JP7269109B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、スプロケットとチェーンとの間に潤滑油を噴射するオイル噴射ノズルを設けたトランスファ装置が開示されている。
実開平4-5553号公報
チェーン及びスプロケットを有して構成される動力伝達装置は、高回転で駆動される場合がある。この場合、チェーンの焼けや摩耗がより厳しくなるので、チェーン及びスプロケットへの供給油量の増加や、チェーン及びスプロケットの強制潤滑を行う油供給穴の増加を行うことが考えられる。しかしながら、いずれの場合も油を供給するオイルポンプの仕事量が増えることから、エネルギー効率の悪化を招く虞やオイルポンプのサイズアップが必要になる虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、チェーン及びスプロケットを効率的に潤滑可能にすることを目的とする。
本発明のある態様の動力伝達装置は、スプロケットと、前記スプロケットに巻き掛けられるチェーンと、前記チェーン及び前記スプロケットの噛合い部に油を供給する油供給穴と、前記スプロケットを支持するベアリングと、前記ベアリングを保持するリテーナと、を有し、前記チェーンは、正転方向及び逆転方向に駆動され、前記噛合い部は、正転方向で形成される第1噛合い開始部と、逆転方向で形成される第2噛合い開始部とを含み、前記油供給穴は、前記第1噛合い開始部及び前記第2噛合い開始部のうち上方に形成される噛合い開始部に油を供給し、前記リテーナは、前記スプロケットを上方から覆う壁を有するとともに、前記チェーンに油を落下させる案内溝を有する
この態様によれば、スプロケット及びチェーンの噛合い部に供給された油が遠心力により飛散しても、リテーナに設けた壁により捕捉してチェーン及びスプロケットの潤滑に利用することが可能になる。このためこの態様によれば、チェーン及びスプロケットを効率的に潤滑することが可能になる。
ハイブリッド車両の概略構成図である。 動力伝達装置の外観を示す図である。 動力伝達装置の要部を断面で示す図である。 動力伝達装置の要部の第1の外観図である。 動力伝達装置の要部を裏側から見た図である。 動力伝達装置の要部の第2の外観図である。 油供給穴から供給される油の移動経路を示す図である。 案内溝の全体図である。 案内溝の拡大図である。 案内溝による油の案内経路を示す図である。 比較例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両100(以下、「車両100」という。)の概略構成図である。車両100は、第1バッテリとしての低電圧バッテリ1と、第2バッテリとしての高電圧バッテリ2と、走行用駆動源としてのエンジン3及びモータジェネレータ4(以下、「MG4」という。)と、エンジン3の始動に用いられる第1回転電機としてのスタータモータ5(以下、「SM5」という。)と、発電とエンジン3のアシスト及び始動とに用いられる第2回転電機としてのスタータジェネレータ6(以下、「SG6」という。)と、DC-DCコンバータ7と、インバータ8と、油圧発生源としてのメカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10と、変速機を構成するトルクコンバータ11、前後進切替機構12及び無段変速機構13(以下、「CVT13」という。)と、ディファレンシャル機構14と、駆動輪18と、コントローラ20とを備える。
低電圧バッテリ1は、出力電圧がDC12Vの鉛酸バッテリである。低電圧バッテリ1は、SM5、12Vで動作する電装品15(自動運転用カメラ15a及びセンサ15b、ナビゲーションシステム15c、オーディオ15d、エアコン用ブロア15e等)とともに低電圧回路16に接続される。低電圧バッテリ1は出力電圧が12Vのリチウムイオン電池であってもよい。
高電圧バッテリ2は、低電圧バッテリ1よりも出力電圧が高いDC48Vのリチウムイオンバッテリである。高電圧バッテリ2の出力電圧はこれよりも低くても高くてもよく、例えば30Vや100Vであってもよい。高電圧バッテリ2は、MG4、SG6、インバータ8、電動オイルポンプ10等とともに高電圧回路17に接続される。
低電圧回路16と高電圧回路17とは、DC-DCコンバータ7を介して接続される。DC-DCコンバータ7は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に48Vを出力する昇圧機能と高電圧回路17の48Vを12Vに降圧して低電圧回路16に12Vを出力する降圧機能とを有している。これにより、DC-DCコンバータ7は、エンジン3が運転中か停止中かに関わらず、低電圧回路16に12Vの電圧を出力することができる。また、高電圧バッテリ2の残容量が少なくなった場合は低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に出力し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
