空間を有することで、画像形成装置1の横幅が広がり、したがって例えば車椅子ユーザが足置き部分を入れるのに十分な開口部10を設けることができる。
二次転写部73は、ジャム処理用開閉カバー82に取り付けられており、ジャム処理用開閉カバー82が移動することにより、シートに二次転写する二次転写位置と、搬送路70を開放する開放位置の間で移動可能である。図4において、実線で示される二次転写ローラ75、ジャム処理用開閉カバー82、スライドレール84は、開放位置を示し、図4における1点鎖線は、これら二次転写ローラ75、ジャム処理用開閉カバー82、スライドレール84の二次転写位置を示す。
電装収納部11は、シートトレイ9Cと並列、かつ高さ方向(図1中のY軸方向)で重なるように配置され、記憶媒体であるSDカードを挿入可能なSDカード挿入口112と、記憶媒体であるUSBメモリを挿入可能なUSBメモリ挿入口113と、LANケーブルを接続可能なLANケーブル接続口114を内部に有する。SDカード挿入口112と、USBメモリ挿入口113と、LANケーブル接続口114は画像形成装置1の前面に設けられる。
このような構成により、画像形成装置1の前面側でその他の操作を行うユーザがそのまま電装収納部11の操作も行うことができる。また、電装部品を例えば画像形成装置1の背面に収納する場合、その分画像形成装置1の奥行きが大きくなってしまう。それに対しシートトレイ9や、画像形成部7等と、高さ方向に重なる電装収納部11に電装部品が収納されることにより、レイアウトの自由度が増し、例えば画像形成装置1の奥行きを狭くすることができる。車椅子ユーザや、ユーザの身長によっては、画像形成装置1の奥行き方向の幅が広いと、画像形成装置1の奥側が見えにくい、また自動原稿搬送装置3の開動作で手が届かなくなるといった課題があるため、画像形成装置1の奥行きを狭くすることにより、ユーザの利便性が高まる。なお、画像形成装置1に収納するシートの容量を多くしたい場合は、電装収納部11が配置されている箇所に電装収納部11に替えてさらなるシートトレイ9を設けてもよい。
ここで、図4を用いて画像形成部7によるシートへの画像形成について述べる。シートトレイ9A、9B、9Cに収納されたシートは、シート搬送部である搬送路70によって画像形成部7に搬送されて画像が形成される。画像が形成されたシートは、さらに搬送路70によって搬送され、排紙部5に排紙される。
搬送路70は、シートトレイ9Aとシートトレイ9C、シートトレイ9Cとシートトレイ9Bとの幅方向の間付近を、高さ方向に通過するように設けられている。そして搬送路70が高さ方向にシートを搬送する間に、幅方向左右いずれから搬送路70上のシートに画像が付与される。図4では、矢印Tで示される方向である画像付与、つまり幅方向左側から、搬送路70を搬送されるシートに画像が付与される。
ここでシートトレイ9A,9B,9Cには、シートの両面が上下になるようにシートが収納されている。その結果、図4においては、シートトレイ9Aに収納された状態で上面であった面に画像が付与され、シートトレイ9Aと並列であるシートトレイ9Bおよびシートトレイ9Cに収納された状態で逆の面である下面に画像が付与される。
画像付与は搬送路70の右側からであってもよい。その場合は、シートトレイ9Aに収納された状態で下面であった面に画像が付与され、シートトレイ9Aと並列であるシートトレイ9Bおよびシートトレイ9Cに収納された状態で逆の面である下面に画像が付与されることになる。
上述のように搬送路70が構成されているため、第一のシートトレイに収納されたシートに画像形成部7によって画像が形成される面と、第二のシートトレイに収納されたシートに画像形成部7によって画像が形成される面とは、第一のシートトレイまたは前記第二のシートトレイに収納された状態で、上下に逆の面である。このような構成とすることで、画像形成装置1の幅内で、効率よく画像形成できる。
ここで図4を用いてジャム処理について述べる。ジャム処理空間85は、画像形成装置1の幅寸法内に配置されている。一例として複数のシートトレイのうちいずれかの上部に配置されている。このような構成によって、画像形成装置1の幅寸法内でシートトレイの操作と搬送路からシートを取り出すための操作を行うことができる。
そして搬送部カバーであるジャム処理用開閉カバー82は、ジャム処理空間85内を移動可能である。一例として、ジャム処理用開閉カバー82は、搬送路70を覆う位置である閉位置から、搬送路70をジャム処理空間85に対して開放する位置である開位置へと移動することにより、搬送路70をジャム処理空間85に対して開閉可能である。このような構成により画像形成装置1の幅寸法内で搬送部カバーを開けて給紙トレイの操作と搬送路からシートを取り出すための操作を行うことができる。
またジャム処理空間85は、画像形成装置1前面に開口した取り出し空間開口部86を有する。このような構成により、ユーザは画像形成装置1の前面側でその他の操作とともにジャム処理も行うことができる。
