特許法第30条第2項適用 1.販売による公開 販売日 平成29年12月27日 販売場所 クゥアンタァム アミューズメント コーポレーション(フィリピン共和国 パシッグ市 オーティガスセンター メラルコアベニュー13 サンツリータワー5階) [原文表記] Quantum Amusement Corporation(5thFloor,Suntree Tower,13 Meralco Avenue, Ortigas Center, Pasig City 1605, Philippines) 公開者 コナミデジタルエンタテインメントリミテッド(ホンコン カオルーン モディロード 66 チムサーチョイセンター 6階 611B、612及び613号室) [原文表記] Konami Digital Entertainment Limited(Room Nos. 611B, 612 & 613, 6/F, Tsim Sha Tsui Centre, 66 Mody Road, Kowloon, Hong Kong)
以下、添付図面を参照して本発明の一形態に係るサービスシステムの一例を説明する。図1に示すサービスシステム1は、サービス装置の一例としての複数のゲーム機2と、そのゲーム機2の制御に用いられるべき記憶媒体の一例としてのカード3に関する各種の業務を処理するための運営システム4とを含んでいる。図1に実線の矢印はカード3の流れ(物理的な配送)を、破線の矢印はカード3に記録された情報の流れをそれぞれ示している。
ゲーム機2は、ユーザによる料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は互いに等しいゲームを提供するように設けられてもよいし、少なくとも一部のゲーム機2は他のゲーム機2が提供するゲームとは異なるゲームを提供するように設けられてもよい。各ゲーム機2は、ユーザに有償でゲームをプレイさせる事業を営む第1の事業者の一例としてのオペレータOP1、OP2(以下、参照符号OPで代表することがある。)によって店舗等の施設に設置され、それらのオペレータOPが収益事業を営むための設備機器として運用される。図1の例では2者のオペレータOPが示されているが、その数は適宜である。オペレータOPはゲーム機2を利用して収益事業を営む者であれば足りる。例えば、オペレータOPは、店舗等の施設のオーナー、あるいは店舗の少なくとも一部のスペースを借用してゲーム機2を運用する事業者であってよい。オペレータOPは、自然人であってもよいし、法人等の組織であってもよい。ゲーム機2によるゲームのプレイはユーザに提供されるサービスの一例であるが、ゲーム機2はゲームのプレイとは異なるサービスを併せて提供可能であってもよい。また、サービス装置は、ゲームのプレイとは異なるサービスをユーザに有償で提供するものであってもよい。
カード3は、磁気記録層、あるいはICチップ等のように、情報の書き込み及び読み取りが可能な記録部を樹脂等による基板に固定した可搬性を有する周知の記憶媒体である。カード3は、ゲーム機2に装着可能である。換言すれば、ゲーム機2はカード3を保持して所定の情報を読み取り、あるいは書き込む機能を備えている。ゲーム機2は、運営システム4に対してネットワークを介して接続されない、いわゆるオフライン型あるいはスタンドアローン型のサービス装置として設けられている。したがって、ゲーム機2と運営システム4との間の情報のやり取りはカード3を介してのみ行われる。
運営システム4は、カード3に対する各種の情報の記録、管理、あるいはカード3に記録された情報の利用といったカード3に関する各種の業務を処理するために設けられている。運営システム4は運営組織MOによって運営される。運営組織MOは、オペレータOPが営むゲーム機2を利用した事業に関連してオペレータOPに便益を提供し、その対価としての利用料を受け取る。それにより、運営組織MOは第2の事業者の一例に相当する。運営組織MOは、例えば、ゲーム機2にてゲームをプレイさせるために必要な要素の少なくとも一部、例えばゲーム機2のハードウエア、あるいはソフトウエア(コンテンツを含む。)をオペレータOPに貸与等の形態で提供し、その要素の提供の対価としての利用料をオペレータOPから徴収する。
利用料は、オペレータOPから運営組織MOに対して前払いされる。運営システム4では、前払いされた利用料の範囲内でカード3に設定値の一例としてのポイントが記録される。ポイントが記録されたカード3は郵送その他の配送手段を用いてオペレータOPに提供される。オペレータOPに提供されたカード3はゲーム機2に装着される。ゲーム機2は、ユーザから徴収したゲームのプレイ料金に応じた量のポイントを、カード3に記録されたポイントの残高から減算する。それにより、ユーザから徴収した料金に応じた利用料を運営組織MOがオペレータOPから徴収する仕組みが実現される。
運営組織MOは、単独の自然人又は法人によって構成されてもよいし、複数の法人等が連携する連携組織として構成されてもよい。図1の例では、提供業者PV、及び仲介業者AG1、AG2(以下参照符号AGで代表することがある。)によって運営組織MOが編成されている。提供業者PVは、例えばゲーム機2、あるいはゲーム機2にて提供されるゲームのソフトウエア等の要素を開発し、オペレータOPに提供する者、又はその者から業務の委託を受けた者である。提供業者PVは単一の自然人又は法人であってもよいし、複数の法人等の集合体として組織されてもよい。仲介業者AGは、提供業者PVとオペレータOPとの間に介在し、オペレータOPに対するゲーム機2、あるいはそのソフトウエア等の要素の提供、その要素の利用料の収受といった業務を担当する者である。仲介業者AGは、例えば提供業者PVの関連会社、あるいは代理店等が該当する。仲介業者AGは提供業者PVと資本関係を有する者であってもよいし、資本関係を有しない者であってもよい。図1の例では2名の仲介業者AGが示されているが、その数は適宜である。仲介業者AGは、オペレータOPの営業地域、事業形態といった適宜の属性に応じて適宜に区分されてよい。図1の例では、特定の国又は地域のオペレータOPは、提供業者PVの現地法人である仲介業者AG1が担当し、他の特定の国又は地域のオペレータOPは提供業者PVとは別資本による代理店である仲介業者AG2が担当する、といったように仲介業者AGが区分されている。
運営システム4は、オペレータOPに対するカード3の提供及びカード3へのポイントのチャージ(加算)に関連する処理に用いられる端末装置として、提供業者PVの管理下に置かれるカード設定PC(Personal Computerの略)11、及び各仲介業者AGの管理下に置かれるカード管理PC12を含んでいる。なお、図1では提供業者PV、仲介業者AGのそれぞれの管理範囲を一点鎖線にて囲んで示している。
カード設定PC11は、所定の生産拠点10にて生産されたカード3に対してサービスシステム1で通用させるために必要な所定の情報をユーザの操作に従って記録することにより、カード3の初期設定を実施する。カード設定PC11は、例えば提供業者PVにて発行されたユーザ認証情報を用いてユーザ認証を受けた者に限って操作が可能となるように設定されることにより、その使用が提供業者PVの管理下に置かれる。カード3に記録される情報の詳細は後述する。なお、図1では生産拠点10を提供業者PVの管理下にあるものとして示したが、生産拠点10は提供業者PVの管理範囲外であってもよい。例えば、第三者が生産する汎用的なカードを提供業者PVが購入し、カード設定PC11にてカード3に必要な情報を記録してもよい。
カード管理PC12は、仲介業者AGによって行われるべきカード3に関する各種の処理を実行するために設けられている。例えば、カード管理PC12はカード3にポイントを記録するチャージ処理を実行する。ポイントの記録は、カード3に記録されたポイントの残高をカード管理PC12の操作に従って加算することにより実現される。チャージ処理の詳細は後述する。カード管理PC12は、例えば仲介業者AGにて発行されたユーザ認証情報を用いてユーザ認証を受けた者に限って操作が可能となるように設定されることにより、その使用が仲介業者AGの管理下に置かれる。したがって、カード管理PC12による各種の処理はいずれも仲介業者AGの指示に基づいて行われることになる。
