JP7275567B2 - 赤外線検出器及びその製造方法、撮像素子、撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線検出器及びその製造方法、撮像素子、撮像システムに関する。
赤外線検出器では、基板上に、下部コンタクト層、受光層、上部コンタクト層を積層して半導体積層構造を形成し、エッチングによって分離し、表面全体を覆うように絶縁膜を形成し、下部コンタクト層及び上部コンタクト層上に電極を形成するのが一般的である。
なお、半導体積層構造の表面と絶縁膜の間に表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を形成することもある。
特開平7-38141号公報 特開平11-87758号公報
ところで、赤外線検出器では、暗電流の低減が課題となっている。
特に、赤外線検出器を高性能化するにあたり、受光層の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、受光層の側壁表面及びその近傍領域(外周領域)を流れる暗電流成分(表面リーク電流)も低減することが必要である。
なお、表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を形成しても、暗電流成分を低減するのは難しい。これは、半導体膜を再成長させる際に、半導体積層構造の側面と半導体膜の界面に例えば酸素や炭素などの不純物が残留してしまい、この不純物によって界面に新たに不純物準位が形成され、これが暗電流を増加させる要因となるからである。
本発明は、受光層の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、受光層の外周領域を流れる暗電流も低減し、赤外線検出器の性能を向上させることを目的とする。
1つの態様では、赤外線検出器は、受光層と、受光層上に設けられ、受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層と、第1障壁層上に設けられた電極と、第1障壁層上の電極の外周を電極に接することなく囲むように設けられるとともに、第1障壁層上に積層されて第1障壁層の上方のみに設けられ、受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層とを備える。
1つの態様では、撮像素子は、上述の赤外線検出器を1画素として複数の画素が2次元に配列されている赤外線検出器アレイを備える。
1つの態様では、撮像システムは、上述の撮像素子と、撮像素子に赤外線を入射させるための光学レンズとを備え、第2障壁層のバンドギャップは、光学レンズのエネルギーギャップよりも大きい。
1つの態様では、赤外線検出器の製造方法は、受光層を形成する工程と、受光層上に、受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層を形成する工程と、第1障壁層上に電極を形成する工程と、第1障壁層上の電極の外周を電極に接することなく囲むように設けられるとともに、第1障壁層上に積層されて第1障壁層の上方のみに設けられ、受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層を形成する工程とを含む。
1つの側面として、受光層の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、受光層の外周領域を流れる暗電流も低減し、赤外線検出器の性能を向上させることができるという効果を有する。
本実施形態にかかる赤外線検出器の構成を示す断面図である。 本実施形態にかかる赤外線検出器の構成を示す断面図であって、図1のX-X線に沿う断面図であるである。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の構成を示す断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態の具体例の赤外線検出器の製造方法を説明するための断面図である。 本実施形態にかかる赤外線検出器の構成を示す断面図である。 図11のX-X線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。 図11のY-Y線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。 図11のZ-Z線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。 本実施形態の構造及び比較例の構造についての約150Kでの暗電流計算結果を示す図である。 比較例の赤外線検出器の構成を示す断面図である。 比較例の赤外線検出器の構成を示す平面図である。 本実施形態にかかる撮像素子の構成を示す斜視図である。 本実施形態にかかる撮像素子の構成を示す断面図である。 本実施形態にかかる撮像システムの構成を示す模式図である。 本実施形態にかかる撮像システムの構成を示す模式図である。 本発明の課題を説明するための図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる赤外線検出器及びその製造方法、撮像素子、撮像システムについて、図1~図22を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる赤外線検出器は、赤外線を検出する赤外線検出器であって、例えば、受光層に、InAsやGaSbなどのナローギャップ半導体からなる超格子構造やそれらの混晶を用いたもの、あるいは、タイプII超格子(Type II Superlattices:T2SL)を用いたものに好適の赤外線検出器である。
本実施形態の赤外線検出器は、図1、図2に示すように、受光層1と、受光層1上に設けられた第1障壁層2と、第1障壁層2上に設けられた電極3と、第1障壁層2上の電極3の周囲に設けられた第2障壁層4とを備える。
ここで、受光層1は、赤外線を吸収してキャリアを生成する半導体層(赤外線吸収層)である。
第1障壁層2は、受光層1の中央領域(内部)の多数キャリアをブロックする半導体層である。これにより、後述するように、受光層1の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減できるようにしている。
この第1障壁層2は、受光層1の中央領域の多数キャリアが電子の場合には、電子をブロックする電子障壁層であり、受光層1の中央領域の多数キャリアが正孔の場合には、正孔をブロックする正孔障壁層である。
