以下、本発明の実施形態に係る実装機が適用された部品実装システム及び実装機を用いた実装方法について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る実装機2が適用された部品実装システム1の構成を示すブロック図である。部品実装システム1は、実装機2と、実装管理装置4と、作業ロボット5とを備える。部品実装システム1においては、実装機2と実装管理装置4とがデータ通信可能に接続され、実装管理装置4と作業ロボット5とがデータ通信可能に接続されている。図1では、部品実装システム1に1台の実装機2が備えられる例が示されているが、複数の実装機2が配列されてもよい。
部品実装システム1は、プリント基板(以下、「基板」と称する)上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板を生産するシステムである。部品実装システム1では、実装機2によって部品搭載基板が生産され、その実装機2による生産状況が実装管理装置4によって管理され、実装管理装置4の制御のもと、部品搭載基板の生産時に必要な段取り作業が作業ロボット5によって実行される。なお、段取り作業は、作業ロボット5によって実行されることに限定されるものではなく、オペレーターによって実行されてもよい。
図1に加えて図2及び図3を参照して、実装機2の構成を説明する。図2は、実装機2の構成を示す平面図である。図3は、実装機2のヘッドユニット25の部分を拡大して示す図である。なお、以下では、方向関係については水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて説明する。
実装機2は、基板PPに部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。実装機2による部品の搭載前において基板PPには、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、実装機2は、パターン形成装置により半田ペーストのパターンが印刷された基板PPに部品を搭載する。実装機2は、図2に示すように、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、基板支持装置28とを備える。
本体フレーム21は、実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板PPは、所定の作業位置(基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持装置28によって位置決めされるようになっている。基板支持装置28は、バックアップピンにより基板PPを支持することにより、当該基板PPを位置決めする。
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の一方側及び他方側のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。各部品供給部24には、部品を供給する複数のフィーダー24FがX軸方向に並ぶように配列される。フィーダー24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給できるものであれば特に限定されず、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品を供給するように構成されたフィーダーである。フィーダー24Fは、保持する部品が同じである限り、例えばテープフィーダーの場合は同じ部品種の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールを装着している限り、同じ種類の部品を供給するものとなる。
ヘッドユニット25は、図2に示すように、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動すると共に、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動するようになっている。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板PPの所定の作業位置とにわたって移動可能である。
ヘッドユニット25は、図3に示すように、複数の実装ヘッド251を備えている。図3では、X軸方向に等間隔で一列に並ぶ8本の実装ヘッド251を備えたヘッドユニット25が示されている。各実装ヘッド251は、部品供給部24から部品を取り出すと共に、その取り出した部品を基板PP上に搭載(実装)する搭載動作を行う。各実装ヘッド251は、それぞれヘッドユニット25のフレームに対して鉛直方向(Z軸方向)の移動及びノズル中心軸(R軸)回りの回転が可能とされ、サーボモータを駆動源とする昇降駆動部及び回転駆動部により駆動されるようになっている。また、実装ヘッド251には、その先端(下端)に吸着ノズル2511が装着されている。吸着ノズル2511は、部品供給部24に配列されたフィーダー24Fにより供給された部品を吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
なお、図2に示すように、本体フレーム21上において部品供給部24とコンベア23との間には、部品認識カメラC1が設置されている。部品認識カメラC1は、実装ヘッド251の吸着ノズル2511によって吸着保持された部品の画像を撮像することにより、吸着ノズル2511に対する部品の吸着姿勢を検出する。
基板PPには、1枚の基板当たりに複数種の部品が搭載される。更に、基板PPの種類毎に搭載される部品の種類が異なる。このため、実装機2において、複数種の基板PPに対応して部品搭載基板を生産するためには、その生産に使用される部品種に対応した数のフィーダー24Fが必要となる。複数のフィーダー24Fの各々は、部品供給部24に対して個々の着脱が可能であり、部品供給部24内での配置を自由に設定し得るようになっている。
実装機2において複数種の基板PPに対応して部品搭載基板を生産するときには、基板PPに搭載される部品を供給するフィーダー24Fを部品供給部24に配列させる段取りを行う段取り作業が必要となる。段取り作業は、作業ロボット5又はオペレーターによって行われる。
図1に示すように、実装機2は、データ通信部3Aと、表示部3Bと、制御部3とを更に備える。データ通信部3Aは、実装管理装置4とのデータ通信を実現するインターフェイス回路である。表示部3Bは、詳細については後述するが、部品供給部24におけるフィーダー24Fの配列に関する段取り作業の指令を出力(表示)する。段取り作業をオペレーターが行う場合には、オペレーターは、この表示部3Bに表示された各種指令に基づいて、段取り作業を行うことができる。