開閉部81は取り出し空間開口部86を画像形成装置1の外部に対して開閉可能である。このような構成によって、取り出し空間を、搬送部からシートを取り出すとき作業時以外は閉じて、画像形成装置1の内部を保護したり、外観を良くしたりできる。
なお図4では、いわゆるフルカラー電子写真方式の画像形成部7を例に説明を行ったが画像形成部7の方式はこれに限るものではない。例えばブラックトナーのみで画像を形成するモノクロ電子写真方式の画像形成部7としてもよい。また、各シートトレイから搬送されたシートにインクジェットヘッドで画像を形成するインクジェット方式の画像形成部7であってもよい。
図5は、第一の実施形態に係る画像形成装置の使用状況の第一の例を示す正面図である。画像形成装置1の使用状態を示す正面図である。スキャナ2は、圧板2Aを回動可能に支持する圧板支持軸20Aと、圧板持ち手21を有する。画像形成装置1は、自動原稿搬送装置3を回動可能に支持する支持軸30Aを有する。Hhは、排紙部5の下端に対する圧板2Aまたは自動原稿搬送装置3を開閉する操作位置の高さである。排紙部5、スキャナ2の圧板2A、自動原稿搬送装置3を操作するためにユーザが手を動かす高さ方向の範囲ということもできる。図5は圧板2Aおよび自動原稿搬送装置3が開位置にある場合を示している。
圧板支持軸20Aは、画像形成装置1の幅方向の左端部に、軸線が画像形成装置1の奥行き方向と平行に延びるように配置されている。圧板2Aは、圧板支持軸20Aを支点として読取部2B、スキャナ本体2C、画像形成装置1に対して回動可能である。この回動動作によって圧板2Aは、読取部2Bに対し開閉可能である。ユーザは圧板持ち手21を持って圧板2Aを容易に操作可能である。
比較例として、圧板支持軸20Aが画像形成装置1の幅方向の場合、ユーザが前面から圧板2Aを開く動作をすると、圧板2Aが開くにつれて画像形成装置1の前面から奥行き方向に遠ざかる。その結果、ユーザは圧板2Aに手に届きにくくなり操作しづらいことがある。上述のように圧板支持軸20Aの軸線が奥行き方向であるため、圧板2Aがユーザに対して奥行き方向に遠ざかってユーザが操作しづらくなる、という不具合を解消できる。
また圧板持ち手21は、支持軸20Aと、圧板2Aの支持軸20Aと反対側の端部の間であって、支持軸20Aと反対側の端部間の距離の中心より支持軸20Aに近い位置に設けられている。圧板持ち手21の全体が支持軸20Aと反対側の端部間の距離の中心より支持軸20Aに近い位置に設けられていることが好ましい。また、圧板持ち手21は画像形成装置1の前面側に設けられている。このような構成によりHhの幅を狭くして、ユーザが手を動かす高さ方向の範囲を減らすことができる。
支持軸30Aは、画像形成装置1の幅方向の右端部に、軸線が画像形成装置1の奥行き方向と平行に延びるように配置されている。自動原稿搬送装置3は、支持軸30Aを支点として載置部6、画像形成装置1に対して回動可能である。この回動動作によって自動原稿搬送装置3は、載置部6に対し開閉可能である。例えば支持軸30Aが画像形成装置1の幅方向の場合、ユーザが前面から自動原稿搬送装置3を開く動作をすると、自動原稿搬送装置3が開くにつれて画像形成装置1の前面から奥行き方向に遠ざかる。その結果、ユーザは、自動原稿搬送装置3に手に届きにくくなり操作しづらいことがある。上述のように支持軸30Aの軸線が奥行き方向のため、自動原稿搬送装置3がユーザに対して奥行き方向に遠ざかってユーザが操作しづらくなる、という不具合を解消できる。
図6は、第一の実施形態に係る画像形成装置の使用状況の第二の例を示す正面図である。
スキャナ2は、圧板2Aを回動可能に支持する圧板支持軸20Bを有し、画像形成装置1は、自動原稿搬送装置3を回動可能に支持する支持軸30Bを有する。図6も図5と同様圧板2Aおよび自動原稿搬送装置3が開位置にある場合を示している。
圧板支持軸20Bは、画像形成装置1の幅方向の中央部に、軸線が画像形成装置1の奥行き方向と平行に延びるように配置されており、圧板2Aは、圧板支持軸20Bを支点として読取部2B、スキャナ本体2Cに対して回動可能である。図6の圧板支持軸20A同様、圧板支持軸20Bの軸線が奥行き方向のため、圧板2Aに奥行き方向に届かなくなるという不具合を解消できる。
また圧板持ち手21は、支持軸20Bと、圧板2Aの支持軸20Bと反対側の端部の間であって、支持軸20Bと反対側の端部間の距離の中心より支持軸20Bに近い位置に設けられている。圧板持ち手21の全体が支持軸20Bと反対側の端部間の距離の中心より支持軸20Bに近い位置に設けられていることが好ましい。また、圧板持ち手21は画像形成装置1の前面側に設けられている。このような構成によりHhの幅を狭くして、ユーザが手を動かす高さ方向の範囲を減らすことができる。
支持軸30Bは、画像形成装置1の幅方向の中央部に、軸線が画像形成装置1の奥行き方向と平行に延びるように配置されており、自動原稿搬送装置3は、支持軸30Bを支点として載置部6、画像形成装置1に対して回動可能である。図6の支持軸30Aと同様、支持軸30Bの軸線が奥行き方向のため、自動原稿搬送装置3に奥行き方向に届かないという不具合を解消できる。
