JP7267528B2 - カードリーダ収納ケース及びこれを用いるカードリーダ装置 - Google Patents

カードリーダ収納ケース及びこれを用いるカードリーダ装置 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 平成30年12月5日にNECプラットフォームズ株式会社にて説明。
本発明は、カードリーダ収納ケース及びこれを用いるカードリーダ装置に関する。
店舗では、例えば、顧客からの料金の支払い、会員情報の読み出し、ポイント付与などを行うとき、IC(integrated circuit)カードを用いて情報を読み書きする場合がある。ICカードは、情報やデータを記憶するIC(集積回路)が組み込まれたカードである。
ICカードの表面は、カード番号、所有者の氏名や識別情報、及び有効期限などが、文字を浮き彫りに加工するエンボス加工で印刷される場合がある。
また、ICカードの表面又は裏面は、磁気ストライプが帯状に設置される場合がある。磁気ストライプは、磁性体で構成され、磁性を変化させることで、データを書き換えることができる。
ICカードリーダに関する発明は、以下の特許文献に記載されている。あるカードリーダは、例えば、通常時は閉塞しているカード挿入口を、カード挿入時に開口させるようにしている。また、あるカードリーダは、カードを挿入するための挿入口と、挿入口を開閉する可動蓋を有し、可動蓋を挿入方向に対してほぼ直角方向にスライドする構成としている。
特開平2-25993号公報 特開2005-331558号公報
しかし、ICカードリーダは、一般に、屋内での使用を前提としたものが多い。そのため、防水や防塵機能が乏しいものが多い。
ICカードリーダは、例えば、暗証番号の入力などで使用するテンキーを有し、そのテンキーがボタンで構成される場合、ボタンと本体の隙間から水や埃が入ってしまうと、故障の原因となる。また、例えば、ICカードリーダのカード挿入口から水や埃が入ってしまうと、やはり故障の原因となる。
このようなICカードリーダの故障を防ぐため、屋外での使用を前提とした屋外用のICカードリーダも存在する。しかし、屋外用のICカードリーダは、例えば、一般的な屋内用のICカードリーダより高コストである場合がある。また、特に屋外用のICカードリーダを別途購入するよりも、既に購入済みである屋内用ICカードリーダを所有する場合、所有するICカードリーダを屋外用に流用することが好ましい。
そこで、一開示は、屋外でのカードリーダの故障を抑制するカードリーダ収納ケース及びこれを用いるカードリーダ装置を提供することにある。
一開示は、カードリーダを収納するカードリーダ収納ケースであって、ケーストレイ部位と、前記ケーストレイ部位の上部に接続し、前記カードリーダに覆い被せるケースカバー部位と、前記カードリーダで読み出し対象のカードの挿入及び引抜を制御するフラップ部位と、を有し、前記フラップ部位は、前記カードを挿入する挿入口と、前記挿入口の内側に設置され、前記挿入口から挿入された前記カードを、前記カードリーダのカード挿入口に誘導する複数のフラップ用リブと、前記挿入口の内側に設置され、前記カードが挿入されていないとき、前記挿入口を塞ぐ閉口状態とし、前記カードが挿入されているとき、前記カードによって跳ね上げられた開口状態とするフラップ片を有し、前記挿入口は、前記カードの挿入及び引抜時において、前記カードの表面に設けられた第1部位が、前記挿入口が接触しないように上方に開口された第1回避領域と、前記カードの裏面に設けられた第2部位が、前記挿入口に接触しないように下方に開口された第2回避領域と、を有する。
一開示は、屋外でのICカードリーダの故障を抑制することができる。
図1は、ICカードリーダ収納ケース1の例を示す図である。 図2は、ケースカバー部位10の例を示す図である。 図3は、ケーストレイ部位20の例を示す図である。 図4は、ケーストレイ部位20にICカードリーダ30が収納された例を示す図である。 図5は、ICカード40の例を示す図である。 図6は、フラップ部位11の分解図である。 図7は、フラップ部位11を右前方から見た斜視図の例を示す図である。 図8は、図7における領域A1を拡大した例を示す図である。 図9は、フラップ片113を右前方から見た斜視図である。 図10は、ICカードリーダ収納ケース1にICカードを挿入している例を示す図である。 図11は、フラップ部位11を後方から見た正面図、及びフラップ部位11を右から見た断面図の例を示す図である。 図12は、導光機能の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<ICカードリーダ収納ケース1の例>
