JP7271104B2 - 薄葉紙収納箱 - Google Patents

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Description

本発明は、薄葉紙収納箱に関する。
ティシューペーパーなどの薄葉紙は、紙製等の箱体(以下、薄葉紙収納箱という)に収納され、薄葉紙収納箱の上面部に設けられた取出し口から取り出されて使用される。従来の薄葉紙収納箱は、直方体状の厚紙で形成されており、使用後にそのままの状態で廃棄すると嵩張るため、使用後に解体できるようになっている。
例えば、特許文献1には、一対の内フラップの外面に、上下一対の外フラップが接着され、さらに上下一対の外フラップは先端部が重なるように接着された妻面を備えるティシューペーパー収納箱が開示されている。この構成では、上下一対の外フラップのうち下外フラップにミシン目が設けられており、ミシン目の一部(円弧状ミシン線)を破断することにより、妻面に開口部が形成される。そして、この開口部に指を掛けて妻面を外側へ引っ張ると、残りのミシン目(切離し用ミシン線)が切断され、一対の内フラップと上外フラップとの接着が解除される。さらに下外フラップを妻面の外側へ引くと、一対の内フラップと下外フラップとの接着が解除され、薄葉紙収納箱が解体可能となる。
特許第4142238号公報
しかしながら、従来の解体可能な薄葉紙収納箱では、開口部を形成するためのミシン目を破断しなければならないため、指が痛くなる場合がある。また、各フラップ間の接着部が多いため、解体時にこれらの接着部を剥がすのに強い力が必要になる。さらに、一対の内フラップに対して、上外フラップの接着と下外フラップの接着を別々に解除するため、1回の動作で薄葉紙収納箱を解体することができない。そのため、従来の薄葉紙収納箱は、薄葉紙収納箱の解体が容易ではない。
本発明の課題は、解体が容易な薄葉紙収納箱を提供することである。
本発明に係る第1の態様は、取出し口が設けられた上面部、底面部、一対の側面部、および一対の妻面部を有し、前記上面部の側端縁から延出する上面側フラップと、前記底面部の側端縁から延出する底面側フラップと、前記一対の側面部の両側端縁からそれぞれ延出する一対の側面側フラップとを有し、前記妻面部は、前記上面側フラップの内側に前記底面側フラップが重なり且つ前記底面側フラップの内側に前記一対の側面側フラップが重なるように、前記上面側フラップ、前記底面側フラップ、および前記一対の側面側フラップがそれぞれ折り曲げられて形成され、前記上面側フラップは、前記底面側フラップと前記一対の側面側フラップに接合する一対の接合部を有し、前記上面側フラップは、前記妻面部の内側に向かって凸となる凸部を有し、前記凸部の少なくとも一部は、前記一対の接合部が設けられた前記上面側フラップの接合領域内に形成されている、薄葉紙収納箱を提供する。
第1の態様では、上面側フラップが底面側フラップと一対の側面側フラップに接合する一対の接合部を有することにより、破断用ミシン目が設けられていない。そのため、解体時にミシン目を破断する必要がなく、指への負担を軽減することができる。
また、第1の態様では、一対の接合部だけで、上面側フラップが底面側フラップと一対の側面側フラップに接合されているため、各フラップ間の接合箇所が少なく、解体時に少ない力で各フラップの接合を解除することができる。
また、第1の態様では、一対の接合部によって上面側フラップが底面側フラップと一対の側面側フラップに接合されているだけで、底面側フラップと一対の側面側フラップとは接合されていなくてよい。そのため、上面側フラップを妻面部の外側に引き出すだけで、各フラップの接合が解除され、薄葉紙収納箱の妻面部を開放することができる。そのため、第1の態様では、1つの動作(以下、ワンアクションという場合がある)で、薄葉紙収納箱を解体することができる。
さらに、第1の態様では、一対の接合部が設けられた上面側フラップの接合領域内に、凸部の少なくとも一部が形成されていることにより、上面側フラップの接合面積(接合領域)を増やすことができる。これにより、解体時に、上面側フラップ側に接合部が残り易く、上面側フラップが接合する底面側フラップと一対の側面側フラップ側の部分(以下、被接合部という場合がある)に接合部が残り難い。そのため、確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱を解体することができる。
本発明に係る第2の態様は、前記凸部の高さが、前記上面側フラップにおける前記凸部の形成面から0.05~1.0mmである、薄葉紙収納箱を提供する。第2の態様では、凸部の高さを、このような範囲にすることにより、解体前には上面側フラップと底面側フラップおよび一対の側面側フラップとの間の接合力を維持することができる。
本発明に係る第3の態様は、前記凸部が、前記上面側フラップの一部がプレス加工されたものである、薄葉紙収納箱を提供する。第3の態様では、このようなプレス加工を上面側フラップに施すことで、このような凸部を上面側フラップと一体に形成することができる。そのため、上面側フラップにおける凸部の形成が容易である。また、凸部の寸法(高さ等)または個数の制御が容易である。
本発明に係る第4の態様は、前記底面側フラップは、前記一対の接合部が接合する一対の第1被接合部を有し、前記一対の側面側フラップは、前記一対の接合部が接合する一対の第2被接合部を有し、前記凸部の少なくとも一部は、前記第1被接合部と前記第2被接合部とに跨って接合されている、薄葉紙収納箱を提供する。
本明細書において、跨って接合するとは、凸部の少なくとも一部が第1被接合部から第2被接合部に渡って接合することを意味する。すなわち、第4の態様では、上面側フラップの接合領域内に形成された凸部の一部または全部が、第1被接合部および第2被接合部の両方に接合されている。
このような構成により、凸部の一部または全部が、底面側フラップおよび一対の側面側フラップの部分(被接合部または一対の第1被接合部と一対の第2被接合部)全体にバランスよく接合されている。そのため、第4の態様では、上面側フラップを妻面部の外側に引き出す際に、より上面側フラップ側に接合部が残り易くなり、より確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱を解体することができる。
