JP7266958B1 - 推定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
SOCの推定には様々な手法がある。一例として、特許文献1では、測定可能なバッテリの端子電圧と電流の時系列データを入力とし、カルマンフィルタ等を用いて、バッテリの等価回路モデルのパラメータを推定する。特許文献1では、同定されたパラメータに基づいて、バッテリの開回路電圧を算出し、SOC-OCV特性に基づいて、SOCを推定する。
推定装置において、SOCの推定精度を向上させることが求められている。
バッテリの充電率を推定する推定装置であって、
前記バッテリを流れる電流と、前記バッテリの端子電圧の測定値を用いて、前記バッテリへの電流のステップ入力開始から所定時間が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗を推定する実効抵抗推定部と、
前記実効抵抗を用いて、前記バッテリの等価回路モデルを構成する回路定数を求めることで、前記バッテリの過電圧を推定する過電圧推定部と、
前記過電圧から求められる前記バッテリの開回路電圧と、前記充電率との関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、前記バッテリの充電率を推定する充電率推定部と、を備え、
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗として、前記電流のステップ入力開始から、前記過電圧変化の収束時刻までの第1の実効抵抗と、前記電流のステップ入力開始から、前記収束時刻より前の中間時刻までの第2の実効抵抗と、を推定する。
図1は、実施形態に係る推定装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、推定装置1は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車等の車両に設けられたバッテリ50の内部状態を推定するものである。推定装置1は、バッテリ50の内部状態として、充電率(SOC:State of Charge)を推定する。
バッテリ50には、電圧センサ60および電流センサ70が接続されている。バッテリ50は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオンバッテリを用いることができるが、他の種類のバッテリであっても良い。バッテリ50は、車両に設けられている。バッテリ50は放電することにより、車両を駆動する電気モータへ電力を供給する。また、車両の制動時には、電気モータからの回生エネルギーにより充電される。バッテリ50はまた、急速充電器や家庭用コンセント等の外部の充電設備によっても充電される。
ECUは、図示は省略するが、CPU等のプロセッサと、ROMおよびRAM等のメモリから構成される。メモリには、推定装置1で実行される各種プログラムが格納されており、プロセッサがプログラムを実行することで、図1に示す機能構成が実現される。メモリには、また、推定装置1が行う処理に必要なデータが格納され、さらに推定装置1の処理結果が一時的に記憶される。
詳細な説明は省略するが、ECUは、例えば、SOCの推定処理に加えて、SOCに基づいたバッテリ50の充放電制御および車両の運転制御を行っても良い。あるいは、ECUは推定したSOCを外部に出力し、外部の制御装置においてSOCを用いた処理を行っても良い。
あるいは、推定装置1は、車両の外部に設けられたコンピューターとしても良い。この場合、車両外部の推定装置1は、例えば、車両に設けられたECUと通信を行って電圧センサ60および電流センサ70の測定値を取得しても良い。
実効抵抗推定部2は、電圧センサ60および電流センサ70で測定された電流i(k)および端子電圧v(k)を用いて、バッテリ50の実効抵抗R(k)を推定する。
過電圧推定部3は、実効抵抗R(k)を用いて、バッテリ50の等価回路モデルを構成するパラメータ(回路定数)を求めることで、バッテリ50の過電圧η(k)を推定する。
SOC推定部4は、過電圧η(k)から求められるバッテリ50の開回路電圧(Open Circuit Voltage)OCV(k)と、SOCとの関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、バッテリ50のSOC(k)を推定する。
