JP7275608B2 - フッ素を含有する溶液からのフッ素濃縮物の回収方法 - Google Patents

フッ素を含有する溶液からのフッ素濃縮物の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素を濃縮させたフッ素濃縮物の回収方法に関するものであり、より詳しくは銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する溶液からフッ素濃縮物を回収する方法に関する。
一般的な銅の製錬プロセスでは、鉱石を高温で熔解して銅以外の成分をスラグなどとして分離する乾式工程に付し、その乾式工程で得られた粗銅を電解精製などの湿式工程に付して高純度な銅を得る方法が多く用いられる。これらの製錬に供する銅を含有する硫化鉱物には、多種多様な不純物が含有されているが、鉱石の種類によっては微量のフッ素が含まれている場合がある。
フッ素が含まれる鉱石を原料とする場合、乾式工程においてフッ素は揮発して排ガス中に分配される。フッ素を含有する排ガスは、スクラバーなどの環集装置を備える設備を用いる除害工程に送られ、環集装置内の洗浄液に捕集されて洗浄液中に溶解し、その結果フッ素濃度の高い洗浄廃液が生じる。洗浄廃液中のフッ素は、その後に続く廃水処理工程(廃酸処理工程ともいう)において、消石灰などの中和剤を添加する中和処理が施されてフッ素化合物と石膏の沈澱物として分離される。なお、廃水処理工程(廃酸処理工程)では、洗浄廃液中にフッ素と共存する不純物を除去した後の終液(廃酸処理後液)に中和処理が施されることになる。
しかしながら、上記の廃酸処理後液は、pHが4未満であるなど酸性度が高く、これを中和して澱物を形成させるにはそれだけ多量の消石灰などの中和剤が必要となり、結果として得られる沈澱物の石膏量が増加し、澱物中のフッ素濃度が低くなる。そのため、その澱物をフッ素原料として工業的に利用することは経済的に困難であった。
ところが近年では、地球環境保護の観点からフッ素含有廃水からフッ素をフッ素含有スラッジとして分離するだけでなく、フッ化水素などの原料としてリサイクルする機運が高まっている。例えば、半導体、液晶などの製造工場において、洗浄工程で使用されたフッ素含有ガスはスクラバーで洗浄廃液中に吸収され含まれることになるが、例えば特許文献1で開示されているように、当該廃液中のフッ素をフッ化マグネシウムとして分離、回収し、再資源化する処理方法が提案されている。
また、上記の半導体製造工程などで用いられる高純度なフッ素は、原料鉱石の産出地と産出量が限られており、安定して確保することは次第に困難となっている。
そこで、銅製錬プロセスで産出したフッ素を含有する溶液からフッ素を効率的に回収して、回収したフッ素の新たな原料として経済的に有効に活用することが望まれている。
特開2006-61754号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する溶液から、効率的にフッ素を濃縮させた濃縮物を生成させて回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、銅製錬プロセスを経て得られる溶液にはマグネシウムイオンが含まれていることを利用し、その溶液にアルカリを添加して特定の範囲にpHを調整して生成したフッ化物イオンと反応させて沈澱物化することで、効率的にフッ素を濃縮させたフッ素濃縮物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する溶液からフッ素濃縮物を回収する方法であって、前記フッ素を含有する溶液にはマグネシウムイオンが含まれており、前記フッ素を含有する溶液のpHが4~5.5の範囲となるようにアルカリを添加し、生成したフッ化物イオンと前記マグネシウムイオンとによりフッ化マグネシウムの沈澱物を生成させて回収する、フッ素を含有する溶液からのフッ素濃縮物の回収方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記沈澱物を分離回収した後の溶液にさらにアルカリを添加し、水酸化マグネシウムの沈澱物を生成させて回収する、フッ素濃縮物の回収方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、回収した前記水酸化マグネシウムを、前記フッ素を含有する溶液に添加するアルカリの少なくとも一部に用いる、フッ素濃縮物の回収方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記フッ素を含有する溶液として、銅製錬において発生する廃酸を処理するプロセスを経て得られたものを用いる、フッ素濃縮物の回収方法である。
