JP7272105B2 - 自動変速機の摩擦締結装置及びその製造方法 - Google Patents

自動変速機の摩擦締結装置及びその製造方法 Download PDF

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本発明は自動変速機の摩擦締結装置及びその製造方法に関する。
特許文献1には、ハブ部と、この外周側に同心状に配置されたドラム部と、ハブ部の外周部に係合する複数のハブ摩擦板と、ドラム部の内周部に係合しており複数のハブ摩擦板の間に配置された複数のドラム摩擦板とを備えた、自動変速機の摩擦締結装置が開示されている。
この摩擦締結装置では、ハブ部の内周部と外周部とを連通する複数の油孔が形成されている。ハブ部の内周側に供給される潤滑油が、油孔を介して、ハブ部の外周側へ供給されて、これによりハブ摩擦板及びドラム摩擦板が潤滑されるようになっている。
特開2002-39224号公報
従来、円筒状に形成されたハブ部に対して、油孔は、機械加工(例えばドリル加工)により径方向に形成されており、ハブ部の製造コストが増大しやすいという問題があった。
本発明は、ハブ部の製造コストを低減することができる自動変速機の摩擦締結装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本願発明は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
円筒状に形成されており、外周部にハブスプラインが形成された、ハブ部と、
円筒状に形成されて前記ハブ部に対してこの外周側に同心状に配置されており、内周部にドラムスプラインが形成された、ドラム部と、
環状に形成されており、内周部が前記ハブスプラインに係合している、複数のハブ摩擦板と、
環状に形成されており、外周部が前記ドラムスプラインに係合しており、前記複数のハブ摩擦板の間に配置された、複数のドラム摩擦板と
を備え、
前記ハブ部は、軸方向の先端部に、該軸方向に凹設されて該ハブ部の外周部と内周部とを径方向に連通する凹部を、有しており、
前記凹部は、該凹部内に他部材が位置しておらず、径方向への開口が維持されており、
前記複数のハブ摩擦板と前記複数のドラム摩擦板とが前記軸方向の他方側に押接された締結状態において、前記凹部は、前記軸方向において前記複数のドラム摩擦板のいずれか1つに対応する位置で終端している、自動変速機の摩擦締結装置を提供する。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
記締結状態において、
前記凹部は少なくとも、最も先端部側に位置するドラム摩擦板に対して前記軸方向に重複するように、深さが設定されている。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記ハブ部は、周方向に間隔を開けて形成された、複数の前記凹部を有し、
前記締結状態において、
前記複数の凹部はそれぞれ、前記複数のドラム摩擦板それぞれに対して前記軸方向に重複するように、深さが設定されている。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記複数の凹部は、前記軸方向に深いものほど形成数が少ない。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記形成数が少ない凹部は、他の前記凹部に比して、前記ハブ部の周方向に幅広である。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項2~5のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記ハブ部は、前記内周部に、この径方向に凹設されて前記軸方向に延びており、前記軸方向の他端部側から先端部側へ向かって前記内周部側から前記外周部側へ傾斜した、傾斜溝をさらに有し、
前記傾斜溝は、前記凹部に連通している。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記傾斜溝は、前記ハブ部の前記内周部のうち、前記ハブスプラインの山部に径方向に対向した周方向位置に位置している。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項6に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記傾斜溝は、前記ハブ部の前記内周部のうち、前記ハブスプラインの溝部に径方向に対向した周方向位置に位置している。
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項6~8のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記ハブ部は、前記傾斜溝と前記外周部とを径方向に連通する貫通孔をさらに有し、
前記貫通孔は、前記締結状態における、前記最も先端側に位置するドラム摩擦板を除いた前記複数のドラム側摩擦板の1つに対して前記軸方向に重複するように設定されている。