図2は、実効抵抗を説明する図である。
実効抵抗は、直流抵抗や通電抵抗とも呼ばれ、バッテリ50への電流のステップ入力開始から所定時間が経過するまでの端子電圧の変化、すなわち過電圧変化に相当するものである。
図2に示すように、実効抵抗は、具体的には、大きさ1Aのステップ信号の入力に対するステップ応答を意味するものである。以降の説明では、電流のステップ入力開始から所定時間(x秒)経過後の実効抵抗を、x秒実効抵抗という。実効抵抗推定部2は、ユーザによって指定されるx秒実効抵抗を推定する。
実効抵抗推定部2は、一例として、第1の実効抵抗と第2の実効抵抗を推定する。
第1の実効抵抗は、電流のステップ入力開始から、過電圧変化が収束する時刻までの時間における実効抵抗である。
第2の実効抵抗は、電流のステップ入力開始から、収束時刻より前の中間時刻までの時間における実効抵抗である。
第1の実効抵抗は、一例として、200秒実効抵抗とすることができる。200秒実効抵抗は、電流のステップ入力開始時刻から200秒後の時刻までの、200秒間における実効抵抗である。
第2の実効抵抗は、一例として、5秒実効抵抗とすることができる。5秒実効抵抗は、電流のステップ入力開始時刻から、5秒後の時刻までの、5秒間における実効抵抗である。
第3の実効抵抗は、電流のステップ入力開始から直後の時刻までの時間における実効抵抗である。第3の実効抵抗は、一例として0.2秒実効抵抗とすることができる。0.2秒実効抵抗は、電流のステップ入力開始時刻から、0.2秒後の時刻までの、0.2秒間における実効抵抗である。
第1の実効抵抗が最長時間の実効抵抗であり、第3の実効抵抗が最短時間の実効抵抗であり、第2の実効抵抗は中間時間の実効抵抗である。
第1、第2、第3の実効抵抗は、それぞれ特定の時間に限定されるものではないが、中間時間は、最長時間よりも最短時間に近い時間とすることができる。
以降の説明においては、第1、第2、第3の実効抵抗として、0.2秒、5秒、200秒実効抵抗を用いて処理を行う例を説明する。
図3は、バッテリ50の等価回路モデルを示す図である。
図4は、バッテリ50のパラメータと実効抵抗の関係を説明する図である。なお、図4は模式図であり、時間を示すグラフの横軸に対する0.2秒、5秒、200秒の位置は正確なものではない。
図5は、拡散抵抗Rdと拡散容量Cdの関係を示すマップである。
図3に示すように、バッテリ50の内部状態を示す等価回路モデルとして、開回路電圧OCV(k)を有し、内部抵抗R0とワールブルグインピーダンスZwとが直列に接続される開回路を想定する。
ワールブルグインピーダンスは、具体的には、ワールブルグインピーダンスを近似したn次のフォスタ型RC梯子回路で示している。
図3に示す並列回路の抵抗R1は、式(2)から、R1=(8/π2)Rdとなる。
図3において、nはRC並列回路の数を意味する。一例として、n=5の場合、並列回路の各抵抗は、左から、R5、R4、R3、R2、R1となり、以下の値となる。
R5=R1/92
R4=R1/72
R3=R1/52
R2=R1/32
R1=R1/12
拡散抵抗Rdは、抵抗R1~Rnの和である。すなわち、拡散抵抗Rdが、明らかになることで、等価回路の並列回路の各抵抗R1~Rnの値を算出することができる。
さらに、拡散抵抗Rdと拡散容量Cdが明らかになることで、ワールブルグインピーダンスZwを算出することができる。
そして、内部抵抗R0とワールブルグインピーダンスZwとの和に電流i(k)を掛けることで、過電圧η(k)を算出することができる。
すなわち、内部抵抗R0、拡散抵抗Rdおよび拡散容量Cdが、バッテリシステムを同定するために推定すべきパラメータである。
図4に示すように、等価回路モデルの内部抵抗R0は、例えば単位ステップの電流を入力した場合に、同時に立ち上がる電圧の大きさである。ここで、電流の入力と同時とは、正確には0秒を意味するが、0秒の実効抵抗は推定することができない。ステップ入力開始から0.2秒程度の実効抵抗であれば、0秒実効抵抗とほぼ変わりがない。そのため、本実施形態では0.2秒実効抵抗を内部抵抗R0に適用している。
電流のステップ入力開始から200秒程度が経過すると、過電圧変化は概ね収束する。すなわち、200秒実効抵抗は、立ち上がりの内部抵抗R0(0.2秒実効抵抗)と、拡散抵抗Rdの和に相当する。
以上のことから、拡散抵抗Rdは、以下の式で求めることができる。
