JP7275247B1 - 二次電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】積層電池内部に空気が残存することを抑制する。【解決手段】負極集電体11、負極活物質層12、セパレータ13、正極活物質層14及び正極集電体15が順に積層されてなる平板上の電池セル20を有する二次電池モジュールにおいて、正極集電体15から電流を流すために、その上面に形成された正極側電流取出層16を備え、正極側電流取出層16は、上下に貫通する小孔96が形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、二次電池モジュールに関するものである。
電気自動車及びハイブリッド電気自動車等の電源等に使用できる電池として高エネルギー密度のリチウムイオン電池が知られている。また、このリチウムイオン電池を複数積層した構造の積層電池(例えば、特許文献1)を、ラミネートフィルム等の外装体に収容した構成も知られている。
特開2021-34141号公報
積層電池を外装体内に収容する際には、積層電池全体を外装体で覆って真空引き(真空パック)を行う。この際に、例えば積層電池内部に空気が残っていると、真空引きしても上手く密着されないおそれがある。
そこで本発明は、積層電池内部に空気が残存することを抑制することができる二次電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る二次電池モジュールは、負極集電体、負極活物質層、セパレータ又は固体電解質、正極活物質層及び正極集電体を有する蓄電要素を複数積層されてなる積層電池を備えた二次電池モジュールであって、前記積層電池における最外層の少なくとも一面には、電流取出層が接しており、前記電流取出層には、上下に貫通する小孔が形成されている。
本発明によれば、積層電池内部に空気が残存することを抑制することができる二次電池モジュールを提供することができる。
図1は、本発明を適用した二次電池モジュールを示す斜視図である。 図2は、本発明を適用した二次電池モジュールの側断面図である。 図3は、リチウムイオン二次電池としての電池セルの拡大断面図を示す図である。 図4は、二次電池モジュールにおける電池セルにつき、正極集電体上に正極側電流取出層を形成させる例を示す図である。 図5は、電池セルを複数に亘り積層させて接続した組電池を形成する例を示す図である。 図6は、正極側電流取出層において、上端から下端に至るまで貫通する小孔が形成された材料で構成する例を示す図である。 図7は、複数の電池セル間で負極側電流供給層及び正極側電流取出層を共用する例を示す図である。 図8は、本発明を適用した二次電池モジュールにおいて、負極整流部、正極整流部を設ける例を示す斜視図である。 図9は、本発明を適用した二次電池モジュールにおいて、負極整流部、正極整流部を設ける例を示す側断面図である。 図10は、本発明を適用した二次電池モジュールの電池セルの部分を点線で表示した図である。 図11は、本発明を適用した二次電池モジュールの動作について示す図である。 図12は、本発明を適用した二次電池モジュールにおいて、負極整流部、正極整流部を設ける他の例を示す斜視図である。 図13は、導電体としての複数の電流取出部、正極導電線、正極合流部を実装する例を示す図である。 図14は、第3実施形態において、正極側電流取出層を上面から視認した平面図である。 図15は、第3実施形態において、正極側電流取出層を上面から視認した他の形態を示す平面図である。 図16は、第3実施形態において、負極側電流供給層を下面から視認した平面図である。
第1実施形態
以下、第1実施形態に係る二次電池モジュールについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る二次電池モジュール1を示す斜視図であり、図2はその側断面図を示している。二次電池モジュール1は、蓄電要素である、負極集電体11及び負極活物質層12からなる負極2と、正極活物質層14及び正極集電体15からなる正極3とが、セパレータ13を介して積層させた平板上の積層電池(単電池)からなる電池セル20として構成される。即ち、二次電池モジュール1を構成する電池セル20は、負極集電体11、負極活物質層12、セパレータ13、正極活物質層14、正極集電体15が、図2における上方向に向けて積層され、全体として略矩形平板状に形成されている。
二次電池モジュール1は、更に電池セル20の周縁に配設される環状の枠部材9を備えている。枠部材9は、セパレータ13の端部が埋め込まれてなることで当該セパレータ13を支持すると共に、枠部材9は、その上面及び下面に正極集電体15及び負極集電体11を面接触させた上でそれぞれ固定している。負極集電体11、正極集電体15及びセパレータ13の周縁部がこの枠部材9を介して固定されることにより、負極活物質層12及び正極活物質層14を外部に漏洩させることなく強固に封止することが可能となる。また、枠部材9は、負極集電体11、セパレータ13、正極集電体15のそれぞれの位置関係を定めることができる。負極集電体11とセパレータ13との間隔、セパレータ13と正極集電体15との間隔は、電池の容量に応じて予め調整されるが、枠部材9を通じてこの調整された間隔を保持できるように負極集電体11、セパレータ13、正極集電体15を固定することができる。
負極集電体11の下側には、導電体層としての負極側電流供給層10が平面状に積層され、正極集電体15の上側には、同じく導電体層としての正極側電流取出層16が平面状に積層されている。負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16には、それぞれ電流が供給される箇所となる導電部7,8が形成されている。
電池セル20は、いわゆるリチウムイオン二次電池で構成される。図3(a)は、リチウムイオン二次電池としての電池セル20の拡大断面図を示しており、負極2を構成する負極活物質層12は、負極活物質41と電解液43とを含み、正極3を構成する正極活物質層14は、正極活物質42と電解液43とを含んでいる。
このような電池セル20をリチウムイオン二次電池として動作させる場合、先ず図示しない充電器の正極端子を正極3側に、充電器の負極端子を負極2側に接続して電流を流す。その結果、リチウム遷移金属複合酸化物等を含む正極活物質42から引き離された電子は、充電器を含む外部回路を流れ、炭素系材料等からなる負極活物質41へと到達する。その間において、プラスに帯電したリチウムイオンは、負極2側へと引き寄せられ、電解液43を流れて負極活物質41へと到達し、これに吸蔵される。正極活物質42中の全てのリチウム原子が負極活物質41へと到達することで、電池セル20が完全に充電された状態となる。
放電時には、図示しない外部の負荷を正極3と負極2との間に接続する。これにより、この負極活物質41に吸蔵されているリチウムイオンは、リチウム遷移金属複合酸化物の一部として安定な状態に戻るため、電解液43を通過し、正極に向かって移動する。また電子も負極2から外部の負荷を通過して正極3側へと流れ込むことでエネルギーが消費される。正極3と負極2との間にセパレータ13が絶縁層として配置されることで、リチウムイオンのみを透過させつつ、正極3と負極2との内部短絡を防止することで爆発や発火の危険性を抑えることができる。
電池セル20をこのようなリチウムイオン二次電池で実現する場合における各構成要素を構成する材料の好ましい態様について説明をする。
正極活物質層14に含まれる正極活物質42としては、リチウム遷移金属複合酸化物、即ちリチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiAlMnO4、LiMnO2及びLiMn24等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO4、LiNi1-xCox2、LiMn1-yCoy2、LiNi1/3Co1/3Al1/32及びLiNi0.8Co0.15Al0.052)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMaM’bM’’c2(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4及びLiNiPO4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられる。正極活物質42は、上述した各リチウム遷移金属複合酸化物等を2種以上併用してもよい。なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質42は、導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆正極活物質であることが好ましい。正極活物質42の周囲が被覆用樹脂で被覆されていることにより、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
導電助剤としては、金属系導電助剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、炭素系導電助剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの導電助剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また導電助剤は、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。導電助剤は、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物で構成されていることが好ましい。中でも導電助剤は、銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤で構成されていることがさらに好ましく、また炭素系導電助剤で構成されていることが特に好ましい。
またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料をめっき等でコーティングしたものを適用するようにしてもよい。このコーティングする導電性材料は、上述した導電助剤のうち金属のもので構成することが好ましい。
導電助剤の形態は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤として実用化されている形態とされていてもよい。
被覆用樹脂としては、特開2017-054703号公報に記載されている、非水系二次電池活物質被覆用樹脂として記載されている材料を用いるようにしてもよい。
なお、被覆用樹脂と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01~1:50であることが好ましく、1:0.2~1:3.0であることがより好ましい。
正極活物質42は、被覆正極活物質に含まれる導電助剤以外にも更に導電助剤を含んでもよい。この更に含める導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
正極活物質42は、互いに当該正極活物質42同士を結着する結着剤を含まない非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質42がいわゆるバインダとしての結着剤により位置を固定することなく、正極活物質42同士及び正極活物質42と集電体が不可逆的に固定されていない状態をいう。正極活物質42が非結着体である場合には、正極活物質42同士が不可逆的に固定されていないため、正極活物質42同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層14に応力がかかった場合でも正極活物質42が移動することで正極活物質層14の破壊を防止することができる。非結着体である正極活物質42、正極活物質42と電解液43とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層14にする等の方法で得ることができる。
なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質42同士及び正極活物質42と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質42同士及び正極活物質42と集電体とを可逆的に固定することができない。
正極活物質層14は、上述した正極活物質42以外に粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10-255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性を有する樹脂を意味する。ここでいう粘着性とは、水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極バインダは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。従って、結着剤としての溶液乾燥型の電極バインダと粘着性樹脂とは互いに異なる材料である。
正極活物質層14の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
負極活物質層12に含まれる負極活物質41としては、公知のリチウムイオン電池用負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素-炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素-アルミニウム合金、珪素-リチウム合金、珪素-ニッケル合金、珪素-鉄合金、珪素-チタン合金、珪素-マンガン合金、珪素-銅合金及び珪素-スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-アルミニウム合金及びリチウム-アルミニウム-マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
また、負極活物質41は、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆負極活物質で構成されていてもよい。導電助剤及び被覆用樹脂としては、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂を好適に用いることができる。
負極活物質層12は、被覆負極活物質に含まれる導電助剤以外にも更に導電助剤を含んでもよい。この更に含める導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
負極活物質層12は、正極活物質層14と同様に、互いに当該負極活物質41同士を結着する結着剤を含まない非結着体であることが好ましい。また、正極活物質層と同様に、粘着性樹脂が含まれていてもよい。
負極活物質層12の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
負極活物質層12及び正極活物質層14にそれぞれ含まれる電解液43は、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
電解液43は、負極2と正極3との間を多数のリチウムイオンが高速で移動することができる、いわゆる高電気伝導率を確保することができ、電気化学的安定性(充電時の耐酸化性、放電時の耐還元性)や熱的安定性の観点から最適な材料が選択され、かつ電荷キャリアとなるリチウムイオンを含む物質が適用される。この電解液43としては、例えば、LiN(FSO22、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらのうち、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはイミド系電解質[LiN(FSO22、LiN(CF3SO22及びLiN(C25SO22等]及びLiPF6である。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。非水溶媒は、1種を単独で用いるようにしてもよいし、2種以上を併用するようにしてもよい。
非水溶媒のうち、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、より好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、さらに好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。特に好ましいのはプロピレンカーボネート(PC)、またはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
電解液43の電解質濃度は、1~5mol/Lであることが好ましく、1.5~4mol/Lであることがより好ましく、2~3mol/Lであることがさらに好ましい。
電解液43の電解質濃度が1mol/L未満であると、電池の充分な入出力特性が得られないことがあり、5mol/Lを超えると、電解質が析出してしまうことがある。
なお、電解液43の電解質濃度は、電池セル20を構成する電解液43を、溶媒などを用いずに抽出して、その濃度を測定することで確認することができる。
負極集電体11及び正極集電体15を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。これらの材料のうち、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、正極集電体15としてはアルミニウムであることが好ましく、負極集電体11としては銅であることが好ましい。
負極集電体11及び正極集電体15は、その中でも特に導電性高分子材料からなる樹脂集電体であることが好ましい。樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては、例えば、導電性高分子や、マトリックス樹脂に対して必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。導電性高分子材料を構成する導電剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。導電性高分子材料を構成する樹脂としては、電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)を適用することが好ましく、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)を適用することが更に好ましい。
マトリックス樹脂に導電剤を添加することにより樹脂集電体を構成する場合において、この導電剤は、導電性フィラーで構成されていてもよい。導電性フィラーは、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、炭素系材料[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、この中でも炭素系材料が好ましい。導電性フィラーが炭素系材料であれば、負極活物質41、正極活物質42に、負極集電体11及び正極集電体15に由来する金属が混入することを防止することができる。特に正極活物質42においては、特性劣化の抑制につながる。
このような導電性フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、導電性フィラーは、上述した金属の合金又は金属酸化物を用いてもよい。また導電性フィラーとしては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに、上述した金属等で構成される導電性材料をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電性フィラーの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μmであることが好ましく、0.02~5μmであることがより好ましく、0.03~1μmであることがさらに好ましい。