エンジン3は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、コントローラ20からの指令に基づいて回転速度、トルク等が制御される。
トルクコンバータ11は、エンジン3と前後進切替機構12との間の動力伝達経路上に設けられ、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ11は、車両100が所定のロックアップ車速以上で走行している場合にロックアップクラッチ11aを締結することで、エンジン3からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
前後進切替機構12は、トルクコンバータ11とCVT13との間の動力伝達経路上に設けられ、遊星歯車機構12aと、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cで構成される。前進クラッチ12bが締結され後退ブレーキ12cが解放されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、回転方向を維持したまま前後進切替機構12からCVT13に出力される。逆に、前進クラッチ12bが解放され後退ブレーキ12cが締結されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、減速かつ回転方向を反転されて前後進切替機構12からCVT13に出力される。前後進切替機構12で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
CVT13は、前後進切替機構12とディファレンシャル機構14との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセルペダルの操作量であるアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。CVT13は、プライマリプーリ13aと、セカンダリプーリ13bと、両プーリに巻き掛けられたベルト13cと、を備える。CVT13は、プライマリプーリ13aとセカンダリプーリ13bの溝幅を油圧によって変更し、プーリ13a、13bとベルト13cとの接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更することができる。CVT13で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
MG4は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型回転電機である。MG4は、MG4の軸に設けられたスプロケットとプライマリプーリ13aの軸に設けられたスプロケットとの間に巻きつけられるチェーン21を介してプライマリプーリ13aの軸に接続される。
MG4は、エンジン3と駆動輪18とを結ぶ動力伝達経路にセカンダリプーリ13bよりもエンジン3側で分岐接続される。また、MG4は、当該動力伝達経路のエンジン3及びプライマリプーリ13a間に設けられたクラッチを含む前後進切替機構12よりも駆動輪18側で当該動力伝達経路に分岐接続される。ベルト13cを間に挟んでエンジン3とは反対側からプライマリプーリ13aの軸に接続されることは、当該動力伝達経路に分岐接続されることに含まれる。
MG4は、コントローラ20からの指令に基づいてインバータ8により作り出された三相交流を印加することにより制御される。MG4は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する。また、MG4は、ロータがエンジン3や駆動輪18から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
MG4の軸に設けられたスプロケットとプライマリプーリ13aの軸に設けられたスプロケットは、後者の歯数が多くなるように構成され(例えば、歯数=1:3)、MG3の出力回転が減速してプライマリプーリ13aに伝達されるようにする。これにより、MG4に要求されるトルクを下げてMG4を小型化し、MG4の配置自由度を向上させる。
SM5は、直流モータであり、エンジン3のフライホイール3aの外周ギヤ3bにピニオンギヤ5aを噛み合わせ可能に配置される。エンジン3を冷機状態から初めて始動(以下、「初回始動」という。)する場合は、低電圧バッテリ1からSM5に電力が供給され、ピニオンギヤ5aが外周ギヤ3bに噛み合わされ、フライホイール3a、さらにはクランク軸が回転される。エンジン3を初回始動するときにSM5を用いるのは、低電圧バッテリ1が鉛酸バッテリであるので、極低温時であっても低電圧バッテリ1からSM5に電力を安定して供給することができ、エンジン3を初回始動するのに必要なトルク、出力をSM5によって発生できるからである。
なお、エンジン3を始動するのに必要なトルク、出力は、初回始動時が一番大きく、暖機状態からの始動、すなわち、再始動時は初回始動時よりも小さくなる。これは、初回始動時はエンジンオイルの温度が低く、エンジンオイルの粘度が高いのに対し、初回起動後はエンジンオイルの温度が上昇し、エンジンオイルの粘度が低下するためである。
