JP7264650B2 - 難燃性発泡体 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[2]前記スチレン系樹脂組成物のMFRが1.0~10.0g/10minである、上記[1]に記載の難燃性発泡体。
[3]前記(C)成分のリン系難燃剤が、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、及びホスホン酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記[1]または[2]に記載の難燃性発泡体。
[4]前記難燃性発泡体が押出発泡である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の難燃性発泡体。
本実施形態の難燃性発泡体は、スチレン系樹脂組成物より得られる難燃性スチレン系樹脂発泡体であって、当該スチレン系樹脂組成物は、(A)スチレン系樹脂97.0~99.8質量%と、(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物0.2~3.0質量%とを含有し、且つ(C)リン系難燃剤及びブロム系難燃剤からなる群から選ばれる1つ以上の難燃剤を含有する。このように構成された発泡体は、均等に微細な発泡構造となり、高い難燃性を得ることができる。また、スチレン系樹脂の持つ耐熱性、発泡成形性に影響を与えない。
なお、本明細書において、(A)スチレン系樹脂、(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物、(C)リン系難燃剤及びブロム系難燃剤からなる群から選ばれる1つ以上の難燃剤を、それぞれ、(A)成分、(B)成分、(C)成分とも称す。
〈(A)スチレン系樹脂〉
本実施形態において、(A)スチレン系樹脂の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量%に対して、97.0~99.8質量%であり、好ましくは97.5~99.5質量%、より好ましくは98.0~99.0質量%である。当該含有量を97.0質量%以上とすることにより、耐熱性、発泡特性、発泡押出成形性を向上させることができ、当該含有量を99.8質量%以下とすることにより、相対的に後述の(B)成分の含有量が増え、難燃性を向上させることができる。
本実施形態において、ポリスチレンとはスチレン系単量体の単独重合体であり、一般的に入手できるものを適宜選択して用いることができる。ポリスチレンを構成するスチレン系単量体としては、スチレンの他に、α-メチルスチレン、α-メチル-p-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、イソブチルスチレン、及びt-ブチルスチレン又はブロモスチレン及びインデン等のスチレン誘導体が挙げられる。特に工業的観点からスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、1種又は2種以上使用することができる。ポリスチレンは上記のスチレン系単量体単位以外の単量体単位を本発明の効果を損なわない範囲で更に含有することを排除しないが、典型的にはスチレン系単量体単位からなる。
本実施形態において、ゴム変性スチレン系樹脂とは、マトリクスとしてのスチレン系樹脂中にゴム状重合体(a)の粒子が分散したものであり、ゴム状重合体(a)の存在下でスチレン系単量体を重合させることにより製造することができる。
このようなゴム変性スチレン系樹脂の例としては、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体)等が挙げられる。
なお、該ハイシスポリブタジエンの構成単位に関する異性体としてシス1,4、トランス1,4、又はビニル1,2構造を有するものの含有率は、赤外分光光度計を用いて測定し、モレロ法によりデータ処理することにより算出できる。
また、該ハイシスポリブタジエンは、公知の製造法、例えば有機アルミニウム化合物とコバルト又はニッケル化合物を含んだ触媒を用いて、1,3ブタジエンを重合して容易に得ることができる。
なお本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の含有量は、熱分解ガスクロマトグラフイーを用いて算出される値である。
なお本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂中に含まれるゴム状重合体(a)の平均粒子径は、以下の方法により測定することができる。
四酸化オスミウムで染色したゴム変性スチレン系樹脂から厚さ75nmの超薄切片を作製し、電子顕微鏡を用いて倍率10000倍の写真を撮影する。写真中、黒く染色された粒子がゴム状重合体である。写真から、下記数式(N1):
平均粒子径=ΣniDri3 /ΣniDri2 (N1)
(式中、niは、粒子径Driのゴム状重合体(a)粒子の個数であり、粒子径Driは、写真中の粒子の面積から円相当径として算出した粒子径である。)
により面積平均粒子径を算出し、ゴム状重合体(a)の平均粒子径とする。本測定は、写真を200dpiの解像度でスキャナーに取り込み、画像解析装置IP-1000(旭化成社製)の粒子解析ソフトを用いて測定する。
なお本開示で、ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度は、トルエン溶液中で30℃、濃度0.5g/dLの条件で測定される値である。
本実施形態において、共重合樹脂とは、スチレン系単量体単位および不飽和カルボン酸系単量体単位、さらに不飽和カルボン酸エステル系単量体単位を任意に含む樹脂である。共重合樹脂は、スチレン系単量体単位、不飽和カルボン酸系単量体単位、及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位の合計含有量を100質量%としたとき、スチレン系単量体単位の含有量は69~96質量%であることが好ましく、より好ましくは74~92質量%であり、さらに好ましくは77~87質量%の範囲である。当該含有量を69質量%以上とすることにより、樹脂の流動性を向上させることができ、一方、当該含有量を96質量%以下とすることにより、後述の不飽和カルボン酸系単量体単位及び不飽和カルボン酸エステル系単量体単位を所望量存在させにくくなり、これらの単量体単位による後述の効果を得にくくなる。
