JP7272072B2 - 水性インクジェットインク、インクジェット記録方法および印刷物 - Google Patents

水性インクジェットインク、インクジェット記録方法および印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、水性インクジェットインク、インクジェット記録方法および印刷物に関する。
近年、インクジェット記録方式は、簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されている。
インクジェット記録方式で用いられるインクジェットインクには、水と少量の有機溶剤からなる水性インク、有機溶剤を含むが実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後に活性光線を照射されることにより硬化する活性光線硬化性インク等、複数の種類があり、これらのインクは用途に応じて使い分けられている。
この中で、水性インクは一般に臭気が少なく安全性が高い点から家庭用プリンタなどに広く用いられる。
たとえば、特許文献1には、水、カルボン酸基により修飾された自己分散型顔料および非イオン系界面活性剤を含む、インクジェット記録用水性インクが開示されている。上記インクジェット記録用水性インクは、記録用紙に画像を形成した際に、白スジ状のムラの発生を抑制できるとされている。
また、特許文献2には、顔料と、水不溶性ポリマーと、HLB値が異なる2種類の非イオン界面活性剤と、特定の動粘度を有するポリエーテル変性シリコーンと、特定の沸点を有する有機溶媒を含有する水系インクが開示されている。上記水系インクは、吐出性に優れ、低吸水性の記録媒体に印刷した際でも乾燥過程でのインクのドット径の縮小を抑制し、均一性に優れた画像が得られるとされている。
また、特許文献3には、少なくとも水、顔料、バインダー樹脂として水分散性樹脂微粒子、沸点が180℃以下の水溶性有機溶媒およびシリコーン系界面活性剤を含むインクジェット記録用水性インキが開示されている。上記インクジェット記録用水性インキは、様々な難吸収性基材に対して画像形成可能な速乾性と定着性に優れ、インキを長期保管しても表面張力の変化が少なく優れた印刷品質を維持できるとされている。
特開2014-189709号公報 特開2016-125057号公報 特開2013-189598号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載のインクジェット記録用水性インクでは、記録媒体が記録用紙(普通紙)においては画像中に白スジ状のムラが発生することを抑制できたが、低吸収性基材または非吸収性基材においては画像中に白スジ状のムラの発生を完全に抑制することができなかった。
また、特許文献2に記載の水系インクおよび特許文献3に記載のインクジェット記録用水性インキは、低吸収性基材または非吸収性基材に対して画像を形成することはできるが、所望する画質を有する画像を得ることができなかった。
また、インクジェットインクには、インクジェットヘッドからの良好な吐出性も求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、吐出性に優れ、低吸収性基材または非吸収性基材に高精細な画像を形成することができる水性インクジェットインクを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、当該水性インクジェットインクを非吸水性の記録媒体の表面に着弾させて画像を形成するインクジェット記録方法を提供することを第2の目的とする。また、本発明は、当該インクジェット記録方法で形成された印刷層を有する、印刷物を提供すること第3の目的とする。
本発明の水性インクジェットインクは、グリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類からなる群から選択される少なくとも1種類の有機溶媒と、一般式(1)で表される界面活性剤と、を含有する。
Figure 0007272072000001
(式(1)中、nは3~5の整数である。)
本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドから、上記水性インクジェットインクの液滴を吐出して、低吸収性基材または非吸収性基材表面に着弾させて画像を形成する。
本発明の印刷物は、上記インクジェット記録方法で形成された印刷層を有する。
本発明によれば、吐出性に優れ、低吸収性基材または非吸収性基材に高精細な画像を形成することができる水性インクジェットインクを提供することができる。また、本発明の水性インクジェットインクを低吸収性基材または非吸収性基材の表面に着弾させて画像を形成するインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明のインクジェット記録方法で形成された印刷層を有する、印刷物を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の例示的な構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
1.水性インクジェットインク
本発明の一実施の形態は、グリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類からなる群から選択される少なくとも1種類の有機溶媒と、一般式(1)で表される界面活性剤とを含有する、水性インクジェットインクに関する。
Figure 0007272072000002
(式(1)中、nは3~5の整数である。)
1-1.界面活性剤
本発明の一実施の形態に係る水性インクジェットインクには、一般式(1)で表される界面活性剤が含まれる。なお、当該界面活性剤は非イオン系界面活性剤である。
Figure 0007272072000003
(式(1)中、nは3~5の整数である。)
一般式(1)で表される界面活性剤は、分岐した炭化水素基とポリエーテル基とを有する。なお、nはポリエチレンオキシドの繰り返し単位構造、すなわち、三員環の環状エーテルであるエチレンオキシドが開環した構造を表す。
一般式(1)で表される非イオン系界面活性剤の含有量は、水性インクジェットインクの全質量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。一般式(1)で表される界面活性剤が水性インクジェットインクの全質量に対して0.1~3質量%の範囲内であることにより、吐出安定性に優れ、かつ、水性インクジェットインクの濡れ性も向上させることができる。
また、本発明の一実施の形態に係る水性インクジェットインクでは、一般式(1)で表される界面活性剤と、他の界面活性剤とを併用してもよい。一般式(1)で表される界面活性剤と、他の界面活性剤とを併用することにより、水性インクジェットインク中の溶媒組成による界面活性剤の溶解性が低下することを抑制することができる。