また、第1障壁層2は、受光層1で生成された少数キャリアを引き出す電極3が設けられている側に設けられている。
また、第1障壁層2は、受光層1と第2障壁層4の間に設けられている。
また、第1障壁層2のバンドギャップは、受光層1のバンドギャップよりも大きくなっている。
そして、例えば、受光層1がp型の場合、第1障壁層2が、受光層1に対して価電子帯側に大きなバンドオフセットを有するようにして(例えば図12参照)、受光層1(受光層1の中央領域)の多数キャリアである正孔をブロックする障壁層(ユニポーラバリア層)として機能するようにしている。
一方、受光層1がn型の場合、第1障壁層2が、受光層1に対して伝導帯側に大きなバンドオフセットを有するようにして、受光層1(受光層2の中央領域)の多数キャリアである電子をブロックする障壁層(ユニポーラバリア層)として機能するようにすれば良い。
なお、光吸収(光励起)などによって受光層1で生成された少数キャリア(光励起キャリア)は、第1障壁層2によってブロックされることなく、電極3から効率的に引き出されるようになっている。
第2障壁層4は、受光層1の外周領域(側壁表面及びその近傍領域;外周部)の多数キャリアをブロックする半導体層である。これにより、後述するように、受光層1の外周領域を流れる表面リーク電流を低減できるようにしている。
この第2障壁層4は、受光層1の外周領域の多数キャリアが電子の場合には、電子をブロックする電子障壁層であり、受光層1の外周領域の多数キャリアが正孔の場合には、正孔をブロックする正孔障壁層である。
また、第2障壁層4は、受光層1で生成された少数キャリアを引き出す電極3が設けられている側に設けられている。
また、第2障壁層4は、電極3の外周を囲うように設けられている。
また、第2障壁層4は、電極3に接しないように電極3から離して設けられている。つまり、第2障壁層4は、電極3に電気的に接続されないように設けられている。
また、第2障壁層4は、第1障壁層2上に積層されて、第1障壁層2の上方のみに設けられており、第1障壁層2の側面や受光層1の側面を覆うようには設けられていない。
また、第2障壁層4のバンドギャップは、受光層1及び第1障壁層2のバンドギャップよりも大きくなっている。
そして、例えば、受光層1がp型の場合、第2障壁層4が、受光層1及び第1障壁層2に対して伝導帯側に大きなバンドオフセットを有するようにして(例えば図13参照)、受光層1の外周領域の多数キャリアである電子をブロックする障壁層として機能するようにしている。
なお、受光層1がn型の場合、第2障壁層4が、受光層1及び第1障壁層2に対して価電子帯側に大きなバンドオフセットを有するようにして、受光層1の外周領域の多数キャリアである正孔をブロックする障壁層として機能するようにしても良い。
また、第2障壁層4は、受光層1の導電型と同一の導電型とし、キャリア濃度が1×1018cm-3以上であることが好ましい。このように、第2障壁層4のキャリア濃度を高濃度にすることによって、受光層1の外周領域の多数キャリアを、よりブロックすることが可能となる。
また、第2障壁層4は、膜厚が50nm以上であることが好ましい。
なお、ここでは、第2障壁層4は、厚さが電極3の厚さよりも厚くなっている。つまり、第2障壁層4は、高さが電極3の高さよりも高くなっている。
また、第2障壁層4は、側面から中央ヘ向かう方向の幅が1μm以上であることが好ましい。ここで、側面から中央ヘ向かう方向の幅は、リング状に設けられた第2障壁層4の外周と内周の間の幅(距離)、即ち、メサ構造5の側面(側壁)からの距離である。
電極3は、金属電極であって、第1障壁層2に接するように設けられている。つまり、電極3は、第1障壁層2に電気的に接続されるように設けられている。なお、この電極3を上部電極又は第1電極ともいう。
このように、第1障壁層2に加え、第2障壁層4を設けることで、受光層1の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、受光層1の外周領域を流れる暗電流成分(表面リーク電流)も低減することが可能となる。
ところで、本実施形態では、第1障壁層2は、上部コンタクト層(上部電極層)としても機能する。なお、第1障壁層2を、上部コンタクト層又は上部電極層ともいう。
このため、第1障壁層2は、少なくとも電極3に接している領域がそれ以外の領域よりも高濃度の不純物を含むことが好ましい。この場合、第1障壁層2は、少なくとも電極3に接している領域及びその近傍に不純物が積極的に添加されているものとすれば良い。これにより、受光層1で生成された電子又は正孔を効率的に引き出すことが可能となる。
なお、不純物を添加してn型にするかp型にするかは、電子を引き出すか正孔を引き出すかによって決まる。このため、受光層1の導電型と反対の導電型になるように不純物を添加することになる。例えば、受光層1がp型の場合、不純物を添加してn型にし、受光層1がn型の場合、不純物を添加してp型にすることになる。
また、第1障壁層2は、p型領域とn型領域とを備えるか、p型領域とi型領域とを備えるか、又は、n型領域とi型領域とを備えることが好ましい。
例えば、受光層1は、p型であり、第1障壁層2は、受光層1の側の領域がi型であり、第2障壁層4の側の領域がn型であり、第2障壁層4は、p型であることが好ましい。
また、受光層1は、n型であり、第1障壁層2は、受光層1の側の領域がi型であり、第2障壁層4の側の領域がp型であり、第2障壁層4は、n型であることが好ましい。
また、受光層1は、p型であり、第1障壁層2は、受光層1の側の領域がp型であり、第2障壁層4の側の領域がn型であり、第2障壁層4は、p型であることが好ましい。
また、受光層1は、n型であり、第1障壁層2は、受光層1の側の領域がn型であり、第2障壁層4の側の領域がp型であり、第2障壁層4は、n型であることが好ましい。
ところで、受光層1、第1障壁層2、第2障壁層4は、いずれも半導体層であり、これらが順に積層されて半導体積層構造を構成している。
本実施形態では、受光層1、第1障壁層2及び第2障壁層4は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれかの材料からなるか、GaSb、InAs、AlSb、InSbいずれか2種以上を含む超格子からなるか、又は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれか2種以上を含む混晶からなる。
