JP7265472B2 - 時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 - Google Patents
時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7265472B2 JP7265472B2 JP2019234172A JP2019234172A JP7265472B2 JP 7265472 B2 JP7265472 B2 JP 7265472B2 JP 2019234172 A JP2019234172 A JP 2019234172A JP 2019234172 A JP2019234172 A JP 2019234172A JP 7265472 B2 JP7265472 B2 JP 7265472B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractive index
- index layer
- low refractive
- high refractive
- watch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Description
図1は、実施形態の時計用風防を模式的に示す断面図である。時計用風防10は、基材11と、基材11の表面に形成された無反射膜(反射防止膜)12とを有する。無反射膜12は、高屈折率層121,123と低屈折率層122,124とが交互に積層された、4層の積層膜である。これにより、時計を構成した際に反射防止性能が発揮され、視認性が改善できる。
さらに本発明の無反射膜12は無機物(酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、酸化アルミ(AL2O3)、フッ化マグネシウム(MGF2))を基材11に設けた上に無反射膜12を設けても良い。
実施形態の時計用風防の製造方法によれば、上述した時計用風防が製造できる。すなわち、このような時計用風防10は、図1に示すように、基材11と、基材11の表面に形成された無反射膜12とを有する。無反射膜12は、高屈折率層121,123と低屈折率層122,124とが交互に積層された、4層の積層膜である。また、無反射膜12は、時計を構成した際に、基材11における文字板側となる表面に形成されている。実施形態の時計用風防の製造方法は、蒸着装置を用いずに行われるため、簡便に低コストで時計用風防を製造できる。
実施形態の時計は、上述した時計用風防を有する。図2は、実施形態の時計を模式的に示す断面図である。なお、実施形態の時計は、腕時計である。図2に示すように、実施形態の時計は、時計用風防10を備え、時計用風防10は、基材11と基材11の表面に形成された無反射膜12とを有する。具体的には、無反射膜12は、基材11における文字板31側の表面に形成されている。また、時計用風防10は、パッキング32を介して時計ケース20に取り付けられている。これにより、時計内部に塵、埃、水分などが浸入しないような気密構造が形成されている。ここで、時計ケース20は、胴21および裏蓋22が嵌合されて形成されている。また、胴21および裏蓋22の間には、パッキング33が設けられている。なお、時計ケース20内には、ムーブメント34および文字板31が一体に、中枠35により保持され、収納されている。また、文字板31上には指針36が設けられており、胴21および文字板31の外周領域の間には、見きり37が設けられている。
[1] 基材と、上記基材の表面に形成され、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された積層膜である無反射膜とを有する時計用風防であって、上記基材は、ガラスまたはプラスチックを含み、上記無反射膜は、上記基材の表面には上記高屈折率層が接しており、上記無反射膜の最表面が上記低屈折率層であり、上記高屈折率層は、屈折率が1.5を超える高屈折率高分子を含み、上記低屈折率層は、屈折率が1.5以下である低屈折率高分子を含む、時計用風防。
上記[1]の時計用風防は、簡便な方法により低コストで製造できる。
上記[2]または[3]の時計用風防は、上記高分子を含むため、所望の反射防止性能が得られる。
上記[4]の時計用風防は、反射防止性能、視認性および耐傷性の観点からより好ましい。
上記[5]の時計は、簡便な方法により低コストで製造できる。
上記[6]の時計用風防の製造方法によれば、簡便に低コストで時計用風防を製造できる。
[実施例1-1]
〔高屈折率層形成工程(I)〕
まず、高屈折率高分子としてポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)を有機溶媒に溶かした高屈折率層形成用組成物を用意した。
高屈折率層形成用組成物を、厚さ1mmのサファイアガラス基材にスプレー塗布し、空気中で加熱して有機溶媒を蒸発させた。加熱により、サファイアガラス基材上に、高屈折率高分子を含む高屈折率層を作製した。
〔低屈折率層形成工程(II)〕
次いで、低屈折率高分子としてポリ(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタクリレート)をフッ素系有機溶媒に溶かした低屈折率層形成用組成物(A)を用意した。
低屈折率層形成用組成物を、高屈折率層形成工程(I)で得られた高屈折率層上に、スプレー塗布し、空気中で加熱して有機溶媒を蒸発させた。加熱により、高屈折率層上に、低屈折率高分子を含む低屈折率層を作製した。
〔高屈折率層形成工程(III)〕
高屈折率層形成工程(I)と同じ高屈折率層形成用組成物を用いた。
高屈折率層形成用組成物を、低屈折率層形成工程(II)で得られた低屈折率層上に、スプレー塗布し、空気中で加熱して有機溶媒を蒸発させた。加熱により、低屈折率層上に、高屈折率高分子を含む高屈折率層を作製した。
〔低屈折率層形成工程(IV)〕
次いで、低屈折率高分子としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホナート)を含む低屈折率層形成用組成物(B)を用意した。この組成物は、ジメチルスルホキシド、アセチレン系界面活性剤として2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール,エトキシラテド、エポキシ基を有するシランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロパノールおよび水をさらに含んでいた。
低屈折率層形成用組成物を、高屈折率層形成工程(III)で得られた高屈折率層上に、スプレー塗布し、空気中で加熱して溶媒を蒸発させた。加熱により、高屈折率層上に、低屈折率高分子を含む低屈折率層を作製した。
このように、4層の積層膜からなる無反射膜を有する時計用風防を作製した。また、この時計用風防を用いて、エレクトレットモータを使用した時計を組んだ。ここで、無反射膜は、文字板側となるようにした。
