JP7274913B2 - 微生物培養用液体培地及び液体培地を用いた微生物の培養方法 - Google Patents

微生物培養用液体培地及び液体培地を用いた微生物の培養方法 Download PDF

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Description

本発明は、微生物培養用液体培地及び液体培地を用いた微生物の培養方法に関する。
近年の遺伝子工学技術や培養技術の発展により、微生物に様々な有用物質を製造させることが可能となった。現在、医薬品原体や化合物中間体、産業用酵素等の有用物質の微生物を用いた生産が盛んに行われている。
微生物の培養方法には、液体培地(培養液)を用いる方法と固形培地(培養液に寒天等を加えて固化させた培地)を用いる方法が存在する。これらの方法はそれぞれの利点に基づいて使い分けられている。大量生産が必要な工業的分野においては、増殖速度が高く、工業的なスケールアップが容易であること等から、液体培地を用いた培養が盛んに行われている。
これまでに、培養効率を上げるための様々な検討がなされてきている。例えば、固形培地作製時に、リン酸塩と寒天を別々に高圧蒸気滅菌することで、培養効率が上昇することが示されており、過酸化水素の発生がリン酸塩と寒天を混合して高圧蒸気滅菌することを原因とすることが明らかにされている(例えば、非特許文献1参照)。
また、固形培地に関しては、有機物を分解し得る有機物資化性菌の固形培地上での培養による取得を容易にする目的で、寒天等と、分解されるべき有機物とを含む固形培地に過酸化水素分解力を有する酵素を含有させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の方法によれば、過酸化水素分解力を有する酵素を含まない固形培地上では、有機物を代謝し資化する過程で有機物資化性菌自体が副生する過酸化水素の影響により十分に生育し得ない有機物資化性菌を、過酸化水素分解力を有する酵素を含む固形培地を用いることによって、効率よく培養して取得し得る。
このように、固形培地については、リン酸塩と寒天の存在に起因して培地の作成中に生成する過酸化水素や、培養される微生物自身が産生する過酸化水素による微生物の生育阻害が課題として知られている。
一方で、液体培地を用いた培養では、少量の微生物を大容量の培地にいきなり接種すると生育効率が落ちることが多いため、少スケールの培地による前培養を行うことが定常的になされている。
通常、微生物の培養には、ペプトンやエキス類等を原料として製造された天然培地が用いられている。天然培地は様々な成分を含んでいることから、多くの微生物の栄養要求性に対応できる点で優れているが、多種の成分からなるため一定の品質で安定的に供給するのが難しく、培地間のバラつきが生じやすいという問題がある。
このようなバラつきを解消し、安定した培養を行うための一つの方法として、微生物の増殖に必要な各種栄養素の全てを化学合成物質とする合成培地の作製に関する検討が進められている(例えば、特許文献2参照)。合成培地では、成分についての培地間のバラつきがほぼないため、合成培地を用いることで安定した培養を行うことができる。
特開平8-275773号公報 特表平8-511952号公報
Tanaka et al.,Applied and Environmental Microbiology,2014;80(24):7659-7666
しかしながら、合成培地の製造においては、天然培地と同程度の力価を実現するための成分の組合せの設計が非常に困難という問題がある。したがって、高力価である天然培地が汎用されている。しかし、天然培地には、同一の組成、同一の方法で作製されているにもかかわらず、微生物の生育状況についての大きなバラつきがしばしば発生する問題がある。天然培地に関するこのような問題は、上述した液体培地を用いた前培養において、高い頻度で発生する傾向にある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ペプトン及びエキス類を含む天然液体培地であっても、合成培地と同様の安定的な培養が可能な微生物培養用液体培地と、当該液体培地を用いた微生物の培養方法とを提供することを目的とする。
