JP4857465B2 - プラネタリギヤ装置 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラネタリギヤ装置に係り、特にデュアルプラネタリギヤ装置に用いて好適であり、詳しくはピニオンとキャリヤ側板との間に介在するピニオン用スラストワッシャに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラネタリギヤ装置において、プラネタリピニオンの回転(自転)を良好に維持するため、該ピニオンとキャリヤ側板と間にスラストワッシャを介在している。
【0003】
従来、該ピニオン用ワッシャは、銅系材料のワッシャをキャリヤ側板側に、表面処理を施した鉄系材料のワッシャをピニオン側にして2枚重ねて用いている。
【0004】
また、キャリヤ側板側と相対的回転しないように回り止めを施して、上記鉄系材料からなる1枚のワッシャを介在したものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記ピニオン用ワッシャは、1枚のものも2枚のものも、ピニオンの製作誤差等により、ピニオンに一方向のスラスト力を発生する場合、ピニオンと一方のキャリヤ側板との間にワッシャを押し付けるような状況を生じて、ピニオンシャフトからニードルベアリングに供給される潤滑油が外径方向に流れなくなり、ピニオンの回転を良好に維持し得ないことがある。
【0006】
また、上記2枚のワッシャを用いたものにおいて、ピニオンが高速回転する場合、銅系ワッシャの鉄系ワッシャと接触する面に、半径方向に貫通して溝を形成し、潤滑油の排出性を良くして、摺動面の冷却を図るものも提案されている。
【0007】
このものは、2枚のワッシャの間の潤滑油の流れは確保されるが、鉄系ワッシャとピニオンとの摺動面には、潤滑油が流れない状況が残り、上述したピニオンの回転不良を生じる場合がある。
【0008】
なお、このものにおいて、ピニオンと接触する鉄系ワッシャに上記と同様な半径方向の溝を形成すると、該鉄系ワッシャとピニオン側端面との間の摺動面にも潤滑油が流れるが、該鉄系ワッシャ側面に形成された凹溝がニードルベアリングの滑らかな回転を妨げ、これによりピニオンの回転に支障を来してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、プラネタリピニオンとスラストワッシャとの間に潤滑油の流れを確保すると共に、該ピニオンを支持するベアリングの回転に支障を与えることがないようにして、上述した課題を解消したプラネタリギヤ装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図4参照)、リングギヤ(R)、サンギヤ(S)、及びピニオン(P1,P2)を支持するキャリヤ(CR)を有するプラネタリギヤ装置(2)において、
前記キャリヤ(CR)は、前記ピニオン(P1,P2)をベアリングを(45,46)介して支持するピニオンシャフト(35,36)と、該ピニオンシャフトを支持する側板(17,34)と、を有し、
前記ピニオンの側端面(52)と前記側板(17,34)との間に、該側板と一体回転するようにスラストワッシャ(50)を介在し、
該スラストワッシャは、少なくとも前記ピニオン側の側面(50f)に外径側から孔部(50a,50b)に向う途中まで延びる凹溝(51)を有し、該凹溝の内径側底部(51a)が前記スラストワッシャ(50)と前記ベアリング端面とが当接する当接部(50f’)より径方向外側に位置し、
前記ベアリング(45,46)に供給された潤滑油を、前記底部(51a)と前記ピニオン側端面(52)の間(c)を通って前記凹溝(51)に導いて排出し、また前記ベアリング端面(45a,46a)を前記スラストワッシャに当接し、
前記凹溝の内径側底部(51a)は、前記ピニオンの前記ベアリングに接する内径面(44)と同一半径近傍に位置し、かつ該底部の内径側(d)が前記スラストワッシャの側面(50f)と同一平面からなる平坦面(50f’)からなり、前記ベアリング端面(45a,46a)を前記スラストワッシャの平坦面(50f’)に当接してなる、
ことを特徴とするプラネタリギヤ装置にある。
