JP2015229923A - 内燃機関の軸受の潤滑油供給構造 - Google Patents

内燃機関の軸受の潤滑油供給構造 Download PDF

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Abstract

【課題】別部品を用いることなく、カムシャフトを支持する軸受へ潤滑油を供給する。【解決手段】チェーン44における両カムスプロケット41・43間に掛け渡された部分をガイドするチェーンガイド45を設け、チェーンガイドのブラケット47に第1軸受36に向けて曲折された突出部47eを設ける。チェーンの駆動により飛散する潤滑油をチェーンガイドにより捕集し、第1軸受に供給するべく、突出部から伝わり落ちる潤滑油を捕集するように、第1軸受の軸受キャップ35の上面に凹設した油受け部52を設け、その底面52aを一側に傾斜させ、最下部にボールベアリング40の外輪に連通する凹部53を設ける。チェーンガイド及び軸受のハウジングの加工により、チェーンに付着している潤滑油を第1軸受に供給することができるため、専用部品による潤滑油供給構造を設けることなく、既存の部品を用いた簡単な構成で潤滑油を供給することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、軸受の潤滑油供給構造に関し、特に、チェーン駆動される軸を支持する内燃機関の軸受の潤滑油供給構造に関するものである。
内燃機関において、シリンダヘッドの上部に吸排気弁を駆動する一対のカムシャフトが設けられているものがある。カムシャフトは、クランクシャフトの一端に設けられたクランクスプロケットと、各カムシャフトの対応する一端に設けられた各カムスプロケットとに亘って架け渡されたチェーンを介して、クランクシャフトの回転により駆動される。また、カムシャフトは、軸線方向の複数の箇所でカムシャフト軸受部により回転自在に支持されている。カムシャフトには部分的にカムが設けられており、ボールベアリング等の一体形軸受を組み込むことが困難であるため、一般的にカムシャフト軸受部は分割式滑り軸受等が用いられている。
それに対して、カムシャフトの軸線方向端部には一体型軸受を組み込むことが容易であるため、フリクションの低減による低燃費化を促進するべく、その軸受にボールベアリングやニードルベアリング等の転がり軸受を採用しているものがある。転がり軸受の潤滑としてはグリースやオイル潤滑があるが、高温や高速回転環境ではオイル潤滑が適する。そのため、カムシャフトの軸線方向端部の一側であるカムスプロケットが設けられた側の軸受において、カムスプロケットの略上半分を覆うバッフルプレートを設け、バッフルプレートのうちカムスプロケットの回転方向の手前側部分に横向きに延びる下面を有するオイル当て部を設け、チェーンから飛散してオイル当て部の下面に集まる潤滑油を転がり軸受のオイルシール側(カムスプロケットとは相反する側)に供給するオイル誘導片を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2001−59409号公報
上述したように、カムスプロケットが設けられたカムシャフトの一側は転がり軸受から軸線方向に突出し、その軸線方向端部にカムスプロケットが固着されていることから、カムスプロケットと転がり軸受とはカムシャフトの軸線方向に互いに離間している。したがって、特許文献1では、バッフルプレートにオイル当て部やオイル誘導片を設けて潤滑油を転がり軸受まで導いている。そのため、バッフルプレート等の別部品が別途必要となり、かつ取付け工数も増加するという問題があった。