本発明者らは、液体培地がリン酸塩と寒天を含むか含まないかによらず、ペプトン及びエキス類を含む天然液体培地中に存在する過酸化水素が、培養の安定性を損なう原因であることを見出した。また、過酸化水素濃度が所定の範囲内である培地や、液体培地中の過酸化水素濃度をそのような範囲にする工程を備える培養方法を用いることで、課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)ペプトン、エキス類、及び抗酸化物質を含む微生物を培養するための液体培地であって、前記微生物の植菌前における過酸化水素濃度が35μM以下であることを特徴とする液体培地。
(2)抗酸化物質が還元型グルタチオン又はカタラーゼである(1)に記載の液体培地。
(3)ペプトン及びエキス類を含む液体培地中で微生物を培養する微生物の培養方法であって、微生物の植菌前に、液体培地中の過酸化水素濃度を35μM以下に低下させる工程を備えることを特徴とする微生物の培養方法。
(4)過酸化水素濃度を低下させる工程が抗酸化物質を添加する工程である、(3)に記載の微生物の培養方法。
(5)抗酸化物質が還元型グルタチオン又はカタラーゼである、(3)又は(4)に記載の微生物の培養方法。
(6)微生物が原核生物である、(3)~(5)のいずれか一つに記載の微生物の培養方法。
(7)原核生物がBrevibacillus属に属する細菌である、(6)に記載の微生物の培養方法。
(8)微生物が真核生物である、(3)~(5)のいずれか一つに記載の微生物の培養方法。
(9)真核生物が、Komagataella属に属する酵母である(8)に記載の微生物の培養方法。
(10)(3)~(9)のいずれか一つに記載の微生物の培養方法により培養された微生物により、組換えタンパク質を産生させることを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
本発明によれば、ペプトン及びエキス類を含む天然液体培地であっても、合成培地と同様の安定的な培養が可能な微生物培養用液体培地と、当該液体培地を用いた微生物の培養方法とを提供することができる。
実施例1、及び試験例1~3における液体培地のOD600の推移を表すグラフである。 参考例1における液体培地のOD600の推移を表すグラフである。 実施例2、及び試験例4~8における液体培地のOD600の推移を表すグラフである。 参考例2における液体培地のOD600の推移を表すグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<微生物培養用液体培地>
微生物培養用液体培地は、ペプトン、エキス類、及び抗酸化物質を含む。以下、微生物培養用液体培地について、単に「液体培地」とも記す。微生物の植菌前における液体培地の過酸化水素濃度は35μM以下である。植菌前における培地中の過酸化水素濃度が上記の範囲内であることにより、安定的に微生物の培養を行うことができる。
(ペプトン)
ペプトンとは、タンパク質を人工的に処理して得られる部分的な加水分解物である。ペプトンは、微生物の培養等で窒素源として一般的に用いられる成分である。
ペプトンとしては、通常微生物培養用の培地の作製において用いられるペプトンであれば特に限定されない。ペプトンの具体例として、カゼインペプトン、獣肉ペプトン、心筋ペプトン、ゼラチンペプトン、大豆ペプトン等が挙げられる。これらの内、汎用性の観点から、カゼインペプトン又は大豆ペプトンが好ましい。カゼインペプトンの市販品の例としては、ハイポリペプトン(日本製薬株式会社)が挙げられる。大豆ペプトンの市販品の例としては、ポリペプトンNS(日本製薬株式会社)が挙げられる。これらのペプトンは1種類のみ使用してもよいし、複数種類を混合して使用してもよい。
液体培地のペプトンの含量は特に限定されないが、生育速度の観点から、0.5%(w/v)~3.0%(w/v)の範囲が好ましく、1.0%(w/v)~2.0%(w/v)の範囲がより好ましい。
(エキス類)
エキス類とは、魚肉、畜肉、植物、酵母菌体等から抽出した成分である。エキス類は、主成分としてアミノ酸、核酸関連物質、ミネラル、ビタミン類等を含む。エキス類は微生物の培養等で一般的に用いられる成分である。
エキス類は、通常微生物培養用の培地の作製において用いられるエキス類であれば特に限定されない。エキス類の例として、肉エキス、酵母エキス、植物エキス、麦芽エキス等が挙げられる。これらの内、汎用性の観点から、肉エキス又は酵母エキスが好ましい。これらのエキス類は1種類のみ使用してもよいし、複数種類を混合して使用してもよい。
