JP7266745B2 - 荷電粒子検出器、荷電粒子線装置、放射線検出器および放射線検出装置 - Google Patents

荷電粒子検出器、荷電粒子線装置、放射線検出器および放射線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子検出器、荷電粒子線装置、放射線検出器および放射線検出装置に関する。
検出器は、電子やイオンなどの粒子信号およびX線やガンマ線などの放射線信号を電圧、電流信号などに変換するために使用される。検出対象が荷電粒子の場合は荷電粒子検出器、放射線の場合は放射線検出器と呼ばれる。たとえば、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)などの電子ビーム等の荷電粒子線を利用する荷電粒子装置においては、検出する信号が電子などの荷電粒子であり、荷電粒子検出器が必要不可欠である。SEMは、電子源で発生する電子ビームを観察したい試料に照射し、それにより試料から出射した電子を荷電粒子検出器で検出する。荷電粒子検出器は、検出した電子の量に応じて電流を出力する。この電流量と、試料上の電子ビーム照射位置の関係を二次元的に表示することで、SEM画像が形成される。
このような荷電粒子検出器の多くは、検出した電子を光子に変換するシンチレータとシンチレータからの光子を検出して電流に変換する光検出器およびシンチレータで発光した光を光検出器に届けるライトガイドから構成される。光検出器には光電子倍増管(PMT:Photomultiplier Tube)やMPPC(Multi-Pixel Photon Counter)などが用いられる。また、放射線検出器は、同様の構成でシンチレータの種類が異なるだけである。つまり放射線検出器は、検出した放射線を光検出器で検出可能な波長の光に変換するシンチレータを用い、ライトガイドを介してシンチレータからの光を光検出器に届ける構成である。
より多くの信号を取得するために、試料の近傍に検出器を配置することが求められている。例えばSEMにおいては、試料と対物又は最終的なレンズの間に検出器を配置することが考えられる。特許文献1では、そのような検出器が提案されている。
特開2018-152232号公報
SEMでは、1次電子線の電流を増加させると試料から出射して検出される電子の数が増え、像のS/Nが向上し像のノイズが目立たなくなり解像度が向上するため、一次電子線の電流の大電流化の要求がある。このとき、シンチレータによって電子から光子に変換され、光検出器に入射する光子数も増加する。しかしながら、光検出器は、検出面の面積に対する入射光子密度が大きくなると、飽和して正確に入射光子数をカウントできなくなる。特にMPPC(例えば、浜松ホトニクス株式会社製、型式:S13360-6025CS)は、1辺数mm程度の四角形の検出面に一辺数十μm程度の微細な四角形の検出ピクセルが敷き詰められており、各検出ピクセルに光子が入射すると各ピクセル毎に電気信号が発生し、各ピクセルの電気信号が光子の1個の検出を表す。しかし、入射光子密度が大きくなり複数個の光子が同時に検出ピクセルに入射すると、入射光子数と出力電流の比例関係が崩れ、正確な撮影像が得られなくなる。つまり、一次電子線の電流が大電流化した場合には光検出器が飽和するという課題がある。
上述した特許文献1には、一次電子線の電流の大電流化に関する記載はなく、この飽和に関する課題が記載されていない。この信号が飽和する課題は、荷電粒子検出器に限らず、放射線検出器においても同様である。
本発明は、上述した事情に鑑み、一次電子線の電流の大電流化し、検出器に入射する信号電子数が増加しても、飽和せずに正確なコントラストの観察画像が得られる荷電粒子検出器および放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、シンチレータと、ライトガイドと、光検出器を有し、前記シンチレータの検出面よりも前記光検出器の検出面の面積が大きい検出器を提供する。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、一次電子線の電流の大電流化し、検出器に入射する信号電子数が増加しても、飽和せずに正確なコントラストの観察画像が得られる荷電粒子検出器および放射線検出器を提供できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の荷電粒子線装置(SEM)の概略図 図1の荷電粒子検出器の概要図 実施例2の荷電粒子検出器の概要図 図3Aの荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の模式図 実施例3の荷電粒子検出器の概要図である。 図4Aの荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の一例を示す模式図 実施例3の荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の他の例を示す模式図 シンチレータの分割構造の第1の例とその作製方法を説明する模式図 シンチレータの分割構造の第2の例を示す模式図 図4Eのシンチレータの作製方法を説明する模式図 シンチレータの分割構造の第3の例を示す模式図 実施例4の荷電粒子検出器の概要図 実施例5の荷電粒子検出器の概要図 実施例6の荷電粒子検出器の概要図 実施例7の荷電粒子検出器の概要図 実施例8の荷電粒子検出器の概要図 シンチレータの分割セルと試料との位置関係の一例を示す模式図 シンチレータの分割セルと試料との位置関係の他の例を示す模式図 実施例9の荷電粒子検出器の概要図 実施例10の荷電粒子線装置の概略図 実施例11の荷電粒子装置の概略図。 実施例12の放射線検出装置の一例の概略図 図15の放射線検出器を示す図