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部3は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することによりデータ通信部3A及び表示部3Bを制御すると共に、コンベア23、フィーダー24F、ヘッドユニット25及び部品認識カメラC1の各動作を制御する。制御部3は、図1に示すように、通信制御部31と、表示制御部32と、搬送制御部33と、部品供給制御部34と、搭載制御部35と、部品認識処理部36と、記憶部37と、を含む。
通信制御部31は、データ通信部3Aによる実装管理装置4とのデータ通信を制御する。表示制御部32は、表示部3Bによる各種指令の表示動作を制御する。表示制御部32は、制御部3において、各種指令を出力する指令出力処理を実行する処理部を構成する。
搬送制御部33は、コンベア23による基板PPの搬送動作を制御する。部品供給制御部34は、部品供給部24に配列された複数のフィーダー24Fの各々の部品供給動作を制御する。搭載制御部35は、ヘッドユニット25の各実装ヘッド251による基板PPに対する部品の搭載動作を制御する。搬送制御部33、部品供給制御部34及び搭載制御部35は、制御部3において、基板PPに部品を搭載する一連の動作に関する搭載処理を実行する処理部を構成する。
部品認識処理部36は、部品認識カメラC1の撮像によって取得された画像に基づき、吸着ノズル2511に対する部品の吸着姿勢の検出が可能となるように、当該画像に画像処理を施す。記憶部37は、実装管理装置4から配信されて、データ通信部3Aを介して制御部3に入力された各種情報や実装プログラムを記憶する。
次に、図1を参照して実装管理装置4について説明する。実装管理装置4は、実装機2による部品搭載基板の生産状況を管理すると共に、段取り作業に必要な情報を実装機2及び作業ロボット5に送信する装置である。実装管理装置4は、例えばマイクロコンピュータからなる。実装管理装置4は、データ通信部41と、データ生成部42と、データ管理部43と、データ記憶部44とを備える。
データ通信部41は、実装機2とのデータ通信を実現するインターフェイス回路である。データ通信部41は、実装機2による部品搭載基板の生産状況に関するデータを受信する。また、データ通信部41は、後述のデータ管理部43の制御のもと、データ生成部42によって生成された各種情報や実装プログラムを実装機2に送信する。
データ生成部42は、基板PPに搭載される部品を供給するフィーダー24Fの部品供給部24内での配置領域を特定し、その配置領域内でのフィーダー24Fの配置位置を示す情報を生成する。なお、フィーダー24Fの配置位置は、部品供給部24におけるフィーダー24Fの設置位置毎の部品種を示すデータにより特定される。また、データ生成部42は、部品供給部24に配列されたフィーダー24Fにより供給された部品を基板PPに搭載する手順を示す実装プログラムを生成する。実装プログラムには、基板PPに対する部品の搭載時の制御に関する情報が記録されている。その制御に関する情報としては、例えば、基板PP上における各部品の搭載位置、基板PPに搭載される各部品を供給するフィーダー24Fの部品供給部24内での配置位置、基板PPに対する部品の搭載時に使用されるヘッドユニット25における実装ヘッド251の配置、実装ヘッド251による部品の搭載順序、などの情報が挙げられる。
実装機2において、複数の実装ヘッド251を備えたヘッドユニット25による部品搭載動作は、データ生成部42によって生成された実装プログラムに従って実行される。コンベア23により基板PPが搬送されると、実装プログラムに従って、ヘッドユニット25における各実装ヘッド251が、部品供給部24に配列された複数のフィーダー24Fから部品を同時に若しくは連続的に吸着する。その後、ヘッドユニット25が基板PP上に移動して順次部品を搭載するという動作が、基板PPに対して全部品を搭載するまで、実装プログラムで示される部品の搭載順序に従って繰り返される。なお、実装ヘッド251が部品を吸着した状態でのヘッドユニット25の移動時には、部品認識カメラC1の撮像によって部品認識が行われる。
データ管理部43は、データ生成部42によって生成されたフィーダー24Fの配置位置を示す情報や実装プログラムを、データ通信部41を介して実装機2に向けて送信させる。また、データ管理部43は、データ生成部42によって生成されたフィーダー24Fの配置位置を示す情報を、作業ロボット5に向けて配信する。データ記憶部44は、データ生成部42によって生成されたフィーダー24Fの配置位置を示す情報や実装プログラムを、記憶する。
次に、実装機2及び実装管理装置4の動作について、図4~図9を参照して詳細に説明する。また、実装管理装置4の動作については図10に示すフローチャートを参照し、実装機2の動作については図11A及び図11Bに示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、第1生産対象基板PPAに対応した部品搭載基板を生産し、その後、第2生産対象基板PPBに対応した部品搭載基板を生産する場合を想定する。第1生産対象基板PPAは、第1種の基板又は複数種の基板よりなる第1のグループに属する各基板を表す。第2生産対象基板PPBは、第1種の基板又は第1のグループに属する各基板の次に生産が予定されている、第2種の基板又は第2のグループに属する各基板を表す。
第1のグループ及び第2のグループは、複数種の基板のグループを示すものであり、部品供給部24におけるフィーダー24Fの配列が同一の基板が同一グループとされている。複数種の基板について、搭載される部品の種類の共通度が高いほうが同一のフィーダー配列とした場合に生産効率が有利となるため、部品の種類の共通度が高い基板を同一グループにするのが好ましい。同一グループ内では、部品の搭載対象の基板種が変更になっても、部品供給部24におけるフィーダー24Fの配列の変更をする必要はない。
実装機2による部品搭載基板の生産パターンとしては、例えば3つのパターンが存在する。第1のパターンは、第1種の基板に対応した生産を行った後に、第2種の基板に対応した生産を行うという生産パターンである。第2のパターンは、第1のグループに属する各基板に対応した生産を行った後に、第2のグループに属する各基板に対応した生産を行うという生産パターンである。第3のパターンは、一の基板に対応した生産と、一のグループに属する各基板に対応した生産とが混在した生産パターンである。例えば、第3のパターンは、第1種の基板に対応した生産を行った後に、第1のグループに属する各基板に対応した生産を行うという生産パターンである。