図7は、第一の実施形態に係る画像形成装置の使用状況の第三の例を示す正面図である。
スキャナ2は、読取部2Bおよびスキャナ本体2Cに対してスライド可能に圧板2Aを保持している。自動原稿搬送装置3は、その上端が圧板2Aの下端よりも下方に位置するように配置されており、圧板2Aは、読取部2Bおよびスキャナ本体2Cの上方から自動原稿搬送装置3の上方へ画像形成装置1の幅方向にスライドして移動可能である。つまり圧板2Aは、画像形成装置1の幅方向のスライドに伴い、排紙部5、自動原稿搬送装置3の上部を移動する。Hhは、排紙部5の下端に対する圧板2Aをスライドする操作位置の高さである。このスライド動作によって、圧板2Aは、読取部2Bに対し開閉可能である。圧板2Aは画像形成装置1の幅方向に飛びなさない範囲でスライドさせれば、画像形成装置1の幅方向に省スペース化を実現できる。
図8は、第二の実施形態に係る画像形成装置を示す正面図である。
画像形成装置1は、排紙部5の上部の空間に、天板15Aを有する。天板15Aは排紙部5の上部に固定されている。そして画像形成装置1は、自動原稿搬送装置3とジャム処理部8の間に、図2に示した載置部6に代えてスキャナ2を有する。固定された天板15Aは、板状部材である。排紙部5の上部に配置されることにより、排紙部5からの音漏れ、臭気などを低減している。天板15Aを画像形成装置1の最上部に設ければ、ユーザは天板15Aの上で所望の作業を行うことも可能である。なお画像形成部7とジャム処理部8の内部構成については図4の説明と共通の為、省略する。
図8に示すように、画像形成装置本体(画像形成装置1の内部構成)は、画像形成装置本体の(図1に示したZ軸方向)前面から見て水平方向に並ぶ第1領域(図の左側)と第2領域(図の右側)とを有し、第1領域には天板15A、排紙部5、画像形成部7およびシートトレイ9Aが設けられている。
また、第2領域には自動原稿搬送装置3、スキャナ2、ジャム処理部8、およびシートトレイ9B、9Cが設けられており、第1の領域に含まれる画像形成部7と、第2の領域に含まれるジャム処理部8が高さ方向(図1に示したY方向)において重なっている。すなわち、第1の領域と第2の領域は高さ方向において一部が重なっている。
図9は、第三の実施形態に係る画像形成装置を示す正面図である。第三の実施形態を図9(a)上面図、図9(b)正面図を用いて説明する。
図9(a)(b)に示されるように画像形成装置1は、天板15B、天板15C、左前ドア16Aおよび右前ドア16Bを有する。また操作部4は、スキャナ2の外側、そして画像形成装置1の幅方向の中央付近に設けられている。なお、本実施形態においては、画像形成されたシートが積載されるシート積載部50に、シートが画像形成装置1の背面から前面に向かって搬送される構成である。
天板15Bは、一例として外装12に固定支持され、画像形成装置1の最上部を覆っている。天板15B,15Cは板状の部材である。図9(a)に示されるように天板15Bの一部が切り欠かれ、天板15Cによって天板15Bの切り欠き部分を占めるように、天板15Cが支持されている。天板15Cは透明部材で形成されている。一例としてアクリル板で形成されており、ユーザは自動原稿搬送装置3があることを画像形成装置1の上部から天板15Cを介して視認することができる。
左前ドア16Aは画像形成装置1の左側の正面を覆い、ユーザが開閉可能なドアである。右前ドア16Bは画像形成装置1の右側の正面を覆い、ユーザが開閉可能なドアである。次に図10を用いて、左前ドア16A,右前ドア16Bを開けた内部構成について説明する。
図10は、第三の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の第一の例を示す正面図である。ユーザは天板15Cを上部に開いてスキャナ2や自動原稿搬送装置3を操作することができる。
右前ドア16Bを開けた内部には、画像形成部7、シートトレイ9D、9Eが備えられている。画像形成部7、シートトレイ9Eは、外装12の右側面に寄せて配置されている。また画像形成部7は、シートトレイ9D、9Eを介して支持部14に支持されている。画像形成部7の幅方向長さG1よりも開口部10の幅W10の方が長い。そして支持部14の幅方向の長さG2は、画像形成部7の幅方向の長さG1よりも長い。なお、画像形成部7とシートトレイ9D,9Eを一体とした画像形成ユニットとすることも可能である。その場合、画像形成ユニットが、画像形成装置1内部に設けられた空間に配置されているということもできる。
画像形成部7の上には排紙部5が設けられており、シートトレイ9D、9Eは、外装20の(図1に示したZ軸方向)前面側に引き出し可能であって、画像形成部7の下に設けられている。