また、導電性フィラーの形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。導電性フィラーは、これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましく、またグラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。ちなにみ、導電性フィラーが導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
負極集電体11及び正極集電体15中の導電性フィラーの重量割合は、5~90重量%であることが好ましく、20~80重量%であることがより好ましい。特に、導電性フィラーがカーボンの場合、導電性フィラーの重量割合は、20~30重量%であることが好ましい。
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いてもよい。
負極集電体11及び正極集電体15の厚さは特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して負極集電体11及び正極集電体15として用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。
負極集電体11及び正極集電体15は、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。このような導電性樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法及びカレンダー法等の公知のフィルム成形法が挙げられる。なお、負極集電体11及び正極集電体15は、フィルム成形以外の成形方法によっても得ることができる。
負極集電体11及び正極集電体15の形状は特に限定されず、上述した材料からなるシート体又は板状体、又は上述した材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。負極集電体11及び正極集電体15の厚さは、特に限定されないが、50~500μmであることが好ましい。
セパレータ13は、その要求される電気絶縁性、イオン伝導性の観点から、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン製や芳香族ポリアミド製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、ポリエステル繊維及びアラミド繊維等の合成樹脂、又はガラス繊維、フッ素樹脂等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が適用される。なお、セパレータ13を構成する材料は、上述した例に限定されるものではなく、公知のリチウムイオン二次電池用のセパレータの材料を適用するようにしてもよいことは勿論である。
負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16を構成する材料は、負極集電体11及び正極集電体15と同様に銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。このとき、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体で構成されるものであってもよく、樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては、例えば、導電性高分子や、マトリックス樹脂に対して必要に応じて導電性フィラーからなる導電剤を添加したものを用いるようにしてもよい。導電性フィラーとしては上述した樹脂集電体と同様のものを適用することができるが、導電性フィラーとゴム状高分子とを溶融混合することで得られる導電性エラストマーを適用することも可能である。このゴム状高分子としてはシリコーン、ウレタン、ネオプレン、ブチルゴム、エテン-プロペンゴム、アクリレートゴム、ブタジエンゴム、コロプレンゴム、ニトリルゴム、1-1プロペンゴム、フッ素系ゴム、スチレン-ブタジエン、天然ゴム及びそれらの組み合わせ等を適用可能である。
また負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16を構成する材料は、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16の何れか一方又は両方を、導電性高分子材料やカーボンファイバー等からなる不織布等のような弾性変形可能な弾性材で構成してもよい。負極側電流供給層10や正極側電流取出層16が弾性変形自在になることで、負極集電体11や正極集電体15、更には枠部材9との密着性を高めた状態で固定することが可能となる。負極側電流供給層10や正極側電流取出層16を弾性的に押圧させて負極活物質層12、正極活物質層14、枠部材9へと固定することにより、これらの間に空気層が形成されることを防ぐことができ、より抵抗を低く抑えつつ、均一化することができる。負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16の何れか一方又は両方を、カーボンファイバー等からなる不織布で構成した場合には、電流分布を抑制すると、通常であっても体積変化が小さいハードカーボン系の不織布において、さらに体積変化量の分布が小さくなり、更なる長寿命化を図ることが可能となる。また不織布には、繊維における網目において小孔が自然に形成される場合があり、負極側電流供給層10や正極側電流取出層16と、負極集電体11や正極集電体15との間に形成される気泡をこの小孔を介して逃がすことができる。なお、負極側電流供給層10は、負極集電体11と別体で構成される場合に限定されるものでは無く、互いに一体化されたものであってもよい。同様に正極側電流取出層16は、正極集電体15と別体で構成される場合に限定されるものでは無く、互いに一体化されたものであってもよい。
枠部材9を構成する材料としては、負極集電体11及び正極集電体15との接着性を有し、電解液43に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料、特に熱硬化性樹脂が好ましい。枠部材9を構成する材料は、具体的には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフッ化ビニデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
上述した構成からなる単電池からなる電池セル20の製造方法としては、例えば、負極集電体11、負極活物質層12、セパレータ13、正極活物質層14、正極集電体15の順に重ね合わせた後、電解液43を注入し、負極活物質層12、セパレータ13及び正極活物質層14の外周を枠部材9で封止し、更に負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16を積層させることで得ることができる。負極活物質層12及び正極活物質層14の外周を枠部材9で封止する方法としては、負極活物質層12及び正極活物質層14を一方の枠部材9の上面及び下面に接合して封止し、他方の枠部材9においてセパレータ13を挿入した状態で、一方の枠部材9と他方の枠部材9同士を接着して封止する方法で単電池からなるリチウムイオン二次電池の電池セル20を得ることができる。
図4は、二次電池モジュール1における電池セル20につき、正極集電体15上に正極側電流取出層16を形成させる例について示している。
図4(a)に示すように、上述した正極集電体15に対して正極側電流取出層16を形成させると、気泡81が自然に形成されてしまう場合がある。かかる場合において、この電池セル20を減圧環境下に一定時間載置する。かかる場合には、電池セル20を例えば減圧恒温槽等に入れて減圧する。その結果、図4(b)に示すように正極集電体15と、正極側電流取出層16との間に形成されている気泡を除去することが可能となる。同様に負極側電流供給層10と負極集電体11との間に気泡が形成された場合においても、減圧環境下におくことで気泡を除去することが可能となる。
このようにして気泡が除去されることで、正極集電体15と正極側電流取出層16との間、及び負極側電流供給層10と負極集電体11との間で密着性が向上することとなる。
なお、上述した形態からなる電池セル20では、液体状の電解液43の代わりに図3(b)に示すような固体電解質46を用いた、いわゆる全固体リチウムイオン電池で構成した電池セル20´に代替させるようにしてもよい。電池セル20´では、セパレータ13の構成を省略し、負極2から正極3に至るまで固体電解質46で満たされた状態となる。負極活物質層12では、この固体電解質46内に負極活物質41が介在された状態となる。正極活物質層14では、この固体電解質46内に正極活物質42が介在された状態となる。この電池セル20´を構成する各構成要素の詳細や材料については、電池セル20を構成する各構成要素と同様であることから、これと同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
固体電解質46としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体電解質46中には、イオン伝導性を確保するために支持塩(リチウム塩)が含まれる。支持塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、またはこれらの混合物等が使用できる。但し、固体電解質46を構成するPEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252等のリチウム塩をよく溶解し得る特質を備え、両者間で架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現させることができる。