Rd=200秒実効抵抗-0.2秒実効抵抗
図5に示すマップは、予め試験またはシミュレーション等を行って作成することができる。
図4に示すように、ステップ入力開始付近の電圧の上昇値Ruは、5秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差から求めることができる。すなわち、マップに上昇値Ruと拡散抵抗Rdを入力することで、拡散容量Cdを求めることができる。
図6に示すように、過電圧推定部3は、演算器31、演算器32、拡散容量取得部33および過電圧算出部34を備える。
演算器31は、200秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差を演算して、拡散抵抗Rdとして拡散容量取得部33に入力する。
演算器32は、5秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差を演算し、電圧の上昇値Ruとして拡散容量取得部33に入力する。
拡散容量取得部33は、図5のマップを参照して、入力された拡散抵抗Rdと上昇値Ruに対応する拡散容量Cdを取得する。これにより、バッテリ50のシステムが同定される。
過電圧算出部34は、拡散抵抗Rdおよび拡散容量Cdを用いて、前記式(2)により、ワールブルグインピーダンスZwを算出する。過電圧算出部34は、0.2秒実効抵抗を内部抵抗R0とし、内部抵抗R0とワールブルグインピーダンスZwとの和に電流i(k)を掛けることで、過電圧η(k)を算出する。
実効抵抗R(k)は、既知の方法を用いて推定することができる。実効抵抗R(k)は、例えば、バッテリシステムを表すモデルのパラメータを同定することで、推定することができる。
バッテリシステムは、前記したように、図3に示した等価回路モデルに示されるものであるが、この等価回路モデルを表すモデルの一例として、μ-マルコフモデルを用いることができる。μ-マルコフモデルを用いた実効抵抗R(k)の推定方法として、例えば、特許文献2に記載された方法を用いることができる。ここでは、μ-マルコフモデルによる推定方法の概略を説明する。
離散時間システムにおけるμ-マルコフモデルは、以下の式(3)により表される。
式(3)の右辺第1項は、FIRモデルを表している。hi(i∈{0、・・・、μ})は、離散時刻μまでのシステムのインパルス応答を表している。この場合、インパルス応答で記述される項数は、(μ+1)である。式(3)の右辺第2項及び第3項は、ARXモデルを表している。a’i及びb’i(i∈{(μ+1)、・・・、μ+p})は、ARXモデルのパラメータである。pは、ARXモデルの次数を表している。w[k]は、u[k]と独立であり、且つ、その平均値が0となる白色雑音である。
FIRモデルは、無限個のインパルス応答の和として記述される。バッテリシステムをFIRモデルのみで表した場合、次数を大きくするほど推定精度を向上させることができる。一方、推定するパラメータの数が増加し、演算負荷に繋がる。
μマルコフモデルは、FIRモデルのうち、実効抵抗R(k)の計算に不要なk>μ項を、ARXモデルによる有理伝達関数で置き換えたものと解釈することができる。ARXモデルは、有限個のパラメータによってシステムを表現できる。すなわち、μマルコフモデルを用いることで、実効抵抗R(k)の推定精度を維持しつつ、FIRモデルにおけるパラメータの数を削減して、演算負荷を低減することができる。
パラメータベクトルを推定することで、バッテリシステムが同定され、x秒実効抵抗は、推定時刻kからx秒前までさかのぼる間の各時刻における入力に対するインパルス応答の和として算出することができる。
実効抵抗推定部2は、電圧センサ60および電流センサ70で測定された電流i(k)および端子電圧v(k)の時系列データを用いて、電流積算法またはカルマンフィルタ等の既知の手法により、SOC推定値SOC^(k)を算出することができる。なお、ここでのSOC推定値SOC^(k)は、推定装置1が最終的に推定する推定値ではなく、実効抵抗の推定処理に際して求められる、暫定的な値である。
実効抵抗推定部2は、メモリに格納されているSOC-OCV特性に基づいて、SOC推定値SOC^(k)をOCV推定値OCV^(k)に変換する。実効抵抗推定部2は、OCV推定値OCV^(k)と端子電圧v(k)との差を、過電圧推定値η^(k)として算出する。