一般式(1)で表される界面活性剤は、炭化水素基部分の側鎖または末端に相当する部位が、ポリエーテル変性されたポリエーテル基を有する。水および有機溶媒を含む媒体中においては、上記炭化水素基部分は疎水性のため、上記ポリエーテル基が水および有機溶媒中に配向することにより、一般式(1)で表される界面活性剤の相溶性を向上させることができる。一般式(1)で表される界面活性剤の含有量を上記範囲内にすることにより、水性インクジェットインクの吐出性を向上させることができるので、高精細な画像を形成することができる。
また、一般式(1)の界面活性剤のポリエチレンオキシドの繰り返し単位が3~5と短いと後述する有機溶媒との相溶性が高くなるので、一般式(1)で表される界面活性剤が上記有機溶媒に溶媒和されることなく、界面活性剤の機能を発揮することができる。そのため、一般式(1)で表される界面活性剤は、水性インクジェットインクの表面張力を低下させ、低吸収性基材または非吸収性基材表面への濡れ広がりが向上させることができる。これにより、白スジ状のムラの発生を抑制できるので、高精細な画像を形成することができる。
また、上記水性インクジェットインクの乾燥過程において、一般式(1)で表される界面活性剤が表面配向して、疎水性である炭化水素基が画像(塗膜)表面に規則正しく配列することで、炭化水素基が隙間なく均一に整列した状態となることから、画像(塗膜)表面の耐水性を向上させることができる。
1-2.有機溶媒
本発明の一実施の形態に係る水性インクジェットインクには、グリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類からなる群から選択される、少なくとも1種類の有機溶媒が含まれる。
1-2-1.グリコール類
グリコール類の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリブチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびソルビトールを含む多官能グリコールなどが含まれる。
上記グリコール類の中では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールであることが好ましい。これらを有機溶媒として用いることにより、水性インクジェットインク中への界面活性剤を向上させることができるので、上記水性インクジェットインクの吐出を安定させることができる。
1-2-2.モノアルコール類
モノアルコール類の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、オクタノール、イソオクタノール、2-エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert-ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコール、1-メトキシ-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、3-フェニルプロパノールなどが含まれる。
上記モノアルコール類の中では、1-メトキシ-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノールであることが好ましい。これらを有機溶媒として用いることにより、水性インクジェットインク中への界面活性剤の溶解性を向上させることができるので、上記水性インクジェットインクの吐出を安定させることができる。
1-2-3.アルカンジオール類
アルカンジオール類の例には、1,2-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジブチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。
上記アルカンジオール類の中では、1,2-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオールであることが好ましい。これらを有機溶媒として用いることにより、水性インクジェットインク中への界面活性剤の溶解性を向上させることができるので、上記水性インクジェットインクの吐出性を安定させることができる。
なお、上述した有機溶媒は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上述した有機溶媒の含有量は、水性インクジェットインクの全質量に対して、10.0質量%以上50.0質量%以下であり、20.0質量%以上40.0質量%以下であることが好ましい。有機溶媒の含有量が水性インクジェットインクの全質量に対して10.0~50.0質量%であることにより、吐出安定性に優れ、かつ、水性インクジェットインクの濡れ性も向上させることができる。
また、上記範囲内の有機溶媒を含有することにより、一般式(1)の界面活性剤との相溶性を高めることができるので、一般式(1)の界面活性剤が上記有機溶媒に溶媒和されることなく、界面活性剤の機能を発揮することができる。これにより、低吸収性基材または非吸収性基材表面に、水性インクジェットインクの液滴が十分に濡れ広がることにより白スジの発生が抑制されるため、高精細な画像を形成することができる。また、上記有機溶媒はいずれも1つ以上の水酸基を有し、かつ、適度な分子量を有するので、分散剤により分散されている顔料(後述)と一般式(1)の界面活性剤との間の凝集を抑制できることから、上記水性インクジェットインクの吐出性を向上させることができる。
1-3.水不溶性樹脂
本発明の一実施の形態に係る水性インクジェットインクには、ポリエステル、ポリオレフィン、ウレタン骨格のいずれかを部分構造に有する水不溶性樹脂が含まれる。なお、「水不溶性樹脂」とは、弱酸性または弱塩基性の範囲の水に対して不溶な樹脂であり、好ましくは、pH4~10(25℃)の水溶液に対する溶解度が0.5%以下の樹脂のことをいう。
1-3-1.ポリエステル樹脂
ポリエステル骨格を有するポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分とを用いて得ることができる。
多価アルコール成分の例には、炭素数2~36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等)、炭素数4~36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等)、炭素数6~36の脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、上記脂環式ジオールの炭素数2~4のアルキレンオキシド(エチレンオキシド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下、POと略記する)、ブチレンオキシド(以下、BOと略記する))付加物(付加モル数1~30)またはビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)の炭素数2~4のアルキレンオキシド(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2~30)等が含まれる。これらの多価アルコール成分は1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