上述した固体電解質46を電解質として用いる電池セル20´によれば、電解質の流動性がないので、電解質の流出を防止するためのシール構造が不要となり、二次電池モジュール1の構成を簡略化することが可能となる。これに加えて、電池セル20´によれば、電解質として固体を用いることで、漏液を防止することが可能となり、リチウムイオン二次電池特有の問題である液絡を防ぎ、信頼性をより向上させることが可能となる。
なお、本発明を適用した二次電池モジュール1は、リチウムイオン二次電池の電池セル20を単電池で構成される場合に限定されるものではない。例えば図5に示すように、電池セル20を複数に亘り積層させて接続した組電池50を形成するものであってもよい。
このような組電池50を形成する場合には、複数の電池セル20を直列接続することにより、最上段の電池セル20の正極側電流取出層16に接続された導電部8と最下段の電池セル20の負極側電流供給層10に接続された導電部7を介して電流を供給自在に構成するようにしてもよい。かかる場合には、互いに接続する電池セル20の負極側電流供給層10の下面と正極側電流取出層16の上面が隣接するように積層されている。更にこのような組電池50を形成する場合には、複数の電池セル20を並列接続するようにしてもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。このような組電池50を構成することにより、高容量、高出力と得ることができる。これ以外には、個々の電池セル20の負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16にそれぞれ接続された導電部7、8から独立に電流を供給自在に構成するようにしてもよい。
次に、本発明を適用した二次電池モジュール1の動作について説明をする。
放電時において、二次電池モジュールの図示しない外部の負荷を正極3と負極2との間に接続した場合には、負極活物質層12から負極集電体11へと到達した電子は、この負極集電体11に接触する負極側電流供給層10上を伝搬する。そして、電子は、外部の負荷を通過して正極3における正極側電流取出層16上を伝搬することとなる。
これに加えて、放電時には、負極活物質41内に吸蔵されたリチウムイオンが正極活物質42へ向けて移動することになる。
上述した構成からなる本発明によれば、正極集電体15と正極側電流取出層16との間、及び負極側電流供給層10と負極集電体11との間において減圧下で気泡が除去されて密着性が向上することとなる。その結果、本発明によれば、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上に局所的な抵抗分布を発生させることなく、電流を均一に流すことができる。このため、電流が局所的に多く流れる部位が生じることが無くなり、当該部位において局所的に温度が上昇することも無くなり、局所的な抵抗の低下が生じることなく、局所的に大きな電流が流れやすくなる悪循環に陥るのを抑えることができる。このように、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上において局所的に大きな電流が流れることなく、電流分布の均一化を図ることができることから、電池セル20自体の劣化を抑えることができ、ひいては電池セル20の高寿命化を実現できる。
本実施形態では、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16の少なくとも一方について、上下に貫通する小孔が形成されている。図6(a)に、正極側電流取出層16に上下に貫通する複数の小孔96が形成されている場合を例示する。この場合、以下に説明する効果を奏することとなる。製造時において、正極集電体15と正極側電流取出層16との間に気泡81が形成される場合には、図6(b)に示すように、減圧環境下におくことで気泡81の空気が小孔96を通過し、外部に放出されることで、気泡81を除去することが可能となる。
このようにして気泡81が除去されることで、正極集電体15と正極側電流取出層16との間で密着性が向上することとなる。負極側電流取出層10に上下に貫通する小孔96を形成してもよい。負極集電体11と負極側電流取出層10との間に形成された気泡81を上記と同様に除去することで、負極集電体11と負極側電流取出層10との間で密着性を向上させることが可能となる。また、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16の双方に小孔96を形成しておくことにより、負極集電体11と負極側電流取出層10との間の密着性及び正極集電体15と正極側電流取出層16との間の密着性の両方を確実に向上させることができる。
負極側電流供給層10、正極側電流取出層16に適用される、小孔96が形成される材料としては、カーボンファイバー等からなる不織布を適用する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものでは無く、導電性を有し小孔96が形成されるいかなる材料で構成されていてもよい。
負極側電流供給層10及び/又は正極側電流取出層16に形成される小孔96は、例えば、平面視で円形状、楕円形状、又は、スリット状、のいずれかである。小孔96を楕円形状に形成する場合には、当該楕円形状の短軸の寸法を0.2mm~2mmとすることが好ましい。小孔96を円形状に形成する場合には、当該円形状の半径の寸法を0.2mm~2mmとすることが好ましい。
小孔96の楕円形状の短軸の寸法又は円形状の半径の寸法が0.2mm未満であると、負極集電体11と負極側電流取出層10との間、及び/又は正極集電体15と正極側電流取出層16との間に生じた気泡81の空気が抜けきらず、気泡81を十分に除去することができない可能性がある。また、小孔96の楕円形状の短軸の寸法又は円形状の半径の寸法が2mm超であると、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内で電流が流れ難い部位が生じる可能性がある。小孔96の楕円形状の短軸の寸法又は円形状の半径の寸法を0.2mm~2mmとすることにより、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の全面に亘って電流を均一に流すことができると共に、負極集電体11と負極側電流取出層10との間、及び/又は正極集電体15と正極側電流取出層16との間に生じた気泡81を確実に除去することが可能となる。
また、小孔96をスリット状に形成する場合には、負極集電体11と負極側電流取出層10との間、及び/又は正極集電体15と正極側電流取出層16との間に生じた気泡81を確実に除去できる程度に、スリットを比較的長く形成することが好ましい。
また、複数の小孔96は、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内における周縁部よりも中央部に相対的に多く形成されることが好ましい。複数の小孔96は、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内に規則的に均一に配置形成するようにしてもよい。しかしながら、当該面内では特に中央部について気泡81の除去が困難である傾向があるため、面内における周縁部よりも中央部に相対的に多く小孔96を形成することにより、面内全域に亘ってより確実に気泡81を除去することができる。なお、上記の傾向は、負極側電流取出層10及び正極側電流取出層16の材料として、カーボンファイバー等からなる不織布を適用した場合に顕著となることから、この場合には小孔96を面内における周縁部よりも中央部に相対的に多く形成することが特に望ましい。
上述のように、二次電池モジュールでは、所期の減圧下で製造しても、負極側電流取出層及び/又は正極側電流取出層の面内において気泡の除去が困難となる。例えば上述のように、面内における周縁部よりも中央部において気泡の除去が難しい。このような傾向は電池セルのサイズが大きくなるほど認められ、特に電池セルのサイズが20cm×20cm以上である場合や平面状で短軸の長さが20cm以上である場合に顕著となる。本実施形態では、当該サイズの電池セル20に本発明を適用し、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内に小孔96を形成し、更には上述のように孔96の形状や配置状態を工夫することにより、製造時に大きなサイズの負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内に気泡81が生じた場合にも、面内の全域に亘って確実に気泡81を除去することができる。
なお、上述した実施の形態においては、放電時において負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16における抵抗を均一化することで局所的な電流の集中を抑制できる点について説明をしたが、充電時においても同様である。充電時には、電流の向きが全て逆になるだけであり、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16における抵抗を均一化するメカニズムは放電時と同様である。このため本発明は、放電時のみならず充電時においても、局所的な電流の集中を抑制でき、電池の寿命を更に伸ばすことが可能となる。
図7は、複数の電池セル20間で負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16を共用する例を示している。この例では、一枚の負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16の間に複数の電池セル20が配置されている。各電池セル20において負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16は共通の一枚のものを利用する。この図7の例においても同様のメカニズムに基づき、各電池セル20において局所的な電流の集中を抑えることができる。
