JP7265230B2 - 面ファスナー - Google Patents

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Description

本発明は、ファスナー部材と、そのファスナー部材に取り外し可能に保持されるマスキング部材とを有する面ファスナーに関する。
面ファスナー付きのクッション体は、例えば自動車や列車の座席用シート等に用いられている。面ファスナーは、ベース部と、ベース部に立設される複数のフック状の係合素子とを有しており、フック部材と呼ばれることがある。また、熱可塑性樹脂を成形して得られる面ファスナーは、成形面ファスナーと呼ばれることがある。
このような面ファスナー付きのクッション体の表面に、繊維製布帛等からなる表皮材を被せる場合、複数のループを有するループ部材が表皮材の裏面に設けられている。このため、クッション体に設けた面ファスナー(フック部材)にループ部材を係合させることによって、表皮材をクッション体の表面に被せて固定できる。
このような面ファスナー付きのクッション体を発泡成形により製造する場合、面ファスナーの係合素子が配されている領域(係合領域)内に、発泡樹脂が侵入すると、その係合素子にループ部材のループが係合し難くなり、ループ部材に対する面ファスナーの係合強度(剥離強度)を低下させるという問題があった。このため、従来では、面ファスナーの係合領域に対して発泡樹脂が侵入することを防ぐ方法の1つとして、クッション体の発泡成形を行う際に、面ファスナーの係合領域をマスキング部材で覆うことが知られている。
例えば特表平9-506559号公報(特許文献1)には、図24に示した面ファスナー100が開示されている。この特許文献1の面ファスナー100は、合成樹脂製のファスナー部材101と、マスキング部材となるエラストマー包囲部102とを有する。ファスナー部材101は、ベース部103と、フック状の係合素子(フック素子)104とを有する。ベース部103は、複数の係合素子104を支持している。
エラストマー包囲部102は、ファスナー部材101の係合素子104を完全に包み込むとともに、ファスナー部材101から剥ぎ取ることが可能に形成されている。また、エラストマー包囲部102には、鉄粒子が含まれている。このエラストマー包囲部102は、ファスナー部材101の係合素子104が形成されている面に液体組成物をコーティングし、その後、コーティングした液体組成物をオーブンで乾燥させることによって形成される。
このような特許文献1の面ファスナー100は、クッション体の発泡成形に用いられる金型に磁石が装着されていることにより、その金型の磁石とエラストマー包囲部102に含まれる鉄粒子との間に生じる磁力を利用して、金型の所定の位置に保持される。また、面ファスナー100が保持された金型を用いてクッション体の発泡成形を行う際には、ファスナー部材101の係合素子104がエラストマー包囲部102に完全に包み込まれているため、面ファスナー100の係合素子104間に発泡樹脂が侵入することを阻止できる。従って、クッション体の発泡成形後に、エラストマー包囲部102をファスナー部材101から剥ぎ取ることによって、発泡樹脂によって汚染されていない複数の係合素子104を露出させることができる。このため、面ファスナー100にループ部材を安定して係合させることが可能となる。
特表平9-506559号公報
特許文献1の面ファスナー100を上述のように磁力を利用して金型に保持した状態でクッション体の発泡成形を行った場合、上述したように、エラストマー包囲部(マスキング部材)102に包まれている係合素子104間への発泡樹脂の侵入は防止できるものの、エラストマー包囲部102と金型(特に、金型に設けた磁石)との間に発泡樹脂が侵入し、その結果、エラストマー包囲部102を覆うように薄い膜状の発泡体が形成されることがある。
このようにエラストマー包囲部102と金型との間に形成された薄膜状の発泡体は、クッション体の発泡成形後にエラストマー包囲部102をファスナー部材101から引き剥がした後も、係合素子の上方や近傍に残留し、係合領域を覆うことがある。その結果、面ファスナー100の係合素子104にループ部材のループが係合し難くなり、面ファスナー100の係合強度の低下を招くことがあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、クッション体の発泡成形後にマスキング部材を剥がしたときに、係合強度の低下を抑制することが可能な面ファスナーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される面ファスナーは、ファスナー部材と、前記ファスナー部材に取り外し可能に保持されるマスキング部材とを有し、前記ファスナー部材は、長尺で第1面と第2面とを有するベース部と、前記ベース部の前記第1面から突出する複数の係合素子とを有し、前記ベース部の長手方向に沿って配置される複数の前記係合素子によって、前記長手方向に沿った係合素子列が形成され、前記マスキング部材は、前記ベース部の前記第1面上に配され、且つ、少なくとも一部の前記係合素子を被覆し、前記マスキング部材は、前記ベース部に対向するマスキング内面と、前記マスキング内面に対して(上下方向の)反対側に配されるマスキング外面とを有し、前記マスキング外面に、(前記ベース部に向けて窪んだ)少なくとも1つの凹部が設けられ、前記マスキング部材の前記凹部は、前記長手方向に沿って設けられる縦溝部を含み、前記縦溝部は、幅方向において、前記係合素子列に重ならない位置に形成されていることを特徴とする。
このような本発明の面ファスナーによれば、クッション体の発泡成形においてマスキング部材と金型との間に薄い発泡体が形成されても、その発泡体をマスキング部材のマスキング外面に固定させ易くすることができる。これにより、発泡成形後にマスキング部材をファスナー部材から剥がすことによって薄い発泡体を除去し易くできるため、ファスナー部材の複数の係合素子を発泡体によって覆われ難くすることができる。その結果、発泡体に一体化されたファスナー部材は、係合強度の低下を抑制することができる。
面ファスナーをクッション体の成形金型に保持するときに、金型に設置した磁石と、面ファスナーが含む磁性粒子との間の磁力を利用することにより、金型に取り付ける面ファスナーの位置及び向きを、磁石に対応させて自動的に合わせることが可能なセルフアライメント効果を得ることができるが、本発明のようにマスキング外面に凹部が設けられていることにより、面ファスナーと金型との接触面積を小さくして両者の間に生じる摩擦抵抗を低減でき、それによって、セルフアライメント効果を向上させることができる。
本発明に係る面ファスナーにおいて、前記凹部は、前記マスキング部材における幅方向の側縁位置から内側に離れて配されていることが好ましい。これにより、発泡成形後にマスキング部材をファスナー部材から剥がすときに、発泡体を、凹部よりも幅方向の外側の領域で引き千切り易くすることができ、それによって、マスキング部材に覆い被さる発泡体を容易に除去できる。
本発明の面ファスナーにおいて前記マスキング部材の前記凹部は、前記ファスナー部材の長手方向に沿って間欠的に設けられる複数の凹陥部を含むことが好ましい。更に、前記マスキング部材の前記凹部は、前記ファスナー部材の幅方向に沿って設けられる複数の横溝部を含むことが好ましい。
マスキング部材のマスキング外面に、上述のような形態の凹部が形成されることにより、マスキング部材と金型との間に形成される発泡体を凹部内に誘い込み易くして、マスキング部材のマスキング外面に発泡体をより固定させ易くできるため、発泡体に対するマスキング部材のアンカー効果を高めることができる。
また本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング部材の前記凹部は、前記マスキング外面から前記凹部の底部までの深さが異なる複数の前記凹部を含むことが好ましい。これにより、マスキング部材の強度を確保するとともに、発泡体に対するマスキング部材のアンカー効果を高めることができる。
更に本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング部材の前記マスキング外面は、前記ファスナー部材の長手方向に沿って、高さ方向に起伏していることが好ましい。これにより、マスキング部材と金型との間に形成される発泡体をマスキング外面により固定させ易くできるため、マスキング部材の発泡体を固定するアンカー効果をより高めることができる。
本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング部材は、磁性粒子を含むことが好ましい。これにより、磁石が設置された金型に対し、面ファスナーをより容易に保持できる。また、面ファスナーのセルフアライメント効果を向上させることができる。
この場合、前記マスキング部材は、前記ベース部に対向する内面、及び前記内面に対して反対側に配される外面を有するマスキング本体と、前記マスキング本体の前記外面の少なくとも一部を被覆する外膜部とを備え、前記外膜部は、前記マスキング本体よりも摩擦抵抗が低いことが好ましい。これにより、上述したセルフアライメント効果によって、金型に取り付ける面ファスナーの位置及び向きをより容易に自動的に合わせることができる。
また、前記マスキング本体の前記外面に、少なくとも1つの凹部が設けられていることが好ましい。これにより、マスキング本体と外膜部との間の固着強度を高めることができる。
本発明の面ファスナーにおいて、前記マスキング外面の前記凹部は、前記マスキング外面における幅方向の端部を含んで設けられていてもよい。また、前記マスキング外面の前記凹部は、前記マスキング外面における幅方向の両端部において、前記ファスナー部材の長手方向に沿って設けられていてもよい。これにより、クッション体の発泡成形時に形成される発泡体をマスキング部材のマスキング外面に固定させ易くすることができる。
前記ファスナー部材は、複数の前記係合素子を含む係合領域と、前記係合領域の幅方向の外側に配されるとともに前記ファスナー部材の長手方向に沿って設けられる左右の縦壁部とを有し、前記マスキング部材は、前記マスキング外面における幅方向の両端部におのおの側縁部を有し、前記側縁部は、前記縦壁部の内側に隣接して、前記ファスナー部材の長手方向に沿って配されていることが好ましい。
これにより、マスキング部材の左右両端部における強度を向上させることができ、それによって、クッション体の発泡成形時に、マスキング部材における左右の側縁部の内側への発泡樹脂の侵入をより抑制できる。また、マスキング部材におけるマスキング外面と側縁部の上面との間に段差が設けられるとともに、側縁部上に形成される発泡体をより薄くできる。このため、発泡成形後にマスキング部材をファスナー部材から剥がすときに、発泡体を、マスキング外面及び縦壁部間に配される側縁部の領域で容易に引き千切ることが可能となり、それによって、複数の係合素子に覆い被さる可能性のある発泡体を安定して除去できる。
本発明の面ファスナーによれば、発泡体に一体化されたファスナー部材において、係合強度の低下を抑制することができる。