例えば、受光層1は、InAsやGaSbなどのナローギャップ半導体からなる超格子構造やそれらの混晶からなるものとすれば良い。また、例えば、GaSb基板上に、GaSb基板に格子定数の近いGaSb、InAs、AlSbなどの材料を用いて超格子構造を形成して受光層1とすることで、中赤外線(3~5μm)、遠赤外線(8~12μm)領域の赤外線を検出できるようになり、例えばセキュリティ分野、インフラ点検分野などへの応用が可能となる。
また、例えば、受光層1を、InAs/GaSb超格子からなるものとし、第1障壁層2を、InAs/AlSb超格子からなるものとし、第2障壁層4を、AlGaSbからなるものとすれば良い。
また、本実施形態では、半導体積層構造をエッチングによって分離してメサ構造5を構成している。このため、受光層1、第1障壁層2、第2障壁層4は、メサ構造5を構成している。つまり、受光層1の側面、第1障壁層2の側面及び第2障壁層4の側面が、メサ構造5の側面(側壁)を構成している。また、第2障壁層4は、メサ構造5の上部を構成している。
このように、バンドギャップの大きい半導体層である第2障壁層4は、メサ構造5の上部のみに設けられており、メサ構造5の側面(側壁)を覆うようには設けられていない。
このため、従来の表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を形成する場合と異なり、暗電流を増加させる要因がなく、暗電流を低減することが可能である。
また、本実施形態では、受光層1の側面、第1障壁層2の側面及び第2障壁層4の側面及び上面を覆う絶縁膜6を備える。そして、絶縁膜6は、電極3と第2障壁層4の間に介在するように設けられている。
ここで、絶縁膜6は、SiN、SiO、SiONのいずれかの材料からなるか、又は、SiN、SiO、SiONのいずれか2種類以上を積層してなるものとすれば良い。
なお、絶縁膜6を備える場合、絶縁膜6と各半導体層1、2、4の側面(メサ構造5の側面)との界面でバンドが曲がり、受光層1の中央領域と外周領域で多数キャリアが異なることになりやすいため、本発明を適用するのが好ましい。また、絶縁膜6を備える場合、絶縁膜6との界面で電子が誘起されやすいため、本発明を適用するのが好ましい。
このほか、本実施形態では、基板7と、基板7の上方に設けられた電極層8と、電極層8上に設けられた電極9とを備える。
ここで、基板7は、例えばGaSb基板などの半導体基板である。なお、基板7は、InAs、GaSb、GaAs、InP、InSbのいずれかからなるものであれば良い。
電極層8は、受光層1の下方に設けられている。つまり、電極層8上に受光層1が設けられている。このため、上述の電極層としても機能する第1障壁層2とこの電極層8は、受光層1を挟むように設けられていることになる。また、基板7の上方に、電極層8、受光層1、第1障壁層2、第2障壁層4が積層されて半導体積層構造が構成されていることになる。なお、電極層8を下部電極層又は下部コンタクト層ともいう。
例えば、電極層8は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれかの材料からなるか、GaSb、InAs、AlSb、InSbいずれか2種以上を含む超格子からなるか、又は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれか2種以上を含む混晶からなるものとすれば良い。
電極9は、金属電極であって、電極層8に接するように設けられている。つまり、電極9は、電極層8に電気的に接続されるように設けられている。なお、この電極9を下部電極又は第2電極ともいう。
上述のように構成される本実施形態の赤外線検出器は、以下のようにして製造することができる。
つまり、本実施形態の赤外線検出器の製造方法は、受光層1を形成する工程と、受光層1上に、受光層1の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層2を形成する工程と、第1障壁層2上に電極3を形成する工程と、第1障壁層2上の電極3の周囲に電極3に接しないように、受光層1の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層4を形成する工程とを含む(例えば図1参照)。
ところで、上述のように構成及び製造方法を採用しているのは、以下の理由による。
赤外線検出器では、水銀カドミウムテルル(Mercury Cadmium Telluride:MCT)に変わる次世代の材料として、タイプII超格子(Type II Superlattices:T2SL)が期待されており、現在、盛んに研究されている。
多くは、GaSb基板上に、GaSb基板に格子定数の近いGaSb、InAs、AlSbなどの材料を用いて超格子構造を形成し、それを赤外線吸収層(受光層)とすることで、中赤外線(3~5μm)、遠赤外線(8~12μm)領域の赤外線を検出できるようにし、例えばセキュリティ分野、インフラ点検分野などへの応用を可能としている。
しかしながら、赤外線吸収層にT2SLを用いた赤外線検出器(例えば図22参照)では、暗電流の低減が課題となっている。
ここで、赤外線検出器の暗電流Iは、次式(1)で表される。
=IBulk+ISurface・・・(1)
上記式(1)の右辺第1項は、受光層の内部(中央領域)を流れるバルク成分IBulkであり、右辺第2項は、受光層の側壁表面及びその近傍領域(外周領域)を流れる成分ISurfaceである。
赤外線検出器を高性能化する(例えばS/N比を上げるなど)にあたり、受光層の側壁表面及びその近傍領域を流れる暗電流成分(表面リーク電流)を低減することが必要である。
例えば、暗電流を低減する構造として、受光層と電極層の間に障壁層(ユニポーラバリア層)を設けることが考えられる。
しかしながら、ユニポーラバリア層を設けることで、バルク成分の暗電流だけでなく、表面リーク電流も低減できる可能性があるのは、例えば、受光層がn型であって、受光層の側壁表面及びその近傍領域(外周領域)での多数キャリアがn型であるような場合などに限られる。
つまり、ユニポーラバリア層を設けることで、バルク成分の暗電流だけでなく、表面リーク電流も低減できる可能性があるのは、受光層の中央領域の多数キャリアと受光層の外周領域の多数キャリアが同じである場合に限られる。
一方、赤外線検出器の高性能化にあたっては、例えば、受光層がp型であって、受光層の側壁表面及びその近傍領域(外周領域)での多数キャリアがn型であるような場合など、受光層の中央領域の多数キャリアと受光層の外周領域の多数キャリアが異なる場合を選択することがある。このような場合、ユニポーラバリア層を設けるだけでは、表面リーク電流を効果的に抑制することは難しい。
