JP7207161B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機に関し、車両用の自動変速機の技術分野に属する。
従来、車両に搭載される自動変速機として、エンジンなどの駆動源に連結されたトルクコンバータなどの流体伝動装置と、流体伝動装置に連結されると共に複数のプラネタリギヤセット(遊星歯車機構)及びクラッチやブレーキなどの複数の摩擦締結要素を備えた変速機構とを有し、油圧制御によって複数の摩擦締結要素を選択的に締結して減速比の異なる複数の変速段を達成するようにしたものが一般に知られている。
近年、自動変速機の多段化による大型化回避や軽量化要求等に応じて流体伝動装置を廃止する傾向がある。この場合、発進時に1速の変速段で締結される少なくとも1つの摩擦締結要素をスリップ制御することによりエンジンストールを回避しながら円滑な発進を実現することが考えられる。
発進時に1速の変速段で締結される摩擦締結要素をスリップ制御する場合、油圧室が回転するクラッチに比べて油圧室が回転しないブレーキの方が締結時の制御性が良いことから、発進時に1速の変速段で締結されるブレーキ(以下、「発進用ブレーキ」という)をスリップ制御することが考えられる。
このように構成された自動変速機では、発進用ブレーキは、スリップ制御の実施頻度が多くなることから、所要の耐久性を維持するためにスリップ制御による摩擦板の発熱を効果的に抑制する必要がある。
摩擦板の発熱を抑制するために、摩擦板に供給する潤滑用の作動油の量を多くして冷却性能を高めることが考えられるが、変速機ケースの内周面と変速機ケース内に収納された所定の回転部材の外周面との間に複数の摩擦板が配置されたブレーキでは、変速機ケースの内周面付近に潤滑用の作動油が滞留して摩擦板間に粘性による引き摺り抵抗が生じて回転抵抗を増大させるおそれがある。
これに対するものとして、例えば特許文献1には、発進時にスリップ制御される1速の変速段で締結されるブレーキにおいて、変速機ケースに結合されたハブ部材の外周面と所定の回転部材に結合されたドラム部材の内周面との間に複数の摩擦板を配置するようにしたものが開示されている。
図14は、従来の自動変速機のブレーキを示す断面図である。図14に示すように、このブレーキ200は、変速機ケース201に結合されたハブ部材202と、所定の回転部材203に結合されたドラム部材204と、ハブ部材202とドラム部材204との間に配置された複数の摩擦板205と、複数の摩擦板205を締結するピストン206とを有している。ハブ部材202は、変速機ケース201に結合されたハブ支持部材209を介して、変速機ケース201に結合されている。
ブレーキ200では、潤滑用供給油路207は、矢印208で示すように、変速機ケース201からハブ支持部材209内を通じて径方向内側に延び、ハブ部材202の外周面に形成されたスプライン部210を通じて軸方向一方側から軸方向他方側に延び、複数の摩擦板205に潤滑用の作動油を供給するようになっている。
潤滑用の作動油は、ドラム部材204にスプライン係合された摩擦板205の遠心力を受けて、矢印211で示すように、径方向外側に移動して摩擦板205間に供給され、スリップ制御による摩擦板205の発熱を冷却するようになっている。そして、ドラム部材204の内周面に移動した潤滑用の作動油は、ドラム部材204の回転によって、矢印212で示すように軸方向外側に移動して滞留することを抑制するようになっている。
特開2016-90048号公報
ところで、自動変速機の多段化による軸方向寸法の拡大を抑制するために、ハブ部材の径方向内側に締結用油圧室及び解放用油圧室を配置することで、特に、変速機ケース内の外周周りの軸方向寸法を短縮して、変速機ケースの径の大きな範囲を短縮することが考えられている。
この場合、ハブ部材の径方向内側に配置された締結用油圧室及び解放用油圧室に作動油を供給するための油路は、図14に示される前述の連絡部材をハブ部材の径方向内側まで延長させることで油路を形成することが有効と考えられる。
しかしながら、変速機ケースの径方向内側において、油路を備えたハブ支持部材を配置するために、軸方向にスペースが必要となり、周辺部品との干渉を回避するために軸方向寸法が拡大するおそれがある。
そこで、本発明は、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置され、ハブ部材の径方向内側に油圧室が配置されたブレーキを備えた自動変速機において、径方向内側に延びる油路を軸方向に効率よく配置することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
変速機ケースに結合された回転不能なハブ部材と、回転要素に結合された回転可能なドラム部材と、前記ハブ部材と前記ドラム部材との間に配置される複数の摩擦板と、前記複数の摩擦板を締結するピストンと、前記ピストンを付勢する作動油が供給される油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機であって、
前記油圧室は、前記ハブ部材の径方向内側に配置され、
前記ハブ部材の反ピストン側の側部には、前記変速機ケースに固定されるとともに前記ハブ部材を支持するハブ支持部材が当接されており、
前記ハブ部材の径方向内側には、前記油圧室を形成する油圧室構成部材が配置され、
前記ハブ支持部材は、前記ハブ部材よりも径方向内側まで延長される延長部を備え、
前記ハブ支持部材の延長部と前記油圧室構成部材とは、軸方向の合わせ面で結合されており、
前記ハブ支持部材には、径方向に延びるとともに前記合わせ面に開放された径方向油路が設けられ、
前記油圧室構成部材には、前記油圧室に連通するとともに前記合わせ面に開放された軸方向油路が設けられ、
前記合わせ面には、該合わせ面に沿って径方向に延びるとともに、前記径方向油路と前記軸方向油路とを連通させるための連通油路が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記合わせ面には、前記連通油路の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材が装着されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2または前記請求項3に記載の発明において、
前記ハブ支持部材には、前記径方向油路と前記連通油路とを接続する傾斜油路が設けられ、
