JP7270088B2 - 超音波プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、超音波プローブに係り、特に、検査時に被検体と接触する先端部に音響インピーダンスを調整するための超音波ジェルが塗布される超音波プローブに関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信し、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信する際、被検体と接触する超音波プローブの先端部と被検体との間に隙間が生じて空気の層が存在すると、この空気の層により、超音波プローブの先端部と被検体との間において音響インピーダンスの差が大きくなり、超音波が減衰および反射をしてしまう。そこで、例えば特許文献1に開示されているように、被検体と接触する超音波プローブの先端部に被検体との隙間を埋めるための超音波ジェルを塗布することにより、超音波プローブの先端部と被検体との間で超音波の減衰および反射を防止することが行われている。
特開2007-175081号公報
ところで、ユーザは、超音波プローブを用いて被検体に対する検査を実行している途中で、検査の状況により、超音波プローブを被検体の近傍の机およびベッドの上等に置くことがある。超音波プローブの先端部に超音波ジェルが塗布されている状態において超音波プローブが机およびベッドの上に置かれると、超音波ジェルが机およびベッド等に付着して机およびベッド等を汚してしまう、または、机およびベッド等に付着することにより超音波ジェル自体が汚れてしまうことがあった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであり、超音波プローブが置かれた載置面に超音波ジェルが付着することを防止する超音波プローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の超音波プローブは、複数の振動子が配列された振動子アレイと、振動子アレイが収容されるハウジングとを備え、ハウジングは、定められた方向に伸長するグリップ部と、グリップ部の伸長方向における一端部に連結され且つ振動子アレイを収容する振動子アレイ収容部とを有し、グリップ部の伸長方向における他端部側の表面に伸長方向に沿って延びるプローブ支持面が規定され、ハウジングは、複数の振動子の配列方向およびグリップ部の伸長方向に延びるプローブ基準面に対してプローブ支持面と同じ側の表面で且つプローブ支持面よりも振動子アレイ収容部に近接する位置に形成された突起を有し、プローブ支持面を平坦な載置面に接触させて載置面上に置かれた場合に、プローブ支持面よりも振動子アレイ収容部側に位置する部分のハウジングの表面が載置面から離れた姿勢となり、且つ、突起の表面が載置面から離れ、突起を載置面に接触させて載置面上に置かれた場合に、振動子アレイ収容部の表面が載置面から離れた姿勢となることを特徴とする。
超音波プローブは、グリップ部の他端部に内蔵されたバッテリを備えることが好ましい。
また、グリップ部の他端部は、プローブ基準面に対して非対称な外形を有することが好ましい。
この際に、ハウジングは、グリップ部の他端部の表面に規定され且つプローブ支持面とは反対方向に向けられたプローブ操作面を有し、プローブ支持面とプローブ操作面との間にプローブ基準面が位置し、プローブ基準面からプローブ支持面までの距離は、プローブ基準面からプローブ操作面までの距離よりも大きいことが好ましい。
さらに、超音波プローブは、プローブ操作面に配置された操作スイッチおよびインジケータを備えることができる。
本発明によれば、超音波プローブは、複数の振動子が配列された振動子アレイと、振動子アレイが収容されるハウジングとを備え、ハウジングは、定められた方向に伸長するグリップ部と、グリップ部の伸長方向における一端部に連結され且つ振動子アレイを収容する振動子アレイ収容部とを有し、グリップ部の伸長方向における他端部側の表面に伸長方向に沿って延びるプローブ支持面が規定され、ハウジングは、複数の振動子の配列方向およびグリップ部の伸長方向に延びるプローブ基準面に対してプローブ支持面と同じ側の表面で且つプローブ支持面よりも振動子アレイ収容部に近接する位置に形成された突起を有し、プローブ支持面を平坦な載置面に接触させて載置面上に置かれた場合に、プローブ支持面よりも振動子アレイ収容部側に位置する部分のハウジングの表面が載置面から離れた姿勢となり、且つ、突起の表面が載置面から離れ、突起を載置面に接触させて載置面上に置かれた場合に、振動子アレイ収容部の表面が載置面から離れた姿勢となるため、超音波プローブが置かれた載置面に超音波ジェルが付着することを防止することができる。