本発明は、以上の背景に鑑み、別部品を用いることなく、カムシャフトを支持する軸受へ潤滑油を供給することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、吸気側カムシャフト(30)及び排気側カムシャフト(37)と、前記カムシャフトをそれぞれ回転可能に支持する複数の軸受(22・36)とを有する内燃機関の軸受の潤滑油供給構造であって、前記カムシャフトの軸線方向一端部にそれぞれ設けられたカムスプロケット(41・43)と、クランクシャフトのスプロケットと前記カムスプロケットのそれぞれとの間に掛け渡されたチェーン(44)と、前記チェーンの走行方向において、上流側に位置するカムスプロケット(41)と下流側に位置するカムスプロケット(43)との間において前記チェーンの上方に配置されたチェーンガイド(45)とを有し、前記チェーンガイドは、前記チェーンの駆動により飛散する潤滑油を捕集し、前記下流側に位置するカムスプロケットと隣り合う第1軸受(36)に導くべく、前記チェーンガイドから前記第1軸受に向けて突出された突出部(47e)を有し、前記第1軸受のハウジング(25・35)が、前記突出部から伝わり落ちる潤滑油を捕集し、かつ前記カムシャフトを支持する軸支部(40)に導くための油路(52・53)を有することを特徴とする。
この構成によれば、クランクシャフトのスプロケットと吸気側及び排気側カムシャフトのカムスプロケットとの間に掛け渡されたチェーンが、上流側に位置するカムスプロケットと下流側に位置するカムスプロケットのそれぞれとの間において上方に配置されたチェーンガイドに摺接すると、チェーンに付着している潤滑油がチェーンガイドの下面(チェーンとの摺接面)に付着する。また、チェーンの駆動により飛散した潤滑油及び動弁室内に浮遊している潤滑油がチェーンガイドの上面(チェーンとの摺接面の反対側の面)や側面に付着する。それらチェーンガイドに付着した潤滑油は、チェーンガイドから第1軸受に向けて突出された突出部の上面及び下面を含む外面を伝わり、突出部から滴下する。第1軸受に設けた油路により、突出部から滴下した潤滑油を捕集して軸支部に導くことにより、チェーンに付着している潤滑油を第1軸受に供給することができ、専用部品による潤滑油供給構造を設けることなく、既存の部品を用いた簡単な構成で潤滑油を供給することができる。
また、上記の発明において、前記油路が、上方に向けて凹設された油受け部(52)と、前記油受け部と前記軸支部とを連通する連通路(53)とを有するとよい。この構成によれば、突出部からの潤滑油を確実に受けることができ、さらに第1軸受のハウジングの表面を伝わり落ちる潤滑油も集めることができ、より多くの潤滑油を軸支部に供給することができる。また、油受け部で捕集された潤滑油が連通路を介して定量化されて供給されるため、油受け部での貯蔵量に左右されずに潤滑油の供給を安定化し得る。
特に、前記油受け部(52)が、前記連通路(53)に向けて傾斜するとよい。この構成によれば、油受け部が連通路に向けて傾斜していることから、油受け部により捕集された潤滑油を、連通路に向けて流して軸支部に供給することができる。これにより、油受け部に留まることがなく、第1軸受に対する潤滑油の供給効率を高めることができる。
また、前記連通路(53)は、前記油受け部(52)の最下部に設けられているとよい。この構成によれば、油受け部で捕集した潤滑油の軸支部に供給する流れを、より一層向上させることができる。
また、前記ハウジングが、前記カムシャフトの下部を支持する軸受本体(32)と、前記カムシャフトの上部を支持する軸受キャップ(35)とを有し、前記軸受キャップに、前記油受け部と前記連通路とが設けられているとよい。この構成によれば、軸受キャップへの加工のみで上記油路を構成することができ、潤滑油供給構造を低コスト化し得る。
また、前記突出部(47e)は、前記油受け部の上方を覆い、かつ前記油受け部側に曲折された曲折片部(54)を有するとよい。この構成によれば、チェーンから第1軸受側に飛散する潤滑油を曲折片部により捕集することができ、チェーンに付着している潤滑油をより多く回収して軸受の潤滑用に供給し得るため、潤滑油の供給効率を向上し得る。
また、前記チェーンガイドが、前記チェーンに摺接するガイドシューと、前記ガイドシューを一体的に保持し、前記第1軸受に固定されたブラケットとを有し、前記突出部が前記ブラケットの一部により形成されているとよい。この構成によれば、チェーンガイドの構成部品であるブラケットの一部を加工するという簡単な変更により、チェーンに付着している潤滑油を第1軸受に供給することができる。