【0012】
請求項に係る本発明は(例えば図3参照)、前記ピニオンの側端面(52)内径側隅部にテーパ面(52a)を形成し、潤滑油を、該テーパ面と前記凹溝の底部(51a)との間(c)を通って前記凹溝(51)に導いてなる、
請求項記載のプラネタリギヤ装置にある。
【0013】
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、前記スラストワッシャ(50)は、2個の孔部(50a)(50b)と、該孔部周囲の円環部分(50d)(50d)と、前記両円環部分を連結する連結部(50e)と、を有し、
前記2個の孔部に、隣接する前記ピニオン(P1)(P2)のピニオンシャフト(35)(36)を挿通してなる、
請求項1又は2のいずれか記載のプラネタリギヤ装置にある。
【0014】
請求項に係る本発明は(例えば図1参照)、前記プラネタリギヤ装置は、互いに噛合すると共に、前記リングギヤ(R)に噛合する外ピニオン(P1)と、前記サンギヤ(S)に噛合する内ピニオン(P2)との複数の組を有するデュアルプラネタリギヤ装置(2)であり、
前記隣接するピニオンが、前記1組の外ピニオン(P1)と内ピニオン(P2)である、
請求項記載のプラネタリギヤ装置にある。
【0015】
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、前記スラストワッシャ(50)は、前記凹溝(51)が両側面(50f)(50g)に形成されてなる、
請求項又は記載のプラネタリギヤ装置にある。
【0016】
請求項に係る本発明は(例えば図4参照)、前記スラストワッシャ(50’)は、回り止め用の突起(55)を有する円環状の部材からなり、
前記突起(55)を前記側板(17,34)に係合してなる、
請求項1又は2のいずれか記載のプラネタリギヤ装置にある。
【0017】
なお、上記カッコ内の図面対照符号は、本発明の構成と実施の形態との対応を容易にして、理解の迅速化を図る便宜的なものであって、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、ベアリングに供給された潤滑油は、凹溝の内径側底部とピニオン側端面の間を通って凹溝に導かれ、更に凹溝を通って外径方向に排出されるので、ベアリング及びピニオン側端面とスラストワッシャとの摺動面を充分に潤滑しかつ該潤滑油の流れにより冷却するので、ピニオンの回転を良好に維持することができ、かつベアリング端面はスラストワッシャに当接して滑らかに回転することができる。
【0019】
そして、スラストワッシャに形成した凹溝により、ピニオン側端面とワッシャとの間の摺動面における潤滑油の流れを確保するものでありながら、ベアリングの端面はスラストワッシャの側面と同一平面からなる平坦面に当接するので、該ベアリングの回転を良好に確保して、ピニオンの良好な回転を維持することができる。
【0020】
請求項に係る本発明によると、ピニオン側端面内径側隅部にテーパ面を形成して、該テーパ面と凹溝底部との間を通って潤滑油を凹溝に導くので、ワッシャに形成する凹溝の半径方向底部の位置の自由度が増し、高い精度を必要とせずに容易にスラストワッシャを製造することができると共に、同じワッシャにて多くのピニオンに適用することが可能である。
【0021】
請求項に係る本発明によると、スラストワッシャは、2個の孔部及びその周りの円環部と、両円環部を連結する連結部を有し、2個の隣接するピニオンシャフトに渡って配置するので、上記連結部が回り止めとなって、キャリヤ側板との相対回転を防止して配設することができ、側板と係合する特別な回り止めを設けることなく、側板との一体回転を保持して、これによるピニオン側端面と側板との間に各1枚のスラストワッシャの配置で足りることと相俟って、簡単な構成でスラストワッシャとしての良好な性能を保持することができる。
【0022】
請求項に係る本発明によると、デュアルプラネタリギヤ装置の1組の内ピニオン及び外ピニオンに、上記2個の円環部を連結部で連結した1個のスラストワッシャを適用することにより、連結部を短くかつ単純な形状として、スラストワッシャの構造が簡単になると共に、組立て等において上記デュアルプラネタリギヤ装置とのマッチングが良好であり、プラネタリギヤ装置の組立て性能を向上すると共に、良好な性能を長期に亘り維持することができる。