基材として厚さ2mmのアクリル樹脂基材を用いた以外は、実施例1-1と同様にして、4層の積層膜からなる無反射膜を有する時計用風防を作製した。また、この時計用風防を用いて、エレクトレットモータを使用した時計を組んだ。ここで、無反射膜は、文字板側となるようにした。
基材として厚さ1mmのサファイアガラス基材をそのまま用い、時計用風防とした。また、この時計用風防を用いて、エレクトレットモータを使用した時計を組んだ。
基材として厚さ2mmのアクリル樹脂基材をそのまま用い、時計用風防とした。また、この時計用風防を用いて、エレクトレットモータを使用した時計を組んだ。
作製した時計用風防について、可視領域(波長450nm~650nm)の透過率を測定した。ここで、入射光が無反射膜側から入射するようにして測定した。ガラス基材を用いた場合については、厚さ1mmのサファイアガラス基材の透過率は86%であるため、透過率が90%以上である場合を合格とした。一方、透過率が90%未満である場合を不合格とした。また、プラスチック基材を用いた場合については、厚さ2mmのアクリル樹脂基材の透過率よりも、透過率が3%以上大きくなった場合を合格とした。一方、上記アクリル樹脂基材の透過率よりも、透過率が3%以上大きくならなかった場合を不合格とした。実施例1-1~1-2で得られた時計用風防の評価結果は、いずれも合格であった。
作製した時計について、風防の表面を布で擦り、運針の状態を観察した。運針の状態に変化が見られない場合を合格とし、針が一時的に止まるなど、運針の状態に変化がある場合を不合格とした。実施例1-1~1-2で得られた時計の評価結果は、いずれも合格であった。一方、比較例1-1~1-2で得られた時計の評価結果は、いずれも不合格であった。
11 基材
12 無反射膜
121,123 高屈折率層
122,124 低屈折率層
20 時計ケース
21 胴
22 裏蓋
31 文字板
32 パッキング
33 パッキング
34 ムーブメント
35 中枠
36 指針
37 見きり
Claims (4)
- 基材と、前記基材の表面に形成され、第1の高屈折率層、第1の低屈折率層、第2の前記高屈折率層および第2の前記低屈折率層がこの順で積層された積層膜である無反射膜とを有する時計用風防であって、
前記基材は、ガラスまたはプラスチックを含み、
前記無反射膜は、前記基材の表面には前記第1の高屈折率層が接しており、前記無反射膜の最表面が前記第2の低屈折率層であり、
前記第1の高屈折率層および前記第2の前記高屈折率層は、屈折率が1.5を超える高屈折率高分子を含み、前記第1の低屈折率層および前記第2の前記低屈折率層は、屈折率が1.5以下である低屈折率高分子を含み、
前記高屈折率高分子は、ポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)であり、
前記第1の低屈折率層に含まれる前記低屈折率高分子は、ポリ(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタクリレート)であり、前記第2の低屈折率層に含まれる前記低屈折率高分子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホナート)である、
時計用風防。 - 前記無反射膜は、前記基材における文字板側となる表面に形成されている、
請求項1に記載の時計用風防。 - 請求項1または2に記載の時計用風防を有する、
時計。 - 基材と、前記基材の表面に形成され、第1の高屈折率層、第1の低屈折率層、第2の前記高屈折率層および第2の前記低屈折率層がこの順で積層された積層膜である無反射膜とを有する時計用風防の製造方法であって、
前記基材の表面に、屈折率が1.5を超える高屈折率高分子を含む高屈折率層形成用組成物を付着し、加熱して、前記高屈折率高分子を含む前記第1の高屈折率層を形成する第1の高屈折率層形成工程と、
前記第1の高屈折率層形成工程で形成された前記第1の高屈折率層の表面に、屈折率が1.5以下である低屈折率高分子を含む低屈折率層形成用組成物を付着し、加熱して、前記低屈折率高分子を含む前記第1の低屈折率層を形成する第1の低屈折率層形成工程と、
前記第1の低屈折率層形成工程で形成された前記第1の低屈折率層の表面に、屈折率が1.5を超える高屈折率高分子を含む高屈折率層形成用組成物を付着し、加熱して、前記高屈折率高分子を含む前記第2の高屈折率層を形成する第2の高屈折率層形成工程と、
前記第2の高屈折率層形成工程で形成された前記第2の高屈折率層の表面に、屈折率が1.5以下である低屈折率高分子を含む低屈折率層形成用組成物を付着し、加熱して、前記低屈折率高分子を含む前記第2の低屈折率層を形成する第2の低屈折率層形成工程とを含み、
前記基材は、ガラスまたはプラスチックを含み、
前記無反射膜は、前記基材の表面には前記第1の高屈折率層が接しており、前記無反射膜の最表面が前記第2の低屈折率層であり、
前記高屈折率高分子は、ポリ(ペンタブロモフェニルメタクリレート)であり、
前記第1の低屈折率層に含まれる前記低屈折率高分子は、ポリ(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタクリレート)であり、前記第2の低屈折率層に含まれる前記低屈折率高分子は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホナート)である、
時計用風防の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019234172A JP7265472B2 (ja) | 2019-12-25 | 2019-12-25 | 時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 |
CN202011548463.3A CN113031427A (zh) | 2019-12-25 | 2020-12-24 | 钟表和钟表的风挡的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019234172A JP7265472B2 (ja) | 2019-12-25 | 2019-12-25 | 時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021103114A JP2021103114A (ja) | 2021-07-15 |
JP7265472B2 true JP7265472B2 (ja) | 2023-04-26 |
Family
ID=76755024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019234172A Active JP7265472B2 (ja) | 2019-12-25 | 2019-12-25 | 時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7265472B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004198354A (ja) | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Citizen Watch Co Ltd | 時計用カバーガラスの製造方法 |