このように本発明によれば、チェーンガイド及び軸受のハウジングの加工により、チェーンに付着している潤滑油を第1軸受に供給することができるため、専用部品による潤滑油供給構造を設けることなく、既存の部品を用いた簡単な構成で潤滑油を供給することができる。
本発明が適用されたエンジンのシリンダヘッドを示す斜視図 図1の矢印II線方向から見た要部拡大斜視図 図2の矢印III線方向から見た要部斜視図 図2の矢印IV線方向から見た要部拡大平面図 図4のV−V線に沿って破断した要部側断面図 図5の矢印VI線方向から見た要部拡大斜視図 第2の実施形態を示す図4に対応する図 第2の実施形態を示す図4の矢印VIII線方向から見た図 第2の実施形態を示す図7の矢印IX線方向から見た要部拡大斜視図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用されたエンジンの一例である直列4気筒4バルブDOHC型のガソリン直噴エンジンのシリンダヘッド1の斜視図である。
図1に示されるように、シリンダヘッド1は、左右方向に長尺の略直方体状の下部と、下部の上端に設けられかつ上面が開放された箱形の上部とを有している。シリンダヘッド1の下部には、シリンダヘッド1の下面に凹設された4つの燃焼室(図示せず)と、各燃焼室から前方に延びる排気ポート(図示せず)と、各燃焼室から後方に延びてシリンダヘッド1の後側面に開口する吸気ポート(図示せず)とが形成されている。シリンダヘッド1の前側面には、シリンダヘッド1の下部内部にて各排気ポートが集合するように形成された排気集合室2の前端(下流端)が開口している。
シリンダヘッド1の上部には、シリンダヘッド1の下部の四辺に沿いかつ上方へと立設された後縁壁11、前縁壁12、左縁壁13及び右縁壁14と、下部の上面をなす底壁15とによって、上方に向けて開口する略直方体箱形の動弁室16が形成されている。後縁壁11、前縁壁12、左縁壁13及び右縁壁14の上端には、ヘッドカバー61(図2参照)及び燃料噴射ポンプ(図示せず)が締結され、それらによって駆動系を受容する動弁室16の上部が覆われる。シリンダヘッド1の底壁15には、図示しない点火プラグが挿入される円筒状のプラグ挿入筒部17が形成され、駆動系を構成する吸気バルブ18及び排気バルブ19が設けられていると共に、図示しないインジェクタが挿入されるインジェクタ孔(図示せず)が設けられている。
図示例では、後縁壁11側に吸気側カムシャフト30が、前縁壁12側に排気側カムシャフト37が、シリンダ列方向に延在しかつ互いに平行に設けられている。吸気側カムシャフト30が、シリンダ列方向に所定の間隔で配設された複数の吸気側カムシャフト軸受21により回転可能に支持されていると共に、排気側カムシャフト37も、同様に配設された複数の排気側カムシャフト軸受22により回転可能に支持されている。
ここで、複数の排気側カムシャフト軸受22において、図における右縁壁14に配設されたものを第1軸受36と称す。底壁15の右縁壁14に対応する部分には、第1軸受36のハウジングを構成する壁状の軸受本体25が設けられている。軸受本体25は、吸気側カムシャフト軸受21における右縁壁14に配設されたものの軸受本体も兼ねている。また、軸受本体25には吸気側ロッカシャフト26が固定支持されている。
吸気側ロッカシャフト26には、吸気バルブ18を開弁方向に駆動するための吸気側ロッカアーム27が回転自在に支持されている。軸受本体25の突出端(上端)における吸気側カムシャフト30に対応する部分には、半円筒状の凹部が形成され、凹部を覆うように吸気側軸受キャップ28が締結されている。軸受本体25の突出端及び吸気側軸受キャップ28は、右縁壁14に配設された吸気側カムシャフト軸受21を形成する。その他の吸気側カムシャフト軸受21は、底壁15に突設された軸受本体(符号省略)と軸受キャップ(符号省略)とにより形成されている。なお、吸気側カムシャフト軸受21は公知の滑り軸受であってよい。
なお、右縁壁14には排気側ロッカシャフト(図示せず)が固定支持され、排気側ロッカシャフトには、排気バルブ19が連結された排気側ロッカアーム34が回転自在に支持されている。