本発明の実施例1に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図1に示した面ファスナーの平面図である。 図2に示すIII-III線における断面図である。 図1に示した面ファスナーのファスナー部材を模式的に示す斜視図である。 図1に示した面ファスナーの製造に用いられる第1成形装置を模式的に示す模式図である。 図1に示した面ファスナーの製造に用いられる第2成形装置を模式的に示す模式図である。 図6に示した第2成形装置の貼り合わせローラの要部を示す断面図である。 発泡成形によって面ファスナーと金型との間に形成される発泡体を示す模式図である。 実施例1の第1変形例に係るマスキング部材を模式的に示す斜視図である。 実施例1の第2変形例に係るマスキング部材を模式的に示す斜視図である。 実施例1の第3変形例に係るマスキング部材を模式的に示す斜視図である。 実施例1の第4変形例に係るマスキング部材を模式的に示す斜視図である。 実施例1の第5変形例に係るマスキング部材を模式的に示す斜視図である。 図13に示したマスキング部材の断面図である。 実施例1の第6変形例に係る面ファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例3に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図16に示した面ファスナーの断面図である。 図16に示した面ファスナーのファスナー部材を模式的に示す斜視図である。 図16に示した面ファスナーの製造に用いられる第2成形装置を模式的に示す模式図である。 実施例1の第7変形例に係る面ファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 実施例1の第8変形例に係る面ファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 実施例1の第9変形例に係る面ファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 実施例3の第1変形例に係る面ファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 従来の面ファスナーを示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、本発明において、面ファスナーの長さ寸法及び幅寸法、並びに、面ファスナーのファスナー部材に設けられる係合素子の個数、配設位置、及び形成密度などは特に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
図1は、本実施例1に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図2は、面ファスナーの平面図であり、図3は、図2に示すIII-III線における断面図である。図4は、面ファスナーを形成するファスナー部材を模式的に示す斜視図である。
以下の説明において、面ファスナーについての前後方向とは、長尺に成形されるファスナー部材の長手方向を言い、この前後方向は、例えば面ファスナーの製造工程においてファスナー部材が連続的に成形される機械方向(MD)に沿った方向である。
左右方向とは、前後方向に直交し、且つ、ファスナー部材のベース部の上面に沿った幅方向を言う。この場合、左右方向及び幅方向は、機械方向(MD)に直交する直交方向(CD)と言うこともできる。上下方向とは、ファスナー部材のベース部の上面に直交する高さ方向又は厚さ方向を言う。特に、ベース部に対して係合素子が突出する方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1に係る面ファスナー10は、前後方向に長く形成される合成樹脂製のファスナー部材20と、ファスナー部材20の上面(第1面)側に取り外し可能に保持されるマスキング部材30とを有する。
ファスナー部材20は、プレート状のベース部21と、ベース部21の上面から突出する複数のフック状の係合素子23を含む係合領域25と、係合領域25の幅方向の外側に配されるとともにファスナー部材20の長手方向に沿って設けられ、ベース部21の左右側縁部から上方に延びる左右の縦壁部22と、ベース部21から左右方向の外側に向けて延出する複数の耳部24とを有する。
ファスナー部材20は、後述するように、磁性粒子を実質的に含まないファスナー用合成樹脂を溶融させて所定の形状に成形するとともに、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aを、溶融させた合成樹脂に供給して一体的に固定することによって形成されている。この場合、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aは、ファスナー部材20における左右の各縦壁部22に、上下方向に折り曲げられながら長手方向に沿って連続的に固定されている。
本実施例1において、ファスナー部材20の材質となるファスナー用合成樹脂には、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、PVC樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、又はそれらの共重合体などの熱可塑性樹脂が採用される。磁性粒子を含有するモノフィラメント22aには、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂等の合成樹脂に、鉄、コバルト、ニッケル等の金属又は合金からなる磁性粒子を混入して形成されたモノフィラメント22aが用いられる。ここで、磁性粒子とは、磁石73に磁気的に引き付けられる粒子を言う。なお、ファスナー部材20は合成樹脂製のものに限られず、織編成の面ファスナーであっても構わない。
なお本発明において、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂、モノフィラメント22a、及び磁性粒子の材質は特に限定されない。また、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aに代えて、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の金属又は合金からなる金属細線を数本束ねて撚られた金属製線材をファスナー部材に固定することも可能である。
本実施例1において、ベース部21は、長尺で細幅のプレート状に形成されている。ベース部21の上面(第1面)及び下面(第2面)は略平坦に形成されている。このベース部21は、左右の縦壁部22と複数の係合素子23とを支持している。係合素子23は、ベース部21の上面から突出する。なお、ベース部21の上面とは、ベース部21の縦壁部22及び係合素子23が連結する部分以外の上側に向く表面を言う。
本実施例1において、ベース部21の上面及び下面が略平坦であるとは、完全に平坦なものだけでなく、主面に波うちや凹凸が形成されているものを含む。例えば、ベース部21の下面にエンボス加工を行って凹凸形状を形成すること、又はベース部21の下面に不織布又はメッシュ状の生地(メッシュ素材)を固定することが可能である。それによって、ファスナー部材20を後述するようにクッション体に固定したときに、クッション体に対するファスナー部材20の固定強度を効果的に高めることができる。
左右の縦壁部22は、ベース部21の上面に前後方向に沿って形成されている。左右の各縦壁部22には、上述したような磁性粒子を含有する1本のモノフィラメント22aが長手方向に沿って上下にジグザグ状に折り曲げられて固定されている。左右の各縦壁部22は、前後方向に沿って一定の形成ピッチで設けられるとともにモノフィラメント22aを下から支持する複数の縦壁本体と、各縦壁本体の内側側面及び外側側面に設けられる補強リブ22bとをそれぞれ有する。ここで、縦壁本体の内側側面とは、縦壁本体の係合領域25に向く側に配される壁面を言い、外側側面とは、内側側面の反対側に配される壁面を言う。
左右の各縦壁部22には、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aが連続的に固定されているため、後述するように、クッション体の発泡成形に用いられる金型70に対して面ファスナー10を取り付けるときに、金型70に設けられた磁石73と、左右の各縦壁部22に固定されたモノフィラメント22a内の磁性粒子との間に生じる磁力を利用することによって、面ファスナー10を金型70のファスナー取付部に磁気的に引き付けて保持できる。また上記磁力を利用することによって、面ファスナー10のセルフアライメント効果を発揮させて、面ファスナー10が取り付けられる位置及び向きを、磁石73に対応させて精度良く自動的に合わせることができる。
なお本発明において、縦壁本体は、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aを長手方向に沿って固定する代わりに、例えば磁性粒子を含有する合成樹脂を、ベース部を形成するファスナー用合成樹脂とともに用いて二色成形を行うことによって形成されていてもよい。このような二色成形によって縦壁本体が形成される場合でも、その面ファスナーを金型70の磁石73に磁気的に引き付けて保持できる。また、面ファスナーのセルフアライメント効果を発揮できる。
縦壁部22の補強リブ22bは、各縦壁本体の内側側面と外側側面とに1つずつ一体的に形成されている。このような補強リブ22bによって、モノフィラメント22aを縦壁部22に安定して固定できる。なお、本実施例1において、縦壁本体の内側側面又は外側側面には補強リブ22bが設けられていなくてもよい。また、補強リブ22bは、縦壁本体の内側側面と外側側面とにそれぞれ複数設けられていてもよい。
各係合素子23は、ベース部21の上面から起立する起立部と、起立部の上端部から前方及び後方に分岐して湾曲しながら延びるフック状の係合頭部(フックとも言う)とを有する。係合頭部の前方及び後方に分かれる分岐部分は、下方に凹んでいる。また、係合頭部は、前方側のフック先端と後方側のフック先端とに向けて徐々に薄く、また細くなるように形成されている。
本実施例1において、係合素子23におけるベース部21の上面からの高さ寸法(高さ方向の寸法)の最大値は、縦壁部22の高さ寸法よりも小さい。ここで、縦壁部22の高さ寸法は、ベース部21の上面から縦壁部22の頂端面(上面)までの高さ寸法を言う。なお、本発明において、係合素子の形状及び大きさは特に限定されず、任意に変更可能である。
複数の係合素子23は、ファスナー部材20に係合させるループ部材との間で所定の係合力(結合力)が得られるように、ベース部21の長手方向及び幅方向に規則的に並べられて配置されている。本実施例1の場合、ベース部21の長手方向に沿って所定の形成ピッチで一列に並ぶ複数の係合素子23によって、長手方向(縦方向)の係合素子列26が形成されている。
ファスナー部材20において、ループ部材のループを係合可能な係合領域25は、長手方向に沿った3列の係合素子列26を有しており、3列の係合素子列26は幅方向に並べられている。すなわち、係合領域25は、幅方向において、最も左側に位置する係合素子列26における係合素子23の外側側面(左側面)から、最も右側に位置する係合素子列26における係合素子23の外側側面(右側面)までの範囲に形成されている。また、係合領域25は、ファスナー部材20の長手方向の略全体に亘って連続して形成されている。