該傾斜油路は、径方向内側に向かいながら前記連通油路に接続するように前記合わせ面に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、
前記油圧室は、前記ピストンを締結方向に付勢する作動油が供給される締結用油圧室と、前記ピストンを解放方向に付勢するように作動油が供給される解放用油圧室とを有し、
前記ハブ支持部材には、前記締結用油圧室と、前記解放用油圧室とにそれぞれ接続される締結用供給油路と、解放用供給油路とが設けられ、
前記締結用供給油路は、前記径方向油路と、前記軸方向油路と、前記連通油路と、前記傾斜油路とを備え、
前記解放用供給油路は、前記径方向油路と、前記軸方向油路と、前記連通油路と、前記傾斜油路とそれぞれ同じ構成を備える第2の径方向油路と、第2の軸方向油路と、第2
の連通油路と、第2の傾斜油路とを備え、
前記締結用供給油路と、前記解放用供給油路とは、それぞれ周方向に異なる位置に配設されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記4に記載の発明において、
前記油圧室構成部材は、前記ハブ部材に嵌合される外周側円筒部を有し、
前記外周側円筒部と前記ハブ部材との嵌合部には、前記摩擦板に潤滑油を供給するための周方向に延びる周方向油路が形成されており、
前記ハブ支持部材には、径方向に延びる第3の径方向油路と、軸方向に延びるとともに該第3の径方向油路と前記周方向油路とを接続する第3の軸方向油路が設けられ、
前記第3の径方向油路は、前記第1及び第2の径方向油路と周方向位置を異ならせて配置されていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、ハブ部材の径方向内側に配置された油圧室に作動油を供給するための径方向油路と油圧室に連通する軸方向油路とを接続する連通油路が、ハブ支持部材の延長部と油圧室構成部材との合わせ面に沿って設けられていることにより、径方向油路を備えたハブ支持部材を径方向内側まで延長するとともに軸方向油路に接続する場合に比し、変速機ケースの径方向内側における軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
具体的には、例えば、ハブ支持部材の延長部に設けられた連通油路は、ハブ支持部材の延長部と油圧室構成部材との合わせ面側に向けて開放されるとともに、解放された部位が油圧室構成部材で覆われることで形成されているので、連通油路をハブ支持部材の延長部のみに設けた場合に比して、連通油路の油圧室構成部材側の壁を省略することができるので、連通油路の軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、合わせ面には、連通油路の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材を装着することにより、ハブ支持部材の延長部と油圧室構成部材との合わせ面に沿って設けられた連通油路の流れる作動油を確実に油圧室に供給することができる。したがって、簡素な構造で、効果的に軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、第1の傾斜油路は、径方向内側に向かいながら、第1の径方向油路と第1の連通油路とを接続するように傾斜させて形成されていることにより、例えば、第1の径方向油路と第1の連通油路とが軸方向にオフセットしている場合において、第1の傾斜油路を傾斜させない場合に比して軸方向のスペース効率を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、締結用供給油路と解放用供給油路とが、径方向油路及び第2の径方向油路と、軸方向油路及び第2の軸方向油路と、連通路及び第2の連通油路と、傾斜油路及び第2の傾斜油路を備えるとともに、締結用供給油路と解放用供給油路とがそれぞれ周方向に異なる位置に配設されていることにより、締結用供給油路及び解放用供給油路を備えた構成においても軸方向寸法をコンパクトにすることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、摩擦板潤滑のための潤滑用供給油路を構成する第3の径方向油路が、締結用供給油路及び解放用供給油路と周方向位置を異ならせて配置されているので、ハブ支持部材に締結用供給油路及び解放用供給油路に加えて潤滑用供給油路を備えた構成においても軸方向寸法をコンパクトにすることができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。 自動変速機の摩擦締結要素の締結表である。 自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面図である。 自動変速機のブレーキ及びその周辺の別の断面図である。 自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。 自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。 ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す斜視図である。 ブレーキのハブ部材、ハブ支持部材及び第1油圧室構成部材の組付状態を示す斜視図である。 ブレーキのハブ部材及びハブ支持部材の組付状態を示す斜視図である。 ハブ部材を示す斜視図である。 ハブ支持部材を示す斜視図である。 ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す別の斜視図である。 第1油圧室構成部材を示す斜視図である。 従来の自動変速機のブレーキを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。この自動変速機10は、エンジンなどの駆動源にトルクコンバータなどの流体伝動装置を介することなく連結されている。自動変速機10は、変速機ケース11内に、駆動源に連結されて駆動源側(図の左側)に配設された入力軸12と、反駆動源側(図の右側)に配設された出力軸13とを有している。自動変速機10は、入力軸12と出力軸13とが同一軸線上に配置されたフロントエンジン・リヤドライブ車用等の縦置き式のものである。
入力軸12及び出力軸13の軸心上には、駆動源側から、第1、第2、第3、第4プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3、第4ギヤセット」という)PG1、PG2、PG3、PG4が配設されている。