SG6は、同期型回転電機であり、Vベルト22を介してエンジン3のクランク軸に接続され、エンジン3から回転エネルギーを受ける場合には発電機として機能する。このようにして発電された電力は、インバータ8を通じて高電圧バッテリ2に充電される。また、SG6は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作し、エンジン3の駆動力をアシストする。さらに、SG6は、アイドリングストップ状態からエンジン3を再始動するときに、エンジン3のクランク軸を回転駆動してエンジン3を再始動するために用いられる。
メカオイルポンプ9は、エンジン3の回転がチェーン23を介して伝達されることによって動作するオイルポンプである。メカオイルポンプ9は、オイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12及びCVT13に油を供給する。
電動オイルポンプ10は、高電圧バッテリ2から供給される電力によって動作するオイルポンプである。電動オイルポンプ10は、EVモード、アイドルストップ状態等、エンジン3が停止しておりエンジン3でメカオイルポンプ9を駆動できない場合に動作し、メカオイルポンプ9と同様にオイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12及びCVT13に油を供給する。特に、CVT13で必要な油圧を確保することで、ベルト13cの滑りを抑制する。
コントローラ20は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えた1又は複数のマイクロコンピュータで構成される。コントローラ20は、制御部に対応し、ROM又はRAMに格納されたプログラムをCPUによって実行することで、エンジン3、インバータ8(MG4、SG6、電動オイルポンプ10)、DC-DCコンバータ7、SM5、ロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、CVT13等を統合的に制御する。
コントローラ20は、車両100の運転モードとして、高電圧バッテリ2から供給される電力によってMG4を駆動し、MG4のみの駆動力によって走行するEVモードと、エンジン3のみの駆動力によって走行するエンジン走行モードと、エンジン3の駆動力とMG4の駆動力によって走行するHEVモードと、を切り換える。
EVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cを解放した状態で、高電圧バッテリ2からの電力によってMG4のみを駆動して走行する(以下、この状態を「EV走行」という。)。EVモードは、車両100の要求出力が低い時であって、高電圧バッテリ2の残容量が充分にあるときに選択される。
エンジン走行モードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3のみを駆動して走行する。エンジン走行モードは、車両100の要求出力が比較的高い時に選択される。
HEVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3とMG4とを駆動して走行する。HEVモードは、車両100の要求出力が高い時、具体的には、車両100の要求出力がエンジン3による出力のみでは補えないときに選択される。
コントローラ20は、アクセル開度と、ブレーキペダルの踏力と、車速に基づき、図示しない走行モード選択マップを参酌して走行モードを選択し、選択された走行モードが実現されるようエンジン3及びMG4を駆動する。
図2から図6は、本実施形態にかかる動力伝達装置30を示す図である。図2の上下方向は、鉛直方向に対応する。動力伝達装置30は、チェーン21のほか、第1スプロケット31、第2スプロケット32、ケース33、第1ベアリング34、第2ベアリング35、リテーナ36を有する。
チェーン21は、正転方向及び逆転方向に駆動される。チェーン21は、第1スプロケット31及び第2スプロケット32に巻き掛けられる。
第1スプロケット31は、MG4の軸に設けられた前述のスプロケットであり、第2スプロケット32は、プライマリプーリ13aの軸に設けられた前述のスプロケットである。第2スプロケット32は、第1スプロケット31とともにチェーン21が巻き掛けられる他のスプロケットを構成する。
回転方向が正転方向の場合、第1スプロケット31は駆動側スプロケットを構成し、第2スプロケット32は従動側スプロケットを構成する。回転方向が逆転方向の場合、第1スプロケット31は従動側スプロケットを構成し、第2スプロケット32は駆動側スプロケットを構成する。つまり、第1スプロケット31及び第2スプロケット32は、第1スプロケット31及び第2スプロケット32の一方が駆動側スプロケットを構成する場合に他方が従動側スプロケットを構成するように設けられる。
回転方向が正転方向の場合、チェーン21及び第1スプロケット31は、第1噛合い開始部P1で噛み合いを開始する。回転方向が逆転方向の場合、チェーン21及び第1スプロケット31は、第2噛合い開始部P2で噛み合いを開始する。正転時の第1噛合い開始部P1は、逆転時の第2噛合い開始部P2よりも上方に位置する。