本発明に係る第5の態様は、前記上面側フラップの下端部の中央部に円弧状の切欠部が形成されている、薄葉紙収納箱を提供する。第5の態様では、このような切欠部を上面側フラップに設けることにより、解体時に上面側フラップの切欠部に指を掛けることができる。そのため、上面側フラップを妻面部の外側に引き出す作業が容易になる。
本発明に係る第6の態様は、前記底面側フラップは、前記上面側フラップの前記切欠部と対向するように、前記底面側フラップの上端部から前記上面部側に向かって突出する突出部を有する、薄葉紙収納箱を提供する。第6の態様では、上面側フラップの切欠部と対向する突出部を底面側フラップの上端部に設けることにより、上面側フラップの切欠部によって露出する薄葉紙収納箱の内部を遮蔽することができる。
また、第6の態様では、このような突出部を設けることにより、底面側フラップの一対の側面側フラップ寄りの両端部では底面側フラップの上端部の位置が維持される。そのため、上面側フラップと底面側フラップとの接合位置を維持することができる。
本発明に係る第7の態様は、前記突出部は、突出部の両側端部が前記一対の側面側フラップと重なる、薄葉紙収納箱を提供する。第7の態様では、底面側フラップの上端部から前記上面部側に向かって突出する突出部の両側端部が一対の側面側フラップと重なることにより、底面側フラップにおける上面側フラップの接合位置を突出部の両側端部にすることができる。そのため、底面側フラップにおける接合位置の位置決めが容易である。
また、第7の態様では、底面側フラップの突出部が一対の側面側フラップと重なることにより、上面側フラップが底面側フラップと一対の側面側フラップに接合された状態で、突出部の両側端部が上面側フラップと一対の側面側フラップの間に係止される。これにより、上面側フラップと一対の側面側フラップとの間で底面側フラップの係止面積が増えるため、上面側フラップと底面側フラップおよび/または一対の側面側フラップとの接合力の低下を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、解体が容易な薄葉紙収納箱を提供することができる。
本発明の実施形態に係る薄葉紙収納箱(第1実施形態)を示す斜視図である。 第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の展開図である。 第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部を示す図である。 第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開した図である。 図4の一部(上面側フラップの接合領域が形成された部分)を拡大した図である。 図3の一部(上面側フラップの接合領域が形成された部分)を拡大した図である。 図3のA-A線断面図である。 第1実施形態に係る薄葉紙収納箱を解体する状態(上面側フラップの切欠部に指が掛かる直前の状態)を示す図である。 第2実施形態に係る薄葉紙収納箱を解体する状態(妻面部が開放された状態)を示す図である。 上面側フラップに凸部が形成されていない薄葉紙収納箱(参考例1)の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開して、上面側フラップの接合領域が形成された部分を拡大した図である。 上面側フラップに凸部が形成されていない薄葉紙収納箱(参考例1)において、上面側フラップと底面側フラップおよび一対の側面側フラップとの接合部分の断面を拡大した図である。 第2実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開して、上面側フラップの接合領域が形成された部分を拡大した図である。 第3実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開して、上面側フラップの接合領域が形成された部分を拡大した図である。図である。 第4実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開して、上面側フラップの接合領域が形成された部分を拡大した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、理解を容易にするため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、本明細書では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、薄葉紙収納箱の幅方向をX方向とし、奥行き方向をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。
図1は、本発明の実施形態に係る薄葉紙収納箱の一例(第1実施形態)を示す斜視図であり、図2は、第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の展開図である。図3は、第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部を示す図であり、図4は、第1実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開した図である。図5は、図4の一部(上面側フラップの接合領域が形成された部分)を拡大した図であり、図6は、図3の一部(上面側フラップの接合領域が形成された部分)を拡大した図であり、図7は、図3のA-A線断面図である。
図1~図4に示すように、本実施形態に係る薄葉紙収納箱100は、上面部10、底面部20、一対の側面部30、および一対の妻面部40を有する。薄葉紙収納箱100は、略直方体(立方体を含む)状に形成された箱体である。
薄葉紙収納箱100内の収容空間には、多数のティシューペーパーTPが積層された状態で収納される。薄葉紙収納箱100は、バージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙などを用いて形成される。また、薄葉紙収納箱100に収容される薄葉紙は、ティシューペーパーに限定されるものではなく、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品を収容することができる。