運営システム4は、さらに提供業者PVの管理下に置かれるカード管理システム15及びゲーム管理システム16を含んでいる。カード管理システム15は、カード管理サーバ15aと、残高管理サーバ15bとを含んでいる。カード管理サーバ15aはカード設定PC11にて記録されたカード3の初期設定情報Cinをカード設定PC11から受け取ってカードデータベースDB1に記録する。残高管理サーバ15bは、カード3に記録するポイントの原資となるべきDBポイントを残高データベースDB2に記録する。残高データベースDB2に記録されるDBポイントの量は、オペレータOPが前払いした利用料に対応し、その残高はオペレータOPごとに区別して記録される。また、残高管理サーバ15bはカード管理PC12のチャージ処理にてカード3にポイントがチャージされると、そのチャージされた量に応じて残高データベースDB2に記録されたDBポイントを減算する。つまり、オペレータOPが前払いした利用料は一旦DBポイントに置き換えられ、そのDBポイントの消費と引き換えにカード3にポイントがチャージされる。
ゲーム管理システム16は、ロット管理サーバ16aと、チャージ管理サーバ16bとを備えている。ロット管理サーバ16aは、カード設定PC11にて記録されたカード3の情報をカード設定PC11から受け取ってロットデータベースDB3に記録する。ロットデータベースDB3は、カード3の発行履歴の把握等に用いられる。チャージ管理サーバ16bは、カード管理PC12からチャージ処理の情報を受け取り、得られた情報をチャージログデータベースDB4に記録する。また、チャージ管理サーバ16bはカード設定PC11からカード3に記録された情報を受け取り、得られた情報とチャージ処理の情報とをカードIDと対応付けてカード情報データベースDB5に記録する。チャージログデータベースDB4及びカード情報データベースDB5に記録された情報は、ゲーム機2の稼働状況等の把握を目的として、情報管理PC17等にて適宜に参照される。情報管理PC17は運営組織MOの例えば提供業者PVによって管理されてもよいし、運営組織MOとは別の他の事業者によって管理されてもよい。
以上の運営システム4において、カード設定PC11はカード管理サーバ15a、ロット管理サーバ16a、チャージ管理サーバ16bとネットワークを介して接続され、カード管理PC12はチャージ管理サーバ16bとネットワークを介して接続され、残高管理サーバ15bとチャージ管理サーバ16bとはネットワークを介して接続される。情報管理PC17はネットワークを介してデータベースDB4、DB5を参照可能である。
次に、図2を参照してカード3に記録されるデータの一例を説明する。図2の例において、カード3には、少なくとも、カードID、カード番号、カード残高、書換回数、チャージカウンタ、カード生産情報、チャージ情報、機種コード、ソフトウエア識別コード及びプレイ情報が記録される。カードIDは上述したようにカード3ごとにユニークに設定される識別情報である。カード番号は、カードIDとは別にカード3ごとにユニークに設定される識別番号である。カードID及びカード番号は、カード設定PC11にてカード3に書き込まれる。
カード残高は、カード3に記録された設定値の一例としてのポイントの残量であり、その値はカード管理PC12及びゲーム機2により書き換えられる。書換回数はカード3に対して情報が書き換えられた回数である。チャージカウンタは、カード3に対してポイントがチャージされた回数である。チャージカウンタの値がチャージ回数を示すのに対して、書換回数はポイントのチャージに限らず、他の情報、例えばプレイ情報等がカード3に記録される場合にも加算される。すなわち、書換回数は情報の種類を問わずカード3に対して書換処理が行われた回数を示す。チャージカウンタの値はカード管理PC12により書き換えられ、書換回数の値はカード設定PC11、カード管理PC12及びゲーム機2により書き換えられる。
カード生産情報は、カード3の生産に関連する情報である。例えばカード3が生産された日時といった情報が、カード生産情報としてカード設定PC11によりカード3に記録される。チャージ情報は、カード3に対するチャージの履歴を判別するための情報である。例えば、チャージ処理が行われた日時、あるいはチャージ処理が行われたカード管理PC12を判別する情報等がチャージ情報としてカード管理PC12によりカード3に記録される。
機種コードは、カード3が適用されるべきゲーム機2の範囲を指定する適用範囲情報の一例としてカード3に記録される。機種コードは、仲介業者AGの指示に従ってカード管理PC12によりカード3に記録される。ソフトウエア識別コードは、カード3が適用されるべきソフトウエア、例えばゲーム機2にて提供されるゲームの種類、タイトル等を指定する情報として例えばカード設定PC11によりカード3に記録される。プレイ情報は、ゲーム機2にてポイントを消費してゲームがプレイされた履歴を判別する情報として、ゲーム機2によりカード3に記録される。例えば、ゲームのプレイが最初に開始された日時、プレイ開始回数、プレイ終了回数、各プレイが開始された日時といったゲームのプレイと関連付けられた情報がプレイ情報としてカード3に記録される。
以上の他にもカード3には適宜の情報が記録されてよい。カード3は、オペレータOPが前払いした利用料に対応するポイントを、ゲーム機2がユーザから徴収した料金に応じて消費させるための手段として用いられるのみならず、ゲーム機2にて提供されるサービスとしてのゲームのプレイの履歴、あるいはポイントのチャージに関する履歴等を記録し、これを運営組織MOにて適宜に参照するための手段としても用いられる。ゲーム機2はネットワークに接続されていないため、運営組織MOによって運用されるカード設定PC11、カード管理PC12、あるいはカード管理システム15、ゲーム管理システム16がゲーム機2から情報を直接的に収集することができない。しかしながら、カード3を介してゲーム機2におけるプレイ履歴等を収集することにより、オフラインのゲーム機2の状態を運営組織MO側が把握することが可能となる。ゲーム機2にてカード3に記録される情報は、上記の目的に照らして適宜に選択されてよい。
図1に戻って、カード3及びそのカード3に対する情報の流れについて説明する。まず、提供業者PVにおいては、生産拠点10からカード3を取得し、得られたカード3に対してカード設定PC11を利用して所定の情報が初期設定として記録される。この場合、カード3の記憶素子が初期化され、カードID及びカード番号が採番されてカード3に記録される。併せて、カード生産情報、ソフトウエア識別コードもこの段階でカード設定PC11によりカード3に記録される。初期設定で記録された情報は初期設定情報Cinの少なくとも一部としてカード管理サーバ15a、ロット管理サーバ16a及びチャージ管理サーバ16bに提供される。初期設定情報Cinはカード3に記録される情報以外の他の情報を含んでもよい。各サーバ15a、16a、16bは、与えられた初期設定情報Cinに従って適宜の情報をデータベースDB1、DB3及びDB5に記録する。
初期設定が完了したカード3は提供業者PVから仲介業者AGへと配送される。なお、図1の例において、提供業者PVから仲介業者AG2へのカード3の提供は、仲介業者AG1を経由して行われる。ただし、提供業者PVから仲介業者AG2へと直接的にカード3が提供されてもよい。カード管理PC12では、カード3に対してポイントがチャージされる。例えば、カード管理PC12にてオペレータOPに対応付けて残高データベースDB2に保持されているDBポイントが参照され、そのDBポイントの残高の範囲内でDBポイントがカード3のポイントへと置換され、その置換された量のポイントがカード残高としてカード3にチャージされる。この段階で、カード3の書換回数及びチャージカウンタには1が加算される。また、チャージ情報として今回のポイントのチャージ処理の内容がチャージ情報の一部としてカード3に記録される。さらに、カード管理PC12ではカード3の機種コードが適宜に設定される。