本発明の実施の形態1に係る超音波プローブを上から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波プローブを下から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波プローブの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波プローブの側面図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波プローブを備えた超音波診断装置の構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る超音波プローブを下から見た斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る超音波プローブの側面図である。 本発明の実施の形態2において突起が載置面に接する場合の超音波プローブの側面図である。 本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の側面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態に係る超音波プローブ11を示す。図1に示すように、超音波プローブ11は、ハウジング12を備え、ハウジング12は、定められた方向に伸長し且つ幅広の扁平な横断面形状を有するグリップ部13と、グリップ部13の一端部に連結された振動子アレイ収容部14とを有している。振動子アレイ収容部14は、グリップ部13によりも幅広で且つ厚く形成されている。また、グリップ部13の他端部の表面にプローブ操作面13Aが規定されており、プローブ操作面13A上に超音波プローブ11の操作スイッチ15A、15Bおよびインジケータ16A、16B、16Cが配置されている。
以下では、説明のため、グリップ部13が伸長する方向に沿って振動子アレイ収容部14からグリップ部13に向かう方向を+Y方向、Y方向に直交するグリップ部13の幅方向をX方向、Y方向およびX方向に直交する超音波プローブ11の厚さ方向をZ方向とする。グリップ部13の操作面13Aは、グリップ部13の+Z方向側の表面に規定されている。
また、図2に示すように、グリップ部13の他端部の-Z方向側には、着脱可能なバッテリカバー17が配置されている。バッテリカバー17の表面には、XY面に沿った平坦面17Aが形成されており、バッテリカバー17の平坦面17Aにより、グリップ部13の他端部の-Z方向側に、XY面に沿った平坦なプローブ支持面13Bが規定されている。
また、振動子アレイ収容部14の-Y方向端部には、音響レンズ18が配置されている。
図3に、操作スイッチ15A、15B、インジケータ16A~16Cを通るYZ面で超音波プローブ11を切断した断面図を示す。図3に示すように、振動子アレイ収容部14には、振動子アレイ19が収容されており、振動子アレイ収容部14からグリップ部13の+Y方向端部にかけて、ハウジング12内に回路基板20が配置されている。ここで、振動子アレイ19は、XY面に沿って複数の振動子が配列されたものであり、複数の配線を介して回路基板20に接続されている。
また、グリップ部13の+Y方向端部には、回路基板20に対して-Z方向側にバッテリ21が内蔵されており、バッテリ21は、回路基板20に接続されている。
なお、バッテリ21は、着脱可能なバッテリカバー17に覆われているが、バッテリカバー17が取り外されることにより、交換が可能となる。
また、回路基板20には、操作スイッチ15A、15B、インジケータ16A~16Cが接続されている。操作スイッチ15A、15Bは、ユーザに操作されて、例えば、超音波プローブ11の電源の投入、超音波プローブ11の電源の切断、超音波プローブ11の動作の指示等のためにユーザに操作されるものである。また、インジケータ16A~16Cは、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等により構成されており、回路基板20からの信号により発光して、電源の投入状態、バッテリ21の残量、超音波プローブ11の動作状態等、ユーザに各種の報知を行う。
ここで、超音波プローブ11は、振動子アレイ19により被検体に対して超音波の送受信をして、被検体の断層を表す超音波画像を撮影するために用いられるものであり、後述するように、超音波プローブ11により取得された信号に基づいて超音波画像の生成および表示を行う診断装置本体と接続される。
また、図4に示すように、超音波プローブ11は、プローブ支持面13Bを平坦な載置面P1に接触させて載置面P1上に置かれた場合に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢となるように構成されている。
ここで、振動子アレイ19における複数の振動子の配列の中心を通り且つ複数の振動子の配列方向およびグリップ部13の伸長方向に延びるXY面をプローブ基準面P2と呼ぶものとすると、グリップ部13の+Y方向端部は、プローブ基準面P2に対して非対称な外形を有している。より具体的には、プローブ基準面P2から-Z方向側のグリップ部13のZ方向厚みが、プローブ基準面P2から+Z方向側のグリップ部13のZ方向厚みよりも厚い。そのため、プローブ基準面P2からプローブ支持面13Bまでの距離が、プローブ基準面P2からプローブ操作面13Aまでの距離よりも大きく、プローブ支持面13Bを平坦な載置面P1に接触させて、超音波プローブ11が載置面P1上に置かれた場合に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面は、載置面P1から+Z方向に離れやすく形成されている。
さらに、図3に示したように、超音波プローブ11は、プローブ支持面13Bを形成するバッテリカバー17の直上に重量物であるバッテリ21を内蔵している。このため、図4に示されるように、超音波プローブ11の重心Gは、グリップ部13の+Y方向端部側で、且つ、プローブ基準面P2とプローブ支持面13Bとの間に位置する。これにより、超音波プローブ11は、グリップ部13の伸長方向を水平にしてプローブ支持面13Bが載置面P1に接触するように載置面P1に置かれた場合に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢で安定することができる。