変速機ケース11内において、第1ギヤセットPG1の駆動源側に第1クラッチCL1が配設され、第1クラッチCL1の駆動源側に第2クラッチCL2が配設され、第2クラッチCL2の駆動源側に第3クラッチCL3が配設されている。また、第3クラッチCL3の駆動源側に第1ブレーキBR1が配設され、第3ギヤセットPG3の駆動源側且つ第2ギヤセットPG2の反駆動源側に第2ブレーキBR2が配設されている。
第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4は、いずれも、キャリヤに支持されたピニオンがサンギヤとリングギヤに直接噛合するシングルピニオン型である。第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4はそれぞれ、回転要素として、サンギヤS1、S2、S3、S4と、リングギヤR1、R2、R3、R4と、キャリヤC1、C2、C3、C4とを有している。
第1ギヤセットPG1は、サンギヤS1が軸方向に2分割されたダブルサンギヤ型である。サンギヤS1は、駆動源側に配置された第1サンギヤS1aと、反駆動源側に配置された第2サンギヤS1bとを有している。第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、同一歯数を有し、キャリヤC1に支持された同一ピニオンに噛合する。これにより、第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、常に同一回転する。
自動変速機10では、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とが常時連結され、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1と第2ギヤセットPG2のサンギヤS2とが常時連結され、第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とが常時連結され、第3ギヤセットPG3のキャリヤC3と第4ギヤセットPG4のリングギヤR4とが常時連結されている。
入力軸12は、第1ギヤセットPG1のキャリヤC1に第1サンギヤS1a及び第2サンギヤS1bの間を通じて常時連結され、出力軸13は、第4ギヤセットPG4のキャリヤC4に常時連結されている。
第1クラッチCL1は、入力軸12及び第1ギヤセットPG1のキャリヤC1と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっており、第2クラッチCL2は、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1及び第2ギヤセットPG2のサンギヤS2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設され、これらを断接するようになっており、第3クラッチCL3は、第2ギヤセットPG2のリングギヤR2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
第1ブレーキBR1は、変速機ケース11と第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第1サンギヤS1aとの間に配設されて、これらを断接するようになっており、第2ブレーキBR2は、変速機ケース11と第3ギヤセットPG3のリングギヤR3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
以上の構成により、自動変速機10は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2の締結状態の組み合わせにより、図2に示すように、Dレンジでの1~8速と、Rレンジでの後退速とが形成されるようになっている。
自動変速機10では、発進時に1速の変速段で締結される第2ブレーキBR2がスリップ制御され、第2ブレーキBR2が本発明に係る自動変速機の摩擦締結要素に相当する。以下、このブレーキBR2について説明する。
図3は、自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面図、図4は、自動変速機のブレーキ及びその周辺の別の断面図、図5及び図6はそれぞれ、自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。図3は、図7のY3-Y3線に沿った断面に対応する自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面を示し、図4、図5、図6はそれぞれ、図12のY4-Y4線、Y5-Y5線、Y6-Y6線に沿った断面に対応する自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面を示している。
図3から図6に示すように、ブレーキBR2は、略円筒状に形成された変速機ケース11内に収容され、第3ギヤセットPG3のサンギヤS3に連結されて第1、第2、第3クラッチCL1、CL2、CL3の内外一対の回転部材の一方が一体化された動力伝達部材14の外周側に配置されている。
動力伝達部材14は、第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とを連結する動力伝達部材15の外周側に配置され、動力伝達部材15は、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とを連結する動力伝達部材16の外周側に配置されている。
ブレーキBR2は、変速機ケース11に結合されるハブ部材20と、ハブ部材20の反駆動源側に配置されて第3ギヤセットPG3のリングギヤR3に結合されるドラム部材60と、ハブ部材20とドラム部材60との間に軸方向に並べて配置される複数の摩擦板70と、複数の摩擦板70の反駆動源側に配置されて複数の摩擦板70を締結するピストン80とを有している。
ブレーキBR2は、ハブ部材20の径方向内側にピストン80を付勢する作動油が供給される油圧室90を有している。油圧室90は、ピストン80を締結方向に付勢する締結用作動油が供給される締結用油圧室91と、ピストン80を解放方向に付勢する解放用作動油が供給される解放用油圧室92とを備えている。
