以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。また、本発明の実施の形態の説明及び図面では、上・下・前・後・左・右の用語を用いるが、これらは、方向を説明するために用いるのであって、本発明を限定する趣旨ではない。
(ノイズ除去装置100の構成)
本発明の一実施の形態に係るノイズ除去装置100は、図1の斜視図に示すように、上下方向に貫通して配置される電線Wの伝導ノイズ及び放射ノイズ(以下、これらをまとめて単に「ノイズ」ともいう。)を除去するための装置である。ノイズ除去装置100は、図示しない電気電子機器などに備えられる。電気電子機器とは、電力によって動作する機器であって、家電機器、産業用電気機器、医療機器、情報機器、デジタル機器などを含む。
ノイズ除去装置100は、閉じた状態の斜視図である図1に示すように閉じた状態では概ね円筒状であり、使用時に電線Wを貫通して配置するための、中心軸Pを中心として延びる貫通孔が設けられている。また、ノイズ除去装置100は、開いた状態の斜視図である図2に示すように、電線Wを着脱するために分割面で分割して開くことができるように構成される。
ノイズ除去装置100は、閉じた状態の分解斜視図である図3に示すように、左右の分割コア101と、左右のコアケース102と、媒介部103_1~103_4と、外ケース104_1~104_10とを備える。
本実施の形態では、中心軸Pの方向を上下方向として説明する。また、ノイズ除去装置100は、中心軸Pを含む平面である分割面を介して概ね左右対称に構成される。なお、分割面は、電線Wを着脱するためにノイズ除去装置100を開く際にノイズ除去装置100の分割コア101及びコアケース102が分割される面であって、平面に限られず、例えば中心軸Pに沿って緩やかに湾曲する曲面、凹凸を含む屈曲面などであってもよい。
左右の分割コア101は、電線Wのノイズを除去するための磁性体コアであって、分割面で分割できるように構成されている。左右の分割コア101は、例えばフェライトを材料として作られる。
本実施の形態に係る左右の分割コア101は、閉じた状態では、図4(a)の斜視図に示すように、概ね分割面を介して左右対称な正八角筒状であり、貫通孔105を含む。貫通孔105は、使用時に電線Wを配置するための孔である。本実施の形態に係る貫通孔105は、中心軸Pを中心として延びて閉じた状態の分割コア101を貫通していればよく、本実施の形態では電線Wの太さに応じた円柱状である。
なお、閉じた状態の左右の分割コア101がなす形状は、中心軸Pに沿って延びる筒状であればよく、例えば、正八角筒以外の正多角形筒状、円筒状などであってもよい。また、貫通孔105は、円柱状に限られず、角柱状などであってもよく、電線Wが滑って移動することを防ぐための凹凸などが内面に設けられてもよい。
詳細には、左右の分割コア101は、図4(b)に示すように、各々が溝部106と嵌着凹部107とを含む。ここで、図4(b)は、閉じた状態の左右の分割コア101を左右方向に離間させて示す斜視図である。
溝部106は、貫通孔105を分割面で分割した半円柱状の溝を形成する。左右の分割コア101の溝部106は、閉じた状態で互いにつながることによって貫通孔105を形成する。
嵌着凹部107は、各分割コア101の上面部及び下面部の外縁近傍に段差を形成する部位であり、本実施の形態では当該段差から溝部106につながる凹みを形成する。
ここで、「近傍」とは、外縁などの基準となる箇所から予め定められた距離離れた箇所或いは領域を意味し、以下においても同様である。
左右のコアケース102は、例えば図2,3に示すように、左右の分割コア101のそれぞれが収容されるケースであって、分割面を介して分割できるように構成されている。左右のコアケース102は、例えば樹脂製である。
本実施の形態に係る左右のコアケース102は、閉じた状態では、図5(a)の斜視図に示すように、概ね分割面を介して左右対称な円筒状であり、連通口108を含む。連通口108は、電線Wを配置するための開口であって、閉じた状態の左右のコアケース102の後述する蓋部110及び底部111の各々に設けられる。本実施の形態に係る連通口108の各々は、中心軸Pを中心とする円形の開口であり、コアケース102に収容された分割コア101の貫通孔105を外部に連通する。
詳細には、左右のコアケース102は、図5(b)に示すように、各々が、側壁部109と、蓋部110及び底部111と、嵌着部112と、第1取付部113と、第2取付部114とを含む。さらに、右方のコアケース102は、突部対115_7~115_12を含む。左方のコアケース102は、突部対115_13~115_18を含む。
ここで、図5(b)は、閉じた状態の左右のコアケース102を左右方向に離間させて示す斜視図である。
側壁部109は、概ね半円筒状の部位である。蓋部110及び底部111は、側壁部109の上端及び下端のそれぞれに接続しており、側壁部109の上下のそれぞれの一部を塞ぐように延びる部位である。より詳細には、蓋部110及び底部111の各々は、側壁部109に接続する半円平板から、連通口108を形成するための小径の半円を切り欠いた形状をなす。
このような側壁部109、蓋部110及び底部111によって、コアケース102の各々の内部には分割コア101を収容するための概ね半円筒状の収容空間が形成される。これにより、収容空間に収容された分割コア101の外面は、コアケース102によって概ね覆われる。また、上述したように、左右のコアケース102の蓋部110及び底部111には、閉じた状態で貫通孔105を外部に連通する連通口108が形成されている。
嵌着部112は、コアケース102の内部に収容された分割コア101を保持するために分割コア101を係止する部位である。
本実施の形態に係る嵌着部112は、側壁部109の各々に2つずつ上下に並べて設けられており、嵌着部112の各々が側壁部109から収容空間に突き出す。上方に設けられる嵌着部112は、下方へ突き出す爪を先端に有し、下方に設けられる嵌着部112は上方へ突き出す爪を先端に有する。
第1取付部113は、媒介部103_1~103_3を配置するための凹みをコアケース102の前端近傍の外面に形成する。
本実施の形態に係る第1取付部113は、媒介部103_1~103_3の厚さに応じた深さで設けられている。閉じた状態では、左右のコアケース102の第1取付部113が面一に接続し、当該接続した第1取付部113に媒介部103_1~103_3が配置される。
ここで、「面一」とは、複数の部材の外面が概ね段差なく滑らかな一面に位置付けられる状態を意味し、当該一面は平面に限らず曲面も含む。「面一」の用語は、以下においても同様の意味で用いる。
より詳細には、第1取付部113は、第1側方配置部113aと、第1外端配置部113bとを含む。
第1側方配置部113aは、側壁部109に凹みを形成する部分であり、側壁部109の前端から周方向に延びる第1周面部と段差を形成する第1段差部とにより構成される。