液体培地のエキス類の含量は特に限定されないが、生育速度の観点から、0.1%(w/v)~3.0%(w/v)の範囲が好ましく、0.5%(w/v)~2.0%(w/v)の範囲がより好ましい。
(培地の形態)
液体培地とは、寒天等で固化させず、液体の状態で培養に用いる培地のことをいう。
(その他の成分)
液体培地は、糖質を含んでいてもよい。糖質は通常微生物培養用の培地の作製において用いられる糖質であれば特に限定されない。糖質としては還元糖が好ましく、グルコースがより好ましい。液体培地に対する糖質の含量は特に限定されないが、生育速度の観点から、0.1%(w/v)~3.0%(w/v)の範囲が好ましく、0.5%(w/v)~2.0%(w/v)の範囲がより好ましい。
液体培地は、ペプトン及びエキス類以外の窒素源をさらに含んでいてもよい。窒素源としては、例えばアンモニア、尿素、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩や、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等が挙げられる。
液体培地は、さらに無機塩類やその他の有機栄養源を含んでいてもよい。無機塩類としては、リン酸塩、硫酸塩、塩化物塩等が挙げられる。また、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、鉄塩、コバルト塩、亜鉛塩等、その他微量金属塩等が挙げられる。リン酸塩としては、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。硫酸塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸亜鉛等が挙げられる。塩化物塩としては、塩化ナトリウム等が挙げられる。その他の有機栄養源としては、例えばグリシン、アラニン、セリン、スレオニン、プロリン等のアミノ酸、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンC等のビタミン等が挙げられる。
液体培地は、目的外の微生物の生育を抑える選択剤を含んでいてもよく、このような選択剤としては、例として抗生物質や合成抗菌剤等の抗生剤が挙げられる。
液体培地は、上述した成分以外であっても、微生物の生育や微生物による組換えタンパク質の産生等に好適ないずれの成分を含んでいてもよい。
(培地に関するその他の条件)
液体培地の溶媒は、特に限定されず、蒸留水、イオン交換水、精製水、水道水等を用いることができる。
液体培地のpH等のその他の条件は、微生物の生育や微生物による組換えタンパク質の産生等に適した条件であれば、特に限定されない。
このような液体培地の作製方法は特に限定されず、公知の方法に従って作製することができる。例えば、溶媒にペプトン、エキス類、及び必要に応じて他の成分を添加して混合撹拌することにより液体培地を作製できる。このような液体培地として、例えば、LB培地、NB培地、SCD培地等がよく知られており、これらの市販品を用いてもよい。
液体培地は、目的外の微生物の増殖を防ぐために、植菌前に滅菌されるのが望ましい。滅菌方法については特に限定されない。滅菌方法として、例えば、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ;例えば121℃、20分間の加熱滅菌)や濾過滅菌(例えば孔径0.45μm又は0.2μmのフィルターによる濾過滅菌)、火炎滅菌、流通蒸気消毒等が挙げられる。加熱滅菌の際に培地成分同士の反応が懸念される場合には、1種類以上の培地成分を、それ以外の培地成分とは別に滅菌し、各々を滅菌後に混合してもよい。
<液体培地中の過酸化水素濃度>
液体培地の微生物の植菌前における過酸化水素濃度は、35μM以下であれば特に限定されない。過酸化水素による微生物の増殖阻害をより防ぐ観点から、液体培地の微生物の植菌前における過酸化水素濃度は、14μM以下であることが好ましい。