ブレーキBR2はまた、図3に示すように、ハブ部材20の径方向内側にピストン80を付勢する付勢部材としてピストン80に締結方向に付勢力を作用させるスプリング101を備えている。
ハブ部材20は、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部22と、縦壁部22の径方向内側において縦壁部22から反駆動源側に略円筒状に延びる円筒部23とを備えている。
ハブ部材20は、縦壁部22の外周面にスプラインが形成されたスプライン部24を有し、スプライン部24が変速機ケース11の内周面にスプラインが形成されたスプライン部11aにスプライン係合されて変速機ケース11に結合されている。
ハブ部材20の円筒部23は、外周面にスプラインが形成されたスプライン部25を有し、スプライン部25に、摩擦板70を構成する固定側摩擦板71がスプライン係合されている。
スプライン部25は、図10に示すように、スプライン部25が複数の摩擦板70の解放状態においても複数の摩擦板70にスプライン係合する所定の軸方向長さを有する第1歯部26と、第1歯部26より軸方向長さが短く形成されて複数の摩擦板70にスプライン係合する第2歯部27とを有している。ハブ部材20には、複数、具体的には3つの第1歯部26が周方向に略等間隔に配置されている。
ハブ支持部材31は、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部32を備えている。ハブ支持部材31の縦壁部32には、図4に示すように、摩擦板70に潤滑用作動油を供給する潤滑用供給油路L1が形成されている。
ハブ支持部材31は、縦壁部32の外周面がハブ部材20のスプライン部24の駆動源側において変速機ケース11の内周面11bに嵌合されている。ハブ支持部材31は、スナップリング17により駆動源側への抜け止めが図られると共に回り止めピン18を用いて変速機ケース11に固定され、変速機ケース11に結合されている。なお、ハブ支持部材31を変速機ケース11の内周面11bに圧入によって嵌合させて固定し、変速機ケース11に結合させるようにしてもよい。
変速機ケース11の下方には、図4に示すように、ブレーキBR2の油圧室90や摩擦板70などに作動油を供給するバルブボディ5が配設されている。バルブボディ5は、変速機ケース11の下方に取り付けられたオイルパン(不図示)内に収容され、変速機ケース11に固定されている。ハブ支持部材31は、バルブボディ5に接続するためのバルブボディ接続部34を有し、変速機ケース11に形成されたケース開口部11cを通じて潤滑用供給油路L1がバルブボディ5に接続されるように形成されている。
ハブ支持部材31の縦壁部32には、図5に示すように、締結用油圧室91に締結用作動油を供給する締結用供給油路L2が形成されると共に、図6に示すように、解放用油圧室92に解放用作動油を供給する解放用供給油路L3が形成されている。
図11に示すように、潤滑用供給油路L1、解放用供給油路L3及び締結用供給油路L2は、変速機ケース11の下方側に周方向に並んで配置され、ハブ支持部材31は、潤滑用供給油路L1、解放用供給油路L3及び締結用供給油路L2がそれぞれバルブボディ5に接続されるように形成されている。
ハブ支持部材31の縦壁部32には、図3に示すように、反駆動源側に駆動源側に窪む段差部32aが形成されている。ハブ支持部材31の段差部32aは、ハブ支持部材31の縦壁部32にハブ部材20の縦壁部22が当接されたときにハブ部材20の縦壁部22の内周側が係合するように形成されている。
ハブ支持部材31の縦壁部32は、ハブ部材20の径方向内側まで延長される延長部32bが設けられている。ハブ支持部材31の縦壁部32(延長部32b)には、内周側に反駆動源側に略円柱状に延びる複数のボス部35が形成されている。複数のボス部35は、図9及び図11に示すように、周方向に分散して配置され、ボス部35にはそれぞれ、反駆動源側にネジ孔35aが形成されている。ボス部35のネジ孔35aに第2油圧室構成部材51の反駆動源側から締結ボルトB1を螺合させることによりハブ支持部材31の反駆動源側に第1油圧室構成部材41及び第2油圧室構成部材51が結合されている。
第1油圧室構成部材41は、図3に示すように、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部42と、縦壁部42の径方向外側から反駆動源側に略円筒状に延びる外周側円筒部としての第1円筒部43と、縦壁部42の径方向内側から反駆動源側に略円筒状に延びる第2円筒部44とを備え、第1円筒部43及び第2円筒部44は、略等しい軸方向長さを有するように形成されている。
第1油圧室構成部材41の縦壁部42の駆動源側の面は、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面に軸方向の合わせ面Fで当接されている。
第1油圧室構成部材41の第1円筒部43は、ハブ部材20の円筒部23の径方向内側に設けられている。第1油圧室構成部材41の第1円筒部43は、反駆動源側にハブ部材20の円筒部23の内周面に嵌合するように径方向外側に延びるフランジ部43aを備え、ハブ部材20の円筒部23との間に潤滑用供給油路L1を形成するように設けられている。
第1油圧室構成部材41の第2円筒部44は、駆動源側の外周面44aと反駆動源側の外周面44bとを有し、反駆動源側の外周面44bは、解放用油圧室92を形成するように駆動源側の外周面44aに比して径方向寸法が小さく形成されている。
第1油圧室構成部材41の第2円筒部44にはまた、図3、図8及び図13に示すように、駆動源側から反駆動源側に略矩形状に窪んでハブ支持部材31の複数のボス部35をそれぞれ収容する複数のボス部収容部45と、締結ボルトB1を挿通するボルト挿通穴44cとが形成されている。
第2油圧室構成部材51は、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成され、第1油圧室構成部材41の反駆動源側に配置されている。第2油圧室構成部材51の径方向内側には、締結ボルトB1を挿通するボルト挿通穴52が形成されている。
前述したように、第2油圧室構成部材51の反駆動源側から第2油圧室構成部材51のボルト挿通穴52及び第1油圧室構成部材41のボルト挿通穴44cを通じて締結ボルトB1をハブ支持部材31のネジ孔35aに螺合させることにより、ハブ支持部材31の反駆動源側に第1油圧室構成部材41が結合されると共に第1油圧室構成部材41の反駆動源側に第2油圧室構成部材51が結合されている。