なお、図5に示すような組電池50を構成する場合も同様に負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16における抵抗を均一化することで局所的な電流の集中を抑制できる。
なお、正極集電体15と正極側電流取出層16との間、及び/又は負極集電体11と負極側電流供給層10との間には、図示しないPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタが介装されていてもよい。このPTCサーミスタは、有機ポリマーに導電粉を分散させた材料等で構成してもよい。
PTCサーミスタは、抵抗値が室温からキュリー温度までは通常ほぼ一定であるが、キュリー温度を超えると急激に増大する。本発明では、この特性を利用し、温度上昇に伴いPTCサーミスタの抵抗を急激に増大させることで、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16の抵抗の均一化を図り、局所的な電流の集中を抑制できる。
また、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16について、電流が集中しやすい部分、或いは電流が分散しやすい部分が既知であれば、その部分についていわゆる傾斜機能材料(FGM:Functionally Graded Material)を適用するようにしてもよい。この傾斜機能材料を通じて材料内において抵抗値を連続的に又は段階的に変化させる。この傾斜機能材料を通じて材料設計を行うことで、電流が集中しやすい部分について電流がより分散するように、また電流が分散しやすい部分には電流をより集中させる機能を、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16内において持たせることができる。
第2実施形態
本発明では、上述した第1実施形態の構成に加え、以下に説明する第2実施形態の構成が盛り込まれていてもよい。以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用した二次電池モジュール1について、負極側電流供給層10には、図8、9に示すように、電流が供給される負極整流部5が幅手方向yに延設されている。二次電池モジュール1の電池セル20の部分を点線で表示した図10に示すように、この負極整流部5は、棒状で構成されており、その棒状の延長方向がほぼ幅手方向yとなるように延設されている。この棒状の負極整流部5が設けられることで、負極集電体11の下方において負極側電流供給層10の下面から下側に向けて負極整流部5が凸状に形成されている形態となる。負極整流部5は、幅手方向yに対して垂直な長手方向xのいずれか一方の端部に設けられていることが前提となるが、これに限定されるものではない。また、負極整流部5は、幅手方向yの一端側から他端側に至るまで延設されているが、これに限定されるものではなく、幅手方向yの一端側及び/又は他端側に到達しない形態とされていてもよいことは勿論である。なお、負極整流部5には、放電時において、電気回路上から電流が供給される、換言すれば、放電時において電子を送るための導電体層からなる導電部7が接続される。
正極側電流取出層16には、電流が供給される正極整流部6が幅手方向y(図2中紙面奥行方向)に延設されている。図10に示すように、この正極整流部6は、棒状で構成されており、その棒状の延長方向がほぼ幅手方向yとなるように延設されている。この棒状の正極整流部6が設けられることで、正極集電体15の上方において正極側電流取出層16の上面から上側に向けて正極整流部6が凸状に形成されている形態となる。正極整流部6は、幅手方向yに対して垂直な長手方向xのいずれか一方の端部に設けられていることが前提となるが、これに限定されるものではない。また、正極整流部6は、幅手方向yの一端側から他端側に至るまで延設されているが、これに限定されるものではなく、幅手方向yの一端側及び/又は他端側に到達しない形態とされていてもよいことは勿論である。なお、正極整流部6には、放電時において電気回路上へ電流を供給するための導電体層からなる導電部8が接続される。
なお、上述した実施の形態においては、正極整流部6は、長手方向xの一端側に設けられ、負極整流部5は、その反対側である長手方向xの他端側に設けられている場合を例示したものである。即ち、図9に示すような断面視で、正極整流部6と負極整流部5とが対角状に配置されている場合を例示したものであるが、これに限定されるものではない。また負極整流部5、正極整流部6は、必ずしも双方が実装されている場合に限定されるものではなく、負極整流部5、正極整流部6の何れか一方が配設されるものであればよい。
負極整流部5及び正極整流部6を構成する材料は、負極集電体11及び正極集電体15と同様に銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。このとき、負極整流部5及び正極整流部6は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体で構成されるものであってもよく、樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては、例えば、導電性高分子や、マトリックス樹脂に対して必要に応じて導電性フィラーからなる導電剤を添加したものを用いるようにしてもよい。
このとき、負極整流部5は、負極側電流供給層10よりも低抵抗となるように構成され、また正極整流部6は、正極側電流取出層16よりも低抵抗となるように構成されている。負極整流部5における負極側電流供給層10に対する相対的な抵抗の調整、及び正極整流部6における正極側電流取出層16に対する相対的な抵抗の調整は、最適な材料の選択を通じて実現するようにしてもよい。
例えば負極側電流供給層10に使用される材料が金属材料である場合には、負極整流部5を構成する材料は、その負極側電流供給層10に使用される金属材料の抵抗値よりも低い物性からなる材料を選択するようにしてもよい。同様に正極側電流取出層16に使用される材料が金属材料である場合には、正極整流部6を構成する材料は、その正極側電流取出層16に使用される金属材料の抵抗値よりも低い物性からなる材料を選択するようにしてもよい。
また負極整流部5及び負極側電流供給層10に使用される材料が導電性高分子材料からなる樹脂集電体である場合には、負極整流部5を構成する材料は、その負極側電流供給層10よりも低抵抗となるように、樹脂集電体に添加される導電性フィラーの材料が選択され、或いは導電性フィラーの添加量が調整されてなるものであってもよい。同様に正極整流部6及び正極側電流取出層16に使用される材料が導電性高分子材料からなる樹脂集電体である場合には、正極整流部6を構成する材料は、その正極側電流取出層16よりも低抵抗となるように、樹脂集電体に添加される導電性フィラーの材料が選択され、或いは導電性フィラーの添加量が調整されてなるものであってもよい。
なお、負極整流部5及び正極整流部6の抵抗の調整は、上述した材料の選択による方法以外に、断面積や長さなど、抵抗値に影響を及ぼす形状を予め調整することにより実現するようにしてもよい。例えば、図9に示す正極整流部6は、正極側電流取出層16よりもその断面積がより大きくなるように形成しておくことにより、抵抗値が正極側電流取出層16よりも相対的に低くなるように調整している。
次に、本発明を適用した二次電池モジュール1の動作について説明をする。図11は、二次電池モジュール1を単電池で構成した場合における電流P~Sの流れる経路を示すものであり、換言すれば電子が移動する経路を示すものである。
放電時において二次電池モジュール図示しない外部の負荷を正極3と負極2との間に接続した場合には、負極活物質層12から負極集電体11へと到達した電子は、この負極集電体11に接触する負極側電流供給層10上を負極整流部5に向けて伝搬する。そして、電子は、外部の負荷を通過して正極3における正極整流部6へと到達し、そこから正極側電流取出層16上を伝搬することとなる。このとき、負極側電流供給層10上を負極整流部5に向けて伝搬しようとする電子は、極力最短距離で移動しようとすることは自明であることから、負極側電流供給層10上における電子の伝搬経路は、長手方向xと平行方向で、かつ直線状の移動経路を取るのが自然である。同様に、正極整流部6から正極側電流取出層16上を伝搬しようとする電子は、極力最短距離で移動しようとすることは自明であることから、正極側電流取出層16上における電子の伝搬経路は、長手方向xと平行方向で、かつ直線状の移動経路を取るのが自然である。換言すれば、この電子の伝搬経路は、電流の流れる経路と考えることができる。そして、この電流の流れる経路は、正極側電流取出層16上において、長手方向xと平行方向で、かつ直線状となり、負極側電流供給層10上においても同様に長手方向xと平行方向で、かつ直線状となるのが自然となる。
これに加えて、放電時には、負極活物質41内に吸蔵されたリチウムイオンが正極活物質42へ向けて移動することになる。このリチウムイオンは、正極活物質42に向けて極力最短距離で移動しようとすることは自明であることから、その移動経路は長手方向xに対して垂直方向となる、厚み方向zと平行方向で、かつ直線状となる。
このような電流の流れとリチウムイオンの移動経路の前提の下で、正極側電流取出層16には、正極整流部6が幅手方向yに延設されている。これにより、図11に示すように負極整流部5における様々な電流P~Sが流れてくるが、これらは何れも正極側電流取出層16を長手方向xと平行方向で、かつ直線状に直進することで、正極整流部6により取り込まれることになる。正極整流部6が幅手方向yに向けて延長されていない場合には、全ての電流P~Sの正極側電流取出層16上の流れる経路が直線状にならず、斜め方向になる結果、電流の伝搬経路が長くなってしまう。これに対して、本発明によれば幅手方向yに向けて延長された正極整流部6が長手方向の一端側に配設されていることから、幅手方向yにおける各箇所から流れてくる電流P~Sは、そのまま長手方向xに向けて自然に直進することで正極整流部6に到達することとなる。その結果、電流P~Sは、正極側電流取出層16上を流れる経路が斜め方向になることはなく、長手方向xに向けて直進することで、最短経路で正極整流部6に取り出されることとなる。特に正極整流部6を、正極側電流取出層16よりも低抵抗に構成しておくことにより、正極側電流取出層16上を流れる電流は正極整流部6に向けてスムーズに流れることとなる。
