次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電話機10について説明する。図1は、本発明にかかる電話機の構成を示すブロック図である。図2は、図1の電話機を示す外観図である。
この電話機10は、回線Lを介して、電話網(図示せず)、または、主装置やPBXなどの電話制御装置(図示せず)に接続されて、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いて音声通話を行う装置である。
図1に示すように、電話機10は、ハンドセットTR1およびヘッドセットTR2のほか、主な回路部として、回線I/F回路11、通話回路12、切替回路13、スピーカ受話回路14、操作入力回路15、表示回路16、記憶回路17、および制御回路18を備えている。以下では、回線Lが内線回線からなり、電話機10が内線回線を介して電話制御装置の配下に接続された内線電話機である場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、回線Lが外線回線からなり、電話機10が外線回線を介して電話網に直接接続された電話機であっても、以下の実施例を同様に適用することができる。
回線I/F回路11は、回線Lを介して電話制御装置との間でデータ伝送を行うことにより、各種の呼制御メッセージや音声データを送受信する機能を有している。
通話回路12は、コーデックICを含み、制御回路18からの指示に応じて音声通話を実現する機能を有している。具体的には、通話回路12は、通話パスP1を介して回線I/F回路11から出力された音声データを復号し、得られた受話信号を音声パスP2を介して切替回路13へ出力する機能と、切替回路13から出力された送話信号を符号化し、得られた音声データを通話パスP1を介して回線I/F回路11へ出力する機能を有している。
切替回路13は、制御回路18からの指示に応じて、モジュラージャックM1に接続されたハンドセットTR1と、モジュラージャックM2に接続されたヘッドセットTR2のいずれか一方を、音声パスP2を介して通話回路12に接続する機能と、スピーカ受話回路14を音声パスP2を介して通話回路12に接続する機能とを有している。
スピーカ受話回路14は、制御回路18からの指示に応じて、通話回路12から音声パスP2および切替回路13を介して出力された受話音声を、スピーカSPから出力する機能を有している。スピーカ受話回路14については、スピーカSPに加えてマイク(図示せず)を有し、マイクで検出した送話音声を音声パスP2を介して通話回路12へ出力する、いわゆるハンズフリー機能を有していてもよい。
操作入力回路15は、各種のスイッチやキー(ボタン)を有し、利用者操作を検出して制御回路18へ出力する機能を有している。スイッチやキーの具体例としては、図2に示すように、ハンドセットTR1のオフフック操作/オンフック操作を検出するフックスイッチ21のほか、ダイヤルキー22、音量調節キー23、内線キー24、応答キー25、保留キー26、スピーカキー27、フレキシブルキー28がある。
フレキシブルキー28は、外線キー、ワンタッチダイヤルキー、パーク保留キーなどの各種の機能キーを予め設定により割り当て可能なキーである。以下では、切替キー29がフレキシブルキー28の1つに割り当てられているものとして説明するが、切替キー29を例えば応答キー25のように独立したキーとして配置してもよい。
切替キー29は、音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、利用者が切替選択するための操作キーである。切替キー29による送受話器の選択状態は、後述する記憶回路17のフラグによりヘッドセットモードのオン・オフとして記憶される。切替キー29に設けられたLEDなどのランプでヘッドセットモードのオン・オフ、すなわち送受話器の選択状態を表示してもよい。以下では、切替キー29の操作に応じてフラグを更新するだけで切替回路13を直ちに切り替えない場合を例として説明するが、切替キー29の操作に応じて切替回路13を直ちに切り替えてもよい。
記憶回路17は、半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御回路18のCPUで実行するためのプログラムのほか、制御回路18での呼制御に用いる呼制御データや、ヘッドセットTR2の選択有無としてヘッドセットモードのオン・オフを示すフラグを記憶する機能を有している。プログラムは、電話機10に外部接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から読み出されて、予め記憶回路17に保存される。
制御回路18は、CPUとその周辺回路を含み、記憶回路17のプログラムをCPUで実行してハードウェアとソフトウェアとを協働させることにより、電話機10全体の動作を制御する各種の処理部を実現する機能を有している。
具体的には、制御回路18は、回線I/F回路11を介して各種の呼制御メッセージを送受信したり、操作入力回路15で検出された利用者操作を取得することにより、通話回路12を用いた音声通話に関する呼制御イベントに応じて、発信、着信、保留、終話などの各種の呼制御を行う機能と、呼制御の内容に応じて表示回路16を制御する機能とを有している。
また、制御回路18は、切替キー29の操作に応じて、ヘッドセットモードのオン・オフを示すフラグを更新する機能と、切替キー29の操作により選択されたハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、切替回路13を制御することにより、音声パスP2を介して通話回路12に切替接続する機能と、切替キー29の操作に応じて切替回路13の制御とともに、切替キー29の操作の時点で発生している呼制御イベントへの対応処理を実行する機能とを有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる電話機10の制御回路18に関する動作について説明する。図3は、音声通話における状態遷移を示す遷移図である。
制御回路18は、音声通話中における切替キー29の操作に応じて、図3に示すような状態遷移制御を行う。
まず、切替回路13を介してハンドセットTR1が通話回路12に接続されているハンドセット通話状態において(ステップS1)、切替キー29が押下された場合(ステップS11)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。これにより、利用者は、ハンドセット通話中に切替キー29を押下するだけでヘッドセット通話に移行することができる。