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、電子ビームの検出における実施例を示すが、イオンビームや放射線を使用する場合においても本発明の効果は失われない。
図1は実施例1の荷電粒子線装置(SEM)の概略図である。図1に示すように、荷電粒子線装置100aは、電子源101から引き出された一次電子102の軌道上に配置された走査用偏向器103と対物レンズ104とを有する。一次電子102は、試料搬送ステージ105の上に配置された試料106に照射され、試料106から信号電子107が出射する。ここで信号電子107とは、一次電子により直接励起されて真空中に放出される二次電子や、1次電子が試料中で散乱を繰り返して再度真空中に放出される反射電子など、試料から出射する電子を指す。
対物レンズ104の下には信号電子を検出する荷電粒子検出器108が備わっており、その中央には一次電子102が通るように開口部118が設けられている。電子源101から放出された一次電子102は対物レンズ104によって制御され、ビーム径が極小になるように試料106上に集束される。走査用偏向器103は、一次電子102が試料106の定められた領域を走査するように、システム制御部120により制御される。一次電子102が試料106上の到達した位置から発生した信号電子107は荷電粒子検出器108によって検出される。システム制御部120から走査用偏向器103に送られる走査信号と同期して、検出された信号電子107の信号処理が行われることによりモニタ121上にSEM画像が形成される。
図2は図1の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、入射した信号電子107を光112に変換するシンチレータ109、シンチレータに接して設けられ、光112を光検出器に導光するライトガイド110、ライトガイドの直上に設けられ、導光された光を検出する光検出器111を有している。そして、シンチレータの検出面109aよりも光検出器の検出面111aの面積が大きく、ライトガイド110で光路を拡大する構造になっている。試料106から出射した信号電子107は、シンチレータ109に入射するが、その入射位置には偏りがあり、一次電子102の軌道に近い位置、つまり開口部118から数mmの位置に多くの信号電子が入射する。一方で、光検出器は、検出面の面積に対する入射光子密度が大きくなると入射光子量と出力電流の比例関係が崩れ、正確に入射光子数がカウントできなくなり、正確な撮影像が得られなくなる。一次電子線の電流が増加すると、とりわけ開口部118に近い検出面111aから入射する光子数が多くなり、開口部118付近に入射する一次電子102に対応する信号強度が飽和する。
本実施例の荷電粒子検出器130は、ライトガイドで光路を拡大する構造により、シンチレータに高密度で入射した信号電子が変換された光子を分散させ、光検出器に入射する光子の密度を低減し、一次電子線の電流が増加しても光検出器が飽和せず、正確なコントラストの撮影像を得ることができるという効果を奏する。
また、信号電子107をできるだけ多く入射させるため、開口部118は一次電子102の軌道に干渉しない範囲でできるだけ小さくするのが望ましい。よって、シンチレータの検出面109aに対し、光検出器の検出面111aを開口部118側へ拡大せず、外側へと拡大した構造となっている。本実施例の荷電粒子検出器では、開口部118を一次電子の軌道に干渉しない範囲でできるだけ小さくし、シンチレータの検出面に対し光検出器の検出面が外側へと拡大された構造にすることにより、信号電子107を多く検出することができるという効果を奏する。
さらに、本発明者は、ライトガイドの透過率(一方の面から入射した光に対する他方の面から出射する光の割合)は、面積の小さい方から大きい方に光を伝搬させた方が高くなることを見出した。したがって、本構成のように入射面に対して出射面の面積が大きくなる場合は、光を分散させるだけではなく透過率も大きくなるという効果を奏する。
なお、本発明の効果は、光検出面111aの面積が、信号電子検出面109aの面積よりも大きければ得ることができるので、ライトガイド110の形状は問わない。図2のライトガイド110は、信号電子検出面109aから光検出面111aに向かって、ライトガイド110の横断面が大きくなる形状を有しているが、例えば、信号電子検出面109aから横断面が小さくなっていき、ある箇所から信号電子検出面109aに向かって大きくなる形状であっても良い。
図3Aは実施例2の荷電粒子検出器の概要図であり、図3Bは図3Aの荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の模式図である。本実施例の荷電粒子検出器108bは、実施例1の光検出器111が複数の検出セル111cからなるアレイ状光検出器111bであり、ライトガイド110が複数の分割ブロック110aからなる。図3Bに示すように、本実施例では、一例として、16(4×4)チャンネルの検出セル111cからなるアレイ状光検出器111b(例えば、浜松ホトニクス株式会社製、型式:S13615-1025N-04)を8個並べ、光検出器を構成している。他にも、64(8×8)チャンネルの検出セルからなるアレイ状光検出器(例えば、浜松ホトニクス株式会社製、型式:S13615-1025N-08)を8個並べることもできる。