図1は、本発明に従う、ICカードリーダ収納ケース1の例を示す図である。図1のICカードリーダ収納ケース1内に、図示されないICカードリーダが収納されて、ICカードリーダ装置が構成される。以下、ICカードリーダを単にカードリーダと呼ぶ場合がある。
また、図1において、ICカードリーダ収納ケース1の上下左右前後方向を図示する。なお、以降、上下方向を高さ、左右方向を横、前後方向を縦と表現する場合がある。
ICカードリーダ収納ケース1は、中にICカードリーダが収納された状態で、常時屋外に設置される。ICカードリーダ収納ケース1は、例えば、ガソリンスタンドなどの屋外で決済等を行う作業場に設置される。
ICカードリーダ収納ケース1は、収納するICカードリーダの大きさに応じた大きさとなる。しかし、ICカードリーダ収納ケース1は、例えばガソリンスタンドなどで使用される場合、決められたスペースに収まる必要がある。そのため、本実施の形態において、ICカードリーダ収納ケースの大きさは、例えば、横が112mm、縦が211mm、高さが96mm以下であるものとする。また、ICカードリーダ収納ケース1の材質は、例えば、PC+ABS樹脂である。
ICカードリーダ収納ケース1は、ケースカバー部位10と、ケーストレイ部位20とで構成される。ICカードリーダ収納ケース1は、上部のケースカバー部位10と、下部のケーストレイ部位20が分離する構造であり、ケーストレイ部位20にICカードリーダを載置し、その上部にケースカバー部位10を覆い被せるように接続することで、ICカードリーダを収納する。ケースカバー部位10は、フラップ部位11や液晶表示確認用窓12などを有する。
<ケースカバー部位10の例>
図2は、ケースカバー部位10の例を示す図である。ケースカバー部位10は、フラップ部位11、液晶表示確認用窓12、ケースカバーベース13で構成される。
ケースカバーベース13は、ケースカバー部位10のベースとなる部位であり、フラップ部位11及び液晶表示確認用窓12が接続されている。
フラップ部位11は、ICカードの挿入口である。フラップ部位11は、ケースカバーベース13にねじ止めされ、ケースカバー部位10に接続される。フラップ部位11の詳細については、後述する。
液晶表示確認用窓12は、ICカードリーダ収納ケース1内に収納されるICカードリーダが有する液晶を確認するための窓であり、透明又は半透明の材質で構成される。液晶表示確認用窓12の材質は、例えば、ポリカーボネートである。液晶表示確認用窓12は、例えば、両面テープや接着剤でケースカバーベース13の開口部に接続される。なお、ケースカバーベース13の開口部は、ユーザが液晶部の全体をICカードリーダ収納ケース1の上部から見ることが可能な大きさとし、収納されるICカードリーダの液晶部のおおよそ垂直(略垂直)上部に位置する。
<ケーストレイ部位20の例>
図3は、ケーストレイ部位20の例を示す図である。ケーストレイ部位20は、ケーストレイベース21及びヒーター部位22で構成される。
ケーストレイベース21は、ケーストレイ部位20のベースであり、内側の側面に強度を補強する複数のトレイ用リブを有する。また、ケーストレイベース21は、排水室212、ケースカバー接続穴211、及びケーブル穴213を有する。
ケースカバー接続穴211は、例えば、ケーストレイ部位20の前後に存在する穴であり、ケースカバー部位10の有する突起物が挿入されることで、ケーストレイ部位20にケースカバー部位10を位置づけ、固定する。また、ケースカバー接続穴211は、ねじなどの接続部品を介して、ケースカバー部位10を固定してもよい。
排水室212は、ケースカバー部位10のフラップ部位11から入ってきた水を貯める、あるいは廃棄するための溝である。排水室212を設けることで、ICカードリーダ収納ケース1内の他の部品(例えば、ICカードリーダ本体、ヒーター部位22など)に水が入ることを防止する。排水室212は、例えば、底面に水を排水するための穴を有してもよい。
ヒーター部位22は、ICカードリーダを温めるための部位である。ICカードリーダは、上述したように、屋内での使用が想定されているものが多いため、例えば、寒冷地の屋外の温度において、正常に使用できない場合がある。そこで、ヒーター部位22を設け、ICカードリーダを適宜温めることにより、ICカードリーダを所定温度以上に保つことで、正常な使用を維持することができる。ヒーター部位22は、例えば、面上のヒーター及びサーモスタット(図示しない)で構成される。