【0023】
請求項に係る本発明によると、凹溝をスラストワッシャの両面に形成したので、連結部により特別な回り止めを必要としない構成と相俟って、スラストワッシャの両面のいずれでもピニオン側端側として用いることができ、プラネタリギヤ装置の組立てが容易になると共に、ワッシャの反対取付けによる不具合の発生を防止することができる。
【0024】
請求項に係る本発明によると、ワッシャが、回り止めを施した円環状の部材からなるので、多くの種類のプラネタリギヤ装置に容易に適用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は、ベルト式無段変速機(CVT)に組込まれる前後進切換え装置を示す断面図であり、該前後進切換え装置1は、サンギヤS、リングギヤR、キャリヤCR、及び上記キャリヤCRに支持され、互いに噛合すると共にリングギヤRに噛合する外プラネタリピニオンP1とサンギヤSに噛合する内プラネタリピニオンP2の複数の組からなるデュアルプラネタリギヤ装置2を有する。
【0026】
上記サンギヤSは、図示しないトルクコンバータの出力部に連結されている入力軸3にスプライン結合されており、また上記キャリヤCRは、出力部材となるプライマリプーリ5に連結されていると共に、前進用クラッチC1を介して入力軸3に連結しており、上記リングギヤRは、後進用ブレーキB1に連結している。なお、上記前後進切換え装置1は、ベルト式無段変速装置等の他の装置と共にケース6に収納されており、また図中7は、オイルポンプである。
【0027】
そして、入力軸3には環状のシリンダ部材9が固着されており、該シリンダ部材9にはピストン部材10が油蜜状に嵌合してクラッチ用油圧アクチュエータ11を構成している。なお、図中12は、リテーナ13にてシリンダ部材9に抜止め支持されたリターンスプリング、15は、遠心油圧排出用のチェックボールである。前記シリンダ部材9の外壁内周面には前記クラッチC1のクラッチプレート(外摩擦板)16がスプライン係合しかつスナップリング18により抜止め支持されており、また前記キャリヤCRを構成する側板17に形成されたハブ部17aにはクラッチディスク(内摩擦板)19がスプライン係合している。
【0028】
一方、前記ケース6の、前記プライマリプーリ5支持用のボールベアリング20を支持する隔壁6aには、一側にシリンダ21を構成する環状凹溝が形成されており、該シリンダ21にピストン部材22が油蜜状に嵌合してブレーキ用油圧アクチュエータ23を構成している。なお、図中25は、リテーナ26にてケース6に抜止め支持されたリターンスプリングである。前記ケース6の一部内周面にはスプライン6bが形成されており、該スプラインには前記ブレーキB1のブレーキプレート(外摩擦板)27がスナップリング29にて抜止めされて係合しており、また前記リングギヤRを内周面に有するリング状部30の外周面に形成されたスプライン30aにブレーキディスク(内摩擦板)31が係合している。更に、上記リング状部材30の一端内周面にはディスク状部材32が固着されており、該ディスク状部材32の内周側をスラストローラベアリング33等により挟持することにより、リングギヤRが位置決め・支持されている。
【0029】
そして、前記キャリヤCRは、2個の側板34,17からなり、両側板は、ピニオンP1,P2を挟むようにして、ピニオンシャフト35,36及び連結部37により一体に連結されている。一方(図面左側)の側板34の内周部にはハブ部材39が固着されており、該ハブ部材39が前記プライマリプーリ5にスプライン結合していると共に、ローラベアリング33,40を介して前記ディスク状部材32及びサンギヤSの間に挟持されて、位置決め・支持されている。他方の側板(図面右側)17は、前述したように外周面にスプラインを有するハブ部17aが一体形成されており、かつその内周側に潤滑油導入板41が固定されている。該導入板41は、シリンダ部材9と所定間隔を有するまで側板17の外側面(図面右側面)に沿って延びていると共に、周方向に凹凸状に形成されており、その凸状部と側板17との間に潤滑油導入溝42を形成して、入力軸3側から供給、飛散される潤滑油を、プラネタリシャフト35,36の軸方向に形成された油孔35a,36aに導く。