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項9に記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記貫通孔は、前記軸方向の他端部側から前記先端部側へ向かって、前記傾斜溝から前記外周部へ傾斜している。
また、請求項11に記載の発明は、前記請求項1~10のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置において、
前記摩擦締結装置は、クラッチである。
また、請求項12に記載の、本発明のさらなる態様は、
請求項1~11のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置の製造方法であって、
前記ハブ部を鋳造により素材を形成する際に、前記凹部を鋳抜きにより形成する、自動変速機の摩擦締結装置の製造方法を提供する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、ハブ部の内周部側に供給された潤滑油が、凹部を介して、ハブ部の外周側へ供給されて、ハブ摩擦板及びドラム摩擦板が潤滑される。したがって、凹部を、潤滑油供給油路として構成できる。
また、ハブ部を鋳造(例えばアルミダイカスト法)で形成する場合に、型割方向をハブの軸方向に設定すると、ハブ部の先端部に、凹部を鋳抜きにより形成することができる。これによって、潤滑油供給油路をドリル加工等の機械加工により形成することを抑制又は不要にできるので、ハブ部のコスト低減を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、締結状態にある複数のドラム摩擦板のうち、少なくとも最も先端側に位置するドラム摩擦板に対して、凹部を介して潤滑油を供給することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、複数のドラム摩擦板それぞれに対して、凹部を介して潤滑油を供給することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、軸方向に長い凹部は、底部がハブ部の他端部側から先端部側へ流動する潤滑油供給路の上流側に位置しており、潤滑油の油量を確保しやすい。
さらに、軸方向の深い凹部は、他の凹部に比してハブ部を軸方向に長く切り欠くことになるのでハブ部の剛性が低下しやすい。しかしながら、本発明によれば、軸方向に深い凹部は形成数が少なく設定されているので、ハブ部の剛性低下を抑制しやすい。
また、請求項5に記載の発明によれば、形成数の少ない凹部は幅広であるので、形成数が少ないことによる潤滑油の油量の低下を抑制しやすい。
また、請求項6に記載の発明によれば、傾斜溝を介して潤滑油を凹部に導入させやすい。しかも、ハブが回転する場合であっても、傾斜溝内に潤滑油を保持しやすい。さらに、傾斜溝は、他端部側から先端部側へ向かって内周部側から外周部側へ傾斜しているので、ハブが回転する場合に潤滑油に生じる遠心力を利用して、潤滑油をより効果的にハブ部の先端部側へ案内して凹部へ導入させやすい。
また、請求項7に記載の発明によれば、傾斜溝により、ハブスプラインの山部の除肉することができるので、ハブ部を軽量化できる。
また、請求項8に記載の発明によれば、凹部は、ハブ部の内周部から外周部までの長さを短く構成しやすい。これによって、凹部の上記長さ、すなわち潤滑油供給油路の長さが短くなるので、該油路の長さに起因した潤滑油の油量低下を抑制しやすい。
また、請求項9に記載の発明によれば、貫通孔を介して、ドラム摩擦板に潤滑油を構成できる。すなわち、凹部と貫通孔とを併用することで、例えば他端部側に位置するドラム摩擦板に対して貫通孔を介して潤滑油を供給できるので、凹部が軸方向に深くなることを抑制できる。これによって、ハブ部の剛性低下を抑制しやすい。
また、請求項10に記載の発明によれば、貫通孔は、傾斜溝と同じ方向に傾斜することになるので、傾斜溝により案内された潤滑油を、抵抗を抑制しつつ貫通孔に導入させやすい。さらに、ハブが回転する場合に、潤滑油に生じる遠心力を利用して、潤滑油をより効果的にドラム摩擦板に供給しやすい。
また、請求項11に記載の発明によれば、摩擦締結装置は、クラッチであるので、ハブ部は回転する。したがって、遠心力を利用して、潤滑油をハブ部の内周部から外周部へ供給しやすい。
また、請求項12に記載の発明によれば、ハブ部を例えばアルミニウムダイカスト法による鋳造で形成する場合に、型割方向をハブの軸方向に設定すると、凹部を鋳抜きにより形成することができる。これによって、潤滑油供給油路をドリル加工等の機械加工により形成することを抑制又は不要にできるので、ハブ部のコスト低減を図ることができる。