ヒーターは、例えば、ヒーター部位22の上部に設置される。ヒーターは、サーモスタットと連動し、所定温度以下になったときに稼働し、ヒーター部位22上部のヒーターの上に設置されるヒートシンクを介して、さらにその上に設置されているICカードリーダを下部から温める装置である。
サーモスタットは、所定温度以下になったときにヒーターを起動し、所定温度以上になったときにヒーターを停止する装置であり、例えば、ヒーターの下部に断熱板を挟んで設置される。ヒーターとサーモスタットの間に断熱板を設置することで、ヒーターの熱が直接サーモスタットに伝わることを防ぎ、ICカードリーダ収納ケース1内部のICカードリーダ周囲の温度を測定可能としている。
ケーブル穴213は、ケーストレイ部位20に収納されたICカードリーダに接続するケーブルを通す穴である。ケーブル穴213は、ICカードリーダ収納ケース1の後に設置されることで、ICカードリーダ収納ケース1の前面からケーブルを見えなくすることによる良好な外観を確保する。また、ケーブル穴213は、ICカードリーダ収納ケース1の後に設置されることで、前面よりもユーザが接触する回数が少ないため、接触されることによるケーブルの損傷や摩耗を減少させる。
ヒーター用ケーブル穴214は、ヒーターに電源を供給する電源ケーブルなどを通すための穴である。ヒーター用ケーブル穴214は、防水性能を有するグロメットが開口部に取り付けられる。
図4は、ケーストレイ部位20にICカードリーダ30が収納された例を示す図である。ICカードリーダ30は、例えば、テンキー301、表示部302、カード挿入口303、及びケーブル304で構成される。
テンキー301は、暗証番号やデータの入力に使用するボタンの集合である。テンキー301は、0~9までの数字ボタンのほかに、確定ボタン、取消ボタン、訂正ボタンなどがある。また、テンキー301は、ファンクションキーなどを有してもよい。
表示部302は、例えば、液晶パネルで構成され、カードから読み出した情報、エラー情報、残高情報などを表示する。表示部302に情報が表示されるタイミングは、例えば、ICカードを差し込み、正常に読み込むことができたときや、異常が発生したときである。
カード挿入口303は、ICカードを挿入し、取り出す口である。ユーザは、ケースカバー部位10のフラップ部位11を介して、カード挿入口303にICカードを挿入することで、ICカードが記憶する情報を読み出すことができる。
ケーブル304は、例えば、ICカードリーダに電源を供給する電源ケーブル、他の通信装置とデータの送受信を行うデータケーブル、もしくは、電源ケーブルとデータケーブルの供用ケーブルである。ケーブル304は、必要に応じてICカードリーダに取り付けられ、ケーストレイ部位20のケーブル穴213から、ICカードリーダ収納ケース1の外部に出される。
なお、図4における状態において、上部にケースカバー部位10を被せて接続することで、ICカードリーダ30を収納すると、ユーザはテンキー301を操作することができない状態となる。これは、屋外でのICカードリーダ30の使用においては、テンキー301の使用は限定的であると想定するためである。なお、屋外でテンキー301の操作が必要となる場合、ケースカバー部位10を外すことで、テンキー301の操作が可能となる。
<ICカード40の例>
図5は、ICカード40の例を示す図である。ICカードは、ICカードリーダ30でデータを読み出す(又は書き込む)対象のカードであって、例えば国内及び国際標準規格により、印字(エンボス)の位置や範囲、磁気ストライプの幅や長さや位置、ICチップの位置や範囲などが決められている。図5に示すICカードはあくまで一例であり、ICカードの印字、磁気ストライプ、ICチップなどの位置や大きさに応じて、後述するフラップ部位11の形状等を変更することで、ICカードリーダ収納ケースは、様々な形状(規格)のICカードに対応することができる。
ICカード40は、エンボス部401、ICチップ部402、磁気ストライプ部403で構成される。なお、磁気ストライプ部403は、ICカード40の裏面に位置するものとする。
エンボス部401は、エンボス加工での印字を許容する範囲であり、エンボス加工された印字は、文字部分が上部に突出している。エンボス部401には、例えば、カード番号、所有者の氏名、及び有効期限などの重要な情報が印字されている場合がある。そのため、エンボス部401に印字されている情報が、摩耗や衝撃により消失してしまうことは、カードとしての機能の一部を消失することとなり、好ましくない。