液体培地の微生物の植菌前における過酸化水素濃度が上記所定の範囲内である液体培地を製造する方法は特に限定されない。例えば過酸化水素を分解する機能をもつ抗酸化物質の液体培地への添加や、過酸化水素を分解する機能をもつ触媒と接触させて分解する方法等が挙げられる。また、空気や窒素等の不活性気体を液体培地に吹き込むことによって、液体培地中の過酸化水素濃度を低下させることもできる。これらの内、液体培地の作製に簡便に適用できる観点から、液体培地に過酸化水素を分解する機能をもつ抗酸化物質を添加する方法が好ましい。抗酸化物質を添加する方法は、抗酸化物質の添加量を調整することによって、液体培地の微生物の植菌前における過酸化水素濃度を所望する濃度に調整しやすい点でも好ましい。
本明細書において、抗酸化物質とは、過酸化水素を分解する機能をもつ物質のことをいう。
抗酸化物質の添加は、植菌前であれば、いずれの時点において行われてもよい。例えば、抗酸化物質は滅菌される前の液体培地に添加されてもよいし、滅菌後の液体培地に添加されてもよい。なお、カタラーゼのような酵素を添加する場合は、高圧蒸気滅菌によって失活してしまうため、滅菌後の液体培地に添加するのが好ましい。また、液体培地中の過酸化水素の濃度を下げた後に、該抗酸化物質を液体培地から除去してもよいし、しなくてもよい。これらの抗酸化物質は1種類のみ使用してもよいし、複数種類を混合して使用してもよい。
抗酸化物質は、過酸化水素を分解する機能をもつ物質であれば特に限定されない。抗酸化物質の具体例としては、グルタチオン、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、シトクロムペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ等が挙げられる。これらの内、容易に入手可能な、還元型グルタチオン又はカタラーゼが好ましい。
液体培地における抗酸化物質の終濃度は、微生物の生育や微生物による組換えタンパク質の製造等に適した濃度であれば、特に限定されない。液体培地における抗酸化物質の終濃度の下限は、過酸化水素を好適に分解できる観点から10μM以上が好ましく、20μM以上がより好ましい。液体培地における抗酸化物質の終濃度の上限は、微生物の生育阻害の影響がないか少ない観点から、100μM以下が好ましく、80μM以下がより好ましい。
また、抗酸化物質をカタラーゼのような酵素とした場合の終濃度の下限は、過酸化水素を好適に分解できる観点から、5U/mL以上であることが好ましく、10U/mL以上であることがより好ましい。なお、カタラーゼの場合は、過剰に添加しても微生物の生育阻害の影響がないか少ないため、終濃度の上限は特にないが、例として30U/mL以下が挙げられ、20U/mL以下が挙げられる。
過酸化水素濃度の定量は、過酸化水素による酸化を触媒するペルオキシダーゼの存在下で、酸化されると非蛍光から蛍光へ変換する物質と過酸化水素とを反応させて、生成された蛍光物質を検出する方法により行われる。このような過酸化水素濃度の定量方法の具体例としては、CELLestialTM Red過酸化水素定量キット(Enzo Life Sciences社製)を用いる方法が挙げられる。
<微生物の培養方法>
微生物の培養方法は、ペプトン及びエキス類を含む液体培地を用いる方法である。微生物の培養方法は、微生物の植菌前に、液体培地中の過酸化水素濃度を35μM以下に低下させる工程を備える。植菌前に培地中の過酸化水素濃度をこのように調整する工程を備えることにより、安定的に培養を行うことができる。
上記の培養方法において用いる液体培地は、ペプトン及びエキス類を含む液体培地であれば特に限定されない。上述した成分を含むように作製された液体培地や市販の液体培地を用いることができる。
上記の培養方法は、微生物の植菌前に、液体培地中の過酸化水素濃度を35μM以下に低下させる工程を備えていれば、特に限定されない。過酸化水素による微生物の増殖阻害をより防ぐ観点から、微生物の植菌前に、液体培地中の過酸化水素濃度を14μM以下に低下させることが好ましい。
過酸化水素濃度を調整する工程において用いる方法や抗酸化物質等は、液体培地について上述した方法や物質等を用いることができる。
培養スケール、培養時間、培養温度等のその他の培養条件は、微生物の種類等に応じて適宜設定し得る。培養時間は、通常10~24時間程度であり、14~20時間程度が好ましい。培養温度は、通常30~37℃程度であり、30℃~35℃程度が好ましい。
<微生物>
上記の培養方法により培養される微生物として、例えば、原核生物である微生物が挙げられる。原核生物に属する微生物としては細菌、古細菌、放線菌等が挙げられる。具体的な例として、Cupriavidus属、Alcaligenes属、Pseudomonas属、Bacillus属、Aeromonas属、Ralstonia属、Wautersia属、Comamonas属、Escherichia属等が挙げられる。