本発明によれば、銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する溶液から、効率的にフッ素を濃縮させた濃縮物を生成させて回収する方法を提供することができる。
処理の流れの一例を示すフロー図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」であることを意味する。
本発明は、銅製錬プロセスを経て得られるフッ素を含有する溶液からフッ素を濃縮させたフッ素濃縮物を回収する方法である。フッ素を含有する溶液は、銅製錬プロセスを経て得られた溶液であって、例えば、銅製錬において発生する廃酸を処理するプロセスを経て得られたもの(廃酸処理後液)を用いることができる。このフッ素を含有する溶液(以下、「廃酸処理後液」ともいう)は、pHが4未満の溶液である。
ここで、銅製錬の原料である精鉱は、フッ素が含有されている。したがって、銅製錬プロセスを経て得られた廃酸処理後液は、フッ素を含む溶液となっている。また、廃酸処理後液には、原料の精鉱や、銅製錬プロセスにおいて添加した薬剤に基づくマグネシウムが含まれている。したがって、本発明に係る方法の処理対象であるフッ素を含有する溶液(例えば廃酸処理後液)は、フッ素を含むとともにマグネシウムを含む溶液である。
下記表1に、廃酸処理後液の元素組成の一例を示す。なお、表1は、銅製錬において発生する廃酸を処理するプロセスを経て得られた廃酸処理後液の組成例であり、あくまでも組成の一例を示すものであって処理対象の溶液(フッ素を含有する溶液)がこの組成に限定されるものではない。
Figure 0007275608000001
本発明に係るフッ素濃縮物の回収方法は、上述したような銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する廃酸処理後液を用いて、その廃酸処理後液のpHが4~5.5の範囲となるようにアルカリを添加し、生成したフッ化物イオンとマグネシウムイオンとによりフッ化マグネシウムの沈澱物を生成させて回収する、ことを特徴としている。
この方法により生成されるフッ化マグネシウムの沈澱物が、廃酸処理後液に含まれていたフッ素を濃縮させたフッ素濃縮物である。
このような方法によれば、銅製錬プロセスを経て得られた廃酸処理後液から、効率的にフッ素を濃縮させた濃縮物を生成させて回収することができる。フッ化マグネシウムにより構成されるフッ素濃縮物は、各種フッ素化合物の原料となるフッ化水素やフッ酸、あるいは例えば半導体や液晶パネルの製造に用いられる反応ガス(SF、NF、Cなど)、BF、リチウムイオン電池の電解液のF原料として有効に活用することができる。
[フッ素濃縮物の生成(アルカリ添加によるpHの調整)]
先ず、反応始液である廃酸処理後液(フッ素を含有する溶液)に対してアルカリを添加し、その廃酸処理後液のpHが4~5.5の範囲となるように調整する。これにより、廃酸処理後液に含まれるフッ素を濃縮させたフッ素濃縮物であるMgFの沈澱物を生成させる。
上記表1の組成例でも示しているように、銅製錬プロセスを経て得られる廃酸処理後液は、pHが2.5~3.3程度の溶液である。例えば、廃酸処理後液において発生する廃酸を処理するプロセスを経て得られた廃酸処理後液のpHは2.9~3.0程度である。このようなpH領域の廃酸処理後液において、その廃酸処理後液中のフッ素はフッ化水素(HF)の形態で存在している。
このような廃酸処理後液に対して、アルカリを添加することによって廃酸処理後液のpHが4~5.5の範囲となるように調整すると、廃酸処理後液中のHFがフッ化物イオン(F)に分解されるようになる(下記反応式(i))。上述したように廃酸処理後液には、原料や処理プロセスにて添加した薬剤に基づくマグネシウムが含まれていることから、アルカリ添加によるpH調整で発生したFは、廃酸処理後液中のマグネシウムイオンと反応してフッ化マグネシウム(MgF)の沈澱物となる(下記反応式(ii))。
HF+OH→HO+F ・・・(i)
2F+Mg2+→MgF ・・・(ii)
なお、廃酸処理後液へのアルカリ添加によるpH調整に基づくMgF(フッ素濃縮物)の生成処理については便宜的に第1段目の処理と定義し、MgFを分離回収後の溶液(処理後液)にアルカリを添加して水酸化マグネシウムを生成させる処理である後述の第2段目の処理と区別する。
アルカリ添加による廃酸処理後液のpH調整に関して、4以上の範囲に調整することにより、廃酸処理後液中のHFを十分に分解させることができ、フッ素を濃縮した濃縮物(フッ素濃縮物)を効果的に得ることができる。また、pH5.5以下の範囲となるように調整することにより、MgF以外の沈澱物の生成を抑えて、沈澱物の形態でフッ素を十分に濃縮させることができる。
