JP7269155B2 - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁式燃料噴射弁、特に弁座を有する弁座部材を前端に連設した弁ケーシングと、その弁ケーシングの後端に連設される中空の固定コアと、その固定コアの外周に配設されるコイルと、弁座と協働する弁部にロッドが連設されて成る弁体と、ロッドに取付けられてコイルの励磁に伴い固定コアに吸引される可動コアとを備えた電磁式燃料噴射弁に関する。
上記電磁式燃料噴射弁において、弁ケーシングを複数の構成部材、例えば弁体の少なくとも一部を収容する円筒状のハウジング部材と、ハウジング部材の後端に隣接する円筒状の磁性部材と、その磁性部材の後端に隣接し且つ固定コアが後端に結合される円筒状の非磁性部材とで分割構成するものが既に知られている(例えば特許文献1を参照)。
この種の燃料噴射弁において、弁ケーシングを構成する相隣なる二部材の隣接端相互は軸方向に突き当てられ、且つ弁ケーシングの外周側からレーザ等を当てることによる突き当て溶接で結合される。また弁ケーシングの内部空間は、外部の燃料供給源から弁座側に向かう高圧燃料の流路の一部となる。
特開2014-92061号公報
従来の上記燃料噴射弁において、弁ケーシングの相隣なる構成部材相互の突き当て溶接は、弁ケーシングの外周端から肉厚方向中間位置までの領域のみに限定される。即ち、溶接部よりも弁ケーシング内周面までの領域が非溶接領域となることから、弁ケーシング内周面には、突き当て部の隙間が継ぎ目として露出する。そのため、弁ケーシング内を流れる燃料が上記隙間に侵入して、その燃料圧力が突き当て溶接部に及ぶ虞れがあるが、従前の燃料圧力は比較的低いので、溶接部が過度の圧力負荷を受ける虞れはなかった。
ところが近年では、内燃機関の燃焼効率を高めるために燃料噴射弁に供給される燃料を従前より更に高圧化することが求められており、その更なる高圧化に伴い、弁ケーシングの突き当て溶接される構成部材相互の隙間に侵入する高圧燃料が、構成部材に対し相互を引き離そうとする大きな圧力負荷となって、その相互間の結合部たる溶接部に少なからず応力を及ぼし、それが結合強度の低下要因となる虞れがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、弁ケーシング内を流れる燃料を高圧化しても、弁ケーシングの構成部材相互の結合強度を十分に高めることができる電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、弁座を有する弁座部材を前端に連設した弁ケーシングと、その弁ケーシングの後端に連設される中空の固定コアと、該固定コアの外周に配設されるコイルと、前記弁座と協働する弁部にロッドが連設されて成る弁体と、前記ロッドに取付けられて前記コイルの励磁に伴い前記固定コアに吸引される可動コアとを備え、前記弁ケーシングは、前記弁体の少なくとも一部を収容する円筒状のハウジング部材と、そのハウジング部材の後端に隣接する円筒状の磁性部材と、その磁性部材の後端に隣接し且つ前記固定コアが後端に結合される円筒状の非磁性部材とを有していて、該弁ケーシングの内部空間が高圧燃料の流路となる電磁式燃料噴射弁において、前記ハウジング部材、前記磁性部材及び前記非磁性部材は、その三者の隣接端相互がそれぞれ軸方向に突き当てられ且つ外周側から全周に亘り溶接されており、前記ハウジング部材及び前記磁性部材相互の突き当て溶接部、並びに前記磁性部材及び前記非磁性部材相互の突き当て溶接部は、それぞれ前記弁ケーシングの内周面へ露出する露出部を有し、それらの突き当て溶接部は、前記弁ケーシングにその外周面から内周面まで連続して設けられることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記露出部と、それら露出部の軸方向両側にそれぞれ連続する部分とが互いに面一に連続することを第2の特徴とする。