ここで、超音波プローブ11を用いて被検体の検査をする際に、音響レンズ18と被検体との間に隙間が生じて空気の層が存在すると、この空気の層により、音響レンズ18と被検体との間で音響インピーダンスの差が大きくなり、超音波が減衰および反射してしまう。そこで、音響レンズ18および振動子アレイ収容部14の-Y方向端部にいわゆる超音波ジェルを塗布することにより、音響レンズ18と被検体との間の音響インピーダンスに大きな差が生じることを防ぐことができる。
本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11によれば、超音波プローブ11が載置面P1上に置かれた場合に、超音波プローブ11は、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢となるため、音響レンズ18および振動子アレイ収容部14の-Y方向端部にいわゆる超音波ジェルが塗布された状態で、超音波プローブ11が載置面P1上に置かれた場合であっても、超音波ジェルが付着して載置面P1を汚すことを防止することができる。また、超音波プローブ11に塗布された超音波ジェルが載置面P1に付着することにより、超音波ジェル自体が汚れることも防止することができる。
また、超音波プローブ11のハウジング12は、プローブ支持面13Bとは反対方向に向けられたプローブ操作面13Aを有し、プローブ操作面13Aに操作スイッチ15A、15B、インジケータ16A~16Cが配置されているため、ユーザが超音波プローブ11を載置面P1上に置く際に、操作スイッチ15A、15B、インジケータ16A~16Cが配置されているプローブ操作面13Aを上方に向けるように、すなわち、プローブ支持面13Bを下方に向けて載置面P1に接触するように、ユーザに意識させることができる。
次に、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11を備える超音波診断装置1について説明する。図5に、超音波診断装置1の構成を示す。図5に示すように、超音波診断装置1は、本発明の実施の形態1に係る超音波プローブ11と診断装置本体41とを備えており、超音波プローブ11と診断装置本体41とは、無線通信により接続されている。
超音波プローブ11は、振動子アレイ19を備えており、振動子アレイ19に、送信部31および受信部32がそれぞれ接続されている。また、送信部31および受信部32に超音波送受信制御部33が接続されている。受信部32には、無線通信部34が接続されており、無線通信部34に、通信制御部35が接続されている。また、超音波送受信制御部33、無線通信部34および通信制御部35に、プローブ制御部36が接続されている。ここで、無線通信部34とプローブ制御部36とは、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。また、超音波プローブ11は、バッテリ21を内蔵している。
さらに、送信部31、受信部32、超音波送受信制御部33、通信制御部35およびプローブ制御部36により、超音波プローブ側プロセッサ37が構成されている。
診断装置本体41は、無線通信部42を備えており、無線通信部42に、信号処理部43、画像処理部44、表示制御部45および表示部46が順次接続されている。また、無線通信部42に、通信制御部47が接続されており、無線通信部42、通信制御部47および表示制御部45に、本体制御部48が接続されている。また、本体制御部48に、操作部49および格納部50が接続されている。ここで、無線通信部42と本体制御部48、本体制御部48と格納部50とは、それぞれ、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されている。
さらに、信号処理部43、画像処理部44、表示制御部45、通信制御部47および本体制御部48により、診断装置本体側プロセッサ51が構成されている。
また、超音波プローブ11の無線通信部34と診断装置本体41の無線通信部42とは、双方向に情報の受け渡しが可能に接続されており、これにより、超音波プローブ11と診断装置本体41とが無線通信により接続される。
図5に示す超音波プローブ11の振動子アレイ19は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信部31から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
超音波プローブ側プロセッサ37の超音波送受信制御部33は、送信部31および受信部32を制御することにより、プローブ制御部36からの指示に基づいて、超音波ビームの送信および超音波エコーの受信を行う。
