以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る移動誘導装置100が利用されるシーンの一例を示す図である。本実施形態に係る移動誘導装置100は、電動車両110が駐車する管理エリア102内において、当該管理エリア102内に駐車された電動車両110の一つである目標車両の位置へ移動しようとする移動体を誘導対象とし、当該誘導対象の移動を誘導する。移動誘導装置100は、移動体についての誘導依頼を受信することに応じて、指定された目標車両まで、指定された移動体の誘導を実行する。ただし、これに限らず、移動誘導装置100は、そのような誘導依頼を受信することなく、予め定められた目標車両までの任意の移動体の移動を誘導するものであってもよい。
誘導対象である移動体には、何らかの制御装置により自律的に移動する車両、運転者により運転される車両若しくは当該車両を運転する運転者、又は歩行者が含まれ得る。
上記誘導の依頼者(誘導依頼者、すなわち誘導依頼の送信元)は、所定の移動体についての誘導を望む任意の人又は企業体(例えば、物品販売店や物品販売会社など)であり得るが、これらには限られない。誘導依頼者は、所定の移動体についての誘導を望む意志を通信等の技術的手段により移動誘導装置100に入力することのできる人間、組織、団体その他であり得る。
また、以下において、目標車両の管理者とは、目標車両を管理する者をいい、目標車両の所有者のほか、当該所有者から目標車両の貸与を受けて当該貸与の条件の範囲内において当該目標車両を管理して利用する利用者も含まれ得る。
例えば、或る車両の利用者が当該車両を届け先として所定の物品の配達を物品販売会社に発注した場合において、当該物品販売会社が誘導依頼者となり、上記物品の配達車両についての、上記利用者の車両までの誘導依頼を、移動誘導装置100に送信し又は入力し得る。この場合、上記誘導依頼を受信した移動誘導装置100は、上記配達車両を誘導対象とし、上記利用者の車両を目標車両として、目標車両までの誘導対象の移動を誘導する。この場合において、目標車両の管理者は、上記利用者である。
図1に示す例においては、移動誘導装置100は、誘導依頼者である物品販売会社からの誘導依頼に基づき、人間である運転者が運転する当該物品販売会社の配達車両104についての誘導を行う。すなわち、このシーンにおける誘導対象は配達車両104の運転者である。なお、以下において「配達車両104を誘導する」とは、より正確には配達車両104の運転者を誘導することを意味するものとする。
図1において、移動誘導装置100は、GPS電波が届きにくい例えば地下駐車場である管理エリア102内において配達車両104を誘導する。
管理エリア102には、複数の駐車スペース(図示点線で区切られた各スペース)が設けられており、それぞれの駐車スペースには充電装置106が設けられている。充電装置106のそれぞれは、駐車中の電動車両110に充電ケーブル108を介して接続されて、当該電動車両110の充電を行うことができる。
移動誘導装置100は、充電装置106のそれぞれと通信可能に接続されており、充電装置106を介して、当該充電装置106に接続されている電動車両110から、当該電動車両110の識別に用いることのできる車両固有情報を取得する。
また、管理エリア102内には、誘導対象である配達車両104の運転者が当該配達車両104において利用する端末装置130の接近を検知する10個のセンサ112が分散して配置されている。なお、端末装置130は、配達車両104に設けられた車載装置として構成されていてもよいし、配達車両104の運転者が携行する携帯端末として構成されていてもよい。
センサ112は、例えば、端末装置130と近距離通信を行う近距離通信装置であり、それぞれ、端末装置130が送信する端末識別情報を受信することで、誘導対象である配達車両104の運転者の接近を検知すると共に、当該誘導対象までの距離(より正確には端末装置130までの距離)を検知する。ここで、各センサ112から端末装置130までの距離は、例えば、それぞれのセンサ112が受信する端末装置130からの送信電波の受信電波強度から検知されるものとすることができる。センサ112のそれぞれは、自身を識別するセンサ識別情報と、上記受信した端末識別情報と、端末装置130までの距離と、を含む端末検知情報を、移動誘導装置100へ送信する。
センサ112は、電動車両110や配達車両104の走行を妨げない位置に配されているものとする。そのような位置は、例えば管理エリア102の床面又は天井であるものとすることもできる。移動誘導装置100は、これらのセンサ112と通信可能に接続されており、それぞれのセンサ112から、誘導対象である配達車両104の運転者が利用する端末装置130までの距離を取得する。そして、移動誘導装置100は、それぞれのセンサ112の配置位置と、それぞれのセンサ112から取得した上記距離から、管理エリア102内における誘導対象の現在位置を特定する。ここで、それぞれのセンサ112の配置位置は、予め移動誘導装置100が記憶しているものとすることができる。
ここで、移動誘導装置100と充電装置106及びセンサ112との通信接続は、例えば、管理エリア102内に設けられた構内無線LANなどのイントラネット(不図示)を介して行われるものとすることができる。
上記構成により、移動誘導装置100は、管理エリア102内における充電装置106、センサ112等の設備を制御して、管理エリア102を管理する。
さらに、移動誘導装置100は、ネットワーク120を介して、例えば物品販売会社の販売店サーバ122と通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク120は、例えばインターネットを含むものとすることができる。販売店サーバ122は、例えば、上記物品販売会社の少なくとも一つの販売店舗124と通信可能に接続されている。販売店サーバ122は、ネットワーク120を介して物品注文を受け付けると、当該物品注文の注文情報を販売店舗124へ送信する。販売店舗124は、当該注文情報に基づいて、配達車両104により、注文された物品をその注文の注文主へ配達する。
図1に示すシーンにおいて、まず、管理エリア102内の例えば図示左から2列目、図示下から2行目の駐車スペースに駐車された、電動車両110の一つである電動車両110-T(図示斜線で示された電動車両)の利用者126は、当該駐車スペースに設けられた充電装置106である充電装置106-Tの充電ケーブル108を電動車両110-Tに接続して、当該電動車両110-Tの充電を開始している。
その後、利用者126は、自身の携帯端末128により、販売店サーバ122へ、例えば飲食物である物品の購入および配達を含む注文情報を送信する。この注文情報には、例えば、配達先である電動車両110-Tの車両固有情報と、配達先である電動車両110-Tが駐車したエリアに関するエリア識別情報と、が含まれるものとする。