すなわち、本発明による自動変速機の摩擦締結装置及びその製造方法によれば、ハブ部の製造コストを低減することができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図。 自動変速機の摩擦締結要素の締結表。 自動変速機のクラッチ及びその周辺の断面図。 クラッチハブの単体斜視図。 図4のV-V線におけるクラッチハブの軸方向断面図。 図4のVI-VI線におけるクラッチハブの軸方向断面図。 図4のVII-VII線におけるクラッチハブの軸方向断面図。 図5のVIII-VIII-線におけるクラッチハブの径方向断面図。 変形例に係るクラッチハブの円筒部を内周側から見た周方向展開図。 さらなる変形例に係るクラッチハブの円筒部の周方向展開図。 さらなる他の変形例に係るクラッチハブの円筒部の周方向展開図。 さらなる他の変形例に係るクラッチハブの円筒部の周方向展開図。 変形例に係る摩擦板を示す、図8と同様の断面図。 さらなる他の変形例に係るクラッチハブを示す、図8と同様の断面図。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。この自動変速機10は、変速機ケース11内に、駆動源に連結されて駆動源側(図の左側)に配設された入力軸12と、反駆動源側(図の右側)に配設された出力軸13とを有している。自動変速機10は、入力軸12と出力軸13とが同一軸線O1上に配置されたフロントエンジン・リヤドライブ車用等の縦置き式のものである。以下の説明では、軸線O1が延びる方向を軸方向ADと称し、軸方向ADにおいて、駆動源側へ向かう方向を軸方向AD1、反駆動源側へ向かう方向を軸方向AD2と称する。
入力軸12及び出力軸13の軸心上には、軸方向AD2側へ向かって、第1、第2、第3、第4プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3、第4ギヤセット」という)PG1、PG2、PG3、PG4が配設されている。
変速機ケース11内において、第1ギヤセットPG1の軸方向AD1側に第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3が、軸方向AD1側へ向かって順に配設されている。第3クラッチCL3の軸方向AD1側に第1ブレーキBR1が配設されている。第3ギヤセットPG3と第2ギヤセットPG2との間に第2ブレーキBR2が配設されている。
第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4は、いずれも、キャリヤに支持されたピニオンがサンギヤとリングギヤに直接噛合するシングルピニオン型である。第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4はそれぞれ、回転要素として、サンギヤS1、S2、S3、S4と、リングギヤR1、R2、R3、R4と、キャリヤC1、C2、C3、C4とを有している。
第1ギヤセットPG1は、サンギヤS1が軸方向に2分割されたダブルサンギヤ型である。サンギヤS1は、軸方向AD1側に配置された第1サンギヤS1aと、軸方向AD2側に配置された第2サンギヤS1bとを有している。第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、同一歯数を有し、キャリヤC1に支持された同一ピニオンに噛合する。これにより、第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、常に同一回転する。
自動変速機10では、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とが常時連結されている。第1ギヤセットPG1のリングギヤR1と第2ギヤセットPG2のサンギヤS2とが常時連結されている。第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とが常時連結されている。第3ギヤセットPG3のキャリヤC3と第4ギヤセットPG4のリングギヤR4とが常時連結されている。
入力軸12は、第1ギヤセットPG1のキャリヤC1に第1サンギヤS1a及び第2サンギヤS1bの間を通じて常時連結されている。出力軸13は、第4ギヤセットPG4のキャリヤC4に常時連結されている。
第1クラッチCL1は、入力軸12及び第1ギヤセットPG1のキャリヤC1と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。第2クラッチCL2は、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1及び第2ギヤセットPG2のサンギヤS2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設され、これらを断接するようになっている。第3クラッチCL3は、第2ギヤセットPG2のリングギヤR2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
第1ブレーキBR1は、変速機ケース11と第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第1サンギヤS1aとの間に配設されて、これらを断接するようになっている。第2ブレーキBR2は、変速機ケース11と第3ギヤセットPG3のリングギヤR3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