超音波プローブ側プロセッサ37の送信部31は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、超音波送受信制御部33からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ19の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するように、それぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ19の複数の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ11の振動子アレイ19に向かって伝搬する。このように振動子アレイ19に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ19を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ19を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号を受信部32に出力する。
超音波プローブ側プロセッサ37の受信部32は、超音波送受信制御部33からの制御信号に従って、振動子アレイ19から出力される受信信号の処理を行う。図6に示すように、受信部32は、増幅部38、AD(Analog Digital)変換部39およびビームフォーマ40が直列接続された構成を有している。増幅部38は、振動子アレイ19を構成するそれぞれの振動子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部39に送信する。AD変換部39は、増幅部38から送信された受信信号をデジタル化されたデータに変換し、これらのデータをビームフォーマ40に送出する。ビームフォーマ40は、超音波送受信制御部33からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、設定された音速に従う各データにそれぞれの遅延を与えて加算(整相加算)を施す、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が一定の走査線上に絞り込まれた音線信号が生成される。このようにして生成された音線信号は、超音波プローブ11の無線通信部34に送出される。
超音波プローブ11の無線通信部34は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、診断装置本体41の無線通信部42と無線通信を行う。この際に、無線通信部34は、受信部32から送出された音線信号に基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、生成された伝送信号を、診断装置本体41の無線通信部42に無線送信する。キャリアの変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅偏移変調)、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:四位相偏移変調)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation:16直角位相振幅変調)等が用いられる。
超音波プローブ側プロセッサ37の通信制御部35は、プローブ制御部36により設定された送信電波強度で音線信号の伝送が行われるように超音波プローブ11の無線通信部34を制御する。
超音波プローブ側プロセッサ37のプローブ制御部36は、予め記憶しているプログラム等に基づいて、超音波プローブ11の各部の制御を行う。
超音波プローブ11のバッテリ21は、超音波プローブ11に内蔵されており、超音波プローブ11の各回路に電力を供給する。
診断装置本体41の無線通信部42は、電波の送信および受信を行うためのアンテナを含んでおり、超音波プローブ11の無線通信部34と無線通信を行う。この際に、診断装置本体41の無線通信部42は、例えば、超音波プローブ11の無線通信部34から無線送信された伝送信号を、アンテナを介して受信し、受信した伝送信号を復調することにより音線信号を出力する。診断装置本体41の無線通信部42は、このようにして出力された音線信号を、信号処理部43に送出する。
診断装置本体側プロセッサ51の信号処理部43は、無線通信部42により送出された音線信号に対して、超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織に関する断層画像情報である信号を生成する。
診断装置本体側プロセッサ51の画像処理部44は、信号処理部43により生成された信号を、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換し、このようにして生成された画像信号に対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施すことにより超音波画像信号を生成する。また、画像処理部44は、このようにして生成された超音波画像信号を表示制御部45に送出する。
診断装置本体側プロセッサ51の表示制御部45は、本体制御部48の制御の下、画像処理部44により生成された超音波画像信号に所定の処理を施して、表示部46に超音波画像を表示させる。
診断装置本体41の表示部46は、表示制御部45の制御の下、画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含む。
診断装置本体側プロセッサ51の通信制御部47は、超音波プローブ11の無線通信部34からの伝送信号の受信が行われるように、診断装置本体41の無線通信部42を制御する。
診断装置本体側プロセッサ51の本体制御部48は、格納部50等に予め記憶されているプログラムおよび操作部49を介したユーザの操作に基づいて、診断装置本体41の各部の制御を行う。