左前ドア16Aを開けた内部には、収納部17が設けられている。そして収納部17は、棚部171A,171Bおよび171Cを備える。ユーザは棚部171A,171B,171Cに、使用前のシートや画像形成装置1で用いられるサプライ品等、所望の物品を置くことができる。収納部17は、画像形成部7に並列する空間であり、画像形成部7の左隣に設けられている。収納部17は一例として外装12の一部からなる天井部172A、側壁部172B、172Cそして支持部14によって区切られた空間である。収納部17は、支持部14の画像形成部7が支持されている幅方向の領域を除いた領域に支持されている。
図10に示すように、画像形成装置本体(画像形成装置1の内部構成)は、画像形成装置本体の(図1に示したZ軸方向)前面から見て水平方向に並ぶ第1領域(図の右側)と第2領域(図の左側)とを有し、第1領域には天板15B、排紙部5、画像形成部7およびシートトレイ9D、9Eが設けられている。
また、第2領域(空間部の一例)には天板15C、自動原稿搬送装置3、スキャナ2および収納部17が設けられており、第1の領域に含まれる画像形成部7と、第2の領域に含まれる収納部17(外装内に設けられた空間の他の例)が高さ方向(図1に示したY方向)において重なっている。すなわち、第1の領域と第2の領域は高さ方向において一部が重なっている。
また、シートトレイ9A、9B、9Cと同様に画像形成部7に搬送されるシートを積載するシートトレイ9D、9Eを有する。一例として、シートトレイ9DがA4、シートトレイ9EがA3を収納するシートトレイである。なお、以降シートトレイ9D、9Eを互いに区別する必要のないときはシートトレイ9と呼ぶことがある。
ここで複数のシートトレイ9D、9Eと開口部10との位置関係について述べる。シートトレイ9D、9Eの底部をそれぞれ底部91D、底部91Eとすると、底部91D、底部91Eのうち底部91Eが最も低い。開口部10は、より詳細には開口部上端101は、シートトレイ9D、9Eのうち最も底部が低いシートトレイであるシートトレイ9Eの底部91Eよりも下に位置している。このような構成を有することにより、ユーザにとって操作しやすい画像形成装置を提供できる。一例として最も低いシートトレイ9Eの操作性が良くなる。
さらに、開口部10は、収納部17と画像形成部7、またはシートトレイ9D、9Eとの下方の、収納部17と画像形成部7、またはシートトレイ9D、9Eとの下方の、間の部分に位置する。すなわち、開口部10は、収納部17の下方から、画像形成部7、またはシートトレイ9D、9Eの下方とに跨って形成されている。開口部10は、収納部17の下方から、画像形成部7、またはシートトレイ9D、9Eとの下方に連続して形成されているということもできる。このような構成により、車椅子ユーザ等が開口部10に足置き部分を入れて、画像形成装置1の各部を操作しやすい。
ここで、画像形成装置1の前面の構成について述べる。図1においては一例として、シートトレイ9A、9B、9Cが画像形成装置1の内部に収容された状態での各シートトレイの前面と、外装12の前面が略同一平面である。すなわち、外装12の開口部10を形成する部分とシートトレイ9A、9B、9Cが画像形成装置1の内部に収容された状態での各シートトレイの前面とも略同一平面となっている。
T4はシートトレイ9Dの幅方向のシート収納サイズを、T5はシートトレイ9Eの幅方向のシート収納サイズをそれぞれ表している。また開口部10の幅方向長さW10は、画像形成部7の幅方向長さG1よりも長い。つまり、画像形成装置1は、画像形成部7の下に、画像形成部7よりも少なくとも幅方向に広い空間である開口部10が設けられている。
以上説明したように画像形成部7によって記録媒体に画像形成する画像形成装置において、画像形成装置1の前面に開口された開口部10を有し、開口部10は、画像形成部7の下方に設けられ、開口部10の幅方向の長さは、画像形成部7の幅方向の長さよりも長い。したがって、例えば車椅子ユーザが画像形成装置1に近づいて容易に作業ができる。
また開口部10は、画像形成装置1の外装12の前面の一部として形成されており、画像形成部7の幅方向の少なくとも一端部は、外装12の側面の一部として形成されている。
また開口部10と画像形成部7は、高さ方向において積み重なっており、さらに幅方向における互いの一部の領域が重複しており、開口部10の、画像形成部7と幅方向に一部重複している領域を除いた幅方向の領域と、収納部17とが積み重なっている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
このように、開口部10が十分な幅方向の長さを有している。つまり開口部10は、画像形成装置1において画像形成部7とため、車椅子ユーザは、画像形成装置1において画像形成部7とその周囲の部材を操作するにあたり、開口部10に足置き部分を入れたまま幅方向に手を伸ばして画像形成装置1のユーザは、画像形成部7、各シートトレイ9や各部材を操作できる。
図11は、第三の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の第二の例を示す正面図である。図10の例とは、異なりシートトレイが、シートトレイ9F一つの例である。