第1外端配置部113bは、蓋部110及び底部111の各々に凹みを形成する部分であり、第1側方配置部113aの上端及び下端の各々に接続する。第1外端配置部113bは、中心軸Pの前方に延在するコアケース102の端部から中心軸Pを中心とした所定の角度範囲で広がる部分扇形の面を形成する第1部分扇形部と段差を形成する第2段差部とにより構成される。
ここで、「部分扇形」とは、扇形から同心小径の扇形を除いた形状を意味し、以下においても同様である。
第2取付部114は、媒介部103_4を配置するための凹みをコアケース102の後端近傍の外面に形成する。
本実施の形態に係る第2取付部114は、媒介部103_4の厚さに応じた深さで設けられている。閉じた状態では、左右のコアケース102の第2取付部114が面一に接続し、当該接続した第2取付部114に媒介部103_4が配置される。
より詳細には、第2取付部114は、第2側方配置部114aと、第2外端配置部114bとを含む。
第2側方配置部114aは、側壁部109に凹みを形成する部分であり、側壁部109の後端から周方向に延びる第2周面部と段差を形成する第3段差部とにより構成される。
第2外端配置部114bは、蓋部110及び底部111の各々に凹みを形成する部分であり、第2側方配置部114aの上端及び下端の各々に接続する。第2外端配置部114bは、中心軸Pの後方に延在するコアケース102の端部から中心軸Pを中心とした所定の角度範囲で広がる部分扇形の面を形成する第2部分扇形部と段差を形成する第4段差部とにより構成される。
各突部対115_7~115_18は、半円球状の突部の対から構成され、一方の突部は蓋部110の上面から上方へ突き出し、他方の突部は底部111の下面から下方へ突き出す。すなわち、各突部対115_7~115_18は、中心軸Pに沿った端に位置する外端面から中心軸Pに沿って互いに異なる方向へ突き出す突部から構成される。
なお、突部対115_7~115_18の各対を構成する突部は、半円球状に限られず、例えば棒状などであってもよい。
より詳細には、突部対115_7~115_12は、右方のコアケース102の第1取付部113と第2取付部114との間に設けられており、中心軸Pを中心とする円周上に等角度間隔で平面視、前方から反時計回りにこの順に並ぶ。突部対115_13~115_18は、左方のコアケース102の第1取付部113と第2取付部114との間に設けられており、中心軸Pを中心とする円弧上に等角度間隔で平面視、後方から反時計回りにこの順に並ぶ。
媒介部103_1~103_4の各々は、例えば図2~3、6~7に示すように、概ね同様の形状及び寸法の個別の部材であって、例えば樹脂製である。図7に示すように、媒介部103_1~103_3は第1取付部113に配置され、媒介部103_4は第2取付部114に配置される。
ここで、図6は、媒介部103_1の斜視図である。同図のカッコ内の符号は、他の媒介部103_2~103_4のそれぞれで対応する部位の符号を示す。図7は、閉じた状態で左右のコアケース102に配置された媒介部103_1~103_4を示す斜視図である。
より詳細には、媒介部103_1~103_4のそれぞれは、図6に示すように、媒介側部116_1~116_4と媒介片対117_1~117_4とを含む。
媒介側部116_1~116_4の各々は、長さ方向に延びる細長い部分円筒状の部位である。
ここで、「部分円筒状」とは、概ね同じ円弧状の断面で長さ方向に延びる形状である。
媒介片対117_1~117_4のそれぞれは、共通の媒介側部116_1~116_4の上端及び下端に湾曲又は屈曲して接続した概ね部分扇形の平板である2つの媒介片から構成される。各媒介片は、媒介側部116_1~116_4の長さ方向に対して概ね垂直に、かつ、長さ方向から見た媒介側部116_1~116_4の円弧の中心へ向けて突き出す。
媒介片対117_1~117_4は、それぞれ、2対の突部対115_1及び115_2,115_3及び115_4,115_5及び115_6,115_19及び115_20を有する。
各突部対115_1~115_6,115_19~115_20は、半円球状の突部の対から構成され、一方の突部は上方の媒介片の上面から上方へ突き出し、他方の突部は下方の媒介片の下面から下方へ突き出す。
すなわち、各突部対115_1~115_6,115_19~115_20は、中心軸Pに沿った端に位置する外端面から中心軸Pに沿って互いに異なる方向へ突き出す突部から構成される。
より詳細には、媒介片対117_1~117_4を構成する媒介片の各々は、図6に示すように、第1延設部117aと、第1扇状部117bとを含む。
第1延設部117aは、媒介側部116_1~116_4の各端部に接続して当該各端部と概ね同じ幅で延びる部位である。第1扇状部117bは、第1延設部117aに接続して次第に幅が狭くなるように延びる概ね部分円弧状の部位である。
突部対115_1~115_6,115_19~115_20を構成する各突部は、第1延設部117aと第1扇状部117bとの境界近傍に設けられている。そして、閉じた状態では、突部対115_1~115_20は、図7に示すように、中心軸Pを中心とする一円周上に等角度間隔で設けられる。
外ケース104_1~104_10は、例えば図1~3及び8に示すように、概ね同様の形状及び寸法の個別の部材であって、例えば樹脂製である。
ここで、図8は、外ケース104_1の斜視図である。同図のカッコ内の符号は、他の104_2~104_9のそれぞれで対応する部位の符号を示す。
外ケース104_1~104_10は、左右のコアケース102及び媒介部103_1~103_4の外部に配置される。外ケース104_1~104_10は、閉じた状態では例えば図1に示すように、すき間を空けて左右のコアケース102及び媒介部103_1~103_4を囲うように中心軸Pを中心とした周方向に並ぶ。
詳細には、外ケース104_1~104_10は、それぞれ、外ケース側部118_1~118_10と外ケース片対119_1~119_10とを含む。
外ケース側部118_1~118_10の各々は、長さ方向に延びる細長い部分円筒状の部位である。
外ケース片対119_1~119_10のそれぞれは、共通の外ケース側部118_1~118_10の上端及び下端に湾曲又は屈曲して接続した概ね部分扇形の平板である2つの外ケース片から構成される。各外ケース片は、外ケース側部118_1~118_10の長さ方向に対して概ね垂直に、かつ、長さ方向から見た外ケース側部118_1~118_10の円弧の中心へ向けて突き出す。
外ケース片対119_1~119_10は、それぞれ、2対の穴部対120_18及び120_1,120_2及び120_3、120_4及び120_5、120_6及び120_7,120_8及び120_9,120_10及び120_11,120_12及び120_19,120_20及び120_13,120_14及び120_15,120_16及び120_17を有する。