薄葉紙収納箱100の外形寸法は、特に限定されず、収納されるティシューペーパーTPの量や寸法などにより決定される。例えば、薄葉紙収納箱100の幅(X方向)の長さは、好ましくは100~250mmであり、より好ましくは200~250mmである。薄葉紙収納箱100の奥行き(Y方向)の長さは、好ましくは100~150mmであり、より好ましくは100~130mmである。高さ(Z方向)は、好ましくは40~150mm、より好ましくは44~62mmである。
薄葉紙収納箱100の坪量は、使用に耐えうる十分な強度を確保する観点から、薄葉紙収納箱100がコートボール紙(厚紙)で形成されている。なお、薄葉紙収納箱100の坪量は、好ましくは310~400g/mである。ここで、坪量とは、JIS P 8124(1998)の坪量測定方法に準じて測定したものである。
薄葉紙収納箱100内に収容されるティシューペーパーTPの大きさは、例えば、上面および底面の寸法が60~130mm×150~250mm、高さが20~110mmである。ティシューペーパーのプライ数は、2プライであり、その1プライ当たりの坪量は9.0~25.0g/m、より好ましくは10.0~15.0g/mである。また、紙厚は、2プライで100~160μmであり、より好ましくは120~140μmである。なお、坪量とは、JIS P 8124(1998)に基づいて測定した値を意味する。
また、紙厚の測定方法としては、例えば、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて、2プライの状態で測定する。具体的には、プランジャーと測定台との間にゴミやチリなどがないことを確認して、プランジャーを測定台に設置する。その後、ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させて、ゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろし、そのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は、金属製で直径10mm程度の円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにする。この紙厚の測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は、測定を10回行って得られる平均値とする。
薄葉紙収納箱100は、上面部10に取出し口50を有する。取出し口50は、収容空間に収容されているティシューペーパーTPを上面部10側から取り出すことができる形状になっている。取出し口50は、上面部10のY方向の中央に形成され、X方向に沿う方向が長手方向となる略長方形状の開口を構成する。
本実施形態では、薄葉紙収納箱100の使用時に、取出し口50を通じて、収容空間に収容されているティシューペーパーTPが外部へ取り出される。なお、取出し口50のX方向の長さやY方向の幅は、ティシューペーパーTPの大きさ等に基づいて適宜定めることができる。また、本実施形態では、取出し口50は、薄葉紙収納箱100の上面部10のY方向の中間にX方向に沿って長方形状に形成されているが、これに限定されず、ティシューペーパーTPを取り出すことができれば、他の形状でもよい。
薄葉紙収納箱100は、使用前の段階では、上面部10に、ミシン目等からなる破断用切目線51を介して薄葉紙収納箱100と一体に形成された蓋部53を有する。使用時には、蓋部53を破断用切目線51に沿って切り離し、上面部10に取出し口50を形成する。これにより、収容空間内のティシューペーパーTPは、取出し口50から上方に取り出すことができる。なお、本実施形態において、破断用切目線51は、使用時において蓋部53を切り離す切り取り線を意味する。
また、上面部10の取出し口50には、取出し口50を覆うように長手方向(X方向)にスリット52aを有する樹脂製フィルム52が設けられている。なお、樹脂製フィルム52は、上面部10の裏面に、取出し口50の周囲に塗布された接着剤などにより固定されている。ティシューペーパーTPは、このスリット52aを通して外部に取り出される。なお、樹脂製フィルム52の材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができるが、これらに限定されない。
薄葉紙収納箱100を構成する上面部10、底面部20および一対の側面部30は、それぞれ、略長方形状に形成されており、折り曲げ可能に連接されている。そして、底面部20の長手端縁20cには、図2に示すように、側面部30の長手端縁30cと連結するための台形状の糊代部20bが折り曲げ可能に連接されている。
薄葉紙収納箱100は、図1、図2に示すように、さらに上面側フラップ11、底面側フラップ21、および一対の側面側フラップ31を有している。上面側フラップ11は、上面部10の両側端縁10a,10aから延出されている。また底面側フラップ21は、底面部20の両側端縁20a,20aから延出されている。さらに一対の側面側フラップ31は、一対の側面部30の両側端縁30a,30aからそれぞれ延出されている。上面側フラップ11、底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31は、それぞれ、略長方形状に形成されており、内側に折り曲げ可能に連接されている。
ここで、本実施形態に係る薄葉紙収納箱100の成形方法の一例について説明する。なお、薄葉紙収納箱100の成形方法は、以下に示す成形方法に限定されるものではない。まず、図2に示す上面部10、底面部20、および一対の側面部30をそれぞれ折り曲げる。また、糊代部20bを折り曲げて底面部20と連接していない側の側面部30の裏面に糊代部20bを糊付けして、底面部20と側面部30とを連結する。これにより、妻面部40の形成されていない筒状の箱体が形成される。
次に、側面側フラップ31を、対向配置される側面側フラップ31と対向するように、それぞれ内側に折り曲げる。次に、底面側フラップ21を折り曲げた後、上面側フラップ11の端部(下端部11a)の内面が底面側フラップ21の端部(上端部21a)外面に重なるように、上面側フラップ11を折り曲げる。