【0030】
また、入力軸3には軸方向に潤滑油供給孔3aが形成されており、かつ該供給孔3aから軸外周面に向けて多数の横孔3b〜3eが形成されている。これら横孔から導出される潤滑油は、ハブ部材39及びシリンダ部材9に形成された孔a,b等を通って、ベアリング33,40,43及びプラネタリギヤ装置の各歯面、クラッチC1及びブレーキB1、並びに前記潤滑油導入溝42等に供給される。
【0031】
そして、前記キャリヤ両側板33,17に支持されているピニオンシャフト35,36にはそれぞれ外プラネタリピニオンP1及び内プラネタリピニオンP2がニードルベアリング45,46を介して回転自在に支持されており、かつ前記導入溝42を介して各ピニオンシャフトの油孔35a,36aに導かれた潤滑油は、図示しない各横孔を介して上記ニードルベアリング45,46及びピニオンの噛合歯面に供給される。更に、前記内及び外プラネタリピニオンP1,P2と前記両キャリヤ側板33,17との間には、本発明に係るピニオン用スラストワッシャ50が配設されている。
【0032】
該ピニオン用ワッシャ50は、図2に示すように、ローラチェーンのリンクプレート様(メガネ様)形状からなり、2個の孔部50a,50bを有するワッシャ本体50cを有する。該ワッシャ本体は、鉄系材料(例えばSK5)を基材として表面処理(例えばガス軟窒化処理)を施したものであり、その化合物層が0.008〜0.015[mm]程度であって、硬さがHv58〜700程度のものが好ましい。そして、該リンクプレート様スラストワッシャ50は、その孔部50a,50bを1組(1セット)の外ピニオンシャフト35及び内ピニオンシャフト36にそれぞれ嵌挿するようにして、回り止めされた状態で、プラネタリピニオンP1,P2と両キャリヤ側板34,17との間に介装される。従って、該ワッシャ50は、その孔部50a,50bの周囲の円環部分50dがスラストワッシャとして機能し、両円環部分を連結する中央部分50eが回り止めとして機能する。
【0033】
そして、上記スラストワッシャ50には、その円環部分50dにおける両側面50f,50gに適宜数(例えば1個)の凹溝51…が形成されている。即ち、各円環部分に凹溝51を1個当り形成すると、1個のスラストワッシャ50に、2個の円環部分50dの両面50f,50gにそれぞれ形成されて、合計4個形成されることになる。これら凹溝51は、各円環部分50dの外周面に開口して孔部50a,50bに向って途中まで延びていると共に、その内径側底部51aは孔部50a,50bとの間に所定間隔dを有するように形成されており、従って該底部51aの内径側の上記所定間隔部分は、該凹溝51が形成されていない円環部分と同一平面からなる平坦面50f’,50g’となっている。また、図2(d)に示すように、上記凹溝51の左右側面はテーパ面51bとなっている。
【0034】
上記ワッシャ50の凹溝51は、図3に拡大して示すように、プラネタリピニオンP1,P2の側端面52と対向する部分には存在し、その内径側底部51aがピニオンの前記ベアリングに接する内径面44と同一半径近傍に位置するまで延びている。前記ピニオンP1,P2の側面52は、歯部分53より僅かに軸方向に突出していると共に平坦面となっており、かつその内径側隅部がテーパ面52aとなっており、前記凹溝底部51aと該テーパ面52aとの間に所定空隙cが存在するように配置されている。そして、前記ニードルベアリング45,46の端面45a,46aは円弧等の凸湾曲面となっており、該ベアリング端面は、上記凹溝51の内径側dからなる円環部分50dと当接し得るように対向しており、かつ該内径側dの円環部分は、ワッシャ側面50fと同一平面からなる平坦面50f’となっている。
【0035】
なお、上記ワッシャ50は、ピニオンP1,P2と接触する側面50fにおいて凹溝51が必須であるが、反対面(キャリヤ側板側)50gは、必ずしも凹溝を形成する必要はなく、また孔部から外周面に半径方向に貫通する凹溝でもよい。ただし、上述の実施の形態のように、ワッシャの両面50f,50gの凹溝を形成する方が、連結部50eを回り止めとした前記リンクプレート様形状と相俟って、両側50f,50gのいずれの側をピニオン側として配置してもよく、組立て効率及び誤組立ての防止上好ましい。