以上の構成により、図2に示すように、自動変速機10は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2の締結状態の組み合わせによって、Dレンジでの1~8速と、Rレンジでの後退速とが構成されるようになっている。
図3は、第3クラッチCL3及びその周辺の断面図であり、入力軸12を中心として径方向の一方側(図1において上側)のみが示されている。図3に示すように、第3クラッチCL3は、クラッチハブ20と、この外周側に同心状に配置されたクラッチドラム30と、これらの径方向間に配設された複数の摩擦板40と、複数の摩擦板40を軸方向ADに押接するピストン部50とを備えている。
クラッチハブ20は、軸線O1(図1参照)を中心として径方向に延びる環状の第1縦壁部21と、この径方向内端部から軸方向ADの両側に円筒状に延びるハブ部22と、ハブ部22の軸方向AD1側の端部から径方向内側に延びる環状の第2縦壁部23と、この径方向内端部から軸方向ADに延びる円筒状のハブ基端部24とを有している。
第1縦壁部21は、径方向外端部においてハブ外径側動力伝達部材14(図1参照)に連結されており、ハブ外径側動力伝達部材14を介して第3ギヤセットPG3のサンギヤS3に連結されている。ハブ部22の外周部には、軸方向ADに延びるハブスプライン22aが形成されている。ハブ基端部24は、内周部に軸方向ADに延びるスプライン24aが形成されており、スプライン24aにおいてハブ内径側動力伝達部材16の外周部にスプライン係合されている。
図1を併せて参照して、ハブ内径側動力伝達部材16は、第1~第3クラッチCL1~CL3の径方向内側において軸方向ADへ延びており、第1クラッチCL1のクラッチドラムCL1Aと、第2クラッチCL2のクラッチハブCL2Bとが連結されている。
クラッチドラム30は、ハブ部22に対して、この外周側に同心状に配置されたドラム部31を有している。ドラム部31は、軸方向ADに円筒状に延びており、内周部に軸方向ADに延びるドラムスプライン31aが形成されている。ドラム部31は、軸方向AD2の端部においてドラム側動力伝達部材15(図1参照)が連結されており、ドラム側動力伝達部材15を介して第2ギヤセットPG2のリングギヤR2に連結されている。
摩擦板40は、軸線O1を中心として径方向に延びる環状部材であり、内周部に形成されたスプライン41aにおいてハブスプライン22aに係合している複数のハブ摩擦板41と、外周部に形成されたスプライン42aにおいてドラムスプライン31aに係合している複数のドラム摩擦板42とを有し、これらが軸方向ADに交互に配設されている。
ドラム摩擦板42には、最も軸方向AD2側に位置する第1ドラム摩擦板42Aと、この軸方向AD1側に位置する第2ドラム摩擦板42Bと、このさらに軸方向AD1側に位置する第3ドラム摩擦板42Cとが含まれている。それぞれのドラム摩擦板42の軸方向ADの両面には、ハブ摩擦板41に対向する部分に摩擦材であるフェーシング43が設けられている。
ピストン部50は、クラッチハブ20の軸方向AD2側に位置しており複数の摩擦板40を軸方向AD1側へ押すピストン51を有している。ピストン51は、外周側の端部において軸線O1を中心とする環状に形成されており、複数の摩擦板40の軸方向AD2側に位置して、これら摩擦板40を軸方向AD1側へ押圧するピストン押圧部51aと、ハブ部22の径方向内側において軸線O1を中心として径方向へ延びる環状のピストン受圧部51bと、ピストン押圧部51aとピストン受圧部51bとを接続する円筒状のピストン連結部51cとを有している。ピストン受圧部51bには、径方向外側よりに位置する部分から軸方向AD2側へ突出するピストン突出部51dが形成されている。
また、ピストン部50は、ピストン受圧部51bの軸方向AD2側に位置する第1油圧室形成部材52と、ピストン受圧部51bの軸方向AD1側に位置する第2油圧室形成部材53とをさらに有している。
第1油圧室形成部材52は、ハブ基端部24の軸方向AD2側に位置しておりハブ内径側動力伝達部材16の外周部に圧入された円筒部52aと、この軸方向AD2側の端部から軸線O1を中心として径方向外側へ延びる環状の縦壁部52bとを有している。円筒部52aの軸方向AD1側の端部の外周部とピストン受圧部51bの径方向内端部との間には、シール部材55が設けられている。縦壁部52bの径方向外端部とピストン突出部51dとの間には、シール部材56が設けられている。
第2油圧室形成部材53には、図3に示す断面において軸方向AD1側へコ字状に凹設された環状の凹部53aが形成されている。凹部53aには、付勢部材54(例えばコイルスプリング)が設けられている。付勢部材54は、凹部53aとピストン受圧部51bとの間に弾設されている。