以下では、第1種の基板又は第1のグループに属する各基板を「第1生産対象基板PPA」とし、第2種の基板又は第2のグループに属する各基板を「第2生産対象基板PPB」とすることにより、第1のパターン、第2のパターン及び第3のパターンの各生産パターンを包括して説明する。
第1生産対象基板PPAの生産を開始するにあたって実装管理装置4のデータ生成部42は、第1生産対象基板PPAの生産に用いるフィーダー24Fの集合体を示すフィーダー群24FAの、部品供給部24内での配置領域を示す搭載最適領域AOAを特定する(図10のステップa1、図4参照)。フィーダー群24FAは、第1生産対象基板PPAに搭載される部品を供給する「第1フィーダー群」に相当し、そのフィーダー群24FAが配列される搭載最適領域AOAは、「第1搭載最適領域」に相当する。搭載最適領域AOAは、実装ヘッド251による第1生産対象基板PPAに対する部品の搭載効率に基づいて最適化された、部品供給部24内でのフィーダー群24FAの配置領域を示す。具体的には、搭載最適領域AOAは、第1生産対象基板PPAに対する部品の搭載時にヘッドユニット25の移動がなるべく少なくなるように、また、ヘッドユニット25に設けられた複数の実装ヘッド251による1回の吸着動作で複数の部品を同時に吸着できるように、フィーダー群24FAを構成する各フィーダー24Fが密集した状態で配置される領域となる。
フィーダー群24FAの搭載最適領域AOAの特定が完了すると、データ生成部42は、フィーダー群24FAを構成する各フィーダー24Fの搭載最適領域AOA内での配置位置を示すフィーダー最適位置情報IOAを生成する。更に、データ生成部42は、搭載最適領域AOAに配列されるフィーダー群24FAにより供給される部品を第1生産対象基板PPAに搭載する手順を示す最適配列実装プログラムPOAを生成する。この最適配列実装プログラムPOAには、第1生産対象基板PPA上における各部品の搭載位置、フィーダー群24FAの搭載最適領域AOA内での配置位置、第1生産対象基板PPAに対する部品の搭載時に使用されるヘッドユニット25における実装ヘッド251の配置、実装ヘッド251による部品の搭載順序、などの情報が記録されている。データ生成部42によって生成されたフィーダー最適位置情報IOA及び最適配列実装プログラムPOAは、データ記憶部44に記憶される。
次に、データ管理部43は、データ記憶部44からフィーダー最適位置情報IOA及び最適配列実装プログラムPOAを読み出して、データ通信部41を介して配信させる(図10のステップa2、図4参照)。
実装機2は、実装管理装置4から配信されたフィーダー最適位置情報IOA及び最適配列実装プログラムPOAを、データ通信部3Aを介して受信する。データ通信部3Aが受信したフィーダー最適位置情報IOA及び最適配列実装プログラムPOAは、記憶部37に記憶される。
実装機2において表示制御部32は、記憶部37からフィーダー最適位置情報IOAを読み出して、当該フィーダー最適位置情報IOAを含む最適配置指令COAを出力する最適配置指令出力処理を実行する(図11Aのステップb1、最適配置指令出力ステップ)。表示制御部32により最適配置指令出力処理が実行されると、最適配置指令COAが表示部3Bに表示される(図4参照)。最適配置指令COAは、フィーダー群24FAを構成する各フィーダー24Fを部品供給部24における搭載最適領域AOAへ配列させる指令を示す。表示部3Bに最適配置指令COAが表示されると、それに基づいてオペレーターは、フィーダー群24FAを搭載最適領域AOAに配列する段取り作業を行うことができる。オペレーターは、フィーダー24Fを保管する部品庫PTからフィーダー群24FAを構成する各フィーダー24Fを取り出し、最適配置指令COAに含まれるフィーダー最適位置情報IOAに従って、各フィーダー24Fを搭載最適領域AOA内の各位置に配置する段取り作業を行う(フィーダー群24FAの最適配置ステップ)。
段取り作業を作業ロボット5が行う場合には、作業ロボット5は、実装管理装置4から配信されたフィーダー最適位置情報IOAを受信する。作業ロボット5は、フィーダー最適位置情報IOAに従って、フィーダー群24FAを構成する各フィーダー24Fを搭載最適領域AOA内の各位置に配置する段取り作業を行う(フィーダー群24FAの最適配置ステップ)。
実装機2において制御部3は、フィーダー群24FAの搭載最適領域AOAへの配置を監視し、その配置が完了したか否かを判定する(図11Aのステップb2)。フィーダー群24FAの搭載最適領域AOAへの配置が完了すると、制御部3は、記憶部37に記憶された最適配列実装プログラムPOAを読み出し、その実装プログラムに基づき第1搭載処理を実行することによって、第1生産対象基板PPAの生産を開始する(図11Aのステップb3、第1搭載ステップ)。第1生産対象基板PPAの生産時に用いられるフィーダー群24FAが配列される搭載最適領域AOAは、実装ヘッド251による第1生産対象基板PPAに対する部品の搭載効率に基づいて最適化されたフィーダー群24FAの配置領域であるので、実装機2における部品搭載基板の生産効率の向上を図ることが可能となる。
搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いて第1生産対象基板PPAに部品を搭載するという第1搭載処理の実行中において、実装管理装置4のデータ生成部42は、第1生産対象基板PPAの次に生産が予定されている第2生産対象基板PPBの生産に用いるフィーダー24Fの集合体を示すフィーダー群24FBの、部品供給部24内での仮の配置領域を示す仮配置領域AKBを特定する(図10のステップa3、図5参照)。フィーダー群24FBは、第2生産対象基板PPBに搭載される部品を供給する「第2フィーダー群」に相当する。仮配置領域AKBは、部品供給部24において、現在生産中の第1生産対象基板PPAに用いられるフィーダー群24FAが配列された搭載最適領域AOA以外の領域に設定される。仮配置領域AKBは、搭載最適領域AOAのX軸方向の一方側に隣接する第1仮領域AKB1と、搭載最適領域AOAのX軸方向の他方側に隣接する第2仮領域AKB2とを含む。