共重合樹脂を得るために重合原料を重合させる際には、重合原料組成物中に、典型的には重合開始剤及び連鎖移動剤を含有させる。
重合開始剤としては、有機過酸化物、例えば、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート等のペルオキシケタール類、ジ-t-ブチルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等のジアルキルペルオキシド類、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t-ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル類、アセチルアセトンペルオキシド等のケトンペルオキシド類、t-ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等を挙げることができる。分解速度と重合速度との観点から、なかでも、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサンが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、α-メチルスチレンリニアダイマー、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン等を挙げることができる。
(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計量100質量%に対して、0.2~3.0質量%であり、好ましくは0.5~2.5質量%であり、より好ましくは1.0~2.0質量%である。当該含有量を0.2質量%以上とすることにより、発泡体で難燃性が得られる。また、当該含有量を3.0質量%以下とすることにより、発泡特性、ひいては強度を向上させることができる。
また、(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物は、光安定化剤としてよく知られるものであり、添加することにより耐光性を付与することもできる。
(B)NOR(アルコキシイミノ基)型ヒンダードアミン系化合物のアルコキシイミノ基とは、ピペリジン環のイミノ基(>N-H)の部分が、NHのままであるN-H型、Hがメチル基で置き換わったN-メチル型に対して、N-アルコキシル基(>N-OR)の構造を有するものであり、N-アルコキシル基はアルキルパーオキシラジカル(RO2・)を捕捉して容易にラジカルとなり難燃効果を発揮する。一方、N-メチル型ヒンダードアミン系化合物又はN-H型ヒンダードアミン系化合物の場合は、NOR型ヒンダードアミン系化合物の場合よりも難燃性が低下するおそれがある。
これらアルコキシル基の具体的な例としては、メトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基が好ましく、特に、プロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が、分子量が大きくなることでシート及びフィルムからのブリードアウトを抑制できる点から、好ましい。
上記高分子タイプのオリゴマー状又はポリマー状化合物は、繰り返し単位数としては、2~100が好ましく、より好ましくは5~80である。
2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)-6-クロロ-s-トリアジン;過酸化処理した4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンと、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジンと、シクロヘキサンと、N,N’-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)との反応生成物(N,N’,N’’’-トリス{2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)n-ブチルアミノ]-s-トリアジン-6-イル}-3,3’-エチレンジイミノジプロピルアミン);ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート;1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オン;ビス(1-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート。
(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、(C)リン系難燃剤及びブロム系難燃剤からなる群より選ばれる1つ以上の難燃剤を含んでいてもよい。リン系難燃剤及び/又はブロム系難燃剤を使用すると、(B)NOR型ヒンダードアミン系化合物との相乗効果により、更に高い難燃性を得ることができる。
なお、樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、スチレン系樹脂組成物をクロロホルムに溶解させ、GS-MS分析することで測定することができる。
リン系難燃剤は、特に制限されず、従来公知の方法によって得られるもの、又は市販品を用いることができる。好ましくは、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、又はホスホン酸エステル化合物であり、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも(A)スチレン系樹脂との相溶性の良いリン酸エステル化合物、又はホスホン酸エステル化合物が最も好ましい。