ケース33は、動力伝達装置30のケース部材であり、油供給穴331を有する。油供給穴331は、チェーン21及び第1スプロケット31に油を供給する。油供給穴331は、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2のうち上方に形成される噛合い開始部である第1噛合い開始部P1に油を供給する。油供給穴331は、ケース33のうちチェーン21の内側の部分に開口するように設けられる。
第1ベアリング34及び第2ベアリング35は、第1スプロケット31を支持する。第1ベアリング34はリテーナ36に設けられ、第2ベアリング35はケース33に設けられる。
リテーナ36は、第1ベアリング34を保持する。リテーナ36は、ベアリング保持部361と、第1側壁部362と、第1フランジ部363と、第2側壁部364と、第2フランジ部365とを有する。
ベアリング保持部361は、第1ベアリング34を保持する部分である。第1側壁部362と第1フランジ部363とは、チェーン21の外側に位置し、第2側壁部364と第2フランジ部365とは、チェーン21の内側に位置する。第1側壁部362は第1フランジ部363から軸方向に延伸してベアリング保持部361に接続し、第2側壁部364は第2フランジ部365から軸方向に延伸してベアリング保持部361に接続する。
このように設けられたリテーナ36の内側(ベアリング保持部361の裏側)には、第1スプロケット31を収容する空間が形成される。リテーナ36は、第2側壁部364が第1側壁部362の斜め下(鉛直方向斜め下)に位置するように設けられる。
リテーナ36は、第1スプロケット31を上方(鉛直方向上方)から覆う壁366をさらに有する。壁366は、第1側壁部362から第1スプロケット31の上方に延伸するように設けられる。壁366は、上に凸の曲がりを有して延伸し、チェーン21と干渉しない範囲内で延伸させることができる。壁366はさらに、このように延伸した延伸部とベアリング保持部361とを接続する側壁部を有する。
このように構成された動力伝達装置30では、油供給穴331から噴射される油が次に説明するように移動する。
図7は、油の移動経路を示す図である。図7に示すように、油供給穴331は第1噛合い開始部P1に油を噴射する。第1噛合い開始部P1に供給された油は、遠心力を受けながらチェーン21の外側に飛散する。飛散した油は壁366に衝突し、壁366を伝ってリテーナ36の内側に導かれる。リテーナ36の内壁面には、次に説明するように油の案内溝Gが設けられる。
図8は、案内溝Gの全体図である。図9は、案内溝Gの拡大図である。図9では、第2側壁部364に設けられた案内溝Gを拡大して示す。
案内溝Gは、リテーナ36の内壁面、つまり第1側壁部362、ベアリング保持部361及び第2側壁部364の内壁面に設けられる。案内溝Gは、第1案内溝G1と第2案内溝G2と第3案内溝G3とを有する。
第1案内溝G1は、第1側壁部362からベアリング保持部361さらには第2側壁部364に亘って設けられる。第1案内溝G1は、第1側壁部362から第2側壁部364に向かう方向に延伸して設けられた複数(ここでは3本)の溝を第1側壁部362に有する。また、第1案内溝G1は、ベアリング穴を迂回する迂回溝をベアリング保持部361に有する。第1側壁部362に設けられた複数の溝それぞれは、ベアリング保持部361まで延伸して設けられ、迂回溝に接続する。迂回溝は第2側壁部364まで延伸して設けられ、第3案内溝G3に接続する。
第2案内溝G2は、第2側壁部364に設けられる。第2案内溝G2は、第1側壁部362から第2側壁部364に向かう方向に延伸して設けられる。第2案内溝G2は複数(ここでは3つ)設けられ、複数の第2案内溝G2それぞれは、第3案内溝G3に接続する。第2案内溝G2は第1案内溝G1とともに、第3案内溝G3に油を案内する案内溝を構成する。
第3案内溝G3は、第2側壁部364に設けられる、第3案内溝G3は、第2側壁部364の長手方向に延伸して設けられる。第3案内溝G3は、第2側壁部364の短手方向において、第2側壁部364の中間位置に設けられる。当該中間位置は、第3案内溝G3の下端がチェーン21の直上に位置するように設定される。第2側壁部364の短手方向は、動力伝達装置30において第1スプロケット31の軸方向或いは当該軸方向に概ね沿った方向となる。
このように設けられた案内溝Gでは、次に説明するように油が案内される。
図9Aは、案内溝Gによる油の案内経路を示す図である。図9Bは、比較例を示す図である。比較例は、案内溝Gが設けられていないリテーナ36´を示す。
まず、比較例の場合について説明すると、比較例では案内溝Gが設けられていないため、油の多くが第2側壁部364とベアリング保持部361とを接続する屈曲部を伝って流れ、リテーナ36´から落下する。屈曲部はチェーン21の直上に位置していないため、リテーナ36´から落下した油は、チェーン21に落下せずにケース33に落下することになる。比較例では、油が第2側壁部364に到達する前に、第1側壁部362やベアリング保持部361からも落下する。