チャージが終了したカード3は仲介業者AGからオペレータOPに配送される。オペレータOPでは、受け取ったカード3がゲーム機2に装着される。ゲーム機2では、ユーザが料金を支払ってゲームをプレイするごとに、そのユーザから徴収した料金額に対応する量のポイントがカード3から減算される。すなわち、カード3に記録されたカード残高の値が、減算後のポイントの量に更新される。ポイントの減算に併せてゲーム機2では書換回数が更新される。プレイ料金の額とポイントの減算量(消費量)との関係は、オペレータOPと運営組織MOとの間の取り決めに従って適宜に設定されてよい。例えば、プレイ料金に対して一定比率を乗じた量のポイントが減算されてよい。プレイ料金の額とポイントの減算量との関係は、時期その他の要素に応じて動的に変更されてもよい。なお、ポイントが減算されてユーザがゲームをプレイした場合、そのプレイ内容を示す情報がプレイ情報としてカード3に記録される。
カード3に記録されたポイントの残高が所定の下限値未満に達すると、そのカード3が装着されたゲーム機2におけるゲームの提供に対して制限が発生する。例えばゲーム機2の起動が禁止され、あるいは新たなプレイの開始が禁止されるといった制限が発生する。下限値は、一例として、一回のゲームのプレイに対してユーザが支払うべきプレイ料金に対応してオペレータOPが運営組織MOに支払うべき利用料に相当するポイントの量、又はこれに幾らかの余裕を加算した量に設定されてよい。そのように下限値を設定すれば、ユーザがプレイ料金を支払ってもカード3のカード残高が不足してゲームのプレイが不可能となる事態が生じるおそれを排除することが可能である。ただし、下限値は例えば0に設定されてもよい。その場合、ユーザがプレイ料金を支払ったにも拘らずカード残高の不足に起因してプレイができないときはユーザにプレイ料金を返金すればよい。
ポイントの残高が下限値未満に達したカード3はオペレータOPから仲介業者AGへと返送される。仲介業者AGでは、オペレータOPに対応付けられたDBポイントの残高内でカード3にポイントが再度チャージされ、チャージされたカード3は再びオペレータOPに配送される。そのカード3が再びゲーム機2に装着され、以下、同様にユーザからのプレイ料金の徴収に応じてカード3のカード残高が減算される。カード3へのポイントのチャージ時点でDBポイントが不足する場合、オペレータOPに対して利用料の前払いが要求され、それに応じてオペレータOPが運営組織MOに対して利用料を前払いすれば、その支払額に応じたDBポイントが加算されてカード3へのポイントの再チャージが可能となる。なお、カード3はポイントの再チャージが可能な形態で提供されることを必ずしも要せず、一枚一枚のカード3が使い切りの形態でオペレータOPに提供されてもよい。
以上の仕組みによれば、オペレータOPがゲーム機2を利用した事業を営むために運営組織MOに前払いした利用料に応じてカード3にポイントがチャージされ、ゲーム機2がユーザから徴収したプレイ料金に応じてカード3のポイントが消費され、そのポイントの残高に応じてゲーム機2によるゲームの提供に一定の制限が課される。したがって、ゲーム機2がネットワークに接続されていないサービス装置として運用されている場合でも、ゲーム機2がユーザからプレイ料金を徴収することによって得られた収益をオペレータOPと運営組織MOとの間で適時に分配しつつ、その分配状況と関連付けてゲーム機2の状態を適切に制御することができる。
カード3へのポイントのチャージ時(初回であるか、二回目以降であるかを問わない。)に、カード管理PC12によりカード3に記録された各種の情報が読み出され、今回のチャージ処理の内容を示す情報とともにチャージ管理サーバ16bに提供される。チャージ管理サーバ16bでは、チャージ処理の内容を示す情報がチャージログデータベースDB4に記録されるとともに、カード3から読み取った情報がカード情報データベースDB5に記録される。さらに、チャージ処理の内容を示す情報は残高管理サーバ15bに提供され、残高管理サーバ15bは、残高データベースDB2に保持されているオペレータOPのDBポイントの残高を、ポイントのチャージ量に応じて減算する。これらの処理により、運営組織MOの側では、各データベースDB2、DB4、DB5に蓄積された情報を適宜に参照して、カード3へのポイントのチャージの状況、ゲーム機2の稼働状況、あるいは運営組織MOに前払いされた利用料の消費状況等を把握することができる。
図1の例では、カード3に記録されたポイントの残高が下限値未満の場合にゲーム機2の起動を禁止し、新たなゲームのプレイを禁止したが、ゲーム機2が提供するサービスに対する制限はそのような例に限らない。例えば、ポイントの残高に関して段階的に複数の閾値を設定し、ポイントの残高が減少するに従って徐々に制限が強化されるようにして制限が制御されてもよい。制限の強化は、例えば最終的な制限を生じさせる前の段階では残高不足に対する警告をゲーム機2の起動時に表示し、残高が下限値に接近するに従って一部の機能の利用が禁止され、最終的にはゲーム機2の起動や新たなゲームのプレイが不可能になるといったような手法により実現することができる。そのような警告は、例えばゲームがプレイされていない待機状態で行われる演出の一部に含めるようにして表示されてもよい。最終的な制限を生じさせる前の段階でゲーム機2の起動、あるいは新たなゲームのプレイを一旦禁止しつつ、その禁止をオペレータOPの操作によって解除可能とし、最終的な段階では禁止の解除を不可能とする、といった態様で段階的な制限を発生させてもよい。いずれにしても、最終的な制限に先行して、より緩やかな制限を発生させることにより、オペレータOPに対して残高の減少を認識させ、最終的な制限が発生する前の段階でカード残高を再チャージする必要を意識させることが可能である。
カード残高の不足によるゲームのプレイの禁止に関しては、必ずしも残高不足が発生した後の最初のプレイ時に生じさせることを要しない。例えば、ゲーム機2において同一プレイヤがゲームを続けてプレイするために、いわゆるコンティニュー料金を支払う場合がある。そのような場合、オペレータOPの都合である残高不足に起因してゲームのプレイが不可能となることによりユーザが不測の不利益を被る可能性があるため、カード残高の不足が生じた後、ゲームが継続的にプレイされている範囲では暫定的にプレイ継続を許容し、ユーザがゲームの継続を選択せずにゲームを終了させる等してゲームのプレイが一区切りついた時点で、次回のゲームのプレイが不可能となるように制限を発生させてもよい。
次に、図3を参照して機種コードの設定とそれに伴うカード3の適用範囲の制限との関係の一例を説明する。上述したように、機種コードは、カード3が適用されるべきゲーム機2の範囲を指定するために、提供業者PVによってカード3に記録される。図3の例では、機種コードが四桁の数字によって採番され、仲介業者AG1では機種コード”0001”がカード3に記録され、仲介業者AG2では機種コード”0006”がカード3に記録される。一方、オペレータOP1のゲーム機2には、利用可能なカード3の機種コードの範囲として”0001~0005”が、オペレータOP2のゲーム機2には、利用可能なカード3の機種コードの範囲として”0006-0010”がそれぞれ設定されている。
以上の設定において、仲介業者AG1から提供されるカード3をオペレータOP1のゲーム機2に装着した場合、そのカード3に設定された機種コードはオペレータOP1が運用するゲーム機2の利用可能機種コードの範囲内にあり、当該オペレータOP1のゲーム機2の起動及びそのゲーム機2を用いたゲームのプレイはいずれも可能である。また、仲介業者AG2から提供されるカード3をオペレータOP2のゲーム機2に装着した場合、そのカード3に設定された機種コードはオペレータOP2が運用するゲーム機2の利用可能機種コードの範囲内にあり、当該オペレータOP2のゲーム機2の起動及びそのゲーム機2を用いたゲームのプレイはいずれも可能である。しかし、仲介業者AG2から提供されるカード3をオペレータOP1のゲーム機2に装着した場合には、そのカード3に設定された機種コードはオペレータOP1が運用するゲーム機2の利用可能機種コードの範囲外である。その場合、当該オペレータOP1のゲーム機2の起動及びゲームのプレイは不可能である。このように、機種コードを利用してカード3の適用範囲を制限することにより、カード3の意図せぬ利用、例えば盗難されたカード3の不正使用といった行為を阻止してカード3による利用料の徴収の仕組みを適切に運営することができる。