各穴部対120_1~120_20は、半円球状の穴部の対から構成され、一方の穴部は上方の外ケース片の下面から上方へ凹んだ穴を形成し、下方の穴部は下方の外ケース片の上面から下方へ凹んだ穴を形成している。
すなわち、各穴部対120_1~120_20は、外ケース片対119_1~119_10の各対を構成する外ケース片の互いに対向する各内面に設けられて中心軸Pに沿って互いに異なる方向へ凹んだ穴部から構成される。
より詳細には、外ケース片対119_1~119_10を構成する外ケース片の各々は、図8に示すように、第2延設部119aと、第2扇状部119bとを含む。
第2延設部119aは、外ケース側部118_1~118_10の各端部に接続して概ね同じ幅で延びる部位である。第2扇状部119bは、第2延設部119aに接続して次第に幅が狭くなるように延びる概ね部分円弧状の部位である。
穴部対120_1~120_20を構成する各穴部は、第2延設部119aと第2扇状部119bとの境界近傍に設けられている。
外ケース片対119_1~119_10の穴部は、閉じた状態では、中心軸Pに沿って見た場合に、突部対115_1~115_20の突部と概ね同じ一円周上に等角度間隔で配置される。これにより、穴部対120_1~120_20のそれぞれに突部対115_1~115_20を嵌めることができる。
これまで、本発明の一実施の形態に係るノイズ除去装置100の構成について説明した。ここから、本発明の一実施の形態に係るに係るノイズ除去装置の製造方法について説明する。
(ノイズ除去装置の製造方法)
本実施の形態に係るノイズ除去装置の製造方法は、ノイズ除去装置100を製造するための方法であり、図9Aは、当該製造方法に含まれる工程の流れの一例を示す。以下の例では、閉じた状態のノイズ除去装置100を製造する例を説明する。
ノイズ除去装置の製造方法は、2つの分割コア101と、2つのコアケース102と、4つの媒介部103_1~103_4と、10個の外ケース104_1~104_10とを準備した後に開始される。
分割コア101がコアケース102の各々に収容される(工程101;コア収容工程)。
詳細には、各分割コア101は、上下の嵌着部112の間に嵌着凹部107が嵌まるように押し込まれる。これにより、嵌着部112の爪が、嵌着凹部107が形成する段差と係わり合うことで、分割コア101がコアケース102に係止されてコアケース102の内部に保持される。
4つの媒介部103_1~103_4が、工程101にて分割コア101を内部に収容した2つのコアケース102に配置される(工程102;媒介部配置工程)。
詳細には例えば、図9Bに示すように、2つのコアケース102は、外面が面一になるように分割面で互いに接触させることで組み合わされる(工程102a)。
このとき、2つのコアケース102の内部の分割コア101によって円柱状の貫通孔105が形成される。
次に図9Bに示すように、媒介部103_1~103_3が、組み合わされた左右のコアケース102の第1取付部113に配置される(工程102b)。
より詳細には、媒介部103_1については、媒介側部116_1が、その長さ方向を上下方向に向けて第1側方配置部113aに配置される。媒介片対117_1の各媒介片は、中心軸Pへ突き出す向きで、左方のコアケース102の第1外端配置部113bに配置される。
媒介部103_2については、媒介部103_1と同様の向きで、媒介側部116_2が左右のコアケース102の第1側方配置部113aを跨ぐように、また媒介片対117_2のそれぞれが、左右のコアケース102の第1外端配置部113bを跨ぐように配置される。
媒介部103_3については、媒介部103_1と同様の向きで、媒介側部116_3及び媒介片対117_3のそれぞれが、右方のコアケース102の第1側方配置部113a及び第1外端配置部113bに配置される。
これにより、媒介側部116_1~116_3は、図7に示すように、中心軸Pを中心とした一円周上に位置付けられる。第1側方配置部113aは媒介側部116_1~116_3の厚さに応じた凹みを形成するため、媒介側部116_1~116_3と左右の側壁部109とは、中心軸Pに沿った面である外側面が概ね面一になる。
また、媒介片対117_1~117_3を構成する媒介片は、媒介側部116_1~116_3のそれぞれから中心軸Pへ向かって概ね平行に突き出し、左右のコアケース102(第1取付部113)の少なくとも一方を介在させて上下方向に対置される。
第1外端配置部113bは媒介片対117_1~117_3の厚さに応じた凹みを形成するため、媒介片対117_1~117_3と左右の蓋部110及び底部111とは、それぞれの上面及び下面(すなわち、中心軸Pに沿った各方向の端に位置する外端面)が概ね面一になる。
さらに、隣接する媒介側部116_1~116_3の間、媒介側部116_1と左方の第1取付部113との間、媒介側部116_3と右方の第1取付部113との間には、予め定められたすき間が設けられる。
媒介片対117_1,117_3の第1延設部117aと第1取付部113との間には、媒介側部116_1,116_3と第1取付部113との間のすき間から連続したすき間が設けられる。また、隣接する媒介片対117_1~117_3の第1延設部117aの間のそれぞれには、隣接する媒介側部116_1~116_3のすき間から連続したすき間が設けられる。これらのすき間は、中心軸Pに沿って見た場合に、中心軸Pに近づくに従って次第に狭まる扇形をなす。
媒介片対117_1,117_3の第1扇状部117bと第1取付部113との間、媒介片対117_1~117_3の隣接する第1扇状部117bの間のそれぞれにも、すき間が設けられる。これらのすき間は、中心軸Pに沿って見た場合に、上述の扇形のすき間から連続して比較的狭い概ね一定の幅で中心軸Pに向かって延びる。
続けて図9Bに示すように、媒介部103_4が、組み合わされた左右のコアケース102の第2取付部114に配置される(工程102c)。
より詳細には、媒介部103_4は、媒介部103_1と同様の向きで、媒介側部116_4が左右の第2側方配置部114aを跨ぐように、また媒介片対117_4が左右の第2外端配置部114bを跨ぐように配置される。
これにより、媒介側部116_4は、図7に示すように、中心軸Pを中心とした媒介側部116_1~116_3と同じ一円周上に位置付けられる。第2側方配置部114aは媒介側部116_4の厚さに応じた凹みを形成するため、媒介側部116_4と左右の側壁部109とは、中心軸Pに沿った面である外側面が概ね面一になる。
また、媒介片対117_4を構成する媒介片は媒介側部116_4から中心軸Pへ向かって概ね平行に突き出し、左右のコアケース102(第2取付部114)を介在させて上下方向に対置される。
第2外端配置部114bは媒介片対117_4の厚さに応じた凹みを形成するため、媒介片対117_4と左右の蓋部110及び底部111とは、それぞれの上面及び下面(すなわち、中心軸Pに沿った各方向の端に位置する外端面)が概ね面一になる。
さらに、媒介側部116_4と左右の第2取付部114との間には、予め定められたすき間が設けられる。
媒介片対117_4の第1延設部117aと第2取付部114との間には、媒介側部116_4と第2取付部114との間のすき間から連続したすき間が設けられる。このすき間は、中心軸Pに沿って見た場合に、中心軸Pに近づくに従って次第に狭まる扇形をなす。媒介片対117_4の第1扇状部117bと第2取付部114との間には、上述の扇形のすき間から連続して比較的狭い概ね一定の幅で中心軸Pに向かって延びるすき間が形成される。
なお、工程102b及び102cにて媒介部103_1~103_4を配置する順序は、適宜変更されてもよい。
続けて、図9Aに示すように、外ケース104_1~104_10が、工程102にて媒介部103_1~103_4が配置された左右のコアケース102の外部に配置される(工程103)。
このとき、外ケース104_1~104_10は、突部対115_1~115_20のそれぞれに穴部対120_1~120_20を嵌めることによって左右のコアケース102に配置される。
詳細には、図9Cに示すように、外ケース104_1~104_4が、左右のコアケース102の第1取付部113の近傍と媒介部103_1~103_3とを覆うように配置される(工程103a)。
より詳細には、外ケース104_1は、外ケース側部118_1の長さ方向が上下方向を向き、外ケース片対119_1の間に左方のコアケース102及び媒介部103_1を挟むように配置される。そして、突部対115_18,115_1がそれぞれ穴部対120_18,120_1に嵌め込まれる。
外ケース104_2,104_3のそれぞれは、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_2,119_3の間に隣接する媒介部103_1~103_2,103_2~103_3を挟むように配置される。そして、突部対115_2~115_3,115_4~115_5がそれぞれ穴部対120_2~120_3,120_4~120_5に嵌め込まれる。
外ケース104_4は、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_4の間に媒介部103_3及び右方のコアケース102を挟むように配置される。そして、突部対115_6,115_7がそれぞれ穴部対120_6~120_7に嵌め込まれる。
これにより、左右のコアケース102は、媒介部103_1~103_3を介して外ケース104_1~104_4によって連結される。このとき、連結を強固にするため、突部対115_18と穴部対120_18とが接着剤などで固定され、突部対115_7と穴部対120_7とが接着剤などで固定されるとよい。なお、これらは固定されなくてもよい。
次に、図9Cに示すように、外ケース104_5~104_6が、右方のコアケース102に配置される(工程103b)。
より詳細には、外ケース104_5,104_6のそれぞれは、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_5,119_6の間に右方のコアケース102を挟むように配置される。そして、突部対115_8~115_9,115_10~115_11がそれぞれ穴部対120_8~120_9,120_10~120_11に嵌め込まれる。
なお、外ケース104_5~104_6は、右方のコアケース102に接着剤などで予め固定されていてもよく、右方のコアケース102と一体に形成されていてもよい。また、外ケース104_5~104_6を設けることで、ノイズ除去装置100を概ね円筒状の取り扱い易く優れた外観に形成することができるが、これらは設けられなくてもよい。
続けて、図9Cに示すように、外ケース104_7~104_8が、左右のコアケース102の第2取付部114の近傍と媒介部103_4とを覆うように配置される(工程103c)。
より詳細には、外ケース104_7は、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_7の間に右方のコアケース102及び媒介部103_4を挟むように配置される。そして、突部対115_12,115_19がそれぞれ穴部対120_12,120_19に嵌め込まれる。
外ケース104_8は、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_8の間に媒介部103_4及び左方のコアケース102を挟むように配置される。そして、突部対115_20,115_13がそれぞれ穴部対120_20,120_13に嵌め込まれる。
これにより、左右のコアケース102は、媒介部103_4を介して外ケース104_7~104_8によって、分割面を介して開かないように係止される。
続けて、図9Cに示すように、外ケース104_9~104_10が、左方のコアケース102に配置される(工程103d)。
詳細には、外ケース104_9,104_10のそれぞれは、外ケース104_1と同様の向きで、外ケース片対119_9,119_10の間に左方のコアケース102を挟むように配置される。そして、突部対115_14~115_15,115_16~115_17がそれぞれ穴部対120_14~120_15,120_16~120_17に嵌め込まれる。
なお、外ケース104_9~104_10は、左方のコアケース102に接着剤などで予め固定されていてもよく、左方のコアケース102と一体に形成されていてもよい。また、外ケース104_9~104_10を設けることで、ノイズ除去装置100を概ね円筒状の取り扱い易く優れた外観に形成することができるが、これらは設けられなくてもよい。
工程103a~103dを経て、外ケース104_1~104_10が配置される。これにより、図9Aに示すように、外ケースの取付工程(工程103)が終了し、本実施の形態に係るノイズ除去装置100が閉じた状態で製造される。
図1を参照すると分かるように、外ケース側部118_1~118_10は、すき間を空けて左右のコアケース102及び媒介部103_1~103_4の外側面を概ね囲うように中心軸Pを中心とした周方向に並ぶ。
また、外ケース片対119_1~119_10を構成する外ケース片は、各々が接続する外ケース側部118_1~118_10から中心軸Pに向かって概ね平行に突き出す。これにより、外ケース片対119_1~119_10を構成する外ケース片の各対は、左右のコアケース102(蓋部110及び底部111)、媒介片対117_1~117_4のいずれか1つ又は2つを介在させて上下方向に対置される。
隣接する第2延設部119aの間には、隣接する外ケース側部118_1~118_10のすき間から連続した、中心軸Pに近づくに従って次第に狭まる扇形のすき間が形成される。隣接する第2扇状部119bの間には、上述の扇形のすき間から連続して比較的狭い概ね一定の幅で中心軸Pに向かって延びるすき間が形成される。