なお、リン含有量は、吸光光度法にて測定することができる。
リン酸エステル化合物としては、例えば、トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)等のモノマー型リン酸エステル系化合物、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス-ジフェニルホスフェート(BADP)、ビスフェノールAビス-ジクレジルホスフェート、ビフェノールビス-ジフェニルホスフェート、ビフェノールビス-ジキシレニルホスフェート等の、オキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物とフェノール(又はアルキルフェノール)との反応生成物である芳香族縮合リン酸エステル系化合物等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、クレジル、キシリル、2,6-キシリル、2,4,6-トリメチルフェニル、ブチルフェニル、ノニルフェニル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
ホスファゼン化合物としては、例えば、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(メトキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(エトキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(n-プロポキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(イソ-プロポキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(n-ブトキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(イソ-ブトキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(m-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(o-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(4-エチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(4-n-プロピルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(4-イソ-プロピルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(4-t-ブチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(4-t-オクチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(2,3-ジメチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(2,4-ジメチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(2,5-ジメチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,1,3,3,5,5-ヘキサ(2,6-ジメチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(エトキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(イソ-プロポキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-ブトキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(イソ-ブトキシ)-1,3,5-トリス(フェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(m-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(o-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(エトキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(エトキシ)-1,3,5-トリス(m-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(エトキシ)-1,3,5-トリス(o-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(m-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(o-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(イソ-プロポキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-ブトキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(イソ-ブトキシ)-1,3,5-トリス(p-トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(4-t-ブチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(メトキシ)-1,3,5-トリス(4-t-オクチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(4-t-ブチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン、1,3,5-トリス(n-プロポキシ)-1,3,5-トリス(4-t-オクチルフェノキシ)シクロトリホスファゼン等が挙げられる。