複数の係合素子23は、幅方向に互いに隣接する2つの係合素子列26間において、係合素子23の位置を長手方向にずらすことによって、全体として千鳥状に配置されている。なお本発明において、係合素子23の形成密度や配置パターンは特に限定されない。例えば左右の縦壁部22間に設ける係合素子列26の数は、2列以上であればよい。この場合、ファスナー部材20にマスキング部材30を保持したときの保持力や安定性、また、ファスナー部材20からマスキング部材30を剥がすときの剥がし易さの点から、左右の縦壁部22間には、長手方向に沿った係合素子列26が、幅方向に3列以上6列以下で並べられていることが好ましい。また、複数の係合素子23の配置は、本実施例1のような千鳥状に限定されず、例えば複数の係合素子23を、長手方向と幅方向とに整列させてもよい。
ファスナー部材20の各耳部24は、ベース部21の左右側縁から幅方向の外側に向けて延出している。この場合、ベース部21の左右側縁は、左右の縦壁部22よりも幅方向の外側に位置する。ベース部21に対して左側に配される複数の耳部24と右側に配される複数の耳部24とは、ベース部21の長手方向に互い違いに配されている。各耳部24は、ベース部21から幅方向に延びる耳本体部24aと、耳本体部24aの上面に突出する複数の突出壁部24bとを有する。複数の突出壁部24bは、ベース部21の長手方向に沿って一定の間隔で設けられている。
ファスナー部材20に上述のような左右の耳部24が設けられていることにより、クッション体の発泡成形を行ったときに、そのクッション体の内部に耳部24を埋め込むことができる。それによって、クッション体に対する面ファスナー10(ファスナー部材20)の固定強度を増大できる。なお本発明において、耳部の形状、大きさ、設置パターン等は特に限定されるものではない。また、耳部を設けずにファスナー部材が形成されていても良い。
本実施例1のマスキング部材30は、ファスナー部材20の長手方向に細長く形成されている。また、マスキング部材30は、ベース部21の上面上に配され、ファスナー部材20の係合領域25(複数の係合素子23)を上側から被覆するとともに左右の縦壁部22間に設けられている。このマスキング部材30は、ファスナー部材20の係合領域25よりも大きな幅寸法を有しており、また、ファスナー部の長手方向の略全体に亘って連続して一体形成されている。更に、マスキング部材30は、幅方向の中心位置を基準にして左右対称な形状を有する。なお本発明において、マスキング部材30は、幅方向の中心位置を基準にして左右非対称でもよい。
本実施例1のマスキング部材30は、例えば、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂よりも軟らかく、磁性粒子を実質的に含まず、且つ、熱可塑性を備えた合成樹脂又はエラストマーによって形成されている。例えばマスキング部材30の材質としては、PVC樹脂等のマスキング用合成樹脂、又は、ポリエステル系若しくはポリウレタン系等のマスキング用エラストマーが用いられる。このような材質でマスキング部材30が形成されることによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がすときに、係合素子23に変形や破損を生じさせ難くできる。
マスキング部材30は、上側に露出するマスキング外面(マスキング上面)31と、ベース部21に対向するマスキング内面(マスキング下面)32とを有する。マスキング外面31とマスキング内面32とは、互いにマスキング部材30の反対側に配されている。マスキング外面31は、図3にマスキング部材30の断面を示しているように、高さ方向に関し、ファスナー部材20の縦壁部22の頂端面よりも低い位置(ベース部21に近い位置)に配されており、また、長手方向及び幅方向に平行な平面に形成されている。
マスキング外面31には、マスキング部材30における幅方向の側縁位置から内側に離れて配されるとともにベース部21に向けて窪んだ形状を有する複数の凹部34と、マスキング部材30の左右側縁(幅方向の両端部)におのおの配される左右の側縁部33とが設けられている。この場合、本実施例1のマスキング外面31に設けられる凹部34は、底面部を有しており、また、凹部34の底面部は、高さ方向に関し、係合素子23よりも上側の位置に、言い換えると、係合素子23の上端位置よりもベース部21から離れた位置に配される。
なお、本発明において、マスキング外面31の凹部34が、マスキング部材30における幅方向の側縁位置から内側に離れて配されているとは、例えばマスキング部材30を上側から見た平面視において、凹部34がマスキング部材30の左右側縁(幅方向の両端部)まで延びておらず、マスキング外面31の左右側縁部分が1つの面として長さ方向に連続的に形成されていることを意味する。また、凹部34には、可撓性のある物品のたわみによる凹部は含まれない。
本実施例1において、マスキング外面31に設けられる凹部34は、長手方向に沿って設けられる4つの縦溝部(縦方向の凹溝部)35を有する。各縦溝部35は、長手方向に沿って直線的に形成されている。また、各縦溝部35は、溝底面と、溝底面の左右側縁から立ち上がる左右一対の溝壁面とを有しており、マスキング部材30の長手方向に直交する横断面を見たときに(図3を参照)、四角形又は略四角形を呈する空間部が縦溝部35の内側に形成される。この場合、各縦溝部35の溝底面(底面部)は、上述したように、係合素子23の上端位置よりも高い位置に設けられている。
また、本実施例1の縦溝部35は、マスキング外面31の位置から溝底面までの溝深さが異なる2種類の縦溝部35を有する。具体的には、縦溝部35は、幅方向の中央寄りの位置に配される2つの第1縦溝部35aと、第1縦溝部35aの左右両側に配される2つの第2縦溝部35bとを有しており、第1縦溝部35aは、第2縦溝部35bよりも溝深さを大きくして形成されている。
このように溝深さが大きい第1縦溝部35aを設けることによって、後述するクッション体の発泡成形時に、縦壁部22を越えて内側に侵入した発泡樹脂を、深い第1縦溝部35a内に収容して保持できる。このため、発泡体を固定するマスキング部材30の固定強度を高めることができる。また、第2縦溝部35bを第1縦溝部35aよりも浅く形成することにより、マスキング部材30における幅方向の左右両端部の強度を高めることができ、マスキング部材30の形状(横断面形状)を安定させることができる。
また、本実施例1における第1縦溝部35a及び第2縦溝部35bは、幅方向において、長手方向に沿った係合素子列26に重ならない位置に形成されていることが好ましい。すなわち、2つの第1縦溝部35aは、ファスナー部材20において幅方向の中央に配される係合素子列26と、左右両側に配される係合素子列26との間の範囲に設けられている。2つの第2縦溝部35bは、左右の係合素子列26と、左右の縦壁部22との間の範囲にそれぞれ設けられている。
これにより、後述するように面ファスナー10の製造工程において、ファスナー部材20とマスキング部材30を貼り合わせる際に、縦溝部35の形成に伴って係合素子23に荷重が加えられることを抑制し、それによって、係合素子23に折れ曲がる等の変形を生じさせ難くすることができる。更に、第1縦溝部35a及び第2縦溝部35bの設置に起因してマスキング部材30の強度が局部的に低下することを抑制している。
マスキング部材30における左右の側縁部33は、マスキング外面31で最も高さが高く、また、ファスナー部材20における左右の縦壁部22の内側に隣接して、ファスナー部材20の長手方向に沿って設けられている。この側縁部33の上面は、マスキング部材30においてベース部21から高さ方向に最も離れて配されており、且つ、高さ方向において、ファスナー部材20の縦壁部22の頂端面よりも低い位置に配されている。左右の側縁部33が設けられていることにより、マスキング部材30の左右両端部における強度を向上できる。また、クッション体の発泡成形時に、発泡樹脂を側縁部33よりも内側に侵入させ難くすることができる。
本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30のマスキング外面31が、ファスナー部材20の縦壁部22の頂端面よりも低く配置されている。これによって、クッション体の発泡成形工程において、上述したセルフアライメント効果を利用して面ファスナー10を成形金型70に保持する際に、面ファスナー10と金型70の内面との間に生じる摩擦力を低減し、金型70に対して面ファスナー10を移動させ易くすることができる。その結果、面ファスナー10の位置及び向きを、金型70に設置した磁石73の位置及び向きに対応して精度良く且つ円滑に合わせることができる。なお本実施例1において、マスキング外面31の側縁部33は、ファスナー部材20の縦壁部22からマスキング外面31に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されていてもよい。
マスキング部材30のマスキング内面32は、ベース部21から離れて配されているとともに、マスキング部材30の横断面を見たときに(図3を参照)、ベース部21との離間距離を変化させるような凹凸面に形成されている。このようなマスキング内面32の断面形状は、マスキング部材30の長さ方向の全体に亘って形成されている。従って、ベース部21の上面とマスキング部材30のマスキング内面32との間には、空間部36が設けられている。これによって、マスキング部材30をファスナー部材20から剥がして取り外すときに、マスキング部材30をより剥がし易くすることができる。
また、マスキング内面32には、マスキング外面31に向けて延びる2つの凹状の内側溝部37が設けられている。この場合、2つの内側溝部37は、ファスナー部材20の3つの係合素子列26のうちの左側及び右側の係合素子列26の位置に対応して設けられている。これにより、左右の係合素子列26における各係合素子23がマスキング部材30に埋め込まれる深さを浅くできるため、マスキング部材30をファスナー部材20から容易に剥がすことができる。一方、ファスナー部材20における幅方向の中央部に配される係合素子列26の係合素子23は、左右の係合素子列26よりも、マスキング部材30に深く埋め込まれている。これにより、ファスナー部材20がマスキング部材30を保持する力を高めることができる。
次に、上述のような本実施例1の面ファスナー10を製造する製造装置及び製造方法について説明する。
本実施例1の製造装置は、図5に示したようなファスナー部材20の成形に用いられる第1成形装置50と、図6に示したようなマスキング部材30の成形とファスナー部材20への貼り合せに用いられる第2成形装置60とを有する。
図5の第1成形装置50は、一方向(図面では反時計回り方向)に駆動回転するダイホイール52と、ダイホイール52の外周面に対向して配され、溶融したファスナー用合成樹脂を供給する第1ノズル部51と、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aをダイホイール52と第1ノズル部51の樹脂供給口51cの間に導入する図示しないモノフィラメント供給部と、第1ノズル部51よりもダイホイール52の回転方向の下流側(機械方向の前方側)に配されるピックアップローラ53とを有する。