フィーダー群24FBの仮配置領域AKBの特定が完了すると、データ生成部42は、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fの仮配置領域AKB内での配置位置を示すフィーダー仮位置情報IKBを生成する。更に、データ生成部42は、仮配置領域AKBに配列されるフィーダー群24FBにより供給される部品を第2生産対象基板PPBに搭載する手順を示す仮配列実装プログラムPKBを生成する。この仮配列実装プログラムPKBには、第2生産対象基板PPB上における各部品の搭載位置、フィーダー群24FBの仮配置領域AKB内での配置位置、第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載時に使用されるヘッドユニット25における実装ヘッド251の配置、実装ヘッド251による部品の搭載順序、などの情報が記録されている。
また、データ生成部42によって生成されるフィーダー仮位置情報IKBは、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fの仮配置領域AKB内での配置位置を示す情報であって、後記の第2生産対象基板PPBの生産を開始させるときの(第2搭載処理の実行時)、実装ヘッド251による第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載効率を向上させる配置位置を示す情報である。具体的には、フィーダー仮位置情報IKBで示される、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fの仮配置領域AKB内での配置位置は、例えば、各フィーダー24Fが供給する部品の第2生産対象基板PPB上での搭載位置になるべく近くなるように設定される。この場合、フィーダー仮位置情報IKBは、仮配置領域AKBに配置されるフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産時において、生産効率の可及的な向上を図ることが可能なフィーダー24Fの配置位置を示す情報となる。
また、データ生成部42によって生成されるフィーダー仮位置情報IKBは、上記の内容に限定されるものではなく、後記の配置変更指令COB(図7参照)に応じてフィーダー群24FBの配置を、仮配置領域AKBから搭載最適領域AOB(図8)に変更する段取り作業の作業効率を向上させる配置位置を示す情報であってもよい。この場合、フィーダー仮位置情報IKBは、仮配列実装プログラムPKBで示される部品の搭載順序に基づいて、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fの仮配置領域AKB内での配置位置を示す情報となる。具体的には、フィーダー仮位置情報IKBは、搭載順序の中央値を基準として、搭載順序が上位の部品を保持したフィーダー24Fと、搭載順序が下位の部品を保持したフィーダー24Fとに分類し、それらを第1仮領域AKB1と第2仮領域AKB2とに区別して配置する情報となる。
データ生成部42によって生成されたフィーダー仮位置情報IKB及び仮配列実装プログラムPKBは、データ記憶部44に記憶される。なお、データ生成部42は、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いた第1生産対象基板PPAの生産が終了するまでに、フィーダー仮位置情報IKB及び仮配列実装プログラムPKBを生成すればよく、その生成タイミングは、第1生産対象基板PPAの生産が開始される前であってもよい。
次に、データ管理部43は、データ記憶部44からフィーダー仮位置情報IKB及び仮配列実装プログラムPKBを読み出して、データ通信部41を介して配信させる(図10のステップa4、図5参照)。
実装機2は、実装管理装置4から配信されたフィーダー仮位置情報IKB及び仮配列実装プログラムPKBを、データ通信部3Aを介して受信する。データ通信部3Aが受信したフィーダー仮位置情報IKB及び仮配列実装プログラムPKBは、記憶部37に記憶される。
実装機2において表示制御部32は、第1生産対象基板PPAの生産中において、記憶部37からフィーダー仮位置情報IKBを読み出して、当該フィーダー仮位置情報IKBを含む仮配置指令CKBを出力する仮配置指令出力処理を実行する(図11Aのステップb4、仮配置指令出力ステップ)。表示制御部32により仮配置指令出力処理が実行されると、仮配置指令CKBが表示部3Bに表示される(図5参照)。仮配置指令CKBは、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fを部品供給部24における仮配置領域AKBへ配列させる指令を示す。表示部3Bに仮配置指令CKBが表示されると、それに基づいてオペレーターは、第1生産対象基板PPAの生産中において、次の第2生産対象基板PPBの生産に用いられるフィーダー群24FBを仮配置領域AKBに配列する段取り作業を行うことができる。オペレーターは、部品庫PTからフィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fを取り出し、仮配置指令CKBに含まれるフィーダー仮位置情報IKBに従って、各フィーダー24Fを仮配置領域AKB内の各位置に配置する段取り作業を行う(フィーダー群24FBの仮配置ステップ)。この際、仮配置指令CKBに応じたフィーダー群24FBの段取り作業は、第1生産対象基板PPAの生産において使用されるフィーダー群24FAが配置される搭載最適領域AOA以外の仮配置領域AKBに対して行われる。このため、フィーダー群24FBの段取り作業が行われている間においても、第1生産対象基板PPAの生産を継続することができる。
段取り作業を作業ロボット5が行う場合には、作業ロボット5は、実装管理装置4から配信されたフィーダー仮位置情報IKBを受信する。作業ロボット5は、フィーダー仮位置情報IKBに従って、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fを仮配置領域AKB内の各位置に配置する段取り作業を行う(フィーダー群24FBの仮配置ステップ)。
フィーダー群24FBを仮配置領域AKBに配置する段取り作業が行われている間も、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いた第1生産対象基板PPAの生産は継続されている。具体的には、搬送制御部33は、コンベア23を制御して第1生産対象基板PPAを搬送させる(図11Aのステップb5)。部品供給制御部34は、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを制御し、部品供給動作を実行させる。そして、搭載制御部35は、最適配列実装プログラムPOAに従ってヘッドユニット25を制御し、フィーダー群24FAにより供給された部品を、コンベア23により搬送された第1生産対象基板PPAに搭載する第1搭載動作を実装ヘッド251に実行させる(図11Aのステップb6)。