ホスホン酸エステルとしては、例えば、下記式(2)で表されるものが挙げられる。
炭化水素基としては、鎖状(直鎖及び分岐鎖のいずれでもよい)及び環状(単環、縮合多環、架橋環及びスピロ環のいずれでもよい)のいずれであってもよく、例えば、側鎖を有する環状炭化水素基が挙げられる。また、炭化水素基は、飽和及び不飽和のいずれでもよい。
本実施形態において、ブロム系難燃剤は、通常この分野で使用されるブロム系難燃剤(臭素系難燃剤)を限定なく使用することができ、これらの中でも汎用されるものとして、ブロム化ビスフェノールA類又はブロム化ビスフェノールS類、ブロム化ビスフェノールA系カーボネートオリゴマー、ブロム化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ブロム化スチレン系、ブロム化シクロアルカン系、ブロム化イソシアヌレート類等の各難燃剤を挙げることができる。これらのブロム系難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、透明性と分散性の観点より、融点300℃以下のものが好ましい。
市販されているブロム化ビスフェノールA類又はブロム化ビスフェノールS類としては、ブロモケム・ファーイースト(株)の「FR-1524」、グレート・レークス・ケミカル(株)の「Great Lakes BA-50」、「Great Lakes BA-50P」、「Great Lakes BA-59」、「Great Lakes BA-59P」及び「Great Lakes PE-68」、アルベマール(株)の「Saytex RB-100」、帝人化成(株)の「ファイヤガード2000」、「ファイヤガード3000」、「ファイヤガード3100」及び「ファイヤガード3600」、丸菱油化工業(株)の「ノンネンPR-2」、東ソー(株)の「フレームカット121R」、(株)鈴裕化学の「ファイアカットP-680」等を挙げることができる。
また、上記式(5)の市販されている難燃剤としては、グレート・レークス・ケミカル(株)の「Great Lakes BC-52」及び「Great Lakes BC-58」等を挙げることができる。
前記のような汎用されるブロム系難燃剤以外に、文献にも示され、ブロム系難燃剤メーカーのカタログ等にも示されているものも勿論使用することができる。それらのブロム系難燃剤としては、ブロム化フェノール類、ブロム化フェノキシトリアジン系、ブロム化アルカン系、ブロム化マレイミド系及びブロム化フタル酸類等を挙げることができる。
また、難燃性を更に高める目的で、三酸化アンチモン等の難燃助剤を併用することはよく行なわれることであるが、この難燃助剤の添加によって、本発明の効果に何ら影響を与えるものではない。
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物は、上記(A)~(C)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて従来公知の添加剤、加工助剤等の任意添加成分を添加することができる。これら添加剤、加工助剤等としては、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等が挙げられる。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第3ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第3ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス(4-第3オクチル-6-(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第3ブチル-5’-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ第3ブチルフェニル-3,5-ジ第3ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2,4-ジ第3アミルフェニル-3,5-ジ第3ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ第3ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β、β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第3ブチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-5-メチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第3ブチルフェニル)-s-トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族アミド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド等が挙げられる。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族エステル系滑剤としては、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリル酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、炭素数28~30の直鎖状で分岐がない飽和モノカルボン酸(以下モンタン酸と略記する)とエチレングリコールのエステル、モンタン酸とグリセリンのエステル、モンタン酸とブチレングリコールのエステル、モンタン酸とトリメチロールエタンのエステル、モンタン酸とトリメチロールプロパンのエステル、モンタン酸とペンタエリスリトールのエステル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスクイオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられる。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメソスルフェート、(3-ラウリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ステアロアミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウム硝酸塩、ステアロアミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムリン酸塩、カチオン性ポリマー、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硝酸エステル塩、リン酸アルキルエステル塩、アルキルホスフェートアミン塩、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ジグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル、アルキルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリエーテルブロックコポリマー、セチルベタイン、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル等が挙げられる。
これらは2種以上を混合して使用してもよい。
添加剤及び加工助剤等の任意添加成分の合計含有量は、スチレン系樹脂組成物中、0.05~5質量%としてよい。
「実質的に(A)成分、(B)成分、任意の(C)成分、及び任意添加成分のみからなる」とは、スチレン系樹脂組成物の95~100質量%(好ましくは98~100質量%)が(A)成分、(B)成分、任意の(C)成分であるか、又は(A)成分、(B)成分、任意の(C)成分、及び任意添加成分であることを意味する。
尚、本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で(A)成分、(B)成分、任意の(C)成分及び任意添加成分の他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本実施形態のスチレン系樹脂組成物は、各成分を任意の方法で溶融混練することによって製造することができる。例えば、ヘンシェルミキサーに代表される高速撹拌機、バンバリーミキサーに代表されるバッチ式混練機、単軸又は二軸の連続混練機、ロールミキサー等を単独で、又は組み合わせて用いる方法が挙げられる。混練の際の加熱温度は、通常、180~260℃の範囲で選択される。
〈MFR〉
本実施形態において、スチレン系樹脂組成物の流動性は、ISO1133に従って測定したメルトフローレイトが1.0~10.0g/10minの範囲にあることが好ましい。
その流動性が上記範囲を下回ると、樹脂組成物の発泡成形性が低下する虞があり好ましくない。一方、その流動性が上記範囲を上回ると、発泡形状が不均一になるほか、難燃性や発泡特性、圧縮強度が低下する虞がある。
本実施形態の難燃性発泡体は、上記のスチレン系樹脂組成物を加熱溶融し、これに発泡剤、必要に応じて放射低減剤を添加し、これを押出発泡させることにより、スチレン系樹脂押出発泡体を製造することができる。例えば、主原料の(A)成分、(B)成分及びその他種々の添加物を押出機のホッパーに投入し、発泡剤を圧入して混練した後、冷却機でゲルを均一に冷却して、ダイから大気圧下に押出発泡することで製造することができる。
スチレン系樹脂組成物を加熱溶融する際の溶融温度は、好ましくは160~240℃、より好ましくは170~230℃、さらに好ましくは180~220℃で、押出機によって固形原料を溶融混練する。また、発泡剤を圧入する際の圧力は、好ましくは110~200kg/cm2、より好ましくは120~185kg/cm2である。押出機によって溶融された固形原料と発泡剤はミキサー(回転数:20~40rpm、より好ましくは25~35rpm)によって混練され、クーラーによってゆっくりと冷却される。また、ゲルを冷却し発泡するときの最適温度は、好ましくは100~130℃、より好ましくは110~127℃である。
なお、気泡径を調整する方法としては、一般に発泡核剤としてポリエチレン、タルクなどの添加、または発泡剤の添加量の増減(溶解度の影響)により調整する方法があげられる。また、発泡体の密度を調整する方法としては、一般に発泡剤の添加量または発泡温度を調整することによって行う方法があげられる。
本実施形態で用いることができる発泡剤としては、炭素数3~5の飽和炭化水素を1種または2種以上、また、必要に応じて他の発泡剤を使用することができる。炭素数3~5の飽和炭化水素としては、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。炭素数3~5の飽和炭化水素では、発泡性と発泡体の断熱性能の点からn-ブタン、i-ブタンが好ましく、特にi-ブタンが好ましい。また、炭素数3~5の飽和炭化水素1種または2種以上の含有量が、発泡体100質量部に対して、2~10質量部であることが好ましく、さらに好ましくは、飽和炭化水素化合物の種類によっても異なるが、プロパンでは3~9質量部、特に好ましくは4~8質量部、n-ブタン、i-ブタンでは2.5~9質量部、特に好ましくは3~8質量部、n-ペンタン、i-ペンタン、ネオペンタンでは3~9質量部が断熱性能と難燃性の点から好ましい。
発泡体を製造する際に難燃スチレン系樹脂に添加する発泡剤の量としては、スチレン系樹脂組成物100質量部に対して6~10質量部、好ましくは7~9質量部、さらに好ましくは7~8質量部である。
本実施形態の難燃性発泡体の密度、気泡径(セルサイズ)、独立気泡率、難燃性、ビカット軟化点について説明する。
〈難燃性発泡体の密度〉