アルカリとしては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムなどを用いることができる。また、詳しくは後述するが、廃酸処理後液に添加するアルカリの少なくとも一部として、後述する第2段目の処理によって生成する水酸化マグネシウム(Mg(OH))を回収して用いることができる。このように、第2段目の処理により生成するMg(OH)を、第1段目の処理におけるアルカリとして用いて廃酸処理後液に添加することで、第2段目の処理にてMg(OH)に吸着共沈したフッ素を第1段目の処理に戻すことができ、第1段目の処理にて生成する沈澱物(MgF)中にフッ素をより一層濃縮させることができる。
生成したMgFの沈澱物は、固液分離処理を施すことによって効率的に回収することができる。固液分離の方法としては、特に限定されず、加圧濾過、吸引濾過、遠心分離などの公知の手法を用いることができる。
[フッ素濃縮物回収後の溶液に対する処理]
さて、MgFの沈澱物を固液分離して回収した後、得られた溶液(濾液)に対して、さらにアルカリを添加して処理することができる。なお、この処理を便宜的に第2段目の処理という。
固液分離後の溶液には、マグネシウムが残存しており、上述した第1段目の処理にて濃縮しきれずに残存した一部のフッ化物イオンも含まれている。このような溶液に対してアルカリを添加すると、下記反応式(iii)に示すように水酸化マグネシウム(Mg(OH))の沈澱物の生成反応が生じる。また、Mg(OH)の沈澱物の生成に伴い、溶液中に残存したフッ化物イオンがその沈澱物に吸着する反応が生じる(下記反応式(iv))。なお、下記反応式は、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いたときの式である。
Mg2++2NaOH→Mg(OH)+2Na ・・・(iii)
Mg(OH)+xF→Mg(OH)2-x+xOH ・・・(iv)
このようなフッ素の吸着共沈の反応は、多価金属凝集沈澱法として知られており、フッ素は電気陰性度が最も高い元素であるため、マグネシウムなどの多価金属元素に対して高い親和性を有する。したがって、第1段目の処理を経てMgFの沈澱物を分離回収した後の溶液に対してアルカリを添加し、Mg(OH)の沈澱物を生成させることにより、溶液中に残存したフッ化物イオンを、マグネシウム(Mg(OH))に有効に吸着させて共沈化することができる。これにより、フッ素の回収ロスを低減できる。
なお、添加するアルカリとしては、溶液中のMg2+に基づいてMg(OH)の沈澱物を有効に生成させることができるものであれば特に限定されない。例えば、上記反応式(iii)に示すように水酸化ナトリウムを用いることができる。
[フッ素が吸着したMg(OH)沈澱物のアルカリ試薬としての利用]
得られたMg(OH)の沈澱物は、公知の手法に基づく固液分離により分離回収することができる。そして、回収したMg(OH)については、第1段目の処理、つまり廃酸処理後液に添加してフッ素濃縮物(MgF)を生成させる処理に繰り返し、その処理に用いるアルカリの少なくとも一部とすることが好ましい。ここで、「アルカリの少なくとも一部に用いる」とは、他の化合物と併用して添加するアルカリの全量に対してMg(OH)を所定の割合(100%未満)で用いることのほか、アルカリの全量にMg(OH)を用いる態様も含む。
上述のように第2段目の処理によれば、溶液中に残存するFを、Mg(OH)に吸着共沈させることができ、これによりフッ素の回収ロスを低減できる。そして、このようにフッ素が吸着したMg(OH)を、アルカリの少なくとも一部として第1段目の処理に用いることで、Mg(OH)に吸着したフッ素を再度フッ素濃縮化の対象とすることができ、得られるMgFの沈澱物としてより一層に濃縮させることができる。つまり、フッ素品位をより高めたフッ素濃縮物を得ることができる。
なお、図1に、上述した第1段目の処理、第2段目の処理のフローを、第2段目の処理にて得られた沈澱物を第1段目の処理に繰り返してアルカリ試薬として利用するときの流れを含めて示す。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例1≫
[フッ素濃縮物の生成]
(処理)
上記表1に示す組成の廃酸処理後液(pH=2.9)を始液として用いた。この始液100mLをビーカー内に装入し、38℃に保温して、マグネティックスターラーで撹拌しながら、廃酸処理後液のpHが5となるように水酸化ナトリウム(アルカリ試薬)を添加し、沈澱物を生成させた。