また、原核生物である微生物の例として、Brevibacillus属に属する細菌が挙げられる。Brevibacillus属に属する細菌としては、Brevibacillus choshinensisが挙げられる。Brevibacillus choshinensisとしては、Brevibacillus choshinensis sp3株、FY1株、OK-31株が挙げられる。
上記の培養方法により培養される微生物として、例えば、真核生物である微生物が挙げられる。真核生物に属する微生物としては酵母、カビ等が挙げられる。具体的な例として、Saccharomyces属、Yarrowia属、Candida属等が挙げられる。
また、真核生物である微生物の例として、Komagataella属に属する酵母が挙げられる。Komagataella属に属する酵母としては、Komagataella pastorisが挙げられる。
上記の培養方法により培養される微生物は、目的とする組換えタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体でもよいし、そのような形質転換がなされていない非形質転換体でもよい。
上記の培養方法により培養される微生物は、好ましくは、過酸化水素により生育阻害を受ける微生物である。
<組換えタンパク質の製造方法>
組換えタンパク質の製造方法は、上記の培養方法により培養された微生物により、組換えタンパク質を産生させることを特徴とする。係る組換えタンパク質の製造方法を用いて微生物に組換えタンパク質を産生させることにより、多量(高濃度)の組換えタンパク質を得ることができる。
微生物に組換えタンパク質を産生させる方法は、公知の方法を使用することができる。より詳細には、まず目的タンパク質をコードする遺伝子を公知の手段により準備する。続いて、プラスミドやファージ等のベクター上に目的タンパク質をコードする遺伝子を連結して発現ベクターを作製する。該発現ベクター上には、転写プロモーターやターミネーター等、目的タンパク質遺伝子が適切に転写、翻訳されるために必要な配列を適宜配置することが望ましい。このようにして作製した発現ベクターを微生物に導入するが、導入方法は特に限定されず、例えば、カルシウムイオンを用いる方法やエレクトロポレーション法等が挙げられる。
このようにして得られた、発現ベクターが導入された微生物を、上記の培養方法を用いて培養する。所定時間培養した後に、公知の方法を使用して単離・精製することで、目的タンパク質を得ることができる。一例を述べると、まず培養上清又は菌体破砕液を、加熱処理及び膜分離して宿主由来の不純物を除去する。次に、クロマトグラフィーを用いた精製工程を行うが、最初の精製では、粗原料又は精澄化溶液から目的タンパク質の1回目の精製を行う。次の中間精製では、DNAやウイルス及びエンドトキシン等の重要な不純物の殆どを除去する。最後の最終精製では、微量の不純物を除去する工程を行う。その後、公知の方法を使用して目的タンパク質の濃縮を行う。
微生物に産生させる組換えタンパク質の種類は特に限定されない。タンパク質としては、種々の酵素、ペプチド、構造タンパク質、抗体、サイトカイン等が挙げられる。これらのタンパク質は、天然物あるいは自然界の生物より分離されうるアミノ酸配列を有するタンパク質に加え、該タンパク質を構成するアミノ酸配列において、意図的又は非意図的なアミノ酸の欠失、付加、挿入、もしくは他のアミノ酸への置換が生じた、いわゆる変異体でもよい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1、及び試験例1~3]
Brevibacillus属に属する細菌であるBrevibacillus choshinensisを使用し、液体培地中の過酸化水素濃度が微生物の生育に及ぼす影響を調べた。
全く同一の組成及び作製方法にて、試験区1-1~試験区1-4の4つの液体培地を作製した。培地中の各成分及び濃度を表1に示す。培地はpH7.0に調整した。各成分を水に溶解した後に、121℃で20分高圧蒸気滅菌を行った。その後、試験区1-1には、カタラーゼを終濃度11U/mLとなるように添加した。
Figure 0007274913000001