また本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、少なくとも一方の突き当て溶接部の前記露部は、円筒面状の露出面であり、その露出面と、前記内周面の、その露出面の軸方向両側にそれぞれ連続する部分とは、その両部分が当該露出面を挟んで面一に連続するように切削加工で形成されていることを第3の特徴とする。
本発明において、「突き当て溶接部」とは、隣接端相互を突き当てた状態で溶接される二部材の境界部において、その二部材の構成材料が、溶接に伴い溶融して渾然一体となった状態で固化した部分をいう。従って、この突き当て溶接部自体の内部は元より、突き当て溶接部と上記二部材の各間にも隙間は存在しない。
また本発明において、「突き当て」には、相隣なる二部材の外端面相互の突き当てが含まれることは元より、二部材の隣接端相互がインロー嵌合する場合には、その一方の部材の外端面と、他方の部材の外端面より一段凹んだ後退面(段差面)との突き当ても含まれる。
本発明の第1の特徴によれば、電磁式燃料噴射弁において、弁ケーシングの構成部材となるハウジング部材、磁性部材及び非磁性部材は、その三者の隣接端相互が軸方向に突き当てられ且つ外周面側から溶接されるが、ハウジング部材及び磁性部材相互の突き当て溶接部、並びに磁性部材及び非磁性部材相互の突き当て溶接部は、それぞれ弁ケーシングの内周面へ露出する露出部を有し、それらの突き当て溶接部は、弁ケーシングにその外周面から内周面に至るまで連続して設けられる。これにより、弁ケーシングの内周面には、上記それぞれの突き当て溶接部で結合される構成部材相互間の隙間が露出しないため、弁ケーシング内を流れる燃料が特に高圧化されても、構成部材に対し相互を引き離そうとする大きな圧力負荷が加わるのを回避可能となって、その相互間の溶接部に大きな応力を及ぼす虞れはなくなり、従って、突き当て溶接部の結合強度を十分に高めることができる。
また第2の特徴によれば、前記露出部と、それら露出部の軸方向両側にそれぞれ連続する部分とが互いに面一に連続する。これにより、溶接部の内周端が弁ケーシング内周面に露出しても、その内周面に加わる高圧燃料の圧力負荷は、溶接部の露出部および露出部周辺の内周面に対し均一に作用するから、溶接部の結合強度を高める上で有利となる。
また第3の特徴によれば、少なくとも一方の突き当て溶接部の前記露部は、円筒面状の露出面であり、の露出面と、弁ケーシング内周面の、その露出面の軸方向両側にそれぞれ連続する部分とは、その両部分が当該露出面を挟んで面一に連続するように切削加工で形成されている。これにより、第2の特徴による上記効果に加えて、溶接後に弁ケーシング内周面に対し切削加工を施すことで、弁ケーシング内周面に溶接部を確実に露出させることが可能となり、露出面を得るための精度管理が容易となる。また、弁ケーシングの内周面に所定幅の溶接露出面を得るに当たり、切削加工無しの場合と比べ切削加工有りの場合の方が溶接時の入熱量を効果的に低減できるため、それだけ弁ケーシングの溶接熱に因る変形量を抑制可能となる。
本発明の一実施形態に係る電磁式燃料噴射弁の内燃機関への取付状態の一例を示す縦断面図 前記電磁式燃料噴射弁における弁ケーシングの要部拡大断面図(図1の2矢視部拡大図) 弁ケーシング単体の縦断面図であって、(a)は切削加工前の状態(特に二点鎖線は切削加工予定面)を示し、また(b)は切削加工後の状態(特に薄墨部分は切削加工領域)を示す 弁ケーシングの突き当て溶接部を模式的に示すものであって、(a)は、従来技術に対応した比較例1を示し、(b)は、突き当て溶接部の内周端位置を弁ケーシング内周面に設定して溶接する場合に溶接部の内周端位置がばらつくことを説明するための比較例2を示す 弁ケーシングの突き当て溶接部を模式的に示すものであって、(a)は、図3(a)に対応し、(b)は、図3(b)に対応し、(c)は、切削加工無しで図4(b)と同幅の溶接露出面を得る場合を説明するための比較例3を示す