制御部3により実行される搭載処理について、図12のフローチャートを参照して詳細に説明する。搬送制御部33の制御によってコンベア23が第1生産対象基板PPAを搬送し、部品供給制御部34の制御によってフィーダー群24FAが部品を供給した状態で、搭載制御部35は、第1搭載処理を実行する。搭載制御部35は、第1生産対象基板PPA上での部品の未搭載点が有るか否かを判定する(図12のステップc1)。第1生産対象基板PPA上に部品の未搭載点が存在せず、第1生産対象基板PPAに対して全部品が搭載された場合には、搭載処理を終了する。
第1生産対象基板PPA上に部品の未搭載点が存在する場合、搭載制御部35は、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAの中から、吸着グループを作成する(図12のステップc2)。吸着グループは、ヘッドユニット25における各実装ヘッド251で同時に若しくは連続的に部品を吸着する対象のフィーダー24Fのグループを示す。吸着グループの作成が完了すると、搭載制御部35は、ヘッドユニット25を制御し、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAのうち、吸着グループに属するフィーダー24Fから部品を同時に若しくは連続的に吸着させる(図12のステップc3)。この状態で、搭載制御部35は、ヘッドユニット25を第1生産対象基板PPA上に移動させる。この際、部品認識カメラC1の撮像によって、ヘッドユニット25の各実装ヘッド251に吸着された部品の認識が行われる(図12のステップc4)。その後、ヘッドユニット25の第1生産対象基板PPA上への移動が完了すると、搭載制御部35は、吸着保持した部品を第1生産対象基板PPA上に搭載するという動作を実装ヘッド251に実行させる(図12のステップc5)。このようなステップc1からステップc5までの各処理が、第1生産対象基板PPAに対して全部品を搭載するまで、最適配列実装プログラムPOAで示される部品の搭載順序に従って繰り返される。
第1生産対象基板PPAに対する全部品の搭載が完了すると、搬送制御部33は、コンベア23を制御して第1生産対象基板PPAを搬出させる(図11Aのステップb7)。第1生産対象基板PPAの生産中においては、制御部3は、フィーダー群24FBの仮配置領域AKBへの配置を監視する(図11Aのステップb8)。また、制御部3は、第1生産対象基板PPAの全数の生産が終了したか否かを判定する(図11Aのステップb9)。第1生産対象基板PPAの全数の生産が終了していない場合には、ステップb5からステップb8までの各処理が繰り返される。一方、第1生産対象基板PPAの全数の生産が終了した場合には、制御部3は、次の処理に移行する。
搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いて第1生産対象基板PPAに部品を搭載するという第1搭載処理の実行中において、実装管理装置4のデータ生成部42は、第2生産対象基板PPBの生産に用いるフィーダー群24FBの、部品供給部24内での搭載最適領域AOBを特定する(図10のステップa5)。フィーダー群24FBが配列される搭載最適領域AOBは、「第2搭載最適領域」に相当する。搭載最適領域AOBは、実装ヘッド251による第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載効率に基づいて最適化された、部品供給部24内でのフィーダー群24FBの配置領域を示す。具体的には、搭載最適領域AOBは、第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載時にヘッドユニット25の移動がなるべく少なくなるように、また、ヘッドユニット25に設けられた複数の実装ヘッド251による1回の吸着動作で複数の部品を同時に吸着できるように、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fが密集した状態で配置される領域となる。
フィーダー群24FBの搭載最適領域AOBの特定が完了すると、データ生成部42は、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fの搭載最適領域AOB内での配置位置を示すフィーダー最適位置情報IOBを生成する。更に、データ生成部42は、搭載最適領域AOBに配列されるフィーダー群24FBにより供給される部品を第2生産対象基板PPBに搭載する手順を示す最適配列実装プログラムPOBを生成する。この最適配列実装プログラムPOBには、第2生産対象基板PPB上における各部品の搭載位置、フィーダー群24FBの搭載最適領域AOB内での配置位置、第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載時に使用されるヘッドユニット25における実装ヘッド251の配置、実装ヘッド251による部品の搭載順序、などの情報が記録されている。データ生成部42によって生成されたフィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBは、データ記憶部44に記憶される。なお、データ生成部42は、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いた第1生産対象基板PPAの生産が終了するまでに、フィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBを生成すればよい。フィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBの生成タイミングは、搭載最適領域AOAに配列されたフィーダー群24FAを用いて第1生産対象基板PPAに部品を搭載するという第1搭載処理の実行中であってもよいし、第1生産対象基板PPAの生産が開始される前であってもよい。
次に、データ管理部43は、データ記憶部44からフィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBを読み出して、データ通信部41を介して配信させる(図10のステップa6、図7参照)。
実装機2は、実装管理装置4から配信されたフィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBを、データ通信部3Aを介して受信する。データ通信部3Aが受信したフィーダー最適位置情報IOB及び最適配列実装プログラムPOBは、記憶部37に記憶される。