次いで、上面側フラップ11の下端部11aの両側端部に設けられた接合部60によって、上面側フラップ11を底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合する。これにより、薄葉紙収納箱100が形成される。
また、薄葉紙収納箱100の妻面部40は、上面側フラップ11の内側に底面側フラップ21が重なり、且つ、底面側フラップ21の内側に一対の側面側フラップ31が重なる(重畳する)ように、上面側フラップ11、底面側フラップ21、および一対の側面側フラップ31がそれぞれ折り曲げられて形成されたものとなる。
本実施形態(第1実施形態)の薄葉紙収納箱100では、上面側フラップ11が、一対の接合部60を有する。接合部60の材質は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の接着剤を用いることができる。また、接合部60の形成方法は、特に限定されないが、例えば、上述の接着剤をホットメルトにより形成することができる。
第1実施形態では、この一対の接合部60が、上面側フラップ11を底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合する。すなわち、上面側フラップ11は、一対の接合部60を介して底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合し、底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31は接合されていない。なお、第1実施形態の構成のように、底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31は、接合されていないのが好ましいが、仮止めしてもよい。
第1実施形態では、上面側フラップ11が、妻面部40の内側に向かって凸となる凸部80を有する。具体的には、上面側フラップ11の凸部80は、底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31に対して凸となる形状を有する。具体的には、凸部80は、上面側フラップ11の底面側フラップ21側に位置する頂部80Aと、上面側フラップ11の底面側フラップ21側と反対の側に位置する開口部80Bを有する。
また、第1実施形態では、凸部80の少なくとも一部が、一対の接合部60が設けられた上面側フラップ11の接合領域11c内に形成されている。具体的には、凸部80の全部が、上面側フラップ11の接合領域11c内に形成されている(図5、図6参照)。そして、上面側フラップ11は、凸部80を介して、底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31に接合されている(図7参照)。
なお、凸部80は、少なくとも一部が接合領域11c内に形成されていればよいため、凸部80の一部が接合領域11c内に形成されていてもよいし、第1実施形態のように凸部80の全部が接合領域11c内に形成されていてもよい。なお、凸部80の一部が接合領域11c内に形成される場合は、凸部80のうち接合領域11c内に形成される凸部80の一部を除く他の一部は、接合領域11cからはみ出して形成されることになる。
第1実施形態では、凸部80は、上面側フラップ11の一部がプレス加工されて形成されている。具体的には、上面側フラップ11がプレス加工等により押し込まれて凸状に成形されることで、上面側フラップ11に凸部80が形成される。
なお、凸部80の形状は、特に限定されず、平面視で四角形、円形、三角形等の輪郭形状を有することができる。第1実施形態では、凸部80の形状は、平面視で略長方形の輪郭形状を有する。また、凸部80の個数は、特に限定されず、1個または2個以上設けることができる。第1実施形態では、1個の凸部80が設けられている。
また、凸部80の高さは、特に限定されないが、上面側フラップ11における凸部80の形成面から上面側フラップ11の厚み方向に、好ましくは0.05~1.0mmであり、より好ましくは0.07~0.7mmであり、さらに好ましくは0.1~0.5mmである。本明細書において、凸部80の高さは、上面側フラップ11における凸部80の形成面から上面側フラップ11の厚み方向に沿った凸部80の頂部80Aまでの距離である。
なお、凸部80の高さが0.05mm未満の場合は、解体時に上面側フラップ側に接合部60が残り難くなるおそれがある。一方、凸部80の高さが0.5mmを超える場合は、上面側フラップ11と底面側フラップ21及び一対の側面側フラップ31との接合面積が却って小さくなるおそれがある。
図4に示すように、上面側フラップ11の一対の接合部60は、底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31の被接合部70に接合されている。被接合部70は、底面側フラップ21に形成された一対の第1被接合部71(70)と、一対の側面側フラップ31に形成された一対の第2被接合部72(70)で構成されている。
すなわち、底面側フラップ21は、一対の接合部60が接合する一対の第1被接合部71を有し、一対の側面側フラップ31は、一対の接合部60が接合する一対の第2被接合部72を有する。これにより、上面側フラップ11は、接合部60により、底面側フラップ21に対しては底面側フラップ21における一対の第1被接合部71(70)に接合し、一対の側面側フラップ31に対しては一対の側面側フラップ31の一対の第2被接合部72(70)に接合する。
第1実施形態では、凸部80の少なくとも一部は、第1被接合部71と第2被接合部72とに跨って接合されている。ここで、跨って接合するとは、凸部80の少なくとも一部が第1被接合部71から第2被接合部72に渡って接合することを意味する。第1実施形態では、凸部80の全部が第1被接合部71と第2被接合部72とに跨って接合されている。すなわち、第1実施形態では、上面側フラップ11の接合領域11c内に形成された凸部80が、第1被接合部71および第2被接合部72の両方に接合されている。