本発明の一実施形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。尚、本発明及び本明細書において、「軸方向」「径方向」「周方向」は、電磁式燃料噴射弁Iの中心軸線Xを基準とするものであって、例えば、中心軸線Xに沿う方向が軸方向であり、中心軸線Xを中心とした半径方向が径方向であり、中心軸線Xを中心とした円周方向が周方向である。また本発明及び本明細書では、電磁式燃料噴射弁Iの軸方向で燃料噴射側を前側、その反対側を後側という。
先ず図1において、内燃機関Eの機関本体(例えばシリンダヘッド5)には、燃焼室に開口する弁取付孔7が設けられており、燃焼室に向かって燃料を噴射し得る電磁式燃料噴射弁Iが弁取付孔7に装着される。
電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジングIhは、燃料噴射部を前端に有する段付き円筒状の弁ケーシング9と、その弁ケーシング9の後端に連設される円筒状の固定コア14と、この固定コア14の後端に同一素材を以て一体に連設される燃料入口筒16とを順次連ねて構成される。
弁ケーシング9は、後述する弁組立体Vを収容するものであって、それは、円筒状の弁座部材11と、この弁座部材11を前端部内周に嵌合して液密に溶接される段付き円筒状のハウジング部材10と、そのハウジング部材10の後端に前端が突き当て溶接W1される鍔付き円筒状の磁性部材12と、この磁性部材12の後端に突き当て溶接W2される短円筒状の非磁性部材13とを備える。
ハウジング部材10は、後述する弁体40の一部を収容するものであって、ハウジング部材10の後端部は、前側部分よりも内・外径が大きい大径筒部10aに形成される。従って、大径筒部10aの後端面が磁性部材12に対する突き当て面となる。この大径筒部10aは、弁取付孔7の開口部に形成された大径孔部7aに収容される。そして、弁ケーシング9の内周面9iは、大径筒部10aの後半部から磁性部材12を経て非磁性部材13の後端に至るまでの領域が、後述するように切削加工を以て面一、即ち等径の円筒面に形成されている。
図2も併せて参照して、固定コア14の前端部外周には環状凹部14aが形成されており、この環状凹部14aには、固定コア14に外周面を連ならせるようにして非磁部材13の後端部が圧入嵌合され、且つ液密に溶接W3される。
弁座部材11は、底壁部11aを前端に有して有底円筒状に形成され、その底壁部11aには、円錐状の弁座27が形成されるとともに、その弁座27の中心近傍に開口する複数の燃料噴孔28が設けられる。この弁座部材11は、燃料噴孔28を燃焼室に向けて開口するようにしてハウジング部材10の前端部内周に液密に嵌合、溶接される。
尚、燃料噴孔28は、これを本実施形態では弁座部材11の底壁部11aに直接形成したものを示したが、弁座部材11の前端部に後付けで固着(例えば溶接)される鋼板製のインジェクタプレート(図示せず)に燃料噴孔を形成してもよい。
図2も併せて参照して、磁性部材12は、これの中間部外周に径方向外向きに張出す環状鍔部12aを一体に有しており、一方、この環状鍔部12aに対応してシリンダヘッド5には、弁取付孔7(より具体的には大径孔部7a)の開口縁部を窪ませて環状凹部17が形成される。そして、この環状凹部17に収容されるシール部材兼用のクッション部材18が、シリンダヘッド5および環状鍔部12a間に圧縮状態で介装される。
燃料入口筒16の後端部に開口した入口には燃料フィルタ19が装着され、燃料分配管20に設けられる燃料供給キャップ21に燃料入口筒16が環状のシール部材22を介して嵌合される。燃料供給キャップ21の頂部にはブラケット23が係止され、このブラケット23は、シリンダヘッド5に立設した不図示の支柱に適当な固定手段(例えばボルト)を以てシリンダヘッド5に着脱可能に締結される。
燃料供給キャップ21と、燃料入口筒16の中間部外周に突設されて燃料供給キャップ21側に臨む環状段部25との間には、板ばねから成る弾性部材26が介装される。そして、この弾性部材26が発揮する弾発力で燃料入口筒16すなわち電磁式燃料噴射弁Iが、シリンダヘッド5および弾性部材26間に挟圧される。