また、例えば、表面リーク電流を低減する構造として、メサ構造の側面を含む表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を設け、このバンドギャップの大きい半導体膜の表面を覆うように絶縁膜を設けることが考えられる。
しかしながら、表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を設けても、暗電流成分を低減するのは難しい。
これは、半導体膜を再成長させる際に、半導体積層構造の側面と半導体膜の界面に例えば酸素や炭素などの不純物が残留してしまい、この不純物によって界面に新たに不純物準位が形成され、これが暗電流を増加させる要因となるからである。
つまり、表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を設ける場合、この半導体膜は再成長によって形成することになる。
そして、メサ構造の側面を含む表面全体に半導体膜を再成長させると、再成長させた半導体膜とメサ構造の側面との界面には、再成長時に例えば酸素や炭素などの不純物が残留してしまう。
この不純物によってバンドギャップの大きい半導体膜とメサ構造の側面の界面に新たに不純物準位が形成され、これが暗電流を増加させる要因となる。
このため、表面全体を覆うようにバンドギャップの大きい半導体膜を設けても、暗電流成分を低減するのは難しい。
このように、メサ構造の表面全体を覆うように絶縁膜を設ける場合の表面リーク電流を低減すべく、これらの間にバンドギャップの大きい半導体膜を設けて、メサ構造の側面との間で生成される多数キャリアの密度を少なくしているが、上述の要因で暗電流を低減するのは難しい。
また、メサ構造の表面全体を覆うように絶縁膜を設けない場合、メサ構造の表面が酸化されて酸化膜が形成されてしまうなど、別の要因で暗電流を低減するのは難しい。
そこで、再成長せずに、メサ構造5の中央領域(受光層の中央領域)を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、メサ構造5の側壁表面及びその近傍(外周領域;受光層の外周領域)を流れる暗電流(表面リーク電流)も低減し、赤外線検出器の性能を向上させるために、上述のような構成及び製造方法を採用している。
以下、本実施形態の赤外線検出器及びその製造方法について、具体例を挙げて、図3~図10を参照しながら説明する。
この具体例では、赤外線検出器は、図3に示すように、n型GaSb(100)基板7上に、GaSbバッファー層10、InAsSbエッチングストッパー層11、InAs/GaSbの超格子からなる電極層8、InAs/GaSbの超格子からなる受光層1、InAs/AlSbの超格子からなる第1障壁層2、AlGaSbからなる第2障壁層4を積層した半導体積層構造を備える。
また、電極層8及び第1障壁層2のそれぞれの表面に接するように電極9、3を備え、それ以外の表面はSiO絶縁膜6で覆われている。
また、第2障壁層4は、電極3の外周を囲うように設けられており、電極3との間に絶縁膜6が介在しているため、電極3とは電気的に接続されないようになっている(例えば図2参照)。
このような構造を有する赤外線検出器は、以下のようにして製造することができる。
ここでは、図4~図8に示すように、n型GaSb(100)基板7上に、赤外線検出器を構成する半導体積層構造をエピタキシャル成長させる。
つまり、エピタキシャル成長層は、GaSbバッファー層10、InAsSbエッチングストッパー層11、InAs/GaSbの超格子からなる電極層8、InAs/GaSbの超格子からなる受光層1、InAs/AlSbの超格子からなる第1障壁層2、AlGaSbからなる第2障壁層4で構成される。
具体的には、赤外線検出器を構成する半導体積層構造の各層は、例えば、分子線エピタキシー(MBE::Molecular Beam Epitaxy)によって形成する。
まず、n型GaSb(100)基板7を、MBE装置の基板導入室の中に導入する。なお、n型GaSb(100)基板7は、準備室において脱ガス処理される。
次に、超高真空に保持された成長室へ搬送する。
成長室に搬送されたn型GaSb(100)基板7は、表面の酸化膜を除去するために、Sb雰囲気下で加熱される。
このようにして酸化膜を除去した後、基板表面の平坦性を良くするために、図4に示すように、n型GaSb(100)基板7上に、GaSbバッファー層10を、例えば基板温度約500℃で約100nm成長させる。
次に、GaSbバッファー層10上に、InAsSbエッチングストッパー層11を、例えば約300nm成長させる。
この場合、InAsSbエッチングストッパー層11の混晶組成は、GaSbに格子整合するように設定することが好ましい。例えば、InAs0.91Sb0.09である。
次に、図5に示すように、InAsSbエッチングストッパー層11上に、InAs/GaSbの超格子からなる電極層8を形成する。
例えば、約1.2nmのInAsと約2.4nmのGaSbからなる超格子とし、Beをドーピングした正孔濃度が約1×1018cm-3のp型とし、約480nm成長させて、p型InAs/GaSb超格子からなる電極層8を形成する。
次に、図6に示すように、電極層8上に、InAs/GaSbの超格子からなる受光層1を形成する。
例えば、約1.8nmのInAsと約2.2nmのGaSbからなる超格子とし、Beをドーピングした正孔濃度が約1×1016cm-3のp型とし、約1200nm成長させて、p型InAs/GaSb超格子からなる受光層1を形成する。
次に、図7に示すように、受光層1上に、InAs/AlSbの超格子からなる第1障壁層2を形成する。
例えば、まず、約2.8nmのInAsと約1.2nmのAlSbからなる超格子とし、Beをドーピングした正孔濃度が約1×1016cm-3のp型障壁層(p型領域)を約200nm成長させる。
次いで、Siドーピングをした電子濃度が約1×1016cm-3のn型障壁層(n型領域)を約200nm成長させる。
このようにして、p型InAs/AlSb超格子からなるp型障壁層(p型領域)と、n型InAs/AlSb超格子からなるn型障壁層(n型領域)とからなり、pn接合を有する第1障壁層2を形成する。