ここで、車両固有情報とは、その車両固有情報を有する電動車両110の識別に用いることのできる情報をいい、本実施形態では例えばVIN(Vehicle Identification Number)番号である。また、エリア識別情報とは配達先である電動車両110-Tが駐車している管理エリア102を識別することが可能な情報をいい、例えば、“A駅の地下駐車場B”等の情報であるものとすることができる。
利用者126の携帯端末128から注文情報を受信した販売店サーバ122は、例えば、受信した注文情報に含まれる物品配達先である電動車両110-Tのエリア識別情報から、管理エリア102を管理する移動誘導装置100を特定する。例えば、販売店サーバ122は、移動誘導装置100の通信アドレスと当該移動誘導装置100が管理する管理エリア102のエリア識別情報とを対応付けたエリア情報を予め記憶しており、当該エリア情報を参照することで、移動誘導装置100を特定する。
そして、販売店サーバ122は、配達車両104の運転者を誘導対象とし、管理エリア102内における電動車両110-Tを目標車両として、当該誘導対象についての当該目標車両までの誘導依頼を、移動誘導装置100へ送信する。この誘導依頼には、上記注文情報に含まれていた、目標車両である電動車両110-Tの車両固有情報と、誘導対象である配達車両104の運転者が利用する端末装置130の端末識別情報と、が含まれるものとする。
移動誘導装置100は、販売店サーバ122から上記誘導依頼を受信したことに応じて、当該誘導依頼に含まれる車両固有情報に基づき、管理エリア102内における目標車両の位置、すなわち電動車両110-Tの位置を特定する。具体的には、移動誘導装置100は、充電装置106に指示して、それぞれの充電装置106に接続されている電動車両110(電動車両110-Tを含む)の車両固有情報を送信させる。
移動誘導装置100は、上記送信させた車両固有情報を受信し、当該受信した車両固有情報と上記誘導依頼に含まれている車両固有情報とを比較し、誘導依頼に含まれた車両固有情報と同じ車両固有情報を送信した充電装置106である充電装置106-Tの位置を、目標車両である電動車両110-Tの位置、すなわち、誘導対象である配達車両104の運転者の目的地として特定する。
なお、充電装置106のそれぞれは、自装置に接続されている電動車両110の車両固有情報を、例えば充電ケーブル108を介して当該電動車両110から取得する。また、充電装置106のぞれぞれは、自装置を識別する充電装置識別情報を、上記取得した車両固有情報と共に、移動誘導装置100へ車両情報として送信するものとする。また、移動誘導装置100は、各充電装置106の充電装置識別情報と、対応する充電装置106の位置とを対応付けた充電装置情報を、予め記憶しているものとする。
次に、移動誘導装置100は、目標車両である電動車両110-Tの予想充電時間(すなわち、現在時刻から目標車両の充電完了までの予測時間)を、充電装置106-Tを介して取得し、誘導依頼の送信元である販売店サーバ122へ送信する。この予想充電時間は、例えば、販売店サーバ122から販売店舗124へ送信される。これにより、販売店舗124では、上記予想充電時間に応じて電動車両110-Tへの物品の配達を完了する予定時刻を調整することができる。例えば、配達車両104の販売店舗124からの出発時刻及び又は電動車両110-Tへの到着時刻が調整され得る。
次に、移動誘導装置100は、センサ112のそれぞれから端末検知情報を受信し、誘導対象である配達車両104の運転者が利用する端末装置130が管理エリア102内に接近したか否かを判断する。そして、端末装置130が接近したときは、移動誘導装置100は、目標車両の管理者である電動車両110-Tの利用者126の携帯端末128に、接近通知を送信する。これにより、利用者126は、電動車両110-Tから離れていた場合でも、自身が発注した物品が間もなく到着することを認識して、電動車両110-Tに戻って当該物品の受け取り準備をすることができる。
また、移動誘導装置100は、上述のように誘導対象の端末装置130の接近を検知したことに応じて、誘導対象についての誘導動作を開始する。すなわち、移動誘導装置100は、センサ112のそれぞれから受信する端末検知情報に基づき、管理エリア102内における誘導対象の現在位置を所定の時間間隔で繰り返し算出する。この現在位置は、センサ112のそれぞれの位置と、それぞれのセンサ112からの端末検知情報が示す端末装置130までの距離から算出されるものとすることができる。
そして、移動誘導装置100は、端末装置130の現在位置を算出する毎に、当該算出した現在位置から電動車両110-Tまでの、誘導対象である配達車両104の運転者が辿るべき移動経路を計画し、当該計画した移動経路に沿って当該運転者を誘導する。本実施形態では、移動誘導装置100は、当該誘導のための案内機器として、管理エリア102内に駐車されている電動車両110を用いる。
具体的には、移動誘導装置100は、充電装置106のそれぞれを介して、当該充電装置106に接続されている電動車両110に指示することで、上記計画した移動経路の周辺に存在する電動車両110の前照灯、尾灯、制動灯などの発光装置を発光させて、配達車両104を誘導する。例えば、移動誘導装置100は、誘導対象である配達車両104の運転者に対し、当該配達車両104の現在位置から進むべき方向に存在する電動車両110のうち端末装置130に最も近い電動車両110の前照灯を点灯させて、配達車両104に対し進むべき方向を示す。ここで、目標車両としての電動車両110-Tも、案内機器として用いられ得る。例えば、管理エリア102において駐車している電動車両110が少なく、管理エリア102の進入口から電動車両110-Tまでの間に、充電装置106に接続された他の電動車両110がない場合には、移動誘導装置100は、目標車両たる電動車両110-Tの発光装置を発光させて、誘導対象である配達車両104の運転者を誘導するものとすることができる。
また、移動誘導装置100は、上記のように配達車両104の移動誘導を開始したときは、誘導対象である配達車両104の運転者が利用する端末装置130へ誘導開始通知を送信する。これにより、誘導対象である配達車両104の運転者は、周囲の電動車両110の発光装置の点灯が、自身に向けた移動誘導であることを認識する。
その後、移動誘導装置100は、上記繰り返し算出する誘導対象の端末装置130の現在位置が、目的地として特定した電動車両110-Tの位置(より正確には、電動車両110-Tが接続された充電装置106-Tの位置)から所定の距離以内に入った時に、誘導対象たる配達車両104の運転者が目標車両たる電動車両110-Tに到達したものと判断する。
移動誘導装置100は、誘導対象が目標車両に到達したと判断したときは、誘導動作を終了すると共に、誘導対象の端末装置130に誘導終了通知を送信する。また、移動誘導装置100は、誘導依頼の送信元である販売店サーバ122へ、誘導対象である配達車両の運転者が目標車両たる電動車両110-Tへ到達した旨の到達通知を送信する。
