JP7275512B2 - 化粧材 - Google Patents
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例えば、細長い長方形の木板を斜め向きとし、これを複数並べて内面や外面に取り付けていくことにより、このような模様を形成することは可能である。しかしながら、この場合には実際の木板を用いる必要があるため、非常に費用と時間を要する。
すなわち、上記したような壁、床、天井等の建築物の内装材として空間内面構造を形成する他、建築物の外壁、屋根、門扉、塀、柵等の外裝材として外面構造、扉、窓枠、扉、扉枠等の建具、廻り縁、幅木、手摺等の造作部材の表面材、テレビ受像機、冷蔵庫等の家電製品や複写機等の事務機器の筐体の表面材、箪笥等の家具の表面材、箱、樹脂瓶等の容器の表面材、車両等の内装材又は外裝材、船舶の内装材又は外裝材等として用いることもできる。
同様に、ある化粧材10の下(下辺12側)に配置される他の化粧材10との関係において、当該ある化粧材10の下辺12とその下に配置される他の化粧材10の上辺11とが重なるように配置される。
また、ある化粧材10の右(右辺14側)に配置される他の化粧材10との関係において、当該ある化粧材10の右辺14とその右に配置される他の化粧材10の左辺13とが重なるように配置される。
そして、ある化粧材10の左(左辺13側)に配置される他の化粧材10との関係において、当該ある化粧材10の左辺13とその左に配置される他の化粧材10の右辺14とが重なるように配置される。
ここで、便宜のため化粧材の縁を「上辺」、「下辺」、「左辺」、「右辺」と表現するが、これらは、第一辺、第一辺の反対側に位置する第二辺、第一辺に直交する第三辺、第三辺の反対側に位置する第四辺をそれぞれ意味する。
又、「重なるように配置」とは、図1、図5及び図13の如く、水平方向及び鉛直方向に隣接する化粧材10同士が、間に空隙、目地溝、スペーサやレール等の部材を介すること無く、密接して配置されることを意味する。そして、所定の個数の化粧材10が互いに隣接部分において重なるようにして、水平方向及び鉛直方向に配置された各化粧材が施工面を隙間無く被覆する事を化粧材10が「配列」すると呼称する。
以下、化粧材10についてさらに詳しく説明する。
そして、図2に示すように、化粧材10の縁である上辺11、下辺12、左辺13、右辺14に対して傾斜するようにして延びると共に1対の斜行領域内境界長辺17、17で其の両側を挟まれた細長い領域である斜行領域15が複数配列されている。本形態では斜行領域15A~斜行領域15Fまで6つの斜行領域を有しており、複数の斜行領域が延びる方向は平行である。
0°<θ1<90° かつ 0°<θ2<90°
であることを言う。なお、斜行領域15及び化粧材10が共に長方形となる典型的な形態の場合は、傾斜角θ1と傾斜角θ2とは図2からも明らかなように互いに補角となるため、
θ1+θ2=90°
となる。
ここで、「模様」は、「絵柄模様」及び「凹凸模様」の両者を含み、「絵柄模様」のみ、「凹凸模様」のみ、及びその両者を組み合わせたものがある。
「絵柄模様」は平面上に形成された色及び/又はパターンよりなるものを意味し、「色」は色相、明度、彩度、及び/又は光沢度により特定される。これには例えば印刷により形成されたものが挙げられる。
一方、「凹凸模様」は3次元形状による模様を意味する。これには例えば各種エンボス加工方法により形成した凹凸を挙げることができる。
ここで、各部位について次のように定義する。
・上辺11に斜行領域15Aが形成する縁を縁11A、その長さをL11A
・上辺11に斜行領域15Bが形成する縁を縁11B、その長さをL11B
・上辺11に斜行領域15Cが形成する縁を縁11C、その長さをL11C
・下辺12に斜行領域15Dが形成する縁を縁12D、その長さをL12D
・下辺12に斜行領域15Eが形成する縁を縁12E、その長さをL12E
・下辺12に斜行領域15Fが形成する縁を縁12F、その長さをL12F
・左辺13に斜行領域15Aが形成する縁を縁13A、その長さをL13A
・左辺13に斜行領域15Bが形成する縁を縁13B、その長さをL13B
・左辺13に斜行領域15Cが形成する縁を縁13C、その長さをL13C
・右辺14に斜行領域15Dが形成する縁を縁14D、その長さをL14D
・右辺14に斜行領域15Eが形成する縁を縁14E、その長さをL14E
・下辺14に斜行領域15Fが形成する縁を縁14F、その長さをL14F
ここで、化粧材10は長方形又は正方形なので、互いに反対側に位置する辺に属する各縁の長さはいずれも同じとなる。従って、L11A、L11B、L11C、L12D、L12E、L12Fはいずれも同じ長さ、及び、L13A、L13B、L13C、L14D、L14E、L14Fはいずれも同じ長さとなる。