その結果、図11に示すように、全ての電流P~Sの流れる経路とリチウムイオンの動きは、負極整流部5から負極側電流供給層10内を長手方向xと平行方向で、かつ直線状に電流P~Sが流れ、そこからリチウムイオンが負極2から正極3に向けて厚み方向zと平行方向で、かつ直線状に移動し、更に正極側電流取出層16内を正極整流部6へ向けて長手方向xと平行方向で、かつ直線状に電流P~Sが流れることとなる。そして、負極側電流供給層10内における電流P~Sの流れる経路とリチウムイオンの移動方向、及びリチウムイオンの移動方向と正極側電流取出層16内における電流P~Sの流れる経路は互いに略垂直となる。
即ち、本発明によれば、正極整流部6が幅手方向yに向けて延設されていることにより、全ての電流P~Sの流れる負極整流部5から正極整流部6までの経路が最短距離となる。その結果、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16における電流P~Sの流れる経路が短くなることで抵抗を下げることができる。これに加えて、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16を流れる電流P~Sの経路が何れも長手方向xに対して平行であり、伝搬距離が等しくなることから、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16内における抵抗の均一化を図ることができる。その結果、本発明によれば、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上に局所的な抵抗分布を発生させることなく、電流を均一に流すことができる。このため、電流が局所的に多く流れる部位が生じることが無くなり、当該部位において局所的に温度が上昇することも無くなり、局所的な抵抗の低下が生じることなく、局所的に大きな電流が流れやすくなる悪循環に陥るのを抑えることができる。このように、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上において局所的に大きな電流が流れることなく、電流分布の均一化を図ることができることから、電池セル20自体の劣化を抑えることができ、ひいては電池セル20の高寿命化を実現できる。
負極整流部5は、本発明において必須の構成要素ではないが、幅手方向yに向けて延設されていることにより、電流を幅手方向yに分散させた上で負極側電流供給層10上を伝搬させることができる。このため、幅手方向yに向けて延設させた正極整流部6を有する本発明において、この負極整流部5も幅手方向yに向けて延設させることで、各電流の経路を長手方向xに対して平行に流すことができ、電流分布の均一化を図る上でより好適となる。
このとき、正極整流部6、負極整流部5ともに幅手方向yの一端側から他端側に至るまでそれぞれ延設されていてもよい。これにより、負極整流部5側において電流を幅手方向yの全長に亘り分散させることができ、この分散させた電流を長手方向xに対して平行に直進させて、これらを全て正極整流部6において取り出すことが可能となる。その結果、電流をより分散させることで抵抗値を下げることで、局所的な電流の集中をより抑えることができる。なお、正極整流部6、負極整流部5ともに幅手方向yの一端側から他端側に至るまでそれぞれ延設させることは必須ではなく、正極整流部6、負極整流部5の何れか一方が幅手方向yの一端側から他端側に至るまで延設されるものであってもよい。また正極整流部6、負極整流部5の双方が幅手方向yの一端側及び他端側に至らないものであってもよいことは勿論である。
また正極整流部6は、長手方向xの一端側に設けられ、負極整流部5は、長手方向xの他端側に設けられていることで、平板状の電池セル20のすべての領域における正極3、負極2を有効に活用し、放電を行うことが可能となる。
図12は、本発明を適用した他の実施の形態に係る二次電池モジュール1´を示している。二次電池モジュール1´において、上述した二次電池モジュール1と同一の構成要素、部材については、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
二次電池モジュール1´は、上述した電池セル20を有する点は、二次電池モジュール1と同様である。但し、この二次電池モジュール1´では、正極整流部6、負極整流部5が長手方向xに延設されている。正極整流部6には、電気回路上へ電流を供給するための導電部8が接続され、負極整流部5には、導電部7が接続される。
このような二次電池モジュール1´では、放電時において二次電池モジュール図示しない外部の負荷を正極3と負極2との間に接続した場合には、電流の流れる経路は、正極側電流取出層16上において、幅手方向yと平行方向で、かつ直線状となり、負極側電流供給層10上においても同様に幅手方向yと平行方向で、かつ直線状となるのが自然となる。また負極活物質41内に吸蔵されたリチウムイオンが正極活物質42へ向けて移動することになる。このリチウムイオンは、正極活物質42に向けて極力最短距離で移動しようとすることは自明であることから、厚み方向zと平行方向で、かつ直線状となる。
このような電流の流れとリチウムイオンの移動経路の前提の下で、正極側電流取出層16には、正極整流部6が長手方向xに延設されている。これにより、図12に示すように負極整流部5における様々な電流T~Vが流れてくるが、これらは何れも正極側電流取出層16を幅手方向yと平行方向で、かつ直線状に直進することで、正極整流部6により取り込まれることになる。即ち、長手方向xにおける各箇所から流れてくる電流T~Vは、そのまま幅手方向yに向けて自然に直進することで正極整流部6に到達することとなる。その結果、電流T~Vは、正極側電流取出層16上を流れる経路が斜め方向になることはなく、幅手方向yに向けて直進することで、最短経路で正極整流部6に取り出されることとなる。
即ち、本発明によれば、正極整流部6が長手方向xに向けて延設されていることにより、全ての電流T~Vの流れる負極整流部5から正極整流部6までの経路が最短距離となる。その結果、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16における電流T~Vの流れる経路が短くなり、しかも伝搬距離が等しくなることで、抵抗を下げつつその均一化を図ることができる。これにより、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上に局所的な抵抗分布を発生させることなく、電流を均一に流すことができ、局所的に温度が上昇することも無くなり、局所的な抵抗の低下が生じることなく、局所的に大きな電流が流れやすくなる悪循環に陥るのを抑えることができる。
更にこの二次電池モジュール1´によれば、正極整流部6、負極整流部5が長手方向xに延設されていることで、電流の流れる方向は、幅手方向yとなる。この幅手方向yは、長手方向xと比較して短いことから、電流の流れる距離を短くすることができる。電流の流れる距離が短くなるにつれて抵抗が低くなることから、抵抗を下げつつその均一化を図る効果をより大きくすることが可能となる。このため、この二次電池モジュール1´によれば、電池セル20自体の劣化をより抑えることができ、ひいては電池セル20の高寿命化をより好適に実現することができる。
二次電池モジュール1´においても同様に正極整流部6、負極整流部5のいずれか一方又は双方が長手方向yの一端側から他端側に至るまでそれぞれ延設されていてもよい。これにより、負極整流部5側において電流を長手方向xの全長に亘り分散させることができ、この分散させた電流を幅手方向yに対して平行に直進させて、これらを全て正極整流部6において取り出すことが可能となる。その結果、電流をより分散させることで抵抗値を下げることで、局所的な電流の集中をより抑えることができる。また正極整流部6は、幅手方向yの一端側に設けられ、負極整流部5は、幅手方向yの他端側に設けられていることで、平板状の電池セル20のすべての領域における正極3、負極2を有効に活用し、放電を行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、放電時において負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16における抵抗を均一化することで局所的な電流の集中を抑制できる点について説明をしたが、充電時においても同様である。充電時には、電流の向きが全て逆になるだけであり、負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16における抵抗を均一化するメカニズムは放電時と同様である。このため本発明は、放電時のみならず充電時においても、局所的な電流の集中を抑制でき、電池の寿命を更に伸ばすことが可能となる。
このようにして、第1実施形態の構成に加え、第2実施形態の構成が付加されることにより、上述した奏し得る効果が大きくなることは勿論である。具体例として、本実施形態において、第1実施形態と同様に、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16に小孔96を形成するようにしてもよい。これにより、放電時及び充電時において局所的な電流の集中を抑制でき、電池の寿命を更に伸ばすことが可能となると共に、製造時において、正極集電体15と正極側電流取出層16との間に気泡81が形成される場合には、減圧環境下におくことで気泡81の空気が小孔96を通過し、外部に放出されることで、気泡81を除去することが可能となる。
第3実施形態
本発明では、上述した第1実施形態の構成に加え、以下に説明する第3実施形態の構成が盛り込まれていてもよい。第3実施形態において、上述した第1実施形態、第2実施形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