多価カルボン酸成分の例には、炭素数4~36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アピジン酸、セバシン酸等)、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸等)、炭素数4~36の脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸(2量化リノール酸)等)、炭素数4~36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等)、または炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはこれらの誘導体、ナフタレンジカルボン酸等)等が含まれる。これらの多価カルボン酸成分は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、1000~50000であることが好ましく、2000~20000であることがより好ましい。上記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上であると、塗膜の凝集力が強くなり、密着性が向上し、50000以下であると、有機溶媒に対する溶解性が良く、乳化分散体の粒子径の微小化が促進されるからである。なお、数平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される値であり、例えば、株式会社島津製作所製「RID-6A」(カラム:東ソー株式会社製「TSK-GEL」、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、カラム温度:40℃)を用いて、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から求めることができる。
上記ポリエステル樹脂としては、市販品を用いてもよい。上記ポリエステル樹脂の市販品の例には、エリーテルKA-5034、エリーテルKA-5071S、エリーテルKA-1449、エリーテルKA-0134、エリーテルKA-3556、エリーテルKA-6137、エリーテルKZA-6034、エリーテルKT-8803、エリーテルKT-8701、エリーテルKT-9204、エリーテルKT-8904、エリーテルKT-0507、エリーテルKT-9511などが含まれる。これらは、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、上記市販品はいずれもユニチカ株式会社製であり、「エリーテル」は同社の登録商標である。
1-3-2.ポリオレフィン樹脂
水不溶性樹脂に含有されるポリオレフィン骨格を有するポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレンおよび/またはプロピレンと他のコモノマー(例えば、炭素数が2以上である1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、炭素数が2~6のα-オレフィンコモノマー)とのランダム共重合体またはブロック共重合体(例えば、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体など)を用いることができる。また、上記他のコモノマーを2種類以上共重合したもの、および上記ポリマーを2種以上混合したものを用いることもできる。
ポリオレフィン骨格を有するポリオレフィン樹脂としては、不飽和カルボン酸および/または酸無水物で変性されたポリオレフィン等の変性ポリオレフィンでもよい。変性ポリオレフィンとしては、不飽和カルボン酸および/または酸無水物および/または1分子当り1個以上の二重結合を有する化合物で変性されたポリオレフィンであることが好ましい。
上記不飽和カルボン酸および酸無水物の例には、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸などの、α,β-不飽和カルボン酸およびその無水物が含まれる。これらは、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、1分子当り1個以上の二重結合を有する化合物の例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、ジ(メタ)アクリル酸(ジ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸-1,4-ブタンジオ-ル、ジ(メタ)アクリル酸-1,6-ヘキサンジオ-ル、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロ-ルプロパン、ジ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、アクリルアミド等が含まれる。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、これらの一方または両方を意味する。
また、上記二重結合を有する化合物以外に、スチレン、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロメチルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、バーサチック酸のビニルエステルなどを用いることができる。
ポリオレフィン変性は、ポリオレフィンをトルエンまたはキシレンのような有機溶媒に溶解し、ラジカル発生剤の存在下でα,β-不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を反応させるか、またはポリオレフィンの軟化温度または融点以上まで昇温できる溶融状態で反応させうるオートクレーブ、または1軸または2軸以上の多軸エクストルーダー中で、ラジカル発生剤の存在下または不存在下でα,β-不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物および/または1分子当たり1個以上の二重結合を有する化合物を反応させることで行うことができる。
上記ポリオレフィン変性の反応に用いることができるラジカル発生剤の例には、ジ-tert-ブチルパーフタレート、tert-ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシエチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等のアゾニトリル類が含まれる。上記過酸化物を使用してグラフト共重合をする場合、上記過酸化物の含有量はポリオレフィンに対して、0.1~50質量部であることが好ましく、0.5~30質量部であることがより好ましい。
なお、ポリオレフィン樹脂は、公知の方法で製造されたものでよく、それぞれの製造方法や変性度合については特に限定されない。