第1成形装置50のダイホイール52は、円柱状に形成されている。このダイホイール52は、図示を省略するものの、所要の厚さを有するリング状又はドーナツ状の形状に形成された複数の積層プレートと、重ね合わされた複数の積層プレートの中央開口部に挿通されるとともに積層プレートを固定する回転軸部とを有する。
また、ダイホイール52の外周面部(すなわち、積層プレートの外周縁部)には、ファスナー部材20の縦壁部22、係合素子23、及び耳部24の突出壁部24bを成形するための図示しない成形用キャビティが、放電加工、レーザ加工、エッチング加工などの従来から公知の技術を用いて形成されている。
更に、ダイホイール52は、その外周面部で成形されるファスナー部材20を効率的に冷却するために、冷却液をダイホイール52の内部に流通可能に形成されている。ダイホイール52の下部には、同ダイホイール52の下半部を浸漬させる図示しない冷却液槽が配されている。
第1ノズル部51には、図5に示すように、ファスナー部材20を形成するファスナー用合成樹脂を溶融させた状態で流通させる流路部51aと、ダイホイール52の外周面に対向して配されるホイール対向面51bと、ホイール対向面51bに設けられるとともに溶融状態のファスナー用合成樹脂を流路部51aから流出させる樹脂供給口51cとが設けられている。第1ノズル部51のホイール対向面51bとダイホイール52の湾曲した外周面との間には、ファスナー部材20のベース部21の厚さに対応する一定の間隔が設けられている。
ピックアップローラ53は、ダイホイール52の外周面で成形されるファスナー部材20を上下から挟持する一対の上側挟持ローラ及び下側挟持ローラを有する。ピックアップローラ53の上側挟持ローラと下側挟持ローラとは、所定の間隔を開けて対向して配されている。このピックアップローラ53によって、ダイホイール52の外周面部で成形されたファスナー部材20をダイホイール52から連続的に引き剥がし、また、その引き剥がされたファスナー部材20を上側挟持ローラと下側挟持ローラとで挟み込みながら下流側に移送できる。
図6の第2成形装置60は、左右一対の貼り合わせローラ61a,61bと、マスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を溶融させた状態で供給する第2ノズル部62と、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂に所定の形状を付与する成形ローラ(マスキングローラ)63と、右側の貼り合わせローラ61bに向けてファスナー部材20を供給する図示しないファスナー供給部と、左右の貼り合わせローラ61a,61b間を通過したファスナー部材20を下流側に送り出す搬送ローラ64とを有する。
左側の貼り合わせローラ61aと右側の貼り合わせローラ61bとは、両ローラ間に所定の間隔を設けて回転可能に配されている。この場合、左側の貼り合わせローラ61aと右側の貼り合わせローラ61bとは、互いに反対方向に回転するように設置されている。本実施例1において、右側の貼り合わせローラ61bは、ファスナー部材20をベース部21の下面側から支持するため、その外周面が平坦状に形成されている。
一方、左側の貼り合わせローラ61aの外周面は、第2ノズル部62から供給されたマスキング用合成樹脂に、マスキング部材30のマスキング外面31に設けられる縦溝部35の形状を付与するために、図7に示すような形状に形成されている。具体的に説明すると、左側の貼り合わせローラ61aの外周面には、マスキング部材30のマスキング外面31を形成する第1外周面65aと、第1外周面65aから貼り合わせローラ61aの半径方向の外側に向けて突出する4つの突出部65bと、第1外周面65aの左右両側に配されるとともに第1外周面65aよりも低い位置(前記半径方向の内側の位置)に形成される第2外周面65cとが機械方向(MD)に沿って設けられている。
左側の貼り合わせローラ61aの外周面が上述のように形成されていることにより、第2ノズル部62から供給されたマスキング用合成樹脂に対し、当該合成樹脂がファスナー部材20に貼り合わせられる前に、第1外周面65a、突出部65b、及び第2外周面65cによって、マスキング部材30のマスキング外面31、縦溝部35、及び側縁部33の形状を付与できる。
第2成形装置60の第2ノズル部62は、マスキング用合成樹脂を左側の貼り合わせローラ61aの外周面に供給可能に設けられている。
成形ローラ63は、第2ノズル部62の位置と、左右の貼り合わせローラ61a,61bが最も接近する位置との間に配されており、また、左側の貼り合わせローラ61aに対して一定の間隔を設けて配されている。成形ローラ63の外周面は、マスキング部材30をファスナー部材20に貼り合せたときに、マスキング部材30のマスキング内面32が、図3に示した所定の面形状に形成可能な凹凸面に形成されている。
本実施例1において、第2成形装置60の下流側には、図示しない切断装置が配されている。この図示しない切断装置は、上下方向に昇降可能なカッター部を有する。この切断装置では、搬送されてきた面ファスナー10に向けてカッター部を下降させることにより、ファスナー部材20の一部を打ち抜いてファスナー部材20に左右の耳部24を形成できる。
上述のような製造装置を用いて本実施例1の面ファスナー10を製造する場合、先ず、第1成形装置50によって、耳部24が形成される前の状態のファスナー部材20を作製する。この第1成形装置50によるファスナー部材20の作製工程では、第1ノズル部51から溶融したファスナー用合成樹脂を連続的に流し出して、ダイホイール52に供給する。それとともに、図示しないモノフィラメント供給部から磁性粒子を含有するモノフィラメント22aをダイホイール52の外周面と第1ノズル部51の間に導入する。
これにより、第1ノズル部51とダイホイール52との間でファスナー部材20のベース部21を成形する。また、ダイホイール52の外周面部に設けた各キャビティにより、ファスナー部材20における左右の縦壁部22、係合素子23、及び耳部24の突出壁部24bを成形するとともに、左右の縦壁部22にモノフィラメント22aを固定する。
これによって、ダイホイール52の外周面部で、耳部24が設けられていないファスナー部材20を機械方向(MD)に沿って連続的に形成できる。このとき、成形されるファスナー部材20は、ダイホイール52の外周面部に担持されながら半回転することにより冷却される。その後、ファスナー部材20は、ピックアップローラ53によってダイホイール52から連続的に引き剥がされて、第2成形装置60に向けて送り出される。
次に、第2成形装置60において、溶融状態のマスキング用合成樹脂を左側の貼り合わせローラ61aに供給し、左右の貼り合わせローラ61a,61bによって、第1成形装置50で作製したファスナー部材20にマスキング用合成樹脂を貼り合せる工程を行う。
先ず、第2成形装置60では、第2ノズル部62からマスキング用合成樹脂を溶融させた状態で左側の貼り合わせローラ61aの外周面に向けて供給する。それとともに、図示しないファスナー供給部から、第1成形装置50によって成形されたファスナー部材20を右側の貼り合わせローラ61bに向けて供給する。このとき、左側の貼り合わせローラ61aの外周面には、図7に示したように、第1外周面65a、突出部65b、及び第2外周面65cが設けられている。このため、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂に、貼り合わせローラ61aの外周面の形状が転写されることによって、マスキング部材30のマスキング外面31、縦溝部35、及び側縁部33の形状が形成される。
続いて、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂を、回転する成形ローラ63に接触させることによって、マスキング用合成樹脂における貼り合わせローラ61aに接する面とは反対側の面に対し、マスキング部材30のマスキング内面32を形成可能な形状を付与する。
その後、成形ローラ63の下流側において、左右の貼り合わせローラ61a,61bによって、マスキング外面31及びマスキング内面32の形状が付与されたマスキング用合成樹脂を、溶融状態のまま、右側の貼り合わせローラ61bに供給されたファスナー部材20に押し付けて貼り合わせる。このとき、ファスナー部材20の各係合素子23の一部がマスキング用合成樹脂に埋め込まれるとともに、ファスナー部材20のベース部21とマスキング用合成樹脂との間に空間部36が設けられる。
左右の貼り合わせローラ61a,61bによってマスキング用合成樹脂をファスナー部材20に貼り合わせた後、そのファスナー部材20を右側の貼り合わせローラ61bによって回転方向に搬送し、更に、搬送ローラ64によって下流側に送り出す。このとき、ファスナー部材20に貼り合わせたマスキング用合成樹脂を硬化させることにより、マスキング部材30が形成される。
その後、第2成形装置60でマスキング部材30が取り付けられたファスナー部材20は、図示しない切断装置に向けて搬送され、同切断装置のカッター部でファスナー部材20の一部を部分的に打ち抜く切断加工を行う。これにより、ファスナー部材20に左右の耳部24が形成される。更に、同切断装置において、耳部24が形成された面ファスナー10を所定の長さに切断することも可能である。これによって、図1に示した本実施例1の面ファスナー10が製造される。
以上のような製造方法によって製造された本実施例1の面ファスナー10では、ファスナー部材20にマスキング部材30が取り外し可能に保持されているとともに、そのマスキング部材30によってファスナー部材20の係合領域25が覆われている。また、マスキング部材30のマスキング外面31には、複数の縦溝部35が設けられている。
このような本実施例1の面ファスナー10は、例えば自動車の座席用シートなどのクッション体(発泡体)の発泡成形を行う際に、成形されるクッション体の所定の位置に一体的に固定される。ここで、面ファスナー10を一体化させるクッション体の発泡成形について、簡単に説明する。
クッション体の発泡成形に用いる金型70は、例えば図8に一部を図示する下型(固定型)71と、下型71に対して昇降可能に配される図示しない上型(可動型)と、上型及び下型71内のキャビティ空間に発泡樹脂74を噴射する図示しない噴射ノズルとを有する。また、この金型70の下型71には、面ファスナー10を載置して保持する少なくとも1つのファスナー保持部72が設けられている。このファスナー保持部72の内部又は近傍には、面ファスナー10の縦壁部22に固定したモノフィラメント22a内の磁性粒子を吸着可能な磁石73が埋設されている。なお、本発明において、成形金型70の形状や構造は限定されるものではなく、任意に変更できる。