なお、外ケース104_1~104_10を配置する順序は、適宜変更されてもよい。
これまで、本発明の一実施の形態に係るノイズ除去装置の製造方法について説明した。ここから、本発明の一実施の形態に係るに係るノイズ除去装置の使用方法について説明する。
(ノイズ除去装置100の使用方法)
本実施の形態に係るノイズ除去装置100は、貫通孔105に電線Wを配置して使用される。ここでは、閉じた状態のノイズ除去装置100が準備された場合を例に、電線Wを配置する方法を図10を参照して説明する。
図10に示すように、係止機構部による係止が解かれる(工程201)。
係止機構部は、左右のコアケース102を開閉可能に係止する機構である。本実施の形態に係る係止機構部は、閉じた状態で嵌り合う突部対115_12~115_13,115_19~115_20を含む部材である媒介部103_4及び外ケース104_7~104_8によって構成される。
例えば工程201では、外ケース側部118_7の左端部が中心軸Pから離れる方向へ引っ張られる。
穴部対120_12と突部対115_12とが嵌り合っており、外ケース104_7と外ケース104_6との間には上述したようなすき間が設けられている。そのため、引っ張られた外ケース104_7は、突部対115_12を通過する上下方向の回転軸を中心として回転する。
また、外ケース側部118_7は、上述の通り樹脂製であり、可撓性を有する。そのため、外ケース側部118_7の左端部が上述のように引っ張られると、回転しながら穴部対120_19が突部対115_19に接触することで、外ケース側部118_7は、外ケース片対119_7の上下方向の間隔を広げるように撓む。
これにより、穴部対120_19と突部対115_19との嵌り合いが解かれ、外ケース104_7は、右方のコアケース102から外される。
ここでは、外ケース側部118_7の左端部を引っ張ることで、穴部対120_19と突部対115_19との嵌り合いを解く例を説明した。しかし、この例と同様に、穴部対120_12~120_13,120_20のそれぞれと突部対115_12~115_13,115_20とのいずれについても、嵌り合いを解くことができる。
すなわち、工程201では、穴部対120_12~120_13,120_19~120_20と突部対115_12~115_13,115_19~115_20とのいずれかの嵌り合いが解かれることで、係止機構部による係止が解かれるとよい。
次に図10に示すように、ノイズ除去装置100は、例えば後端近傍が左右に引っ張られると、開閉機構部により形成される回転軸R_1~R_6(図2参照)の各々を中心とした回転によって分割面を介して左右に開く(工程202)。
上述の通り、突部対115_1~115_6のそれぞれが穴部対120_1~120_6に嵌まっている。また、外ケース104_1~104_4の間、第1取付部113及び媒介部103_1~103_3の間には適宜のすき間が設けられている。
そのため、左方のコアケース102に連結された媒介部103_1は、回転軸R_1を中心に回転することができる。回転軸R_1は、突部対115_1及び穴部対120_1で構成される上下方向の回転軸である。
また、互いに連結された媒介部103_1~103_3は、回転軸R_2~R_5の各々を中心に回転することができる。回転軸R_2~R_5は、それぞれ、突部対115_2及び穴部対120_2、突部対115_3及び穴部対120_3、突部対115_4及び穴部対120_4、突部対115_5及び穴部対120_5で構成される上下方向の回転軸である。
さらに、左方のコアケース102に連結された媒介部103_3は、回転軸R_6を中心に回転することができる。回転軸R_6は、突部対115_6及び穴部対120_6で構成される上下方向の回転軸である。
このように、左右のコアケース102は、回転軸R_1~R_6を中心として回転できるように、媒介部103_1~103_3を介して外ケース104_1~104_4によって連結されている。また、回転軸R1~R6の各々は、回転軸R1~R6の各々に沿って見た場合に、左右のコアケース102及び媒介部103_1~103_3の外側面よりも中心軸Pの近くに設けられる。
すなわち、本実施の形態では、開閉機構部が、媒介部103_1~103_3及び連結部としての外ケース104_1~104_4によって構成される。そして、開閉機構部は、貫通孔105の中心軸Pに沿った回転軸R1~R6での回転によって左右のコアケース102が開閉するように、左右のコアケース102の間を連結する。上述の外ケースの配置工程(工程103)は、回転軸でR1~R6での回転によって左右のコアケース102が開閉するように、開閉機構部によって左右のコアケースの間を連結することに相当する。
外ケース104_1~104_4と媒介部103_1~103_3との相対的な回転の範囲は、外ケース104_1~104_4の間のすき間、媒介部103_1~103_3と第1取付部113との間のすき間の大きさによって規定される。
本実施の形態では、最も開いた状態では図2に示すように、隣接する媒介部103_1~103_3の媒介側部116_1~116_3及び第1延設部117aが互いに接触する。また、媒介部103_1,103_3の媒介側部116_1,116_3及び第1延設部117aが第1取付部113に接触する。さらに、隣接する外ケース104_1~104_4の外ケース側部118_1~118_10及び第2延設部119aが接触する。
続けて図10に示すように、左右の分割コア101のいずれか一方の溝部106に電線Wが配置される(工程203)。
詳細には、電線Wは、蓋部110及び底部111を通過するように一方の分割コア101の溝部106に配置される。
続けて図10に示すように、ノイズ除去装置100が閉じられる(工程204)
詳細には、外ケース104_1~104_4と、これらによって連結される媒介部103_1~103_3とが、回転軸R_1~R_6を中心として工程202とは逆方向に相対的に回転する。これにより、ノイズ除去装置100は、電線Wが貫通孔105及び連通口108に配置されて中心軸Pに沿って貫通した状態で閉じられる。
続けて図10に示すように、左右のコアケース102は、ノイズ除去装置100が開かないように係止機構部によって係止される(工程205)。
例えば工程205では、外ケース片対119_7の各外ケース片が中心軸Pへ向けて押し込まれる。
外ケース側部118_7は上述の通り可撓性を有する。そのため、外ケース側部118_7は、外ケース片対119_7が突部対115_19に接触すると、外ケース片対119_7の上下方向の間隔を広げるように撓みながら、突部対115_12を通過する上下方向の回転軸を中心に回転する。これにより、穴部対120_19と突部対115_19とが嵌り合い、外ケース104_7は、右方のコアケース102に係止される。