見方を変えると、第1実施形態では、図3、図4に示すように、底面側フラップ21における一対の第1被接合部71(70)と一対の側面側フラップ31における一対の第2被接合部72(70)とは、底面側フラップ21の上端部21aの近傍で隣接している。これにより、一対の接合部60を介して上面側フラップ11を底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合すると、底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31は、上面側フラップ11に対して、底面側フラップ21の近傍で一緒に接合される。
なお、第1実施形態では、平面視で略長方形の輪郭形状を有する凸部80の長手方向と略直交する幅方向が薄葉紙収納箱100の高さ方向(Z方向)となるように、凸部80が上面側フラップ11に形成されている(図3参照)。しかし、凸部80は、図3に示す形態に限定されず、凸部80の長手方向が薄葉紙収納箱100の高さ方向(Z方向)となるように、凸部80を上面側フラップ11に形成してもよい。
また、第1実施形態では、上面側フラップ11の下端部11aの中央部に円弧状の切欠部11bが形成されている。円弧状の切欠部11bは、薄葉紙収納箱100の上面部10の方向に凸となるように湾曲しており、薄葉紙収納箱100の解体時に指が掛けられるようになっている。切欠部11bの形状及び寸法は、指が掛けられる程度であれば、特に限定されない。
また、第1実施形態では、底面側フラップ21に、底面側フラップ21の上端部21aから上面部10側に向かって突出する突出部21bが形成されている。突出部21bは、上面側フラップ11の切欠部11bと対向するように、底面側フラップ21の中央部に配置されている。
また、第1実施形態では、突出部21bの両側端部SEが一対の側面側フラップ31と重なるように、突出部21bが底面側フラップ21に形成されている。このように一対の側面側フラップ31と重なる突出部21bの両側端部SEは、上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合された状態で、上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31の間に挟まれている。
ここで、本実施形態(第1実施形態)の薄葉紙収納箱100を解体する方法について、説明する。図8は、第1実施形態に係る薄葉紙収納箱を解体する状態(上面側フラップの切欠部に指が掛かる直前の状態)を示す図である。図9は、第1実施形態に係る薄葉紙収納箱を解体する状態(妻面部が開放された状態)を示す図である。
薄葉紙収納箱100を解体する場合には、図8に示すように、まず上面側フラップ11の下端部11aに指Fを掛ける。このとき、上面側フラップ11の下端部11aの中でも下端部11aの中央部に設けられた切欠部11bは、上面側フラップ11の下端部11aに対して、薄葉紙収納箱100の上面部10の方向に凸となるように湾曲しているため、目につき易く、指Fが掛かり易い。
そして、上面側フラップ11の下端部11a(図8では切欠部11b)に掛けた指Fを、図9に示すように、薄葉紙収納箱100の幅方向(X方向)に引き出し、さらに高さ方向(Z方向)に引き上げる。そうすると、一対の接合部60による上面側フラップ11と底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31との接合が解除され、薄葉紙収納箱100の妻面部40が開放される(図9参照)。
第1実施形態では、上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合する一対の接合部60を有することにより、破断用ミシン目が設けられていない。そのため、解体時にミシン目を破断する必要がなく、指Fへの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、一対の接合部60だけで、上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合されている。そのため、各フラップ間の接合箇所が少なく、解体時に少ない力で各フラップの接合を解除することができる。
また、第1実施形態では、一対の接合部60によって上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合されているだけで、底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31とは接合されていない。これにより、上面側フラップ11を引き出すだけで、各フラップの接合が解除されるため、薄葉紙収納箱100の妻面部40を開放することができる。そのため、第1実施形態では、1つの動作(ワンアクション)で、薄葉紙収納箱100を解体することができる。
さらに、第1実施形態では、一対の接合部60が設けられた上面側フラップ11の接合領域11c内に、凸部80の少なくとも一部が形成されていることにより、上面側フラップ11の接合面積(接合領域11cの表面積)を増やすことができる。より具体的には、上面側フラップに凸部が形成されていない薄葉紙収納箱(図10、図11参照)と比較すると、上面側フラップ11に凸部80が形成された第1実施形態では、接合部60に接合する上面側フラップ11の表面積が増える(図3、図5、図7参照)。
これにより、第1実施形態では、解体時に、上面側フラップ11側に接合部60が残り易く、上面側フラップ11が接合する底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31側の部分(以下、被接合部70という場合がある)に接合部60が残り難い。そのため、確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
また、第1実施形態の薄葉紙収納箱100では、凸部80の高さを、上述の範囲にすることにより、上面側フラップ11と接合部60との間の接合力を維持することができる。すなわち、解体時にはより上面側フラップ11側に接合部60が残りやすく、1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