このような金型70を用いてクッション体の発泡成形を行う場合、始めに、面ファスナー10を、マスキング部材30が金型70のキャビティ面に対面する向きで金型70のファスナー保持部72に載置する。このとき、モノフィラメント22a内の磁性粒子が金型70の磁石73に磁気的に吸着されることにより、面ファスナー10がファスナー保持部72に保持される。本実施例1の面ファスナー10では、ファスナー部材20の縦壁部22が、高さ方向に関して、マスキング部材30のマスキング外面31よりも高い位置に配されている。このため、面ファスナー10を金型70のファスナー保持部72に保持したときに、ファスナー部材20の縦壁部22の頂端面をファスナー保持部72の取付面に密着させ易くできる。
また、マスキング部材30におけるマスキング外面31が、縦壁部22の頂端面よりも低い位置に配されていることにより、面ファスナー10を金型70のファスナー保持部72に保持するときに、マスキング外面31を金型70のファスナー保持部72の取付面から離間できる。これにより、磁力による面ファスナー10のセルフアライメント効果を利用して面ファスナー10の位置及び向きを自動的に合わせる際に、面ファスナー10と金型70のファスナー保持部72との間に生じる摩擦抵抗を低減し、金型70のファスナー保持部72に対して面ファスナー10を移動させ易くすることができる。その結果、面ファスナー10の位置及び向きを、金型70のファスナー保持部72に配される磁石73の位置及び向きに対応して精度良く且つ円滑に合わせることができる。
続いて、金型70の噴射ノズルからキャビティ空間内にクッション体の発泡樹脂74を噴射して注入する。これによって、発泡樹脂74が発泡しながら流動し、クッション体(発泡体)の発泡成形が行なわれるため、金型70のキャビティ空間内で、所定の形状を有するクッション体(発泡体の本体部)が形成される。
このとき、図8に模式的に示すように、発泡樹脂74が、ファスナー部材20の左右の縦壁部22を越えて左右の縦壁部22の内側に進入することがあり、このような発泡樹脂74の進入により、マスキング部材30と金型70との間に、発泡体の薄い部分が、発泡体の本体部から連続して形成されることがある。この場合、本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30がファスナー部材20の左右の縦壁部22間でファスナー部材20の係合領域25を覆っているため、発泡樹脂74が、ファスナー部材20の複数の係合素子23の間に入り込むことを阻止できる。
また、左右の縦壁部22の内側に進入した発泡樹脂74は、マスキング部材30のマスキング外面31に設けた4つの縦溝部35内に進入して収容される。このように発泡樹脂74がマスキング外面31の縦溝部35に収容されて硬化することにより、発泡体の薄い部分とマスキング部材30との固着面積を大きくできるとともに、その薄い部分が縦溝部35に引っ掛かってマスキング部材30から剥がれ難くすることができる。
すなわち、本実施例1の面ファスナー10では、マスキング部材30に4つの縦溝部35(凹部34)が設けられていることにより、マスキング部材30と発泡体との間の固定強度を効果的に高めることができる。この場合、マスキング部材30と発泡体との間の固定強度は、マスキング部材30の発泡体を保持する保持力と言い換えられる。これにより、マスキング部材30のマスキング外面31に発泡体の薄い部分をしっかりと保持できる。
更に本実施例1では、マスキング部材30のマスキング外面31に左右の側縁部33が設けられている。これにより、マスキング部材30における左右の側縁部33と金型70との間に形成される発泡体を、幅方向において部分的に更に薄くして極薄部分を形成できる。すなわち、本実施例1では、発泡体の本体部と薄い部分との間に、側縁部33によって形成される極薄部分が設けられる。また、このような発泡体の極薄部分を、面ファスナー10の長手方向に沿って連続的に形成することも可能となる。
そして、金型70内で発泡成形が終了することにより、面ファスナー10が所要の箇所に一体化されたクッション体が製造される。このとき、面ファスナー10のファスナー部材20にはマスキング部材30が取り付けられている。このため、発泡成形の終了後にマスキング部材30をファスナー部材20から剥がして除去することにより、ファスナー部材20の複数の係合素子23を外部に露出させることができる。
また本実施例1では、マスキング部材30のマスキング外面31に縦溝部35と側縁部33が設けられていることによって、マスキング部材30と金型70との間に形成される発泡体の薄い部分が、上述したようにマスキング部材30にしっかりと保持され、また、発泡体の薄い部分と本体部との間に極薄部分が形成されている。更にこの場合、マスキング部材30のマスキング外面31と側縁部33の上面との間には段差が設けられているとともに、側縁部33の上面と縦壁部22の上面との間にも段差が設けられている(図3を参照)。このため、発泡体の薄い部分と極薄部分との間にも段差が形成され、また、極薄部分の外側にも厚さを更に薄くする段差が形成される。
これにより、発泡成形終了後にマスキング部材30をファスナー部材20から引き剥がすときに、発泡体の薄い部分がマスキング部材30から剥がれることなく引っ張られ、それによって、発泡体の極薄部分又はその近傍を容易に切断できる。このため、発泡体の本体部を損傷させることなく、発泡体の薄い部分を本体部から切り離して除去することができる。
このように、本実施例1では、マスキング部材30のマスキング外面31上に形成される発泡体の薄い部分を容易に且つ安定して除去できるため、その発泡体の薄い部分がファスナー部材20の係合領域25を覆い隠すことを防いで、クッション体に一体化されたファスナー部材20における複数の係合素子23を、クッション体の表面側にそのまま露出させることができる。これにより、本実施例1のファスナー部材20では、係合強度の低下を抑制することができ、係合領域25が本来有する係合力を安定して発揮させることができる。
従って、得られたクッション体の表面に表皮材を被せたときに、表皮材の裏面に設けたループ部材のループを、ファスナー部材20の係合素子23に安定して係合させることができる。またそれによって、表皮材をクッション体から浮き上がらせることなく安定して止着できるため、表皮材をクッション体の表面に正確に取り付けることができる。更に、面ファスナー10がクッション体にしっかりと固定されているため、クッション体に対する表皮材の止着状態を安定して保持できる。
なお、本実施例1の面ファスナー10におけるマスキング部材30では、マスキング外面31に、マスキング部材30と発泡体の固定強度を高めるための凹部34として、4つの縦溝部35が設けられている。しかし本発明において、マスキング外面に設ける縦溝部の本数は特に限定されず、マスキング外面に1本のみの縦溝部が設けられていてもよく、又は、3本以下若しくは5本以上の複数の縦溝部が設けられていてもよい。
また本発明において、マスキング外面31に設ける凹部34の形態は、上述した実施例1の縦溝部35に限定されるものではなく、例えば図9~図14に示した形態などのその他の形態を有する凹部をマスキング外面に設けることも可能である。ここで、図9~図14は、実施例1のマスキング部材30の代わりに、ファスナー部材20に取り外し可能に設けることが可能な第1変形例~第5変形例に係るマスキング部材30a,30b,30c,30d,30eを示す模式図である。
なお、例えば第1変形例~第3変形例に示すマスキング部材30a,30b,30cにおいて、凹部以外の構造及び形状は、上述した実施例1のマスキング部材30と実質的に同様に形成されている。このため、上述した実施例1のマスキング部材30と実質的に同じ構成を有する部分又は部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略する。また後述する第6変形例~第9変形例並びに実施例3及びその第1変形例についても、上述した実施例1の面ファスナー10と実質的に同じ構成を有する部分又は部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略する。
例えば図9に示したように、第1変形例に係るマスキング部材30aのマスキング外面31aには、底面部を有する複数の凹部34aと、左右の側縁部33とが設けられている。また、第1変形例の凹部34aは、長手方向に沿って設けられる2つの縦溝部41と、長手方向に沿って間欠的に設けられる複数の凹陥部42とを有する。
この場合、第1変形例における縦溝部41は、上述した実施例1の第1縦溝部35aと同様に形成されている。第1変形例における複数の凹陥部42は、幅方向における2つの縦溝部41よりも左側と右側のそれぞれの部位に、長さ方向に沿って間欠的に設けられている。この場合、各凹陥部42は、側縁部33に隣接して形成されている。
上述のような凹陥部42が長さ方向に沿って設けられていることにより、長さ方向に沿った縦溝部41に比べて、発泡体とマスキング部材30aとの固着面積を広く確保でき、また、マスキング部材30aに発泡体をより引っ掛け易くすることができる。このため、マスキング部材30aによる発泡体の保持力をより高めることができる。
また、左右の側縁部33に隣接して複数の凹陥部42が設けられていることにより、側縁部33の上面と凹陥部42の底面との間に、側縁部33の上面とマスキング外面31aの間の段差よりも大きな段差が形成される。これにより、マスキング部材30aをファスナー部材20から引き剥がすときに、発泡体の極薄部分又はその近傍をより容易に切断できる。
従って、第1変形例のマスキング部材30aを有する面ファスナーでは、上述の実施例1で説明したように、クッション体の発泡成形後にマスキング部材30aをファスナー部材20から引き剥がすことによって、マスキング部材30aと金型70との間に形成される発泡体の薄い部分を容易に除去できるため、上述の実施例1の面ファスナー10と同様の効果が得られる。
更に第1変形例の場合、左右の側縁部33に隣接する複数の凹陥部42によって発泡体を強く固定できるため、例えば発泡樹脂が左右の一方側から進入して発泡体が形成される場合でも、その一方側に設けられた複数の凹陥部42で発泡体をしっかり保持できる。従って、例えば発泡体がマスキング部材30a上で左右の一方側に形成されている場合であっても、マスキング部材30aをファスナー部材20から引き剥がすことによって、その発泡体を容易に除去できる。
図10に、第2変形例に係るマスキング部材30bを示す。この第2変形例に係るマスキング部材30bにおいて、マスキング外面31bに設けられる凹部34bは、長手方向に沿って設けられる2つの縦溝部43と、幅方向に沿って設けられる複数の横溝部44とを有する。言い換えると、第2変形例のマスキング外面31bには、複数の凹状の溝部が長手方向と幅方向とに沿って格子状に配置されている。
このような縦溝部43及び横溝部44を有する第2変形例のマスキング部材30bでは、縦溝部43及び横溝部44に進入して収容される発泡体を相互に連結させることができるため、マスキング部材30bによる発泡体の保持力をより効果的に高めることができる。従って、第2変形例のマスキング部材30bを有する面ファスナーにおいても、上述の実施例1の面ファスナー10と同様の効果が得られる。更に第2変形例のマスキング部材30bでは、縦溝部43及び横溝部44が設けられていることにより、マスキング部材30bの長手方向及び幅方向の柔軟性を向上できる。それにより、マスキング部材30bを、ファスナー部材20からより容易に引き剥がすことができる。