第2油圧室構成部材51は、第1油圧室構成部材41の第2円筒部44より径方向外側に延びるように形成され、第2油圧室構成部材51の外周面がシール部材53を介してピストン80に嵌合されている。
第2油圧室構成部材51の後述するピストン80の油圧室形成部82に対向する対向面(駆動源側の面)54には、反駆動源側に窪む段部が設けられている。第2油圧室構成部材51のピストン80に対向する対向面54には、シム部材55が配置されるとともに、該シム部材55の径方向内側端部が段部に配置されている。
シム部材55は、後述する複数のスプリング101及びピストン80の複数のストッパ部86が当接される。シム部材55は、ピストン80のストッパ部86がシム部材55の駆動源側の側面に当接するときに、ピストン80を所定の解放位置に規制するようになっている。このようにして、第2油圧室構成部材51に、ピストン80を解放位置に規制する規制部材を構成するシム部材55が取り付けられている。
ハブ支持部材31、ハブ部材20、第1油圧室構成部材41及び第2油圧室構成部材51がそれぞれ、アルミニウム系材料から形成されて同一材料から形成されている。
ドラム部材60は、ハブ部材20の円筒部23の外周側に対向配置されて略円筒状に軸方向に延びる円筒部61と、円筒部61の反駆動源側から径方向内側に変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部62とを備えている。
ドラム部材60の縦壁部62は、回転部材としてのリングギヤR3に結合されている。ドラム部材60の円筒部61は、内周面にスプラインが形成されたスプライン部61aを有し、スプライン部61aに、摩擦板70を構成する回転側摩擦板72がスプライン係合されている。固定側摩擦板71と回転側摩擦板72とは、軸方向に交互に配置されている。
ピストン80は、ハブ部材20とドラム部材60との間に、具体的にはハブ部材20の円筒部23とドラム部材60の円筒部61との間に配置されて第1油圧室構成部材41の第2円筒部44の外周面に摺動自在に嵌合されている。ピストン80は、第2油圧室構成部材51によって反駆動源側への抜け止めが図られている。
ピストン80は、環状に形成され、図4に示すように、外周側に設けられて摩擦板70を押圧する押圧部81と、内周側に設けられて油圧室90を形成する油圧室形成部82と、押圧部81と油圧室形成部82とを連結する連結部83と、ピストン80の解放位置を規制する複数のストッパ部86…86と、を備えている。
ピストン80の押圧部81は、摩擦板70の反駆動源側に配置され、油圧室形成部82は、ハブ部材20の径方向内側に配置され、連結部83は、押圧部81と油圧室形成部82とを連結するように摩擦板70の反駆動源側から摩擦板70の径方向内側に延びている。
ピストン80の油圧室形成部82は、ハブ部材20の径方向内側で径方向に延びる反駆動源側の面(第2油圧室構成部材51側の面)84によって、締結用油圧室91の一部を構成している。油圧室形成部82の内周部には、内径側から外径側に向けて窪む段部85が設けられており、該段部85と第1油圧室構成部材41の内側円筒部44とによって解放用油圧室92が区画されている。
ピストン80は、摩擦板70の反駆動源側から径方向内側に延びて第2油圧室構成部材51の外周面に嵌合されると共に、第2油圧室構成部材51より駆動源側を径方向内側に延びて第1油圧室構成部材41の第2円筒部44の外周面44a、44bに嵌合されている。ピストン80の油圧室形成部82の径方向内側における反駆動源側の端部には、油圧室形成部82と第1油圧室構成部材41との間をシールするシール部材87が装着されている。ピストン80の油圧室形成部82の径方向内側における駆動源側の端部には、油圧室形成部82と、第1油圧室構成部材41との間をシールするシール部材88が装着されている。
このようにして、締結用油圧室91は、ピストン80の油圧室形成部82の反駆動源側の面84、第1油圧室構成部材41及び第2油圧室構成部材51によって区画された空間部によって形成されている。解放用油圧室92は、ピストン80の油圧室形成部82の段部85及び第1油圧室構成部材41によって区画された空間部によって形成されている。
図3に示すように、複数のストッパ部86は、締結用油圧室91内に配置されている。各ストッパ部86は、円柱状に形成されている。ストッパ部86は、ピストン80の油圧室形成部82の反駆動源側の面から第2油圧室構成部材51のピストン対向面側に延びて形成されている。各ストッパ部86は、ピストン80の解放状態において、第2油圧室構成部材51のシム部材55と当接することで、ピストン80の解放位置を規制するように構成されている。
図5に示すように、スプリング101は、締結用油圧室91内に配置されている。締結用油圧室91を形成するピストン80における油圧室形成部82は、反駆動源側の面84がスプリング101による付勢力を受けるようになっている。スプリング101の反ピストン側の端部は、第2油圧室構成部材51のピストン80に対する対向面54に配置されたシム部材55に当接するように配置されている。スプリング101と締結用油圧室91及び解放用油圧室92とは、ハブ部材20の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置されている。
軸方向に延びるコイルスプリングからなる複数のスプリング101は、環状に形成された保持プレート102に駆動源側の端部が保持されている。保持プレート102には、反駆動源側に円筒状に突出して複数のスプリング101がそれぞれ装着される複数のスプリングガイド部103が設けられ、複数のスプリング101が径方向にオーバーラップする位置且つ周方向に異なる位置に配置されている。各スプリング101には、ピストン80の各ストッパ部86が駆動源側から挿入されている。
ピストン80は、シム部材55の厚さを調整することによって、解放位置におけるピストン80の押圧部81の押圧面と摩擦板70との隙間を所定値に保持することができるようになっている。このとき、ストッパ部86及びスプリング101は、ピストン80とシム部材55との間で並列に設けられているので、シム部材55の厚さの変更によって、解放状態におけるスプリング101の圧縮状態に影響を与えることが抑制され得る。