このようにして形成された第1障壁層2は、受光層1に対して価電子帯側に大きなバンドオフセットを有するため(例えば図12参照)、受光層1(受光層1の中央領域)の多数キャリアである正孔をブロックする障壁層(ユニポーラバリア層)として機能することになる。
ここでは、第1障壁層2のバンドギャップが、受光層1のバンドギャップよりも大きくなるように、第1障壁層2に、バンドギャップの大きいAlSbを用いることで、受光層1に対して価電子帯側に大きなバンドオフセットを有する障壁層を実現している。
次いで、図8に示すように、第1障壁層2上に、AlGaSbからなる第2障壁層4を形成する。
例えば、Al0.2Ga0.8Sbとし、Beをドーピングした正孔濃度が約1×1018cm-3のp型とし、約200nm成長させて、p型AlGaSb(p型Al0.2Ga0.8Sb)からなる第2障壁層4を形成する。
このようにして形成された第2障壁層4は、受光層1及び第1障壁層2に対して伝導帯側に大きなバンドオフセットを有するため(例えば図13参照)、第2障壁層4は、受光層1の外周領域の多数キャリアである電子をブロックする障壁層(バリア層)として機能することになる。
ここでは、第2障壁層4のバンドギャップが、受光層1及び第1障壁層2のバンドギャップよりも大きくなるように、第2障壁層4に、バンドギャップの大きいAlGaSbを用いることで、受光層1及び第1障壁層2に対して伝導帯側に大きなバンドオフセットを有するバリア層を実現している。
このようにして、半導体積層構造を形成する。
次に、図9に示すように、電極層8の一部の表面が露出するように、第2障壁層4、第1障壁層2、受光層1を選択的にエッチングする。これにより、メサ構造5が形成される。このようにして、赤外線検出器を構成する各画素が形成される。
次いで、第1障壁層2の表面の一部が露出するように、第2障壁層4を選択的にエッチングする。これにより、メサ構造5の上部を構成する第2障壁層4に電極3を設けるための開口部12が形成される。
ここで、第2障壁層4に設けられた開口部12は、画素の周辺(外周)と接触しない位置に形成する。
ここでは、開口部12は、第2障壁層4の外周、即ち、メサ構造5の側壁表面(側面)から例えば約5μm内側に形成している。つまり、第2障壁層4は、リング状に設けられており、側面から中央へ向かう方向の幅が約5μmになっている。
次に、図10に示すように、エッチングによって形成された側面を含む表面全体を覆うように、SiOからなる絶縁膜6を形成する。
次に、マスクを用いたエッチングによって、電極層8の一部及び第1障壁層2の一部が露出するように絶縁膜6を選択的にエッチングし、例えばTi/Pt/Auからなる電極9、3を形成する(図3参照)。
このようにして、本具体例の赤外線検出器を製造することができる。
次に、上述のように構成される本実施形態の赤外線検出器において、表面リーク電流を低減できる原理について説明する。
ここで、図11は、本実施形態の赤外線検出器の構成を示す断面図である。また、図12は、図11のX-X線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。また、図13は、図11のY-Y線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。また、図14は、図11のZ-Z線に沿う断面におけるエネルギーバンド図である。
なお、図12~図14では、動作電圧付近となるように、第2障壁層4に囲まれた電極3に+0.2Vの電圧を印加した場合を例に挙げて示している。
まず、メサ構造5の中央領域(受光層1の中央領域)においては、図12に示すようなエネルギーバンド構造になっている。
図12に示すように、第1障壁層2は、受光層1に対して価電子帯側に大きなバンドオフセットを有し、また、伝導帯側ではバンドオフセットは熱エネルギーよりも十分に小さい。なお、理想的にはバンドオフセットは0eVであることが好ましい。
このため、第1障壁層2は、受光層1(受光層1の中央領域)の多数キャリアである正孔をブロックし、かつ、受光層1(受光層1の中央領域)の少数キャリアである電子はブロックしないユニポーラバリア層となっている。
よって、受光層1で生成された電子を効率的に引き出すことができる。
例えば、メサ構造5の中央領域(画素中央領域)において、光吸収などによって光吸収層(受光層)で生成された少数キャリアの電子は、第1障壁層2によってブロックされることなく、電極3から効率的に引き出されることになる。
このように、第1障壁層2によって、受光層1の中央領域の多数キャリアである正孔がブロックされるため、赤外線検出器の暗電流のうち、受光層1の内部(中央領域)を流れるバルク成分を低減することができる。
一方、メサ構造5の側壁表面及びその近傍領域(外周領域;受光層1の外周領域)においては、図13に示すようなエネルギーバンド構造になっている。
図13に示すように、メサ構造5の側壁表面及びその近傍には第2障壁層4が配置されており、第2障壁層4は、受光層1及び第1障壁層2に対して、伝導帯側に大きなバンドオフセットを有する。
このため、第2障壁層4は、受光層1の外周領域(受光層1の側壁表面及びその近傍領域)の多数キャリアである電子をブロックするバリア層として機能する。
また、第2障壁層4は、電極3の外周を囲むように配置されているため、メサ構造5のいずれの側壁表面及びその近傍領域の多数キャリアである電子についても、電極3から引き出されるのを抑制することができる。
このように、第2障壁層4によって、受光層1の外周領域の多数キャリアである電子がブロックされるため、赤外線検出器の暗電流のうち、受光層1の外周領域を流れる成分(表面リーク電流)を低減することができる。
また、第1障壁層2の電極近傍領域及び第2障壁層近傍領域においては、図14に示すようなエネルギーバンド構造になっている。
図14に示すように、第2障壁層近傍領域の第1障壁層2は、電子に対するポテンシャルエネルギー(伝導帯のエネルギー)が、メサ構造5の側壁表面及びその近傍領域において、メサ構造5の側壁表面から離れるにしたがって高くなっている。
このため、第1障壁層2は、メサ構造5の側壁表面及びその近傍領域の多数キャリアである電子に対してポテンシャル障壁として機能し、メサ構造5の側壁表面及びその近傍領域の多数キャリアである電子が、面内方向に拡散するのを抑制することができる。
このように、第1障壁層2によって、受光層1の外周領域の多数キャリアである電子が面内方向に拡散するのを抑制することができるため、赤外線検出器の暗電流のうち、受光層1の外周領域を流れる成分(表面リーク電流)を低減することができる。