実効抵抗推定部2は、過電圧推定値η^(k)と、電流i(k)を、最小二乗法等の手法で解析することで、バッテリシステムを表すμ-マルコフモデルのパラメータを同定し、実効抵抗R(k)を算出することができる。
前記したように、実効抵抗推定部2は、実効抵抗として、0.2秒実効抵抗、5秒実効抵抗および200秒実効抵抗をそれぞれ算出して、過電圧推定部3に入力する。
図7は、本実施形態における推定装置1の処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、推定装置1の実効抵抗推定部2は、電圧センサ60および電流センサ70によって測定された、端子電圧v(k)および電流i(k)の時系列データを取得する(ステップS01)。
実効抵抗推定部2は、端子電圧v(k)および電流i(k)の時系列データを用いて、実効抵抗R(k)(0.2秒実効抵抗、5秒実効抵抗および200秒実効抵抗)を算出する(ステップS02)。
演算器32は、5秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差を、ステップ入力開始付近の電圧の上昇値Ruとして演算する(ステップS04)。
拡散容量取得部33は、マップを参照し、入力された拡散抵抗Rdと上昇値Ruに対応する拡散容量Cdを取得する(ステップS05)。
過電圧算出部34は、拡散抵抗Rdおよび拡散容量Cdを用いて、前記した式(2)により、ワールブルグインピーダンスZwを算出する(ステップS06)。
過電圧算出部34は、0.2秒実効抵抗を内部抵抗R0とし、内部抵抗R0とワールブルグインピーダンスZwとの和に電流i(k)を掛けて、過電圧η(k)を算出する(ステップS07)。
本実施形態の有用性を、数値シミュレーションを通して説明する。
図8は、数値シミュレーションにおける電流パターンを示す図である。
図9は、図8に示す電流パターンから得られる実効抵抗の推定結果を示す図である。
図9の(a)は0.2秒実効抵抗、図9の(b)は5秒実効抵抗、図9の(c)は200秒実効抵抗を示す。
図10は、図9の実効抵抗を用いた推定結果を示す図である。
図10の(a)は拡散抵抗Rd、図10の(b)は拡散容量Cd、図10の(c)は過電圧ηを示す。
図11は、SOCの推定結果を示す図である。
図9~図11において、点線は推定値を示し、実線は真値を示している。
そのため、図9の(a)および図9の(b)に示すように、0.2秒実効抵抗および5秒実効抵抗は、400秒程度まで、推定値と真値の誤差が生じている。一方、図9の(c)に示すように200秒実効抵抗では、推定値と真値の誤差は小さい。
0.2秒実効抵抗および5秒実効抵抗の誤差が影響を与えるため、図10の(a)および図10の(b)に示すように、拡散抵抗Rdと拡散容量Cdの推定結果も、400秒程度までは推定誤差が生じている。
ただし、電流が微小な場合、過電圧も微小である。そのため、図10の(c)に示すように、拡散抵抗Rdと拡散容量Cdの推定誤差は、過電圧の推定結果に大きな影響を与えていない。結果として、図11に示すように、SOCの推定結果に与える影響も少なく、精度の高い推定結果が得られる。
(1)推定装置1は、バッテリ50のSOC(充電率)を推定する。
推定装置1は、実効抵抗推定部2と、過電圧推定部3と、SOC推定部4(充電率推定部)と、を備える。
実効抵抗推定部2は、バッテリ50を流れる電流i(k)と、バッテリ50の端子電圧v(k)の測定値を用いて、バッテリ50への電流のステップ入力開始から所定時間(x秒)が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗R(k)を推定する。
過電圧推定部3は、実効抵抗R(k)を用いて、バッテリ50の等価回路モデルを構成するパラメータ(回路定数)を求めることで、バッテリ50の過電圧η(k)を推定する。
SOC推定部4は、過電圧η(k)から求められるバッテリ50の開回路電圧OCV(k)と、SOCとの関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、バッテリ50のSOC(k)を推定する。
実効抵抗推定部2は、所定時間(x秒)が異なる複数の実効抵抗R(k)を推定する。
複数の異なる時間の実効抵抗(x秒実効抵抗)には、それぞれ、バッテリ50の内部状態が反映される。そのため、これらの値を用いることで、バッテリ50の等価回路モデルを構成するパラメータを推定することができる。これによって、一部のパラメータを設定値に置き換えた場合と比較して、バッテリ50のバラつきに対するSOCの推定精度のロバスト性を向上することができる。