スプリング101は、保持プレート102を介して、ピストン80の油圧室形成部82の反駆動源側に支持されると共にスプリング101の反駆動源側が第2油圧室構成部材51の駆動源側にシム部材55を介して支持されている。スプリング101は、スプリング101が自由長さとなったときにピストン80がゼロクリアランス位置になるように設定されている。
このようにして、スプリング101は、ピストン80に解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させるようになっている。そして、ピストン80がゼロクリアランス位置にあるときに締結用油圧室91に締結用油圧を供給すると、ピストン80が複数の摩擦板70を押し付けて、複数の摩擦板70がハブ部材20の縦壁部22とピストン80との間に挟み込まれて相対回転不能になる締結状態となる。
一方、ピストン80が締結位置にあるときに、締結用油圧室91から締結用油圧を排出して解放用油圧室92に解放用油圧を供給すると、ピストン80が解放方向に付勢されて移動され、ピストン80がゼロクリアランス位置に移動される。ピストン80はさらに、スプリング101に抗して解放方向に付勢されて移動され、解放位置に移動される。
自動変速機10では、図3に示すように、ピストン80の連結部83にハブ部材20の円筒部23のスプライン部25に対応して切り欠かれたハブ部材用切欠部83bが形成されている。ハブ部材20の円筒部23のスプライン部25の反駆動源側は、ピストン80のハブ部材用切欠部83bに嵌合され、ハブ部材20とピストン80とは、軸方向にオーバーラップして配置されている。
ピストン80には、図7に示すように、ハブ部材20の複数、具体的には3つの第1スプライン歯26に対応して3つのハブ部材用切欠部83bが周方向に略等間隔に形成されている。
ハブ部材20は、ピストン80が周方向に回動するときにハブ部材用切欠部83bの側面83cがハブ部材20の第1スプライン歯26の側面に当接してピストン80が所定量以上、例えばピストン80の回動角度が1度となる所定量以上回動することを規制するようになっている。
ハブ支持部材31には、図11に示すように、締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3の近傍に2つのボルト挿通穴32cが形成されている。図13に示すように、第1油圧室構成部材41には、ハブ支持部材31のボルト挿通穴32cに対応してネジ孔41aが形成されている。
第1油圧室構成部材41は、図12に示すように、ハブ支持部材31の駆動源側から締結ボルトB2をハブ支持部材31のボルト挿通穴32cを通じて第1油圧室構成部材41のネジ孔41aに螺合させることによりハブ支持部材31に結合されている。第1油圧室構成部材41には、図13に示すように、駆動源側にハブ支持部材31と第1油圧室構成部材41との間において締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3の周囲をシールするシール部材47が装着されている。
次に、ブレーキBR2に作動油を供給する供給油路について説明する。
摩擦板70に潤滑用作動油を供給する潤滑用供給油路L1は、ハブ部材20、ハブ支持部材31及び第1油圧室構成部材41に形成されている。締結用油圧室91に締結用作動油を供給する締結用供給油路L2は、ハブ支持部材31、第1油圧室構成部材41及び第2油圧室構成部材51に形成されている。解放用油圧室92に解放用作動油を供給する解放用供給油路L3は、ハブ支持部材31及び第1油圧室構成部材41に形成されている。
潤滑用供給油路L1は、図3及び図4に示すように、ハブ支持部材31の縦壁部32に設けられて径方向に延びる径方向油路131と、ハブ支持部材31の径方向油路131に接続されてハブ部材20の円筒部23と第1油圧室構成部材41の円筒部43との嵌合部Xに周方向に環状に設けられる周方向油路132と、径方向油路131と周方向油路132とを接続するとともに、軸方向に延びる第3の軸方向油路としての軸方向油路133と、ハブ部材20の円筒部23に設けられて周方向油路132に接続されると共にハブ部材20の円筒部23の外周面に開口して摩擦板70に潤滑用作動油を供給する供給口134とを備えて構成されている。
なお、本実施形態においては、周方向油路132は、第1油圧室構成部材41の円筒部43の外周面と、ハブ部材20の円筒部23の内周面との間の嵌合部Xにおいて、第1油圧室構成部材41の円筒部43の外周面を径方向内側に凹設させて形成されているが、ハブ部材20の円筒部23の内周面を径方向外側に凹設させて形成されてもよいし、第1油圧室構成部材41の円筒部43の外周面と、ハブ部材20の円筒部23の内周面との両者を凹設させて形成されてもよい。
図10に示すように、供給口134は、ハブ部材20の円筒部23の軸方向に並んで複数設けられると共に、ハブ部材20の円筒部23の周方向に離間して複数設けられる。供給口134は、ハブ部材20の円筒部23のスプライン部25の各第1スプライン歯26の歯先に開口するように設けられる。
供給口134が設けられている第1スプライン歯26の歯先には、周方向の中心位置に軸方向に延びる溝部が形成されており、供給口134は、溝部の溝底面に形成されている。これにより、第1スプライン歯26の歯先に溝部を設けない場合に比して、スプライン部25に係合される各摩擦板70と供給口134との間の距離が拡大されるので、潤滑油の供給による意図しない摩擦板の移動が抑制され得る。
ハブ支持部材31は、潤滑用供給油路L1がバルブボディ5に接続されるように形成されている。ハブ支持部材31の径方向油路131は、ハブ支持部材31の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、潤滑用供給油路L1を通じて複数の摩擦板70に潤滑用作動油を供給できるようになっている。
締結用供給油路L2は、図5に示すように、ハブ支持部材31の縦壁部32に設けられるとともにハブ支持部材31の延長部32bと第1油圧室構成部材41との合わせ面Fに開放されて径方向に延びる径方向油路111と、第1油圧室構成部材41の第2円筒部44に設けられて合わせ面Fに開放されて軸方向に延びるとともに、第2油圧室構成部材51に設けられて径方向に延びる径方向油路112を介して締結用油圧室91に開口して接続される軸方向油路113とを備えて構成されている。