診断装置本体41の操作部49は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
診断装置本体3の格納部50は、診断装置本体41の動作プログラム等を格納するものであり、格納部50として、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
ここで、超音波プローブ11において、送信部31、受信部32、超音波送受信制御部33、通信制御部35およびプローブ制御部36を有する超音波プローブ側プロセッサ37と、信号処理部43、画像処理部44、表示制御部45、通信制御部47および本体制御部48を有する診断装置本体側プロセッサ51は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
また、超音波プローブ側プロセッサ37の送信部31、受信部32、超音波送受信制御部33、通信制御部35およびプローブ制御部36を部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成させることもできる。また、診断装置本体側プロセッサ51の信号処理部43、画像処理部44、表示制御部45、通信制御部47および本体制御部48を部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成することもできる。
なお、実施の形態1におけるグリップ部13は、幅広の扁平な横断面形状を有しているが、プローブ支持面13Bが形成され、超音波プローブ11が載置面P1に置かれた際に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢となれば、その形状は、特に限定されない。
また、実施の形態1の超音波プローブ11のハウジング12は、プローブ基準面P2に対して非対称な形状を有しているが、プローブ基準面P2とプローブ支持面13Bとの距離が十分に離れており、超音波プローブ11が載置面P1に置かれた際に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢となれば、プローブ基準面P2に対して対称な形状を有することもできる。
ここで、超音波プローブ11が載置面P1に置かれた際に、プローブ支持面13Bよりも振動子アレイ収容部14側に位置する部分のハウジング12の表面が載置面P1から離れた姿勢となるようにしながら、ハウジング12をプローブ基準面P2に対して対称な形状とするためには、グリップ部13のプローブ基準面P2よりも+Z方向側の部分の厚みを、グリップ部13のプローブ基準面P2よりも-Z方向側の部分の厚みと同一となるように設計する必要がある。この場合には、グリップ部13が厚くなるため、ユーザがグリップ部13を握り難くなり、ユーザによる超音波プローブ11の操作に支障を来たすおそれがある。そのため、超音波プローブ11のハウジング12は、プローブ基準面P2に対して対称な形状を有することもできるが、プローブ基準面P2に対して非対称な形状を有していることが好ましい。
また、超音波診断装置1は、超音波プローブ11と無線接続される診断装置本体41を有しているが、この診断装置本体41の代わりに、超音波プローブ11と有線接続される診断装置本体を有していてもよい。
また、超音波プローブを保持するためのいわゆるプローブホルダを有しない携帯型の診断装置本体と組み合わせて使用される場合には、超音波プローブは、例えば、被検体の近傍の机およびベッドの上に置かれることが多く、本発明の実施の形態1の超音波プローブ11は、特に有用なものとなる。
実施の形態2
図7に、本発明の実施の形態2に係る超音波プローブ11Aを示す。超音波プローブ11Aは、図1~図4に示す実施の形態1の超音波プローブ11において、ハウジング12の代わりにハウジング52を備えたものである。図7に示すように、ハウジング52は、Y方向に伸長するグリップ部53と、グリップ部53の-Y方向端部に連結する振動子アレイ収容部54を有している。また、グリップ部53の-Z方向側の表面には、XY面に沿った平坦なプローブ支持面53Bが形成されている。また、ハウジング52には、プローブ支持面53Bと同じ-Z方向側の表面上で且つプローブ支持面53Bよりも振動子アレイ収容部54側に、-Z方向に突出する突起PHが形成されている。
図8に示すように、プローブ支持面53Bを平坦な載置面P1に接触させて超音波プローブ11Aが載置面P1上に置かれた場合には、プローブ支持面53Bよりも振動子アレイ収容部54側に位置する部分のハウジング52の表面は、載置面P1から離れており、ハウジング52の突起PHの表面も、載置面P1から離れている。さらに、図9に示すように、突起PHを載置面P1に接触させて超音波プローブ11Aが載置面P1上に置かれた場合には、超音波プローブ11Aは、振動子アレイ収容部54の表面が載置面から離れた姿勢となる。
そのため、本発明の実施の形態2に係る超音波プローブ11Aによれば、プローブ支持面53Bを載置面P1側にして超音波プローブ11Aが載置面P1に置かれた際に、振動子アレイ収容部54が-Z方向側に傾いてしまった場合でも、振動子アレイ収容部54の表面が載置面P1から離れているため、音響レンズ18および振動子アレイ収容部54に超音波ジェルが塗布され、超音波プローブ11Aが載置面P1に置かれた場合に、超音波ジェルが付着して載置面P1を汚すことを、より確実に防止することができる。また、超音波プローブ11Aに塗布された超音波ジェルが載置面P1に付着することにより、超音波ジェル自体が汚れることを防止することができる。