第1生産対象基板PPAに対応した全ての部品搭載基板の生産が終了すると(図11Aのステップb9でYES)、制御部3は、記憶部37に記憶された仮配列実装プログラムPKBを読み出し、その実装プログラムに基づき第2搭載処理を実行することによって、第2生産対象基板PPBの生産を開始する(図11Bのステップb10、第2搭載ステップ)。これにより、第1生産対象基板PPAから第2生産対象基板PPBへの生産の切替え時において、実装機2を待機状態とすることなく、異種の基板を連続的に生産することができる(図6参照)。
ここで、既述の通り、仮配置指令CKBに含まれるフィーダー仮位置情報IKBが、実装ヘッド251による第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載効率を向上させるフィーダー群24FBの仮配置領域AKB内での配置位置を示す情報である場合を想定する。この場合、部品供給部24の仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産時において、生産効率の可及的な向上を図ることができる。
部品供給部24の仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産中において、表示制御部32は、記憶部37からフィーダー最適位置情報IOBを読み出して、当該フィーダー最適位置情報IOBを含む配置変更指令COBを出力する配置変更指令出力処理を実行する(図11Bのステップb11、配置変更指令出力ステップ)。表示制御部32により配置変更指令出力処理が実行されると、配置変更指令COBが表示部3Bに表示される(図7参照)。配置変更指令COBは、フィーダー群24FAを構成するフィーダー24Fのうち、フィーダー群24FBと共通のフィーダー24Fを除く特定フィーダーを少なくとも搭載最適領域AOAから取り外し(図7)、フィーダー群24FBの部品供給部24における配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する(図8)、という指令を示す。
フィーダー群24FAとフィーダー群24FBとの間において共通するフィーダー24Fが存在しない場合には、配置変更指令COBは、フィーダー群24FAを構成するフィーダー24Fの全てを搭載最適領域AOAから取り外すという内容を含む指令となる。一方、フィーダー群24FAとフィーダー群24FBとの間において共通するフィーダー24Fが存在する場合には、配置変更指令COBは、フィーダー群24FAを構成するフィーダー24Fのうち、フィーダー群24FBと共通のフィーダー24Fを除く特定フィーダーを搭載最適領域AOAから取り外すという内容を含む指令となる。なお、フィーダー群24FAとフィーダー群24FBとの間において共通するフィーダー24Fが存在する場合であっても、フィーダー群24FAを構成するフィーダー24Fの全てを搭載最適領域AOAから取り外すという内容を含む配置変更指令COBであってもよい。
表示部3Bに配置変更指令COBが表示されると、それに基づいてオペレーターは、フィーダー群24FBの配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する段取り作業を行うことができる。オペレーターは、フィーダー群24FAを搭載最適領域AOAから取り外し、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fを順次、搭載最適領域AOBに移動させる段取り作業を行う(配置変更ステップ)。
ここで、既述の通り、仮配置指令CKBに含まれるフィーダー仮位置情報IKBが、配置変更指令COBに応じてフィーダー群24FBの配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する段取り作業の作業効率を向上させる配置位置を示す情報である場合を想定する。この場合、配置変更指令COBに応じてフィーダー群24FBの配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する段取り作業を行う際に、第2仮領域AKB2に配置された搭載順序が下位の部品を保持したフィーダー24Fをまとめて搭載最適領域AOBに移動させ、その後、第1仮領域AKB1に配置された搭載順序が上位の部品を保持したフィーダー24Fをまとめて搭載最適領域AOBに移動させることができる。すなわち、第1仮領域AKB1に配置された搭載順序が上位の部品を保持したフィーダー24Fから部品が取り出されている間は、第2仮領域AKB2に配置された搭載順序が下位の部品を保持したフィーダー24Fからの部品の取り出しが発生することはないので、第2仮領域AKB2に配置されたフィーダー24Fをまとめて搭載最適領域AOBに移動させることができる。このため、配置変更指令COBに応じてフィーダー群24FBの配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する段取り作業を効率よく行うことができ、フィーダー群24FBの配置変更に要する時間を短縮することができる。この結果、フィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産において、フィーダー群24FBの仮配置領域AKBに配置された状態から搭載最適領域AOBに配置された状態への移行タイミングを早めることができる。
段取り作業を作業ロボット5が行う場合には、作業ロボット5は、実装管理装置4から配信されたフィーダー最適位置情報IOBを受信する。フィーダー最適位置情報IOBを受信すると、作業ロボット5は、フィーダー群24FAを搭載最適領域AOAから取り外す。その後、作業ロボット5は、フィーダー最適位置情報IOBに従って、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fを順次、搭載最適領域AOBに移動させる段取り作業を行う(配置変更ステップ)。
フィーダー群24FBの配置を仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBに変更する段取り作業が行われている間も、仮配置領域AKBに対する配置が継続されているフィーダー24Fを用いた第2生産対象基板PPBの生産は継続されている。具体的には、搬送制御部33は、コンベア23を制御して第2生産対象基板PPBを搬送させる(図11Bのステップb12)。部品供給制御部34は、仮配置領域AKBに対する配置が継続されているフィーダー24Fを制御し、部品供給動作を実行させる。そして、搭載制御部35は、仮配列実装プログラムPKBに従ってヘッドユニット25を制御し、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー24Fにより供給された部品を、コンベア23により搬送された第2生産対象基板PPBに搭載する第2搭載動作を実装ヘッド251に実行させる(図11Bのステップb13)。