また、第2油圧室形成部材53は、凹部53aの底部から軸方向AD1側へ突出する突出部53bをさらに有している。突出部53bによれば、付勢部材54によって軸方向AD1側へ付勢される第2油圧室形成部材53が、凹部53aにおいて第2縦壁部23に底付きすることが防止されている。これによって、凹部53aのうち突出部53bが形成されていない部分と第2縦壁部23との間に隙間が確保されている。
第2油圧室形成部材53の径方向外端部と、ピストン連結部51cの軸方向AD1側の端部との間には、シール部材57が設けられている。一方、第2油圧室形成部材53の径方向内端部は、ハブ基端部24に対して隙間を介して対向している。
したがって、ピストン部50は、ピストン受圧部51bを挟んだ両側、すなわち軸方向AD2側に第1油圧室形成部材52との間に第1油圧室58が構成されており、軸方向AD1側に第2油圧室形成部材53との間に第2油圧室59が構成されている。ハブ内径側動力伝達部材16には、第1油圧室58に連通する第1油孔16aと、第2油圧室59に連通する第2油孔16bとが径方向に形成されている。
第1油圧室58は、図示しない潤滑油供給手段から第1油孔16aを介して潤滑油(作動油)が供給されると室内の油圧が増大して、ピストン受圧部51bを軸方向AD1側へ押圧する力が生じ、これによりピストン51が軸方向AD1側へ付勢される。この結果、複数の摩擦板40が、ピストン押圧部51aとクラッチハブ20の第1縦壁部21との間に挟持された締結状態に構成される。したがって、第1油圧室58は、締結用油圧室として構成されている。
一方、第1油圧室58から、第1油孔16aを介して潤滑油が排出されると、室内の油圧が低下して、付勢部材54による軸方向AD2側への付勢力の下、ピストン受圧部51bに軸方向AD2側へ押圧する力が生じ、これによりピストン51が軸方向AD2側へ付勢される。この結果、複数の摩擦板40は、ピストン51による押圧が解除されて、締結が開放された開放状態に構成される。
このとき、第2油圧室59には、図示しない潤滑油供給手段から第2油孔16bを介して潤滑油が供給され、若しくは入力軸12及びハブ内径側動力伝達部材16等に設けられた軸受に供給された潤滑油が例えば遠心力により供給されるようになっている。すなわち、第1油圧室58内の油圧と、付勢部材54による付勢力とのバランスによって、ピストン受圧部51bの軸方向ADにおける位置が定まり、この位置に応じて、第2油圧室59に潤滑油が供給されまたは排出されるようになっており、第2油圧室59は遠心バランス室として構成されている。
なお、第2油孔16bを介して潤滑油の供給を制御することによって、第2油圧室59内の油圧を積極的に制御するようにして、例えば増大させることによってピストン51を軸方向AD2側へ付勢するようにしてもよい。この場合、第2油圧室59を、解放用油圧室として構成される。
上述したように、第2油圧室59は、第2油圧室形成部材53の内径側端部とハブ内径側動力伝達部材16との間に隙間が設けられており、該隙間を介して第2油圧室59から潤滑油がクラッチハブ20の内周側にも供給されるようになっている。
以下、図4~図8を参照して、クラッチハブ20のハブ部22について詳述する。
図4は、クラッチハブ20の単体斜視図である。図4に示すように、クラッチハブ20には、ハブ部22の内周部と外周部とを径方向に連通する、複数の貫通部70が形成されている。複数の貫通部70を介して、クラッチハブ20の内周側に供給された潤滑油が、ハブ部22の外周側に供給されて、複数の摩擦板40が潤滑されるようになっている。
複数の貫通部70は、ハブ部22の軸方向AD2側の端面からハブ部22の内周部を軸方向AD1側に凹設された凹部71と、凹部71よりも軸方向AD1側に位置する第1貫通孔72及び第2貫通孔73とを有している。凹部71、第1貫通孔72、及び第2貫通孔73はそれぞれ、ハブ部22の周方向における位置が異なっている。
ハブ部22の内周部には、第2縦壁部23から軸方向AD2側へ延びる溝部75が軸方向ADにわたって形成されている。溝部75は、ハブ部22の周方向に間隔をあけて複数設けられている。溝部75の深さは、ハブ部22の内周部に対して略一定である。
図8は、ハブ部22のうち、軸方向ADにおいて凹部71が形成された位置における径方向断面を示しており、併せてドラム摩擦板42が示されている。図8を併せて参照して、複数の溝部75はそれぞれ、ハブ部22の外周部に形成されたハブスプライン22aの複数の溝部それぞれに径方向に対向した周方向位置に形成されている。
複数の貫通部70は、溝部75とハブスプライン22aの溝部とを径方向に連通するように形成されている。周方向に並ぶ複数の溝部75において、凹部71、第1貫通孔72、及び第2貫通孔73が、周方向に順に並ぶように位置している。
具体的には、図4に示すように、クラッチハブ20を軸方向AD2側から見たときに、第1溝部75Aに凹部71形成され、第1溝部75Aに半時計回りに隣接する第2溝部75Bに第1貫通孔72が形成され、第2溝部75Bに半時計回りに隣接する第3溝部75Cに第2貫通孔73が形成され、第3溝部75Cに半時計回りに隣接する第4溝部75Dには貫通部70は形成されていない。以降、半時計回りに、第1~第4溝部75A~75D及びここに形成された凹部71、第1貫通孔72、及び第2貫通孔73が繰り返されて設けられている。