図3の例では、一枚のカード3を一のオペレータOPが運用するゲーム機2の範囲内で利用できるように機種コードが設定されているが、一のオペレータOPが運用するゲーム機2の一部、例えば同一店舗内のゲーム機2、あるいは一台のゲーム機2に限ってのみ、カード3が利用できるように機種コードが設定されてもよい。また、機種コードの設定が一致する複数枚のカード3がオペレータOPに提供されてもよい。その場合は、一枚のカード3の残高が減少して当該カード3が仲介業者AGに返送されている間でも、別のカード3を利用してオペレータOPがゲーム機2の運用を続けられる利点がある。ただし、その場合、各カード3へのポイントのチャージは互いに独立して処理される必要がある。例えば、DBポイントを100ポイント消費して各カード3に100ポイントをチャージする場合、DBポイントの消費量は100ポイントとカード3の枚数との積とする必要がある。もっとも、同一のゲーム機2で利用可能な複数枚のカード3が提供される場合、それらのカード3の全ての同一のポイントがチャージされることは必ずしも必要ではない。いずれかのカード3が残高不足によって仲介業者AGに返送され、そのカード3にポイントが再チャージされてオペレータOPに戻される迄の間に、他のカード3を利用してゲーム機2の運用を継続できればオペレータOPにとっては不利益が生じないのであり、そのようなカード3の使い回しが可能である限り、各カード3へのポイントのチャージ量はオペレータOPの都合等に応じて適宜に設定されてよい。なお、機種コードによるカード3の適用範囲を比較的広く設定しておくことにより、カード3の融通性を高めてカード3をより柔軟に使い回すことが可能となる。さらに、図3の例では、カード3に単一の機種コードを設定し、ゲーム機2に利用可能な機種コードの範囲を設定している。すなわち、図3の例では、カード3に単一の機種コードが設定され、ゲーム機2には適用可能な機種コードの範囲が設定されることにより、カード3の機種コードは、当該機種コードが適用範囲に含まれているゲーム機2の範囲を、カード3の適用範囲として指定するものである。これとは逆に、ゲーム機2に単一の機種コードが設定され、カード3に、利用可能な機種コードの範囲が記録されてもよい。
カード3を適用させる範囲は、ハードウエアとしてのゲーム機2を最小単位として指定されることを必ずしも要しない。例えば、ゲーム機2にて提供される各種のサービスを適宜の単位で区分し、カード3が適用されるべきサービスの範囲をその単位に従って指定するようにしてもよい。例えば特定の種類のゲームのプレイのみに限ってカード3が利用できるようにカード3の適用範囲が指定されてもよい。例えば図2のソフトウエア識別コードを適用範囲情報の一例として利用して、カード3が適用可能なサービスの種類が指定されてもよい。その場合、ソフトウエア識別コードによって指定されるゲームの種類は、例えば音楽ゲーム、格闘ゲーム、ロールプレイングゲームといったゲームのジャンルによって区別されてもよいし、ゲームのタイトルによって区別されてもよい。同一タイトルのゲームであっても、特定のバージョンに限ってカード3が適用されるようにソフトウエア識別コードが設定されてもよい。ソフトウエア識別コードを用いたサービス範囲の指定は、例えばゲーム機2にて提供されるゲームの一部に限って運営組織MOがオペレータOPにコンテンツの提供等の便宜を図っているような場合に有用である。つまり、運営組織MOがオペレータOPから利用料を徴収すべき範囲が、ゲーム機2にて提供されるサービスの範囲の一部に限られる場合に、その対象となるサービスの範囲をカード3にて指定することにより、利用料を適切に徴収することができる。ソフトウエア識別コードによってカード3が適用されるべきサービスの範囲を指定する場合には、ゲーム用のソフトウエアが実装されるゲーム機2が変更されても、ソフトウエアが一致する限りカード3が利用できるといった利点も得られる。ただし、サービスの範囲は機種コード又はソフトウエア識別コードのいずれか一方を用いて指定される例に限らず、両者を適宜に組み合わせて指定されてもよい。なお、カード3の適用範囲情報を用いてカード3の適用範囲を一部のサービスに限った場合、カード3が適用されるべきサービスの範囲外に関しては、カード3におけるポイントの残高に関わりなくゲーム機2からのサービスの提供を許容してもよい。一方で、ゲーム機2が提供するサービスの範囲の全てに関してオペレータOPが運営組織MOに利用料を支払うべき事情が存在する場合には、カード3にて指定された範囲外では図3の例と同様にゲーム機2の起動を禁止し、あるいは新たなゲームのプレイを禁止するといった制限を発生させてもよい。
次に、図4及び図5を参照して、サービスシステム1に含まれるゲーム機2及びカード管理PC12の構成例をより詳細に説明する。図4はゲーム機2の制御系の構成例を示している。図4の例において、ゲーム機2には、制御部21及び記憶部22が設けられている。制御部21はマイクロプロセッサと、その動作に必要な内部メモリ等の付属装置とを含んだコンピュータとして構成されている。記憶部22は、磁気記憶装置、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、制御部21に対する外部記憶装置として機能する。制御部21には、操作ボタン、操作レバーといったユーザの操作に応じた信号を出力する入力装置23、及びモニタ、スピーカといった出力装置24が接続されるとともに、リーダライタ25及びコインセレクタ26が接続されている。
リーダライタ25はカード3に記録された情報の読み取り及びカード3に対する情報の書き込みが可能な情報読取手段の一例として設けられている。リーダライタ25はゲーム機2の一部として予め設計されてゲーム機2に組み込まれる一体型のハードウエアユニットとして設けられてもよいし、ゲーム機2とは別に用意されてゲーム機2に組み付けられる別体型のユニットとして設けられてもよい。別体型のユニットの場合、サービスシステム1への適用が想定されていない既存のゲーム機2に対してリーダライタ25を後付けしてソフトウエアに必要な改修を施すことにより、当該ゲーム機2をサービスシステム1における運用に対応させることが可能である。カード3はリーダライタ25に対して着脱可能である。ゲーム機2が稼働しているか否かに関わりなく、カード3はリーダライタ25に装着される。ただし、カード3は少なくともゲーム機2の稼働中にリーダライタ25に装着されていれば足りる。ゲーム機2が稼働していない間はカード3がリーダライタ25から取り外されてもよい。ただし、その場合でもゲーム機2の起動時にカード3をリーダライタ25に装着することが必要である。
コインセレクタ26は、ユーザがゲームのプレイ料金として投入する硬貨、代替硬貨、あるいは硬貨と引き換えられるメダル等の遊技媒体(以下、硬貨等と呼ぶ。)を受け入れ、投入された硬貨等の枚数、あるいは金額に応じた信号を出力する。それによりコインセレクタ26は料金徴収手段の一例として機能する。ただし、料金徴収手段は、硬貨等を介してプレイ料金を徴収する例に限らない。例えば、ユーザが所持するカード(カード3と同一であっても異なってもよい。)その他の記憶媒体に記録された電子通貨の残高をプレイ料金に従って消費することにより、ユーザからプレイ料金を徴収する装置がコインセレクタ26に代えて、又は加えて設けられてもよい。ただし、そのような装置はゲーム機2がオフラインの状態でも料金を徴収可能であるものに限られる。