図11に、第3変形例に係るマスキング部材30cを示す。この第3変形例に係るマスキング部材30cにおいて、マスキング外面31cに設けられる凹部34cは、幅方向に沿って設けられる複数の横溝部45を有する。この場合、各横溝部45は、左右の側縁部33間に連続的に形成されている。
このような横溝部45を有する第3変形例のマスキング部材30cでは、例えば上述した実施例1の面ファスナー10に比べて、発泡体とマスキング部材30cとの固着面積を広く確保できるとともに、マスキング部材30cに発泡体をより引っ掛け易くすることができる。従って、第3変形例のマスキング部材30cを有する面ファスナーにおいても、上述の実施例1の面ファスナー10と同様の効果が得られる。
更に第3変形例のマスキング部材30cでは、横溝部45が設けられていることにより、マスキング部材30cの長手方向の柔軟性を向上できる。また第3変形例の場合、発泡体の一部が横溝部45に収容されることによって、マスキング部材30cをファスナー部材20から引き剥がす際に、マスキング部材30cの左右の側縁部33の内側に形成される発泡体が長手方向に切断され難くなるため、発泡体を上述した極薄部分で安定して切断することができる。
図12に、第4変形例に係るマスキング部材30dを示す。第4変形例に係るマスキング部材30dにおいて、マスキング外面31dに設けられる凹部34dは、マスキング外面31dにおける幅方向の端部を含むように、幅方向に沿って連続的に設けられる複数の横溝部46を有する。このような第4変形例のマスキング部材30dを有する面ファスナーにおいても、実施例1と同様の効果が得られる。また第4変形例では、第3変形例よりも、マスキング部材30dの長手方向の柔軟性を更に向上できる。
図13及び図14に、第5変形例に係るマスキング部材30eを示す。第5変形例に係るマスキング部材30eにおいて、マスキング外面31eに設けられる凹部34eは、マスキング部材30eにおける幅方向の側縁位置から内側に離れて設けられる複数の第1縦溝部47aと、マスキング外面31eにおける幅方向の両端部に設けられる左右の第2縦溝部47bとを有する。この場合、左右の第2縦溝部47bは、マスキング外面における幅方向の両端部に、ファスナー部材の長手方向に沿って、長手方向全体を切り欠くように設けられている。
このような第5変形例のマスキング部材30eを有する面ファスナーにおいても、実施例1と同様の効果が得られる。また第5変形例では、マスキング外面31eにおける幅方向の両端部で発泡体を引っ掛け易くすることができるため、発泡体をファスナー部材から容易に引き剥がすことができる。
また、上述した実施例1の面ファスナー10において、マスキング部材30のマスキング外面31は、長手方向及び幅方向に平行な平面に形成されている。しかし本発明では、例えば図15に第6変形例に係る面ファスナー10fの長手方向に沿った断面を示すように、マスキング部材30fのマスキング外面31fが、長手方向に沿って上下に起伏する波打った面に形成されていてもよい。
この第6変形例では、図6に示す第2成形装置60において、例えば左右の貼り合わせローラ61a,61bによってマスキング用合成樹脂をファスナー部材20に貼り合わせる際の圧力の大きさを変更すること等によって、マスキング部材30fのマスキング外面31fを上述した波打った面に形成することが可能となる。
この場合、マスキング外面31fの上下方向の起伏は、ファスナー部材20の係合素子23の位置に対応して形成される。すなわち、マスキング外面31fは、長手方向において、係合素子23が形成されている範囲では盛り上がるように高く形成され、係合素子23間の空間部の範囲では凹むように低く形成される。
第6変形例の面ファスナー10fのように、マスキング部材30fのマスキング外面31fが、長手方向に沿って上下に起伏した面に形成されることによって、上述した実施例1のようにマスキング外面31が平面に形成されている場合に比べて、クッション体の発泡成形時にマスキング部材30f上に形成される薄い発泡体をマスキング外面31fに固定する効果(すなわち、アンカー効果)を高めことができる。
なお、上述の「縦溝部」、「凹陥部」、「横溝部」は、凹部の形状の一形態である。本発明において、凹部は、マスキング外面から窪んで形成されていれば、凹部の形状は特に限定されるものではない。
本実施例2の面ファスナーは、例えばクッション体の用途や製品のデザイン等の点から、面ファスナーを幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化させるような場合に適用されるカーブ対応な面ファスナーである。この本実施例2の面ファスナーは、実施例1の面ファスナー10の一部を切除して形成される。これにより、カーブ対応の面ファスナーは、長手方向に沿って配される複数のファスナー係合部と、長手方向に隣接するファスナー係合部間を連結する可撓性を備えた連結部とを有する。
このような本実施例2の面ファスナーによれば、クッション体の成形金型に設けられるファスナー保持部が、例えば大きく曲がった形状又は捩じれた形状等の複雑な形状を有していても、そのファスナー保持部に沿って本実施例2の面ファスナーを、磁力を利用して容易に取り付けることができる。また、面ファスナーの上述したセルフアライメント効果を有効に発揮させることができる。
図16は、本実施例3に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図17は、図16に示した面ファスナーの長手方向に直交する断面を示す断面図である。
本実施例3に係る面ファスナー12は、前後方向に長く形成される合成樹脂製のファスナー部材80と、ファスナー部材80の上面側に取り外し可能に保持されるマスキング部材90とを有する。
本実施例3のファスナー部材80は、前述の実施例1のファスナー部材20から左右の縦壁部22を省略するとともに、係合領域85を形成する係合素子列26を3列から4列に増やして形成されている。すなわち、本実施例3のファスナー部材80は、図18に示すように、薄いプレート状のベース部21と、係合領域85を形成する複数のフック状の係合素子23と、ベース部21から左右方向に延出する複数の耳部24とを有する。また、複数の係合素子23は、長手方向に沿った4列の係合素子列26を形成するとともに、全体として千鳥状に配置されている。
本実施例3のマスキング部材90は、ファスナー部材80の係合領域85よりも大きな一定の幅寸法を有するとともに、ファスナー部材80の長手方向の略全体に亘って連続して形成されている。このマスキング部材90は、マスキング本体部90aと、マスキング本体部90a内に埋め込まれる磁性粒子を含有したモノフィラメント96と、マスキング本体部90aの上面に幅方向に沿って突設される複数の固定リブ97とを有する。また、本実施例3のマスキング部材90における長手方向の一端部には、マスキング部材90を剥がし易くするための折曲部98が設けられている。なお、このような本実施例3の折曲部98は、前述した実施例1のマスキング部材30に設けることも可能である。
この場合、モノフィラメント96は、前述した実施例1のファスナー部材20に固定された磁性粒子を含有するモノフィラメント22aと同じ材料を用いて形成される。また、モノフィラメント96は、マスキング本体部90aの上端部に、且つ、マスキング本体部90aの幅方向の中央部に、長手方向に沿って直線状に埋め込まれている。また、マスキング本体部90aの上端部には、モノフィラメント96を露出させるスリット状の露出部99が、モノフィラメント96に沿って設けられている。
マスキング部材90の固定リブ97は、マスキング本体部90aの露出部99を横切ってモノフィラメント96を被覆するように、幅方向に沿って形成されており、各固定リブ97は、マスキング本体部90aのマスキング外面91から盛り上がっている。複数の固定リブ97が長手方向に一定の間隔で設けられていることによって、モノフィラメント96がマスキング本体部90aから分離して脱落することを防いでいる。
なお、本実施例3のマスキング部材90は、固定リブ97を設けずに形成されていてもよい。また、本実施例3のマスキング部材90では、磁性粒子を含有するモノフィラメント96をマスキング本体部90a内に埋め込む代わりに、マスキング本体部90aを形成するマスキング用合成樹脂と、磁性粒子を含有する合成樹脂とを用いる二色成形を行うことによって、磁性粒子を含有する磁性領域を長手方向に沿って連続的に形成してもよい。
マスキング本体部90aは、上側に露出する平面状のマスキング外面(マスキング上面)91と、ベース部21に対向するマスキング内面(マスキング下面)92とを有する。マスキング外面91には、ベース部21に向けて窪んだ形状を有する複数の凹部94と、マスキング本体部90aの左右側縁(幅方向の端部)におのおの配される左右の側縁部93とが設けられている。マスキング外面91に設けられる凹部94は、長手方向に沿って直線状に設けられる4つの縦溝部95を有する。本実施例3の4つの縦溝部95は、前述の実施例1のマスキング部材30に設けた4つの縦溝部35と実質的に同様に形成されている。
マスキング本体部90aに左右の側縁部93が設けられていることにより、マスキング部材90の左右両端部における強度を向上できる。また、クッション体の発泡成形時に、発泡樹脂が側縁部93を越えて内側に侵入し難くすることができる。更に、面ファスナー12をクッション体の成形金型に保持するときに、面ファスナー12と金型との接触面積を小さくして両者の間に生じる摩擦抵抗を低減できるため、上述したセルフアライメント効果を発揮させることができる。
マスキング本体部90aのマスキング内面92は、ベース部21から離れて配されているとともに、マスキング部材90の横断面を見たときに(図17を参照)、ベース部21との離間距離を変化させるような凹凸面に形成されている。このため、ベース部21の上面とマスキング部材90のマスキング内面92との間には、空間部が設けられている。
また、マスキング内面92には、マスキング外面91に向けて延びる2つの凹状の内側溝部が設けられている。この場合、2つの内側溝部は、ファスナー部材80の4つの係合素子列26のうちの最も左側に配される係合素子列26の位置と、最も右側に配される係合素子列26の位置とに対応して設けられている。上述のようなマスキング内面92がマスキング本体部90aに設けられていることにより、マスキング部材90をファスナー部材80から剥がし易くすることができる。
次に、本実施例3の面ファスナー12を製造する製造装置について説明する。本実施例3の製造装置は、ファスナー部材80を成形する第1成形装置と、マスキング部材90を成形するための図19に示した第2成形装置60aとを有する。
本実施例3の第1成形装置は、図5に示した実施例1の第1成形装置50に対して、モノフィラメント供給部を省くこと、及び、ダイホイール52の外周面部に設ける成形用キャビティの形状を変更することによって形成されている。
図19に示した第2成形装置60aは、左右一対の貼り合わせローラ61a,61bと、マスキング用合成樹脂(又はマスキング用エラストマー)を供給する第2ノズル部62と、磁性粒子を含有するモノフィラメント96を供給する図示しないモノフィラメント供給部と、供給されたモノフィラメント96を左側の貼り合わせローラ61aの外周面に案内する案内ローラ66とを有する。