【0036】
また、上記スラストワッシャ50は、デュアルプラネタリギヤ装置に限らず、シンプルプラネタリギヤ装置にもその隣接したピニオンシャフトとに一対の孔部50a,50bを嵌挿することにより適用可能である。
【0037】
ついで、上述した実施の形態の作用について説明する。前後進切換え装置1を前進として用いる場合、前進用クラッチC1を接続すると共に後進用ブレーキB1を解放する。この状態では、デュアルプラネタリギヤ装置2のキャリヤCRと入力軸3とが連結して、入力軸3に連結しているサンギヤSと共に、該プラネタリギヤ装置2が一体回転して、入力軸3の回転が直結状態でプライマリプーリ5に伝達される。
【0038】
また、前後進切換え装置1を後進として用いる場合、前進用クラッチC1を解放すると共に後進用ブレーキB1を係止する。この状態では、デュアルプラネタリギヤ装置2のリングギヤRが停止して、入力軸3からのサンギヤSの回転は、プラネタリピニオンP1,P2を自転しつつ、キャリヤCRから逆回転として出力して、該逆回転がプライマリプーリ5に伝達される。
【0039】
そして、入力軸3の潤滑油孔3aからの潤滑油は、各横孔3b〜3eを介してローラベアリング33,40,43、上記プラネタリギヤ装置の各歯面、並びにクラッチC1、ブレーキB1の各プレート16,27及び各ディスク19,31の間に供給されると共に、シリンダ部材9の孔bを通って潤滑油導入板41の導入溝42に導かれて、更に各ピニオンシャフト35,36の潤滑孔35a,36aに通って、各ニードルベアリング45,46部分に供給される。
【0040】
更に、該ニードルベアリング45,46部分を潤滑した潤滑油は、その両端部分から両スラストワッシャ50,50部分に導かれ、そしてピニオンP1,P2の側面のテーパ面52aとワッシャ50の凹溝底部51aとの空隙cを通って凹溝51に導入され、キャリヤCRの回転に伴う遠心力により外方に排出される。
【0041】
これにより、前記後進時におけるピニオンP1,P2の自転に際して、ニードルベアリング45,46に供給される潤滑油は、上記ワッシャ50の凹溝51から排出されることにより、潤滑油の流れを確保してニードルベアリング部分及びスラストワッシャ50とピニオン側面52との摺動面を冷却すると共に、確実に潤滑する。
【0042】
また、上記ピニオンの自転に伴い、各ピニオンP1,P2を支持するニードルベアリング45,46は、キャリヤ側板17,34と一体に回り止めされているワッシャ50との間に相対移動を生ずるが、該ベアリングの凸湾曲面からなる両端部45a,46aは、ワッシャ50の内径部分dである円環部分50dと同一平面からなる平坦面50f’に当接して、上記凹溝51に当接するような凹凸状当接に伴う支障を生じることなく、滑らかな相対移動を行う。
【0043】
また、該ワッシャ50が、1組のピニオンシャフト35,36に嵌合してキャリヤ側板17,34と一体に回転するので、相対移動は生じることがなく、上述した凹溝51が半径方向に貫通していないものであっても、支障となることはない。
【0044】
図4は、一部変更したスラストワッシャを示す図であり、本プラネタリピニオン用ワッシャ50’は、円環状からなると共に、回り止め用突起55が一側面方(50g)に折曲して形成されている。該ワッシャ50’は、1個のピニオンP1又はP2用にそれぞれ配置されており、かつ前述したものと同様な材料よりなると共に、表面処理が施されている。また、円環部本体50’cには孔部50’aが形成されていると共に、上記突起55が形成されていない側面50fに、前述と同様に、外周側から孔部50’aに向って途中まで延びる凹溝51が形成されている。
【0045】