ICチップ部402は、ICチップが埋め込まれている領域である。ICカードリーダ30は、接触または非接触で、ICチップに記憶されている情報(データ)を読み出す。ICチップには、様々な情報やデータが記憶されている。そのため、ICチップが摩耗や衝撃により破損してしまうと、データの読み書きができなくなってしまい、カードとしての機能を果たすことができないため、好ましくない。
磁気ストライプ部403は、磁気ストライプが設置される領域である。ICカードリーダ30は、例えば、磁気ストライプから記憶されている情報を読み出してもよい。磁気ストライプには、様々な情報やデータが記憶されている。そのため、磁気ストライプが摩耗や衝撃により破損してしまうと、データの読み書きができなくなってしまい、カードとしての機能を果たすことができないため、好ましくない。
すなわち、エンボス部401、ICチップ部402、及び磁気ストライプ部403は、ICカード40を、ICカードリーダ収納ケース1のフラップ部位11、及びICカードリーダ30のカード挿入口303を通して、ICカードリーダ30に挿入するときに、摩耗や衝撃が加わらないように防御すべき領域である。一方、エンボス部401、ICチップ部402、及び磁気ストライプ部403とはかい離したICカード40の両端付近の領域である非防御領域404(図5における網掛け部分)は、ICカード40挿入時に、多少の摩耗や衝撃が加わっても故障等の問題は発生しない領域である。
<フラップ部位11の例>
図6は、フラップ部位11の分解図である。図6は、フラップ部位11を構成する各部品を、右後方から見た斜視図である。また、一点鎖線は接続関係を示す。フラップ部位11は、ICカードの挿入及び引抜を制御する部位である。
フラップ部位11は、フラップベース111、ガスケット112、フラップ片113、板バネ114、及びねじ115で構成される。フラップベース111、ガスケット112、及び板バネ114は、ねじ115で接続される。
フラップベース111は、導光板1112、フラップ部位止め用ねじ穴1113、フラップ用リブ1115、板バネ止め用ねじ穴1116、ケースカバーベース止め用突起1117、及びカード挿入口1118を有する。
導光板1112は、ICカードリーダ30のインジケーター用LED(Light Emitting Diode)の光を反射させ、外部に誘導する板である。導光板1112の材質は、例えば、透明又は半透明のアクリル板である。導光板1112を用いてICカードリーダ30のインジケーター用LEDの光を外部に誘導する導光機能については、後述する。
ケースカバーベース止め用突起1117は、フラップベース111をケースカバーベース13に固定する際の位置決め用として設けられる。
フラップ部位止め用ねじ穴1113は、ねじ等の接続部品を介して、フラップ部位11をケースカバー部位10に接続するためのねじ穴である。フラップ部位止め用ねじ穴1113は、例えば、フラップベース111の左右両端付近に設けられる。
板バネ止め用ねじ穴1116は、ねじ等の接続部品を介して、板バネ114をフラップベース111に接続するためのねじ穴であり、ねじ115で接続される。板バネ止め用ねじ穴1116は、フラップベース111の左右両端付近や、板バネ114の左右両端付近に設けられる。
フラップベース111の内側のフラップ部位止め用ねじ穴1113の穴周囲の凸部は、ガスケット112をフラップベース111に接続するための突起である。フラップ部位止め用ねじ穴1113の穴周囲の凸部は、ガスケット112が有するガスケット止め用穴1119に挿入されることで、ガスケット112をフラップベース111に接続する。
カード挿入口1118は、ICカードが挿入される領域であり、カードが挿入されていない状態では、後述するフラップ片113で閉じられている。
図7は、フラップ部位11を右前方から見た斜視図の例を示す図である。カード挿入口1118は、右側の下部に広く開いた領域である磁気ストライプ回避領域11181を有する。また、カード挿入口1118は、左側の上部に広く開いた領域であるエンボス回避領域11182を有する。すなわち、カード挿入口1118は、左右に回避領域を有し、段差を有する形状となっている。これは、例えば、ICカードが左側表面にエンボス部分を有するため、上部にエンボス回避領域11182を設け、上部に広く開くことでエンボス部の摩耗を防止している。また、例えば、ICカードが右側裏面に磁気ストライプを有するため、下部に磁気ストライプ回避領域11181を設け、下部に広く開くことで磁気ストライプの摩耗を防止している。