更に、この第2成形装置60aは、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂に所定の形状を付与する成形ローラ63と、右側の貼り合わせローラ61bに向けてファスナー部材80を供給する図示しないファスナー供給部と、左右の貼り合わせローラ61a,61bによってマスキング用合成樹脂が貼り合わせられたファスナー部材80を下流側に送り出す搬送ローラ64とを有する。
本実施例3において、第2成形装置60aにおける右側の貼り合わせローラ61b、第2ノズル部62、図示しないファスナー供給部、及び搬送ローラ64は、図6に示した実施例1の第2成形装置60と同様に形成されている。
本実施例3における左側の貼り合わせローラ61aの外周面には、マスキング本体部90aのマスキング外面91に上述した縦溝部95及び側縁部93の形状を付与するために、前述の実施例1の場合と同様に、マスキング部材90のマスキング外面91を形成する第1外周面65aと、第1外周面65aから貼り合わせローラ61aの半径方向の外側に向けて突出する4つの突出部65bと、第1外周面65aの左右両側に配されるとともに第1外周面65aよりも低い位置に形成される第2外周面65cとが設けられている(図7を参照)。
更に、この左側の貼り合わせローラ61aでは、マスキング部材90に上述した複数の固定リブ97を設けるために、左側の貼り合わせローラ61aの外周面に、マスキング部材90の固定リブ97に対応する形状及び大きさを有する図示しない複数の凹溝部が、機械方向(MD)に直交する直交方向(CD)に沿って設けられている。
本実施例3における成形ローラ63の外周面は、マスキング部材90をファスナー部材80に貼り合せたときに、マスキング本体部90aのマスキング内面92が、図17に示したような所定の面形状に形成可能な凹凸面に形成されている。
上述のような製造装置を用いて本実施例3の面ファスナー12を製造する場合、先ず、第1成形装置を用いて、図18に示したファスナー部材80を作製する。本実施例3におけるファスナー部材80の作製工程は、実施例1で説明したファスナー部材20の作製工程に対し、モノフィラメント22aを供給しないことを除いて、実質的に同じである。
次に、第2成形装置60aにおける左右の貼り合わせローラ61a,61bを用いて、第1成形装置で作製したファスナー部材80にマスキング用合成樹脂を貼り合せる工程を行う。本実施例3では、先ず、磁性粒子を含有したモノフィラメント96を左側の貼り合わせローラ61aの外周面に案内するとともに、その左側の貼り合わせローラ61aに向けて、第2ノズル部62からマスキング用合成樹脂を溶融させた状態で供給する。これにより、マスキング用合成樹脂の所定の位置にモノフィラメント96を挿入して埋め込むことができる。
また、左側の貼り合わせローラ61aに供給されたマスキング用合成樹脂に、マスキング部材90のマスキング外面91、縦溝部95、及び側縁部93の形状を形成するとともに固定リブ97を成形する。続いて、マスキング用合成樹脂を成形ローラ63に接触させることによって、マスキング用合成樹脂に、マスキング部材90のマスキング内面92を形成可能な形状を付与する。
続いて、成形ローラ63の下流側において、前述の実施例1の場合と同様に左右の貼り合わせローラ61a,61bによって、マスキング用合成樹脂をファスナー部材80に貼り合わせる。その後、そのファスナー部材80を搬送ローラ64によって、下流側の図示しない切断装置に向けて送り出し、ファスナー部材80に左右の耳部24を形成する。更に、同切断装置で、面ファスナー12を所定の長さに切断することも可能である。
最後に、マスキング部材90の一端部をファスナー部材80から部分的に剥離させるとともに、その剥離させた部分を折り曲げることによってマスキング部材90に折曲部98を形成する。
これによって、図16に示した本実施例3の面ファスナー12が製造される。
このように製造された本実施例3の面ファスナー12は、実施例1の場合と同様に、自動車の座席用シートなどのクッション体の発泡成形を行う際に、そのクッション体に一体化されて固定される。このとき、本実施例3の面ファスナー12によれば、実施例1の面ファスナー10と略同様の効果を得ることができる。
なお、本実施例3の面ファスナー12においても、マスキング本体部90aのマスキング外面91に設ける凹部94の形態として、図9~図14に示した形態等のようなその他の形態を採用することも可能である。
上述の実施例1~3に係るマスキング部材は、例えば磁性粒子を実質的に含まない合成樹脂によって形成されている。しかし、本発明のマスキング部材はこれに限るものではなく、磁性粒子を含んでいてもよい。例えば図20に、実施例1の第7変形例に係る面ファスナー10gを示すように、第7変形例の面ファスナー10gは、実施例1のファスナー部材20に、磁性粒子を含有するマスキング部材30gが取り外し可能に保持されて形成されている。
第7変形例のマスキング部材30gは、マスキング本体111と、マスキング本体111の外面の少なくとも一部を被覆する外膜部112とを備える。マスキング部材30gの外面には、凹部34gとして縦溝部48が設けられている。マスキング本体111は、実施例1の「マスキング部材30」に相当しており、ベース部21に対向する内面と、その内面に対して反対側に配される外面とを有する。従って、マスキング本体111の外面は、実施例1の「マスキング部材30」のマスキング外面31と同一の形状を有しており、マスキング本体111の外面には、縦溝部48に対応する複数の縦溝部が設けられている。このマスキング本体111は、磁性粒子を含む合成樹脂からなる。
マスキング部材30gの外膜部112は、マスキング本体111よりも摩擦抵抗が低い材質からなり、例えばセロハンや合成樹脂により形成されている。なお、図20に示した第7変形例において、外膜部112はマスキング本体111の外面全体を被覆しているが、本発明では、マスキング本体111の外面の一部のみを外膜部112で被覆することによって、マスキング本体111の外面を露出させる露出部が設けられていてもよい。
図21には、実施例1の第8変形例に係る面ファスナー10hを示す。第8変形例の面ファスナー10hでは、実施例1のファスナー部材20に、磁性粒子を含有するマスキング部材30hが取り外し可能に保持されている。第8変形例のマスキング部材30hは、マスキング本体113と、マスキング本体113の外面の少なくとも一部を被覆する外膜部114とを備える。この第8変形例のマスキング部材30hと、図20に示した第7変形例のマスキング部材30gとの間で異なる点は、マスキング本体113の外面の形状、及び外膜部114の下面の形状である。
すなわち、第8変形例におけるマスキング本体113の外面には、凹部が形成されておらず、平面状に形成されている。また、外膜部114のマスキング本体113を覆う下面も、マスキング本体113の外面に対応して平面状に形成されている。外膜部114における下面とは反対側に配される上面は、実施例1の「マスキング部材30」のマスキング外面31と同一の形状に形成されており、この外膜部114の上面には、凹部34hとして4つの縦溝部49が設けられている。
上述した図20に示した第7変形例の面ファスナー10g、及び図21に示した第8変形例の面ファスナー10hにおいても、上述の実施例1と同様の効果が得られる。また、これらの第7変形例及び第8変形例において、磁性粒子は、マスキング部材30g,30hにおけるマスキング本体111,113及び外膜部112,114のいずれかに含まれていればよく、また、これらの両方に含まれていてもよい。このような第7変形例及び第8変形例におけるマスキング部材30g,30hは、二色成形によって形成されていてもよい。
これにより、面ファスナー10g,10hのファスナー部材20だけでなく、マスキング部材30g,30hにも磁性粒子が含まれるため、磁石が設置された金型に対し、面ファスナー10g,10hをより容易に保持できる。更に、面ファスナー10g,10hのセルフアライメント効果を向上させることができる。その上、マスキング部材30g,30hには、上述のようにマスキング本体111,113の外面よりも摩擦抵抗が低い外膜部112,114を更に設けているので、セルフアライメント効果をより一層高めることができる。従って、金型に取り付けられる第7変形例及び第8変形例の面ファスナー10g,10hの位置及び向きを、より精度良く自動的に合わせることができる。
なお、第7変形例及び第8変形例のファスナー部材20(すなわち、実施例1のファスナー部材20)では、左右の縦壁部22に、磁性粒子を含有するモノフィラメント22aが固定されているが、マスキング部材30g,30hに磁性粒子が含まれているため、例えば図22に示す第9変形例のように、ファスナー部材20における左右の縦壁部22は、磁性粒子を実質的に含まない合成樹脂のみで形成されていてもよい。
図22に示す第9変形例の面ファスナー10iにおいて、左右の縦壁部22の形状は限定されず、例えば複数の縦壁体が長さ方向に間欠的に配されていてもよく、また、千鳥状の配置で配されていてもよい。第9変形例におけるマスキング部材30iは、左右の縦壁部22を覆って設けられている。この場合、マスキング部材30iは、左右の縦壁部22の頂端面を少なくとも覆っていればよい。このマスキング部材30iは、マスキング本体118と、マスキング本体118の外面の少なくとも一部を被覆する外膜部119とを備える。マスキング部材30iの外面には、凹部34iとして、上述した第7変形例と同様の縦溝部48が設けられている。
更に、第7変形例及び第8変形例において、マスキング部材30g,30hは、ファスナー部材20の左右の縦壁部22間の領域に設けられており(図20及び図21を参照)、また、マスキング部材30g,30hのマスキング外面には、上述したように摩擦抵抗を低減できる外膜部112,114が設けられているが、本発明において、外膜部112,114を備えたマスキング部材30g,30hは、例えばファスナー部材20における縦壁部22の頂端面(上面)を被覆するように形成されていてもよい。これにより、磁石が設置された金型に面ファスナーを保持する場合において、セルフアライメント効果を利用するときに、面ファスナーの位置及び向きをより円滑に自動的に合わせることができる。
なお、第7変形例、第8変形例、及び第9変形例のように、複数の部材を積層してマスキング部材を形成する場合、層数は3つ以上であってもよい。この場合、マスキング外面に相当する層(請求項における外膜部に相当)が、他のいずれかの層(請求項におけるマスキング本体に相当)よりも摩擦抵抗が低ければよい。また、必ずしもマスキング部材に磁性粒子が含まれていなくてもよい。これにより、金型に面ファスナーを保持する場合において、位置調整を行い易くして、磁力を用いずとも、ファスナーの位置及び向きをより円滑に合わせることができる。
次に、図23に、実施例3の第1変形例に係る面ファスナー12aを示す。この面ファスナー12aは、実施例3のファスナー部材80に、磁性粒子を含有するマスキング部材115が取り外し可能に保持されて形成されている。