実施の形態3
実施の形態1の超音波プローブ11および実施の形態2の超音波プローブ11Aでは、ハウジング12のグリップ部13のプローブ支持面13Bおよびハウジング52のグリップ部53のプローブ支持面53Bは、それぞれ、超音波プローブ11および超音波プローブ11Aにおいて規定されるプローブ基準面P2に対して平行であるが、これに限るものではない。
図10に、本発明の実施の形態3に係る超音波プローブ11Bを示す。超音波プローブ11Bは、図1~図4に示す実施の形態1の超音波プローブ11において、ハウジング12の代わりにハウジング62を備えたものである。図10に示すように、ハウジング62は、定められた方向に沿って伸長するグリップ部63と、グリップ部63の-Y方向端部に連結された振動子アレイ収容部64とを有している。グリップ部63には、-Z方向側の表面に、振動子アレイ19における複数の振動子の配列の中心を通り且つ複数の振動子の配列方向およびグリップ部63の伸長方向に延びるプローブ基準面P2に対して傾斜した、平坦なプローブ支持面63Bが規定されている。プローブ支持面63Bは、+Y方向に進むほどプローブ基準面P2に近づき、-Y方向に進むほどプローブ基準面P2から遠ざかるように、プローブ基準面P2に対して傾斜している。
そのため、図10に示すように、プローブ支持面63Bを載置面P1に接触させるように超音波プローブ11Bが載置面P1に置かれた場合には、振動子アレイ収容部64の-Y方向端部が+Z方向側を向くように、プローブ基準面P2が載置面P1に対して傾いた状態となるため、振動子アレイ収容部64が載置面P1から離れやすくなる。
これにより、実施の形態3に係る超音波プローブ11Bによれば、音響レンズ18および振動子アレイ収容部64の-Y方向端部に超音波ジェルが塗布され、超音波プローブ11Aが載置面P1に置かれた場合に、超音波ジェルが付着して載置面P1を汚してしまうことを、より確実に防止することができる。また、超音波プローブ11Bに塗布された超音波ジェルが載置面P1に付着することにより、超音波ジェル自体が汚れることも防止することができる。
1 超音波診断装置、11,11A,11B 超音波プローブ、12,52,62 ハウジング、13,53,63 グリップ部、13A,53A,63A プローブ操作面、13B,53B,63B プローブ支持面、14,54,64 振動子アレイ収容部、15A,15B 操作スイッチ、16A,16B,16C インジケータ、17,57 バッテリカバー、17A 平坦面、18 音響レンズ、19 振動子アレイ、20 回路基板、21 バッテリ、31 送信部、32 受信部、33 超音波送受信制御部、34,42 無線通信部、35,47 通信制御部、36 プローブ制御部、37 超音波プローブ側プロセッサ、38 増幅部、39 AD変換部、40 ビームフォーマ、41 診断装置本体、43 信号処理部、44 画像処理部、45 表示制御部、46 表示部、48 本体制御部、49 操作部、50 格納部、51 診断装置本体側プロセッサ、G 重心、P1 載置面、P2 プローブ基準面、PH 突起。

Claims (4)

  1. 複数の振動子が配列された振動子アレイと、
    前記振動子アレイが収容されるハウジングと
    を備え、
    前記ハウジングは、定められた方向に伸長するグリップ部と、前記グリップ部の伸長方向における一端部に連結され且つ前記振動子アレイを収容する振動子アレイ収容部とを有し、
    前記グリップ部の前記伸長方向における他端部側の表面に前記伸長方向に沿って延びるプローブ支持面が規定され、
    前記ハウジングは、前記複数の振動子の配列方向および前記グリップ部の前記伸長方向に延びるプローブ基準面に対して前記プローブ支持面と同じ側の表面で且つ前記プローブ支持面よりも前記振動子アレイ収容部に近接する位置に形成された突起を有し、
    前記グリップ部の前記他端部は、前記プローブ基準面に対して非対称な外形を有し、
    前記プローブ支持面を平坦な載置面に接触させて前記載置面上に置かれた場合に、前記プローブ支持面よりも前記振動子アレイ収容部側に位置する部分の前記ハウジングの表面が前記載置面から離れた姿勢となり、且つ、前記突起の表面が前記載置面から離れ、前記突起を前記載置面に接触させて前記載置面上に置かれた場合に、前記振動子アレイ収容部の表面が前記載置面から離れた姿勢となる超音波プローブ。
  2. 前記グリップ部の前記他端部に内蔵されたバッテリを備える請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記ハウジングは、前記グリップ部の前記他端部の表面に規定され且つ前記プローブ支持面とは反対方向に向けられたプローブ操作面を有し、
    前記プローブ支持面と前記プローブ操作面との間に前記プローブ基準面が位置し、
    前記プローブ基準面から前記プローブ支持面までの距離は、前記プローブ基準面から前記プローブ操作面までの距離よりも大きい請求項1または2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記プローブ操作面に配置された操作スイッチおよびインジケータを備える請求項に記載の超音波プローブ。
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