ここで、図15は、本実施形態の構造(例えば図3、図2参照)及び比較例の構造(例えば図16、図17参照)についての約150Kでの暗電流計算結果を示している。
なお、図15中、実線Aが、本実施形態の構造(例えば図3、図2参照)の暗電流計算結果を示しており、実線Bは、第2障壁層4を備えない比較例の構造(例えば図16、図17参照)の暗電流計算結果を示している。
図15に示すように、本実施形態の構造によれば、動作電圧である+0.2V付近で、暗電流を約7割に低減することができることがわかる。
なお、上述の実施形態の具体例の構成は、効果が得られる範囲で適宜変更しても良い。
例えば、上述の実施形態の具体例では、受光層1をInAsとGaSbの超格子としているが、吸収波長に応じて各層の厚さを適宜変更しても良い。
また、超格子を構成するInAs層とGaSb層の間に、GaSb基板に格子整合するようにInSb層を設けても良い。
また、超格子は、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上から構成されるものとしても良い。
また、赤外領域に応答する材料であれば、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上の混晶から受光層1が構成されていても良い。例えばInAs1-aSb(0≦a≦1)であっても良い。
また、受光層1は、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれかの材料からなるものとすれば良い。
また、受光層1をp型としているが、i型又はn型であっても良い。
また、第1障壁層2をInAsとAlSbの超格子としているが、受光層1のバンド構造に応じて各層の厚さを適宜変更しても良い。
また、第1障壁層2は、受光層1の多数キャリアのみをブロックすることが好ましい。
上述の具体例では、受光層1をp型としたため、第1障壁層2は、多数キャリアである正孔をブロックする構造としているが、受光層1をn型とする場合には、多数キャリアである電子をブロックする構造とするのが好ましい。この場合、第1障壁層2は、必要に応じて、AlGaSb、AlAsSbなどの混晶を用いても良い。
つまり、第1障壁層2は、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上から構成される超格子を用いても良いし、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上の混晶を用いても良いし、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれかの材料を用いても良い。
また、第1障壁層2のバンドギャップは、受光層1のバンドギャップよりも大きいことが好ましい。特に、第1障壁層2のバンドギャップが、受光層1のバンドギャップの2倍以上になるようにするのがさらに好ましい。
また、第1障壁層2は、少なくとも電極3と接触する部分がドーピングされていれば良い。
上述の具体例では、受光層1をp型としたため、第1障壁層2の受光層1側をp型(p型領域)、電極3側をn型(n型領域)として、電極3と接触する部分がドーピングされているものとしているが、例えば、第1障壁層2の受光層1側をi型(アンドープ;i型領域)としても良い。
また、受光層1をn型とする場合には、第1障壁層2の受光層1側をn型(n型領域)、電極3側をp型(p型領域)として、電極3と接触する部分がドーピングされているものとしても良い。この場合、第1障壁層2の受光層1側をi型(i型領域)としても良い。
このように、第1障壁層2は、p型領域とn型領域とを備えるか、p型領域とi型領域とを備えるか、又は、n型領域とi型領域とを備えるものとすれば良い。
また、上述の具体例では、第1障壁層2をp型障壁層及びn型障壁層からなる2層構造にしているが、第1障壁層2の全体をi型とし、第2障壁層4をエッチングして第1障壁層2が露出した表面から例えばイオン注入等でドーピングを部分的に施して、電極3と接触する部分をn型又はp型にドーピングされているものとしても良い。
また、電極3は、第1障壁層2と電気的に接続されていれば良く、電極3の厚さが絶縁膜6よりも厚くなっていても良いし、電極3の上面が絶縁膜6の上面よりも上側になるように電極3の厚さが厚くなっていても良いし、さらに、接続のために、電極3と電気的に接続された配線金属(図示せず)を付加しても良い。
また、第2障壁層4は、膜厚を約200nmとしているが、適宜変更しても良い。
但し、絶縁膜6と第2障壁層4の界面近傍、及び、第2障壁層4と第1障壁層2の界面近傍には空乏領域が形成されるため、ポテンシャル障壁として機能させるために、約50nm以上とするのが好ましい。さらに好ましくは、第2障壁層4をトンネルしないように、約150nm以上とする。
また、第2障壁層4の側壁表面からの幅を約5μmとしているが、適宜変更しても良い。
但し、絶縁膜6と第2障壁層4の界面近傍には空乏領域が形成されるため、幅が約1μm以上であることが好ましい。つまり、絶縁膜6と第2障壁層4の界面近傍ではバンドが曲がっているため、これよりも第2障壁層4の幅を広くすることで表面リーク電流を低減することが可能となる。
また、第2障壁層4はAlGaSbとしているが、Al組成を適宜変更しても良い。また、第2障壁層4は、受光層1の外周領域の多数キャリアをブロックするものであれば良い。つまり、受光層1の側壁表面及びその近傍の多数キャリアに対してポテンシャル障壁として機能すれば良く、例えば超格子やAlGaSb、AlAsSbなどを用いても良い。
つまり、第2障壁層4は、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上から構成される超格子を用いても良いし、InAs、InSb、GaSb、AlSbのいずれか2種以上の混晶を用いても良いし、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれかの材料を用いても良い。
また、トンネル効果を抑制するために、第2障壁層4と第1障壁層2がブロークンギャップ型の接合でないことが好ましい。つまり、第2障壁層4及び第1障壁層2の少なくとも一方のバンドオフセットが大きくなりすぎて、第2障壁層4と第1障壁層2との接合がバンド間トンネル接合とならないようにすることが好ましい。