図5は、図4のV-V線における断面図であり、クラッチハブ20の凹部71における軸方向ADに沿った断面を示しており、締結状態の摩擦板40が併せて示されている。図5に示すように、ハブ部22の内周部は、軸方向AD2へ向かって外周部側へ傾斜している。ハブ部22の内周部に形成された溝部75も同様に、軸方向AD2側へ向かってハブ部22の外周部側へ傾斜しており、傾斜溝として構成されている。
軸方向ADにおいて、凹部71は、複数の摩擦板40のうち最も軸方向AD2側に位置する第1ドラム摩擦板42Aに径方向に対向するように、軸方向ADにおける深さが設定されている。換言すれば、凹部71は、第1ドラム摩擦板42Aに対して軸方向ADに重複している。
図6は、図4のVI-VI線における断面図であり、クラッチハブ20の第1貫通孔72における軸方向ADに沿った断面を示している。図7は、図4のVII-VII線における断面図であり、クラッチハブ20の第2貫通孔73における軸方向ADに沿った断面を示している。図6及び図7においても、締結状態の摩擦板40が併せて示されている。
図6及び図7に示すように、第1貫通孔72及び第2貫通孔73はそれぞれ、溝部75と同様に、軸方向AD2側へ向かってハブ部22の内周部側から外周部側へ傾斜している。この結果、溝部75から第1貫通孔72及び第2貫通孔73へ至る潤滑油の油路が、鈍角に構成される。
また、第1貫通孔72及び第2貫通孔73は、ハブ部22の外周部上における開口位置が、摩擦板40のうち、第2ドラム摩擦板42B及び第3ドラム摩擦板42Cにそれぞれ径方向に対向するように形成されている。
なお、本実施形態では、クラッチハブ20は、鋳造(例えば、アルミダイカスト法)により形成されるものであり、型抜き方向が軸方向ADに設定されている。このため、クラッチハブ20のハブ部22及び溝部75の傾斜を型の抜き勾配により容易に形成できる。さらに、ハブ部22の軸方向AD2側の端面に形成された凹部71は、軸方向AD2側にも開口しているので、凹部71を、ハブ部22を鋳造により素材で形成する際に鋳抜きにより容易に形成できる。
上記説明した第3クラッチCL3における摩擦板40への潤滑油の供給について説明する。図3において矢印F1で示すように、第2油圧室59内に位置する潤滑油が、第2油圧室形成部材53とハブ内径側動力伝達部材16との間の隙間を介して、クラッチハブ20の内周側に供給される。次いで、矢印F2で示すように、クラッチハブ20の内周側に供給された潤滑油は、第2縦壁部23の軸方向AD2側の端面に至る。
第2縦壁部23は、軸線O1回りに回転するため、潤滑油は、第2縦壁部23とともに軸線O1周りに回転される。この結果、矢印F3で示すように、潤滑油は、遠心力により径方向外側へ移動し、ハブ部22の内周部に至る。
ハブ部22も、軸線O1回りに回転するため、潤滑油は、ハブ部22とともに軸線O1回りに回転する。ハブ部22の内周部には、複数の溝部75が形成されており、潤滑油は堰として作用する溝部75に保持されやすい。また、溝部75は、軸方向AD2側へ向かってハブ部22の内周部側から外周部側に傾斜している。この結果、矢印F4で示すように、溝部75に保持された潤滑油は、遠心力によって軸方向AD2側へ移動する。
図5~図7において、矢印F5~F7でそれぞれ示されるように、溝部75を軸方向AD2側へ移動する潤滑油は、貫通部70を介して、ハブ部22の外周側へ移動して、締結状態の摩擦板40のうちドラム摩擦板42の径方向内側の端面に供給される。次いで、ドラム摩擦板42の端面に供給された潤滑油は、軸方向ADの両側に分かれて、ドラム摩擦板42の両面に設けられたフェーシング43に供給される。この結果、フェーシング43が潤滑油によって潤滑されると共に冷却される。
上記実施形態に係る自動変速機10の第3クラッチCL3によれば、以下の効果を奏する。
(1)ハブ部22の内周部側に供給された潤滑油が、凹部71を介して、ハブ部22の外周側へ供給されて、ハブ摩擦板41及びドラム摩擦板42が潤滑される。したがって、凹部71を、潤滑油供給油路として構成できる。
(2)また、クラッチハブ20を鋳造(例えばアルミダイカスト法)により形成する場合に、型割方向をクラッチハブ20の軸方向に設定することにより、ハブ部22の軸方向AD2側の端面に、凹部71を鋳抜きにより形成することができる。これによって、潤滑油供給油路をドリル加工等の機械加工により形成することを抑制又は不要にできるので、クラッチハブ20の製造コストを低減しやすい。
(3)締結状態にある複数のドラム摩擦板42のうち、軸方向AD2側に位置する第1ドラム摩擦板42Aに対して、凹部71を介して潤滑油を供給することができる。
(4)ハブ部22の内周部に形成された溝部75を介して潤滑油を凹部71に導入させやすい。しかも、ハブ部22が回転する場合であっても、溝部75内に潤滑油を保持しやすい。さらに、溝部75は、軸方向AD2側へ向かってハブ部22の内周部側から外周部側へ傾斜しているので、ハブ部22の回転によって潤滑油に生じる遠心力を利用して、潤滑油をより効果的にハブ部22の軸方向AD2側へ案内して貫通部70へ導入させやすい。