上記ポリオレフィン樹脂は、重量平均分子量(Mw)が20000~100000であることが好ましい。上記ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)が20000以上であると、低吸収性基材または非吸収性基材表面に形成された画像(塗膜)の凝集力が強くなり、塗膜の密着性が向上するからである。また、重量平均分子量(Mw)が100000以下であると、有機溶媒に対する溶解性が良く、乳化分散体の粒子径の微小化が促進されるからである。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される値であり、例えば、株式会社島津製作所製「RID-6A」(カラム:東ソー株式会社製「TSK-GEL」、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、カラム温度:40℃)を用いて、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から求めることができる。
また、上記ポリオレフィン樹脂は市販品を用いてもよい。上記ポリオレフィン樹脂の市販品の例にはアローベースSB-1200(ユニチカ株式会社製、「アローベース」は同社の登録商標)、アウローレン150A、アウローレンAE-301(日本製紙株式会社製、「アウローレン」は同社の登録商標)、スーパークロンE-415(日本製紙株式会社製、「スーパークロン」は同社の登録商標)、ハードレンNa-1001(東洋紡株式会社製、「ハードレン」は同社の登録商標)等が含まれる。
1-3-3.ウレタン樹脂
水不溶性樹脂に含有されるポリウレタン骨格を有するポリウレタン樹脂としては、親水基を有するものが用いられる。上記親水基の例には、カルボキシ基(-COOH)およびその塩、スルホン酸基(-SOH)およびその塩等が含まれる。上記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アミン塩等が含まれる。上記親水基の中では、カルボキシ基またはその塩が好ましい。
ウレタン樹脂は、分子内に水溶性官能基を有する自己乳化型ポリウレタンを分散させた水分散体、または界面活性剤を併用して強力な機械剪断力の下で乳化した強制乳化型ポリウレタンの水分散体であることが好ましい。上記水分散体におけるポリウレタン樹脂は、ポリオールと有機ポリイソシアネートおよび親水基含有化合物との反応により得ることができる。
上記ウレタン樹脂の水分散体の調製に使用し得るポリオールの例には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオールなどが含まれる。
ポリエステルポリオールの例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-および1,4-ブタンジオール、3-メチルペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール等の低分子ポリオール;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフラン酸、エンドメチンテトラヒドロフラン酸、ヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン酸との縮合物が含まれる。
ポリエーテルポリオールの例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンポリテトレメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが含まれる。
ポリカーボネートポリオールの例には、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはホスゲン等の炭酸誘導体と、ジオールとの反応により得ることができる。上記ジオールの例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-及び1,3-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-及び1,4-ブタンジオール、3-メチルペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。
また、ウレタン樹脂の水分散体の調製に使用し得る有機ポリイソシアネートの例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)などの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI、H12MDI)などの脂環族イソシアネートが含まれる。これらは、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、ウレタン樹脂の水分散体の調製に使用し得る親水基含有化合物の例には、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロール吉草酸、グリシンなどのカルボン酸含有化合物、およびそのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩などの誘導体;タウリン(即ち、アミノエチルスルホン酸)、エトキシポリエチレングリコールスルホン酸などのスルホン酸含有化合物、およびそのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩等の誘導体が含まれる。
ウレタン樹脂は、公知の方法により得ることができる。たとえば、上述したポリオールと有機ポリイソシアネートと、親水基含有化合物とを混合し、30~130℃で30分~50時間反応させることにより、ウレタンプレポリマーを得ることができる。
上記ウレタンプレポリマーは、鎖伸長剤により伸長してポリマー化することで、親水基を有するポリウレタン樹脂となる。鎖伸長剤としては、水および/またはアミン化合物であることが好ましい。鎖伸張剤として水やアミン化合物を用いることにより、遊離イソシアネートと短時間で反応して、イソシアネート末端プレポリマーを効率よく伸長させることができる。
鎖伸長剤としてのアミン化合物の例には、エチレンジアミン、トリエチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;メタキシレンジアミン、トルイレンジアミンなどの芳香族ポリアミン;ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド等のポリヒドラジノ化合物等が含まれる。上記アミン化合物には、上記ポリアミンとともに、ポリマー化を大きく阻害しない程度で、ジブチルアミンなどの1価のアミンやメチルエチルケトオキシム等を反応停止剤として含んでいてもよい。
