JP7267063B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、
冷凍サイクル装置における断熱膨張過程で通常採用されている膨張弁に代わり、膨張タービンを有する膨張機を用いることが提案されている。この冷凍サイクル装置によれば、等エントロピ変化させることにより熱の損失を低減するとともに冷媒の膨張エネルギをタービンで回収し、タービンに接続した発電機で発電、電力を取り出して圧縮機の駆動動力や補器駆動に利用することができる。
例えば、特許文献1は、膨張機のバイパス流路によって、密度比一定の制約を回避できるだけでなく、放熱器出口側の冷媒とバイパス流路の冷媒とで内部熱交換を行うことにより、動力回収に寄与しないバイパス流路を流れる冷媒を最小限に抑制する冷凍サイクル装置が提案されている。特許文献1の冷凍サイクル装置は、圧縮機、放熱器、内部熱交換器、膨張機、蒸発器を直列に接続した主冷媒回路と、膨張機の入口側から分岐し、第1の流量制御弁、内部熱交換器を経由して、膨張機の出口側を接続するバイパス流路とを備えている。
特開2008-14602号公報
ここで、例えば地域冷暖房の熱源用として使用されているターボ冷凍装置は、周知のように、電動機で駆動される遠心タービン型のターボ圧縮機を備えている。従来からターボ冷凍装置に使用されているHFC(Hydro-Fluoro-Carbon)冷媒は、GWP(地球温暖化係数)が大きいため、GWPが小さいHFO(Hydro-Fluoro-Olefin)冷媒への転換が急がれている。従来のHFC-134a等が高圧冷媒であるのに対して、HFO(Hydro-Fluoro-Olefin)冷媒の中で、例えばHFO-1233zd(E)等は、最高圧力0.2MPaG未満で使用される低圧冷媒である。
膨張機にはいくつかのタイプがあるが、膨張ノズルと衝動タービンを組み合わせた膨張機の場合、膨張機の効率は膨張機入口の冷媒状態によって変化し、一般的に冷媒温度が高い、つまり過冷却度が小さい方が膨張機の効率は高くなる。一方、過冷却度を大きくすると蒸発器での熱交換量が増加し、サイクル性能は向上するため、適切な過冷却度で運転しないと、膨張機を適用したことによる性能向上の効果が限定的になる。
また、本発明者らの検討よれば、HFO-1233zd(E)などの低圧冷媒は、膨張ノズルの入口側の圧力が低いために、ノズル内で液滴が微細化されにくく、高圧冷媒を使用した場合に比べてノズル効率およびタービン効率は低い。また、膨張機において、ノズル入口の過冷却度が大きくなるほど、ノズル効率が低下する。
以上より、本発明は、HFO-1233zd(E)等の低圧冷媒を用いたとしても、冷凍サイクルの効率は維持しつつ、膨張機における効率の低下を防止できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器から流出した冷媒に過冷却度を与えるサブクーラと、サブクーラから流出した冷媒を減圧させて気液二相冷媒にする膨張機と、膨張機に流入する冷媒の過冷却度を調整する過冷却度調整機構と、膨張機から流出した気液二相冷媒を気液分離する気液分離器と、気液分離器によって気液分離された液冷媒を減圧させる膨張弁と、膨張弁から流出した液冷媒を蒸発させ、かつ、流出した冷媒が圧縮機に吸入される蒸発器と、を備える。
本発明の冷凍サイクル装置は、凝縮器と膨張機を接続し、サブクーラ15が設けられる冷媒流路を備える。この冷凍サイクル装置におれる過冷却度調整機構は、好ましくは、冷媒流路に並行に設けられるバイパス流路と、バイパス流路に設けられ、バイパス流路を流れる冷媒の流量を調整する流量調整弁と、を備える。
本発明における流量調整弁は、好ましくは、膨張機における過冷却度に関する性能情報に基づいて、その開度が調整される。
この場合、本発明の冷凍サイクル装置は、好ましくは、性能情報に基づいて予め設定される過冷却度に計測される過冷却度が該当するときの流量調整弁の開度を固定して運転される。
好ましくは、運転開始時において、流量調整弁の開度が固定される。
本発明の冷凍サイクル装置によれば、膨張機に流入する冷媒の過冷却度を調整する過冷却度調整機構を備えるので、低圧冷媒を用いたとしても、冷凍サイクルの効率は維持しつつ、膨張機における効率の低下を防止できる。