また、第1実施形態の薄葉紙収納箱100では、上面側フラップ11の一部をプレス加工することにより、凸部80を上面側フラップ11と一体に形成することができる。そのため、上面側フラップ11における凸部80の形成(位置決め等)が容易である。また、凸部80の寸法(高さ等)または個数の制御が容易である。
また、第1実施形態の薄葉紙収納箱100では、凸部80の一部または全部が、第1被接合部71と第2被接合部72に跨って接合されていることで、底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31の被接合部70(一対の第1被接合部71と一対の第2被接合部72)全体にバランスよく接合される。これにより、第1実施形態では、上面側フラップ11を妻面部40の外側に引き出す際に、より上面側フラップ11側に接合部60が残り易くなるため、より確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
また、第1実施形態の薄葉紙収納箱100では、円弧状の切欠部11bが上面側フラップ11の下端部11aの中央部に設けられているため、解体時に上面側フラップ11の切欠部11bに指Fを掛けることができる。そのため、上面側フラップ11を引き出して薄葉紙収納箱100を解体する作業が容易になる。
また、第1実施形態の薄葉紙収納箱100では、底面側フラップ21の上端部21aに、上面側フラップ11の切欠部11bと対向する突出部21bが設けられている。これにより、上面側フラップ11の切欠部11bによって露出する可能性がある薄葉紙収納箱100の内部を遮蔽することができる。そのため、このような突出部21bによって、上面側フラップ11の切欠部11bによって露出するのを防ぐことができる。
また、第1実施形態では、このような突出部21bを設けることにより、底面側フラップ21の一対の側面側フラップ31寄りの両端部21cでは底面側フラップ21の上端部21aの位置が維持される。すなわち、底面側フラップ21の上端部21aに突出部21bを設けても、突出部21bの両側端部SEと上端部21aとの間に段差が生じ、一対の側面部30側では底面側フラップ21の上端部21aの位置が変わらない。そのため、上面側フラップ11と底面側フラップ21との接合位置(被接合部70)を維持することができる(図4参照)。
また、第1実施形態では、底面側フラップ21の上端部21aから上面部10側に向かって突出する突出部21bの両側端部SEが一対の側面側フラップ31と重なっている。これにより、底面側フラップ21における上面側フラップ11の接合位置を突出部21bの両側端部SEにすることができる。そのため、底面側フラップ21における上面側フラップ11の接合位置の位置決めが容易である。
また、第1実施形態では、底面側フラップ21の突出部21bが一対の側面側フラップ31と重なることにより、上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合された状態で、突出部21bの両側端部SEが上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31の間に係止される。これにより、上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31との間で底面側フラップ21の係止面積が増えるため、上面側フラップ11と底面側フラップ21および/または一対の側面側フラップ31との接合力の低下を防ぐことができる。
図12は、第2実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開した図である。第2実施形態の薄葉紙収納箱100では、平面視で略長方形の輪郭形状を有する2個の凸部80が設けられている。具体的には、凸部80は、第1凸部81と第2凸部82とで構成され、第1凸部81と第2凸部82とが高さ方向(Z方向)に並んで接合領域11c内に形成されている。
第2実施形態では、凸部80の数が2個であるため、上述の第1実施形態のような凸部80の数が1個の場合に比べて、上面側フラップ11の接合面積(接合領域11cの表面積)を増やすことができる。これにより、第2実施形態では、解体時に、上面側フラップ11側に接合部60がより残り易い。そのため、第2実施形態によれば、より確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
図13は、第3施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開した図である。第3実施形態の薄葉紙収納箱100では、平面視で略円形の輪郭形状を有する1個の凸部80が設けられている。具体的には、このような円形の凸部80が、接合領域11c内に形成されている。
一対の接合部60が設けられた上面側フラップ11の接合領域11c内に、このような円形の凸部80が設けられている場合でも、上面側フラップ11の接合面積(接合領域11cの表面積)を増やすことができる。そのため、凸部80の形状に拘わらず、解体時に上面側フラップ11側に接合部60が残り易くなり、確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
図14は、第4実施形態に係る薄葉紙収納箱の妻面部の一部(上面側フラップ)を展開した図である。第4実施形態の薄葉紙収納箱100では、平面視で略円形の輪郭形状を有する2個の凸部80が設けられている。具体的には、凸部80は、第1凸部81、第2凸部82及び第3凸部83とで構成されている。このうち第1凸部81は、上面側フラップ11の下端部11a側に形成されている。また、第2凸部82及び第3凸部83は、上面部10の側端縁10a側に形成され、奥行き方向(Y方向)に並んで配置されている。
第4実施形態では、円形の凸部80の数が3個であるため、上述の第3実施形態のような円形の凸部80の数が1個の場合に比べて、上面側フラップ11の接合面積(接合領域11cの表面積)を増やすことができる。これにより、第4実施形態では、解体時に、上面側フラップ11側に接合部60がより残り易くなり、より確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