その後、ヌッチェを用いた吸引濾過により、沈澱物と濾液とに固液分離した。
(分析評価)
・沈澱物(MgF)の分析
回収した沈澱物について、60℃で12時間以上乾燥させた後に重量を測定した。また、沈澱物の組成分析を行った。具体的に、F濃度に関しては、沈澱物をアルカリ溶融によって溶液化させ、その溶液中に含まれるフッ素化合物を蒸留することでフッ化物イオンに変えた後、イオン電極により測定した。また、その他の元素濃度に関しては、ICPによりそれぞれ測定した。
沈澱物の重量は、処理液(廃酸処理後液)1Lあたり1.5dry-gであった。また、沈澱物は、Fが29質量%、Mgが20質量%であり、化合物の形態としては主に約50質量%の割合でMgFが構成されていると推定された。このように、主にMgFにより構成される沈澱物として、Fが約3割占める高F品位の沈澱物(フッ素濃縮物)を生成させ回収することができた。
・濾液の分析
濾液の組成分析を行った。なお、濾液中のフッ素の形態として、フッ化物イオン以外にフロオロ錯体も一部存在する。そのため、分析前処理として蒸留法により濾液中に含まれるフロオロ錯体を分解し、フッ化物イオンとした上で、イオン電極を用いて、溶液中のフッ化物イオン(FreeF)を測定した。
下記表2に、アルカリ添加による処理前後の溶液(処理前:廃酸処理後液、処理後:濾液)中のF濃度の測定結果を示す。表2に示すとおり、廃酸処理後液中のフッ化物イオン濃度と比べて、濾液中のフッ化物イオン濃度は約80%低減した。つまり、廃酸処理後液中に含まれていたフッ素が、沈澱物(MgF)となって濃縮されたことが分かる。
Figure 0007275608000002
≪実施例2≫
[フッ素濃縮物分離回収後の濾液に対する処理]
(処理)
次に、実施例1にて得られた濾液を38℃に保温し、水酸化ナトリウムを、濾液のpHが8~10の範囲の所定値となるように、マグネティックスターラーで撹拌しながら添加した。実施例1と同様に、沈澱物と濾液とを固液分離した後、回収された沈澱物の重量測定と元素分析を行った。
(分析評価)
・沈澱物(Mg(OH))の分析
沈澱物の重量は、60℃で12時間以上乾燥させた後に測定した。その結果、処理液(濾液)1Lあたりの発生沈澱物量は、アルカリ添加により調整したpHが高くなるほど増加し、pH9.2で3.7dry-g、pH9.3で5.4dry-gであった。
また、pH9.2となるようにアルカリを添加して得られた沈澱物について元素分析を行ったところ、Mgが26質量%の割合で含まれており、その他にF、Sなどが検出された。なお、Fは2.2質量%であった。このような沈澱物は、主成分としてはFが吸着したMg(OH)であり、FとMgの測定値からOHの一部がFに置換した化合物(Mg(OH)1.90.1)と仮定すると、その化合物は約63質量%の割合で含まれていると推定された。
≪実施例3≫
[回収した沈澱物(フッ素が吸着したMg(OH))のアルカリとしての利用]
実施例2にて回収した沈澱物、すなわちFが吸着したMg(OH)のアルカリ試薬としての利用について検討した。
具体的に、実施例1と同様のフッ素濃縮物の生成処理において、アルカリ試薬として、実施例2におけるpH9.2の条件で産出した沈澱物を、廃酸処理後液のpHが5になるまで添加し、フッ素濃縮物を生成させた。
その結果、固液分離後に得られた濾液中のF濃度は190mg/Lまで低減された。このことから、Fが吸着したMg(OH)をアルカリ試薬として用いてフッ素濃縮物を生成させることで、フッ素品位を高めたフッ素濃縮物を得ることができることが分かった。

Claims (3)

  1. 銅製錬プロセスを経て得られた、フッ素を含有する溶液からフッ素濃縮物を回収する方法であって、
    前記フッ素を含有する溶液にはマグネシウムイオンが含まれており、
    前記フッ素を含有する溶液のpHが4~5.5の範囲となるようにアルカリを添加し、生成したフッ化物イオンと前記マグネシウムイオンとによりフッ化マグネシウムの沈澱物を生成させて回収
    前記沈澱物を分離回収した後の溶液にさらにアルカリを添加し、水酸化マグネシウムの沈澱物を生成させて回収する、
    フッ素を含有する溶液からのフッ素濃縮物の回収方法。
  2. 回収した前記水酸化マグネシウムを、前記フッ素を含有する溶液に添加するアルカリの少なくとも一部に用いる、
    請求項に記載のフッ素濃縮物の回収方法。
  3. 前記フッ素を含有する溶液として、銅製錬において発生する廃酸を処理するプロセスを経て得られたものを用いる、
    請求項1又は2に記載のフッ素濃縮物の回収方法。
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