ところでハウジング部材10から磁性部材12を経て非磁性部材13に至る弁ケーシング9内には、弁体40及び可動コア41が収容される。弁体40は、弁座27と協働して燃料噴孔28を開閉する弁部42と、その弁部42に連結(例えば溶接)されて固定コア14内まで延びるロッド43とを備える。弁部42は、弁座部材11の内周面を摺動可能な球状に形成され、ロッド43は弁部42よりも小径に形成される。
弁座部材11及びハウジング部材10と、ロッド43との各間には、環状の燃料流路44が画成され、弁部42の外周面には、弁座部材11との間に燃料流路となる複数の平面部45が形成される。従って、弁座部材11は、弁体40の開閉動作を摺動案内しながら弁部42の前後に渡る燃料の通過を許容する。
ロッド43の後端部には、固定コア14の前端面すなわち吸引面37に対置される可動コア41が嵌合、固定(例えば溶接)される。可動コア41は、これの前後端面間を連通させる縦孔41aを有しており、また可動コア41の外周部は、弁ケーシング9の内周面9iに摺動可能である。而して、弁体40及び可動コア41により、弁部材としての弁組立体Vが構成される。
固定コア14は、燃料入口筒16の中空部を固定コア14の前側に連通させる縦孔15を有する。その縦孔15は、可動コア41の縦孔41aを介して前記燃料流路44と連通する。
この固定コア14の縦孔15には、すり割り付きパイプ状のリテーナ53が圧入され、このリテーナ53と可動コア41との間に、可動コア41を弁体40の閉弁側に付勢する弁ばね54が縮設される。その際、リテーナ53の縦孔15への圧入深さにより弁ばね54のセット荷重が調整される。
可動コア41には、非磁性材製でリング状のストッパ部材36が埋設、固定され、このストッパ部材36は、可動コア41の、固定コア14と対向する後端面より僅かに突出する。そのストッパ部材36は、固定コア15及び可動コア41相互の磁気吸引時、ストッパ部材36が固定コア14の前端面、即ち吸引面37に当接することで、固定コア14及び可動コア41の対向端面間に所定のギャップを残存させる。
弁ハウジングIhの外周面(より具体的には磁性部材12の後部から非磁性部材13を経て固定コア14に至る外周面)には、コイル組立体30が嵌装される。このコイル組立体30は、上記外周面に嵌合するボビン31と、このボビン31に巻装されるコイル32とを有して円筒状に形成される。そして、コイル組立体30を囲繞するよう円筒状に形成した磁性材製のコイルハウジング33の前端部が、磁性部材12(より具体的には環状鍔部12aの後側面)に結合(例えば溶接)される。
ボビン31及びコイル32は円筒状をなしており、これらの中心軸線は、燃料噴射弁Iの中心軸線Xと一致する。ボビン31の後端部には、ボビン31の一側方に突出するカプラ端子35の基端部35aが保持され、この基端部35aにコイル32の端末が接続される。
また、固定コア14の後部外周は、コイルハウジング33の後端部に連なってモールド成形される合成樹脂製の被覆層34で被覆されており、この被覆層34には、上記カプラ端子35を保持するカプラ34aが電磁式燃料噴射弁Iの一側方に突出するようにして一体に形成される。
コイルハウジング33は、コイル32への通電時に弁ケーシング9(特に磁性部材12)及び固定コア14間に磁気回路を形成して、固定コア14に可動コア41(従って弁組立体V)を磁気吸引させることができ、これにより、弁体40が開弁動作する。
而して、前記した弁ケーシング9の内部空間は、外部の燃料供給源から燃料入口筒16内および固定コア14の縦孔15を経て弁座27及び燃料噴孔28側に向かう高圧燃料の流路の一部となっている。
次に前記実施形態の作用を説明する。
電磁式燃料噴射弁Iの組み立てに当たっては、例えば、弁座部材11と、弁座部材11を除く弁ケーシング9と、弁組立体Vと、コイル組立体30と、コイルハウジング33と、燃料入口筒16付き固定コア14とを予め別々に製作する。そして、弁組立体Vを内部に嵌装した弁ケーシング9の後端に固定コア14の前端を溶接して弁ハウジングIhを組立て、その外周にコイル組立体28を嵌装し、更にその外側にコイルハウジング33を嵌装して、コイルハウジング33の前端を弁ケーシング9(即ち磁性部材12の環状鍔部12a)に溶接する。次いで、弁座部材11を弁ケーシング9(即ちハウジング部材10)の前端に溶接する。