フラップベース111のカード挿入口1118は、埃が溜まった場合、カード挿入時にカードで埃を押し込んでしまう懸念がある。そこで、磁気ストライプ回避領域11181は、ICカードのICチップ読取に障害が発生しないように、磁気ストライプの位置だけでなくICチップの位置まで段差を拡げて、ICチップの読取り部分に埃が侵入しないようにする。
また、フラップベース111は、上部に導光窓1111を有する。導光窓1111は、導光板1112を通して誘導されたICカードリーダ30のインジケーター用LEDの光を外部に発する窓である。ユーザは、導光窓1111を確認し、ICカードリーダ30のインジケーター用LEDが光っているか否で、ICカードリーダのアクティブ状態を確認することができる。
図6に戻り、フラップ用リブ1115は、フラップベース111の一部として下部に設置された板状の構造物である。フラップ用リブ1115は、例えば図6に示すように、それぞれが間隔を空けて、4つ設置される。フラップベース111は、例えば、上面がフラップ部位11のICカードが挿入されるカード挿入口1118と略垂直に設置されることで、ICカードの挿入時に、なめらかにICカードリーダ30までICカードを誘導することが可能となる。なお、なめらかにICカードをICカードリーダ30のカード挿入口まで誘導するために、フラップ部位11は、下部が前方(上部が後方)に傾けてケースカバー部位10に設置される。また、フラップ用リブ1115は、排水機能も有するが、排水機能については後述する。
なお、図6におけるフラップ用リブ1115は、あくまで一例であって、フラップ用リブ1115の数は、例えば、ICカードをICカードリーダ30のカード挿入口まで誘導することが可能なだけ存在すればよい。また、フラップ用リブ1115の数は、例えば、後述する排水機能を満たす数だけ存在すればよい。
ガスケット112は、フラップ部位11に気密性や液密性を持たせるため使用されるシール材である。ガスケット112は、ケースカバーベース止め用突起穴1121及びガスケット止め用穴1119を有する。ケースカバーベース止め用突起穴1121は、ケースカバーベース止め用突起1117を挿通するものであり、ガスケット止め用穴1119は、フラップ部位止め用ねじ穴1113の穴周囲の凸部を挿通するためのものである。なお、ガスケット112は、両面テープなどにより、フラップベース111に固着することができる。
フラップ片113は、フラップ部位11のカード挿入口から水や埃が入らないようにするための部品である。フラップ片113は、フラップベース111に接続され、ICカード挿入時にはICカードに押されることで回転し、ICカードが入るスペースが確保される。また、フラップ片113は、ICカードが抜きだされたときには、ICカードに押される力がなくなり、カード挿入口1118を閉じる。フラップ片113の詳細については、後述する。
板バネ114は、フラップ片113を押さえるための板バネである。板バネ114は、板バネ止め用ねじ穴1116を両端に有し、フラップベース111が有する板バネ止め用ねじ穴1116にねじ115を介して接続される。板バネ114は、フラップ片113をフラップベース111の方向に押さえる。
板バネ114に押さえられたフラップ片113は、カード未挿入時は、カード挿入口1118を閉じた閉口状態である。一方、板バネ114に押さえられたフラップ片113は、カード挿入時は、フラップ片113の下部がカードに押し込まれ、内側に跳ね上がった開口状態である。フラップ片113は、板バネ114によって、カード又はフラップベース111に圧力をかけながら接触(圧接触)している。
<フラップ片113の例>
図9は、フラップ片113を右前方から見た斜視図である。なお、図9のフラップ片113は、カード挿入口1118を閉じた閉口状態の例を示す図である。
フラップ片113は、エンボス回避溝1131、排水突起1132、エンボス回避突起1133、及び回転軸1134で構成される。
フラップ片113は、回転軸1134の突起部分がフラップベース111に、回転可能な状態で接続される。フラップ片113は、回転軸1134を中心に回転する。フラップ片113は、カードが挿入されるとき、下部にカードが入ってくることで、前方から後方に押し上げられる。