すなわち、縁11Aと縁12Dとを例に挙げると、これらはちょうど反対側となる位置に配置され、その端点である点aと点b、点cと点dとはx方向(短辺が延びる方向)において同じ位置となる。また、縁13Bと縁14Eとを例に挙げると、これらはちょうど反対側となる位置に配置され、その端点である点eと点f、点gと点hとはy方向(長辺が延びる方向)において同じ位置となる。
他の縁についても同様である。
具体的には例えば縁11Aに隣接する部位における斜行領域15の端部の模様は複数の斜線であり、縁12Dに隣接する部位における斜行領域15の端部の模様も複数の斜線であり、両者はつなぎ合わせることにより連続する模様を形成する。
他の縁についても同様に構成されている。
例えば、樹脂の場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、スチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、ラジカル重合型のアクリレート系やカチオン重合型のエポキシ系等の単量体やプレポリマーで電離放射線(紫外線、電子線等)で硬化する電離放射線硬化性樹脂等が用いられる。なお、これら樹脂を公知の着色剤で着色しても良い。
紙としては、上質紙、薄葉紙、クラフト紙、リンター紙、チタン紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙等を用いることができる。
織布または不織布としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂繊維、絹、木綿、麻等の天然繊維、硝子等の無機繊維等の繊維からなるものを用いることができる。
金属としては、鉄、銅、錫、アルミニウム、チタニウム、或いはこれらの金属を含む合金を用いることができる。
非金属無機材料としては、セメント、珪酸カルシウム、石膏、陶磁器等を用いることができる。
木材としては、杉、檜、松、樫、ラワン、チーク等の樹木からなる単板、合板、集成材、パーチクルボード、繊維板等を用いることができる。
そしてこの版20を用いて所望のグラビア印刷をすることによって化粧材10を得る。グラビア印刷の製版及び印刷の方法乃至製造加工条件については、公知の各種方法、製造加工条件を適宜選択し適用すれば良い。
又、印刷方法については、グラビア印刷の他、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、凸版(活版)印刷、インキジェット印刷等の各種印刷方法を適用することもできる。
化粧材10’の例では、斜行領域15の中に、これを区切って斜行領域内境界長辺17方向に複数の小斜行領域15S1、15S2、15S3、…に分割するような境界であって斜行領域内境界長辺17と直交する斜行領域内境界短辺16が設けられている。かかる斜行領域内境界短辺16のうち隣接する2辺と斜行領域内境界長辺17のうち隣接する2辺とにより、化粧材10’中の斜行領域15の一部は複数の小斜行領域15S1、15S2、15S3、…に分割される。
例えば、図4に示したように、斜行領域15Dは、斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17により、小斜行領域15DS1、15DS2、15DS3に分割される。これら小斜行領域のうち、小斜行領域15DS2は長方形をなす。一方、小斜行領域15DS1及び15DS3は長方形から切り取られた長方形の一部分をなすが、化粧材10’を施工面上に隙間なく被覆して配列した(即ち、施工した)状態においては、図5に示したように、小斜行領域15DS1及び15DS3は、何れも、重なって配置された隣接する化粧材10’中の小斜行領域と接合、合体する結果、空間内面構造1’内においては、平面視形状で長方形を構成する。本発明において、「長方形から切り取られた長方形の一部分をなす」とはかかる意味に解する。
ここで、斜行領域内境界短辺16は、模様の違いにより生じるものであってもよいし、境界として線、溝、及び/又は凸条が形成されていてもよい。より明確に斜行領域内境界短辺16を視認可能として印象づける観点からは、このように境界に線、溝、及び/又は凸条が形成されていることが好ましい。
ここで、斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17の所定の幅は、例えば、1mm以上10mm以下とすることができる。
そして、斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17を以上の如く構成した化粧材10’は、図6の如き平面視外観となるように実物のブロックを目地溝を介して煉瓦積状に配置した鉛直面と平行に延在する壁面に於いて、図6の左上方から光が入射した状態における目地溝に陰影を生じた壁面の意匠外観を再現する。
その上で、各斜行領域内境界短辺16及び各斜行領域内境界長辺17については、その全域(即ち、全幅に亘って)を図7の形態と同様の低明度の無彩色又は有彩色とする。
斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17の所定の幅は、例えば、1mm以上10mm以下の範囲とすることができる。
そして、斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17を以上の如く構成した化粧材10’は、図7の如き平面視外観となるように実物のブロックを目地溝を介して煉瓦積状に配置した水平面と平行に延在する床面に於いて、鉛直上方、即ち、図7においては紙面前方(+z方向)から光が入射した状態に於ける目地溝に陰影を生じた壁面の意匠外觀を再現する。
その上で、所定幅を有する各斜行領域内境界短辺16内及び各斜行領域内境界長辺17内の領域は黒色、濃灰色、茶褐色、深緑色、臙脂色、濃紫色等の低明度の無彩色又は有彩色とすると共に、幅方向中央部の明度が最も低く、幅方向において中央部から両側に遠ざかるにつれて明度が上昇するよう構成される。
斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17の所定の幅は、例えば、1mm以上10mm以下の範囲とすることができる。
そして、斜行領域内境界短辺16及び斜行領域内境界長辺17を以上の如く構成した化粧材10’は、図8の如き平面視外観となるように実物のブロックを目地溝を介して煉瓦積状に配置した水平面と平行に延在する床面において、鉛直上方、すなわち、図8においては紙面前方(+z方向)から光が入射した状態における目地溝に陰影を生じた壁面の意匠外観を再現する。
なお、図11では、簡略化のため、各斜行領域15に付される模様は省略し、代わりにアルファベットA~Pを付した。斜行領域15の形態については上記した化粧材10と同様の考えに基づいて構成する。
化粧材310’では、化粧材310において、各斜行領域15に木目調の模様が付された例である。また、化粧材310’では、斜行領域15の中で斜行領域内境界短辺16が設けられ、当該斜行領域内境界短辺16を挟んで一方と他方とで模様の態様が連続しない異なる形態である。これによれば、図13からわかるように、一方向に斜めに延びる帯状の木目調が配列される形態を基準としつつも、当該斜め方向に木板のブロックが並べられる形態が付加されたデザインとなる。
ただし、この場合であっても各斜行領域15における形態については上記化粧材10と同様の考えに基づいて構成される。
なお、図14では、簡略化のため、各斜行領域15に付される模様は省略し、代わりにアルファベットA~Jを付した。斜行領域15の形態については上記した化粧材10と同様の考えに基づいて構成される。
なお、図15では、簡略化のため、各斜行領域15に付される模様は省略し、代わりにアルファベットを付した。斜行領域15の形態については上記した化粧材10と同様の考えに基づいて構成される。
11 上辺(第一辺)
12 下辺(第二辺)
13 左辺(第三辺)
14 右辺(第四辺)
15 斜行領域
15S1、15S2、15S3 小斜行領域
16 斜行領域内境界短辺
17 斜行領域内境界長辺
Claims (5)
- 長方形又は正方形の外周形状を有する化粧材であり、前記長方形又は前記正方形の辺に対して斜めに延びる領域である斜行領域を複数有し、前記化粧材が複数配置されたときに前記斜行領域が連続して一方向に延びる長大化した帯状を形成する化粧材であって、
複数の前記斜行領域は、延びる方向が平行になるように配列されるとともに、隣り合う前記斜行領域には異なる模様が付されており、
前記外周形状の一つの辺である第一辺及び該第一辺とは反対側に位置する辺である第二辺において、複数の前記斜行領域が形成する縁部の長さ及び位置がいずれも同じであり、
前記外周形状の前記第一辺に直交する辺である第三辺及び該第三辺とは反対側に位置する第四辺において、複数の前記斜行領域が形成する縁部の長さ及び位置がいずれも同じであり、
前記第一辺における斜行領域の縁に隣接する模様と前記第二辺における斜行領域の縁に隣接する模様とは、いずれも同じ又は連続し、
前記第三辺における斜行領域の縁に隣接する模様と前記第四辺における斜行領域の縁に隣接する模様とは、いずれも同じ又は連続する、
化粧材。 - 前記模様が木目調、又は、石目調である請求項1に記載の化粧材。
- 隣り合う前記斜行領域は線、溝、又は凸条の少なくとも一つにより区切られている請求項1又は2に記載の化粧材。
- 前記斜行領域には、延びる方向に直交する境界である斜行領域内境界短辺が形成され、前記斜行領域内境界短辺を挟んで一方側と他方側とで模様が異なる、請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧材。
- 前記斜行領域内境界短辺が線、溝、又は凸条の少なくとも一つにより形成されている請求項4に記載の化粧材。
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