第1の実効抵抗は、電流のステップ入力開始から、過電圧変化の収束時刻までの時間における実効抵抗であり、一例として200秒実効抵抗とすることができる。
第2の実効抵抗は、電流のステップ入力開始から、収束時刻より前の中間時刻までの時間における実効抵抗であり、一例として5秒実効抵抗とすることができる。
5秒実効抵抗(第2の実効抵抗)は、ステップ入力開始付近の電圧の上昇値Ruに対応するものであり、拡散抵抗Rdから拡散容量Cdを取得する処理に用いることができる。
すなわち、これらの実効抵抗を推定することで、バッテリシステムを同定するパラメータを推定することができる。
バッテリ50の等価回路モデルは、内部抵抗R0(抵抗)とワールブルグインピーダンスZwとを直列に接続したものである。
過電圧推定部3は、0.2秒実効抵抗を、バッテリ50の等価回路モデルにおける、内部抵抗R0の値とする。
過電圧推定部3の演算器31は、200秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差を、ワールブルグインピーダンスZwの拡散抵抗Rdとして算出する。
過電圧推定部3の演算器32は、5秒実効抵抗と0.2秒実効抵抗の差を、上昇値Ruとして算出する。拡散容量取得部33は、拡散抵抗Rdと上昇値Ruとに基づいて、ワールブルグインピーダンスZwの拡散容量Cdを求める。
過電圧推定部3の過電圧算出部34は、内部抵抗R0とワールブルグインピーダンスZwの拡散抵抗Rdおよび拡散容量Cdとを用いて、過電圧η(k)を算出する。
2 実効抵抗推定部
3 過電圧推定部
4 SOC推定部(充電率推定部)
31 演算器
32 演算器
33 拡散容量取得部
34 過電圧算出部
41 演算器
42 OCV-SOC変換部
50 バッテリ
60 電圧センサ
70 電流センサ
Claims (3)
- バッテリの充電率を推定する推定装置であって、
前記バッテリを流れる電流と、前記バッテリの端子電圧の測定値を用いて、前記バッテリへの電流のステップ入力開始から所定時間が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗を推定する実効抵抗推定部と、
前記実効抵抗を用いて、前記バッテリの等価回路モデルを構成する回路定数を求めることで、前記バッテリの過電圧を推定する過電圧推定部と、
前記過電圧から求められる前記バッテリの開回路電圧と、前記充電率との関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、前記バッテリの充電率を推定する充電率推定部と、を備え、
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗として、前記電流のステップ入力開始から、前記過電圧変化の収束時刻までの第1の実効抵抗と、前記電流のステップ入力開始から、前記収束時刻より前の中間時刻までの第2の実効抵抗と、を推定する、推定装置。 - 前記実効抵抗推定部は、前記電流と前記端子電圧の測定値を用いて、μ-マルコフモデルにより前記バッテリのシステムを同定し、前記バッテリのシステムに基づいて、前記実効抵抗を推定する、請求項1記載の推定装置。
- 前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗として、前記第1の実効抵抗および前記第2の実効抵抗に加えて、前記電流のステップ入力開始から直後の時刻までの第3の実効抵抗を推定し、
前記バッテリの等価回路モデルは、抵抗とワールブルグインピーダンスとを直列に接続したものであり、
前記過電圧推定部は、
前記第3の実効抵抗を、前記バッテリの等価回路モデルにおける、前記抵抗の値とし、
前記第1の実効抵抗と前記第3の実効抵抗の差を、前記ワールブルグインピーダンスの拡散抵抗とし、
前記第2の実効抵抗と前記第3の実効抵抗の差と、前記拡散抵抗に基づいて、前記ワールブルグインピーダンスの拡散容量を求め、
前記抵抗の値とワールブルグインピーダンスの拡散抵抗および拡散容量とを用いて、前記過電圧を算出する、請求項1または2に記載の推定装置。
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