本実施形態の難燃性発泡体の密度は、スキン層を除いて計算され、発泡体の質量(kg)を発泡体の体積(m3)で割ることで算出できる。難燃性発泡体の密度は、20~45kg/m3であり、好ましくは25~40kg/m3であり、より好ましくは30~39kg/m3である。
本実施形態の難燃性発泡体は、ASTM・D3576-77に準拠する方法で測定され、0.1~0.6mmであることが好ましく、より好ましくは0.15~0.5mmであり、さらに好ましくは0.18~0.4mmである。なお、デュアルセル構造の発泡体においては、一次気泡と二次気泡について気泡径が規定される。この場合、一次気泡径は0.2~0.5mmであることが好ましく、より好ましくは0.25~0.4mmであり、さらに好ましくは0.25~0.3mmである。また、二次気泡径は0.03~0.1mmであることが好ましく、より好ましくは0.05~0.08mmである。
本実施形態の難燃性発泡体の独立気泡率は、ASTM・D2856-Aに準拠する方法で測定され、優れた断熱性や機械的強度等の物性を得る観点から70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
本実施形態の難燃性発泡体の圧縮強度は、ASTM・D2856-Aに準拠する方法で測定され、製品用途にも異なるが、建材に使用するXPS用途では20N/cm2以上であり、好ましくは25N/cm2以上である。圧縮強度が低いと、施工時の破壊が多くなり、床下に施工する場合には使用時の破壊も多くなる。
本実施形態の難燃性発泡体の難燃性は、JIS A9521において、合格することが好ましい。また、UL94水平燃焼(UL94HF試験)において、HF規格内である40mm/分以下の燃焼速度であることが望ましい。
なお本開示で、難燃性は、後述の[実施例]の項に記載の方法で評価することができる。
本実施形態の難燃性発泡体の耐熱性は、ビカット軟化温度において86℃以上であることが好ましく、より好ましくは88℃以上である。86℃未満であると、使用中、温度が上昇し製品が変形してしまう恐れがある。
なお本開示で、ビカット軟化温度は、ISO 306に準拠して、荷重49N、昇温速度50℃/時間の条件により測定される値である。
本実施形態の難燃性発泡体の発泡倍率は、好ましくは15~60倍、さらに好ましくは20~50倍である。15倍より低いと発泡体としての特徴である衝撃吸収や断熱効果が不十分になるとともに高い難燃性を得にくくなる。また、60倍より高いと発泡体の圧縮強度が低下し施工時や使用時に破損する虞がある。
本実施形態の難燃性発泡体は、特に制限されないが、発泡押出シート(XPS,PSP)や発泡性スチレンポリマー(EPS)として用いることが好ましく、特に発泡押出シート(XPS)がより好ましい。
本実施形態の難燃性発泡体は、建材や自動車・航空機などの断熱材、吸音材、制振材や電子・電機祈祷の各種部品等に好適に用いられる。
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物の物性の測定及び評価は、次の方法に基づいて行った。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
ISO1133に従って200℃、49N荷重でメルトマスフローレイト(グラム/10分)を測定した。
後述の方法で作製した試験片(b)について、ISO 306に準拠して、樹脂組成物のビカット軟化温度(℃)を測定した。荷重は49N、昇温速度は50℃/時間とした。
発泡体から厚さ10mm、長さ200mm、幅25mmの試験片を5個作製し、それぞれJIS A9521に準じた方法で以下の評価基準に従って難燃性を判定した。
○:5本とも3秒以内に炎が消える
×:5本のうち1本以上が3秒以内に消えない
さらに同じ試験片を使用し、UL94水平燃焼試験によって燃焼速度(mm/分)を測定した。
発泡体の質量/発泡体の体積から発泡体密度(kg/m3)を計算した。
ASTM・D3576-77に準じて発泡体押出断面の平均気泡径(mm)を測定した。
ASTM・D2856-Aに準じて独立気泡率(%)を測定した。
JIS K7220に準じた方法で圧縮強度を測定した。
〈(A)成分〉
・スチレン系樹脂(GPPS-A):
MFR0.8g/10minのポリスチレン(GPPS)を用いた。
・スチレン系樹脂(GPPS-B):
MFR4.8g/10minのポリスチレン(GPPS)を用いた。
・スチレン系樹脂(HIPS):
MFR3.0g/10minの高衝撃ポリスチレン(HIPS)であるゴム変性スチレン系樹脂を用いた。該HIPSは、ゴム状重合体としてポリブタジエンを使用しており、ゴム状重合体(a)の含有量は8.6質量%であった。
・スチレン系樹脂(PS共重合):
スチレン(ST)71.3質量部、メタクリル酸(MAA)7.3質量部、メタクリル酸メチル(MMA)6.4質量部、エチルベンゼン15.0質量部、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.025質量部から成る重合原料組成液を、1.1リットル/時の速度で、容量が4リットルの完全混合型反応器に、次いで、2リットルの層流型反応器から成る重合装置に、次いで、未反応モノマー、重合溶媒等の揮発分を除去する単軸押出機を連結した脱揮装置に、連続的に順次供給し、樹脂を調製した。
重合工程における重合反応条件は、完全混合反応器は重合温度122℃、層流型反応器は重合温度120~142℃とした。脱揮された未反応ガスは、-5℃の冷媒を通した凝縮器で凝縮し、未反応液として回収した。
最終重合液中のポリマー分は、重合液を215℃、2.5kPaの減圧下で30分間乾燥後、式[(乾燥後の試料質量/乾燥前の試料質量)×100%]により測定したところ、65.6質量%であり、MFRは0.9g/10minであった。得られたPS共重合体の組成比は、ST単量体単位82.3質量%、MAA単量体単位9.8質量%、MMA単量体単位7.9質量%であった。
プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)測定機で測定したスペクトルの積分比から、樹脂組成を定量した。