図12は、第三の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。図10に示した実施形態のA-A断面図である。図12を用いてシートの搬送向きについて説明する。すなわち、例えば第一の実施形態においては、特に図4において説明したようにシートの搬送向きは画像形成装置1の幅方向である。それに対し図12においては、シートトレイ9から搬送されたシートは画像形成装置1の背面側に搬送されて、画像形成装置1の上部に搬送されながら転写位置Tでトナー像が転写され、さらに上部の排紙部5に排紙される。したがってシートの搬送向きは、画像形成装置1の幅方向に対し直交する。このように、シートの搬送向きは装置レイアウトやユーザの利便性等を考慮して適宜選択できる。
図13は、第三の実施形態の変形例に係る画像形成装置の断面図である。図13は、図10における右前ドア16Bが開かれた状態を示す。図12に示した画像形成装置1では、シートトレイ9D、9Eから搬送されたシートは画像形成装置1の背面側に搬送されていたが、図13に示す画像形成装置1では、シートトレイ9D、9Eから搬送されたシートは画像形成装置1の(図1に示したZ軸方向)前面側に搬送される。すなわち、搬送路70は、外装20の前面側に設けられ、シートトレイ9D、9Eから画像形成部7を経由して排紙部5にシートを案内する。
また、二次転写ローラ75は、外装20の前面側で開閉可能な開閉部71(開閉カバーの一例)に取り付けられており、開閉部71を開閉することにより、シートに二次転写する二次転写位置と、搬送路70を開放する開放位置の間で移動可能である。
このような構成により、画像形成装置1の前面側から開閉部71を開いて搬送路70を開放して、搬送路70におけるジャム処理を行うことができる(フロントアクセス方式)。
図2に示す搬送路70とすると第2の領域(空間部)にジャム処理部8が含まれており、収納部17等の設置が難しくなるが、本変形例では、フロントアクセス方式とすることにより、第2の領域(空間部)にジャム処理部8を設ける必要がなくなり、収納部17等の設置が可能となる。
また、本変形例は、図12において説明した構成に加え、開口部10を覆う開口部カバー18を有する。
開口部カバー18は、開口部10に合わせた長方形で、一例として板状である。開口部カバー18によって画像形成装置1内部にほこり等が入ることを防ぐことができる。また開口部カバー18によって画像形成装置1の美観や、例えば画像形成部7が画像形成時に発する音の防音効果を高めることができる。
そして開口部カバー18は、長方形の一辺が、軸181に支持された状態で、開口部10を覆っている。開口部カバー18は軸181を回転中心として回転可能に支持されている。軸181は一例として外装12に固定されている。
以上の構成において、車椅子の足置き部分が画像形成装置1外部から開口部カバー18を押すと、開口部カバー18は軸181を回転軸として、画像形成装置1内部に押し込まれる。そして車椅子の足置き部分が開口部10の外に出ると、開口部カバー18は、自重によって元に位置、つまり開口部10を覆う位置に戻る。図13の点線が図10の開口部10を覆った状態を、図13の実線で示される開口部カバー18が画像形成部1内部に押し込まれた状態である。
このように、開口部10は、画像形成装置1がユーザによって使用されるときに開口し、使用されないときは開口部カバー18によって遮蔽される。車椅子ユーザが使用する時には、車椅子の足置きが開口部カバー18を押すことにより、軸181を回転軸に画像形成装置1内に押し込まれるため、ユーザは、開口部カバー18に妨げられることなく車椅子の足置きを開口部10の中に入れた状態で操作することが可能である。
図14は、第四の実施形態に係る画像形成装置の正面図である。本第三の実施形態は、前ドアの構造が図9の場合と異なっている。つまり図9の左前ドア16A,右前ドア16Bは、開口部10まで覆っていないのに対し、本実施形態においては、左前ドア16C,右前ドア16Dはそれぞれ開口部10まで覆っている。
このように前ドアの構成も、装置レイアウトやユーザの利便性等を考慮して適宜設定できる。例えば、右前ドア、左前ドアはそれぞれ高さ方向に複数分割されてもよい。図10のように内部空間に複数の棚を有している場合には、各棚にそれぞれに対応するドアを設けるなどしてもよい。
以上各実施形態においては、開口部10について車椅子ユーザの使用を考慮しては幅、高さ、奥行きのサイズ等を説明したが、開口部10をユーザが所望の物品を収納する収納部として用いてもよい。その場合は収納部として適したサイズ等を適宜選択すればよい。また開口部10を使用しない時は閉じるためのカバーを設けたり、開口部10の内部に、仕切りや棚を設ける等してもよい。