本発明の実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成を示す図である。 本実施形態に係る冷凍サイクル装置におけるモリエル線図である。 膨張機における過冷却度とノズル効率との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る冷凍サイクル装置の流量調整弁の制御手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る冷凍サイクル装置の他の流量調整弁の制御手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る冷凍サイクル装置の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る冷凍サイクル装置10ついて説明する。冷凍サイクル装置10は、低圧冷媒であるR1233zd(E)が適用される二段圧縮および二段膨張の冷凍サイクルで運転される。冷凍サイクル装置10は、流量調整弁17を備えるバイパス流路L4をサブクーラ15と並行に設け、運転状態に応じて冷媒のバイパス量を調整することにより、膨張機19の入口における過冷却度を制御する(図1)。このとき、予め把握している、ノズル効率と過冷却度の関係(図3)に基づいて、流量調整弁17の開度を調整することで、冷凍サイクル装置10の効率を維持しつつ、ノズル効率が低下しない程度の過冷却度で冷凍サイクル装置10を運転できる。
[冷凍サイクル装置10の構成]
本実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、図1に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機11と、圧縮機11によって圧縮された高温高圧の流体である冷媒ガスを冷却水によって凝縮する凝縮器13と、凝縮器13にて凝縮された液相の冷媒(液冷媒)に対して過冷却を与えるサブクーラ15と、を備える。また、冷凍サイクル装置10は、サブクーラ15を経た液冷媒を膨張させる膨張機19と、膨張機19を経た冷媒が供給される気液分離器21と、を備えている。また、冷凍サイクル装置10は、気液分離器21で分離された液冷媒を低圧に減圧する膨張弁23と、冷凍サイクル装置10は、膨張弁23によって膨張させられた液冷媒を蒸発させると共に冷媒と冷水とを熱交換する蒸発器25と、を備えている。冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、凝縮器13、サブクーラ15、膨張機19および蒸発器25を冷媒流路L1、L2、L3、L5、L6、L7およびL9により接続して冷凍サイクルを構成している。
冷凍サイクル装置10は、以上に加えて、サブクーラ15に接続される冷媒流路L2、L3に対して並行にバイパス流路L4を備え、このバイパス流路L4には、流量調整弁17が設けられている。バイパス流路L4と流量調整弁17とで本発明の過冷却度調整機構を構成する。
また、冷凍サイクル装置10は、気液分離器21で分離・蒸発されたガス冷媒を圧縮機11に注入するインジェクション流路L8を備えている。
さらに、冷凍サイクル装置10は、各センサからの入力に応じて圧縮機11および流量調整弁17を制御する制御装置30を備えている。
圧縮機11は、例えば遠心式の2段圧縮機からなり、電源からの入力周波数を変更するインバータにより回転数制御された電動モータによって駆動される。
2段圧縮式の圧縮機11は、低段側の圧縮機構と高段側の圧縮機構を備え、低段側の圧縮機構で圧縮された中間圧の冷媒ガスに、インジェクション流路L8を介して、気液分離器21で分離・蒸発されたガス冷媒が注入(インジェクション)される。
サブクーラ15は、凝縮器13の下流側に設けられ、凝縮された冷媒に対して過冷却を与えるように設けられている。
凝縮器13およびサブクーラ15には、これらを冷却するための図示を省略する冷却伝熱管が挿通されており、冷却水を冷却源として冷媒ガスを凝縮する。
流量調整弁17は、制御装置30の指示にしたがって、バイパス流路L4を流れる冷媒の流量を調整することにより、サブクーラ15を流れる冷媒の流量を制御する。
膨張機19は、膨張機19の構成要素であるタービンに図示を省略する発電機を接続し、タービンの回転に伴なう発電電力を取り出して、圧縮機11を駆動する電動モータ、その他の冷凍サイクル装置10における補器類の駆動源の電源となる。つまり、膨張機19と圧縮機11は同軸で接続されているわけではない。膨張機19は、膨張ノズルと衝動タービンを組み合わせた構成を有しており、サブクーラ15を通過した冷媒または当該冷媒とバイパス流路L4を通過した冷媒の混合冷媒を膨張ノズルに導き、衝動タービンに向けて噴出させる。これにより、衝動タービンの羽根車を回転させることで、速度エネルギを動力エネルギに変換する。
膨張弁23は、膨張機を用いることもできるが、膨張弁23を通る冷媒の量が少ないので、膨張機を用いてもそれに見合うだけの電力を発電できないこともある。
蒸発器25は、冷水を用いて吸熱することによって定格温度(例えば7℃)の冷媒ガスを生成する装置である。蒸発器25には、図示を省略する冷水伝熱管が挿通されている。