なお、ウレタンプレポリマーの合成においては、イソシアネートと不活性であり、ウレタンプレポリマーを溶解しうる溶媒を用いてもよい。これらの溶媒の例には、ジオキサン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が含まれる。反応段階で使用されるこれらの親水性有機溶媒は、最終的に除去されるのが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーの合成においては、反応を促進させるために、アミン触媒(例えば、トリエチルアミン、N-エチルモルフォリン、トリエチルジアミン等)、スズ系触媒(例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、オクチル酸スズ等)、チタン系触媒(例えば、テトラブチルチタネート等)などの触媒を添加してもよい。
ウレタン樹脂の分子量は、分岐構造や内部架橋構造を導入して可能な限り大きくすることが好ましく、分子量50000~10000000であることが好ましい。分子量を上記範囲内にすることにより、ウレタン樹脂が溶剤に溶けにくくなるので、耐候性、耐水性に優れた塗膜が得られるからである。なお、数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される値であり、例えば、株式会社島津製作所製「RID-6A」(カラム:東ソー株式会社製「TSK-GEL」、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、カラム温度:40℃)を用いて、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から求めることができる。
また、ウレタン樹脂は市販品を用いてもよい。上記ウレタン樹脂の市販品の例には、WBR-016U(大成ファインケミカル株式会社製)、スーパーフレックス620、スーパーフレックス650、スーパーフレックス500M、スーパーフレックスE-2000(いずれも第一工業製薬株式会社製、「スーパーフレックス」は同社の登録商標)、パーマリンUC-20(三洋化成工業株式会社製、「パーマリン」は同社の登録商標)、パラサーフUP-22(大原パラヂウム化学株式会社製)などが含まれる。
また、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が樹脂の一部分を形成している複合樹脂を用いてもよい。複合樹脂の例にはウレタンアクリル樹脂などがあり、市販品の例には、WEM-202U(大成ファインケミカル株式会社製)などが含まれる。
水不溶性樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリル樹脂であることが好ましく、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が樹脂の一部分を形成している複合樹脂であることがより好ましい。複合樹脂を用いることにより、吐出安定性と基材密着性とを有する水性インクジェットインクを得ることができる。
また、上述した水不溶性樹脂を水性インクジェットインクに含有することにより、低吸収性基材または非吸収性基材に対する画像(塗膜)の定着性を向上させることができる。とくに、一般式(1)で表される界面活性剤を用いることにより、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの低吸収性基材または非吸収性基材に対して均一に濡れ広がりやすくすることができるので、低吸収性基材または非吸収性基材に対する画像(塗膜)の定着性を向上させることができる。
1-4.色材
色材は、顔料でも染料でもよい。
耐候性の良好な画像を得る観点からは、色材は顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩などに応じて、たとえば、黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料および黒顔料から選択することができる。
本発明に使用できる顔料としては、公知の有機および無機顔料を用いることができる。有機および無機顔料の例には、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料;フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料;塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ;ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料;カーボンブラック等の無機顔料が含まれる。
また、有機顔料および無機顔料の例には、カラーインデックスに記載される下記の顔料が含まれる。
赤またはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、PigmentViolet 3、19、23、29、30、37、50、および88、ならびにPigmentOrange 13、16、20、および36が含まれる。
青またはシアン顔料の例には、pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17-1、22、27、28、29、36、および60が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、および50が含まれる。
黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、および193が含まれる。
黒顔料の例には、Pigment Black 7、26、および28が含まれる。
顔料の含有量は、水性インクジェットインクの全質量に対して0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10.0質量%未満であることがより好ましく、0.1質量%以上8.0質量%以下であることがさらに好ましい。顔料または染料の含有量が、水性インクジェットインクの全質量に対して0.1質量%以上であると、得られる画像の発色が十分となる。顔料または染料の含有量がインクの全質量に対して15.0質量%以下であると、インクの粘度が高まりすぎず、安定して記録媒体に射出することができる。
1-5.顔料分散剤
上記顔料は、分散剤で分散されていてもよい。
顔料分散剤の例には、界面活性剤および高分子分散剤などが含まれるが、高分子分散剤が好ましい。
高分子分散剤の例には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が含まれる。
顔料は、さらに必要に応じて分散助剤によって分散性を高められていてもよい。
また顔料の分散樹脂として、共重合樹脂を用いて分散しても良い。
共重合樹脂の例には、スチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂が含まれる。
分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して10.0質量%以上200.0質量%以下であることが好ましい。分散剤の含有量が顔料の全質量に対して10.0質量%以上であると、顔料の分散安定性が高まり、分散剤の含有量が顔料の全質量に対して200.0質量%以下であると、インクジェットヘッドからのインクの吐出性が安定しやすくなる。
また、上記顔料は、上記顔料分散剤およびその他所望する目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。