軸受本体25の突出端(上端)における排気側カムシャフト37に対応する部分には、半円状の凹部が形成され、凹部を覆うように排気側軸受キャップ35が締結されて、第1軸受36のハウジングが形成されている。第1軸受36においては、軸受本体25と排気側軸受キャップ35とにより、軸支部としてのボールベアリング40が支持されている。ボールベアリング40は、公知の構造であってよく、軸受本体25と排気側軸受キャップ35とにより形成される円形内周面に例えば圧入された外輪と、排気側カムシャフト37が例えば圧入された内輪と、外輪及び内輪の間に介装された複数のボールとを有する。このようにして構成された第1軸受36と、滑り軸受からなる他の複数の排気側カムシャフト軸受22とにより排気側カムシャフト37が回転可能に支持されている。なお、第1軸受36の軸支部としては、ボールベアリング40に限られず、ニードルベアリングやローラベアリング等、一般的な転がり軸受が適用可能である。その他の排気側カムシャフト軸受22は滑り軸受であってよい。
吸気側カムシャフト30、排気側カムシャフト37、吸気側ロッカシャフト26及び排気側ロッカシャフトは、それぞれ、シリンダヘッド1の長手方向(左右方向)に延在している。吸気側カムシャフト30には吸気側ロッカアーム27を駆動する吸気側カム38が形成され、排気側カムシャフト37には排気側ロッカアーム34を駆動する排気側カム39が形成されている。
図2及び図3に示されるように、吸気側カムシャフト30の右縁壁14から外方に突出する軸線方向一端部には吸気側カムスプロケット41が固着されていると共に、吸気側カムスプロケット41の外側には可変バルブタイミング装置42が設けられている。可変バルブタイミング装置42は、吸気側カムスプロケット41と吸気側カムシャフト30と相対進角を可変制御するものである。
排気側カムシャフト37の右縁壁14から外方に突出する軸線方向一端部には排気側カムスプロケット43が固着されている。吸気側カムスプロケット41及び排気側カムスプロケット43には、クランクシャフト(図示省略)の回転力を吸気側カムシャフト30及び排気側カムシャフト37に伝えるために、クランクシャフトの外方突出端部に固着されたスプロケット(図示省略)と両カムスプロケット41・43とにチェーン44が環状に掛け渡されている。本実施形態では、チェーン44は、右縁壁14を正面に見て時計回りに回転するように図2の矢印Aにより示される向きに走行する。したがって、チェーン44は、両カムスプロケット41・43間に掛け渡されている部分では、上流側に位置する吸気側カムスプロケット41から下流側に位置する排気側カムスプロケット43に向けて走行することになり、両カムスプロケット41・43間におけるチェーン44の揺れ等を抑制するべく、チェーン44における両カムスプロケット41・43間に掛け渡されている部分の上側にチェーンガイド45が設けられている。
チェーンガイド45は、チェーン44と摺接するガイドシュー46と、ガイドシュー46を一体的に保持するブラケット47とにより構成されている。ガイドシュー46は、図示例では両カムスプロケット41・43間においてチェーン44が直線状に走行する部分の略全長に亘って直線状に延在するように設けられている。ガイドシュー46の延在方向両端部には、互いに対向する向き及び左縁壁13側の二方向に開口する溝を形成する一対の係合保持部46aが設けられ、一対の係合保持部46aの溝には長板状に形成されたブラケット47の支持板部47aの両端部が突入している。
ブラケット47は、支持板部47aの吸気側カムスプロケット41側から吸気側軸受キャップ28に向けて曲折かつ延出された脚片部47bと、支持板部47aの延在方向中間部から排気側軸受キャップ35に向けて曲折かつ延出された脚片部47cとを有する。一方の脚片部47bが吸気側軸受キャップ28に固定用のボルト51により共締めにより固定され、他方の脚片部47cが排気側軸受キャップ35に同様にボルト51により共締めにより固定されて、右縁壁14に隣接する吸気側カムシャフト軸受21及び第1軸受36によりブラケット47が支持されている。これにより、チェーンガイド45は、別個の固定支持構造を必要とせずに、シリンダヘッド1に取り付けられる。