上記の動作により、移動誘導装置100は、管理エリア102外にある装置や設備等を用いることなく、管理エリア102内に配されたセンサ112及び充電装置106を用いて、それぞれ、誘導対象たる配達車両104の運転者の現在位置及び目標車両たる電動車両110-Tの位置を特定する。このため、移動誘導装置100では、管理エリア102が地下駐車場等のGPS電波を適切に受信できないエリアであっても、目標車両までの誘導対象の移動を適切に誘導することができる。
なお、図1においては、移動誘導装置100は、物品の配達車両104の運転者を誘導対象とし、当該物品を発注した利用者126の電動車両110-Tを目標車両として、管理エリア102内において上記誘導対象を目標車両まで誘導するものとしたが、移動誘導装置100の利用は、これには限られない。
上述したように、誘導対象である移動体には、自律的に移動する車両や歩行者も含まれ得る。また、誘導依頼者、すなわち、誘導依頼の送信元は、所定の移動体についての誘導を望む意志を通信等の技術的手段により移動誘導装置100に入力することのできる人間、組織、団体その他であり得る。
例えば、レンタカー会社が車両を顧客に貸し出す場合において、レンタカー会社が誘導依頼の送信元となり、当該顧客に対する貸出車両までの誘導依頼を、移動誘導装置100に送信し又は入力するものとすることができる。この場合、上記誘導依頼を受信した移動誘導装置100は、上記顧客を誘導対象とし、上記貸出車両を目標車両として、目標車両までの誘導対象の移動を誘導するものとすることができる。この場合において、レンタカー会社は誘導依頼の送信元であると同時に、目標車両の管理者である。
また、例えば、自身が駐車場に駐車した車両の駐車位置を失念した当該車両の利用者が当該車両に到達しようとする場合において、上記利用者が誘導依頼の送信元となり、上記車両を目標車両として、上記利用者自身に対する上記車両までの誘導依頼を、移動誘導装置100に送信し又は入力するものとすることができる。この場合、上記誘導依頼を受信した移動誘導装置100は、上記利用者を誘導対象とし、当該利用者が駐車した上記車両を目標車両として、目標車両までの誘導対象の移動を誘導する。この場合において、上記利用者は、誘導依頼の送信元であると同時に、目標車両の管理者である。
なお、図1では、管理エリア102内の全ての駐車スペースに電動車両110が駐車され、対応する充電装置106に接続されているが、これには限られない。一つ又は複数の駐車ペースにおいて、電動車両110が駐車されず、及び又は駐車された電動車両110に充電装置106が接続されていないものとすることもできる。
以下、移動誘導装置100、充電装置106、端末装置130、及び電動車両110の構成、並びに移動誘導装置100の動作について、順次説明する。なお、上述の説明から明らかなように、以下の説明における誘導依頼の送信元、誘導対象、目標車両、目標車両の管理者、当該管理者が利用する端末装置、及び目標車両が接続されている充電装置106は、それぞれ、一例として示した図1における販売店サーバ122を運営する物品販売会社、配達車両104の運転者、電動車両110-T、利用者126、携帯端末128、及び充電装置106-Tに対応する。
まず、移動誘導装置100の構成について説明する。上述したように、移動誘導装置100は、電動車両110が駐車する管理エリア102内において、当該管理エリア102内に駐車された電動車両110の一つを目標車両として移動する移動体を誘導対象とし、当該誘導対象の移動を誘導する。
図2は、移動誘導装置100の構成の一例を示す図である。移動誘導装置100は、例えば、管理エリア102を有する施設内に配される。移動誘導装置100は、処理装置200と、記憶装置202と、エリア内通信装置204と、エリア外通信装置206と、を備える。記憶装置202は、例えば揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置で構成され、処理装置200の動作に必要なデータ及び又はプログラムを保存する。また、記憶装置202には、充電装置106のそれぞれの識別に用いることのできる充電装置識別情報と、対応する充電装置106の管理エリア102内における位置と、を対応付けた充電装置情報が保存されている。さらに、記憶装置202には、センサ112のそれぞれの、センサ識別情報と、管理エリア102内の配置位置と、を対応付けたセンサ配置情報も保存されている。
エリア内通信装置204は、例えば管理エリア102内に設けられた構内LAN等のイントラネットを介して、又はそのようなイントラネットを介することなく直接に、処理装置200を管理エリア102内の充電装置106及びセンサ112、並びに目標車両の管理者の携帯端末と通信可能に接続するための、有線通信又は無線通信を行う送受信機である。
エリア外通信装置206は、処理装置200を、例えばインターネットであるネットワーク120を介して、管理エリア102外にあるサーバや装置と通信可能に接続するための、有線通信又は無線通信を行う送受信機である。上記管理エリア102外にあるサーバや装置には、例えばサーバとして構成される誘導依頼の送信元となる装置又は当該送信元が管理する装置が含まれ得る。また、エリア外通信装置206は、目標車両の管理者の携帯端末が管理エリア102外へ移動した場合には、処理装置200を、ネットワーク120を介して当該管理者の携帯端末と通信可能に接続する。
処理装置200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置200は、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有する構成であってもよい。そして、処理装置200は、機能要素又は機能ユニットとして、固有情報取得部210と、目的地特定部212と、充電時間通知部214と、接近通知部216と、現在位置特定部218と、経路計画部220と、移動誘導部222と、を備える。
処理装置200が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置200がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置200が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
固有情報取得部210は、管理エリア102内の駐車スペースに設けられた充電装置106から、当該充電装置106に接続された電動車両110の車両固有情報を取得する。
処理装置200は、例えば、所定の移動体の誘導を希望する誘導依頼者から誘導依頼を受信したときに、固有情報取得部210により上記充電装置106に接続されている電動車両110のそれぞれの車両固有情報を取得する。この誘導依頼には、目標車両の車両固有情報と、誘導対象が利用する端末装置130の端末識別情報と、が含まれているものとする。