(5)溝部75は、ハブスプライン22aの溝部に径方向に対向するように位置している。この結果、凹部71は、ハブ部22を径方向に貫通する長さを短く構成しやすい。これによって、凹部71の上記長さ、すなわち潤滑油供給油路の長さが短くなるので、該油路の長さに起因した油路の抵抗増大が抑制されるので、潤滑油の油量低下を抑制しやすい。
(6)また、第1貫通孔72及び第2貫通孔73を介しても、第2及び第3ドラム摩擦板42B,42Cに潤滑油を供給できる。すなわち、貫通部70を、凹部71と第1貫通孔72及び第2貫通孔73とを併用することで、例えば第1ドラム摩擦板42Aよりも軸方向AD1側に位置する第2ドラム摩擦板42B及び第3ドラム摩擦板42Cに対しては、第1貫通孔72及び第2貫通孔73を介して潤滑油を供給できる。これによって、凹部71が軸方向に深くなることを抑制できる。これによって、ハブ部22の剛性低下を抑制しやすい。
(7)第1貫通孔72及び第2貫通孔73は、溝部75と同じ方向に傾斜しているので、溝部75により案内された潤滑油を、抵抗を抑制しつつ第1貫通孔72及び第2貫通孔73に導入させやすい。
(8)貫通部70は、回転するクラッチハブ20のハブ部22に形成されているので、遠心力を利用して潤滑油をハブ部22の内周部から外周部へ供給しやすい。
上記実施形態では、貫通部70のうち、最も軸方向AD2側に位置するものを凹部71として構成し、これ以外を第1貫通孔72及び第2貫通孔73として構成したが、これに限らない。例えば、図9に示すように、全ての貫通部70を凹部71A~71Cとして構成してもよく、図10に示すように、第1貫通孔72に代えて凹部71Bとして構成してもよい。
全ての貫通部70を凹部71A~71Cとして構成することによって、複数のドラム摩擦板それぞれに対して、凹部71A~71Cを介して潤滑油を供給できる。しかも、クラッチハブ20を鋳造により形成する場合に、凹部71A~71Cを鋳抜きにより形成することができ、これにより貫通部70を機械加工により形成することを不要にできるので、ハブ部22の製造コストを低減しやすい。
また図11に示すように、全ての貫通部70を凹部71A~71Cにより形成する場合に、最も軸方向ADに深く形成された凹部71Cの形成数を、他の凹部71A及び71Bに比して低減するようにしてもよい。最も軸方向AD1側において開口する凹部71Cは、図4において矢印F4で示される潤滑油の供給油路の上流側に位置するので、第3ドラム摩擦板42Cに供給される潤滑油の油量を確保しやすい。
また、軸方向ADに深い凹部71Cは、他の凹部71A,71Bに比してハブ部22を軸方向に長く切り欠くことになるのでハブ部22の剛性が低下しやすいが、凹部71Cの形成数が少なく設定されているので、ハブ部22の剛性低下を抑制しやすい。
また、図12に示すように、軸方向ADに深い凹部71Cを、他の凹部71A,71Bに比してハブ部22の周方向に幅広に形成してもよい。これによって、形成数が少ない凹部71Cにおける潤滑油の油量を確保しやすい。
また、全ての貫通部70を凹部71A~71Cにより構成する場合には(例えば図9)、図13に示すように、第3ハブ摩擦板41Cに関して、軸方向ADに深い凹部71Cに連通するハブスプライン22aの溝部に係合する、スプライン歯を形成しないように構成してもよい。
これによって、他の凹部71A,71Bに比してハブ部22の剛性低下を招来しやすい、凹部71Cに対して、この近傍に位置するハブスプライン22aへの入力が抑制されるので、ハブ部22の耐久性を確保しやすい。
また、図14に示すように、溝部75を、ハブスプライン22aの山部に径方向に対向した周方向位置に形成してもよい。これによって、溝部75によって、ハブスプライン22aの山部を除肉しやすく、ハブ部22を軽量化しやすい。
また、上記実施形態では、3つのドラム摩擦板42に対応して、これらにそれぞれ対応する貫通部70を形成したが、2つ又は4つ以上のドラム摩擦板42を有する摩擦締結部にも適用することができる。この場合、それぞれのドラム摩擦板42に対応する位置に、ハブ部22の周方向に位置を異にしつつ、貫通部70を形成すればよい。
また、上記実施形態では、摩擦締結装置として、第3クラッチCL3を例にとって説明したが、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第1ブレーキBR1、及び/又は第2ブレーキBR2に適用してもよい。いずれの場合であっても、径方向内側に位置するハブ部を径方向に貫通して潤滑油を供給する場合に適用できる。特に、回転するハブ部に適用することで、遠心力を利用して、潤滑油を径方向外側に移動させやすいので、本発明がより好適に実施される。
なお、本発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