しかる後に被覆部34のモールド成形工程に移る。即ち、絶縁性合成樹脂の射出成形により、固定コア14と、コイル組立体28と、コイルハウジング33の後端部と、カプラ端子35の基端部35aを埋封するようにして、弁ハウジングIhの周囲に被覆部34を成形する。その後、燃料入口筒16側から弁ハウジングIh内に弁ばね54及びリテーナ53を装着し、次いで燃料入口筒16に燃料フィルタ19及びシールリング22を取付けて、電磁式燃料噴射弁Iの組み立て作業は、完了する。
上記した一連の組立工程において、特に弁ケーシング9の組立手順を、図3を併せて参照して、次に説明する。
先ず、弁ケーシング9を分割構成するハウジング部材10、磁性部材12及び非磁性部材13が、ハウジング部材10の大径筒部10aの後半部内径と、磁性部材12の内径と、非磁性部材13の内径とがそれらの最終形態の内径よりも小径となる形態で、個別に製作される。
次いで、大径筒部10aの後端面には、磁性部材12の前端面が、不図示の位置決め治具を用いて同心状に位置決めされつつ突き当て保持される。また同様に、磁性部材12の後端面には、非磁性部材13の前端面が、不図示の位置決め治具を用いて同心状に位置決めされつつ突き当て保持される。
そして、ハウジング部材10、磁性部材12及び非磁性部材13は、その三者の隣接端相互が上記のように各々軸方向に突き当てられた状態で、弁ケーシング9の外周面9o側からレーザ溶接により全周に亘り溶接される。この溶接直後の状態が、図3(a)で示される。これにより、ハウジング部材10及び磁性部材12相互間には第1突き当て溶接部W1が設けられ、また磁性部材12及び非磁性部材13相互間には第2突き当て溶接部W2が設けられる。
その溶接後、図3(b)に示すように、ハウジング部材10の大径筒部10aの後半部の内周面と、磁性部材12の内周面と、非磁性部材13の内周面とは、第1,第2突き当て溶接部W1,W2の内周端部と共に切削加工されて、互いに面一、即ち同一内径の円筒面に形成される。かくして、第1,第2突き当て溶接部W1,W2の、弁ケーシング9の内周面9iへの露出部としての露出面f1,f2も、上記切削加工により円筒面(図5(b)を参照)に形成される。
そして、第1,第2突き当て溶接部W1,W2は、図5(b)に明示したように、弁ケーシング9の外周面9oから内周面9iに至るまで連続して形成されるため、その内周面9iには、弁ケーシング9を構成する相隣なる二部材10,12;12,13相互間の隙間が露出することはない。これにより、弁ケーシング9内を流れる燃料が特に高圧化されても、相隣なる二部材10,12;12,13に対し相互を引き離そうとする大きな圧力負荷が加わるのを回避可能となるため、その相互間の突き当て溶接部W1,W2に大きな応力を及ぼす虞れはなくなり、突き当て溶接部W1,W2の結合強度を十分に高めることができる。
これに対し、図4(a)に模式的に示す従来技術に対応する比較例1では、弁ケーシングの相隣なる構成部材相互の突き当て部は、溶接部W1′,W2′よりも径方向内方側の領域が非溶接領域となることから、弁ケーシングの内周面には突き当て部相互の隙間が露出する。そのため、上記隙間に侵入する高圧燃料が特に高圧の場合は、相隣なる構成部材に対し相互を引き離そうとする大きな圧力負荷となって、その相互間の溶接部W1′,W2′に少なからず応力を及ぼし、それが結合強度の低下要因となる虞れがある。従って、この図4(a)の構造と比べ、本実施形態は上記した特段の効果を発揮可能である。
また本実施形態において、第1,第2突き当て溶接部W1,W2の、弁ケーシング9の内周面9iへの露出部としての露出面f1,f2と、同内周面9iの、露出面f1,f2の軸方向両側にそれぞれ連続する部分9i1,9i2;9i3,9i4とは、その両部分9i1,9i2;9i3,9i4が露出面f1,f2を挟んで面一に連続(図5(b)参照)している。これにより、突き当て溶接部W1,W2の内周端が弁ケーシング9の内周面9iに露出しても、その内周面9iに加わる高圧燃料の圧力負荷は、突き当て溶接部W1,W2の露出面f1,f2と、露出面f1,f2周辺の内周面9i(即ち上記部分9i1,9i2;9i3,9i4)に対し均一に作用するから、突き当て溶接部W1,W2の結合強度をより高めることができる。