・試料調製:樹脂ペレット30mgをd6-DMSO 0.75mLに60℃で4~6時間加熱溶解した。
・測定機器:日本電子(株)製 JNM ECA-500
・測定条件:測定温度 25℃、観測核 1H、積算回数 64回、繰り返し時間 11秒。
ジメチルスルホキシド重溶媒中で測定されたスペクトルの帰属について、0.5~1.5ppmのピークは、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、及び六員環酸無水物のα-メチル基の水素、1.6~2.1ppmのピークはポリマー主鎖のメチレン基の水素、3.5ppmのピークはメタクリル酸メチルのカルボン酸エステル(-COOCH3)の水素、12.4ppmのピークはメタクリル酸のカルボン酸の水素である。また、6.5~7.5ppmのピークはスチレンの芳香族環の水素である。なお、本実施例及び比較例の樹脂では六員環酸無水物の含有量が少ないため、本測定方法では通常定量化は難しい。
・NOR型ヒンダードアミン系化合物A(NOR型-A)[BASF社製、FlamestabNOR116FF、高分子タイプ]
・NOR型ヒンダードアミン系化合物B(NOR型-B)[株式会社ADEKA製、LA-81]
・N-メチル型ヒンダードアミン系化合物[株式会社ADEKA製、LA-52]
・N-H型ヒンダードアミン系化合物[株式会社ADEKA製、LA-57]
・ホスホン酸エステル化合物[丸菱油化工業株式会社製 ノンネン73、融点100℃、リン含有量10質量%]
・リン酸エステルA(化合物No.2):レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート[大八化学工業株式会社製、PX-200、融点92℃、リン含有量9.0質量%、縮合タイプ]
・リン酸エステルB:トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート[大八化学工業株式会社製CR-900、融点180℃、リン含有量2.9質量%、モノマータイプ]
・ブロム系難燃剤:臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体[ケムチュラ社製EMERALD INNOVATION 3000臭素含有量:60質量%]
(フェノール系酸化防止剤)
・3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル[BASF社製、Irganox1076]
(リン系酸化防止剤)
・トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト[BASF社製株式会社、Irgafos168]
表1に示す組成比で各成分と(A)~(B)成分100質量部に対して、Irganox1076とIrgafos168を0.2質量部ずつ添加後、予備混合した。得られた予備混合物を一括混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM-26SS)を用い、180℃~220℃の範囲で溶融押出を行い、混練物としてスチレン系樹脂組成物のペレットを得た。この際、スクリュー回転数は150rpm、吐出量は10kg/hrであった。
このようにして得られたペレットを、寸法127mm×12.7mm×0.8mm厚さのピンゲート平板金型を備え付けた日本製鋼所社製の射出成形機を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃、射出圧力(ゲージ圧40-60MPa)、射出速度(パネル設定値)50%、射出時間/冷却時間=5sec/20secで成形して試験片(b)を作製し、ビカット軟化点の測定を実施した。結果を表1に示す。
上記のスチレン系樹脂組成物を単軸押出機、ミキサー、ロータリークーラー、及びダイからなる押出発泡機を用いて、スチレン系樹脂組成物100質量部に対して、発泡核剤としてタルク1質量部を添加し、厚さ30mmの板状の発泡体を製造した。樹脂溶融ゾーンの温度は180~220℃、ロータリークーラー温度は150~160℃、ダイ温度を120~130℃に調整した。発泡剤としてはLPG(ノルマルブタン/イソブタン=70/30<体積分率>)を5質量部添加した。得られた発泡体の難燃性、発泡体密度、平均気泡径、独立気泡率、圧縮強度、の評価を行った。結果を以下の表1に示す。
比較例1~6は、表2に示すように組成を変更したこと以外は実施例と同様にして、非発泡押出シートを得た。各物性の測定及び評価の結果を表2に示す。
比較例3、4について、表2に示すように、ヒンダードアミン系化合物がNOR型ではないと難燃性は得られないことがわかる。
比較例5について、表2に示すように、リン系難燃剤が所定量より多いと諸特性の低下が大きくなる。
比較例6について、表2に示すように、リン系難燃剤のみでは高い難燃性は得られない。
Claims (4)
- (A)スチレン系樹脂97.0~99.8質量%、(B)NOR(アルコキシイミノ基)型ヒンダードアミン系化合物0.2~3.0質量%を含有し、且つ(C)リン系難燃剤からなる群から選ばれる1つ以上の難燃剤を、前記(A)成分と前記(B)成分との合計量100質量部に対して1.0~5.0質量部含有するスチレン系樹脂組成物より得られ、
前記(C)リン系難燃剤は、ホスホン酸エステル化合物であることを特徴とする、難燃性発泡体。 - 前記スチレン系樹脂組成物のMFRが1.0~10.0g/10minである、請求項1に記載の難燃性発泡体。
- 添加剤として、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤又は充填剤をさらに含有し、かつ(A)スチレン系樹脂、(B)NOR(アルコキシイミノ基)型ヒンダードアミン系化合物、(C)リン系難燃剤及び前記添加剤の合計含有量が、スチレン系樹脂組成物の95~100質量%である、請求項1又は2に記載の難燃性発泡体。
- 前記難燃性発泡体が押出発泡である、請求項1~3のいずれか1項に記載の難燃性発泡体。
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