分散機の例には、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が含まれる。上記分散機の中では、分散により製造される水性インクジェットインクの粒度分布をシャープにする観点から、サンドミルによる分散が好ましい。
また、サンドミルによる分散に使用するビーズの材質はビーズ破片やイオン成分のコンタミネーションの点から、ビーズ径が0.3mm~3mmのジルコニアまたはジルコンが好ましい。
なお、分散後の顔料の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器などにより求めることができる。
1-6.その他の成分
上記水性インクジェットインクには、一般式(1)の界面活性剤以外の界面活性剤、pH調整剤、油滴微粒子、紫外線吸収剤、退色防止剤、蛍光増白剤、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防ばい剤、防錆剤などを含有してもよい。これらの成分は、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
1-7.基材
本発明の実施の形態に係る水性インクジェットインクは、低吸収性基材または非吸収性基材を用いることができる。
本発明でいう低吸収性記録媒体または非吸収性記録媒体とは、下記に示す記録媒体面の水に対する濡れ性の測定結果に基づき定義する。
すなわち、記録媒体の記録面に0.5μLの水滴を滴下し、接触角の低下率(着弾後0.5ミリ秒における接触角と5秒における接触角の比較)を測定することによって記録媒体の吸収性能の特徴付けを行う。より具体的には、記録媒体の性質としての、非吸収性記録媒体とは上記接触角の低下率が1.0%未満の特性を有する記録媒体のことであり、低吸収性記録媒体とは上記接触角の低下率が1.0%以上、5.0%未満の特性を有する記録媒体のことである。また、吸収性とは上記接触角の低下率が5.0%以上である記録媒体と定義する。なお、接触角はポータブル接触角計「PCA-1」(協和界面科学株式会社製)等を用いて測定することができる。
低吸収性記録媒体および非吸収性記録媒体として、フィルムを用いることができる。
上記フィルムには、公知のプラスチックフィルムが含まれる。上記プラスチックフィルムの例には、ポリエステル(PET)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ナイロン(NY)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリアクリル酸(PAA)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、およびポリ乳酸フィルムなどの生分解性フィルムなどが含まれる。
ガスバリアー性、防湿性および保香性などを付与するために、フィルムの片面または両面にポリ塩化ビニリデンがコートされていてもよいし、金属酸化物が蒸着されていてもよい。また、フィルムには防曇加工が施されていてもよい。また、フィルムにはコロナ放電及びオゾン処理などが施されていてもよい。
また、上記フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよいし、紙などの吸収性の基材の表面にPVAコートなどの層を設けて、記録をすべき領域を非吸収性とした、多層性の基材でもよい。
1-8.印刷物
本発明の実施の形態に係る印刷物は、上述した低吸収性基材または非吸収性基材上に、上述した水性インクジェットインクを用いて記録された印刷層を有する。なお、上記印刷層の上層に、例えば、ラミネート接着層を介して非吸水性のフィルム基材等を貼付してもよい。
上記印刷物は、上述した水性インクジェットインクを用いていることから基材との密着性に優れ、かつ、耐水性に優れた高精細な画像を有する。
1-9.インクジェット記録方法
本発明の実施の形態に係るインクジェット記録方法は、上述した水性インクジェットインクを用いた、インクジェット記録方法である。具体的には、インクジェットヘッドから、上述した水性インクジェットインクの液滴を吐出して、低吸収性基材または非吸収性基材の表面に着弾させて、上記低吸収性基材または非吸収性基材の表面に画像を形成する、インクジェット記録方法である。
上記インクジェットヘッドは、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例には、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気-機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(「バブルジェット」はキヤノン株式会社の登録商標)型を含む電気-熱変換方式等が含まれる。
上記インクジェットヘッドの中では、電気-機械変換方式に用いられる電気-機械変換素子として圧電素子を用いたインクジェットヘッド(ピエゾ型インクジェットヘッドともいう)であることが好ましい。
また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれのインクジェットヘッドでもよいが、ライン式であることが好ましい。
ライン式のインクジェットヘッドとは、印字範囲の幅以上の長さを持つインクジェットヘッドのことをいう。ライン式のインクジェットヘッドとしては、一つのヘッドで印字範囲の幅以上であるものを用いてもよいし、複数のヘッドを組み合わせて印字範囲の幅以上となるように構成してもよい。
また、複数のヘッドを、互いのノズルが千鳥配列となるように並設して、これらヘッド全体としての解像度を高くしてもよい。
低吸収性基材または非吸収性基材の搬送速度は、例えば、1~120m/minで設定することができる。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まる。本発明によれば、シングルパスのインクジェット画像形成方法で適用可能な、線速50~120m/minという非常に速い線速でもインクの定着性の高い高精細な画像を得ることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、ロール状に収納されるフィルムに対して行うことができる。
1-10.インクジェット記録装置
本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置100は、図1に示すように、水性インクジェットインクの液滴を吐出して基材上の領域に着弾させるインクジェットヘッドを有するヘッドキャリッジ110、および乾燥器120を有する。
図1では、基材の搬送方向(図中矢印方向)に沿って上流側から、ヘッドキャリッジ110および乾燥器120がこの順に配置されている。
ヘッドキャリッジ110は、例えば、4つのインクジェットヘッド111を搭載しており、それぞれのインクジェットヘッド111が有するノズル112からは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのインクを吐出して基材130の水性インクジェットインクの液滴を着弾させるべき領域に着弾させる。