仮配列実装プログラムPKBに従った第2搭載処理の実行中、すなわち、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産中においては、仮配列実装プログラムPKBに記録された部品の搭載順序に従って、フィーダー群24FBを構成する各フィーダー24Fから部品が取り出される。この際、制御部3(搭載制御部35)は、配置変更指令COBに応じたフィーダー群24FBの配置変更に伴って仮配置領域AKBから取り外されたフィーダー24Fの部品に対する、実装ヘッド251の搭載動作については、先送り(スキップ)する。この場合、搭載制御部35は、仮配置領域AKBから取り外されたフィーダー24Fの搭載最適領域AOBへの移動が完了した後に、当該移動後のフィーダー24Fから部品が取り出されるように、先送りされた搭載動作を実装ヘッド251に実行させる。また、フィーダー24Fが仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBへ移動された後に、部品の取り出しの順番となったフィーダー24Fについては、搭載制御部35は、移動後のフィーダー24Fから部品を取り出す搭載動作を実装ヘッド251に実行させる。この態様では、仮配置領域AKBに配置された第2フィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産中において、仮配置領域AKBから取り外されたフィーダー24Fを用いた実装ヘッド251の搭載動作は先送り(スキップ)される。これにより、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産を継続することができる。
なお、制御部3(搭載制御部35)は、配置変更指令COBに応じたフィーダー群24FBの配置変更に伴って仮配置領域AKBから取り外されたフィーダー24Fの部品に対する実装ヘッド251の搭載動作を、後記の搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを用いた第3搭載処理まで先送りするように構成されていてもよい。この場合には、1枚の第2生産対象基板PPBに対する全ての部品の搭載処理が終わるまでに、配置変更指令COBに応じたフィーダー群24FBの仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBへの配置変更が完了している必要がある。
仮配置領域AKBに配置された第2フィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産中においては、制御部3は、フィーダー群24FBの仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBへの配置変更を監視する(図11Bのステップb14)。
制御部3により実行される配置変更監視処理について、図13のフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、制御部3は、仮配置領域AKBに配置されたフィーダー24Fが取り外されたか否かを判定する(図13のステップd1)。フィーダー24Fが取り外された場合には、制御部3は、そのフィーダー24Fが仮配置領域AKBから取り外されたことを記憶部37に記憶させる(図13のステップd2)。そして、制御部3は、フィーダー24Fが搭載最適領域AOBに取り付けられたか否かを判定する(図13のステップd3)。フィーダー24Fが取り付けられた場合には、制御部3は、そのフィーダー24Fが搭載最適領域AOBに取り付けられたことを記憶部37に記憶させる(図13のステップd4)。このような配置変更監視処理の実行後に、制御部3は、図11Bのステップb15へ処理を移行する。
図11Bのステップb15において、制御部3は、フィーダー群24FBの仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBへの配置変更が完了したか否かを判定する。配置変更が完了していない場合(ステップb15でNO)には、搬送制御部33は、コンベア23を制御して、ステップb13において部品の搭載処理が行われた第2生産対象基板PPBを搬出させる(図11Bのステップb22)。この場合、制御部3は、第2生産対象基板PPBの全数の生産が終了したか否かを判定し(図11Bのステップb23)、第2生産対象基板PPBの全数の生産が終了していない場合には、ステップb12からステップb15までの各処理が繰り返される。
一方、フィーダー群24FBの仮配置領域AKBから搭載最適領域AOBへの配置変更が完了した場合(ステップb15でYES)には、制御部3は、記憶部37に記憶された最適配列実装プログラムPOBを読み出し、第2生産対象基板PPBの生産を、仮配列実装プログラムPKBに基づく生産から最適配列実装プログラムPOBに基づく生産に切替える(図11Bのステップb16)。制御部3は、最適配列実装プログラムPOBに基づき第3搭載処理を実行することによって、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産を行う(第3搭載ステップ)。
具体的には、搬送制御部33は、コンベア23を制御して、ステップb13において部品の搭載処理が行われた第2生産対象基板PPBを搬出させる(図11Bのステップb17)。次に、搬送制御部33は、コンベア23を制御して新たな第2生産対象基板PPBを搬送させる(図11Bのステップb18)。部品供給制御部34は、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを制御し、部品供給動作を実行させる。そして、搭載制御部35は、最適配列実装プログラムPOBに従ってヘッドユニット25を制御し、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBにより供給された部品を、コンベア23により搬送された第2生産対象基板PPBに搭載する第3搭載動作を実装ヘッド251に実行させる(図11Bのステップb19、図8参照)。第2生産対象基板PPBの生産時に用いられるフィーダー群24FBが配列される搭載最適領域AOBは、実装ヘッド251による第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載効率に基づいて最適化されたフィーダー群24FBの配置領域であるので、実装機2における部品搭載基板の生産効率の向上を図ることが可能となる。