その上、本実施形態では、各突き当て溶接部W1,W2の露出面f1,f2と、弁ケーシング9の内周面9iの、露出面f1,f2両側に連続する部分9i1,9i2;9i3,9i4とを面一にするために、溶接後に前述の切削加工が行われる。これにより、弁ケーシング9の内周面9iには突き当て溶接部W1,W2の内周端を、円筒面状の露出面f1,f2として確実に出現させることが可能となり、露出面f1,f2を得るための厳格な精度管理が不要となる。
すなわち、仮に切削加工無しで弁ケーシング9の内周面9iに突き当て溶接部W1,W2の内周端を露出させようとすれば、溶接時の精度管理(例えば入熱量、入熱時間等)を厳格に行う必要がある。また、たとえ管理を厳格化したところで、図4(b)に例示するように突き当て溶接部W1,W2の内周端位置にばらつきが生じる可能性があるため、弁ケーシング9の内周面9iに突き当て溶接部W1,W2の内周端部を確実に露出させることは容易でない。
また、弁ケーシング9の内周面9iに所定の軸方向幅の溶接露出面f1,f2を得るに当たり、切削加工無しの場合(図5(c)参照)と比べ、切削加工有りの場合(図5(a)(b)参照)の方が溶接時の入熱量を効果的に低減できるため、それだけ弁ケーシング9の溶接熱に因る変形量を抑制可能となる。
すなわち、肉厚が同じ弁ケーシング9に対し外周側からレーザ溶接するに当たり、切削加工有りの場合(図5(a)参照)の方が、切削加工無しの場合(図5(c)参照)よりも、溶接直後の突き当て溶接部W1,W2の内周端の軸方向幅を小さくできる。これにより、切削加工有りの場合の方が、相対的に溶接時の入熱量を少なくすることができて、弁ケーシング9の熱変形量を低減可能となる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、弁ケーシング9の内周面9iが、ハウジング部材10の大径筒部10aの後半部から磁性部材12を経て非磁性部材13の後端に至る特定領域で、軸方向全域に亘り等径に形成されるものを示したが、上記特定領域の弁ケーシング9の内周面9iを段付き円筒面に形成してもよい。但し、この場合でも、各々の突き当て溶接部W1,W2の、弁ケーシング内周面9iへの露出面f1,f2と、弁ケーシング内周面9iの、当該露出面f1,f2の軸方向両側にそれぞれ連続する所定領域部分9i1,9i2;9i3,9i4とは、例えば切削加工により面一に形成される。
また前記実施形態では、弁ケーシング9を構成する相隣なる二部材10,12(又は12,13)の隣接端相互を突き当て溶接後、弁ケーシング内周面9iの上記特定領域を切削加工することで、突き当て溶接部W1,W2の露出面f1,f2を弁ケーシング内周面9iに確実に出現させるものを示したが、上記した切削加工を行わないで、弁ケーシング内周面9iに突き当て溶接部W1,W2の内周端部を露出させるようにしてもよい。その場合、突き当て溶接部W1,W2の内周端部が弁ケーシング内周面9iより多少食み出した場合には、その食み出し部分を研磨加工等で除去して弁ケーシング内周面9iと面一とすることが望ましい。
また前記実施形態では、ハウジング部材10及び磁性部材12相互間の第1突き当て溶接部W1、並びに磁性部材12及び非磁性部材13相互間の第2突き当て溶接部W2の両方に本発明構造を適用したものを示したが、その何れか一方の突き当て溶接部W1(又はW2)にだけ本発明構造の円筒面状の露出面f1,f2を適用してもよい。
また前記実施形態では、可動コア41を弁組立体Vのロッド43と別々に製作して後付けでロッド43に取付け、固定(例えば溶接)したものを示したが、可動コア41は、ロッド43と一体に形成されてもよく、或いはまた、ロッド43に対し所定の制限された範囲内を相対摺動可能に嵌合させるようにしてもよい。