ガイドシュー46には、ブラケット47の支持板部47aにおける両脚片部47b・47cの間に突入するように形成された突状の係合片部46bが設けられている。支持板部47aの両脚片部47b・47c間は両端部側よりも狭い幅になるように凹設されており、その凹設された凹部47dに係合片部46bが嵌り込んで係合している。この係合片部46bと凹部47dとの係合、及び一対の係合保持部46aと支持板部47aの両端部との係合により、ガイドシュー46とブラケット47とが一体化されている。なお、ガイドシュー46の上面に支持板部47aの下面が載置状態に当接している。
また、ガイドシュー46の延在方向における排気側カムスプロケット43側の一端部は、排気側カムスプロケット43に対するチェーン44の巻き掛け始めとなる位置を超えて延出している。このようにして構成されたチェーンガイド45は、排気側カムスプロケット43に対して、少なくともチェーン44の走行方向における手前から排気側カムスプロケット43に至る範囲をガイドするように設けられている。
排気側軸受キャップ35に固定された脚片部47cは、排気側軸受キャップ35におけるシリンダヘッド1の中央側のボルト51により共締めされている。ブラケット47の支持板部47aは脚片部47cよりも外側(前縁壁12側)に向けて延出されており、支持板部47aにおける脚片部47cを含みかつ外側に延出された部分は排気側軸受キャップ35の幅方向(チェーンガイド45の略延在方向)の略全長に亘って延在している。
図4〜図6に併せて示されるように、ブラケット47において、支持板部47aの脚片部47cから延出端に至る部分にはL字状の突出部47eが設けられている。突出部47eは、ガイドシュー46の幅よりも幅が広く、支持板部47aから排気側カムシャフト37の軸線方向に排気側軸受キャップ35の上方の位置まで延出し、その延出端から排気側軸受キャップ35の上面に向けて垂下するように曲折された形状に形成されている。
排気側軸受キャップ35には、排気側カムシャフト37の上半部を外囲し、排気側カムスプロケット43側に突出する突部が形成されており、その突部の上面に、排気側カムシャフト37の上方を軸線方向に直交して横切るように延在する油受け部52が凹設されている。その油受け部52の上方には、上記突出部47eが、図4に示されるように平面視で油受け部52と重なるように位置している。
本実施形態では、排気側カムスプロケット43が吸気側カムスプロケット41よりも低い位置に配設されており、それに伴ってチェーンガイド45も、排気側カムスプロケット43側が低くなるように傾斜している。また、油受け部52の底面52aも、チェーンガイド45の傾斜に合わせるように一側(シリンダヘッド1の前側)に向けて低くなる斜面により形成されている。
油受け部52は、上述したように排気側軸受キャップ35の排気側カムスプロケット43側に突出する突部の上面に設けられている。その油受け部52の底面52aの最も低い部分に対する位置に、排気側軸受キャップ35における排気側カムスプロケット43側の一部を排気側カムシャフト37の軸線方向に凹設して形成された溝状の連通路53が設けられている。連通路53の上端は油受け部52の底面52aに開口し、下端はボールベアリング40の外輪の一部が露出するように開口している。
このようにして第1軸受36の潤滑油供給構造が構成されており、その潤滑油の供給要領について以下に説明する。
エンジンの運転中には、チェーン44に付着している潤滑油は、チェーン44により吸気側カムスプロケット41から排気側カムスプロケット43に向けて走行する部分に運ばれる。吸気側カムスプロケット41及び排気側カムスプロケット43の間にはチェーンガイド45が設けられており、チェーンガイド45にチェーン44が摺接することにより、チェーン44に付着している潤滑油がチェーンガイド45の下面に伝わり得る。