なお、制御部3により最適配列実装プログラムPOBに基づき実行される上記の第3搭載処理は、既述の図12のフローチャートに従った処理である。具体的には、搬送制御部33の制御によってコンベア23が第2生産対象基板PPBを搬送し、部品供給制御部34の制御によってフィーダー群24FBが部品を供給した状態で、搭載制御部35は、第3搭載処理を実行する。第2生産対象基板PPB上に部品の未搭載点が存在する場合、搭載制御部35は、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBの中から、吸着グループを作成する。吸着グループは、ヘッドユニット25における各実装ヘッド251で同時に若しくは連続的に部品を吸着する対象のフィーダー24Fのグループを示す。吸着グループの作成が完了すると、搭載制御部35は、ヘッドユニット25を制御し、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBのうち、吸着グループに属するフィーダー24Fから部品を同時に若しくは連続的に吸着させる。この状態で、搭載制御部35は、ヘッドユニット25を第2生産対象基板PPB上に移動させる。この際、部品認識カメラC1の撮像によって、ヘッドユニット25の各実装ヘッド251に吸着された部品の認識が行われる。その後、ヘッドユニット25の第2生産対象基板PPB上への移動が完了すると、搭載制御部35は、吸着保持した部品を第2生産対象基板PPB上に搭載するという動作を実装ヘッド251に実行させる。このような各処理が、第2生産対象基板PPBに対して全部品を搭載するまで、最適配列実装プログラムPOBで示される部品の搭載順序に従って繰り返される。
第2生産対象基板PPBに対する全部品の搭載が完了すると、搬送制御部33は、コンベア23を制御して第2生産対象基板PPBを搬出させる(図11Bのステップb20)。また、制御部3は、第2生産対象基板PPBの全数の生産が終了したか否かを判定する(図11Bのステップb21)。第2生産対象基板PPBの全数の生産が終了していない場合には、ステップb18からステップb20までの各処理が繰り返される。一方、第2生産対象基板PPBの全数の生産が終了すると、制御部3は、第2生産対象基板PPBの次に生産が予定されている基板が存在する場合には、ステップb4以降の各処理を、生産予定の基板が無くなるまで繰り返す。
例えば、第2生産対象基板PPBの次に基板PPCの生産が予定されている場合を想定する。この場合、制御部3は、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを用いた、最適配列実装プログラムPOBに基づく第2生産対象基板PPBに対する部品の搭載処理を、「第3搭載処理」から「第1搭載処理」に認識を改める。この際、制御部3は、第2生産対象基板PPBを「第1生産対象基板」に認識を改め、搭載最適領域AOBを「第2搭載最適領域」から「第1搭載最適領域」に認識を改め、フィーダー群24FBを「第2フィーダー群」から「第1フィーダー群」に認識を改める。そして、制御部3は、第2生産対象基板PPBの次に生産が予定されている基板PPCを「第2生産対象基板」として認識する。
なお、第2生産対象基板PPBの次に基板PPCの生産が予定されている場合には、実装管理装置4のデータ生成部42は、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産中において、基板PPCに搭載される部品を供給するフィーダー群24FCの仮配置領域AKCを特定する(図9参照)。仮配置領域AKCは、前述の仮配置領域AKBの場合と同様に、現在生産中の第2生産対象基板PPBに用いられるフィーダー群24FBが配列された搭載最適領域AOB以外の領域に設定される。図9に示す例では、仮配置領域AKCは、搭載最適領域AOBのX軸方向の一方側に隣接する第1仮領域AKC1と、搭載最適領域AOBのX軸方向の他方側に隣接する第2仮領域AKC2とを含む。
更に、データ生成部42は、フィーダー群24FCを構成する各フィーダー24Fの仮配置領域AKC内での配置位置を示すフィーダー仮位置情報IKCと、仮配置領域AKCに配列されるフィーダー群24FCにより供給される部品を基板PPCに搭載する手順を示す仮配列実装プログラムPKCと、を生成する。データ生成部42によって生成されたフィーダー仮位置情報IKC及び仮配列実装プログラムPKCは、データ通信部41を介して配信される(図8及び図9参照)。
実装機2は、実装管理装置4から配信されたフィーダー仮位置情報IKC及び仮配列実装プログラムPKCを、データ通信部3Aを介して受信する。データ通信部3Aが受信したフィーダー仮位置情報IKC及び仮配列実装プログラムPKCは、記憶部37に記憶される。
実装機2において表示制御部32は、前述のフィーダー群24FBの仮配置の場合と同様に、第2生産対象基板PPBの生産中において、記憶部37からフィーダー仮位置情報IKCを読み出して、当該フィーダー仮位置情報IKCを含む仮配置指令CKCを出力する仮配置指令出力処理を実行する。表示制御部32により仮配置指令出力処理が実行されると、仮配置指令CKCが表示部3Bに表示される(図8及び図9参照)。表示部3Bに仮配置指令CKCが表示されると、それに基づいてオペレーターは、第2生産対象基板PPBの生産中において、次の基板PPCの生産に用いられるフィーダー群24FCを仮配置領域AKBCに配列する段取り作業を行うことができる。
フィーダー群24FCを仮配置領域AKCに配置する段取り作業が行われている間も、搭載最適領域AOBに配列されたフィーダー群24FBを用いた第2生産対象基板PPBの生産は継続されている。
以上説明したように、第1搭載処理、仮配置指令の出力処理、第2搭載処理、配置変更指令の出力処理、及び第3搭載処理が、生産予定の基板が無くなるまで繰り返し行われる。第1搭載処理は、既述の通り、部品供給部24の第1搭載最適領域に配列された第1フィーダー群を用いて部品を第1生産対象基板に搭載する処理である。仮配置指令は、第2生産対象基板用の第2フィーダー群を仮配置領域へ配置する指令である。第2搭載処理は、仮配置領域に配列された第2フィーダー群を用いて部品を第2生産対象基板に搭載する処理である。配置変更指令は、第2フィーダー群の配置を仮配置領域から第2搭載最適領域に変更する指令である。第3搭載処理は、第2搭載最適領域に配列された第2フィーダー群を用いて部品を第2生産対象基板に搭載する処理である。