一方、ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、フックスイッチ21によりオフフック操作が検出された場合(ステップS21)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、ヘッドセット通話中にオフフック操作するだけでハンドセット通話に移行することができる。
また、ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、オフフック中に切替キー29が押下された場合(ステップS22)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、オフフック状態であればヘッドセット通話中に切替キー29を押下するだけでハンドセット通話に移行することができる。
また、ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、オンフック中に切替キー29が押下された場合(ステップS23)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、切替回路13を制御してスピーカ受話回路14を通話回路12に切替接続し、スピーカ受話状態に遷移させる(ステップS3)。これにより、利用者は、オンフック状態であればヘッドセット通話中に切替キー29を押下するだけでスピーカ受話状態に移行することができる。
また、スピーカ受話状態において(ステップS3)、切替キー29が押下された場合(ステップS32)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。これにより、利用者は、スピーカ受話状態において切替キー29を押下するだけでヘッドセット通話状態に移行することができる。
一方、ハンドセット通話状態において(ステップS1)、スピーカキー27が押下された場合(ステップS12)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、切替回路13を制御してスピーカ受話回路14を通話回路12に切替接続し、スピーカ受話状態に遷移させる(ステップS3)。これにより、利用者は、ハンドセット通話中にスピーカキー27を押下するだけでスピーカ受話状態に移行することができる。
また、スピーカ受話状態において(ステップS3)、フックスイッチ21によりオフフック操作が検出された場合(ステップS31)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、スピーカ受話状態においてオフフック操作するだけでハンドセット通話状態に移行することができる。
次に、図3の状態遷移のうち、ヘッドセット通話状態(ステップS2)からハンドセット通話状態(ステップS1)への切替制御について、詳細に説明する。
まず、図4を参照して、スピーカ受話状態(ステップS3)を経由して、ヘッドセット通話状態(ステップS2)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ切替制御する場合について説明する。図4は、ヘッドセット通話状態からハンドセット通話状態への切替制御(スピーカ受話状態経由)を示すタイミングチャートである。
ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、時刻T1に利用者が切替キー29を押下した場合(ステップS23)、制御回路18は、フックスイッチ21がオンフック状態を示すことから、ヘッドセットモードをオンからオフに設定するとともに、切替回路13を制御してスピーカ受話回路14を通話回路12に切替接続し、スピーカ受話状態に遷移させる(ステップS3)。
この後、スピーカ受話状態において(ステップS3)、時刻T2に利用者がオフフック操作を行って、フックスイッチ21がオフフック状態に切り替えられた場合(ステップS31)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、オンフック状態であればヘッドセット通話中に切替キー29を押下してスピーカ受話状態に移行した後、オフフック操作するだけでハンドセット通話状態に間接的に移行することができる。
次に、図5を参照して、ヘッドセット通話状態(ステップS2)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ、直接、切替制御する場合について説明する。図5は、ヘッドセット通話状態からハンドセット通話状態への切替制御(直接)を示すタイミングチャートである。
ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、時刻T1に利用者がオフフック操作を行って、フックスイッチ21がオフフック状態に切り替えられた場合(ステップS21)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンからオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、ヘッドセット通話中にオフフック操作するだけでハンドセット通話に直接移行することができ、図4と比較して極めて簡単にヘッドセット通話からハンドセット通話に移行できる。
次に、図6を参照して、ヘッドセット通話状態(ステップS2)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ切替制御する際における音量調整について説明する。図6は、ヘッドセット通話状態からハンドセット通話状態への切替制御(直接)を示すタイミングチャートである。
ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、時刻T1に利用者が音量調節キー23により「音量大」を選択操作した場合、制御回路18は、通話回路12を制御して音量をデフォルトの「音量中」から「音量大」に切り替えるとともに、当該音声通話に関する変更後の新たな音量として「音量大」を記憶回路17で記憶する。
この後、時刻T2に利用者がオフフック操作を行って、フックスイッチ21がオフフック状態に切り替えられた場合(ステップS21)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンからオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。この際、制御回路18は、記憶回路17で記憶した音声通話に関する新たな音量である「音量大」に基づいて、通話回路12を制御して音量を「音量大」に切り替える。これにより、利用者は、ハンドセット通話に移行した際、再度デフォルトの「音量中」から「音量大」に切り替え操作する必要がなくなり、それまでヘッドセット通話で用いていた「音量大」で違和感なくスムーズに音声通話を継続することができる。