また、チェーン44に付着している潤滑油は、図3の矢印O1〜O3に示されるように、チェーン44の駆動により、主にチェーン44の走行方向に飛散する。吸気側カムスプロケット41から排気側カムスプロケット43に向けてチェーン44が走行することから、走行方向に飛散した潤滑油はブラケット47に付着し易い。特に走行方向下流側に突出部47eが配置されていることから、その突出部47eに好適に潤滑油が付着し、突出部47eにより潤滑油が捕集される。
また、ヘッドカバー61の下面に向けて飛散した潤滑油は、既に付着している潤滑油と集まって大きな塊になることにより、図5の矢印O4に示されるようにヘッドカバー61から落下し得る。ヘッドカバー61の下面からチェーンガイド45上に落下した潤滑油は、チェーンガイド45に付着し得る。また、動弁室16には潤滑油が浮遊しており、それらが集まって大きく成長して落下した一部もチェーンガイド45に付着し得る。
このようにしてチェーンガイド45に付着した潤滑油は、チェーンガイド45が排気側カムスプロケット43に向けて低くなるように傾斜していることから、ブラケット47の低い側に向けて流れて行く。チェーンガイド45を構成するブラケット47の低い側には突出部47eが設けられており、ブラケット47の上面及び下面を流れてきた潤滑油は突出部47eの上面及び下面を含む外面を伝わり(矢印O5・O6)、突出部47eから滴下して油受け部52により確実に捕集され(矢印O7)、油受け部52の底面52aの傾斜により油受け部52の最下部に流れる。油受け部52の最下部に流れた潤滑油は連通路53を通ってボールベアリング40に供給される(矢印O8)。このように、排気側軸受キャップ35に、油受け部52による潤滑油回収機構と、連通路53による潤滑油供給機構とを設け、チェーンガイド45に、油受け部52に潤滑油を滴下させる機構を設けることで、潤滑油を供給する機構を構成することができる。これにより、別途潤滑油を供給するための専用部品を設ける必要がなく、従来と同じ作業工数で軸受の潤滑油供給構造を設けることができる。
また、ボールベアリング40等の転がり軸受においては、滑り軸受に比べて潤滑油供給量が少なくてよい。例えば滑り軸受の場合に、シリンダヘッド1に、ジャーナル軸受面に開口する潤滑油供給口と潤滑油供給口に至る油路とを設けたり、カムシャフトの内部に潤滑油供給用の油路を設けたりというような複雑な給油構造になる。それに対して、上述した簡易な構成で潤滑油を供給することができ、別途潤滑油供給回路を設ける必要がないため、シリンダヘッド1側の構造も変えずにすむ。
図7は第2の実施形態を示す図4に対応する図であり、図8は第2の実施形態を示す図5に対応する図である。なお、上記と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。この第2の実施形態では、ブラケット47の支持板部47aから油受け部52の上方を所定幅で覆うように延出され、かつその延出端で排気側軸受キャップ35側に下向きに曲折された略L字状の曲折片部54が設けられている。
図9に併せて示されるように、排気側軸受キャップ35において、ボルト51が挿通される一対のボス部35a間には、両ボス部35a同士を連結するリブ35bが形成されている。両ボス部35aにおけるシリンダヘッド1の中央側が他側よりも高く形成され、リブ35bの高さも両ボス部35aの高低差に合わせて傾斜している。曲折片部54の下向きに延出した下端部は、リブ35bの上部に近接しかつリブ35bに沿って延在するように設けられている。
このように曲折片部54が設けられていることにより、チェーン44から排気側軸受キャップ35側に飛散する潤滑油(図8のO9)が曲折片部54により捕集される。曲折片部54で捕集された潤滑油は、曲折片部54の下端部に向けて伝わり落ち(図8のO10)、リブ35bに滴下し、リブ35bの排気側カムスプロケット43側の壁面を伝わり落ちて油受け部52に至る(図8のO11)。これにより、より多くの潤滑油を油受け部52に導くことができ、ボールベアリング40への潤滑油の供給効率を向上し得る。