エンボス回避溝1131は、フラップ片113の上部に、複数設けられる。エンボス回避溝1131は、カードを挿入又は引き抜くときに、エンボス部がフラップ片113の表面に直接あたることで、摩耗したり破損したりすることを回避するための溝である。エンボス回避溝1131の下をカードが通過するとき、カードのエンボス部は、フラップ片113と接触しない、あるいは、接触してもフラップ片113からかかる圧力が少ない。これにより、カードのエンボス部が直接フラップ片113と接することが少なくなり、あるいはかかる圧力が少なくなり、エンボス部の摩耗及び破損を回避することができる。さらに、エンボス回避溝1131を設けることで、樹脂成型時に部材の肉厚の均一性を高めることができる。
排水突起1132は、フラップベース111のカード挿入口1118付近にたまっている水や埃を、排出する(掻き出す)ための突起である。排水機能については、後述する。
エンボス回避突起1133は、フラップ片113の左右両辺(おおよそ両端:略両端)の下部に設けられる。エンボス回避突起1133は、カードの挿入又引抜時に、エンボス部がフラップ片113の表面に直接あたり、摩耗したり破損したりすることを回避するための突起である。エンボス回避突起1133は、カードの左右に存在する非防御領域404(図5参照)にあたる位置に設けられる。
図10は、ICカードリーダ収納ケース1にICカードを挿入している例を示す図である。図10に示すように、カードを挿入又は引き抜くときに、エンボス回避突起1133により、エンボス部やICチップ、磁気ストライプが、フラップ片113に直接触れることはない。すなわち、エンボス回避突起1133は、カードの非防御領域404に圧力をかけながら接触(圧接触)しながらフラップ片113を押し上げるため、カードの挿入及び引き抜き時に、フラップ片113がカードの非防御領域404以外の部分に触れないようにし、エンボス部の摩耗や破損、磁気ストライプ及びICチップの破損を防止する。
また、エンボス回避突起1133は、カードと圧接触することから、カードの挿入及び引抜において、カードの上下方向のばたつきを防ぎ、カードのなめらかな挿入及び引抜を可能とする。
<排水機能について>
次に、ICカードリーダ収納ケース1の排水機能について説明する。排水機能とは、収納するICカードリーダに水や埃が入らないようにする機能である。
図7に示すように、フラップベース111のカード挿入口1118の下部の内壁面とフラップ片113の排水突起1132の先端付近は、密着しておらず、わずかな間隙を設けることにより、排水溝11183を形成している。図8に、図7における領域A1(一点鎖線で囲まれた領域)を拡大表示した例を示す。排水溝11183は、図8に示すように、フラップベース111、排水突起1132等で構成される溝を示す。
図7では、排水突起1132の先端部が、カード挿入口1118の下部の内壁面と高さ方向において若干重なるようにし、上下方向に開口する隙間としているため、排水突起1132の先端部は、フラップ用リブ1115を避けるように、櫛歯状に形成されている。そのため、排水溝11183も、フラップ用リブ1115に対応して分割されて構成されている。
フラップ片113が、閉口状態のときに、カード挿入口1118付近に付着した水滴は、排水溝11183の上部の開口から浸入し内部を通過し下部の開口から、ICカードリーダ収納ケース1内部の下方へ排出される。これにより、カード挿入口1118付近に多くの水滴が付着した状態で、カードが挿入されることを防ぐことができる。
また、排水溝11183を通過しない大きさ、形状の埃などが、カード挿入口1118の下部に付着していた場合には、カードの挿入により、排水溝11183が拡げられるとともにカードにより押し込まれて、ICカードリーダ収納ケース1内部の下方へ排出される。
図11(A)は、フラップ部位11を後方から見た正面図の例を示す図である。図11(B)は、フラップ部位11を右から見た断面図の例を示す図である。図11(A)及び(B)の矢印は、フラップ片113の排水突起1132及び排水溝11183によって、ICカードリーダ収納ケース1の内部に排出された埃や水分の流れの例を示す。
フラップ片113の排水突起1132及び排水溝11183によって、ICカードリーダ収納ケース1の内部に排出された埃や水分(以下、排出水と呼ぶ場合がある)は、フラップ用リブ1115の間を流れ落ちる(矢印A1~A4)。なお、フラップ用リブ1115の間は、例えば、排出水が表面張力で留まらないようにするため、所定距離以上を空けるようにする。すなわち、フラップ用リブ1115の間隔(所定距離)は、フラップ用リブ1115の形状に基づく水の表面張力に基づいて決定される。