また、第2障壁層4のバンドギャップは、受光層1のバンドギャップよりも大きく、かつ、第1障壁層2のバンドギャップよりも大きいことが好ましい。また、後述するように、第2障壁層4のバンドギャップは、赤外線撮像装置30に備えられる光学レンズ34の材料(レンズ材料)のバンドギャップよりも大きいことがさらに好ましい(例えば図21参照)。
また、第2障壁層4は、受光層1の導電型と同一の導電型とし、キャリア濃度が1×1018cm-3以上であることが好ましい。
また、ドーピングする不純物をSiやBeとしているが、これら以外であっても良い。例えばn型不純物としてTe、p型不純物としてZnを用いても良い。
また、赤外線検出器を構成する半導体積層構造の積層方法をMBE法としているが、例えばMOCVD法やその他の積層構造が作製可能な方法であっても良い。
また、赤外線検出器の構造において、エッチングストッパー層11はなくても良い。また、基板7やバッファー層10が除去されていても良い。
ところで、例えば図18、図19に示すように、上述のように構成される赤外線検出器20(例えば図1、図3参照)を1画素として、複数の画素を平面上に2次元に配列して撮像素子(赤外線撮像素子)21を構成することができる。
つまり、上述のように構成される赤外線検出器20を備えるものとして撮像素子(赤外線撮像素子)21を構成することもできる。
ここでは、例えば図18、図19に示すように、撮像素子21は、上述のように構成される赤外線検出器20を1画素として複数の画素が平面上に配列されている赤外線検出器アレイ22と、この赤外線検出器アレイ22に接続され、駆動回路及び読出回路を含むチップ23を備えるものとして構成される。
そして、例えば図19に示すように、上述のように構成される赤外線検出器20に備えられる電極層8を、全画素20に共通の共通電極層とし、電極(第2電極)9を、赤外線検出器アレイ22の周辺部、即ち、複数の画素20が配列されている領域の周辺部に設けて共通電極としている。
そして、各画素を構成する赤外線検出器20に備えられる電極(第1電極)3に表面配線24(金属配線)で接続されたバンプ25(出力電極;ここではInバンプ)を介して、駆動回路及び読出回路を含むチップ23を接続し、また、共通電極としての第2電極9に表面配線26(金属配線)で接続されたバンプ27(共通電極;ここではInバンプ)を介して、駆動回路及び読出回路を含むチップ23を接続している。
ところで、上述のように構成される撮像素子21を備えるものとして、撮像システム(赤外線撮像システム;撮像装置;赤外線撮像装置)を構成することができる。
例えば図20に示すように、撮像システム30を、上述のように構成される撮像素子21を含むセンサ部31と、これに接続された制御演算部32と、表示部33とを備えるものとし、センサ部31に入射した赤外線を基にした画像が表示部33に表示されるようにすれば良い。
この場合、撮像システム30は、上述のように構成される撮像素子21と、撮像素子21に接続された制御演算部32とを備えるものとして構成されることになる。
特に、図21に示すように、撮像システム30は、上述のように構成される撮像素子21と、撮像素子21に赤外線を入射させるための光学レンズ(例えばGeレンズ)34とを備えるものとし、第2障壁層4のバンドギャップが、光学レンズ34のエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。
これにより、第2障壁層4で吸収されるエネルギーを持つ光が光学レンズ34でカットされることになるため、第2障壁層4を設けても、暗電流を低減することが可能となる。
したがって、本実施形態にかかる赤外線検出器及びその製造方法、撮像素子、撮像システムは、受光層1の中央領域を流れるバルク成分の暗電流を低減するだけでなく、受光層1の外周領域を流れる暗電流も低減し、赤外線検出器の性能を向上させることができるという効果を有する。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
受光層と、
前記受光層上に設けられ、前記受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層と、
前記第1障壁層上に設けられた電極と、
前記第1障壁層上の前記電極の周囲に前記電極に接しないように設けられ、前記受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層とを備えることを特徴とする赤外線検出器。
(付記2)
前記受光層の側面、前記第1障壁層の側面及び前記第2障壁層の側面及び上面を覆う絶縁膜を備え、
前記絶縁膜は、前記電極と前記第2障壁層の間に介在するように設けられていることを特徴とする、付記1に記載の赤外線検出器。
(付記3)
前記第1障壁層のバンドギャップは、前記受光層のバンドギャップよりも大きく、
前記第2障壁層のバンドギャップは、前記受光層及び前記第1障壁層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする、付記1又は2に記載の赤外線検出器。
(付記4)
前記第1障壁層は、少なくとも前記電極に接している領域がそれ以外の領域よりも高濃度の不純物を含むことを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記5)
前記第1障壁層は、p型領域とn型領域とを備えるか、p型領域とi型領域とを備えるか、又は、n型領域とi型領域とを備えることを特徴とする、付記1~4のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記6)
前記受光層は、p型であり、
前記第1障壁層は、前記受光層の側の領域がi型であり、前記第2障壁層の側の領域がn型であり、
前記第2障壁層は、p型であることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記7)
前記受光層は、n型であり、
前記第1障壁層は、前記受光層の側の領域がi型であり、前記第2障壁層の側の領域がp型であり、
前記第2障壁層は、n型であることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記8)
前記受光層は、p型であり、
前記第1障壁層は、前記受光層の側の領域がp型であり、前記第2障壁層の側の領域がn型であり、
前記第2障壁層は、p型であることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記9)
前記受光層は、n型であり、
前記第1障壁層は、前記受光層の側の領域がn型であり、前記第2障壁層の側の領域がp型であり、