ここでは、穴部対120_19と突部対115_19とを嵌めることで、右方のコアケース102を係止する例を説明した。しかし、工程205では、工程201で嵌り合いが解かれた穴部対120_12~120_13,120_19~120_20と突部対115_12~115_13,115_19~115_20とが嵌め合わされるとよい。
これにより、電線Wは、ノイズ除去装置100を貫通して配置され、その周囲を分割コア101で囲んだ状態でノイズ除去装置100に保持される。これにより、電線Wのノイズを除去することができる。
ノイズ除去装置100から電線Wを取り外す場合には、上述した工程201~202と同様の方法でノイズ除去装置100を開いた後に、電線Wは、ノイズ除去装置100から取り外されるとよい。その後、上述した工程204~205と同様の方法でノイズ除去装置100が閉じて係止されるとよい。これにより、ノイズ除去装置100から電線Wを取り外すことができる。
(作用・効果)
これまで説明したように、本実施の形態では、回転軸R_1~R_6の各々は、これらに沿って見た場合に、コアケース102及び媒介部103_1~103_3の外側面よりも中心軸Pの近くに設けられる。
これにより、隣接する媒介部103_1~103_3の間の閉じた状態における間隔(すき間の大きさ)に応じて、回転軸R_1~R_6の各々の回転角度が抑制される。そのため、開閉時の回転に伴って回転軸R_1~R_6を構成する部材の摩耗などの劣化を低減することができる。
従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を低減することが可能になる。
本実施の形態では、回転軸R_1~R_6の各々は、各回転軸R_1~R_6に沿って突き出た突部(突部対115_1~115_6を構成する突部)と、対応する穴部(穴部対120_1~120_6を構成する穴部)との嵌まり合いによって構成される。
これにより、例えば突部対115_1~115_6の寸法を大きくし、それに応じた穴部対120_1~120_6を設けることなどによって、回転軸R_1~R_6を構成する部位の強度を容易に向上させることができる。
また、上述のような部材間の嵌り合いによって回転軸R_1~R_6を構成することで、部材の可撓性を利用する従来の開閉機構部とは異なり、ノイズ除去装置100の開閉に伴う部材の劣化を低減することができる。
従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を、より低減することが可能になる。
本実施の形態では、連結部としての外ケース104_1~104_4は、媒介部103_1~103_3のそれぞれが回転軸R_1及びR_2、R_3及びR_4、R_5及びR_6で回転するように、左右のコアケース102の間を媒介部103_1~103_3を介して連結する。
このように従来よりも多くの回転軸R_1~R_6を介して2つのコアケース102を連結する。これにより、回転軸R_1~R_6の各々を構成する部材に開閉時に掛かる負荷を分散することができる。従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を、さらに低減することが可能になる。
本実施の形態では、媒介部103_1~103_3のそれぞれは媒介片対117_1~117_3を含む。また、連結部としての外ケース104_1~104_4のそれぞれは、連結片対としての外ケース片対119_1~119_4を含む。各媒介片対117_1~117_3は、閉じた状態の2つのコアケース102の少なくとも一方を介在させて上下方向に対置される媒介片の対から構成される。また、各外ケース片対119_1~119_4は、媒介片対117_1~117_3の少なくとも1つの対を介在させて上下方向に対置される外ケース片の対から構成される。
これにより、回転軸R_1~R_6の各々を、これらに沿って見てコアケース102及び媒介部103_1~103_3の外側面よりも中心軸Pの近くに容易に設けることができる。従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を容易に低減することが可能になる。
本実施の形態では、媒介片対117_1~117_3は、それぞれ、突部対115_1及び115_2、突部対115_3及び115_4、突部対115_5及び115_6を有する。すなわち、Iを1~3の整数とすると、媒介片対117_Iは、突部対115_2I-1及び115_2Iを有する。突部対115_2I-1及び115_2Iは、それぞれ、中心軸Pに沿った端に位置する各外端面から回転軸R_2I-1及びR_2Iに沿って突き出た突部の対から構成される。
また、外ケース片対119_1は、回転軸R_1で回転するように、媒介片対117_1と左方のコアケース102とを連結する。外ケース片対119_4は、回転軸R_6で回転するように、媒介片対117_3と右方のコアケース102とを連結する。
外ケース片対119_1~119_4は、それぞれ、回転軸R_2及びR_3、回転軸R_4及びR_5で回転するように媒介片対117_1~117_3を連結する。すなわち、Jを2又は3とすると、第Jの連結片対は、第2J-2及び第2J-1の前記回転軸のそれぞれで回転するように第J-1及び第Jの媒介片対を連結する。
このように、各回転軸R_1~R_6に沿って突き出た突部と、当該突部が嵌まる穴部とによって、回転軸R_1~R_6で回転可能に左右のコアケース102を容易に連結することができる。従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を容易に低減することが可能になる。
本実施の形態では、左右のコアケース102の各々が、媒介片対117_1~117_3が配置される第1外端配置部113bを有する。そして、左右のコアケース102と第1外端配置部113bに配置された媒介片対117_1~117_3とは、閉じた状態で上面及び下面が面一になる。
これにより、外ケース片対119_1~119_4を容易に配置することができる。また、外ケース片対119_1~119_4を配置した際の(すなわち、ノイズ除去装置100全体の)上面及び下面の突起や段差を少なくして概ね面一に構成することができる。従って、比較的簡素な構成で、コアケースの開閉に伴う破損を低減することが可能になる。
本実施の形態では、開閉機構部を構成する媒介部103_1~103_3及び外ケース104_1~104_4は、それぞれ、媒介側部116_1~116_3及び連結側部としての外ケース側部118_1~118_4を含む。そして、媒介側部116_1~116_3及び外ケース側部118_1~118_4のそれぞれによって、媒介片対117_1~117_3及び外ケース片対119_1~119_4が接続される。
これにより、左右のコアケース102を開いた際に、媒介側部116_1~116_3及び外ケース側部118_1~118_4も接触させて左右のコアケース102が開く角度を抑制することができる。そのため、媒介片対117_1~117_3及び外ケース片対119_1~119_4だけの接触で左右のコアケース102が開く角度を抑制する場合よりも、開いた際に加わる負荷を分散することができるので、コアケース102の開閉に伴う破損をさらに低減することができる。