ライトガイドの分割ブロック110aはそれぞれアレイ状光検出器の検出セル111cと一対一で対応しており、一つのライトガイドの分割ブロック110aに入射した光子は隣接する別のブロックに入射しないようになっている(厳密には、隣接する別のブロックにも若干は入射する)。この構造により、シンチレータの検出面109aに入射した信号電子107が光子に変換され、シンチレータの入射位置の直上にあるライトガイドの分割ブロック110aに光子が入射し、ライトガイドの分割ブロック110a内を導光して、当該分割ブロック110aに対応したアレイ状光検出器111bの検出セル111cに入射する。
一次電子102の試料106への入射位置からシンチレータの検出面109aへの信号電子107の入射位置までの距離をw、試料106の表面からシンチレータの検出面109aまでの距離をh、信号電子107の試料からの出射角度をαとすると、光検出器111bが信号電子107を検出したとき、検出セル111cの位置からwを計測することができる。また、hは既知の値であるため、wとhから信号電子の試料からの出射角度αを算出することができる。試料の素材、形状により信号電子が放出される方向に違いが生じることから、試料からの信号電子の出射角度を検出することで、試料の素材、形状についての情報を得ることができる。このように信号電子の入射位置が検出できる検出器を本明細書では位置弁別検出器と称する。本実施例の荷電粒子検出器は、上述した構成を有することにより、信号電子の検出面への入射位置を精度良く弁別でき、信号電子の試料からの出射角度を算出できる構造であり、試料の素材、形状についての情報を得るという効果を奏する。
図4は実施例3の荷電粒子検出器の概要図である。信号電子はシンチレータに入射し光に変換されるが、光はシンチレータ内部で伝播するため、実施例2の荷電粒子検出器では、信号電子から変換された光子が、シンチレータ内部で移動し、シンチレータへの信号電子の入射位置の直上にあるライトガイドの分割ブロック110aに入射せず、隣接する別のライトガイドの分割ブロックに入射する可能性がある。この現象のように、信号電子が入射した位置と光子を受光する光検出器の位置が対応しない現象を本明細書においてはクロストークと称する。クロストークによりシンチレータへの信号電子の入射位置と光検出器の検出セルの位置の対応関係が崩れ(前述のwが正確に計測できなくなり)、信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から信号電子の試料からの出射角度αが正確に算出できなくなり、入射位置弁別の精度が低下する。
図4Bは図4Aの荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の一例を示す模式図であり、図4Cは実施例3の荷電粒子検出器の試料方向から見た光検出器の検出面の他の例を示す模式図である。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例2の構造に加え、シンチレータ109を分割部113で複数のシンチレータの分割セル109bに分割してある。ここで、分割とは、光の伝播を低減する構造、例えば、シンチレータの分割部に切れ込みが設けられていたり、完全に切断してあったり、仕切りが設けられている構造を意味する。
シンチレータ109の中央には一次電子を照射するための開口部118が設けてある。シンチレータの分割セル109b、ライトガイドの分割ブロック110a、光検出器の検出セル111cそれぞれが一対一で対応しており、光子がシンチレータからライトガイド、ライトガイドから光検出器へと移動していく中で隣接する分割セルまたは分割ブロックに入射しないようになっている。シンチレータ109は、図4Bでは円環形状、図4Cでは四角形である。前述のように、シンチレータの分割セル、ライトガイドの分割ブロック、光検出器の分割セルそれぞれが一対一で対応していれば、シンチレータ、ライトガイド、光検出器の形状は問わない。
シンチレータ109と光検出器のアレイ構造が異なる場合、ライトガイドがそのアレイ構造の違いを補償して一対一で対応する構成となっている。シンチレータが分割されていることにより、信号電子が入射したシンチレータの分割セルから隣接する分割セルへと光子が移動することを低減でき、クロストークを低減できるため、信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から信号電子の試料からの出射角度αをさらに正確に算出できる。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータを分割することにより、クロストークを低減でき、信号電子の入射位置弁別の精度が向上するという効果を奏する。
また、シンチレータの分割部113に反射層を形成することにより、信号電子があるシンチレータの分割セルに入射して光子に変換され、入射した分割セルの側面から飛び出して隣接する分割セルへと入射し、クロストークが発生することを防止でき、光検出器の検出セルの位置から信号電子の試料からの出射角度αをより正確に算出できるようになる。
反射層の材料は、光の反射率が高い材料を用いることが好ましく、具体的には、アルミニウム(Al)が望ましい。反射層の形成方法は、分割部113の表面にスパッタや蒸着等により反射層を構成する材料からなる薄膜を形成する方法や、反射層を構成する材料からなる金属板を貼り付ける方法、反射率の高い粒子を混合した樹脂を塗布する方法等がある。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータの分割部113に反射層を形成することにより、さらにクロストークを低減でき、信号電子の入射位置弁別の精度が向上するという効果を奏する。
シンチレータの分割構造とその作製方法について説明する。図4Dはシンチレータの分割構造の第1の例とその作製方法を説明する模式図である。図4Dの構造では、シンチレータの分割セル109bを、ライトガイドの分割ブロック110aのピッチと一致するように成形し、接着剤115で接着する。反射層を形成する場合は、シンチレータの分割セル109bの側面109cに反射層を形成することによりクロストークを低減することができる。
図4Eはシンチレータの分割構造の第2の例であり、図4Fは図4Eのシンチレータの作製方法を説明する模式図である。図4Eの構造では、ライトガイドの分割ブロックのピッチと一致するように仕切り枠113aを作製し、同様のピッチで仕切り枠113aの中にシンチレータの分割セル109bを形成する。反射層を形成する場合は、仕切り枠113aをAl等の反射率の高い材料で作製する。図4F(a)の作製方法では、仕切り枠と同様のピッチで成形したシンチレータの分割セル109bを仕切り枠113aにはめ込んで固定し、シンチレータの分割セルとライトガイドの分割ブロックのピッチが一致するように配置する。図4F(b)の作製方法では、仕切り枠113aをあらかじめライトガイドの分割ブロックのピッチと一致するように固定し、仕切り枠113aの中に粉体蛍光体(例えば、P47(YSiO:Ce)、YAG、GGAG((Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Tb)、YAP(YAlO:Ce)、GOS(GdS:Pr、GdS:Ce、GdS:Tb))から成るシンチレータの分割セル109bを形成する。粉体蛍光体の形成方法としては、沈降塗布法や印刷法が考えられる。
図4Eの構造では、シンチレータの分割セル109bが仕切り枠113aにより一体化されているため、シンチレータをライトガイドに接着しなくても容易に固定できる。本実施例の荷電粒子検出器は、接着剤を使用せずに仕切り枠でシンチレータの分割セルを一体化し固定する構造により、製造プロセスの簡略化が可能になり製造コストを低減でき、シンチレータが配置される真空チャンバ内を接着剤から出たガスが汚染する危険性が無くなるという効果を奏する。
図4Gはシンチレータの分割構造の第3の例を示す模式図である。図4Gの構造では、まずライトガイドの分割ブロックのピッチと一致するようにシンチレータ109に溝117を設け、その溝に接着力のある材料(樹脂等)を含侵して仕切り113bを形成し、仕切り113bに届くまでシンチレータ109の下部を除去することにより、シンチレータの分割セル109bを形成する。反射層を形成する場合は、仕切り113bとなる材料に反射率の高い粒子を混合した樹脂や接着剤を用いる。
図4Gの方法でもシンチレータの分割セル109bが一体化されているため、図4Fの方法と同様にシンチレータをライトガイドに接着しなくても固定できる。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータの分割セル間の仕切りとなる樹脂や接着剤でシンチレータの分割セルを一体化し固定することにより、製造プロセスの簡略化が可能になり製造コストを低減できるという効果を奏する。
また、現存するアレイ状光検出器の検出セル一つのピッチは最小でも1mm程度であるため、光検出器の検出セルとシンチレータの分割セルの面積を同じ大きさに設計すると、荷電粒子検出器の位置弁別の分解能は最高でも1mm程度になる。一方、本実施例の荷電粒子検出器では、ライトガイドで光路を拡大することにより、光検出器の検出セルよりもシンチレータの分割セルの面積を小さくすることができ、シンチレータの分割セルの面積を小さくするほど信号電子の入射位置弁別の分解能を向上することが可能である。本実施例の荷電粒子検出器は、ライトガイドで光路を拡大し、光検出器の検出セルよりもシンチレータの分割セルの面積を小さくすることにより、信号電子の入射位置弁別の分解能を向上するという効果を奏する。
図5は実施例4の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器も、実施例2と同様にシンチレータ109を分割することでクロストークを低減する構造となっている。実施例3の荷電粒子検出器では、隣接するシンチレータの分割セルが完全に分離しているが、本実施例の荷電粒子検出器ではシンチレータに溝117を設けることによりシンチレータを分割している。溝によってシンチレータを分割することにより、クロストークを低減でき、信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から信号電子の試料からの出射角度αをさらに正確に算出できるようになる。