前記第2障壁層は、n型であることを特徴とする、付記1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記10)
前記第2障壁層は、キャリア濃度が1×1018cm-3以上であることを特徴とする、付記1~9のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記11)
前記第2障壁層は、膜厚が50nm以上であることを特徴とする、付記1~10のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記12)
前記第2障壁層は、側面から中央ヘ向かう方向の幅が1μm以上であることを特徴とする、付記1~11のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記13)
前記受光層、前記第1障壁層及び前記第2障壁層は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれかの材料からなるか、GaSb、InAs、AlSb、InSbいずれか2種以上を含む超格子からなるか、又は、GaSb、InAs、AlSb、InSbのいずれか2種以上を含む混晶からなることを特徴とする、付記1~12のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記14)
付記1~13のいずれか1項に記載の赤外線検出器を1画素として複数の画素が2次元に配列されている赤外線検出器アレイを備えることを特徴とする撮像素子。
(付記15)
付記14に記載の撮像素子と、
前記撮像素子に赤外線を入射させるための光学レンズとを備え、
前記第2障壁層のバンドギャップは、前記光学レンズのエネルギーギャップよりも大きいことを特徴とする撮像システム。
(付記16)
受光層を形成する工程と、
前記受光層上に、前記受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層を形成する工程と、
前記第1障壁層上に電極を形成する工程と、
前記第1障壁層上の前記電極の周囲に前記電極に接しないように、前記受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層を形成する工程とを含むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
1 受光層
2 第1障壁層
3 電極
4 第2障壁層
5 メサ構造
6 絶縁膜
7 基板
8 電極層
9 電極
10 GaSbバッファー層
11 InAsSbエッチングストッパー層
12 開口部
20 赤外線検出器(画素)
21 撮像素子(赤外線撮像素子)
22 赤外線検出器アレイ
23 駆動回路及び読出回路を含むチップ
24 表面配線
25 バンプ
26 表面配線
27 バンプ
30 撮像システム(赤外線撮像装置)
31 センサ部
32 制御演算部
33 表示部
34 光学レンズ

Claims (11)

  1. 受光層と、
    前記受光層上に設けられ、前記受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層と、
    前記第1障壁層上に設けられた電極と、
    前記第1障壁層上の前記電極の外周を前記電極に接することなく囲むように設けられるとともに、前記第1障壁層上に積層されて前記第1障壁層の上方のみに設けられ、前記受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層とを備えることを特徴とする赤外線検出器。
  2. 前記受光層の側面、前記第1障壁層の側面及び前記第2障壁層の側面及び上面を覆う絶縁膜を備え、
    前記絶縁膜は、前記電極と前記第2障壁層の間に介在するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 前記第1障壁層のバンドギャップは、前記受光層のバンドギャップよりも大きく、
    前記第2障壁層のバンドギャップは、前記受光層及び前記第1障壁層のバンドギャップよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の赤外線検出器。
  4. 前記第1障壁層は、少なくとも前記電極に接している領域がそれ以外の領域よりも高濃度の不純物を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  5. 前記第1障壁層は、p型領域とn型領域とを備えるか、p型領域とi型領域とを備えるか、又は、n型領域とi型領域とを備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  6. 前記第2障壁層は、キャリア濃度が1×1018cm-3以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  7. 前記第2障壁層は、膜厚が50nm以上であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  8. 前記第2障壁層は、側面から中央ヘ向かう方向の幅が1μm以上であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の赤外線検出器を1画素として複数の画素が2次元に配列されている赤外線検出器アレイを備えることを特徴とする撮像素子。
  10. 請求項9に記載の撮像素子と、
    前記撮像素子に赤外線を入射させるための光学レンズとを備え、
    前記第2障壁層のバンドギャップは、前記光学レンズのエネルギーギャップよりも大きいことを特徴とする撮像システム。
  11. 受光層を形成する工程と、
    前記受光層上に、前記受光層の中央領域の多数キャリアをブロックする第1障壁層を形成する工程と、
    前記第1障壁層上に電極を形成する工程と、
    前記第1障壁層上の前記電極の外周を前記電極に接することなく囲むように設けられるとともに、前記第1障壁層上に積層されて前記第1障壁層の上方のみに設けられ、前記受光層の外周領域の多数キャリアをブロックする第2障壁層を形成する工程とを含むことを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
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