本実施形態の場合、第1案内溝G1及び第2案内溝G2が第3案内溝G3に油を案内する。また、第3案内溝G3の下端がチェーン21の直上に位置するので、第3案内溝G3から落下した油はチェーン21に落下する。
案内溝Gは、第1スプロケット31を覆うリテーナ36からチェーン21にこのように油を落下させることで、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2のうち下方に形成される第2噛合い開始部P2の噛合い手前位置に油を落下させる。これにより、リテーナ36から落下する油が、逆転時に第2噛合い開始部P2で噛み合いを開始するチェーン21及び第1スプロケット31の潤滑に利用される。また、第1案内溝G1及び第2案内溝G2により、第1噛合い開始部P1に供給され飛散した油が効率的にチェーン21及び第1スプロケット31の潤滑に利用される。
次に、本実施形態の主な作用効果について説明する。
動力伝達装置30は、第1スプロケット31と、第1スプロケット31に巻き掛けられるチェーン21と、チェーン21及び第1スプロケット31の噛合い部である第1噛合い開始部P1に油を供給する油供給穴331と、第1スプロケット31を支持する第1ベアリング34と、第1ベアリング34を保持するリテーナ36と、を有する。リテーナ36は、第1スプロケット31を上方から覆う壁366を有する。
このような構成によれば、第1スプロケット31及びチェーン21の噛合い部である第1噛合い開始部P1に供給された油が遠心力により飛散しても、リテーナ36に設けた壁366により捕捉してチェーン21及び第1スプロケット31の潤滑に利用することが可能になる。このため、チェーン21及び第1スプロケット31を効率的に潤滑することが可能になる(請求項1に対応する効果)。
動力伝達装置30では、チェーン21は正転方向及び逆転方向に駆動される。また、第1スプロケット31及びチェーン21の噛合い部は、正転方向で形成される第1噛合い開始部P1と、逆転方向で形成される第2噛合い開始部P2とを含む。油供給穴331は、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2のうち上方に形成される第1噛合い開始部P1に油を供給する。リテーナ36は、チェーン21に油を落下させる案内溝Gを有する。
このような構成によれば、逆転時に第2噛合い開始部P2で噛み合いを開始するチェーン21及び第1スプロケット31の潤滑にリテーナ36から落下する油を利用することができる(請求項2に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上述した実施形態では、油供給穴331が、第1噛合い開始部P1に油を供給する場合について説明した。しかしながら、油供給穴331は、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2間に形成されるチェーン21及び第1スプロケット31の噛合い部に直接的に或いはチェーン21等を介して間接的に油を供給してもよい。この場合でも、遠心力を受けてチェーン21の外側に飛散する油を壁366により捕捉してチェーン21及び第1スプロケット31の潤滑に利用することが可能である。
上述した実施形態では、油供給穴331がケース33に設けられている場合について説明した。しかしながら、油供給穴331は例えば、ケース33とは別部材の油供給パイプ等の穴であってもよい。
21 :チェーン
30 :動力伝達装置
31 :第1スプロケット(スプロケット)
32 :第2スプロケット
33 :ケース
331 :油供給穴
34 :第1ベアリング(ベアリング)
35 :第2ベアリング
36 :リテーナ
366 :壁
P1 :第1噛合い開始部(噛合い部)
P2 :第2噛合い開始部(噛合い部)
G :案内溝

Claims (1)

  1. スプロケットと、
    前記スプロケットに巻き掛けられるチェーンと、
    前記チェーン及び前記スプロケットの噛合い部に油を供給する油供給穴と、
    前記スプロケットを支持するベアリングと、
    前記ベアリングを保持するリテーナと、
    を有し、
    前記チェーンは、正転方向及び逆転方向に駆動され、
    前記噛合い部は、正転方向で形成される第1噛合い開始部と、逆転方向で形成される第2噛合い開始部とを含み、
    前記油供給穴は、前記第1噛合い開始部及び前記第2噛合い開始部のうち上方に形成される噛合い開始部に油を供給し、
    前記リテーナは、前記スプロケットを上方から覆う壁を有するとともに、前記チェーンに油を落下させる案内溝を有する
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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Citations (3)

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