ここで、画像形成装置1が有する内部空間について述べる。画像形成装置1は、上述したようにあらかじめ内部に所定の目的のための空間を有する部材である内部空間部を有している。内部空間部の例としては、載置部6、車椅子の足置き部分が入るための空間を有する開口部10、内部に物品などを収納するための空間を有する収納部17、シート除去等のジャム処理を行うためのシート取り出し空間であるジャム処理空間85を有するジャム処理部8であるがこれらに限られない。例えばシートトレイ9A,9B,9Cは内部にシートを収納するための空間を有する内部空間の一例であるが、画像形成部7の下部に一体に設けられた場合は画像形成部7の一部とすることもできる。これら内部空間部は一例として、外装12の一部としての天井部、側面部で区切られて区別される。
そして各内部空間部は、画像形成部7よりも上方に位置する場合は上方空間、画像形成部7と幅方向に並列する場合は並列空間、画像形成部7よりも下方に位置する場合は下方空間と呼ばれることがある。
次に図15から図20を用いて、画像形成装置1の内部構成の変形例を説明する。
図15は、画像形成装置内部の第一の配置例である。スキャナ2と自動原稿搬送装置3が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。図15に示されるように破線がスキャナ2の高さ、点線が自動原稿搬送装置3の高さであるとき、それぞれの高さのうち、重なっている部分(黒矢印部分)が存在する。このとき、スキャナ2と自動原稿搬送装置3は高さ方向に重なっている。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣に設けられている。そして画像形成部7の上方の空間の一例として、載置部6が設けられている。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。なお、画像形成部7に並列する空間としては、収納部17に限られず、ジャム処理部8等であってもよい。
図15において、画像形成装置1の幅方向左側(第1領域)には、上からスキャナ2、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から自動原稿搬送装置3、載置部6、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
また図15において、スキャナ2と排紙部5は高さ方向に積層しており、スキャナ2と排紙部5とで積層部と呼ぶことがある。このとき、スキャナ2と排紙部5とからなる積層部の高さはスキャナ2の上端から排紙部5の下端までになる。この積層部の高さに対して、自動原稿搬送装置3は高さ方向で重なるように並列して配置されている。なお、スキャナ2と排紙部5とはその両端が略同じ位置になるように積層されている。
図15は、自動原稿搬送装置3が最上部に設けられる構成と比較して、自動原稿搬送装置3の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。またスキャナ2上部が圧板2Aのため、圧板2Aと比較して大きい部材である自動原稿搬送装置3を開閉して読み取りをおこなうことなく、スキャナ2を軽く操作できる。また自動原稿搬送装置3の開閉をしない方が、読取精度も向上する。
図16は、画像形成装置内部の第二の配置例である。自動原稿搬送装置3と排紙部5が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣に設けられている。また画像形成部7に並列してスキャナ2が設けられている。また、自動原稿搬送装置3の上部に内部空間部の一例として操作空間部18を有している。ユーザは操作空間部18を利用して、自動原稿搬送装置3やその他の部材の操作を行うことができる。そして画像形成部7の上方の空間の一例として、操作空間部18が設けられている。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。なお、画像形成部7に並列する空間としては、収納部17に限られず、ジャム処理部8等であってもよい。
図16において、画像形成装置1の幅方向左側(第1領域)には、上から天板15D、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11、開口部10が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から天板15D、操作空間部18、自動原稿搬送装置3、スキャナ2、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
また図16において、スキャナ2と自動原稿搬送装置3は高さ方向に積層しており、スキャナ2と自動原稿搬送装置3とで積層部と呼ぶことがある。このとき、スキャナ2と自動原稿5とからなる積層部の高さはスキャナ2の上端から自動原稿搬送装置3の下端までになる。この積層部の高さに対して、排紙部5は高さ方向で重なるように並列して配置されている。なお、スキャナ2と自動原稿搬送装置3とはその両端が略同じ位置になるように積層されている。
図16は、スキャナ2と自動原稿搬送装置の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。また排紙部5の上方に天板15Dが設けられているため、ユーザは排紙部5から画像が形成されたシートを用いて天板15D上で作業することができる。また自動原稿搬送装置3が、外装や天板に囲まれるため、静音性が向上する。