また、媒介片対117_1~117_3、外ケース片対119_1~119_4のそれぞれを接続することで、ノイズ除去装置を構成する部品数を減らすことができる。
従って、組み立てを容易にしつつ、コアケースの開閉に伴う破損をさらに低減することが可能になる。
本実施の形態では、左右のコアケース102の各々が、媒介側部116_1~116_3が配置される第1側方配置部113aを有する。そして、左右のコアケース102と第1側方配置部113aに配置された媒介側部116_1~116_3とは、閉じた状態で中心軸Pに沿った側面が面一になる。
これにより、外ケース側部118_1~118_4を容易に配置することができる。また、外ケース側部118_1~118_4を配置した際の(すなわち、ノイズ除去装置100全体の)側面の突起や段差を少なくして概ね面一に構成することができる。従って、比較的簡素な構成で、コアケースの開閉に伴う破損を低減することが可能になる。
本実施の形態では、回転軸R_1~R_6の各々は、中心軸Pと平行である。これにより、ノイズ除去装置100の構成を簡易にすることができる。従って、比較的簡易な構成で、コアケース102の開閉に伴う破損を低減することが可能になる。
本実施の形態では、2つのコアケース102を開閉可能に係止する係止機構部を備える。これにより、閉じた状態を維持するための係止部材を別に設ける必要がなくなるので、ノイズ除去装置を電線Wに容易に取り付けることが可能になる。
これまで、本発明の一実施の形態について説明したが、この実施の形態は、以下のように変形されてもよい。
例えば、実施の形態では、外ケース104_1~104_4が3つの媒介部103_1~103_3を介して左右のコアケース102を連結することで、6つの回転軸R_1~R_6が構成される開閉機構部の例を説明した。しかし、開閉機構部の構成はこれに限られない。
左右のコアケース102の間を媒介する媒介部103_1~103_3は3個に限られず、1つ以上であればよい。媒介部の数をN(Nは1以上の整数)とした場合、連結部としての外ケースはN+1個以上設けられればよい。
この場合、実施の形態と同様に媒介部の各々に2つの回転軸が設けられると、全体で2N個の回転軸が構成されることになる。なお、左右のコアケース102の突部と外ケースの穴部とが固定されていなくてもよく、この場合には、全体で2N+2個の回転軸が構成されることになる。
例えば、本実施の形態では、媒介片対117_1~117_3は、それぞれ、突部対115_1及び115_2、突部対115_3及び115_4、突部対115_5及び115_6を有する例を説明した。
しかし、媒介部の数がNの場合、各媒介片対117_I(Iは1~Nの整数)は、突部対115_2I-1及び115_2Iを有すればよい。突部対115_2I-1及び115_2Iは、それぞれ、中心軸Pに沿った端に位置する各外端面から回転軸R_2I-1及びR_2Iに沿って突き出た突部の対から構成されるとよい。
この場合、外ケース片対119_1は、回転軸R_1で回転するように、媒介片対117_1と左方のコアケース102とを連結するとよい。外ケース片対119_N+1は、回転軸R_2Nで回転するように、媒介片対117_Nと右方のコアケース102とを連結するとよい。Nが2以上の場合には、外ケース片対119_J(Jは2~Nの整数)は、回転軸R_2J-2及びR_2J-1のそれぞれで回転するように媒介片対117_J-1及び117_Jを連結するとよい。
このように、各回転軸R_1~R_2Nに沿って突き出た突部と、当該突部が嵌まる穴部とによって、回転軸R_1~R_2Nで回転可能に左右のコアケース102を容易に連結することができる。従って、ノイズ除去装置100の開閉に伴う破損を容易に低減することが可能になる。
また例えば、本実施の形態では、穴部対120_1~120_8に含まれる穴部が貫通していない例を説明したが、穴部は、突部が嵌まればよく、例えば中心軸Pに沿って貫通していてもよい。
さらに例えば、実施の形態では外ケース片対119_1~119_10を構成する外ケース片の各々に2つの穴部が設けられる例で説明したが、1つの外ケース片に1つの穴部が設けられてもよい。この場合の穴部は、実施の形態に係る2つの穴部を接続する長い溝を形成するとよい。
(変形例1)
実施の形態では、係止機構部が媒介部103_4及び外ケース104_7~104_8によって構成される例を説明した。しかし、係止機構部は、左右のコアケース102が開閉できるように、すなわち、係止を解くことができるように左右のコアケース102を係止すればよい。
本変形例に係るノイズ除去装置200は、図11の斜視図に示すように、媒介部103_4及び外ケース104_7のそれぞれに代わる媒介部203_4及び外ケース204_7を備える。
媒介部203_4は、実施の形態に係る突部対115_19に代わる係止爪221を有する。係止爪221は、同図に示すように、上下方向に突き出す爪を有する。外ケース204_7は、実施の形態に係る穴部対120_19に代わる穴部対222を有する。穴部対222は、同図に示すように、閉じた状態で係止爪221の爪が嵌まる貫通孔を形成する。
これらの点を除いて、ノイズ除去装置200は、実施の形態に係る除去装置100と同様に構成されるとよい。また、本変形例では、媒介部103_4は、左方のコアケース102に接着剤などで予め固定されていてもよく、左方のコアケース102と一体に形成されていてもよい。さらに、本変形例では、外ケース104_8,104_7のそれぞれは、左右のコアケース102に接着剤などで予め固定されていてもよく、左方のコアケース102と一体に形成されていてもよい。
本変形例に係る係止機構部によっても、左右のコアケース102を開閉可能に係止することができる。
(変形例2)
実施の形態では、開閉機構部を構成する連結部が、外ケース104_1~104_4である場合を例に説明した。
しかし、連結部は、媒介部103_1~103_3の外側面よりも中心軸Pの近くに回転軸R_1~R_6を設けるように、媒介部103_1~103_3を介して左右のコアケース102を連結すればよい。変形例2,3では、開閉機構部を構成する連結部の変形例を説明する。
図12は、変形例2に係るノイズ除去装置300を示しており、(a)は斜視図であり、(b)は連結部及びその近傍の拡大断面図である。
本変形例に係るノイズ除去装置300は、同図に示すように、実施の形態と同様の左右の分割コア101を備える。また、ノイズ除去装置300は、実施の形態に係る左右のコアケース102に代わる左右のコアケース302と、媒介部103_1~103_4に代わる媒介部303_1~303_4と、連結部としての連結片対322_1~322_4とを備える。
なお、ノイズ除去装置300は、実施の形態に係るノイズ除去装置100が備える外ケース104_1~104_10を備えていない。