本スラストワッシャ50’は、ピニオンシャフト35,36に孔部50’aを嵌合すると共に、キャリヤ側板17,34に形成した溝部又は孔部に上記突起55を差込んで回り止めをして、ピニオンP1,P2の両側面と両キャリヤ側板17,34との間に配置される。そして、同様に、ニードルベアリング45,46からの潤滑油は、凹溝51を通って排出され、ワッシャ及びピニオンとの摺動面の冷却を確保すると共に、ニードルベアリング45,46の端面は、ワッシャ50’の内径部分dである平坦面50f’に当接して、ニードルベアリングと側板との相対移動に支障を生じることはない。
【0046】
なお、上述実施の形態のスラストワッシャ50,50’は、ベルト式無段変速機の前後進切換え装置1に限らず、あわゆるプラネタリギヤ装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したベルト式無段変速機における前後進切換え装置を示す断面図。
【図2】そのピニオン用スラストワッシャを示す図で、(a)は左側面図、(b)は正面断面図、(c)は右側面図、(d)は(a)のB−B線断面図。
【図3】ピニオン側端面、一方のキャリヤ側板及びスラストワッシャ部分を示す拡大側面図。
【図4】他の実施の形態によるスラストワッシャを示す図で、(a)は左側面図、(b)は正面断面図、(c)は右側面図。
【符号の説明】
1 前後進切換え装置
2 (デュアル)プラネタリギヤ装置
17,34 キャリヤ側板
35,36 ピニオンシャフト
44 ピニオン内径面
45,46 (ニードル)ベアリング
45a,46a 端面
50,50’ スラストワッシャ
50a,50b,50’a 孔部
50c 本体
50d 円環部
50e 連結部
50f,50g 側面
50f’,50g’ 平坦面
51 凹溝
51a 内径側底部
52 ピニオン側端面
52a テーパ面
P1,P2 ピニオン
CR キャリヤ
R リングギヤ
S サンギヤ
c 空間部(間)
d 凹溝の内径側部分

Claims (6)

  1. リングギヤ、サンギヤ、及びピニオンを支持するキャリヤを有するプラネタリギヤ装置において、
    前記キャリヤは、前記ピニオンをベアリングを介して支持するピニオンシャフトと、該ピニオンシャフトを支持する側板と、を有し、
    前記ピニオンの側端面と前記側板との間に、該側板と一体回転するようにスラストワッシャを介在し、
    該スラストワッシャは、少なくとも前記ピニオン側の側面に外径側から孔部に向う途中まで延びる凹溝を有し、該凹溝の内径側底部が前記スラストワッシャと前記ベアリング端面とが当接する当接部より径方向外側に位置し、
    前記ベアリングに供給された潤滑油を、前記底部と前記ピニオン側端面の間を通って前記凹溝に導いて排出し、また前記ベアリング端面を前記スラストワッシャに当接し、
    前記凹溝の内径側底部は、前記ピニオンの前記ベアリングに接する内径面と同一半径近傍に位置し、かつ該底部の内径側が前記スラストワッシャの側面と同一平面からなる平坦面からなり、
    前記ベアリング端面を前記スラストワッシャの平坦面に当接してなる、
    ことを特徴とするプラネタリギヤ装置。
  2. 前記ピニオンの側端面内径側隅部にテーパ面を形成し、潤滑油を、該テーパ面と前記凹溝の底部との間を通って前記凹溝に導いてなる、
    請求項記載のプラネタリギヤ装置。
  3. 前記スラストワッシャは、2個の孔部と、該孔部周囲の円環部分と、前記両円環部分を連結する連結部と、を有し、
    前記2個の孔部に、隣接する前記ピニオンのピニオンシャフトを挿通してなる、
    請求項1又は2のいずれか記載のプラネタリギヤ装置。
  4. 前記プラネタリギヤ装置は、互いに噛合すると共に、前記リングギヤに噛合する外ピニオンと、前記サンギヤに噛合する内ピニオンとの複数の組を有するデュアルプラネタリギヤ装置であり、
    前記隣接するピニオンが、前記1組の外ピニオンと内ピニオンである、
    請求項記載のプラネタリギヤ装置。
  5. 前記スラストワッシャは、前記凹溝が両側面に形成されてなる、
    請求項又は記載のプラネタリギヤ装置。
  6. 前記スラストワッシャは、回り止め用の突起を有する円環状の部材からなり、
    前記突起を前記側板に係合してなる、
    請求項1又は2のいずれか記載のプラネタリギヤ装置。
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