具体的には、固有情報取得部210は、それぞれの充電装置106へ固有情報送信要求を送信し、それぞれの充電装置106は、固有情報送信要求を受信したことに応じて、充電ケーブル108を介して、当該充電装置106に接続されている電動車両110へ車両情報送信要求を送信する。それぞれの電動車両110は、車両情報送信要求を受信したことに応じて、当該電動車両110の車両固有情報を、充電ケーブル108を介して充電装置106へ送信する。それぞれの充電装置106は、電動車両110から車両固有情報を受信し、当該受信した車両固有情報を、自身を識別するため充電装置識別情報と共に、移動誘導装置100へ車両情報として送信する。固有情報取得部210は、各充電装置106から車両情報を受信することにより、当該受信した車両情報から、当該充電装置106に接続された電動車両110の車両固有情報を取得する。固有情報取得部210は、例えば、各充電装置106から受信した各車両情報に含まれる当該充電装置106の充電装置識別情報と当該充電装置106に接続されている電動車両110の車両固有情報とを対応付けた車両リストを生成して、記憶装置202へ記憶する。
目的地特定部212は、固有情報取得部210により取得された車両固有情報から目標車両を特定し、当該特定した目標車両の位置を目的地として特定する。具体的には、目的地特定部212は、固有情報取得部210が生成した車両リストの中に、処理装置200が受信した誘導依頼に含まれる目標車両の車両固有情報が含まれてるか否かを判断し、含まれていれば、目標車両を特定したものと判断する。そして、目的地特定部212は、上記車両リストにおいて目標車両の車両固有情報と対応付けられている充電装置識別情報に基づいて、記憶装置202が記憶する充電装置情報を参照し、目標車両が接続されている充電装置106の位置を特定する。そして、目的地特定部212は、上記特定した目標車両が接続されている充電装置106の位置を、目標車両の位置とみなして目的地を特定する。
充電時間通知部214は、現在時刻から上記目標車両の充電完了までの予測時間(予想充電時間)を示す充電時間情報を充電装置106から取得して、当該取得した充電時間情報を、上記誘導対象についての誘導依頼の送信元へ通知する。具体的には、充電時間通知部214は、目標車両が接続されている充電装置106へ充電情報要求を送信することで、当該送信された充電情報要求への応答として当該充電装置106が送信する充電時間情報を受信して取得する。
接近通知部216は、誘導対象が管理エリア102に接近したことをセンサ112により検知して、目標車両の管理者が利用する端末装置に通知する。具体的には、接近通知部216は、それぞれのセンサ112から端末検知情報を取得し、例えばいずれかのセンサ112から取得した端末検知情報に端末装置130の端末識別情報が含まれているときに、誘導対象が管理エリア102内に接近したものと判断する。ここで、目標車両の管理者が利用する端末装置は、例えば、当該管理者が利用する携帯端末、あるいは目標車両に搭載された端末装置とすることができる。また、上記管理者が利用する端末装置と通信するための通信アドレスは、例えば、処理装置200が受信する上記誘導依頼に含まれているものとすることができる。
現在位置特定部218は、管理エリア102内に配されたセンサ112を用いて、誘導対象の現在位置を特定する。具体的には、現在位置特定部218は、センサ112のそれぞれから端末検知情報を所定の時間間隔で繰り返し取得し、それぞれの端末検知情報に含まれる対応するセンサ112から端末装置130までの距離と、管理エリア102内における各センサ112の配置位置と、に基づいて、管理エリア102内における端末装置130の現在位置を、誘導対象の現在位置として所定の時間間隔で繰り返し算出する。ここで、各センサ112の配置位置は、受信した端末検知情報に含まれるセンサ識別情報に基づいて、記憶装置202が記憶するセンサ配置情報を参照することにより、現在位置特定部218において取得されるものとすることができる。
経路計画部220は、誘導対象の現在位置から目的地までの、当該誘導対象の移動経路を計画する。具体的には、経路計画部220は、目的地特定部212が特定した目的地と、現在位置特定部218が上記所定の時間間隔で特定した端末装置130の現在位置を用いて、当該現在位置から上記目的地までの誘導対象の移動経路を、所定の時間間隔で繰り返し計画する。
移動誘導部222は、管理エリア102内にある案内機器に指示して、誘導対象が上記経路計画部220が計画した移動経路に沿って現在位置から移動すべき方向を、当該誘導対象に通知する。上記案内機器は、本実施形態では、管理エリア102内の充電装置106に接続されている電動車両110である。具体的には、移動誘導部222は、経路計画部220が計画した移動経路と、固有情報取得部210が生成した車両リストと、記憶装置202が記憶する充電装置情報と、に基づき、誘導対象がその現在位置から進むべき方向に存在する電動車両110のうち、誘導対象に移動すべき方向を示すのに適した位置にある電動車両110、例えば端末装置130に最も近い電動車両110を選択する。そして、移動誘導部222は、当該選択した電動車両110へ所定の案内動作を指示するコマンドを送信することで、当該電動車両110が行う上記所定の案内動作により、誘導対象に移動すべき方向を通知する。
本実施形態では、上記所定の案内動作は、電動車両110が備える前照灯、尾灯、制動灯、車幅灯、及び方向指示灯などの少なくとも一つの発光装置の点灯である。移動誘導部222は、上記所定の案内動作を指示するコマンドとして、例えば前照灯を発光させる発光指示コマンドを上記特定した最も近い電動車両110へ送信することにより、当該電動車両110の前照灯を点灯させる。
ただし、発光装置の点灯は電動車両110に行わせる所定の案内動作の一例であって、これには限られない。上記所定の案内動作は、誘導対象の注意を喚起する動作である限り任意の動作であるものとすることができ、例えば、電動車両110が備える警笛等の警報装置からの警報音の発出であってもよい。
上記所定の案内動作として電動車両110が前照灯を点灯したことに応じて、誘導対象は、上記点灯した前照灯の方向へ移動することができる。移動誘導部222は、現在位置特定部218が誘導対象の現在位置を繰り返し特定する毎に、及び又は、経路計画部220が移動経路を繰り返し計画する毎に、誘導対象に移動すべき方向を示すのに適した位置にある案内機器である電動車両110を適宜選択して、当該選択した電動車両110に発光装置の点灯を指示する。これにより、移動誘導部222は、誘導対象を、目的地まで(すなわち、目標車両の位置まで)、無駄なく、迅速に、かつスムーズに誘導することができる。
次に、充電装置106の構成について説明する。図3は、充電装置106の構成の一例を示す図である。充電装置106は、充電ケーブル108のほか、処理装置300と、充電器302と、車両通信装置304と、エリア内通信装置306と、を備える。充電ケーブル108は、電動車両110への給電路を構成すると共に電動車両110との通信路をも構成する。また、充電ケーブル108は、電動車両110に対し着脱可能なコネクタ320により、当該電動車両110と接続される。