左右のコアケース302は、実施の形態に係る側壁部109に代わる側壁部309を備える。また、左右のコアケース302は、実施の形態に係る突部対115_18,115_7のそれぞれに代わる突部対315_8,315_7を備え、その他の突部対115_8~115_12,115_13~115_17に相当する突部対を備えていない。
これらの点を除いて、左右のコアケース302は、実施の形態に係る左右のコアケース102と同様に構成されるとよい。
側壁部309は、実施の形態とは異なり左右の壁面の穴が埋められている。これによって、概ね円柱状の取り扱い易く優れた外観が形成される。
各突部対315_8,315_7は、棒状の突部の対から構成され、一方の突部は蓋部110の上面から上方へ突き出し、他方の突部は底部111の下面から下方へ突き出す。突部の先端は、径方向に太くなるように先端が潰されている。なお、下方の突部は図示していない。
媒介部303_1~303_3は、実施の形態に係る突部対115_1~115_6に代わる突部対315_1~315_6を備える。この点を除いて、媒介部303_1~303_3は、実施の形態に係る媒介部103_1~103_3のそれぞれと同様に構成されるとよい。なお、媒介部303_1~303_3のそれぞれの媒介側部116_1~116_3が設けられなくてもよい。
各突部対315_1~315_6は、突部対315_8,315_7の各々と同様に構成される。すなわち、各突部対315_1~315_6は、棒状の突部の対から構成され、一方の突部は上方の媒介片の上面から上方へ突き出し、他方の突部は下方の媒介片の下面から下方へ突き出す。突部の先端は、径方向に太くなるように先端が潰されている。なお、下方の突部は図示していない。
ここで、図12(b)は、突部対315_8及び315_1の中心軸を通る面における連結片対322_1の近傍を外方から見た拡大断面図である。この断面図に示す突部対315_8及び315_1と連結片対322_1との関連付けは、突部対315_2及び315_3と連結片対322_2、突部対315_4及び315_5と連結片対322_3、突部対315_6及び315_7と連結片対322_4のいずれについても概ね同様である。
媒介部303_4は、実施の形態に係る突部対115_19及び115_20を備えておらず、図示しない穴部の対を上下の内面に有する。この点を除いて、媒介部303_4は、実施の形態に係る媒介部103_4と同様に構成されるとよい。
媒介部303_4の穴部の対は、左右のコアケース302に設けられて上下方向に突き出す突部(図示せず)の対と嵌る。これによって、左右のコアケース102を開閉可能に係止するとよい。すなわち、この場合、係止機構部は、穴部と突部との嵌り合いで構成される。
連結片対322_1~322_4は、媒介片対117_1~117_3の少なくとも1つの対を介在させて上下方向に対置される小片の対から構成される。なお、下方の小片は、図示していない。
このような連結片対322_1~322_4は、実施の形態に係る外ケース片対119_1~119_4に代わる部位である。すなわち、本変形例は、連結部が外ケース側部118_1~118_10に相当する部位を含まない例でもある。
連結片対322_1~322_4の各々を構成する小片は、図12に示すように、両端が半円形状に形成された細長い平板状の部材であり、上下方向に貫通する長孔323が設けられている。突部対315_1~315_6の突部が、対応する連結片対322_1~322_4の長孔323に2つずつ貫通して設けられており、その先端は長孔から抜け出さないように係止されている。
本変形例によれば、突部対315_1~315_8のそれぞれによって回転軸R1~R8が構成される。従って、本変形例に係る開閉機構部は、媒介部303_1~303_3及び連結部としての連結片対322_1~322_4によって構成される。当該開閉機構部によれば、貫通孔105の中心軸Pに沿った回転軸R1~R8での回転によって左右のコアケース302が開閉するように、左右のコアケース302の間を連結することができる。従って、実施の形態と同様に開閉に伴う破損の可能性を低減することが可能になる。
(変形例3)
図13は、変形例3に係るノイズ除去装置400を示しており、(a)は斜視図であり、(b)は連結部及びその近傍の拡大断面図である。
本変形例に係るノイズ除去装置400は、同図に示すように、変形例2に係る連結片対322_1~322_4に代わる連結片対422_1~422_4を備える。この点を除いて、ノイズ除去装置400は、変形例3に係るノイズ除去装置300と同様に構成されるとよい。
連結片対422_1~422_4は、変形例2と同様に、媒介片対117_1~117_3の少なくとも1つの対を介在させて上下方向に対置される小片の対から構成される。なお、下方の小片は、図示していない。
連結片対422_1~422_4の各々を構成する小片は、図13(b)に示すように、上下方向に貫通する孔424が設けられた円柱を棒状の部位で接続した部材である。突部対315_1~315_6の突部が、対応する連結片対422_1~422_4の孔424に貫通して設けられており、その先端は長孔から抜け出さないように係止されている。
ここで、図13(b)は、突部対315_8及び315_1の中心軸を通る面における連結片対422_1の近傍を外方から見た拡大断面図である。この断面図に示す突部対315_8及び315_1と連結片対422_1との関連付けは、突部対315_2及び315_3と連結片対422_2、突部対315_4及び315_5と連結片対422_3、突部対315_6及び315_7と連結片対422_4のいずれについても概ね同様である。
本変形例によれば、変形例2と同様に、突部対315_1~315_8のそれぞれによって回転軸R1~R8が構成される。従って、本変形例に係る開閉機構部は、媒介部303_1~303_3及び連結部としての連結片対422_1~422_4によって構成される。当該開閉機構部によれば、貫通孔105の中心軸Pに沿った回転軸R1~R8での回転によって左右のコアケース302が開閉するように、左右のコアケース302の間を連結することができる。従って、実施の形態と同様に開閉に伴う破損の可能性を低減することが可能になる。
なお、変形例3では、例えば突部対315_8、315_7のそれぞれが対応する連結片対422_1,422_4の孔424に固定されていてもよい。これによれば、貫通孔105の中心軸Pに沿った回転軸R1~R6での回転によって左右のコアケース302が開閉するように、左右のコアケース302の間を連結することができる。従って、実施の形態と同様に開閉に伴う破損の可能性を低減することが可能になる。
以上、本発明の一実施の形態、変形例などについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。本発明は、例えば、実施の形態に変更を加えた態様、実施の形態と変形例とを適宜組み合わせた態様、これらの態様に適宜変更を加えた態様などを含む。