また前記実施形態の弁ケーシング9では、これの前端部に配設される弁座部材11が、ハウジング部材10とは別個に製作されて、後付けでハウジング部材10の前端部に結合(溶接)されるものを示したが、組立可能な弁構造であれば、弁座部材11をハウジング部材10と一体に形成してもよい。
また本実施形態では、燃料噴射弁Iが装着される弁取付孔7を、内燃機関Eの機関本体(例えばシリンダヘッド5)に設けたものを示したが、内燃機関Eの付属品(例えば、スロットルボディ、吸気管等)に弁取付孔7を設けてもよい。
I・・・・・・電磁式燃料噴射弁
W1・・ハウジング部材及び磁性部材相互の突き当て溶接部としての第1突き当て溶接部W2・・磁性部材及び非磁性部材相互の突き当て溶接部としての第2突き当て溶接部
f1,f2・・突き当て溶接部の露出部としての露出面
9・・・・・・弁ケーシング
9o・・・・・弁ケーシングの外周面
9i・・・・・弁ケーシングの内周面
9i1,9i2・・ハウジング部材及び磁性部材相互の突き当て溶接部に連続する部分
9i3,9i4・・磁性部材及び非磁性部材相互の突き当て溶接部に連続する部分
10・・・・・ハウジング部材
11・・・・・弁座部材
12・・・・・磁性部材
13・・・・・非磁性部材
14・・・・・固定コア
27・・・・・弁座
32・・・・・コイル
40・・・・・弁体
41・・・・・可動コア
42・・・・・弁部
43・・・・・ロッド

Claims (3)

  1. 弁座(27)を有する弁座部材(11)を前端に連設した弁ケーシング(9)と、その弁ケーシング(9)の後端に連設される中空の固定コア(14)と、該固定コア(14)の外周に配設されるコイル(32)と、前記弁座(27)と協働する弁部(42)にロッド(43)が連設されて成る弁体(40)と、前記ロッド(43)に取付けられて前記コイル(32)の励磁に伴い前記固定コア(14)に吸引される可動コア(41)とを備え、前記弁ケーシング(9)は、前記弁体(40)の少なくとも一部を収容する円筒状のハウジング部材(10)と、そのハウジング部材(10)の後端に隣接する円筒状の磁性部材(12)と、その磁性部材(12)の後端に隣接し且つ前記固定コア(14)が後端に結合される円筒状の非磁性部材(13)とを有していて、該弁ケーシング(9)の内部空間が高圧燃料の流路となる電磁式燃料噴射弁において、
    前記ハウジング部材(10)、前記磁性部材(12)及び前記非磁性部材(13)は、その三者の隣接端相互がそれぞれ軸方向に突き当てられ且つ外周側から全周に亘り溶接されており、
    前記ハウジング部材(10)及び前記磁性部材(12)相互の突き当て溶接部(W1)、並びに前記磁性部材(12)及び前記非磁性部材(13)相互の突き当て溶接部(W2)は、それぞれ前記弁ケーシング(9)の内周面(9i)へ露出する露出部(f1,f2)を有し、それらの突き当て溶接部(W1,W2)は、前記弁ケーシング(9)にその外周面(9o)から前記内周面(9i)まで連続して設けられることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
  2. 記露出部(f1,f2)と、それら露出部(f1,f2)の軸方向両側にそれぞれ連続する部分(9i1,9i2,9i3,9i4)とが互いに面一に連続することを特徴とする、請求項1に記載の電磁式燃料噴射弁。
  3. なくとも一方の突き当て溶接部(W1,W2)の前記露部は、円筒面状の露出面(f1,f2)であり、その露出面(f1,f2)と、前記内周面(9i)の、その露出面(f1,f2)の軸方向両側にそれぞれ連続する部分(9i1,9i2,9i3,9i4)とは、その両部分(9i1,9i2,9i3,9i4)が当該露出面(f1,f2)を挟んで面一に連続するように切削加工で形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電磁式燃料噴射弁。
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