なお、図4~図6では、ヘッドセット通話状態(ステップS2)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ切替制御する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、ハンドセット通話状態(ステップS1)からヘッドセット通話状態(ステップS2)へ切替制御する場合にも同様にして適用できる。
例えば、図4の場合、ハンドセット通話状態(ステップS1)でのスピーカキー操作(ステップS12)でスピーカ受話状態(ステップS3)に一旦移行した後、切替キー操作(ステップS23)によりヘッドセット通話状態(ステップS2)へ切替制御してもよい。
また、図5の場合、ハンドセット通話状態(ステップS1)での切替キー操作(ステップS11)によりヘッドセット通話状態(ステップS2)へ切替制御してもよい。
また、図6の場合、ハンドセット通話状態(ステップS1)での音量調整操作に応じて新たな音量を記憶しておき、その後の切替キー操作(ステップS11)によりヘッドセット通話状態(ステップS2)へ切替制御するとともに、ヘッドセット通話の音量を記憶した新たな音量に切り替えるようにしてもよい。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を通話回路12に接続する切替回路13と、音声通話に用いる送受話器として、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を選択するための切替キー29とを設け、制御回路18が、切替キー29の操作により選択されたハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、切替回路13を制御して通話回路12に接続するようにしたものである。
これにより、切替キー29の操作という極めて簡素な操作で、利用者が通話に用いる送受話器として、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2を容易に使い分けることが可能となる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、ヘッドセットTR2を用いたヘッドセット通話中に切替キー29が操作された場合、切替回路13を制御してヘッドセットTR2からハンドセットTR1に切り替えることにより、ハンドセットTR1を用いたハンドセット通話を開始するようにしてもよい。これにより、利用者は、ヘッドセット通話中にオフフック操作するだけでハンドセット通話に移行することができる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、ヘッドセット通話中に通話音量が変更された場合、変更後の新たな通話音量を記憶回路17で記憶しておき、ハンドセット通話の通話音量を記憶回路17で記憶した新たな通話音量に変更するようにしてもよい。これにより、利用者は、ハンドセット通話に移行した際、再度デフォルトの音量から新たな通話音量に切り替え操作する必要がなくなり、それまでヘッドセット通話で用いていた新たな通話音量で違和感なくスムーズに音声通話を継続することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる電話機10について説明する。第1の実施の形態では、通話中における切替キー29の操作に応じた状態遷移について説明した。本実施の形態では、切替キー29の操作の時点で着信状態や保留状態などの呼制御イベントが発生している場合における状態遷移について説明する。
本実施の形態において、制御回路18は、切替キー29の操作に応じて、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、切替回路13を制御して通話回路12に接続するとともに、切替キー29の操作の時点で発生している呼制御イベントへの対応処理を実行する機能を有している。
具体的には、制御回路18は、呼制御イベントとして着信が発生している場合、切替キー29の操作に応じて着信への応答処理を実行し、切替回路13を介して通話回路12に接続した、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を開始する機能と、呼制御イベントとして保留が発生している場合、切替キー29の操作に応じて保留への応答処理を実行し、切替回路13を介して通話回路12に接続した、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を開始する機能とを有している。
また、制御回路18は、切替キー29によりヘッドセットTR2が選択されている状態で、着信を検出した場合、着信が外線着信の場合には、着信へ自動応答してヘッドセットTR2を用いたヘッドセット通話を開始し、着信が内線着信の場合には、オフフック操作に応じて着信へ応答し、切替回路13により切替接続したハンドセットTR1を用いたハンドセット通話を開始する機能と、音声通話を終話した際、予め設定されているハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、音声通話に用いる送受話器として選択する機能とを有している。
本実施の形態にかかる電話機10のその他の構成については、図1および図2と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。また、本実施の形態にかかる電話機10の通話中における切替キー29の操作に応じた状態遷移については、前述した図3~図6と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図7を参照して、本実施の形態にかかる電話機10の制御回路18に関する動作について説明する。図7は、呼制御イベント発生中における状態遷移を示す遷移図である。
制御回路18は、呼制御イベント発生中における切替キー29の操作に応じて、図7に示すような状態遷移制御を行う。
まず、音声通話が行われておらず呼制御イベントが発生していない待機状態(アイドル状態)において(ステップS4)、回線Lから回線I/F回路11を介して着信メッセージを受信して着信を検出した場合(ステップS41)、制御回路18は、着信音を送出して利用者を呼び出す着信状態に遷移する(ステップS5)。
着信状態において(ステップS5)、切替キー29が押下された場合(ステップS52)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。これにより、利用者は、着信中に切替キー29を押下するだけでヘッドセット通話に移行することができる。