記憶部22には、ゲーム機2を制御するためのコンピュータプログラムとしてのゲームプログラムPgと、ゲームにて参照されるべきゲームデータDgとが記録されている。また、記憶部22には、図3に例示した利用可能機種コードCmも記録されている。制御部21がゲームプログラムPgを読み取って実行することにより、制御部21には、そのコンピュータハードウエアとソフトウエアとしてのゲームプログラムPgとの組み合わせによって実現される論理的装置として、ゲーム制御部31、徴収確認部32、残高管理部33、利用制御部34及び履歴記録部35が設けられる。ゲーム制御部31は、ユーザに提供されるゲームの進行を制御する。徴収確認部32は、コインセレクタ26の出力を監視し、ユーザからのプレイ料金の徴収が確認されると残高管理部33に料金徴収が確認されたこと及びその徴収額を通知する。残高管理部33は、徴収確認部32からプレイ料金の徴収が通知された場合、プレイ料金の徴収額に従ってカード3に記録されたポイントが減算(消費)されるようにリーダライタ25を制御する。
利用制御部34は、カード3のポイントの残高をリーダライタ25を介して適宜の周期で繰り返し取得し、その残高が所定の下限値未満か否かを判別する。また、残高管理部33はカード残高が下限値未満と判断された場合、ゲーム機2の起動あるいはゲームのプレイを制限する。例えば、ゲーム機2の起動時にカード3のカード残高が下限値未満と判断された場合、利用制御部34はゲーム機2の起動を禁止する。また、ゲーム機2の稼働中において、カード3のカード残高が下限値未満まで減少したと判断された場合、利用制御部34はゲーム制御部31による次回のプレイの提供を禁止する。ただし、ゲーム機2の稼働中における次回のプレイの禁止に関しては、上述したように、ゲーム上の適切な区切りに達するまではカード残高が不足していても新たなプレイを許容してもよい。
履歴記録部35は、ゲームのプレイ内容に関する情報をゲーム制御部31から適宜のタイミングで受け取り、得られた情報がプレイ情報の一部としてカード3に記録されるようにリーダライタ25を制御する。プレイ内容の記録は、例えばゲームのプレイが開始された時期、プレイが終了した時期といったように、ゲームのプレイにおける適宜の区切りの時期に行われてよい。
図5はカード管理PC12の制御系の構成例を示している。ただし、図5はカード3に対する情報の記録に関連する部分を中心に描いている。汎用的なPCに通常設けられるハードウエアは適宜に省略されている。図5の例において、カード管理PC12には、制御部41及び記憶部42が設けられている。制御部41はマイクロプロセッサと、その動作に必要な内部メモリ等の付属装置とを含んだコンピュータとして構成されている。記憶部42は、磁気記憶装置、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、制御部41に対する外部記憶装置として機能する。制御部41には、入力装置43、及びリーダライタ44が接続されている。入力装置43は、カード3に記録すべき情報を仲介業者AGの指示に従って入力するための装置であり、キーボード、マウスといった汎用的な装置が入力装置43として利用されてよい。
リーダライタ44は、カード3に記録された情報の読み取り及びカード3に対する情報の書き込みが可能な入出力装置の一例として設けられている。リーダライタ44は例えばカード管理PC12の本体に対してUSBその他のインターフェースを介して接続される汎用的な装置であってよい。
記憶部42には、カード管理PC12をカード3に対する情報の読み取り及び書き込みの手段として機能させるためのコンピュータプログラムとしてのカード管理プログラムPmが記録されている。カード管理プログラムPmは、カード管理PC12の基本動作を司るオペレーティングシステムと協働してカード管理PC12に特定の処理を実行させるアプリケーションプログラムとして提供される。
制御部41がカード管理プログラムPmを読み取って実行することにより、制御部41には、そのコンピュータハードウエアとソフトウエアとしてのカード管理プログラムPmとの組み合わせによって実現される論理的装置として、入金確認部45、チャージ部46、範囲設定部47及び情報読出部48が設けられる。入金確認部45は、入力装置43を介してオペレータOPによる利用料の前払いの有無を確認し、前払いがあった場合はその入金額を入力装置43を介して取得し、得られた入金額をチャージ部46に通知する。なお、カード管理プログラムPmはカードリーダ25が制御部21に接続されていることを前提として構成されているため、カード管理プログラムPmの読み込み時にカードリーダ25の接続をチェックし、接続が確認できない場合にはゲーム機2の起動が禁止されてもよい。
チャージ部46は、入金確認部45にて確認された入金額に相当するDBポイントの加算量をチャージ管理サーバ16bに通知する。チャージ管理サーバ16bはその通知された加算量を残高管理サーバ15bに通知し、残高管理サーバ15bは与えられた加算量を前払いしたオペレータOPに対応するDBポイントの残高に加算する。また、チャージ部46は、入力装置43を介して仲介業者AGによるポイントのチャージの指示を取得し、与えられた指示に従ってカード3にポイントが加算されるようにリーダライタ44を制御することにより、チャージ処理を実行する。チャージ処理において、チャージ部46はカード3が対象とするオペレータOPのDBポイントの残高をチャージ管理サーバ16bを介して残高管理サーバ15bから取得し、その残高の範囲内でカード3にポイントをチャージし、加算されたポイント量に応じたDBポイントの減算をチャージ管理サーバ16bを介して残高管理サーバ15bに要求する。残高管理サーバ15bはその要求に応じて残高データベースDB2に記録されたDBポイントを減算する。さらに、チャージ部46はチャージ処理の内容がカード3にチャージ情報の少なくとも一部として記録され、かつカード3に記録された書換回数及びチャージカウンタの値が更新されるようにリーダライタ44を制御する。
範囲設定部47は、機種コードに関する仲介業者AGの指定を入力装置43から取得し、与えられた機種コードがカード3に記録されるようにリーダライタ44を制御する。機種コードの記録は、カード3に対するポイントのチャージ処理が行われる時期に併せて実行されてよい。ただし、必要があれば、チャージ処理とは別の時期に機種コードの記録が実行されてもよい。
情報読出部48は、リーダライタ44を介してカード3に記録された全ての情報を読み出し、得られた情報をチャージ管理サーバ16bに提供する。チャージ管理サーバ16bは、得られた情報をチャージログデータベースDB4、及びカード情報データベースDB5に適宜に記録する。それにより、カード3に記録された最新の情報がデータベースDB4、DB5にそれぞれ反映される。
次に、図6~図8を参照してゲーム機2が実行する処理の一例を説明する。ただし、以下では、カード3に記録されたソフトウエア識別コードがゲーム機2にて提供されるゲームと適合し、カード3の機種コードが適用範囲情報の一例として利用されることを前提として説明する。図6は、ゲーム機2の制御部21がカード3のカード残高を管理するために実行する残高管理処理の一例を示している。ゲーム機2の制御部21は、ゲーム機2の稼働中において、図6の残高管理処理を所定の周期で繰り返し実行する。残高実行処理を開始すると、制御部21の残高管理部33は、カード3に記録された機種コードが自己のゲーム機2に適合するか否かを判別する(ステップS11)。すなわち、残高管理部33は、リーダライタ25を介してカード3の機種コードの値を読み取り、得られた機種コードが自己のゲーム機2に設定されている利用可能機種コードCm(図4参照)の範囲内か否かを判別し、範囲内であれば適合すると判断する。機種コードが適合しないと判断された場合、制御部21はステップS12以下の処理に進むことなく、図6の処理を終了する。これにより、機種コードが適合しないカード3のカード残高が減算されるおそれが排除される。