また、一対の接合部60が設けられた上面側フラップ11の接合領域11c内に、このように円形の凸部80が3つ設けられている場合でも、上面側フラップ11の接合面積(接合領域11cの表面積)をより増やすことができる。そのため、凸部80の形状に拘わらず、解体時に上面側フラップ11側に接合部60がより残り易くなり、より確実に1つの動作(ワンアクション)で薄葉紙収納箱100を解体することができる。
なお、第1乃至第4実施形態では、上面側フラップ11に、図示しない一対の補強部を設けてよい。この場合、一対の補強部は、上面側フラップ11の上面部10寄りに形成し、上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31と接合させるのが好ましい。
なお、このような補強部の材質は、特に限定されないが、例えば、上述の接合部60に適用可能な材質(エポキシ樹脂等)の接着剤を用いることができる。また、補強部の形成方法は、特に限定されないが、例えば、上述の接合部60に適用可能な接合方法(ホットメルト等)により形成することができる。
このような補強部は、一対の接合部60とは別個に、上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31と接合を接合することができるため、一対の接合部60による上面側フラップ11と底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31との接合を補強することができる。これにより、上面側フラップ11と底面側フラップ21および一対の側面側フラップ31との接合力の低下を防ぐことができる。
また、このような補強部が上面側フラップ11の上面部10寄りに設けられているため、薄葉紙収納箱100の高さ方向に沿う、上面部10の側端縁10aから一対の補強部までの距離に対して、上面側フラップ11の下端部11aから一対の補強部までの距離が長い。そのため、解体時に上面側フラップ11を引き出す際に、一対の接合部60における各フラップの接合を解除した後、さらに一対の補強部における上面側フラップ11と一対の側面側フラップ31との接合の解除を少ない力で行うことができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の測定、評価は、以下の試験により行った。
<耐久性>
薄葉紙収納箱100(カートン)の耐久性を確認した。具体的には、薄葉紙収納箱100の底面部20を地面に向けた状態で、地面から1.3mの高さから薄葉紙収納箱100を落下させ、薄葉紙収納箱100の妻面部40における各フラップの剥がれ(一対の接合部60の解除)の有無を確認した。耐久性の評価は、フラップの剥がれが確認されなかった場合は○(良好)、フラップの剥がれが確認された場合は×(不良)と評価した。
<破断強度>
薄葉紙収納箱100(カートン)の破断強度を測定した。具体的には、プッシュプルゲージ(IMADA社製、商品名「デジタルフォースゲージ Z2-20N」)を縦型電力計測スタンド(IMADA社製、型式MX-500N)に固定する。プッシュプルゲージにカギ状標準付属アタッチメント(A-1、巾12mm、小鉤)のカギ状の先端が測定値の表示面に向かって左を向くように取り付ける。測定するカートンの上面側フラップ11の指かけ部FP(切欠部11b)の中央にダブルクリップ(狭口幅13mm、奥行7mm)を取り付ける。計測スタンドに高さ115mmの台を置き、その上にダブルクリップを取り付けたカートンを置く。プッシュプルゲージのカギ状の先端を、ダブルクリップの2つある摘み部分のうち、カートン外側の摘み部分にひっかける。カートン底面が計測スタンドに水平に接する位置までプッシュプルゲージを下げ、ダブルクリップを取り付けたフラップから内側5mmの位置を掌で固定する。プッシュプルゲージの電源を入れ、「PEAK」ボタンを押し、引っ張り時の一番高い破断強度を測定する。プッシュプルゲージの「ZERO」ボタンを押して表示が0であることを確認し、フラップが開封するまで計測スタンドを上に動かす。そして、プッシュプルゲージに表示されている値を読み取る。破断強度の測定は6回行い、その平均値を破断強度(kgf)とした。破断強度が2.1kgf以下の場合、薄葉紙収納箱100の解体が容易であると評価し、破断強度が2.1kgfを超えた場合、薄葉紙収納箱100の解体が困難であると評価した。
<解体性>
薄葉紙収納箱100(カートン)の解体性を確認した。具体的には、カートンを解体したときに、1つの動作(ワンアクション)で解体できたか否かを確認した。解体性の確認は6回行い、1つの動作(ワンアクション)で解体できた割合(%)を以下のように数値化した。解体性の評価は、以下基準で行い、評価が3以上の場合は解体性が良好であり、評価が3未満の場合は解体性が不良であると評価した。
1 0%以上20%未満
2 20%以上40%未満
3 40%以上60%未満
4 60%以上80%未満
5 80%以上100%以下
[実施例1]
薄葉紙収納箱100として、原紙が坪量310g/mの裏ネズコートボール紙、高さ約45mm、幅約229mm、奥行き約110mmを作製した。図1~図7に示すように、上面側フラップ11に一対の接合部60を設け、上面側フラップ11を底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合した。上面側フラップ11に設けられた一対の接合部60は、底面側フラップ21に形成された一対の第1被接合部71(70)と、一対の側面側フラップ31に形成された一対の第2被接合部72(70)とに接合されている。また、上面側フラップ11の一対の接合部60が設けられた接合領域11c内に、妻面部40の内側に向かって凸となる凸部80を形成した。凸部80は、その全部が一対の第1被接合部71(70)と一対の第2被接合部72(70)とに跨るように接合領域11c内に配置されている。凸部80の形状は、平面視で略長方形の輪郭形状であり、凸部80の個数は1個である(図5~図7参照)。また、上面側フラップ11の下端部11aの中央部に、円弧状の切欠部11bを設けた。さらに、底面側フラップ21に、底面側フラップ21の上端部21aから上面部10側に向かって突出する突出部21bを、突出部21bの両側端部SEが一対の側面側フラップ31と重なるように設けた。このように、実施例1の薄葉紙収納箱100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