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。図示例では、油受け部52を排気側軸受キャップ35に設けたが、軸受ハウジングであればよく、例えば、排気側シャフト支持部32に、平面視で排気側カムシャフト37を避けた部分に上記油受け部52と同様の凹部を設けるようにしてもよい。その場合にはボールベアリング40の下側部分に流し込むように連通路53を設ける。また、第1軸受36に設けたボールベアリング40に対する潤滑油の供給構造について説明したが、第1軸受36に対するものに限られず、吸気側カムシャフト軸受21にも適用可能であり、いずれか一方または両方に適用してよい。また上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
22 排気側カムシャフト軸受(軸受)
25 軸受本体(ハウジング)
35 排気側軸受キャップ(ハウジング、軸受キャップ)
36a 第1軸受
37 排気側カムシャフト(カムシャフト)
40 ボールベアリング(転がり軸受)
43 排気側カムスプロケット(カムスプロケット)
44 チェーン
45 チェーンガイド
46 ブラケット(チェーンガイド)
47 ガイドシュー(チェーンガイド)
47e 突出部
52 油受け部(油路)
52a 底面
53 凹部(油路、連通路)
54 曲折片部

Claims (7)

  1. 吸気側カムシャフト及び排気側カムシャフトと、前記カムシャフトをそれぞれ回転可能に支持する複数の軸受とを有する内燃機関の軸受の潤滑油供給構造であって、
    前記カムシャフトの軸線方向一端部にそれぞれ設けられたカムスプロケットと、
    クランクシャフトのスプロケットと前記カムスプロケットのそれぞれとの間に掛け渡されたチェーンと、
    前記チェーンの走行方向において、上流側に位置するカムスプロケットと下流側に位置するカムスプロケットとの間において前記チェーンの上方に配置されたチェーンガイドとを有し、
    前記チェーンガイドは、前記チェーンの駆動により飛散する潤滑油を捕集し、前記下流側に位置するカムスプロケットと隣り合う第1軸受に導くべく、前記チェーンガイドから前記第1軸受に向けて突出された突出部を有し、
    前記第1軸受のハウジングが、前記突出部から伝わり落ちる潤滑油を捕集し、かつ前記カムシャフトを支持する軸支部に導くための油路を有することを特徴とする内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  2. 前記油路が、上方に向けて凹設された油受け部と、前記油受け部と前記軸支部とを連通する連通路とを有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  3. 前記油受け部が、前記連通路に向けて傾斜することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  4. 前記連通路は、前記油受け部の最下部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  5. 前記ハウジングが、前記カムシャフトの下部を支持する軸受本体と、前記カムシャフトの上部を支持する軸受キャップとを有し、
    前記軸受キャップに、前記油受け部と前記連通路とが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  6. 前記突出部は、前記油受け部の上方を覆い、かつ前記油受け部側に曲折された曲折片部を有することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
  7. 前記チェーンガイドが、前記チェーンに摺接するガイドシューと、前記ガイドシューを一体的に保持し、前記第1軸受に固定されたブラケットとを有し、
    前記突出部が前記ブラケットの一部により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の内燃機関の軸受の潤滑油供給構造。
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