以上説明したように、本発明に係る自動変速機の摩擦締結装置およびその製造方法によれば、ハブ部のコスト低減を図ることができるので、この種の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
10 自動変速機
16 ハブ内径側動力伝達部材
20 クラッチハブ
22 ハブ部
30 クラッチドラム
31 ドラム部
40 摩擦板
41 ハブ摩擦板
42 ドラム摩擦板
50 ピストン部
51 ピストン
52 第1油圧室形成部材
53 第2油圧室形成部材
70 貫通部
71 凹部
72 第1貫通孔
73 第2貫通孔
75 溝部

Claims (12)

  1. 円筒状に形成されており、外周部にハブスプラインが形成された、ハブ部と、
    円筒状に形成されて前記ハブ部に対してこの外周側に同心状に配置されており、内周部にドラムスプラインが形成された、ドラム部と、
    環状に形成されており、内周部が前記ハブスプラインに係合している、複数のハブ摩擦板と、
    環状に形成されており、外周部が前記ドラムスプラインに係合しており、前記複数のハブ摩擦板の間に配置された、複数のドラム摩擦板と
    を備え、
    前記ハブ部は、軸方向の先端部に、該軸方向に凹設されて該ハブ部の外周部と内周部とを径方向に連通する凹部を、有しており、
    前記凹部は、該凹部内に他部材が位置しておらず、径方向への開口が維持されており、
    前記複数のハブ摩擦板と前記複数のドラム摩擦板とが前記軸方向の他端部側に押接された締結状態において、前記凹部は、前記軸方向において前記複数のドラム摩擦板のいずれか1つに対応する位置で終端している、自動変速機の摩擦締結装置。
  2. 記締結状態において、
    前記凹部は少なくとも、最も先端部側に位置するドラム摩擦板に対して前記軸方向に重複するように、深さが設定されている、
    請求項1に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  3. 前記ハブ部は、周方向に間隔を開けて形成された、複数の前記凹部を有し、
    前記締結状態において、
    前記複数の凹部はそれぞれ、前記複数のドラム摩擦板それぞれに対して前記軸方向に重複するように、深さが設定されている、
    請求項2に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  4. 前記複数の凹部は、前記軸方向に深いものほど形成数が少ない、
    請求項3に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  5. 前記形成数が少ない凹部は、他の前記凹部に比して、前記ハブ部の周方向に幅広である、
    請求項4に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  6. 前記ハブ部は、前記内周部に、この径方向に凹設されて前記軸方向に延びており、前記軸方向の他端部側から先端部側へ向かって前記内周部側から前記外周部側へ傾斜した、傾斜溝をさらに有し、
    前記傾斜溝は、前記凹部に連通している、
    請求項2~5のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  7. 前記傾斜溝は、前記ハブ部の前記内周部のうち、前記ハブスプラインの山部に径方向に対向した周方向位置に位置している、
    請求項6に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  8. 前記傾斜溝は、前記ハブ部の前記内周部のうち、前記ハブスプラインの溝部に径方向に対向した周方向位置に位置している、
    請求項6に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  9. 前記ハブ部は、前記傾斜溝と前記外周部とを径方向に連通する貫通孔をさらに有し、
    前記貫通孔は、前記締結状態における、前記最も先端側に位置するドラム摩擦板を除いた前記複数のドラム側摩擦板の1つに対して前記軸方向に重複するように設定されている、
    請求項6~8のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  10. 前記貫通孔は、前記軸方向の他端部側から前記先端部側へ向かって、前記傾斜溝から前記外周部へ傾斜している、
    請求項9に記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  11. 前記摩擦締結装置は、クラッチである、
    請求項1~10のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置。
  12. 請求項1~11のいずれか1つに記載の自動変速機の摩擦締結装置の製造方法であって、
    前記ハブ部を鋳造により素材を形成する際に、前記凹部を鋳抜きにより形成する、自動変速機の摩擦締結装置の製造方法。
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