第3実施形態では、図13に示すように、正極側電流取出層16中において、換言すれば正極集電体15の上面において、導電体としての複数の電流取出部36、正極導電線22、正極合流部26が実装されている。
図14は、この正極側電流取出層16を上面から視認した平面図である。正極側電流取出層16中には、換言すれば正極集電体15の上面には導電体としての複数の電流取出部36a~36dが接続されている。電流取出部36a~36dは、正極集電体15に電気的に接続されている。また正極側電流取出層16は、各電流取出部36a~36dから正極合流部26までを電気的に接続するための複数本の正極導電線22a~22dを備えている。正極導電線22a~22dにおける電流取出部36a~36dから正極合流部26に至るまでの長さは、互いに略同一である。ここでいう略同一とは、完全に長さが同一である場合に限定されるものではなく、全長で約20%程度の差があってもよい。正極側電流取出層16は、その上面が互いに略均等な複数の領域32a~32dに分割されている。ここでいう略均等とは、領域32a~32dの形状が完全に対称で、かつ同一面積で構成されている場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものでは無く、領域32a~32dの形状が完全な対象からややずれており、しかも領域32a~32d間の面積において誤差が生じていてもよい。
この領域32a~32dは、物理的に明確に区切られた領域で構成されている必要はなく、物理的な区切りの無い、見かけ以上区切られた領域であってもよい。ここでいう見かけ上の区切りとは、設計上割り当てた単なる区切り、即ち設計図面上では領域として区切られたものであるものの、実際には全体として何ら区切りの無い一つの正極側電流取出層16として構成されているものであってもよい。また、この領域32a~32dは、物理的に明確に区切られた領域で構成されていてもよい。かかる場合には、正極側電流取出層16は、互いに独立した領域32a~32dとなるように絶縁体等により隔てられて構成されている。正極側電流取出層16を複数の領域32a~32bに物理的に分割する場合、正極側電流取出層16のみならず、電池セル20を構成する負極集電体11、負極活物質層12、セパレータ13、正極活物質層14も同様に絶縁体等を介して隔てられるものであってもよい。
図14の例において領域32a~32dは、平面視で正方形状の正極側電流取出層16を均等に4分割した形状で構成されており、ちょうど平面視で正方形状となる。但し、この領域32a~32dは、このような形状で構成されている場合に限定されるものではなく、仮に正極側電流取出層16が平面視で長方形状とされているのであれば、これを4分割した長方形状で構成されていてもよい。
また図14の例では、正極側電流取出層16を領域32a~32dへと4分割する場合を例に挙げて説明をしたが、これに限定されるものではなく、複数であればいかなる数に分割されて構成されるものであってもよい。かかる場合においても、各領域32は、互いに均等となるように構成されていることが前提となるが、ここでいう均等とは、形状の面における均等を意味するものに加え、面積が均等であると解されるものであってもよい。また各領域は完全なる均等の関係である場合に限定されるものではなく、ほぼ均等(略均等)であればよい。
電流取出部36a~36dは、上述した領域32a~32dの略中心に設けられている。また、正極合流部26は、各領域32a~32bからなる正極集電体15の中心にあり、各領域32a~32bの境界が互いに一点で交差する合流点に設けられている。図14の例では、領域32a~32dの略中心に設けられた電流取出部36a~36dからこの正極合流部26に向けて正極導電線22a~22dが直線状に伸びている。即ち、正極導電線22a~22dは、互いに均等に設けられている領域32a~32dの略中心に設けられた電流取出部36a~36dから正極合流部26に向けて直線状に延長されていることから、幾何的に長さが互いに同一になることは自明である。このようにして、正極導電線22a~22dの長さは互いに同一となるように設計されるが、必ずしも完全に同一である必要はなく、正極導電線22a~22d間において多少の長さのずれがあっても許容される。正極合流部26からは、放電時において電気回路上へ電流を供給するための導電体層からなる導電部8が接続される。
なお、正極合流部26は、各領域32a~32bからなる正極集電体15の中心に形成される点は、必須ではなく、例えば図15に示すように正極集電体15の中心以外に形成されるものであってもよい。かかる場合においても、各正極導電線22a~22dは、電流取出部36a~36dから正極合流部26までの長さが互いに略同一となるように、図15に示すように長さ調整がなされることとなる。
なお、本発明においては、電流取出部36a~36d、正極導電線22a~22d、正極合流部26からなる配線は必須ではなく、少なくとも電流取出部36が設けられた配線で構成されていればよい。このとき、この電流取出部36は、正極側電流取出層16を上端から下端に至るまで貫通する構成とすることにより、正極側電流取出層16の上部に別の回路を接続する場合において利便性を高くすることが可能となる。
負極側電流供給層10は、図16に示すように負極集電体11の下面に形成されてなり、絶縁体で構成されている。負極側電流供給層10中には、換言すれば負極集電体11の下面には導電体としての複数の電流供給部35a~35dが接続されている。電流供給部35a~35dは、負極集電体11に対して電気的に接続されている。
負極側電流供給層10は、各電流供給部35a~35dから負極合流部25までを電気的に接続するための複数本の負極導電線21a~21dを備えている。負極導電線21a~21dにおける電流供給部35a~35dから負極合流部25に至るまでの長さは、互いに略同一である。負極側電流供給層10も正極側電流取出層16と同様にその下面が互いに略均等な複数の領域31a~31dに分割されている。この領域31a~31dの詳細は、上述した領域32a~32dと同様である。
電流供給部35a~35dは、上述した領域31a~31dの略中心に設けられている。また、負極合流部25は、各領域31a~31dからなる負極側電流供給層10の中心にあり、各領域31a~31dの境界が互いに一点で交差する合流点に設けられている。即ち、負極導電線21a~21dは、互いに均等に設けられている領域31a~31dの略中心に設けられた電流供給部35a~35dから負極合流部25に向けて直線状に延長されていることから、幾何的に長さが互いに同一になることは自明である。このようにして、負極導電線21a~21dの長さは互いに同一となるように設計されるが、必ずしも完全に同一である必要はなく、負極導電線21a~21d間において多少の長さのずれがあっても許容される。負極合流部25には、放電時において電気回路上から電流が供給される導電体層からなる導電部7が接続される。
なお、負極合流部25は、各領域31a~31dからなる負極側電流供給層10の中心に形成される点は、必須ではなく、負極側電流供給層10の中心以外に形成されるものであってもよい。かかる場合においても、各負極導電線21a~21dは、電流供給部35a~35dから負極合流部25までの長さが互いに略同一となるように調整される必要がある点は勿論である。
なお、本発明においては、電流供給部35a~35d、負極導電線21a~21d、負極合流部25からなる配線は必須ではなく、少なくとも電流供給部35が設けられた配線で構成されていればよい。このとき、この電流供給部35は、負極側電流供給層10を上端から下端に至るまで貫通する構成とすることにより、負極側電流供給層10の下部に別の回路を接続する場合において利便性を高くすることが可能となる。
次に、第3実施形態の動作について説明をする。
放電時において二次電池モジュール1を図示しない外部の負荷を正極3と負極2との間に接続した場合には、正極側電流取出層16における各領域32a~32dにおける電流は、それぞれの領域32の中心に設けられた電流取出部36により取り出される。即ち、各領域32a~32d毎に電流が分散して電流取出部36に取り出され、取り出された電流は分散して正極導電線22を流れて正極合流部26へと送られる。同様に負極合流部25へ流れ込んだ電流は分散して各負極導電線21へ分岐し、電流供給部35に到達する。
負極においても同様に、外部回路からの電流は、負極合流部25へ流れ込み、ここから各負極導電線21において分散されて電流供給部35に到達する。電流供給部35は、領域31a~31d毎に設けられていることから当該領域31a~31dに電流を流すことができる。その結果、負極集電体11を流れる電流が一極集中することなく、分散させることができる。
その結果、負極集電体11へ供給する電流、正極集電体15から取り出す電流が負極側電流供給層10及び正極側電流取出層16において一極集中することなく、分散させることができる。その結果、各負極導電線21、各正極導電線22を流れる電流を下げることができ、抵抗を下げることができる。これに加えて、各負極導電線21、各正極導電線22を介して負極側電流供給層10、正極側電流取出層16を流れる電流の経路が何れも伝搬距離が等しくなることから、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16内における抵抗の均一化を図ることができる。その結果、本発明によれば、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上に局所的な抵抗分布を発生させることなく、電流を均一に流すことができる。このため、電流が局所的に多く流れる部位が生じることが無くなり、当該部位において局所的に温度が上昇することも無くなり、局所的な抵抗の低下が生じることなく、局所的に大きな電流が流れやすくなる悪循環に陥るのを抑えることができる。このように、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上において局所的に大きな電流が流れることなく、電流分布の均一化を図ることができることから、電池セル20自体の劣化を抑えることができ、ひいては電池セル20の高寿命化を実現できる。