そして、流れ落ちた排出水は、ケーストレイ部位20の排水室212に入り、外部に排出されたり、排水室212に蓄積されたりする。
また、排出水がフラップ用リブ1115の上面に流れた場合(矢印A5)、排出水はフラップ用リブ1115の上面に沿って流れ、フラップ用リブ1115の下部の傾斜部分に沿って(矢印A6)、流れ落ちる(矢印A7)。フラップ用リブ1115は、図11(B)に示すように、長方形又は正方形の一辺(最も後ろに位置する辺)が、後ろから前方向に傾斜を有するおおよそ台形(略台形)である。そして、流れ落ちた排出水は、ケーストレイ部位20の排水室212に入り、そのまま外部に排出されたり、排水室212に蓄積されたりする。フラップ用リブ1115は、傾斜を有することで、フラップ片113が閉口状態又は開口状態に関わらず、フラップ用リブ1115(又は排水溝11183)に付着した水分を、下方に排出することができる。
このように、ICカードリーダ収納ケース1は、カード挿入口1118に入ってきた埃や水を、排水室212まで(もしくは外部に)排出することで、ICカードリーダ30に埃や水が接触してしまうことを防止する。
なお、排水溝11183は、排水突起1132の数と同数、又は排水突起1132の数以下の数だけ存在すればよい。図7の排水溝11183の数は、あくまで一例であって、排水溝11183は、排水突起1132の数に対応した数だけ存在すればよい。
さらに、フラップ用リブ1115の数も、排水突起1132や排水溝11183に対応する数だけあればよい。
<導光機能について>
次に、ICカードリーダ収納ケース1の導光機能について説明する。導光機能とは、ICカードリーダ30のインジケーター用LEDの光を、外部に誘導する機能である。
図12は、導光機能の例を示す図である。図12は、ICカードリーダ収納ケース1を左から見た断面図の例を示す図である。ICカードリーダ収納ケース1は、ICカードリーダ30を収納している。なお、図12の矢印は、光の経路の例を示す。
ICカードリーダ30は、インジケーター用LED305(以下、LED305と呼ぶ場合がある)から光を発する。LED305から発せられた光は、様々な方向に拡散する。一部の光は、導光板1112に直接到達し、導光板1112内を直進したり、導光板1112の各側面を反射したりし、導光窓1111から外部に放出される。
しかし、上述した一部の光以外の光は、LED305からの放出角度によっては、導光板1112に直接到達しない。そこで、ケースカバー部位10の裏面(LED305の上空)に光を反射する反射板101を設置する。すると、導光板1112に直接到達はしないが、反射板101に到達する光の一部(矢印A21)は、反射板101によって反射され、導光板1112に到達する(矢印A22)。そして、当該光は、導光板1112の各側面を反射しながら(矢印A23~A27)導光窓1111に到達し(矢印A28)、導光窓1111から外部に放出される。
これにより、導光板に1112に直接到達する光だけではなく、直接到達しない一部の光も導光窓1111から外部に放出することができ、より明るい光を導光窓1111から発することができ、ユーザがLEDの光を確認しやすくなる。
1 :ICカードリーダ収納ケース
10 :ケースカバー部位
11 :フラップ部位
12 :液晶表示確認用窓
13 :ケースカバーベース
20 :ケーストレイ部位
21 :ケーストレイベース
22 :ヒーター部位
30 :ICカードリーダ
40 :ICカード
101 :反射板
111 :フラップベース
112 :ガスケット
113 :フラップ片
114 :板バネ
115 :ねじ
211 :ケースカバー接続穴
212 :排水室
213 :ケーブル穴
301 :テンキー
302 :表示部
303 :カード挿入口
304 :ケーブル
401 :エンボス部
402 :ICチップ部
403 :磁気ストライプ部
404 :非防御領域
1111 :導光窓
1112 :導光板
1113 :フラップ部位止め用ねじ穴
1115 :フラップ用リブ
1116 :板バネ止め用ねじ穴
1117 :ケースカバーベース止め用突起
1118 :カード挿入口
1119 :ガスケット止め用穴
1121 :ケースカバーベース止め用突起穴
1131 :エンボス回避溝
1132 :排水突起
1133 :エンボス回避突起
1134 :回転軸
11181 :磁気ストライプ回避領域
11182 :エンボス回避領域
11183 :排水溝

Claims (9)