また、ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、スピーカキー27が押下された場合(ステップS26)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、通話回路12を制御して音声通話を終了し待機状態へ遷移する(ステップS4)。
一方、着信状態において(ステップS5)、フックスイッチ21によりオフフック操作が検出された場合(ステップS51)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、着信中にオフフック操作するだけでハンドセット通話に移行することができる。
また、ハンドセット通話状態において(ステップS1)、フックスイッチ21によりオンフック操作が検出された場合(ステップS16)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、通話回路12を制御して音声通話を終了し待機状態へ遷移する(ステップS4)。
また、ヘッドセット通話状態において(ステップS2)、保留キー26が押下された場合(ステップS25)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、通話回路12を制御して通話パスP1を音声パスP2から切り離す保留状態に遷移させる(ステップS6)。これにより、利用者は、ヘッドセット通話中に保留キー26を押下するだけで音声通話を保留することができる。
また、保留状態において(ステップS6)、切替キー29が押下された場合(ステップS62)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、通話回路12を制御して通話パスP1を音声パスP2に接続してヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。これにより、利用者は、保留中に切替キー29を押下するだけでヘッドセット通話に移行して、音声通話を再開することができる。
一方、ハンドセット通話状態において(ステップS1)、保留キー26が押下された場合(ステップS15)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、通話回路12を制御して通話パスP1を音声パスP2から切り離す保留状態に遷移させる(ステップS6)。これにより、利用者は、ハンドセット通話中に保留キー26を押下するだけで音声通話を保留することができる。
また、保留状態において(ステップS6)、フックスイッチ21によりオフフック操作が検出された場合(ステップS61)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフのままとし、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、通話回路12を制御して通話パスP1を音声パスP2に接続してハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、保留中にオフフック操作するだけでハンドセット通話に移行して、音声通話を再開することができる。
次に、図7の状態遷移のうち、着信状態(ステップS5)からヘッドセット通話状態(ステップS2)またはハンドセット通話状態(ステップS1)への切替制御について、詳細に説明する。
まず、図8を参照して、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されている状態で、着信状態(ステップS5)からヘッドセット通話状態(ステップS2)へ、直接、切替制御する場合について説明する。図8は、着信からヘッドセット通話状態への切替制御(直接)を示すタイミングチャートである。
着信状態(ステップS5)において、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されているものとし、着信に応答してヘッドセットTR2で受け答えするため、時刻T1に利用者が切替キー29を押下した場合(ステップS52)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続する。
この際、制御回路18は、切替回路13の切替制御とともに、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。これにより、利用者は、ヘッドセットモードがオフである場合でも、着信中に切替キー29を押下するだけで自動的に着信に応答してヘッドセットTR2で受け答えすることができる。
次に、図9を参照して、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されている状態で、ヘッドセットモードをオンに切替た後、着信状態(ステップS5)からヘッドセット通話状態(ステップS2)へ間接的に切替制御する場合について説明する。図9は、着信からヘッドセット通話状態への切替制御(間接)を示すタイミングチャートである。
着信状態(ステップS5)において、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されているものとし、着信に応答してヘッドセットTR2で受け答えするため、時刻T1に利用者が切替キー29を押下した場合、制御回路18は、ヘッドセットモードをオンに設定する。この際、制御回路18は、切替回路13の切替制御および呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは着信応答処理を実行しない。
その後、制御回路18は、時刻T2における利用者の応答キー25の操作に応じて、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続するとともに、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。
図9のように切替回路13の切替制御とともに着信への対応処理を行わない場合、利用者は、切替キー29と応答キー25の操作をそれぞれ別個に行う必要がある。したがって、着信時には、図8のように切替回路13の切替制御とともに着信への対応処理を行うことにより、利用者は、ヘッドセットモードがオフである場合でも、切替キー29の操作という極めて簡素な操作だけて、着信に応答してヘッドセットTR2でスムーズに受け答えできることが分かる。
次に、図10を参照して、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている状態で、着信状態(ステップS5)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ、直接、切替制御する場合について説明する。図10は、着信からハンドセット通話状態への切替制御(直接)を示すタイミングチャートである。