図12に示すように、凸部80を第1凸部81と第2凸部82とで構成した(凸部80の個数を2個にした)以外は、実施例1と同様に薄葉紙収納箱100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
図13に示すように、凸部80の形状を平面視で略円形の輪郭形状にした以外は、実施例1と同様に薄葉紙収納箱100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
図14に示すように、凸部80を第1凸部81、第2凸部82及び第3凸部83で構成した(凸部80の個数を3個にした)以外は、実施例3と同様に薄葉紙収納箱100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[参考例1]
図10、図11に示すように、上面側フラップ11に凸部80を形成しなかった以外は、実施例1と同様に薄葉紙収納箱100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
一対の内フラップの外面に、先端部が重なる上下一対の外フラップが接着された妻面を備え、上下一対の外フラップのうち上外フラップにミシン目(円弧状ミシン線と切離し用ミシン線)が設けられ、上外フラップの内側に下外フラップが重なり且つ下外フラップの内側に一対の内フラップが重なるように妻面部が形成されたティシューペーパー収納箱を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
下外フラップに切離し用ミシン線と、切離し用ミシン線と連続する円弧状ミシン線とが設けられ、切離し用ミシン線と円弧状ミシン線の一部が上下一対の外フラップの接合部に埋設され、下外フラップが一対の内フラップに接着されたティシューカートンを用意し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007271104000001
表1より、上面側フラップ11の一対の接合部60が設けられた接合領域11c内に凸部80を形成し、一対の接合部60により上面側フラップ11が底面側フラップ21と一対の側面側フラップ31に接合された薄葉紙収納箱100は、いずれも、耐久性が良好であり、破断強度が2.1kgf以下であり、解体性が良好であった(実施例1~4)。
これに対して、上面側フラップ11に凸部80が設けられていない薄葉紙収納箱は、いずれかが、破断強度が2.1kgfを超え、解体性が不良(評価が3未満)であった(参考例1、比較例1、2)。
また、凸部80の個数を2個以上にした薄葉紙収納箱100は、いずれも、解体性が向上した(実施例2、4)。
これらの結果から、上面側フラップが、底面側フラップと一対の側面側フラップに接合する一対の接合部を有し、上面側フラップが、妻面部の内側に向かって凸となる凸部を有し、凸部の少なくとも一部が、一対の接合部が設けられた上面側フラップの接合領域内に形成されている薄葉紙収納箱は、簡単に解体することができることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 薄葉紙収納箱
10 上面部
10a 側端縁
11 上面側フラップ
11a 下端部
11b 切欠部
11c 接合領域
20 底面部
20a 側端縁
21 底面側フラップ
21a 上端部
21b 突出部
21c 端部
30 側面部
30a 側端縁
31 側面側フラップ
40 妻面部
50 取出し口
60 接合部
70 被接合部
71 第1被接合部
72 第2被接合部
80 凸部
81 第1凸部
82 第2凸部
83 第3凸部
TP ティシューペーパー

Claims (6)

  1. 取出し口が設けられた上面部、底面部、一対の側面部、および一対の妻面部を有し、
    前記上面部の側端縁から延出する上面側フラップと、
    前記底面部の側端縁から延出する底面側フラップと、
    前記一対の側面部の両側端縁からそれぞれ延出する一対の側面側フラップとを有し、
    前記妻面部は、前記上面側フラップの内側に前記底面側フラップが重なり且つ前記底面側フラップの内側に前記一対の側面側フラップが重なるように、前記上面側フラップ、前記底面側フラップ、および前記一対の側面側フラップがそれぞれ折り曲げられて形成され、
    前記上面側フラップ前記底面側フラップと前記一対の側面側フラップに接着され且つ底面側フラップは一対の側面側フラップに接着されていない一対の接合部のみを有し、
    前記上面側フラップは、前記妻面部の内側に向かって凸となる凸部を有し、
    前記凸部の少なくとも一部は、前記一対の接合部が設けられた前記上面側フラップの接合領域内に形成され、
    前記底面側フラップは、前記一対の接合部が接合する一対の第1被接合部を有し、
    前記一対の側面側フラップは、前記一対の接合部が接合する一対の第2被接合部を有し、
    前記凸部の少なくとも一部は、前記第1被接合部と前記第2被接合部とに跨って接合されている、薄葉紙収納箱。
  2. 前記凸部の高さは、前記上面側フラップにおける前記凸部の形成面から0.05~1.0mmである、請求項1に記載の薄葉紙収納箱。
  3. 前記凸部は、前記上面側フラップの一部がプレス加工されたものである、請求項1または2に記載の薄葉紙収納箱。
  4. 前記上面側フラップの下端部の中央部に円弧状の切欠部が形成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱。
  5. 前記底面側フラップは、前記上面側フラップの前記切欠部と対向するように、前記底面側フラップの上端部から前記上面部側に向かって突出する突出部を有する、請求項4に記載の薄葉紙収納箱。
  6. 前記突出部は、前記突出部の両側端部が前記一対の側面側フラップと重なる、請求項5に記載の薄葉紙収納箱。
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