一方、ステップS11にて機種コードが適合すると判断された場合、残高管理部33は、前回の処理から今回の処理までの間に徴収確認部32がプレイ料金の徴収を確認したか否かを判別し(ステップS12)、料金の徴収が確認されていればその徴収額を徴収確認部32から取得する(ステップS13)。続いて、残高管理部33は、料金の徴収額に応じた量のポイントがカード3に記録されたポイントの残高から減算されるようにリーダライタ25を制御する(ステップS14)。このときリーダライタ25により残高が減算されるとともにカード3に記録された書換回数に対して1が加算される。その後、処理が利用制御部34へと渡される。利用制御部34は、リーダライタ25を介してカード3のカード残高を取得し、得られた残高が所定の下限値未満か否かを判別する(ステップS15)。ステップS12でプレイ料金の徴収が確認されなかった場合、ステップS13及びS14の処理がスキップされてステップS15へと処理が進められる。
ステップS15にて残高が下限値未満と判断された場合、利用制御部34はゲーム機2の利用に関する制限を設定する(ステップS16)。この処理は、例えば利用制限の有無を判別するためのフラグに、利用制限中であることを示す値をセットするといった手法により実現されてよい。ステップS16にて利用制限が設定されると、今回の残高管理処理は終了する。ステップS15にてポイントの残高が下限値以上であると判断された場合にはステップS16がスキップされて今回の残高管理処理が終了する。なお、下限値を、一回のプレイ料金の徴収に対して減算すべきポイントの量以上に設定しておけば、ステップS14の処理時にカード残高が不足するおそれを排除することが可能である。図6の処理が実行されることにより、ユーザからプレイ料金が徴収されるごとにその徴収額に応じた量のポイントがカード3のポイントの残高(カード残高)から減算されるとともに、その残高が下限値未満まで減少すると、ゲーム機2は利用制限が課されていない状態から利用制限が設定された状態へと変化する。なお、図6の残高管理処理では、ステップS11で機種コードの適合の有無を判別し、かつステップS15で残高と下限値を大小比較し、残高が下限値未満の場合にステップS16で利用制限を設定しているが、これらの処理は次に述べる図7の処理に委ねることにより、図6の手順では省略されてもよい。
図7は、ゲーム機2の制御部21がカード3のカード残高に応じてゲーム機2の利用を制御するために実行する利用制限処理の一例を示している。ゲーム機2の制御部21は、図7の利用制限処理をゲーム機2の起動時以降、所定の周期で繰り返し実行する。図7の処理を開始すると、制御部21の利用制御部34は、まず、カード3に記録された機種コードが自己のゲーム機2に適合するか否かを判別する(ステップS21)。この処理は図6のステップS11と同様である。カード3の機種コードが自己のゲーム機2に適合するものであれば、利用制御部34はステップS22に進み、適合しない場合はステップS22をスキップしてステップS23へと進む。
ステップS22において、利用制御部34は、ゲーム機2に対して利用制限が設定されているか否かを判別する(ステップS22)。この処理は、図6のステップS16における設定の有無を判別する処理である。利用制限が設定されている場合、利用制御部34は、ゲーム機2の起動処理が完了しているか否かを判別する(ステップS23)。起動処理とは、例えば、ゲーム機2の電源が投入された後、ゲームプログラムPgに従ってゲームをプレイさせるために必要な準備が整えられ、ユーザからのプレイ料金の支払いが受け付け可能となるまでに実行されるべき一連の処理である。起動処理が完了していない場合、利用制御部34は今回の起動処理がキャンセルされるように制御部21の処理を操作してゲーム機2の起動それ自体を禁止する(ステップS24)。
一方、ステップS23で起動処理が完了していると判断された場合、利用制御部34はゲーム制御部31による次回以降のゲームのプレイの提供を禁止する(ステップS25)。その禁止は、例えばユーザによる新たなプレイの指示が不可能とし、あるいはゲーム機2の稼働それ自体を停止させるといった手法により実現されてよい。ステップS24又はS25の処理をもって今回の利用制限処理は終了する。ステップS22にて利用制限が設定されていないと判断された場合、ステップS23以降の処理がスキップされて今回の利用制限処理が終了する。図7の処理が実行されることにより、カード3に記録されたポイントの残高に応じてゲーム機2の利用が制御される。また、カード3の機種コードがゲーム機2に設定された利用可能機種コードCmの範囲内ではない場合にもゲーム機2の起動が禁止されるか、又は次回のゲームのプレイが禁止される。なお、ステップS24にてゲーム機2の起動を禁止した場合、ユーザから誤ってプレイ料金が徴収されるおそれはない。また、ステップS25にて次回以降のプレイを禁止した場合でも、利用が不可能である旨をゲーム機2にて表示し、あるいはコインセレクタ26に硬貨等が投入されても返却口へと強制的に硬貨等が返却されるようにゲーム機2のモードを変更し、あるいはコインセレクタ26への硬貨等の投入口をコインブロッカ等で塞ぐといった処理を加えることによりユーザからの料金の徴収を防ぐことができる。このような場合には、図7のステップS22にて図6のステップS15と同様にカード残高と下限値とを大小比較すれば、上述したように、図6のステップS15及びステップS16を省略することが可能である。この場合には、機種コードが適合していない限りプレイ料金の徴収が行われないため、図6のステップS11の処理も省略可能である。
図8は、ゲーム機2の制御部21がゲームのプレイに関連した情報をカード3に記録するために実行するプレイ情報記録処理の一例を示している。ゲーム機2の制御部21は、ゲームがプレイされた場合、そのゲームの適宜の区切りの時期に図8の処理を実行する。図8の処理を開始すると、制御部21の履歴記録部35は、今回のゲームのプレイ内容に関する情報をゲーム制御部31から取得し(ステップS31)、得られた情報がプレイ情報の一部としてカード3に記録されるようにリーダライタ25を制御することにより、プレイ内容を示す情報をカード3に記録する(ステップS32)。このとき、カード3の書換回数には1が加算される。記録が完了すると履歴記録部35は図8の処理を終了する。図8の処理により、図2のプレイ情報がプレイの履歴としてカード3に逐次記録される。
以上の説明では、カード3の機種コードを適用範囲情報の一例として利用して、カード3がゲーム機2に適合したものか否かを図6のステップS11及び図7のステップS21で判別するものとしたが、上述したように、カード3のソフトウエア識別コードを適用範囲情報の一例としてカード2がゲーム機2に適合したものか否かを判別することも可能である。その場合、ステップS11及びステップS21にて、機種コードの適合性の判別に代えて、又は加えて、カード3のソフトウエア識別コードとゲーム機2で提供されるゲームとの適合性を判別し、適合している場合に限って処理を進めるといった変形を施せばよい。
次に、図9~図12を参照してカード管理PC12が実行する処理の一例を説明する。図9は、オペレータOPが前払いした利用料をDBポイントに置き換えるためにカード管理PC12が実行する入金処理の一例を示している。ただし、図9の処理は、利用料がオペレータOPから仲介業者AGに支払われた場合を想定するものであって、その利用料を受領した仲介業者AGが管理するカード管理PC12の入力装置43を介した指示をトリガとして開始される。図9の入金処理において、まず制御部41の入金確認部45は入力装置43を介してオペレータOPが前払いした利用料の額を入金額として取得してこれをチャージ部46に通知する(ステップS41)。通知を受けたチャージ部46は、入金額に対応する量のDBポイントの加算をチャージ管理サーバ16bに対して要求する(ステップS42)。これにより入金処理は終了する。
チャージ管理サーバ16bは、DBポイントの加算要求を残高管理サーバ15bにさらに要求し、残高管理サーバ15bは要求された量のDBポイントをオペレータOPと対応付けて残高データベースDB2に記録されているDBポイントの残高に加算する。以上の処理により、オペレータOPが前払いした利用料がDBポイントへと置き換えられて運営システム4に保存される。なお、利用料とDBポイントとの間の換算率は、オペレータOPの所在地における通貨の為替相場に従って設定されてよい。オペレータOPが前払いした利用料の額は、例えば金融機関のオンライン処理等を利用してカード管理PC12が自動的に取得するものとしてもよい。その場合、入力装置43を介した利用料の額の取得は不要である。図9の処理が実行されることにより、オペレータOPが前払いした利用料がDBポイントに置換された状態で運営システム4に保持される。