着信状態(ステップS5)において、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されているものとし、着信に応答してハンドセットTR1で受け答えするため、時刻T1に利用者がオフフック操作を行った場合(ステップS51)、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定するとともに、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続する。
この際、制御回路18は、切替回路13の切替制御とともに、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。これにより、利用者は、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている場合でも、着信中にオフフック操作するだけで自動的に着信に応答してハンドセットTR1で受け答えすることができる。
次に、図11を参照して、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている状態で、ヘッドセットモードをオフに切替た後、着信状態(ステップS5)からハンドセット通話状態(ステップS1)へ、間接的に、切替制御する場合について説明する。図11は、着信からヘッドセット通話状態への切替制御(間接)を示すタイミングチャートである。
着信状態(ステップS5)において、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されているものとし、着信に応答してハンドセットTR1で受け答えするため、時刻T1に利用者が切替キー29を押下した場合、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフに設定する。この際、制御回路18は、切替回路13の切替制御および呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは着信応答処理を実行しない。
その後、制御回路18は、時刻T2における利用者のオフフック操作に応じて、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続するとともに、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。
図11のように切替回路13の切替制御とともに着信への対応処理を行わない場合、利用者は、切替キー29の操作とオフフック操作をそれぞれ別個に行う必要がある。したがって、着信時には、図10のように切替回路13の切替制御とともに着信への対応処理を行うことにより、利用者は、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている場合でも、オフフック操作という極めて簡素な操作だけて、着信に応答してハンドセットTR1でスムーズに受け答えできることが分かる。
次に、図12を参照して、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている待機状態(ステップS4)において、呼制御イベントとして外線着信が発生した場合の制御について説明する。図12は、ヘッドセットによる着信応答(自動応答)を示すタイミングチャートである。
ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている待機状態(ステップS4)において、時刻T1に外線着信が発生した場合、制御回路18は、着信検出に応じて(ステップS41)、待機状態(ステップS4)から着信状態(ステップS5)に遷移させるが、検出した着信が外線着信であるため、その直後の時刻T2に外線着信への自動応答処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ヘッドセット通話状態に遷移させる(ステップS2)。
これにより、外線着信の場合には、自動応答してヘッドセットTR2で直ちに受け答えすることができ、コールセンターなど、電話による顧客からの問い合わせにスムーズに対応することができる。なお、自動応答してヘッドセットTR2で直ちに受け答えすべき着信としては、外線着信に限定されるものではない。例えば、着信メッセージで通知された着信種別が、登録した特定の相手先以外からの外線着信など、予め設定された対象着信に該当するか否かに応じて自動応答の要否を判定してもよい。
また、図12の場合、ヘッドセットモードがオンであり、切替回路13によりヘッドセットTR2が通話回路12に接続されているため、制御回路18による切替回路13の切替制御は不要となる。なお、外線着信時に、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されていた場合、制御回路18が、ヘッドセットモードをオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続してもよい。
次に、図13を参照して、ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている待機状態(ステップS4)において、呼制御イベントとして内線着信が発生した場合の制御について説明する。図13は、ハンドセットによる着信応答(手動応答)を示すタイミングチャートである。
ヘッドセットモードがオンであり音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている待機状態(ステップS4)において、時刻T1に内線着信が発生した場合、制御回路18は、着信検出に応じて(ステップS41)、待機状態(ステップS4)から着信状態(ステップS5)に遷移させるが、検出した着信が内線着信であるため、内線着信表示による利用者呼び出しを開始するとともに、ヘッドセットモードをオフに設定する。
その後の時刻T2における利用者のオフフック操作に応じて、制御回路18は、切替回路13を制御してハンドセットTR1を通話回路12に切替接続するとともに、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して応答メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2に接続する着信応答処理を実行し、ハンドセット通話状態に遷移させる(ステップS1)。