図17は、画像形成装置内部の第三の配置例である。スキャナ2と排紙部5が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣に設けられている。そして画像形成部7の上方の空間の一例として操作空間部18が設けられている。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。なお、画像形成部7に並列する空間としては、収納部17に限られず、ジャム処理部8等であってもよい。
図17において、画像形成装置1の幅方向左側(第1領域)には、上から天板15D、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11、開口部10が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から天板15D、操作空間部18、スキャナ2、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
図17は、スキャナ2の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。また排紙部5の上方に天板15Dが設けられているため、ユーザは排紙部5から画像が形成されたシートを用いて天板15D上で作業することができる。
図18は、画像形成装置内部の第四の配置例である。自動原稿搬送装置3と排紙部5が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣に設けられている。そして画像形成部7の上方の空間の一例として、操作空間部18が設けられている。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。なお、画像形成部7に並列する空間としては、収納部17に限られず、ジャム処理部8等であってもよい。
図18において、画像形成装置1の幅方向左側(第1領域)には、上から天板15D、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11、開口部10が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から天板15D、操作空間部18、自動原稿搬送装置3、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
図18は、自動原稿搬送装置3の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。また排紙部5の上方に天板15Dが設けられているため、ユーザは排紙部5から画像が形成されたシートを用いて天板15D上で作業することができる。自動原稿搬送装置3の下にスキャナ2が無い構成ため、スキャナ2のために自動原稿搬送装置3を開閉するための構成(ヒンジ等)が不要となる。また自動原稿搬送装置3の下方に収納部17を設けているため、自動原稿搬送装置3での読み取り後に収納部17に読取原稿をスタックできる。
図19は、画像形成装置内部の第五の配置例である。自動原稿搬送装置3と排紙部5が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣に設けられている。そして画像形成部7の上方の空間の一例として、操作空間部18が設けられている。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。なお、画像形成部7に並列する空間としては、ジャム処理部8に限られず、収納部17等であってもよい。
図19において、画像形成装置1の幅方向左側(第1領域)には、上からスキャナ2、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11、開口部10が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から天板15D、操作空間部18、自動原稿搬送装置3、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお、積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
また、本変形例ではスキャナ2と自動原稿搬送装置3の幅方向に重なっている。つまり図19中に点線で示される長さがスキャナ2の幅、破線で示される長さが自動原稿搬送装置3の幅であった場合、それぞれの幅が重なっている部分(黒矢印部分)が存在する。このときスキャナ2と自動原稿搬送装置3の幅方向に重なっている。
また図19において、スキャナ2と排紙部5は高さ方向に積層しており、スキャナ2と排紙部5とで積層部と呼ぶことがある。このとき、スキャナ2と排紙部5とからなる積層部の高さはスキャナ2の上端から排紙部の下端までになる。この積層部の高さに対して、自動原稿搬送装置3は高さ方向で重なるように並列して配置されている。なお、スキャナ2と排紙部5とはその両端が略同じ位置ではなく、スキャナ2の右端部と排紙部の右端部の幅方奥の位置が異なるように積層されている。