図10は、オペレータOPが前払いした利用料に対応するDBポイントを利用してカード3にポイントをチャージするためにカード管理PC12が実行するチャージ処理の一例を示している。図10の処理も、カード管理PC12の入力装置43を介した指示をトリガとして開始される。図10のチャージ処理において、まず制御部41のチャージ部46は、入力装置43を介してカード3にチャージすべきポイントの量をチャージ量として取得し(ステップS51)、そのチャージ量以上のDBポイントが、カード3を提供すべきオペレータOPと対応付けて残高データベースDB2に保持されているか否かをチャージ管理サーバ16b及び残高管理サーバ15bを介して判別する(ステップS52)。チャージ量以上のDBポイントが保持されていると判断された場合、チャージ部46はステップS51で取得した量のポイントがカード残高に加算されるようにリーダライタ44を制御することにより、カード3にポイントをチャージする(ステップS53)。そのチャージに並行して、チャージ部46はカード3にチャージしたポイントの量をチャージ管理サーバ16bに通知する。その通知は残高管理サーバ15bにさらに転送される。残高管理サーバ15bはカード3が提供されるべきオペレータOPのDBポイントの残高をチャージ量に従って減算する。
ステップS53の処理が終わると、チャージ部46は今回のチャージの履歴がカード3に記録されるようにリーダライタ44を制御する(ステップS54)。例えば、チャージ部46は、チャージの日付、ポイントの加算量といったチャージの履歴を示す情報をチャージ情報としてカード3に記録し、かつ書換回数及びチャージカウンタの値に1を加算する。ステップS54の処理が完了すると、今回のチャージ処理は終了する。ステップS52でDBポイントの残高がチャージ量未満と判断された場合、チャージ部46は所定のエラー処理、例えば残高不足によりチャージができないといったメッセージを表示するといった処理を実行し(ステップS55)、その後に今回のチャージ処理を終了する。図10の処理が実行されることにより、仲介業者AGの指示に従って、オペレータOPのDBポイントの消費、換言すれば前払いした利用料の消費と引き換えにカード3にポイントがチャージされる。そのカード3がオペレータOPに提供されることにより、オペレータOPはゲーム機2を稼働させることができる。
図11は、カード3に機種コードを設定するためにカード管理PC12が実行する機種コード設定処理の一例を示している。図11の処理も、カード管理PC12の入力装置43を介した指示をトリガとして開始される。その指示は例えば提供業者PVから提供されたカード3に対して、特定のオペレータOPが利用できるようにポイントを最初にチャージする作業と併せて与えられてよい。図11の機種コード設定処理において、まず制御部41の範囲設定部47は、入力装置43を介してカード3に記録すべき機種コードの値を取得し(ステップS61)、その値がカード3に機種コードとして記録されるようにリーダライタ44を制御することにより、カード3の機種コードを設定する(ステップS62)。この場合もカード3の書換回数には1が加算される。その後、範囲設定部47は図11の処理を終了する。図11の処理が実行されることにより、仲介業者AGの指示に従ってカード3が適用可能な範囲を指定する機種コードがカード3に記録され、その機種コードに従って例えば図3に示したようにカード3の利用の可否が定まる。なお、適用範囲情報として機種コードに代えて、又は加えてソフトウエア識別コードが利用される場合には、図11に準じてカード管理PC12にて仲介業者AGがカード3のソフトウエア識別コードを適宜に設定し、あるいは変更できるようにすればよい。
図12は、カード3に記録された各種の情報を提供業者PVのカード管理システム15、あるいはゲーム管理システム16に提供するためにカード管理PC12が実行する情報読出処理の一例を示している。図12の処理も、カード管理PC12の入力装置43を介した指示をトリガとして開始される。一例として、カード3のカード残高が不足してオペレータOPから仲介業者AGにカード3が返送されるごとに、図12の処理を開始する指示がカード管理PC12に与えられてよい。あるいは、仲介業者AGに返送されたカード3に再度ポイントがチャージされる際に、図12の処理の開始が自動的に指示されてもよい。
図12の情報読出処理において、制御部41の情報読出部48は、カード3に記録されている全ての情報が読み出されるようにリーダライタ44を制御し(ステップS71)、得られた情報をチャージ管理サーバ16bに送信する(ステップS72)。その後、情報読出部48は図12の処理を終了する。チャージ管理サーバ16bは得られた情報をチャージログデータベースDB4、カード情報データベースDB5に記録する。図12の処理が実行されることにより、ゲーム機2の制御部21によってカード3に記録され、あるいは更新された情報を、カード3が仲介業者AGに返送されたタイミングで読み出し、得られた情報をデータベースDB4、DB5に適宜に反映させることができる。それにより、ゲーム機2がオフラインであって、そのゲームのプレイ履歴等が運営システム4はネットワークを介して取得不可能であっても、カード3を媒介としてゲーム機2の稼働状況、ゲームのプレイ状況といった情報を運営システム4が把握し、情報管理、あるいは分析等に用いることが可能となる。
以上の形態においては、ゲーム機2の制御部21における残高管理部33が図6のステップS12~S14の処理を実行することにより設定値更新手段の一例として機能し、利用制御部34が図6のステップS15、S16及び図7のステップS22~S25の処理を実行することによりサービス制御手段の一例として機能し、履歴記録部35が図8のステップS31及びS32の処理を実行することにより履歴記録手段の一例として機能する。カード管理PC12の制御部41におけるチャージ部46は、図10のステップS51~S54の処理を実行することにより設定値記録手段の一例として機能する。さらに、ゲーム機2の残高管理部33が図6のステップS11の処理を実行し、利用制御部34が図7のステップS21の処理を実行することにより、残高管理部33及び利用制御部34のそれぞれが適用判別手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、第1の事業者の一例としてのオペレータOPが前払いした利用料をDBポイントに置き換えて第2の事業者の一例としての運営組織MOが保持し、そのDBポイントの消費と引き換えにオペレータOPに提供されるべきカード3にポイントをチャージしている。すなわち、利用料の前払いはオペレータOPを単位として行われる一方で、ポイントのチャージは、一のオペレータOPに提供されるべきカードが単位として行われる。それにより、前払いした利用料を複数枚のカード3に分配してチャージするといった運用が可能となる。しかしながら、利用料の前払いをカード3ごとに受け付け、運営組織MOが前払いを受けるごとに対応するカード3に前払い額相当のポイントをチャージするようにしてもよい。この場合は、DBポイントに一旦置き換える処理が省略されてもよい。
図6及び図7の処理では、適用範囲情報の一例としてのカード3の機種コードとゲーム機2の利用可能機種コードCmとの適合の有無を判別し、不適合、すなわちカード3の機種コードがゲーム機2の利用可能機種コードCmの範囲外であればゲーム機2の起動それ自体を禁止し、あるいはゲームのプレイを禁止することにより、ゲーム機2で提供されるサービスの全体の提供の可否を制御したが、図3の例で言及したように、利用の制限はゲーム機2にて提供されるサービスの一部に関して制御されるものとされてもよい。その場合、利用制限を生じさせるべき範囲内のサービスに限って、ユーザからの料金の徴収に対応したカード残高の減算を実行し、かつ利用制限を生じさせるべき範囲内のサービスに限って、カード残高(残量)に応じた制限が生じるように図6及び図7の処理が変更されてもよい。カード3が適用可能なサービスの範囲は、種々の観点から指定することが可能である。例えば、サービスの種類、内容と関連付けてサービスの範囲が設定されてもよいし、サービス装置の種類と対応付けてサービスの範囲が設定されてもよいし、サービスを提供する第1の事業者と関連付けてサービスの範囲が設定されもよい。サービスが提供される地域、あるいは時間と関連付けてサービスの範囲が設定されてもよい。