溝の深さが深いほどクロストークを防止できるが、シンチレータが分離する危険性が高くなる。シンチレータの中には、基材の上に発光層が形成されているシンチレータ(例えば、GaNシンチレータ)がある。GaNシンチレータは、サファイア等の基材上に多重量子井戸(MQW:Multi Quantum well)層という発光層が形成されている。このような基材の上に発光層が形成されているシンチレータを用いる場合は、発光層が分割されるように溝を設けることが望ましい。また、シンチレータの分割セル109bは一体化されているため、あらかじめライトガイドの分割ブロックのピッチと一致するように溝を形成しておけばライトガイドとシンチレータの位置合わせや固定が容易であり、製造プロセスの簡略化が可能であり、製造コストが低下する。
本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータを溝で分割する構造により、製造プロセスの簡略化が可能であり、製造コストを低減でき、信号電子の入射位置弁別の精度が向上するという効果を奏する。
また、溝117に反射層を形成することにより、信号電子があるシンチレータの分割セルに入射して光子に変換され、入射した分割セルの側面から飛び出して隣接する分割セルへと入射し、クロストークが発生することを防止できる。
反射層の材料例および形成方法は、実施例3と同様である。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータの溝117に反射層を形成することにより、クロストークを低減でき、信号電子の入射位置弁別の精度が向上するという効果を奏する。
図6に実施例5の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例1の荷電粒子検出器の構造に加え、ライトガイドにテーパ形状のファイバオプティクスプレート(FOP:Faiber Optics Plate)114を用いている。FOPは直径数μmの微細な光ファイバを束ねた光学部品である(例えば、浜松ホトニクス株式会社製、型式:J5734)。FOPの入射面のファイバに入射した光子は隣接するファイバに侵入することなく出射面の同一のファイバから出射するため、入射面における光子の入射位置を保存したまま出射面に光子を伝達することができる。
本実施例の荷電粒子検出器では、FOPがテーパ形状になっており、入射面よりも出射面の面積やファイバ径が大きいが、入射面における光子の入射位置情報を保存したまま伝達できる点は同じである。前述のように、シンチレータへの光子の入射位置には偏りがあり、一次電子の軌道に近い位置、つまり開口部118から数mmの位置にほとんどの信号電子が入射するが、本実施例の荷電粒子検出器はテーパ形状のFOPの微細な光ファイバにより高密度で入射した光子を分散させながら光検出器に導光でき、光検出器が飽和することを防止できる。このように、本実施例の荷電粒子検出器は、テーパ形状のFOPで光路を拡大する構造により、一次電子線の電流が増加させても光検出器が飽和せず、正確なコントラストの撮影像を得ることができるという効果を奏する。
また、テーパ形状のFOPの透過率(一方の面から入射した光に対する他方の面から出射する光の割合)は、面積の小さい方から大きい方に光を伝搬させた方が高くなる。したがって、本構成のように入射面に対して出射面の面積が大きくなる場合は、光を分散させるだけではなく透過率も大きくなるという効果を奏する。
図7は実施例6の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例4と同様にライトガイドにテーパ形状のFOP114を用いていることに加え、アレイ状光検出器と分割したシンチレータを用いている。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例3および実施例4の荷電粒子検出器と同様にシンチレータの分割セル109bと光検出器の検出セル111cがそれぞれ一対一で対応になっており、信号電子の試料からの出射角度を検出することができる位置弁別検出器としての機能を有する。
実施例3および実施例4の荷電粒子検出器のように複数の分割ブロックからなるライトガイドを用いる場合は、シンチレータの分割セル、ライトガイドの分割ブロック、光検出器の検出セル全てを高精度に位置合わせする必要がある。一方、テーパ形状のFOPのファイバ径は数μmであり、シンチレータの分割セルや光検出器の検出セルの大きさに比べてFOPのファイバ径が十分小さい場合は、シンチレータの分割セルと光検出器の検出セルがそれぞれ高精度に位置合わせされており、テーパ形状のFOPの倍率(入射面と出射面の面積比)がシンチレータの検出面109aと光検出器の検出面111aの面積比と等しければ、テーパ形状のFOPは高精度に位置合わせする必要が無くなり、検出器の組立プロセスや構造が簡略化できる。
本実施例の荷電粒子検出器は、ライトガイドにテーパ形状のFOPを用いる構造により、ライトガイドの位置合わせが不要となり検出器の製造プロセスの簡略化が可能であり、製造コストを低減できるという効果を奏する。
図8に実施例7の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例1の構成において、シンチレータ109と光検出器111の検出面が平行ではない位置(図では垂直)に配置し、ライトガイド110で導光する構造となっている。前述のように試料と最終レンズの極片の間に設置できるよう、荷電粒子検出器はできるだけ小型であることが必要とされる。本実施例の荷電粒子検出器は、ライトガイドを曲げることでシンチレータ109を光検出器111を必ずしも平行配置する必要がなくなり荷電粒子検出器の形状の自由度が高くなるという効果を奏し、対物レンズと試料間の小さな空間に荷電粒子検出器を収めることができるという効果を奏する。
図9は実施例8の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、実施例3の荷電粒子検出器をドーム形状にしたものである。シンチレータ109は分割部113によって分割されており、シンチレータの分割セル109bよりも光検出器の検出セル111cの面積が大きい。
図10はシンチレータの分割セルと試料との位置関係の一例の模式図である。図10ではシンチレータの分割セルを試料に対して平行に並べてある。実施例2~5のようにシンチレータの分割セルを試料に対して平行に配置した場合、シンチレータの分割セルと試料との位置関係は図10のようになる。一次電子102の軌道から最も近いシンチレータの分割セル111c1に入射する信号電子が描く立体角をω1、最も遠いシンチレータの分割セル111c2に入射する信号電子が描く立体角をω2とする。図10のような配置では、一次電子102の軌道から遠いシンチレータの分割セルほど、一次電子の試料への入射位置からシンチレータの分割セルまでの距離が遠くなり、立体角も小さくなる。よって、ω1よりもω2は小さくなり一次電子102の軌道から最も遠いシンチレータの分割セル111c2への信号電子の入射数は減少する。
図11はシンチレータの分割セルと試料との位置関係の他の例の模式図である。図11ではシンチレータの分割セルを試料に対してドーム状に並べてある。本実施例のようにシンチレータを試料に対してドーム状に配置した場合、シンチレータの分割セルと試料との位置関係は図11のようになる。図11のような配置では、一次電子102の軌道からシンチレータの分割セルまでの距離が変わっても、一次電子の試料への入射位置からシンチレータの分割セルまでの距離は等しくなり、立体角も等しくなる。よって、ω1とω2は等しく、図10の場合に比べて、一次電子102の軌道から最も遠いシンチレータの分割セル111c2への信号電子の入射数が増加する。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータの分割セルをドーム状に配置する構造により、一次電子の軌道から遠いシンチレータの分割セルへの信号電子の入射数が増加するという効果を奏する。
図12は実施例9の荷電粒子検出器の概要図である。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータ109、ライトガイド110、光検出器111から成り、シンチレータの検出面109aよりも光検出器の検出面111aの面積が大きい荷電粒子検出器108aを信号電子107が飛来する位置にドーム状に複数配置している。本実施例の荷電粒子検出器は、位置弁別検出器としての機能を有し、荷電粒子検出器108aはそれぞれ完全に独立しているため荷電粒子検出器間でクロストークがなく、信号電子が入射したとき荷電粒子検出器の位置から信号電子107の試料からの出射角度をより正確に検出することができる。
また、実施例8と同様に、一次電子の試料への入射位置からそれぞれの荷電粒子検出器のシンチレータまでの距離が等しくなり、それぞれの荷電粒子検出器のシンチレータに入射する信号電子が描く立体角も等しくなり、一次電子102の軌道から最も遠い荷電粒子検出器への信号電子の入射数が増加する。本実施例の荷電粒子検出器は、シンチレータの検出面よりも光検出器の検出面の面積が大きい荷電粒子検出器をドーム状に複数配置する構造により、信号電子の入射位置弁別の精度が向上し、一次電子の軌道から遠い荷電粒子検出器のシンチレータへの信号電子の入射数が増加するという効果を奏する。
図13は実施例10の荷電粒子線装置の概略図である。電子源101から引き出された一次電子102の軌道上には走査用偏向器103と対物レンズ104が備えられている。一次電子102は、試料搬送ステージ105の上に配置された試料106に照射され、試料106から試料での反射深さが小さい信号電子107a、試料での反射深さが大きい信号電子107bが出射する。
対物レンズ104の上にはE×B偏向器116が配置されており、信号電子をエネルギーの大きさに応じて偏向させる。偏向された反射電子の進行方向には、分割されたシンチレータ109、分割されたライトガイド110、アレイ状光検出器111b、分割部113からなる位置弁別検出器としての機能を有する荷電粒子検出器108が備わっており、検出される信号電子の信号処理が、システム制御部1001から走査用偏向器103に送られる走査信号と同期して行われることによりモニタ121上に観察画像が形成される。
E×B偏向器116は電場と磁場における電子の挙動を利用した偏向器であり、上から入射する電子(一次電子)は偏向しないが、下から入射する電子(信号電子)は偏向するという機能を有する。信号電子の中には、一次電子が試料内で反射し、試料から出射する反射電子がある。反射電子は一般的に50eV以上のエネルギーを持つ電子のことを指し、試料内での反射深さによってエネルギーの大きさが異なる。反射電子のエネルギーは、試料内での反射深さが大きいほど小さくなり、反射深さが小さいほど大きくなる。E×B偏向器で偏向される角度は電子のエネルギーの大きさによって異なり、試料での反射深さが小さい信号電子107aはエネルギーが大きく、小さな角度で偏向され、試料での反射深さが大きい信号電子107bはエネルギーが小さく、大きな角度で偏向される。
本実施例の荷電粒子線装置の荷電粒子検出器108は位置弁別検出器(例えば、実施例3、4、6、8)と同様に、信号電子のシンチレータの検出面への入射位置に対応した光検出器の検出セルの位置から信号電子を弁別できる。また、位置弁別検出器は、信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から信号電子の試料からの出射角度を算出できるが、本実施例の荷電粒子装置の荷電粒子検出器は同様に光検出器の検出セルの位置から信号電子のE×B偏向器116による偏向角度を算出できる。E×B偏向器116による偏向角度は、信号電子のエネルギーの大きさ、つまり反射深さに依存するため、E×B偏向器116による偏向角度から信号電子の反射深さを算出できる。
これにより、本実施例の荷電粒子装置の荷電粒子検出器は、信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から反射深さ別に信号電子を検出することができ、反射深さを算出できる。また、同一の反射深さの信号電子のみを用いて観察画像を形成することで、試料のある深さにおける観察画像を取得することができ、それぞれの深さにおける観察画像を取得し、それらを反射深さの深い順に積み重ねることで試料の3次元の観察画像を取得することができる。本実施例の荷電粒子装置は、対物レンズの上にE×B偏向器を配置し、E×B偏向器により偏向された信号電子の進行方向に位置弁別検出器を配置する構造により、信号電子の反射深さを算出でき、試料のある深さにおける観察画像を取得することができ、試料の3次元の観察画像を取得することができるという効果を奏する。
図14は実施例11の荷電粒子装置の概略図である。本実施例の荷電粒子線装置は、実施例10の荷電粒子装置と同様の構造であるが、相違点はシンチレータの検出面109aよりも光検出器の検出面111aの面積が大きい荷電粒子検出器108aがE×B偏向器116により偏向された信号電子の進行方向にドーム状に複数配置されていることである。この構造により、本実施例の荷電粒子装置は実施例7の荷電粒子装置と同様に信号電子が入射したとき光検出器の検出セルの位置から信号電子の反射深さを算出でき、試料のある深さにおける観察画像を取得することができ、試料の3次元の観察画像を取得することができる。
また、荷電粒子検出器108aをドーム状に配置することにより、一次電子102の軌道から荷電粒子検出器108aまでの距離が変わっても、E×B偏向器116の信号電子の偏向位置から荷電粒子検出器108aのシンチレータ109までの距離は等しくなり、一次電子102の軌道から最も遠い荷電粒子検出器108aのシンチレータ109への信号電子の入射数が増加する。本実施例の荷電粒子検出器は、荷電粒子検出器をドーム状に配置する構造により、一次電子の軌道から遠い荷電粒子検出器のシンチレータへの信号電子の入射数が増加するという効果を奏する。
また、本実施例の荷電粒子装置の荷電粒子検出器108aはそれぞれ完全に独立しているため荷電粒子検出器間でクロストークがなく、E×B偏向器116による偏向角度をより正確に算出することができ、信号電子の反射深さの検出精度が向上する。本実施例の荷電粒子装置は、E×B偏向器により偏向された信号電子の進行方向にシンチレータの検出面よりも光検出器の検出面の面積が大きい荷電粒子検出器をドーム状に複数配置する構造により、信号電子の反射深さの検出精度が向上するという効果を奏する。
実施例1~12では荷電粒子線検出器と荷電粒子線装置について説明したが、本発明の荷電粒子検出器の構成は、放射線検出器にも適用できる。図15は実施例12の放射線検出装置の一例の概略図であり、図16は図15の放射線検出器を示す図である。
図15に示すように、放射線検出装置200は、試料搬送ステージ105上の試料106にX線(放射線)を照射するX線源201と、試料106を透過したX線を検出するX線検出器203とを備える。
図16に示すように、放射線検出器は、放射線を検出する放射線検出面を有し、検出した放射線を光に変換するシンチレータと、シンチレータから放出された光を検出する光検出面を有する光検出器と、シンチレータと光検出器との間に設けられたライトガイドと、を有し、光検出面の面積が、放射線検出面の面積よりも大きい構成を有している。このような構成を有することによって、上述した実施例1~11の荷電粒子検出器と同様に、検出器に入射する放射線の強度が増加しても、飽和せずに正確なコントラストの観察画像が得られる放射線検出器および放射線検出装置を得ることができる。
以上、説明したように、本発明によれば、一次電子線の電流の大電流化し、できることが示された。
なお、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100a,100b,100c…荷電粒子線装置、101…電子源、102…一次電子、103…走査用偏向器、104…対物レンズ、105…試料搬送ステージ、106…試料、107…信号電子、107a…反射深さが小さい信号電子、107b…反射深さが大きい信号電子、108a,108b,108c,108d,108e,108f,108g,108h,108i…荷電粒子検出器、108a…荷電粒子検出器、109…シンチレータ、109a…シンチレータの検出面、109b…シンチレータの分割セル、109c…シンチレータの分割セルの側面、110…ライトガイド、110a…ライトガイドの分割ブロック、111…光検出器、111a…光検出器の検出面、111b…アレイ状光検出器、111c…光検出器の検出セル、112…光、113…分割部、113a…仕切り枠、113b…仕切り、114…テーパ形状のFOP、115…接着剤、116…E×B偏向器、117…溝、118…開口部、120…システム制御部、121…モニタ、130…荷電粒子検出器、w…一次電子の試料への入射位置からシンチレータの検出面への信号電子の入射位置までの距離、h…試料の表面からシンチレータの検出面までの距離、α…信号電子の試料からの出射角度、ω1…一次電子の軌道から最も近いシンチレータの分割セルに入射する信号電子が描く立体角、ω2…一次電子の軌道から最も遠いシンチレータの分割セルに入射する信号電子が描く立体角、200…放射線検出装置、201…X線源、202…X線、203…X線検出器。

Claims (16)

  1. 試料に一次電子を照射して出射した信号電子を検出する信号電子検出面を有し、前記信号電子を光に変換するシンチレータと、
    前記シンチレータから放出された光を検出する光検出面を有する光検出器と、
    前記シンチレータと前記光検出器との間に設けられ、前記光の光路となるライトガイドと、を備え、
    前記光検出面の面積が、前記信号電子検出面の面積よりも大きく、
    前記ライトガイドと前記光検出器は、複数のセルに分割されており、
    前記ライトガイドの分割された前記セルのそれぞれは、前記シンチレータ側の端部に設けられた前記光の入射面から前記光検出器側の端部に設けられた前記光の出射面に向かって前記光路が拡大していることを特徴とする荷電粒子検出器。
  2. 前記ライトガイドと前記光検出器が分割部によって複数のセルに分割されていることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子検出器。
  3. 前記シンチレータが複数のセルに分割されていることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子検出器。
  4. 前記シンチレータが分割部によって複数のセルに分割されていることを特徴とする請求項3に記載の荷電粒子検出器。
  5. 前記分割部の表面に光を反射する反射層が設けられていることを特徴とする請求項2または4に記載の荷電粒子検出器。
  6. 前記シンチレータが、前記光検出器に向かって設けられた複数の溝を有することを特徴とする請求項3に記載の荷電粒子検出器。
  7. 前記溝の表面に光を反射する反射層が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子検出器。
  8. 前記反射層の材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項5または7に記載の荷電粒子検出器。
  9. 前記ライトガイドが複数のファイバオプティクスプレートからなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の荷電粒子検出器。
  10. 前記ライトガイドの前記シンチレータに接続された入射面と前記光検出面に接続された出射面の面積比が、前記信号電子検出面と前記光検出面の面積比と等しいことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の荷電粒子検出器。
  11. 前記信号電子検出面と前記光検出面の面積比が1対20以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の荷電粒子検出器。
  12. 前記シンチレータ、前記光検出器および前記ライトガイドの断面形状が扇形であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の荷電粒子検出器。
  13. 前記シンチレータに対して前記光検出器が垂直に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の荷電粒子検出器。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の前記荷電粒子検出器と、前記一次電子の走査を制御する制御部と、前記信号電子を処理して前記試料の画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  15. 放射線を検出する放射線検出面を有し、放射線信号を光に変換するシンチレータと、
    前記シンチレータから放出された光を検出する光検出面を有する光検出器と、
    前記シンチレータと前記光検出器との間に設けられたライトガイドと、を有し、
    前記光検出面の面積が、前記放射線検出面の面積よりも大きいことを特徴とする放射線検出器。
  16. 請求項15に記載の前記放射線検出器と、試料に放射線を照射する放射線源と、前記放射線検出器から得られた信号を処理して前記試料の画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする放射線装置。
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