本実施形態の冷凍サイクル装置10には、環境負荷を軽減するため、地球温暖化係数(GWP)およびオゾン破壊係数(ODP)がともに低い、HCFO(ヒドロクロロフルオロオレフィン)冷媒の1つであるR1233zd(E)冷媒が所要量充填されているものとする。このR1233zd(E)冷媒は、低圧冷媒であって密度が低く、HFC冷媒の1つであるR134a冷媒等の高圧冷媒に対して密度が5分の1程度であることが知られている。
[冷凍サイクル装置10の冷凍サイクルの動作]
図2に示される本実施形態に係るモリエル線図および図1を参照しながら、冷凍サイクル装置10の冷凍サイクルの全体動作について説明する。図2に示されるP1~P8は、それぞれ図1に示すP1~P8に対応する。
圧縮機11に吸入されたガス冷媒(P6)は、圧縮機11の低段側の圧縮機構によって圧縮されて(P7)、この圧縮された冷媒は、気液分離器21から流れてきたガス冷媒と合流して(P8)、さらに高段側の圧縮機構によって圧縮されてから圧縮機11から吐出される。
圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒(P1)は、凝縮器13に流入する。凝縮器13に流入した冷媒は、本実施形態においては水と熱交換して凝縮し、凝縮器13から流出する。
凝縮器13から流出した高温・高圧の液冷媒(P2)は、サブクーラ15に流入して過冷却が与えられてから膨張機19に流入する。
膨張機19に流入した冷媒は、膨張機19によって膨張および減圧され(P3)、気液二相冷媒となり、気液分離器21に流入する。気液分離器21に流入した気液二相冷媒は、気液分離器21によって気液分離され、エンタルピの低い液冷媒(P4)は、冷媒流路L6を介して膨張弁23へ向かい、液冷媒よりもエンタルピの高いガス冷媒はインジェクション流路L8を介して圧縮機11へ向かう。
気液分離器21から膨張弁23に流入した液冷媒は、膨張弁23によって膨張および減圧され(P5)、気液二相冷媒となり、蒸発器25に流入する。蒸発器25に流入した気液二相冷媒は、本実施形態の場合には水と熱交換して蒸発し、ガス冷媒となって蒸発器25から流出する。蒸発器25から流出したガス冷媒(P6)は、再び圧縮機11に吸入され低段側の圧縮機構で圧縮される(P7)。
気液分離器21によって気液分離されたガス冷媒は、インジェクション流路L8を介して、圧縮機11の中間段に吸入されると、低段側の圧縮機構で圧縮されたガス冷媒と合流し(P8)、合流した冷媒は、圧縮されて吐出される(P1)。
[流量調整弁17を用いた過冷却度の制御]
次に、図2、図3および図4を参照して、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度を調整する手順を説明する。
図3は、膨張機19における過冷却度に関する性能情報の一例である過冷却度とノズル効率との関係を示している。図3に示すように、過冷却度が高くなるとノズル効率が低下し、膨張機19における特性も低下する。図3に示される過冷却度とノズル効率の傾向は、HFO-1233zd(E)などの低圧冷媒に固有のものである。一方で、過冷却度を大きくすると蒸発器25における熱交換量が増加し、冷凍サイクル装置10におけるサイクル性能は向上する。したがって、膨張機19における特性と蒸発器25における特性とを考慮すると、適切な過冷却度で冷凍サイクル装置10が運転される必要があり、膨張機19を適用したことにより性能向上の効果を享受できない。
そこで、冷凍サイクル装置10は、流量調整弁17を設け、かつ、流量調整弁17の開度を調整することで、サブクーラ15を通過する冷媒の量を調整することで、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度を制御する。流量調整弁17の開度は制御装置30からの指示に基づいて制御される。制御装置30は、図3に示される過冷却度とノズル効率との関係についての情報を保持している。また、制御装置30は、図4に示される流量調整弁17の制御手順に関するプログラムが保持されており、このプログラムに基づいて流量調整弁17の開度を調整する。図4に基づいて、流量調整弁17の制御手順を説明する。
冷凍サイクル装置10の運転が開始されると、制御装置30は、凝縮器13における冷媒の圧力(凝縮圧力)と設定圧力との大小関係を判定する(図4 S101)。このステップは、冷凍サイクル装置10を流れる冷媒が低圧冷媒に該当するのか高圧冷媒に該当するのかの判定を行うものである。冷凍サイクル装置10を流れる冷媒は通常は既知であるからこのステップは不要ともいえるが、本実施形態においては確認の意味を込めてこのステップを実行する。
凝縮圧力が設定圧力以上の圧力であれば(S101 NO)、冷凍サイクル装置10を流れる冷媒は高圧冷媒である。高圧冷媒であれば、図3に示される過冷却度が高くなるとノズル効率が低下するという傾向を示さないので、過冷却度の調整は不要である。
一方、凝縮圧力が設定圧力未満の圧力であれば(S101 YES)、冷凍サイクル装置10を流れる冷媒は低圧冷媒であるから、図3のS103以降の過冷却度の調整手順が実行される。
制御装置30は、低圧冷媒であることを確認すると、それまで全閉であった流量調整弁17の開度を一旦全開とする(S103)。これにより、サブクーラ15に流入する冷媒は、流量調整弁17が全閉の時に比べて減り、サブクーラ15を流れる冷媒とバイパス流路L4を流れる冷媒の比率は例えば1:1になる。したがって、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度は低くなる。サブクーラ15を流れる冷媒とバイパス流路L4を流れる冷媒との比率は、例えばサブクーラ15と流量調整弁17を冷媒が流れるときの抵抗などによって適宜調整できる。
ここで、図2において、膨張の過程の一点鎖線の矢印Cは膨張機19の替りに膨張弁を設けたときを示し、破線の矢印Bは膨張弁を単純に膨張機に置き換えたときを示している。膨張弁を単純に膨張機に置き換えると、等エントロピ変化させることができるので、熱の損失を抑えることができる。この熱の損失は、破線の矢印Cと一点鎖線の矢印Bの先端(終点)におけるX軸方向の差分として与えられる。
同様に、本実施形態は実線の矢印Aで示され、図2においては、凝縮を示すX軸方向の線分と飽和液線との交点と矢印Aの始点とが一致するように描かれている。この図2における矢印Aの始点の位置は、過冷却度によって図中の右または左にずれる。つまり、過冷却度が低くなるとこの始点は図中の右側にずれ、過冷却度が高くなるとこの始点は図中の左側にずれる。
次に、制御装置30は、流量調整弁17の開度が全開となった状態で、膨張機19に流入する冷媒について計測される過冷却度(SC)と設定された過冷却度(設定SC)を判定する(S105 SC<設定SC)。設定される過冷却度(設定SC)は、以下のようにして設定される。
図3に示したように、膨張機19におけるノズル効率は過冷却度が大きくなると低くなる傾向がある。一方で、蒸発器25での熱交換量は過冷却度を大きくなると増加し、冷凍サイクルの性能は向上する傾向がある。この過冷却度に関して二つの相反する傾向を考慮して、設定SCが定められる。この設定SCは、制御装置30に予め保持されており、計測されるSCと比較される。
SCは、膨張機19に流入する冷媒の温度およびサブクーラ15における冷媒の圧力に基づいて、演算により求めることができる。したがって、冷媒流路L3に温度計を設け、かつ、サブクーラ15に圧力計を設けておき、制御装置30が温度計で計測された温度および圧力計で計測された圧力に関する情報を取得して、SCを求めることができる。
計測される過冷却度(SC)が予め設定されている過冷却度(設定SC)以上(S105 NO)であれば、ステップS109に進む。
計測される過冷却度(SC)が設定される過冷却度(設定SC)未満であれば(S105 YES)であれば、制御装置30は流量調整弁17を閉じて弁開度を小さくする(S107)。流量調整弁17の開度を小さくすると、サブクーラ15を通過する冷媒の量が増えるので、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度が大きくなる。
制御装置30は、流量調整弁17の開度を小さくしながら、計測される過冷却度(SC)と設定されている過冷却度(設定SC)の大小の判定を継続し、前者(SC)と後者(設定SC)が一致するか否かの判定を行う(S109)。
過冷却度(SC)と設定されている過冷却度(設定SC)が一致したならば(S109 YES)、制御装置30は流量調整弁17の開度を小さくするのを止めさせて、その時点の流量調整弁17の開度を固定させる(S111)。以後は、この固定された流量調整弁17の開度をもって、冷凍サイクル装置10の運転が継続される。
[冷凍サイクル装置10の奏する効果]
次に、冷凍サイクル装置10が奏する効果を説明する。
冷凍サイクル装置10は、流量調整弁17を備えるバイパス流路L4をサブクーラ15と並行に設け、膨張機19の入口における過冷却度を調整できる。したがって、冷凍サイクル装置10は、冷凍サイクル装置10の効率を維持しつつ、膨張機19においてノズル効率が低下しない程度の過冷却度で冷凍サイクル装置10を運転できる。
本実施形態における流量調整弁17を用いた過冷却度の制御手順によれば、運転開始直後に、冷凍サイクル装置10の効率を維持しつつ、膨張機19においてノズル効率が低下しない程度の過冷却度を選択できる。したがって、冷凍サイクル装置10によれば、以後の継続される運転において、冷凍サイクル装置10および膨張機19の双方が高い効率で動作できる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