一部の範囲のサービスに限定してカード残高の減算及び利用制限の制御を適用する場合、その範囲外のサービスに関してはカード残高の減算及び利用制限の制御の適用外として、ユーザに有償で又は無償でサービスを提供してもよい。一方、サービス装置にて提供されるサービスが適用範囲情報に基づいて判別されるサービスの範囲外である場合、そのサービス装置によるサービスの提供を禁止するものとしてもよい。これによれば、機種コードを用いて設定された範囲外にて、カード3のカード残高を利用してサービスが提供されるといった不都合の発生を防止することができる。
上記の形態では、サービス装置の一例として、ユーザに有償でゲームをプレイさせるゲーム機2を例示したが、サービス装置はそれに限らず、ユーザからの料金の徴収と引き換えに何らかのサービスをユーザに提供するものであれば適宜に変更可能である。例えば、シェアリングサービスに提供されるハードウエア機器、装置、設備等をサービス装置として本発明が適用されてもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るサービスシステム(1)は、ユーザから料金を徴収する料金徴収手段(26)を備え、当該料金徴収手段による前記料金の徴収と引き換えに前記ユーザにサービスを提供する少なくとも一つのサービス装置(2)を含み、前記サービス装置を介して前記サービスを提供する事業を営む第1の事業者(一例として図1のオペレータOP1、OP2)が、前記事業に関連して第2の事業者(一例として図1の運営組織MO)に前払いした利用料に応じて前記サービス装置を介した前記サービスの提供を制御するサービスシステムであって、前記第1の事業者が前払いした利用料に応じた設定値(一例として図2のカード残高)を含む所定の情報が記録された記憶媒体(3)に対して、前記所定の情報の読み取り及び書き込みができるようにして前記サービス装置に設けられた情報読取手段(25)と、前記料金徴収手段が徴収した料金に対応して前記記憶媒体に記録された設定値が減算されるように前記情報読取手段を制御する設定値更新手段(33、S12~S14)と、前記サービス装置を介した前記サービスの提供に関して前記設定値の残量に応じた制限が生じるように前記サービス装置を制御するサービス制御手段(34、S15、S16、S22~S25)と、を備えたものである。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、ユーザから料金を徴収する料金徴収手段(26)を備え、当該料金徴収手段による前記料金の徴収と引き換えに前記ユーザにサービスを提供する少なくとも一つのサービス装置(2)を含み、前記サービス装置を介して前記サービスを提供する事業を営む第1の事業者(一例として図1のオペレータOP1、OP2)が、前記事業に関連して第2の事業者(一例として図1の運営組織MO)に前払いした利用料に応じて前記サービス装置を介した前記サービスの提供を制御するサービスシステム(1)であって、前記サービス装置には、前記第1の事業者が前払いした利用料に応じた設定値(一例として図2のカード残高)を含む所定の情報が記録された記憶媒体(3)に対して、前記所定の情報の読み取り及び書き込みができるようにして情報読取手段(25)が設けられたサービスシステムに適用され、前記サービス装置のコンピュータ(21)を、前記料金徴収手段が徴収した料金に対応して前記記憶媒体に記録された設定値が減算されるように前記情報読取手段を制御する設定値更新手段(33、S12~S14)、及び前記サービス装置を介した前記サービスの提供に関して前記設定値の残量に応じた制限が生じるように前記サービス装置を制御するサービス制御手段(34、S15、S16、S22~S25)として機能させるように構成されたものである。
上記の態様によれば、第1の事業者が第2の事業者に前払いした利用料の少なくとも一部に相当する設定値を予め記憶媒体に記録した上で、その記憶媒体をサービス装置に装着し、サービス装置がユーザから徴収した料金に対応して記憶媒体の設定値を減算することにより、本来は第2の事業者に分配されるべき収益を設定値の減算に置き換えて処理し、それにより、ユーザから徴収した料金を第1の事業者と第2の事業者との間で実質的に分配する仕組みを実現することができる。しかも、設定値の残量に応じてサービスの提供に制限を生じさせることにより、前払いされた利用料の範囲を超えてサービスが提供される不都合の発生を回避し、収益分配が成り立たなくなる状況が生じるおそれを防ぐことができる。サービス装置におけるユーザからの料金の徴収と設定値の減算とは、サービス装置の単独処理よって実現できる。したがって、ネットワークに接続されていない環境下でも、事業者間の収益分配と関連付けてサービス装置を適切に制御することが可能である。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記態様において、サービスシステムは、前記第2の事業者による指示に従って前記設定値を前記記憶媒体に記録する設定値記録手段(46、S51~S54)をさらに備えてもよい。これによれば、第2の事業者の指示に従って記憶媒体に設定値が記録されるので、前払いされた利用料の範囲内で適切な設定値を記憶媒体に記録することが可能である。設定値が記録された記憶媒体は郵送その他の物理的な配送手段を利用して第2の事業者から第1の事業者に提供されればよく、サービス装置がネットワークに接続されていることを要しない。
また、前記サービス装置における前記サービス(一例としてゲームのプレイ)の提供に関する履歴が前記所定の情報として前記記憶媒体に記録されるように前記情報読取手段を制御する履歴記録手段(35、S31、S32)をさらに備えてもよい。これによれば、記憶媒体に記録された履歴を参照することにより、サービス装置がネットワークに接続されていない場合でも、そのサービス装置にてどのようにサービスが提供されているか、を確認し、あるいは分析するといった処理が可能となる。
前記記憶媒体には、当該記憶媒体に記録された設定値が適用されるべき前記サービスの範囲を指定する(一例として図2の機種コード、あるいはソフトウエア識別コード)が前記所定の情報として記録され、前記情報読取手段を介して前記適用範囲情報を読み取り、得られた適用範囲情報に基づいて前記設定値が適用されるべき前記サービスの範囲を判別する適用判別手段(33、34、S11、S21)がさらに設けられ、前記設定値更新手段は、前記適用判別手段にて判別された前記サービスの範囲に含まれるサービスに限って、前記料金徴収手段による前記料金の徴収に対応して前記設定値が減算されるように前記情報読取手段を制御し、前記サービス制御手段は、前記前記適用判別手段にて判別された前記サービスの範囲に含まれるサービスに限って、前記設定値の残量に応じた制限が生じるように前記サービス装置を制御してもよい。これによれば、記憶媒体に記録された適用範囲情報に基づいて、記憶媒体の設定値を利用した収益分配及び利用制限の制御を所定の範囲のサービスに制限することができる。したがって、サービスの範囲を事業者の都合等に応じて適切に設定することが可能である。
さらに、前記サービス制御手段は、前記サービス装置にて提供されるサービスが、前記適用判別手段にて判別された前記サービスの範囲に含まれない場合には、当該サービス装置における前記サービスの提供が禁止されるように前記サービス装置を制御してもよい。これによれば適用範囲情報を用いて設定された範囲外において、記憶媒体の設定値を利用してサービスが意図せずに提供される不都合の発生を防止することができる。