次に、作製した4つの液体培地中の過酸化水素濃度を測定した。測定は、CELLestialTM Red過酸化水素定量キット(Enzo Life Sciences社製)を用いて行った。その結果、試験区1-1(実施例1)の過酸化水素濃度は0μM、試験区1-2(試験例1)は14μM、試験区1-3(試験例2)は38μM、試験区1-4(試験例3)は49μMであった。この結果より、植菌前の液体培地には過酸化水素が含有されていることが示された。また、試験区1-2~試験区1-4のように、全く同一の組成及び作製方法にて作製したにもかかわらず、培地中の過酸化水素濃度にバラつきが生じることが確認された。
次に、各培地25mLが入ったフラスコに、形質転換したBrevibacillus choshinensisのグリセロールストック25μlを植菌し、115rpmの速度で振とうしながら、30℃で22時間培養した。各試験区の菌体濃度は、OD600を測定することで求めた。OD(Optical density)とは光学密度を示し、OD600は600nmの波長の光の吸光度であり、菌体濃度の指標として一般的に用いられている。なお、吸光度の測定は分光吸光光度計(日立製)を用いて、室温で行った。結果を図1に示す。
図1に示されるように、22時間培養時の、試験区1-1及び試験区1-2のOD600は試験区1-3及び試験区1-4のOD600より高かった。これは、試験区1-1及び試験区1-2は、試験区1-3及び試験区1-4よりも菌体濃度の増加度が高いことを示している。このことより、培地中の過酸化水素濃度を14μM以下とすることで、菌体濃度の増加度が高くなることが確認された。
また、図1の結果は、培地中の過酸化水素濃度が培養の安定化と関連していることを示しており、液体培地における培地間のバラつきが、培地中の過酸化水素濃度によることが明らかになった。
[参考例1]
全く、同一の組成及び作製方法にて、表1の各成分を含む試験区2-1~試験区2-3の3つの液体培地を作製した。培地はpH7.0に調整した。各成分を水に溶解した後に、121℃で20分高圧蒸気滅菌を行った。その後、試験区2-2には、終濃度11U/mLとなるようにカタラーゼを添加し、試験区2-3には終濃度100μMとなるように還元型グルタチオンを添加した。なお、グルタチオンの添加による培地pHの低下を防ぐため、あらかじめ0.25Mグルタチオン溶液を10%NaOHでpH6.5に調整して得た液を液体培地に添加した。
次に、各培地25mLが入ったフラスコに形質転換したBrevibacillus choshinensisのグリセロールストック25μLを植菌し、115rpmの速度で振とうしながら、30℃で22時間培養した。各試験区の菌体濃度は、OD600を測定することで求めた。結果を図2に示す。
図2に示されるように、22時間培養時の、試験区2-2及び試験区2-3のOD600は、抗酸化物質を添加していない試験区2-1のOD600より高かった。これは、試験区2-2及び試験区2-3は、試験区2-1よりも菌体濃度の増加度が高いことを示している。
参考例1の結果より、還元型グルタチオンやカタラーゼのような、過酸化水素分解機能をもつ抗酸化物質を液体培地中に添加することで、天然液体培地を用いた原核生物(細菌)の培養をより安定的に行うことができることが確認された。
[実施例2、及び試験例4~8]
Komagataella属に属する酵母であるKomagataella pastorisを使用し、液体培地中の過酸化水素濃度が微生物の生育に及ぼす影響を調べた。
全く、同一の組成及び作製方法にて、表2の各成分を含む試験区3-1~試験区3-6の6つの液体培地を作製した。培地はpH6.0に調整した。各成分を水に溶解した後に、121℃で20分高圧蒸気滅菌を行った。その後、試験区3-1には、カタラーゼを終濃度11U/mLとなるように添加した。
Figure 0007274913000002
実施例1の場合と同様に、作製した6つの液体培地中の過酸化水素濃度を測定したところ、試験区3-1(実施例2)の過酸化水素濃度は0μM、試験区3-2(試験例4)は11μM、試験区3-3(試験例5)は32μM、試験区3-4(試験例6)は58μM、試験区3-5(試験例7)は117μM、試験区3-6(試験例8)は205μMであった。