乾燥器120は、熱風を吹き付ける温風ドライヤー、および赤外線または電離放射線を照射する照射器などの公知の乾燥器とすることができる。乾燥器120は、ヘッドキャリッジ110の上流に設けられている。
本発明を以下の試験を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の試験に限定されない。
1-1.顔料分散液の調製
顔料(ピグメントブルー15:3)18.0質量%と、顔料分散剤(水酸化ナトリウム中和されたカルボキシ基を有するアクリル系分散剤「ジョンクリル819」(BASF社製、「ジョンクリル」は同社の登録商標、酸価:75.0mgKOH/g、固形分:20.0質量%)31.5質量%と、エチレングリコール20.0質量%と、イオン交換水(残量;全量が100質量%となる量)と、の混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて6時間分散して、顔料分散液(顔料粒子の平均粒子径:110nm)を調製した。なお、上記顔料粒子の平均粒子径の測定は、マルバルーン社製の「ゼータサイザ1000HS」により行った。
1-2.インク1の調製
上記顔料分散液17.0質量%に、水不溶性樹脂「WBR-016U(R-1)」5.0質量部、有機溶媒(トリエチレングリコール(A-1))5.0質量%、界面活性剤(一般式(1)(S-1))0.05質量%およびイオン交換水(残量)72.95質量%を撹拌しながら添加し、得られた混合液を1μmのメンブレンフィルターにより濾過して水性インクジェットインク1を得た。
(インクジェット用のインク2~29の調製)
表1に、インク1~14の、表2にインク15~29の各成分の含有量(単位は質量%)を示す。
表1、2で示される各略号は次のとおりである。
(水不溶性樹脂)
R-1:WBR-016U
(大成ファインケミカル株式会社製、ウレタン樹脂)
R-2:WEM-202U
(大成ファインケミカル株式会社製、ウレタンアクリル樹脂)
R-3:エリーテルKT-9204
(ユニチカ株式会社製、ポリエステル樹脂、「エリーテル」は同社の登録商標)
R-4:アローベースSB-1200
(ユニチカ株式会社製、ポリオレフィン樹脂、「アローベース」は同社の登録商標)
(有機溶媒)
A-1 :トリエチレングリコール
A-2 :トリプロピレングリコール
A-3 :1,2-ヘキサンジオール
A-4 :1,2-ブタンジオール
A-5 :1-メトキシ-1-プロパノール
A-6 :3-メトキシ-1-ブタノール
A-7 :エチレングリコール
A-8 :ジエチレングリコール
A-9 :プロピレングリコール
A-10:1,3-プロパンジオール
A-11:2-メチル-1,3-プロパンジオール
A-12:2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール
A-13:1,4-ブタンジオール
A-14:2-メチル-2,4-ペンタンジオール
A-15:3-メチル-1,5-ペンタンジオール
A-16:1,6-ヘキサンジオール
A-17:ジエチレングリコールジエチルエーテル
A-18:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(界面活性剤)
S-1:一般式(1)(n=3~5)
S-2:オルフィン E1010(n=10)、日信化学工業株式会社製
S-3:ECOSURF EH-6(n=7)、ダウケミカル社製
S-4:TERGITOL TMN-6(n=7)、ダウケミカル社製
S-5:TERGITOL TMN-10(n=10)、ダウケミカル社製
Figure 0007272072000004
Figure 0007272072000005
2.評価
調製したインク1~29を用いて画質、吐出性、基材密着性、および耐水性の評価を行った。
(インクジェット記録方法)
インク1~29を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置(コニカミノルタ株式会社製、360dpi、吐出量14pL)の独立駆動ヘッド二つをノズルが互い違いになるように配置し、720dpi×720dpiのヘッドモジュールを作成し、ステージ搬送機上に、搬送方向にノズル列が直交するように設置した。ヘッドモジュールのインクジェットに、インク1~29を充填し、ステージ搬送機によって搬送される低吸収性基材または非吸収性基材表面にシングルパス方式でベタ画像を記録できるようにインクジェット記録装置を構成した。上記ヘッドを用いて、インク付量が11.2cc/mである720dpi×720dpiのベタ画像が形成されるように、水性インクジェットインクの液滴を吐出した。なお、低吸収性基材または非吸収性基材としてOPPフィルム(商品名:FOS、フタムラ株式会社製)を用いた。
2-1.画質評価
(評価方法)
上記方法で作成したベタ画像を目視にて評価を行った。なお、下記評価においては、△以上が実用上好ましいと判断した。
(評価基準)
◎:インクの濡れ性が非常に良好で、濃度ムラがなく均一な画像で、インクの抜けが観察されない良好な画像
○:インクの濡れ性が良好で、濃淡が異なる箇所があるが、インクの抜けが観察されない実用上許容可能な画像
△:インクの濡れ性がわずかに足りず、インクの抜け落ちている箇所があり、僅かに白抜けが発生している画像
×:インクの濡れ性が十分でなく、画像中にインクが抜け落ちている箇所が多く存在し、白抜けが目立つ画像
2-2.吐出性評価
(評価方法)
上記画像を形成するのに用いた記録装置を25℃、50RHの条件で1時間放置した後、印字幅100nm×100nm、解像度720×720dpiの条件で、それぞれベタ画像(100%印字)を連続で100枚印字した。その後、液滴量3.5pl、液滴速度7.0m/sec、射出周波数40kHz、印字率100%となる条件で連続吐出(駆動)させ、ヘッドノズルの欠数を計測した。
(評価基準)
評価は下記基準で行った。なお、下記評価においては、△以上が実用上好ましいと判断した。
◎:欠ノズルなし
○:欠ノズル1以上3未満
△:欠ノズル3以上6未満
×:欠ノズル6以上
2-3.基材密着性評価
(評価方法)
上記記録方法で作成したベタ画像に1mm間隔で5×5の碁盤目状にカッターで切れ込みを入れ、クロスカット法によるテープ剥離試験を行った。
(評価基準)
評価は下記基準で行った。なお、下記評価においては、△以上が実用上好ましいと判断した。
◎:テープによる剥がれがない
○:碁盤目状の切れ込み1マス以上3マス未満の剥がれはあるが実用上許容できるレベル
△:碁盤目状の切れ込み3マス以上6マス未満の剥がれはあるが良好なレベル
×:碁盤目状の切れ込み6マス以上の剥がれがあり実用上許容できないレベル
2-4.耐水性評価
(評価方法)
インク1~29を用いて作成した画像1~27を40℃で3日保管したのち、ベタ部分が切断端面となるようにして10cm×1cmの短冊状に切断して試験片とした。試験片を熱水30分処理し、処理後の試験片の様子を目視で確認した。
(評価基準)
評価は下記基準で行った。なお、下記評価においては、△以上が実用上好ましいと判断した。