充電器302は、処理装置300の制御の下に、充電ケーブル108に接続された電動車両110の蓄電池514(後述)を充電する。車両通信装置304は、処理装置300を、充電ケーブル108を介して電動車両110と通信可能に接続するための送受信機である。
エリア内通信装置306は、処理装置300を、例えば、管理エリア102に設けられた構内LAN等のイントラネット(不図示)を介して移動誘導装置100と通信可能に接続するための送受信機である。
処理装置300は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置300は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置300は、機能要素又は機能ユニットとして、充電制御部310と、車両情報取得部312と、充電時間算出部314と、動作指示部316と、を備える。
処理装置300が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置300がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置300が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
充電制御部310は、電動車両110への充電を実行する充電器302の動作を制御する。
車両情報取得部312は、車両通信装置304及び充電ケーブル108を介して電動車両110から車両固有情報を取得して移動誘導装置100へ送信する。具体的には、車両情報取得部312は、移動誘導装置100から固有情報送信要求を受信したことに応じて、車両通信装置304及び充電ケーブル108を介して車両情報送信要求を電動車両110へ送信し、当該電動車両110から車両固有情報を受信して取得する。そして、車両情報取得部312は、上記取得した車両固有情報を、自身を識別する充電装置識別情報と共に、エリア内通信装置306を介して、車両情報として移動誘導装置100へ送信する。
充電時間算出部314は、充電ケーブル108を介して電動車両110へ供給されている充電電流、及び又は充電ケーブル108に印加されている充電電圧に基づき、その電動車両110の利用者により指定された充電条件(例えば、フル充電、70%充電等々の充電量の指定)に従い、充電ケーブル108に接続された電動車両110の蓄電池514の充電が完了するまでの、現在時刻からの予測時間である予想充電時間を算出する。この予想充電時間は、上記充電条件が充電時間で指定されているときは、当該指定された充電時間とすることができる。
充電時間算出部314は、移動誘導装置100から充電情報要求を受信したことに応じて、上記予想充電時間を算出し、算出した予想充電時間を含む充電時間情報を、移動誘導装置100へ送信する。
動作指示部316は、移動誘導装置100から、電動車両110への所定の案内動作を指示するコマンドの送信指示を受信したことに応じて、自装置に接続されている電動車両110へ、車両通信装置304により上記所定の案内動作を指示するコマンドを送信する。上述したように、本実施形態では、上記所定の案内動作は電動車両110が備える発光装置の発光であり、上記コマンドは発光指示コマンドである。
次に、誘導対象が利用する端末装置130の構成について説明する。図4は、端末装置130の構成の一例を示す図である。端末装置130は、誘導対象と共に移動して当該誘導対象により利用又は使用される装置である。例えば、端末装置130は、誘導対象に搭載もしくは物理的に接続された装置、誘導対象が携行又は携帯する装置であるものとすることができる。
端末装置130は、例えば、処理装置400と、表示装置402と、操作入力装置404と、第1通信装置406と、第2通信装置408と、を有する。表示装置402は、例えば液晶表示装置である。また、操作入力装置404は、端末装置130にコマンドやデータを入力するための装置であって、例えば液晶表示装置である表示装置402のスクリーン上に設けられたタッチパネルである。
第1通信装置406は、管理エリア102に配されたセンサ112と近距離無線通信を行う送信器又は送受信機であり、本実施形態では、例えばBlouetooth(登録商標)通信を行う。第2通信装置408は、公衆回線やインターネットを介して販売店サーバ122や移動誘導装置100と通信するための送受信機である。管理エリア102内に無線LANが設けられている場合には、端末装置130は、第2通信装置408により、当該無線LANを介してインターネットと接続されて、販売店サーバ122や移動誘導装置100と通信することができる。
処理装置400は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置400は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置400は、機能要素又は機能ユニットとして、識別情報送信部420と、案内情報取得部422と、を備える。
処理装置400が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置400がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置400が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
識別情報送信部420は、第1通信装置406を用いて、端末装置130の周辺に存在するセンサ112を所定の時間間隔で探索し、特定したセンサ112との間で、所定の近距離無線通信規格に準じた通信を確立する。また、識別情報送信部420は、通信を確立したセンサ112の全てに向けて、自装置を識別するための端末識別情報を送信する。
案内情報取得部422は、第2通信装置408を介して、移動誘導装置100から誘導開始通知および誘導終了通知を受信して、これらの通知を受信したことを示すメッセージ等を表示装置402に表示する。
次に、電動車両110の構成について説明する。図5は、電動車両110の構成の一例を示す図であり、特に、当該電動車両110のうち移動誘導装置100と協働する部分及び当該部分に関連する部分の構成を示す図である。
電動車両110は、充電ケーブル108を介して受信される充電装置106からの指示に応じた動作を行う車両制御装置500を備える。車両制御装置500は、例えばECU(電子制御装置、Electronic Control Unit)として構成されている。また、車両制御装置500は、例えばCAN(Control Area Network)通信ネットワークを構成する車載ネットワークバス502を介して充電制御ECU504、モータ制御ECU506、ランプ制御ECU508、及び警報制御ECU510等の他のECUと通信可能に接続されている。