次に、各培地25mLが入ったフラスコに形質転換したKomagataella pastorisのグリセロールストック25μLを植菌し、115rpmの速度で振とうしながら、30℃で23時間培養した。各試験区の菌体濃度は、OD600を測定することで求めた。結果を図3に示す。
図3に示されるように、23時間培養時の、試験区3-1~試験区3-3のOD600は、試験区3-4~試験区3-6のOD600より高かった。これは、試験区3-1~試験区3-3は、試験区3-4~試験区3-6よりも菌体濃度の増加度が高いことを示している。このことより、培地中の過酸化水素濃度を32μM以下とすることで、菌体濃度の増加度が高くなることが確認された。
[参考例2]
全く、同一の組成及び作製方法にて、表2の各成分を含む試験区4-1~試験区4-6の6つの液体培地を作製した。培地はpH6.0に調整した。各成分を水に溶解した後に、121℃で20分高圧蒸気滅菌を行った。その後、試験区4-2には、カタラーゼを終濃度11U/mLとなるように添加した。また、試験区4-3~試験区4-6には還元型グルタチオンを以下の終濃度となるように添加した(試験区4-3:12.5μM、試験区4-4:25μM、試験区4-5:50μM、試験区4-6:100μM)。なお、グルタチオンの添加による培地pHの低下を防ぐため、あらかじめ0.25Mグルタチオン溶液を10%NaOHでpH6.0に調整して得た液を液体培地に添加した。
次に、各培地25mLが入ったフラスコに形質転換したKomagataella pastorisのグリセロールストック25μLを植菌し、115rpmの速度で振とうしながら、30℃で23時間培養した。各試験区の菌体濃度は、OD600を測定することで求めた。結果を図4に示す。
図4に示されるように、23時間培養時の、試験区4-2~試験区4-5のOD600は、抗酸化物質を添加していない試験区4-1のOD600より高かった。これは、試験区4-2~試験区4-5は、試験区4-1よりも菌体濃度の増加度が高いことを示している。また、試験区4-6のOD600は試験区4-1のOD600と同等であった。
参考例2の結果より、還元型グルタチオンやカタラーゼのような、過酸化水素分解機能をもつ抗酸化物質を液体培地中に添加することで、天然液体培地を用いた真核生物(酵母)の培養をより安定的に行うことができることが確認された。

Claims (9)

  1. ペプトン、エキス類、及び抗酸化物質を含み、寒天を含まない微生物を培養するための液体培地であって、
    前記抗酸化物質が酵素である場合に、前記液体倍中の前記酵素の終濃度が、10U/mL以上であり、
    前記液体培地中の前記ペプトンの含有量が、1.0%(w/v)~3.0%(w/v)であり、
    前記微生物の植菌前における過酸化水素濃度が35μM以下であることを特徴とする液体培地。
  2. 前記抗酸化物質が還元型グルタチオン又はカタラーゼである、請求項1に記載の液体培地。
  3. ペプトン及びエキス類を含み、寒天を含まない液体培地中で微生物を培養する微生物の培養方法であって、前記微生物の植菌前に、前記液体培地中の過酸化水素濃度を35μM以下に低下させる工程を備えることを特徴とし、
    前記過酸化水素濃度を低下させる工程が抗酸化物質を添加する工程であり、
    前記抗酸化物質が酵素である場合に、前記液体倍中の前記酵素の終濃度が、10U/mL以上であり、
    前記液体培地中の前記ペプトンの含有量が、1.0%(w/v)~2.0%(w/v)であする微生物の培養方法。
  4. 前記抗酸化物質が還元型グルタチオン又はカタラーゼである、請求項3に記載の微生物の培養方法。
  5. 前記微生物が原核生物である、請求項3又は4に記載の微生物の培養方法。
  6. 前記原核生物がBrevibacillus属に属する細菌である、請求項に記載の微生物の培養方法。
  7. 前記微生物が真核生物である、請求項3又は4に記載の微生物の培養方法。
  8. 前記真核生物がKomagataella属に属する酵母である、請求項に記載の微生物の培養方法。
  9. 請求項3~のいずれか一項に記載の微生物の培養方法により微生物を培養することと、
    培養された前記微生物により、組換えタンパク質を産生させることと、を含むことを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
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