このように、本発明は、正極側において、各電流取出部36から正極合流部26までを電気的に接続するための複数本の正極導電線22を備えており、その正極導電線22の長さは、互いに略同一とされている。特に、正極側電流取出層16において互いに略均等となる位置に電流取出部36が設けられている。これにより、正極側電流取出層16において取り出されるべき電流を、複数の電流取出部36間でより均等に取り出すことができ、これを複数本の正極導電線22に分散させて流すことができ、電流が局所的に多く流れる部位が生じることが無くなる。このとき、正極側電流取出層16が互いに略均等な複数の領域32に分割され、各電流取出部36は、各領域32の略中心に設けられていることで、正極側電流取出層16において取り出されるべき電流を、複数の電流取出部36間で更に均等に取り出すことが可能となる。
同様に、負極側において、各電流供給部35から負極合流部25までを電気的に接続するための複数本の負極導電線21を備えており、その負極導電線21の長さは、互いに略同一とされている。特に、負極側電流供給層10において互いに略均等となる位置に電流供給部35が設けられている。これにより、負極集電体11に対して供給されるべき電流を、複数の電流供給部35間でより均等に供給することができ、この電流供給部35に対しては複数本の負極導電線21に分散させて流すことができ、電流が局所的に多く流れる部位が生じることが無くなる。このとき、負極側電流供給層10が互いに略均等な複数の領域31に分割され、各電流供給部35は、各領域31の略中心に設けられていることで、負極集電体11に対して供給されるべき電流を、複数の電流供給部35間で更に均等に供給することが可能となる。
正極側電流取出層16と、この正極側電流取出層16に含まれる電流取出部6、正極導電線22、正極合流部26とは、いわゆるプリント基板のように機能が分類されていてもよい。つまり、正極側電流取出層16は、プリント基板における絶縁体で構成され、電流取出部6、正極導電線22、正極合流部26は、プリント基板における配線として構成されるものであってもよい。
負極側電流供給層10と、この負極側電流供給層10に含まれる電流供給部5、負極導電線21、負極合流部25とは、いわゆるプリント基板のように機能が分類されていてもよい。つまり、負極側電流供給層10は、プリント基板における絶縁体で構成され、電流供給部5、負極導電線21、負極合流部25は、プリント基板における配線として構成されるものであってもよい。
正極側電流取出層16及び負極側電流供給層10は、プリント基板における絶縁体で構成する場合、その材質としては、紙基材にフェノール樹脂を含侵させた材料、紙基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料、ガラス布(ガラス繊維)を布状に編んだガラス織布)にエポキシ樹脂を含侵させた材料、紙基材にポリイミド樹脂を含侵させた材料、ガラス布基材にフッ素樹脂を含浸させた材料、ガラス布基材にPPO(Poly Phenylene Oxide)樹脂を含浸させた材料で構成してもよいし、アルミニウムのような金属をベースにした基板、或いはガラスセラミックをベースにした基板で構成してもよい。
このようなプリント基板のような機能分類がなされていることにより、他の図示しない回路やプリント基板に対して直接接続する場合において、その接触抵抗低減を図ることが可能となる。また、実際に硬質のプリント基板で正極側電流取出層16及び負極側電流供給層10を構成することにより、電流供給部5、負極導電線21、負極合流部25や電流供給部5、負極導電線21、負極合流部25からなる配線を施す上でその作業の容易性を向上させることができる。その結果、上述した配線を施す上で利便性を高くすることができる。
このようにして、第1実施形態の構成に加え、第3実施形態の構成が付加されることにより、上述した奏し得る効果が大きくなることは勿論である。具体例として、本実施形態において、第1実施形態と同様に、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16に小孔96を形成するようにしてもよい。この場合、各小孔96は、負極側電流取出層10及び/又は正極側電流取出層16の面内における電流取出部36、正極導電線22、及び正極合流部26の非形成部位に形成されることになる、これにより、負極側電流供給層10、正極側電流取出層16上において局所的に大きな電流が流れることなく、電流分布の均一化を図ることができることから、電池セル20自体の劣化を抑えることができ、ひいては電池セル20の高寿命化を実現できると共に、製造時において、正極集電体15と正極側電流取出層16との間に気泡81が形成される場合には、減圧環境下におくことで気泡81の空気が小孔96を通過し、外部に放出されることで、気泡81を除去することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る二次電池モジュールは、負極集電体、負極活物質層、セパレータ又は固体電解質、正極活物質層及び正極集電体を有する蓄電要素を複数積層されてなる積層電池を備えた二次電池モジュールであって、前記積層電池における最外層の少なくとも一面には、電流取出層が接しており、前記電流取出層には、上下に貫通する小孔が形成されている。
上記一実施形態では、前記小孔は、平面視で、円形状、楕円形状、又は、スリット状、のいずれかである。
上記一実施形態では、前記小孔が楕円形状の場合は、当該楕円形状の短軸の寸法が0.2mm~2mmであり、前記小孔が円形状の場合は、当該円形状の半径の寸法が0.2mm~2mmである。
上記一実施形態では、前記小孔は、前記電流取出層に複数形成され、前記電流取出層の周縁部よりも前記電流取出層の中央部に相対的に多く形成されている。
上記一実施形態では、記電流取出層は、正極側電流取出層及び負極側電流供給層を備え、前記正極側電流取出層及び前記負極側電流供給層は、弾性変形可能な弾性材で構成されている。
上記一実施形態では、前記電流取出層は、不織布で構成されている。
上記一実施形態では、前記正極集電体と正極側電流取出層との間には、PTCサーミスタが介装されている。
上記一実施形態では、上記負極集電体と負極側電流供給層との間には、PTCサーミスタが介装されている。
上記一実施形態では、前記正極側電流取出層は、複数の電流取出部と、前記各電流取出部から正極合流部までを電気的に接続するための複数本の正極導電線とを備え、前記各正極導電線の長さは、互いに略同一である。
上記一実施形態では、上記正極集電体の上方には、放電時に電流を送出する正極整流部が幅手方向に延設されている。
1 二次電池モジュール
2 負極
3 正極
5 負極整流部
6 正極整流部
7 導電部
8 導電部
9 枠部材
10 負極側電流供給層
11 正極集電体
12 負極活物質層
13 セパレータ
14 正極活物質層
15 正極集電体
16 正極側電流取出層
20 電池セル
21 負極導電線
22 正極導電線
25 負極合流部
26 正極合流部
31、32 領域
35 電流供給部
36 電流取出部
41 負極活物質
42 正極活物質
43 電解液
46 固体電解質
50 組電池
81 気泡
96 小孔

Claims (9)

  1. 負極集電体、負極活物質層、セパレータ又は固体電解質、正極活物質層及び正極集電体を有する蓄電要素を複数積層されてなる積層電池を備えた二次電池モジュールであって、
    前記積層電池における最外層の少なくとも一面には、電流取出層が接しており、
    前記電流取出層には、上下に貫通する、前記積層電池内に発生した気泡を前記積層電池の外部に放出するための小孔が複数形成され、前記小孔は前記電流取出層の周縁部よりも前記電流取出層の中央部に相対的に多く形成されている、
    二次電池モジュール。
  2. 前記小孔は、平面視で、円形状、楕円形状、又は、スリット状、のいずれかである、
    請求項1に記載の二次電池モジュール。
  3. 前記小孔が楕円形状の場合は、当該楕円形状の短軸の寸法が0.2mm~2mmであり、
    前記小孔が円形状の場合は、当該円形状の半径の寸法が0.2mm~2mmである、
    請求項1又は2に記載の二次電池モジュール。
  4. 前記電流取出層は、正極側電流取出層及び負極側電流供給層を備え、
    前記正極側電流取出層及び前記負極側電流供給層は、弾性変形可能な弾性材で構成されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
  5. 前記電流取出層は、不織布で構成されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
  6. 前記電流取出層は、正極側電流取出層を備え、
    前記正極集電体と前記正極側電流取出層との間には、PTCサーミスタが介装されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
  7. 前記電流取出層は、負極側電流供給層を備え、
    前記負極集電体と前記負極側電流供給層との間には、PTCサーミスタが介装されている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
  8. 前記電流取出層は、正極側電流取出層を備え、
    前記正極側電流取出層は、複数の電流取出部と、前記各電流取出部から正極合流部までを電気的に接続するための複数本の正極導電線とを備え、前記各正極導電線の長さは、互いに略同一である、
    請求項又はに記載の二次電池モジュール。
  9. 記正極集電体の上方には、放電時に電流を送出する正極整流部が幅手方向に延設されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
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