図4に基づいて説明した制御手順においては、設定される過冷却度(設定SC)を一例として特定の値として説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばt1℃~t2℃というように設定SCを範囲として特定することもできる。この場合、計測される過冷却度(SC)はこの範囲に該当するか否かの判定が行われ、当該範囲に該当した時点の流量調整弁17の開度を固定して、以後の運転が継続される。
また、図4に示した制御手順は運転開始時に行うことにしている。しかし、本発明は運転開示時だけに限らず、流量調整弁17の開度を固定して運転を継続する過程において、定期的に同様の制御手順を繰り返すこともできる。
また、図4に基づいて説明した流量調整弁17の開度の制御手順は、図5に示す制御手順に置き換えることができる。つまり、図5に示す制御手順は、低圧冷媒であることを確認した後に、それまで全開であった流量調整弁17の開度を全閉(図5 S104)にしてから、サブクーラ15における冷媒の圧力とサブクーラ15における冷媒の設定圧力の大小を判定する(S105 SC<設定SC)。サブクーラ15における冷媒の圧力がサブクーラ15における冷媒の設定圧力未満の圧力(S105 NO)であれば、制御装置30は流量調整弁17を連続的に開いて開度を大きくする(S108)。流量調整弁17の開度を大きくすると、サブクーラ15を通過する冷媒の量が減るので、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度が小さくなる。
制御装置30は、流量調整弁17の開度を大きくしながら、サブクーラ15における冷媒の圧力とサブクーラ15における冷媒の設定圧力が一致するか否かの判定を行う(S109)。サブクーラ15における冷媒の圧力とサブクーラ15における冷媒の設定圧力が一致したならば(S109 YES)、制御装置30は流量調整弁17の開度を大きくするのを止めさせて、その時点の流量調整弁17の開度を固定させる(S111)。
また、以上で説明した実施形態においては、膨張機19に流入する過冷却度を制御するために、サブクーラ15が設けられる冷媒流路L2,L3に対して並行にバイパス流路L4を設けたが、本発明における過冷却度を制御するために他の手段を採用できる。その一例が図6に示されている。図6に示される冷凍サイクル装置20は、流量調整弁17をサブクーラ15と並行に設ける点では以上で説明した冷凍サイクル装置10と同じである。しかし、冷凍サイクル装置20における流量調整弁17は、冷媒流路L1から分岐し冷媒流路L3に連なるバイパス流路L10に設けられる。バイパス流路L10と流量調整弁17とで本発明の過冷却度調整機構を構成する。
冷凍サイクル装置20においても、流量調整弁17の開度を調整することにより、サブクーラ15を流れる冷媒の量を制御できる。この冷凍サイクル装置20においても、膨張機19に流入する冷媒の過冷却度を、冷凍サイクル装置20の運転にとって最適に制御できる。
10,20 冷凍サイクル装置
11 圧縮機
13 凝縮器
15 サブクーラ
17 流量調整弁
19 膨張機
21 気液分離器
23 膨張弁
25 蒸発器
30 制御装置
L4,L10 バイパス流路
L8 インジェクション流路

Claims (3)

  1. 圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記凝縮器から流出した前記冷媒に過冷却度を与えるサブクーラと、
    前記サブクーラから流出した前記冷媒を減圧させて気液二相冷媒にする膨張機と、
    前記膨張機に流入する前記冷媒の過冷却度を調整する過冷却度調整機構と、
    前記膨張機から流出した前記気液二相冷媒を気液分離する気液分離器と、
    前記気液分離器によって気液分離された液冷媒を減圧させる膨張弁と、
    前記膨張弁から流出した前記液冷媒を蒸発させ、かつ、流出した前記冷媒が前記圧縮機に吸入される蒸発器と
    前記凝縮器と前記膨張機を接続し、前記サブクーラが設けられる冷媒流路と、を備え、
    前記過冷却度調整機構は、
    前記冷媒流路に並行に設けられるバイパス流路と、
    前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路を流れる前記冷媒の流量を調整する流量調整弁と、を備え、
    前記流量調整弁は、
    前記膨張機における過冷却度に関する性能情報に基づいて、その開度が調整される、
    冷凍サイクル装置。
  2. 前記性能情報に基づいて予め設定される過冷却度に計測される過冷却度が該当するときの前記流量調整弁の前記開度を固定して運転される、
    請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 運転開始時において、前記流量調整弁の前記開度を固定する、
    請求項に記載の冷凍サイクル装置。
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