ここで、充電制御ECU504は、コネクタ512に接続される充電ケーブル108を用いた充電装置106からの給電による自車両の蓄電池514の充電動作を制御する。また、充電制御ECU504は、充電ケーブル108を介した充電装置106との通信を行う通信装置としても機能する。車両制御装置500は、充電制御ECU504へ送信指示及び送信データを車載ネットワークバス502を介して送信することで、当該送信データを充電制御ECU504を介して充電装置106へ送信することができる。また、車両制御装置500は、充電装置106から自装置へ送信されたコマンドやデータ等を、充電制御ECU504及び車載ネットワークバス502を介して受信することができる。
蓄電池514は、自車両である電動車両110の車輪を駆動する駆動モータ516を駆動する。モータ制御ECU506は、蓄電池514による駆動モータ516の駆動動作を制御する。
ランプ制御ECU508は、自車両である電動車両110が備える前照灯520、尾灯522、制動灯524、車幅灯526、右方向指示灯528、左方向指示灯530の発光装置の点灯を制御する。また、警報制御ECU510は、自車両である電動車両110の警笛等の警報装置(不図示)の音発出動作を制御する。
車両制御装置500は、処理装置540と、記憶装置542と、通信装置544と、を備える。記憶装置542は、例えば不揮発性メモリを含み、当該車両制御装置500が搭載された電動車両110の車両固有情報が予め記憶されている。
通信装置544は、車両制御装置500を、車載ネットワークバス502に接続された充電制御ECU504等の他のECUと通信可能に接続するための送受信機である。通信装置544は、例えば、車載ネットワークバス502がCAN通信規格に準拠するCANバスである場合には、CAN通信規格に準拠して送受信を行うCANトランシーバである。
処理装置540は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置540は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置540は、機能要素又は機能ユニットとして、固有情報提供部560と、案内動作制御部562と、を備える。
処理装置540が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置540がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置540が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
固有情報提供部560は、充電制御ECU504を介して充電装置106から車両情報送信要求を受信したことに応じて、記憶装置542が保存する車両固有情報を読み出し、当該車両固有情報を、充電制御ECU504を介して充電装置106へ送信する。
案内動作制御部562は、充電制御ECU504を介して充電装置106から所定の案愛動作の実行を指示するコマンドを受信したことに応じて、当該コマンドが指示する上記所定の案内動作を実行する。本実施形態では、上記所定の案内動作は発光装置の点灯である。例えば、案内動作制御部562は、発光装置である前照灯520、尾灯522、制動灯524、車幅灯526、右方向指示灯528、及び又は左方向指示灯530の発光を指示する発光指示コマンドを充電装置106から受信したことに応じて、所定の案内動作として、ランプ制御ECU508に指示して対応する発光装置を発光させる。
なお、上述したように、所定の案内動作は、これに限らず、電動車両110が備える警報装置からの警報音の発生であってもよい。この場合には、案内動作制御部562は、警報音発出コマンドを充電装置106から受信したことに応じて、所定の案内動作として、警報制御ECU510に指示して警報装置に警報音を発出させるものとすることができる。
次に、移動誘導装置100における動作について説明する。図6は、移動誘導装置100における動作の手順を示すフロー図である。図6に示す処理は、例えば、移動誘導装置100の電源がオンされたときに開始し、オフされたときに終了する。
処理を開始すると、まず、移動誘導装置100の処理装置200は、例えばエリア外通信装置206を介して誘導依頼を受信したか否かを判断する(S100)。そして、誘導依頼を受信していないときは(S100、NO)、ステップS100に戻って誘導依頼を受信するのを待機する。
一方、誘導依頼を受信したときは(S100、YES)、処理装置200の固有情報取得部210は、自装置である移動誘導装置100が管理する管理エリア102内の駐車スペースに設けられた充電装置106のそれぞれから、当該充電装置106の充電ケーブル108に接続されている電動車両110の車両固有情報を取得する(S102)。
次に、処理装置200の目的地特定部212は、ステップS100において受信した誘導依頼に含まれている車両固有情報が示す目標車両を、管理エリア102内において特定できたか否かを判断する(S104)。この判断は、ステップS102において充電装置106を介して取得した車両固有情報の中に、ステップS100において受信した誘導依頼に含まれている車両固有情報と同じ車両固有情報が含まれているか否かにより判断することができる。含まれている場合、目的地特定部212は、誘導依頼が示す目標車両を特定できたものと判断する。
そして、目標車両を特定できないときは(S104、NO)、処理装置200は、誘導依頼が示す目標車両を特定できなかった旨を示す不発見通知を、当該誘導依頼の送信元へ送信する(S106)。その後、処理装置200は、ステップS100に戻って処理を繰り返す。
一方、目標車両を特定できたときは(S104、YES)、目的地特定部212は、当該特定した目標車両の位置を目的地として特定する(S106)。例えば、目的地特定部212は、固有情報取得部210が作成した、充電装置106の充電装置識別情報と当該充電装置106に接続されている電動車両110の車両固有情報とを対応付けた車両リストを参照し、目標車両が接続されている充電装置106の充電装置識別情報を特定する。そして、目的地特定部212は、記憶装置202が記憶する充電装置情報を参照し、上記特定した充電装置識別情報を有する充電装置106の位置を、目的地として特定する。
その後、目的地特定部212は、目標車両を特定した旨を示す発見通知を、誘導依頼の送信元へ送信する(S110)。また、充電時間通知部214は、目標車両の現在時刻から充電完了までの予測時間(予想充電時間)を示す充電時間情報を充電装置106から取得して、当該取得した充電時間情報を、誘導依頼の送信元へ通知する(S112)。