図19は、自動原稿搬送装置3の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。また排紙部5の上方に天板15Dが設けられているため、ユーザは排紙部5から画像が形成されたシートを用いて天板15D上で作業することができる。自動原稿搬送装置3の下にスキャナ2が無い構成ため、スキャナ2のために自動原稿搬送装置3を開閉するための構成(ヒンジ等)が不要となる。また、大サイズの読み取りをするために、画像形成装置1の幅方向に比較的大きな幅を有するスキャナ2を搭載したい場合がある。本変形例では、スキャナ2と自動原稿搬送装置3が高さ方向に異なる高さに配置され、互いの幅方向の一部領域が重なっているため、画像形成装置1の幅方向におさまることができる。
図20は、画像形成装置内部の第六の配置例である。スキャナ2と自動原稿搬送装置3と排紙部5が高さ方向で重なり、かつ幅方向に並列して配置された構成を示す。
画像形成部7に並列する空間として収納部17が設けられている。また収納部17と反対側に並列する収納部19が設けられている。収納部17は、画像形成部7の右隣、収納部19は左隣に設けられている。そして画像形成部7の上方の空間の一例として、操作空間部18が設けられている。また収納部19の一部も画像形成部7の上方の空間の一例である。また画像形成部7の下方の空間として、シートトレイ9A、9B,9C、開口部10、電装収納部11が設けられている。また収納部19の一部も画像形成部7の下方の空間の一例である。なお、画像形成部7に並列する空間としては、収納部17に限られず、ジャム処理部18等であってもよい。
図20において、画像形成装置1の幅方向最も左側には、上から自動原稿搬送装置3、収納部19が積み重なって設けられている。そしてその右側(第1領域)には、上から天板15D、排紙部5、画像形成部7、シートトレイ9A,電装収納部11、開口部10が積み重なって設けられている。そして画像形成装置1の幅方向右側(第2領域)には、上から天板15D、スキャナ2、操作空間部18、収納部17、シートトレイ9B,9C、開口部10が設けられている。なお積み重なるといった場合、互いに接触している必要はなく、互いの間に他の部材などを介していてもよい。
図20は、自動原稿搬送装置3の高さ方向の位置を抑えることができ、ユーザが操作する高さ方向の範囲を狭くすることができる。また排紙部5の上方に天板15Dが設けられているため、ユーザは排紙部5から画像が形成されたシートを用いて天板15D上で作業することができる。自動原稿搬送装置3の下にスキャナ2が無い構成ため、スキャナ2のために自動原稿搬送装置3を開閉するための構成(ヒンジ等)が不要となる。
図15~図20で説明した各変形例では、スキャナ2、自動原稿搬送装置3、排紙部5の少なくとも二つを並列に設けている。そうすることでこれら3つを高さ方向に積み重ねた構成と比べ、画像形成装置1の高さを抑えることができる。
またその結果、画像形成部7に並列する空間が生じ、その空間を、ジャム処理部8や収納部17等に有効活用できる。例えばダクトと共通の空間でジャム処理をする技術があるが、ダクトの為の空間をジャム処理に用いているため、本構成の方がよりジャム処理のための空間を十分とることができる。また収納部17として物を収納することもできる。
以上説明した構成により、画像形成装置1の背面、左側面、右側面の3面の配置の自由度が拡大する。つまり上述のようなスキャナ2や自動原稿搬送装置3の開閉構成であることにより、スキャナ2や自動原稿搬送装置3が、ユーザの開閉動作に伴って画像形成装置1の背面を超えることはない。したがって、画像形成装置1の背面を壁等にほぼ密着させることができる。
また、上述のように排紙部5、各シートトレイ、ジャム処理部8等を、画像形成装置1の幅寸法内に配置し、また幅寸法内で操作可能とした。したがって、キャビネット等のオフィス家具を画像形成装置1の左側面、右側面にほぼ密着させることができる。このように、オフィスにおいて、画像形成装置1を設置する際の制限が減り、他のオフィス家具との共存が可能となる。
また従来、例えば、給紙トレイ、排紙部、スキャナを高さ方向に重ね、さらにその上部に開閉可能なADFを重ねた画像形成装置の場合、最も低いシートトレイの操作では操作高さが床から100mm程度、ADFの開閉操作を行うと床から1200mm程度になり、特に高さ方向に使いやすい高さではなかった。操作高さが下は100mm程度から上は1200mmほどの高さとなり、使いやすい高さではなかった。
それに対し、上述の各実施形態においては、シートトレイを並列にならべて、シートトレイの高さをUPする。排紙部5からはずらして読取部2をレイアウトすることにより、操作する高さの範囲を小さくすることで、すべてのユーザに使いやすい高さにすることができる。