  1. カードリーダを収納するカードリーダ収納ケースであって、
    ケーストレイ部位と、前記ケーストレイ部位の上部に接続し、前記カードリーダに覆い被せるケースカバー部位と、前記カードリーダで読み出し対象のカードの挿入及び引抜を制御するフラップ部位と、を有し、
    前記フラップ部位は、
    前記カードを挿入する挿入口と、
    前記挿入口の内側に設置され、前記挿入口から挿入された前記カードを、前記カードリーダのカード挿入口に誘導する複数のフラップ用リブと、
    前記挿入口の内側に設置され、前記カードが挿入されていないとき、前記挿入口を塞ぐ閉口状態とし、前記カードが挿入されているとき、前記カードによって跳ね上げられた開口状態とするフラップ片を有し、
    前記挿入口は、前記カードの挿入及び引抜時において、
    前記カードの表面に設けられた第1部位が、前記挿入口が接触しないように上方に開口された第1回避領域と、
    前記カードの裏面に設けられた第2部位が、前記挿入口に接触しないように下方に開口された第2回避領域と、を有する
    カードリーダ収納ケース。
  2. 前記第1部位は、エンボス加工で印字された上方に突出した文字を含み、
    前記第2部位は、磁気ストライプを含む
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  3. 前記フラップ片は、略両端に、前記カードの挿入及び引抜時に前記カードと圧接触する突起部分である第3回避突起を有する
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  4. 前記フラップ片は、下部に第4突起を有し、
    前記挿入口と前記第4突起により形成される第5溝を有し、
    前記フラップ片が前記閉口状態のとき、前記第5溝を通して前記第5溝に付着した付着物を排出する
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  5. 前記フラップ用リブは、前記フラップ用リブに付着した水分を下部に落下させる傾斜を有する略台形である
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  6. 前記フラップ片は、前記第1部位が前記フラップ片に接触しないように前面に第6溝を有する
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  7. 前記複数のフラップ用リブは、それぞれ所定距離以上の間隔を空けて設置され、
    前記所定距離は、水の表面張力に基づいて決定される
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  8. 前記ケースカバー部位は、前記カードリーダの発する光を、前記カードリーダ収納ケースの外部に放出する導光窓と、
    前記導光窓まで前記光を導光する導光板と、
    前記カードリーダから前記導光板まで直接到達しない未到達光の一部又は全部を、前記導光板に反射させる反射板を有する
    請求項1記載のカードリーダ収納ケース。
  9. カードリーダと、前記カードリーダを収納するカードリーダ収納ケースで構成されるカードリーダ装置であって、
    前記カードリーダ収納ケースは、ケーストレイ部位と、前記ケーストレイ部位の上部に接続し、前記カードリーダに覆い被せるケースカバー部位と、前記カードリーダで読み出し対象のカードの挿入及び引抜を制御するフラップ部位と、を有し、
    前記フラップ部位は、
    前記カードを挿入する挿入口と、
    前記挿入口の内側に設置され、前記挿入口から挿入された前記カードを、前記カードリーダのカード挿入口に誘導する複数のフラップ用リブと、
    前記挿入口の内側に設置され、前記カードが挿入されていないとき、前記挿入口を塞ぐ閉口状態とし、前記カードが挿入されているとき、前記カードによって跳ね上げられた開口状態とするフラップ片を有し、
    前記挿入口は、前記カードの挿入及び引抜時において、
    前記カードの表面に設けられた第1部位が、前記挿入口が接触しないように上方に開口された第1回避領域と、
    前記カードの裏面に設けられた第2部位が、前記挿入口に接触しないように下方に開口された第2回避領域と、を有する
    カードリーダ装置。
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