これにより、内線着信の場合には、自動応答せずオフフック操作を待ってハンドセットTR1で受け答えすることになる。したがって、コールセンターなど、電話による顧客からの問い合わせにヘッドセットTR2で対応する場合、内線着信は顧客とは異なる相手からの着信であることから、顧客用のヘッドセットTR2とは区別してハンドセットTR1で受け答えすることができる。なお、手動応答してハンドセットTR1で受け答えすべき着信としては、内線着信に限定されるものではない。例えば、着信メッセージで通知された着信種別が、登録した特定の相手先からの外線着信など、予め設定された対象着信に該当するか否かに応じて手動応答の要否を判定してもよい。
また、図13の場合、ヘッドセットモードがオンであり、切替回路13によりヘッドセットTR2が通話回路12に接続されているため、制御回路18による切替回路13の切替制御が必要となる。なお、内線着信時に、ヘッドセットモードがオフであり音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1が選択されていた場合、制御回路18が、ヘッドセットモードをオフに設定する必要はなく、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続する必要もない。
次に、図14を参照して、音声通話を終話した際、ヘッドセットモードを初期化して、予め設定されているハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、音声通話に用いる送受話器として選択する場合の制御について説明する。図14は、ヘッドセットモードの初期化制御を示すタイミングチャートである。以下では、ヘッドセットモードがオンであり、音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている状態を初期状態とする場合を例として説明する。
ハンドセット通話状態において(ステップS1)、時刻T1に利用者がオンフック操作を行って、フックスイッチ21がオンフック状態に切り替えられた場合(ステップS16)、制御回路18は、通話回路12を制御して呼制御イベントである着信への対応処理、ここでは回線Lに対して切断メッセージを返送するとともに、通話パスP1を音声パスP2から切断する終話処理を実行し、待機状態に遷移させる(ステップS1)。
この際、制御回路18は、ヘッドセットモードをオフからオンに設定するとともに、切替回路13を制御してヘッドセットTR2を通話回路12に切替接続し、音声通話に用いる送受話器としてヘッドセットTR2が選択されている初期状態に移行させる。これにより、利用者は、待機状態(ステップS1)において、音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれが選択されているか迷う必要がなくなる。したがって、終話時に初期状態とせず直前の通話に使用した送受話器が選択されている場合と比較して、新たに発生した呼制御イベントに対して、容易かつ迅速に適切な操作を行うことができる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、制御回路18が、切替キー29の操作に応じて、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、切替回路13を制御して通話回路12に接続するとともに、操作の時点で発生している呼制御イベントへの対応処理を実行するようにしたものである。
これにより、呼制御イベントへの対応処理に必要な操作を切替キー29の操作で代用でき、利用者の操作負担を軽減できるとともに、呼制御イベントへの対応処理を早期に実行することができ、電話機10の応答性や動作性能を高めることができる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、呼制御イベントとして着信が発生している場合、切替キー29の操作に応じて着信への応答処理を実行し、切替回路13を介して通話回路12に接続した、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を開始するようにしてもよい。
これにより、応答操作を必要とすることなく、着信時の切替キー29の操作に応じて、着信に応答してハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を直ちに開始することができる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、呼制御イベントとして保留が発生している場合、切替キー29の操作に応じて保留への応答処理を実行し、切替回路13を介して通話回路12に接続した、ハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を開始するようにしてもよい。
これにより、保留解除操作を必要とすることなく、保留時の切替キー29の操作に応じて、保留解除してハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を用いた音声通話を直ちに開始することができる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、切替キーによりヘッドセットTR2が選択されている状態で、着信を検出した場合、着信が外線着信の場合には、着信へ自動応答してヘッドセットTR2を用いたヘッドセット通話を開始し、着信が内線着信の場合には、オフフック操作に応じて着信へ応答し、切替回路13により切替接続したハンドセットTR1を用いたハンドセット通話を開始するようにしてもよい。
これにより、検出した着信の着信種別に応じて、自動応答の要否さらにはハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれを通話に用いるかを、自動的に選択することができ、着信応答時における利用者の負担を大幅に軽減できる。
また、本実施の形態において、制御回路18が、音声通話を終話した際、予め設定されているハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれか一方を、音声通話に用いる送受話器として選択するようにしてもよい。
これにより、利用者は、待機状態において、音声通話に用いる送受話器としてハンドセットTR1とヘッドセットTR2のいずれが選択されているか迷う必要がなくなる。したがって、終話時に初期状態とせず直前の通話に使用した送受話器が選択されている場合と比較して、新たに発生した呼制御イベントに対して、容易かつ迅速に適切な操作を行うことができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。