続いて、接近通知部216は、誘導対象が管理エリア102に接近したか否かを判断する(S114)。具体的には、接近通知部216は、例えば管理エリア102への進入口に配されたセンサ112から、誘導対象の端末装置130の端末識別情報を含む端末検知情報を受信したときに、誘導対象が管理エリア102へ接近したものと判断する。
そして、誘導対象が管理エリア102に接近していないときは(S114、NO)、接近通知部216は、ステップS114に戻って誘導対象が誘導エリアに接近するのを待機する。一方、誘導対象が誘導エリアに接近したときは(S114、YES)、接近通知部216は、誘導対象が誘導エリアに接近した旨を示す接近通知を、目標車両の管理者の端末装置へ送信する(S116)。
そして、処理装置200は、誘導対象の端末装置130へ誘導開始通知を送信した後(S118)、誘導動作を開始する。この誘導動作は、現在位置特定部218、経路計画部220、及び移動誘導部222が、以下に示すステップS120、S122、及びS124を所定の時間間隔で繰り返すことにより実行される。
すなわち、まず、現在位置特定部218が、各センサ112から取得される端末検知情報に基づき、誘導対象の現在位置を算出する(S120)。そして、現在位置特定部218は、誘導対象が目的地に到達したか否かを判断する(S122)。ここで、現在位置特定部218は、ステップS120において算出した現在位置が、ステップS108において特定した目的地から、予め定めた所定の距離範囲内であるときに、誘導対象が目的地に到達したものと判断する。
そして、ステップS122において誘導対象が目的地に到達していないときは(S122、NO)、経路計画部220は、上記算出された現在位置から上記特定された目的地までの、誘導対象の移動経路を計画する(S124)。続いて、移動誘導部222は、管理エリア102内にある案内機器に指示して、ステップS124において計画された移動経路に沿って、上記現在位置から移動すべき方向を、誘導対象に通知する(S126)。本実施形態では、例えば、移動誘導部222は、案内機器として用いる電動車両110を選択し、充電装置106から当該電動車両110へ発光指示コマンドを送信させて、当該電動車両110の発光装置を発光させる。ステップS126において移動誘導部222が誘導対象に移動すべき方向を通知した後、処理装置200は、ステップS120へ処理を戻して、上記のステップS120、S122、S124、S126の処理を、所定の時間間隔で繰り返す。
一方、ステップS122において、誘導対象が目的地に到達したときは(S122、YES)、処理装置200は、誘導対象が目的地に到達したことを示す到達通知を、誘導依頼の送信元へ送信する(S128)。そして、処理装置200は、誘導対象の端末装置130へ誘導終了通知を送信した後(S130)、ステップS100に戻って処理を繰り返す。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、案内機器として、管理エリア102内に駐車されている電動車両110を用いるものとしたが、これには限られない。例えば、移動誘導装置100は、管理エリア102内に分散して配された照明装置を案内機器として用いてもよい。当該照明装置の配置は、記憶装置202に予め記憶されておくことができ、移動誘導部222は、例えば、経路計画部220が計画した移動経路に沿って誘導対象が現在位置を起点として進むべき方向に存在する上記照明装置のうち、誘導対象から所定の距離範囲にある照明装置を点灯させることで、当該進むべき方向を示すことができる。例えば、移動誘導部222は、エリア内通信装置204を介してこれらの照明装置と通信して、対応する照明装置に点灯指示を送るものとすることができる。
また、上述の実施形態においては、誘導対象が有する端末装置130は、誘導開始通知を受信した旨を表示するための表示装置402や操作入力装置404を備えるものとしたが、これには限られない。端末装置130は、誘導開始通知を受信したことを音等で誘導対象に伝えるものであってもよく、表示装置402や操作入力装置404を備えず、単にスピーカや振動発生用の小型モータを備えるものとしてもよい。
また、上述の実施形態においては、移動誘導装置100は、誘導依頼を受信したことに応じて誘導対象を誘導するものとしたが、これには限られない。移動誘導装置100は、そのような誘導依頼を受信することなく、予め定められた移動体又は任意の移動体を誘導対象として、予め定められた目標車両までの当該誘導対象の移動を誘導するものとしてもよい。
また、上述の実施形態では、移動誘導装置100は、管理エリア102内に配されるものとしたが、これには限られない。例えば、移動誘導装置100は、管理エリア102内の充電装置106及びセンサ112と通信可能に接続され得る範囲において、管理エリア102外に配されるものとすることができる。例えば、移動誘導装置100と管理エリア102内の充電装置106及びセンサ112との通信接続を仲介するサーバを、例えば管理エリア102内に配するものとし、当該サーバと移動誘導装置100とをネットワーク120により通信可能に接続するものとすれば、移動誘導装置100は、管理エリア102と離れた遠隔地に配するものとすることができる。
また、上述の実施形態では、充電装置106と電動車両110とは、通信路をも構成する充電ケーブル108を介して通信するものとしたが、これには限られない。例えば、充電装置106と電動車両110とが、それぞれに近距離通信装置を有するものとし、当該近距離通信装置を介して通信可能に接続されるものとしてもよい。この場合には、移動誘導装置100は、充電ケーブル108を介して充電装置106からの充電を行っていない電動車両110についても、それらの電動車両110の車両固有情報を取得し、及びそれらの電動車両110へ所定の案内動作を行わせるためのコマンドを充電装置106に送信させて案内機器として用いることができる。
以上説明したように、上述した実施形態に係る移動誘導装置100は、電動車両110が駐車する管理エリア102内において、当該管理エリア102内に駐車された上記電動車両110の一つ(例えば、電動車両110-T)を目標車両として移動する移動体(例えば、配達車両104の運転者)を誘導対象とし、当該誘導対象の移動を誘導する。移動誘導装置100は、管理エリア102の駐車スペースに設けられた充電装置106から、充電装置106に接続された電動車両110の車両固有情報を取得する固有情報取得部210を備える。また、移動誘導装置100は、上記取得された車両固有情報から目標車両を特定し、当該特定した目標車両の位置を目的地として特定する目的地特定部212と、管理エリア102内に配されたセンサ112を用いて、上記誘導対象の現在位置を特定する現在位置特定部218と、を備える。さらに、移動誘導装置100は、上記現在位置から上記目的地までの上記誘導対象の移動経路を計画する経路計画部220と、管理エリア102内にある案内機器に指示して、上記移動経路に沿って上記現在位置から移動すべき方向を上記誘導対象に通知する移動誘導部222と、を備える。