締結用供給油路L2は、合わせ面Fに設けられて、該合わせ面Fに沿って径方向に延びるとともに、径方向油路111と軸方向油路113とを連通させるための連通油路114と、ハブ支持部材31に設けられて径方向油路111と連通油路114とを接続する傾斜油路115とが備えられている。傾斜油路115は、径方向内側に向かいながら連通油路114に接続するように合わせ面Fに向かって傾斜して形成されている。
前述のように、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との合わせ面Fには、連通油路114及び傾斜油路115の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材47が装着されている。
なお、本実施形態においては、連通油路114は、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との合わせ面Fにおいて、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面を駆動源側に凹設させて形成されているが、第1油圧室構成部材41の縦壁部42を反駆動源側に凹設させて形成されてもよいし、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との両者を凹設させて形成されてもよい。
ハブ支持部材31の連通油路114及び傾斜油路115の反駆動源側は、第1油圧室構成部材41によって覆われて形成され、第2油圧室構成部材51の径方向油路112は、第1油圧室構成部材41によって覆われて形成されている。
ハブ支持部材31は、締結用供給油路L2がバルブボディ5に接続されるように形成されている。ハブ支持部材31の径方向油路111は、ハブ支持部材31の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、締結用供給油路L2を通じて締結用油圧室91に締結用作動油を供給して所定の締結用油圧を供給できるようになっている。
解放用供給油路L3は、図6に示すように、ハブ支持部材31の縦壁部32に設けられるとともにハブ支持部材31の延長部32bと第1油圧室構成部材41との合わせ面Fに開放されて径方向に延びる径方向油路111と、第1油圧室構成部材41の第2円筒部44に設けられて合わせ面Fに開放されて軸方向に延びるとともに解放用油圧室92に開口して接続される軸方向油路122とを備えて構成されている。
解放用供給油路L3は、合わせ面Fに設けられて、該合わせ面Fに沿って径方向に延びるとともに、径方向油路121と軸方向油路122とを連通させるための連通油路123と、ハブ支持部材31に設けられて径方向油路121と連通油路123とを接続する傾斜油路124とが備えられている。傾斜油路124は、径方向内側に向かいながら連通油路123に接続するように合わせ面Fに向かって傾斜して形成されている。
前述のように、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との合わせ面Fには、連通油路123及び傾斜油路124の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材47が装着されている。
なお、本実施形態においては、連通油路123は、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との合わせ面Fにおいて、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面を駆動源側に凹設させて形成されているが、第1油圧室構成部材41の縦壁部42を反駆動源側に凹設させて形成されてもよいし、ハブ支持部材31の延長部32bの反駆動源側の面と第1油圧室構成部材41の縦壁部42との両者を凹設させて形成されてもよい。
ハブ支持部材31の連通油路123及び傾斜油路124の反駆動源側は、第1油圧室構成部材41によって覆われて形成されている。
ハブ支持部材31は、解放用供給油路L3がバルブボディ5に接続されるように形成されている。ハブ支持部材31の径方向油路121は、ハブ支持部材310の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、解放用供給油路L3を通じて解放用油圧室92に解放用作動油を供給して所定の解放用油圧を供給できるようになっている。
自動変速機10では、図11に示すように、締結用供給油路L2、解放用供給油路L3及び潤滑用供給油路L1をそれぞれ構成する径方向油路111、121、131が周方向に並んで配置されている。図12に示すように、潤滑用供給油路L1を構成する周方向油路132は、径方向油路131に接続されると共に周方向に環状に延びている。
このようにして構成されたブレーキBR2によれば、ハブ部材20の径方向内側に配置された油圧室90に作動油を供給するための径方向油路111、121と、油圧室90に連通する軸方向油路113、122とを接続する連通油路114、123が、ハブ支持部材31の延長部32bと、第1油圧室構成部材41との合わせ面Fに沿って設けられていることにより、径方向油路111、121を備えたハブ支持部材31を径方向内側まで延長するとともに軸方向油路113、122に接続する場合に比し、変速機ケース11の径方向内側における軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
ハブ支持部材31の延長部32bに設けられた連通油路114、123は、ハブ支持部材31の延長部32bと第1油圧室構成部材41との合わせ面F側に向けて開放されるとともに延長部32bの反駆動源側の面が第1油圧室構成部材41で覆われることで形成されているので、連通油路114、123をハブ支持部材31の延長部32bのみに設けた場合に比して、連通油路114、123の第1油圧室構成部材41側の壁を省略することができ、連通油路114、123の軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
また、ハブ支持部材31の延長部32bと第1油圧室構成部材41との合わせ面Fには、連通油路114、123の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材47、47が装着されているので、ハブ支持部材31の延長部32bと第1油圧室構成部材41との合わせ面Fに沿って設けられた連通油路114、123内の作動油を確実に油圧室90に供給することができる。したがって、簡素な構造で、効果的に軸方向寸法をコンパクトに構成することができる。