◎:試験片に全く剥がれがない
○:試験片に一部剥がれが生じているが、大きな剥がれはない
△:試験片に大きな剥がれが生じている
×:試験片フィルムから画像部分が全て剥がれ落ちている
インク1~29を用いて形成した画像の各種評価の結果を表3に示す。
Figure 0007272072000006
インク1~20に示されるように、水性インクジェットインクに用いる有機溶媒をグリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類とし、水性インクジェットインクに用いる界面活性剤を一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤とすることにより、水性インクジェットインクの吐出性が良好になることがわかった。とくに、インク11~20グリコール類であるエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびアルカンジオール類である1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールグリコールといった特定の有機溶剤を用いたときに、より吐出性を向上させることができることがわかった。これは、上記有機溶媒が水酸基を有し、かつ、適度な分子量の構造を有するため、顔料分散体と非イオン性界面活性剤の間の凝集を抑えることができるとともに、水性インクジェットインク自身の安定化が向上したためであると考えられる。
とくに、インク12~20に示されるように、グリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類の含有量が、20.0質量%以上40.0質量%以下とし、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の含有量が、0.3質量%以上3.0質量%以下とすると、吐出性に優れるだけでなく、高精細な画像が得られることがわかった。また、一般式(1)で表される界面活性剤と、他の界面活性剤とを併用することにより、より吐出性を向上させることができた。これは、界面活性剤を併用することで、水性インクジェットインク中の溶媒への界面活性剤の溶解性の低下を抑制することができるからであると考えられる。
また、インク12~20に示されるように、グリコール類、モノアルコール類、アルカンジオール類と、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤とを組み合わせることにより、低吸収性基材または非吸収性基材に対して高精細な画像を形成することができることがわかった。これは、一般式(1)の界面活性剤のようにポリエチレンオキシドの繰り返し単位が3~5と短いと、上述した有機溶媒との相溶性が高くなるので、一般式(1)で表される界面活性剤が上記有機溶媒に溶媒和されることなく、界面活性剤の機能を発揮させることができる。これにより、水性インクジェットインクの表面張力を低下させることができることから、低吸収性基材または非吸収性基材表面への水性インクジェットインクの濡れ広がりが向上するためであると考えられる。これにより、白スジ状のムラの発生を抑制できるので、高精細な画像を形成することができると考えられる。
さらに、一般式(1)で表される界面活性剤は、炭化水素基部分の側鎖または末端に相当する部位が、ポリエーテル変性されたポリエーテル基を有する。水および有機溶媒中においては、上記炭化水素基部分は疎水性のため、上記ポリエーテル基が水および有機溶媒中に配向することにより、一般式(1)で表される界面活性剤と、水および有機溶媒との相溶性が向上するので、水性インクジェットインクの吐出性も向上し、高精細な画像を形成することができたと考えられる。
また、インク1~14と比較して、インク15~18により形成された画像(塗膜)は、低吸収性基材または非吸収性基材表面への定着性が良好であることがわかった。これは、ポリエステル、ポリオレフィン、ウレタン樹脂と、一般式(1)で表される界面活性剤とを組み合わせて用いることにより、上記ポリエステル、ポリオレフィン、ウレタン樹脂粒子がPP、PETなどの低吸収性基材または非吸収性基材表面に好適に濡れ広がることができるようになり、上記基材表面への定着性が向上したと考えられる。
また、インク1~10と比較して、インク11~18は、低吸収性基材または非吸収性基材の表面に形成された画像(塗膜)の耐水性が高いことがわかった。これは、低吸収性基材または非吸収性基材表面に形成した画像(塗膜)の乾燥工程において、一般式(1)で表される界面活性剤が表面配向して、疎水性である炭化水素基が画像(塗膜)表面に規則正しく配列することで、炭化水素基が隙間なく均一に整列した状態となることから、画像(塗膜)表面の耐水性が向上したと考えられる。
また、画像(塗膜)の乾燥工程において、上述した有機溶媒が、顔料分散体粒子と上述したポリエステル樹脂などの樹脂粒子の間に入ることで、粒子間に水素結合が生じ、この水素結合によって粒子が規則的に配向したまま乾燥することにより、各粒子が隙間なく均一に整列した状態となり、最終的な画像(塗膜)の耐水性が向上したものと考えられる。
本発明の水性インクジェットインクによれば、インクジェット法による印刷の適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。
100 インクジェット記録装置
110 ヘッドキャリッジ
111 インクジェットヘッド
112 ノズル
120 乾燥器
130 基材

Claims (6)

  1. エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される少なくとも1種類の有機溶媒と、
    一般式(1)で表される界面活性剤と、
    を含有する、
    水性インクジェットインク。
    Figure 0007272072000007
    (式(1)中、nは3~5の整数である。)
  2. 前記一般式(1)で表される界面活性剤の含有量は、前記水性インクジェットインクの全質量に対して、0.1質量%以上3.0質量%以下である、請求項1に記載の水性インクジェットインク。
  3. 前記有機溶媒の含有量は、前記水性インクジェットインクの全質量に対して、10.0質量%以上50.0質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の水性インクジェットインク。
  4. ポリエステル、ポリオレフィン、ウレタン骨格のいずれかを部分構造に有する水不溶性樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水性インクジェットインク。
  5. インクジェットヘッドから、請求項1~4のいずれか一項に記載の水性インクジェットインクの液滴を吐出して、低吸収性基材または非吸収性基材の表面に着弾させて画像を形成する、インクジェット記録方法。
  6. 請求項5に記載のインクジェット記録方法で形成された印刷層を有する、印刷物。
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