上記の構成では、管理エリア102外に配された装置等を用いることなく、管理エリア102の充電装置106を用いて目標車両を特定し、及び管理エリア内のセンサ112を用いて誘導対象の現在位置を特定する。このため、上記構成によれば、管理エリア102が地下駐車場等のGPS電波を適切に受信できないエリアであったとしても、目的位置である目標車両まで、誘導対象の移動を適切に誘導することができる。
また、移動誘導装置100では、上記案内機器は、管理エリア102内に駐車されている電動車両110であり、移動誘導部222は、案内機器である電動車両110の少なくとも一つに指示して所定の案内動作を行わせることにより、上記移動経路に沿って上記現在位置から移動すべき方向を上記誘導対象に通知する。
この構成によれば、管理エリア102内に特別の又は追加の装置を設けることなく、そのとき管理エリア102内に駐車されている電動車両110を用いて、簡単かつ容易に誘導対象を誘導することができる。
また、移動誘導装置100では、移動誘導部222は、案内機器である電動車両110に、上記所定の案内動作として当該電動車両110が備える発光装置(前照灯520等)の点灯を指示する。この構成によれば、管理エリア102内の照明環境が悪く目標車両までの経路が暗い場合や、例えば構内アナウンス等による音響または他車両の移動時の騒音等により管理エリア102内が騒がしい場合でも、誘導対象を確実に誘導することができる。
また、移動誘導装置100では、現在時刻から目標車両の充電完了までの予測時間を示す充電時間情報を充電装置106から取得して、当該取得した充電時間情報を、上記誘導対象についての誘導依頼の送信元(例えば、物品販売会社の販売店サーバ122)へ通知する充電時間通知部214を備える。
この構成によれば、例えば、誘導対象が目標車両へ温かい飲食物を配達する配達者(例えば、図1における配達車両104の運転者)である場合に、誘導対象である配達者は、目標車両への当該飲食物の到着時刻が当該目標車両の充電完了時刻の少し前となるように調整することができる。その結果、例えば、当該飲食物を発注した目標車両の管理者(利用者)は、目標車両による移動の少し前に当該飲食物を温かいまま受け取って食事をすることができ、その後、満足して目標車両の移動を開始することができる。また、例えば、レンタカーである目標車両を借りようとするユーザが誘導対象であって、目標車両が貸出手続場所から離れている場合に、当該ユーザは、貸出手続場所から目標車両までの移動の際に、目標車両への到着時刻を、当該目標車両の充電時刻に調整して移動することができる。
また、移動誘導装置100では、上記誘導対象は端末装置130を有し、現在位置特定部218は、管理エリア102に配された少なくとも一つのセンサ112により、当該センサ112から上記端末装置までの距離を取得することにより、上記誘導対象の現在位置を特定する。この構成によれば、センサ112は、誘導対象が有する端末装置130により誘導対象を容易に識別しつつ、且つ誘導対象までの距離を容易に測定することができる。このため、現在位置特定部218は、誘導対象の現在位置を簡易に特定することができる。
また、移動誘導装置100では、上記誘導対象が管理エリア102に接近したことをセンサ112により検知して、上記目標車両の管理者が利用する端末装置(例えば、利用者126の携帯端末128)に通知する接近通知部216を備える。この構成によれば、例えば、目標車両の利用者(管理者)が発注した物品を配達する配達者が誘導対象である場合に、当該利用者は、目標車両から一時的に離れていた場合でも、上記接近の通知を受け取ることで当該物品が間もなく到着することを認識することができるので、目標車両へ戻って当該物品の受け取り準備をすることができる。また、例えば、レンタカー会社の貸出車両を借りようとするユーザが誘導対象であって、当該貸出車両が目標車両である場合に、当該目標車両の管理者であるレンタカー会社は、上記接近の通知を受け取ることによりユーザが目標車両に接近したことを認識することができるので、当該ユーザが道に迷うことなく目標車両の駐車エリア近くまで到達したことを知ることができる。
本発明の他の態様は、電動車両110が駐車する管理エリア102内において、当該管理エリア102内に駐車された電動車両110の一つを目標車両として移動する移動体を誘導対象とし、当該誘導対象の移動を誘導する移動誘導方法である。この移動誘導方法は、固有情報取得部210が、管理エリア102の駐車スペースに設けられた充電装置106から、充電装置106に接続された電動車両110の車両固有情報を取得するステップ(S102)と、目的地特定部212が、上記取得された車両固有情報から目標車両を特定し、当該特定した目標車両の位置を目的地として特定するステップ(S108)と、を有する。また、この移動誘導方法は、現在位置特定部218が、管理エリア102内に配されたセンサ112を用いて、上記誘導対象の現在位置を特定するステップ(S120)と、経路計画部220が、上記現在位置から上記目的地までの上記誘導対象の移動経路を計画するステップ(S122)と、を有する。さらに、この移動誘導方法は、移動誘導部222が、管理エリア102内にある案内機器に指示して、上記移動経路に沿って上記現在位置から移動すべき方向を上記誘導対象に通知するステップ(S124)を有する。
この構成によれば、管理エリア102が地下駐車場等のGPS電波を適切に受信できないエリアであったとしても、目的位置である目標車両まで、誘導対象の移動を適切に誘導することができる。
本発明の更に他の態様は、電動車両110が駐車する管理エリア102内において当該管理エリア102内に駐車された電動車両110の一つを目標車両として移動する移動体を誘導対象とし、当該誘導対象の移動を誘導する移動誘導装置100の処理装置200により実行されるプログラムである。このプログラムは、処理装置200を、管理エリア102の駐車スペースに設けられた充電装置106から、充電装置106に接続された電動車両110の車両固有情報を取得する固有情報取得部210と、上記取得された車両固有情報から目標車両を特定し、当該特定した目標車両の位置を目的地として特定する目的地特定部212と、して機能させる。また、このプログラムは、処理装置200を、管理エリア102内に配されたセンサ112を用いて、上記誘導対象の現在位置を特定する現在位置特定部218と、上記現在位置から上記目的地までの上記誘導対象の移動経路を計画する経路計画部220と、して機能させる。さらに、このプログラムは、処理装置200を、管理エリア102内にある案内機器に指示して、上記移動経路に沿って上記現在位置から移動すべき方向を上記誘導対象に通知する移動誘導部222として機能させる。
上記プログラムによれば、移動誘導装置100の処理装置200において当該プログラムを実行することにより、固有情報取得部210等の機能要素を容易に実現して、管理エリア102が地下駐車場等のGPS電波を適切に受信できないエリアであったとしても、目的位置である目標車両まで誘導対象の移動を適切に誘導することができる。