また、傾斜油路115、124は、径方向内側に向かいながら、径方向油路111、121と連通油路114、123とを接続するように傾斜させて形成されていることにより、例えば、径方向油路111、121と連通油路114、123とが軸方向にオフセットしている場合において、傾斜油路115、124を傾斜させない場合に比して軸方向のスペース効率を向上させることができる。
また、締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3に備えられた径方向油路111、121と、軸方向油路113、122と、連通油路114、123と、傾斜油路115、124は、それぞれ周方向に異なる位置に配設されていることにより、締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3を備えた構成においても軸方向寸法をコンパクトにすることができる。
また、摩擦板潤滑のための潤滑用供給油路L1を構成する径方向油路131が、締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3と周方向位置を異ならせて配置されているので、ハブ支持部材31に締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3に加えて潤滑用供給油路L1を備えた構成においても軸方向寸法をコンパクトにすることができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置され、ハブ部材の径方向内側に油圧室が配置されたブレーキを備えた自動変速機において、径方向内側に延びる油路を軸方向に効率よく配置することが可能となるから、この種の自動変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
10 自動変速機
11 変速機ケース
20 ハブ部材
31 ハブ支持部材
32b 延長部
41 第1油圧室構成部材(油圧室構成部材)
43 第1円筒部(外周側円筒部)
47 シール部材
60 ドラム部材
70 摩擦板
80 ピストン
90 油圧室
91 締結用油圧室
92 解放用油圧室
101 スプリング
111 径方向油路
113 軸方向油路
114 連通油路
115 傾斜油路
121 径方向油路(第2の径方向油路)
122 軸方向油路(第2の軸方向油路)
123 連通油路(第2の連通油路)
124 傾斜油路(第2の傾斜油路)
131 径方向油路(第3の径方向油路)
132 周方向油路
133 軸方向油路(第3の軸方向油路)
BR2 第2ブレーキ
F 合わせ面
L1 潤滑用供給油路
L2 締結用供給油路
L3 解放用供給油路
X 嵌合部

Claims (5)

  1. 変速機ケースに結合された回転不能なハブ部材と、回転要素に結合された回転可能なドラム部材と、前記ハブ部材と前記ドラム部材との間に配置される複数の摩擦板と、前記複数の摩擦板を締結するピストンと、前記ピストンを付勢する作動油が供給される油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機であって、
    前記油圧室は、前記ハブ部材の径方向内側に配置され、
    前記ハブ部材の反ピストン側の側部には、前記変速機ケースに固定されるとともに前記ハブ部材を支持するハブ支持部材が当接されており、
    前記ハブ部材の径方向内側には、前記油圧室を形成する油圧室構成部材が配置され、
    前記ハブ支持部材は、前記ハブ部材よりも径方向内側まで延長される延長部を備え、
    前記ハブ支持部材の延長部と前記油圧室構成部材とは、軸方向の合わせ面で結合されており、
    前記ハブ支持部材には、径方向に延びるとともに前記合わせ面に開放された径方向油路が設けられ、
    前記油圧室構成部材には、前記油圧室に連通するとともに前記合わせ面に開放された軸方向油路が設けられ、
    前記合わせ面には、該合わせ面に沿って径方向に延びるとともに、前記径方向油路と前記軸方向油路とを連通させるための連通油路が設けられていることを特徴とする自動変速機。
  2. 前記合わせ面には、前記連通油路の外周側を囲むように径方向に延びるシール部材が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記ハブ支持部材には、前記径方向油路と前記連通油路とを接続する傾斜油路が設けられ、
    前記傾斜油路は、径方向内側に向かいながら前記連通油路に接続するように前記合わせ面に向かって傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機。
  4. 前記油圧室は、前記ピストンを締結方向に付勢する作動油が供給される締結用油圧室と、前記ピストンを解放方向に付勢するように作動油が供給される解放用油圧室とを有し、
    前記ハブ支持部材には、前記締結用油圧室と、前記解放用油圧室とにそれぞれ接続される締結用供給油路と、解放用供給油路とが設けられ、
    前記締結用供給油路は、前記径方向油路と、前記軸方向油路と、前記連通油路と、前記傾斜油路とを備え、
    前記解放用供給油路は、前記径方向油路と、前記軸方向油路と、前記連通油路と、前記傾斜油路とそれぞれ同じ構成を備える第2の径方向油路と、第2の軸方向油路と、第2の連通油路と、第2の傾斜油路とを備え、
    前記締結用供給油路と、前記解放用供給油路とは、それぞれ周方向に異なる位置に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機。
  5. 前記油圧室構成部材は、前記ハブ部材に嵌合される外周側円筒部を有し、
    前記外周側円筒部と前記ハブ部材との嵌合部には、前記摩擦板に潤滑油を供給するための周方向に延びる周方向油路が形成されており、
    前記ハブ支持部材には、径方向に延びる第3の径方向油路と、軸方向に延びるとともに該第3の径方向油路と前記周方向油路とを接続する第3の軸方向油路が設けられ、
    前記第3の径方向油路は、前記径方向油路及び第2の径方向油路と周方向位置を異ならせて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の自動変速機。
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