実施例3の第1変形例のマスキング部材115は、マスキング本体116と、マスキング本体116の外面の少なくとも一部を被覆する外膜部117とを備える。マスキング部材115の外面には、凹部94aとして縦溝部95aが設けられている。マスキング本体116は、実施例3の「マスキング部材90」に略相当しており、ベース部21に対向する内面と、その内面に対して反対側に配される外面とを有する。この場合、マスキング本体116には、実施例3のモノフィラメント96及び固定リブ97が設けられていないものの、マスキング本体116の外面は、実施例3の「マスキング部材90」のマスキング外面91と略同一の形状を有する。マスキング本体116の外面には、縦溝部95aに対応する複数の縦溝部が設けられている。このマスキング本体116は、磁性粒子を含む合成樹脂からなる。
マスキング部材115の外膜部117は、マスキング本体116よりも摩擦抵抗が低い材質からなり、例えばセロハン、合成樹脂、又はマグネットシートにより形成されている。なお、図23において、外膜部117はマスキング本体116の外面全体を被覆しているが、本発明では、マスキング本体116の外面の一部のみを外膜部117で被覆することによって、マスキング本体116の外面を露出させる露出部が設けられていてもよい。
図23に示した面ファスナー12aにおいても、上述の実施例1と同様の効果が得られる。またこの場合、磁性粒子は、マスキング部材115におけるマスキング本体116及び外膜部117のいずれかに含まれていればよく、また、これらの両方に含まれていてもよい。このようなマスキング部材115は、二色成形によって形成されていてもよい。
図23に示した面ファスナー12aでは、マスキング部材115に摩擦抵抗が低い外膜部117が設けられているので、セルフアライメント効果をより一層高めることができ、それによって、金型に取り付けられる面ファスナー12aの位置及び向きを、金型の磁石に対応させて、より精度良く自動的に合わせることができる。
なお本発明において、マスキング部材の材質は、合成樹脂又はエラストマーに限るものではない。例えば、フェルト生地等の布地や紙であってもよい。
凹部の形状は、上述したように、特に限定されるものではなく、溝底面と、溝底面の両側縁部から立ち上がる一対の溝壁面とを有するものに限るものではない。例えば、凹部は、斜面や、滑らかな曲面や、多角形状や、段差や部分的なくぼみを有していてもよいし、これらの組み合わせにより形成されていてもよい。また凹部は、上述した縦溝部、凹陥部、横溝部、及びそれらの組み合わせの形状の凹部だけでなく、例えば波形に湾曲する溝部、クランク状に折れ曲がる複数の曲がり部を備えた溝部などのその他の形状の凹部も含む。
また、凹部の大きさ、例えば縦溝部及び横溝部の溝深さ、溝幅、及び隣接する溝間の間隔は特に限定されるものではなく、面ファスナーの大きさや用途等に応じて変更することが可能である。例えば本実施例1の場合、4つの縦溝部が全て同じ溝深さ及び溝幅で形成されていてもよく、又は、4つの縦溝部が互いに異なる溝深さ及び溝幅で形成されていてもよい。また、凹部は、ファスナー部材の長手方向または幅方向に沿って設けられる部位のみに限定されるものではなく、長手方向に対して角度をもった方向に沿って設けられる部位を含んでいてもよい。
更に、凹部の形成位置は、幅方向において、係合素子列に重ならない位置に形成されていることが好ましいが、これに限るものではない。凹部の一部や全部が幅方向において、係合素子列に重なっていてもよい。また、凹部の個数も任意に変更可能である。
10,10f 面ファスナー
10g,10h 面ファスナー
10i 面ファスナー
12,12a 面ファスナー
20 ファスナー部材
21 ベース部
22 縦壁部
22a モノフィラメント
22b 補強リブ
23 係合素子
24 耳部
24a 耳本体部
24b 突出壁部
25 係合領域
26 係合素子列
30,30a マスキング部材
30b,30c マスキング部材
30d,30e マスキング部材
30f,30g マスキング部材
30h,30i マスキング部材
31,31a マスキング外面(マスキング上面)
31b,31c マスキング外面
31d,31e マスキング外面
31f マスキング外面
32 マスキング内面(マスキング下面)
33 側縁部
34,34a 凹部
34b,34c 凹部
34d,34e 凹部
34g,34h 凹部
34i 凹部
35 縦溝部(縦方向の凹溝部)
35a 第1縦溝部
35b 第2縦溝部
36 空間部
37 内側溝部
41 縦溝部
42 凹陥部
43 縦溝部
44,45 横溝部
46 横溝部
47a 第1縦溝部
47b 第2縦溝部
48,49 縦溝部
50 第1成形装置
51 第1ノズル部
51a 流路部
51b ホイール対向面
51c 樹脂供給口
52 ダイホイール
53 ピックアップローラ
60,60a 第2成形装置
61a 左側の貼り合わせローラ
61b 右側の貼り合わせローラ
62 第2ノズル部
63 成形ローラ(マスキングローラ)
64 搬送ローラ
65a 第1外周面
65b 突出部
65c 第2外周面
66 案内ローラ
70 金型
71 下型(固定型)
72 ファスナー保持部
73 磁石
74 発泡樹脂
80 ファスナー部材
85 係合領域
90 マスキング部材
90a マスキング本体部
91 マスキング外面(マスキング上面)
92 マスキング内面(マスキング下面)
93 側縁部
94,94a 凹部
95,95a 縦溝部
96 モノフィラメント
97 固定リブ
98 折曲部
99 露出部
111 マスキング本体
112 外膜部
113 マスキング本体
114 外膜部
115 マスキング部材
116 マスキング本体
117 外膜部
118 マスキング本体
119 外膜部

Claims (12)

  1. ファスナー部材(20,80)と、前記ファスナー部材(20,80)に取り外し可能に保持されるマスキング部材(30,30a~30i,90,115)とを有し、
    前記ファスナー部材(20,80)は、長尺で第1面と第2面とを有するベース部(21)と、前記ベース部(21)の前記第1面から突出する複数の係合素子(23)とを有し、
    前記ベース部(21)の長手方向に沿って配置される複数の前記係合素子(23)によって、前記長手方向に沿った係合素子列(26)が形成され、
    前記マスキング部材(30,30a~30i,90,115)は、前記ベース部(21)の前記第1面上に配され、且つ、少なくとも一部の前記係合素子(23)を被覆し、
    前記マスキング部材(30,30a~30i,90,115)は、前記ベース部(21)に対向するマスキング内面(32,92)と、前記マスキング内面(32,92)に対して反対側に配されるマスキング外面(31,31a~31f,91)とを有し、
    前記マスキング外面(31,31a~31f,91)に、少なくとも1つの凹部(34,34a~34e,34g~34i,94,94a)が設けられ
    前記マスキング部材(30,30a,30b,30e~30i,90,115)の前記凹部(34,34a,34b,34e,34g~34i,94,94a)は、前記長手方向に沿って設けられる縦溝部(35,35a,35b,41,43,47a,47b,48,49,95,95a)を含み、
    前記縦溝部(35,35a,35b,41,43,47a,47b,48,49,95,95a)は、幅方向において、前記係合素子列(26)に重ならない位置に形成されている
    ことを特徴とする面ファスナー。
  2. 前記凹部(34,34a~34c,34g~34i,94,94a)は、前記マスキング部材(30,30a~30c,30f~30i,90,115)における幅方向の側縁位置から内側に離れて配されている請求項1記載の面ファスナー。
  3. 前記マスキング部材(30a)の前記凹部(34a)は、前記ファスナー部材(20)の長手方向に沿って間欠的に設けられる複数の凹陥部(42)を含む請求項1又は2記載の面ファスナー。
  4. 前記マスキング部材(30b,30c,30d)の前記凹部(34b,34c,34d)は、前記ファスナー部材(20)の幅方向に沿って設けられる複数の横溝部(44,45,46)を含む請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  5. 前記マスキング部材(30,30a,30e~30i,90,115)の前記凹部(34,34a,34e,34g~34i,94,94a)は、前記マスキング外面(31,31a,31e,31f,91)から前記凹部(34,34a,34e,34g~34i,94,94a)の底部までの深さが異なる複数の前記凹部(34,34a,34e,34g~34i,94,94a)を含む請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  6. 前記マスキング部材(30f)の前記マスキング外面(31f)は、前記ファスナー部材(20)の長手方向に沿って、高さ方向に起伏している請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  7. 前記マスキング部材(30g~30i,115)は、磁性粒子を含む請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  8. 前記マスキング部材(30g~30i,115)は、前記ベース部(21)に対向する内面、及び前記内面に対して反対側に配される外面を有するマスキング本体(111,113,116,118)と、前記マスキング本体(111,113,116,118)の前記外面の少なくとも一部を被覆する外膜部(112,114,117,119)とを備え、
    前記外膜部(112,114,117,119)は、前記マスキング本体(111,113,116,118)よりも摩擦抵抗が低い
    請求項1~のいずれかに記載の面ファスナー。
  9. 前記マスキング本体(111,116,118)の前記外面に、少なくとも1つの凹部が設けられている請求項記載の面ファスナー。
  10. 前記マスキング外面(31d)の前記凹部(34d)は、前記マスキング外面(31d)における幅方向の端部を含んで設けられている請求項1記載の面ファスナー。
  11. 前記マスキング外面(31e)の前記凹部(34e)は、前記マスキング外面(31e)における幅方向の両端部において、前記ファスナー部材(20)の長手方向に沿って設けられている請求項1記載の面ファスナー。
  12. 前記ファスナー部材(20)は、複数の前記係合素子(23)を含む係合領域(25)と、前記係合領域(25)の幅方向の外側に配されるとともに前記ファスナー部材(20)の長手方向に沿って設けられる左右の縦壁部(22)とを有し、
    前記マスキング部材(30,30a~30c,30f~30h)は、前記マスキング外面(31,31a~31c,31f)における幅方向の両端部におのおの側縁部(33)を有し、
    前記側縁部(33)は、前記縦壁部(22)の内側に隣接して、前記ファスナー部材(20)の長手方向に沿って配されている
    請求項1~11のいずれかに記載の面ファスナー。
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