JP2005015790A (ja) | 2003-06-06 | 2005-01-20 | Toray Ind Inc | 高屈折率高分子およびそれを用いた高屈折率膜 |
JP2010243164A (ja) | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Seiko Epson Corp | 透光性部材、時計、および透光性部材の製造方法 |
JP2012048195A (ja) | 2010-07-27 | 2012-03-08 | Nof Corp | 反射防止フィルム |
JP2017507803A (ja) | 2013-12-19 | 2017-03-23 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 多層複合材料物品 |
JP2017181146A (ja) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | セイコーエプソン株式会社 | 透光性部材、時計、および透光性部材の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08122502A (ja) * | 1994-10-20 | 1996-05-17 | Asahi Glass Co Ltd | 反射防止層を有する光学物品 |
-
2019
- 2019-12-25 JP JP2019234172A patent/JP7265472B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004198354A (ja) | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Citizen Watch Co Ltd | 時計用カバーガラスの製造方法 |
JP2005015790A (ja) | 2003-06-06 | 2005-01-20 | Toray Ind Inc | 高屈折率高分子およびそれを用いた高屈折率膜 |
JP2010243164A (ja) | 2009-04-01 | 2010-10-28 | Seiko Epson Corp | 透光性部材、時計、および透光性部材の製造方法 |
JP2012048195A (ja) | 2010-07-27 | 2012-03-08 | Nof Corp | 反射防止フィルム |
JP2017507803A (ja) | 2013-12-19 | 2017-03-23 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 多層複合材料物品 |
JP2017181146A (ja) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | セイコーエプソン株式会社 | 透光性部材、時計、および透光性部材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021103114A (ja) | 2021-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6119920B2 (ja) | 近赤外線カットフィルタおよび撮像装置 | |
US8007901B2 (en) | Optical article having an antistatic, antireflection coating and method of manufacturing same | |
JP5489604B2 (ja) | 光学物品の製造方法 | |
WO2013183457A1 (ja) | 光学素子 | |
JP5435168B2 (ja) | 透光性部材および時計 | |
WO2019069642A1 (ja) | 撥水撥油部材及び撥水撥油部材の製造方法 | |
JP2015210531A (ja) | シリコーン表面上に反射防止層を製造する方法及び光学素子 | |
JP7211423B2 (ja) | 撥水撥油部材及び撥水撥油部材の製造方法 | |
US9568647B2 (en) | Optical film having antistatic layer, polarizing plate, and image display device | |
JP7265472B2 (ja) | 時計用風防、時計用風防の製造方法および時計 | |
JP2011113050A (ja) | プラスチック光学部材 | |
JP7222878B2 (ja) | 風防用帯電防止膜形成用組成物、及びそれを用いた時計と時計の製造方法 | |
JP2010186159A (ja) | 光学物品およびその製造方法 | |
JP2009251008A (ja) | 光学物品およびその製造方法 | |
US9581732B2 (en) | Optical component and timepiece | |
JP7265471B2 (ja) | 時計 | |
JP5750718B2 (ja) | 透光性部材、および時計 | |
JP6372590B2 (ja) | カバー部材、および携帯情報機器 | |
JP7154738B2 (ja) | 透明積層体 | |
US9348063B1 (en) | Optical component and timepiece | |
CN113031427A (zh) | 钟表和钟表的风挡的制造方法 | |
JP2001315262A (ja) | 反射防止フィルム | |
US10513627B2 (en) | Window, display device including the same, and manufacturing method of window | |
US9639059B2 (en) | Optical component and timepiece | |
JP6278055B2 (ja) | カバー部材、および携帯電話 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210106 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220509 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230414 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7265472 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |