この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図13を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。図1は冷蔵庫の正面図である。図2は冷蔵庫の要部断面図である。図3は冷蔵庫の冷蔵室の内部から見た要部の斜視図である。図4は冷蔵庫のカメラユニットの斜視図である。図5は冷蔵庫のカメラユニットの取付部分を示す斜視図である。図6は冷蔵庫のカメラユニットの断面図である。図7は冷蔵庫のカメラユニットの内部を透視して示す斜視図である。図8は移動駆動部の要部を透視して示す拡大斜視図である。図9は冷蔵庫のカメラユニットの断面図である。図10は冷蔵庫の冷蔵室の断面図である。図11は冷蔵庫の貯蔵室内の画像の一例を比較例とともに示す図である。図12は冷蔵庫を備えた冷蔵庫システムの構成を示す図である。そして、図13は冷蔵庫の貯蔵室内の画像の一例を比較例とともに示す図である。
なお、各図では各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以降の説明における各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
この実施の形態に係る冷蔵庫は、図1に示す冷蔵庫本体200を備えている。この実施の形態においては、冷蔵庫本体200には、冷蔵室100、製氷室210、切替室220、冷凍室230及び野菜室240が形成されている。これらの冷蔵室100、製氷室210、切替室220、冷凍室230及び野菜室240は、食品を収納する貯蔵室である。
これらの貯蔵室は、図1に示すように、上から冷蔵室100、製氷室210及び切替室220、冷凍室230、野菜室240の順で配置されている。製氷室210と切替室220とは、同じ上下位置において左右に並んで配置されている。製氷室210、切替室220、冷凍室230及び野菜室240は、それぞれの前面に設けられた扉と共に、冷蔵庫本体200の手前側に引き出すことができるように構成されている。
冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の冷蔵室扉101が設けられている。ここでは、冷蔵室扉101は両開き式(観音開き式)であり、右扉101a及び左扉101bにより構成されている。冷蔵室扉101は、貯蔵室である冷蔵室100の一側を開閉する扉である。冷蔵庫本体200の前面の冷蔵室扉101(例えば、右扉101a)の外側表面には、操作パネル1が設けられている。
操作パネル1は、パネル表示部1aを備えている。パネル表示部1aは、情報を表示可能な本体表示部である。パネル表示部1aには、例えば、各貯蔵室の設定温度及び現在の温度等の庫内情報を表示可能である。パネル表示部1aは、例えば液晶ディスプレイ等を備えている。操作パネル1は、例えばタッチパネル、ボタン、スイッチ等の操作部を備えている。ユーザは、操作パネル1の操作部を操作することにより、必要な情報を入力することができるようになっている。なお、操作パネル1の設置位置は、冷蔵室100の扉に限るものではなく、他の貯蔵室の扉、冷蔵庫本体200の側面等であってもよい。
図2に示すように、冷蔵室100は、前面側を冷蔵室扉101によって塞がれている。なお、図2に示す断面図は、図1中の断面A-A’によるものである。冷蔵室100の内部には、1以上の冷蔵室棚板102が設けられている。ここで説明する構成例では、冷蔵室棚板102が複数設けられている。冷蔵室100の内部は、これらの冷蔵室棚板102によって、上下方向に複数の空間(棚)に仕切られている。冷蔵室棚板102の上には、食品が載置される。
それぞれの冷蔵室棚板102は、棚板支持部103によって、冷蔵室100内の予め定められた位置で支持されている。棚板支持部103は、冷蔵室100の側壁内面から冷蔵室100の内側に突出して形成されている。なお、1つの冷蔵室棚板102の上下位置を変更できるように棚板支持部103を構成してもよい。
最下段の冷蔵室棚板102の下側の空間は、チルド室110である。チルド室110の内部には、チルドケース111が設置されている。チルドケース111は、レール等の案内部材(図示せず)に沿って、前方へ引き出すことができる。また、冷蔵室扉101の内側の面には、ドアポケット104が設けられている。このドアポケット104にも食品を載置、収納することができる。
図2及び図3に示すように、冷蔵室扉101の内側の面には、カメラユニット20が設置されている。ここで説明する構成例では、カメラユニット20は、左扉101bの内側の面に設けられている。図4に示すように、カメラユニット20は、カメラ21、カメラユニット筐体23及びカバー部40を備えている。カメラ21は、冷蔵室扉101の側から貯蔵室(ここでは冷蔵室100)の内部の画像を撮影し、貯蔵室画像として出力する。カメラユニット20が有するカメラ21も冷蔵室扉101の内側の面に設けられる。
カメラユニット筐体23は、後述する移動駆動部30を内部に収容している。ここで説明する構成例では、図5に示すように、カメラユニット筐体23の側面には、凸部25が設けられている。この凸部25に対応して、左扉101bのドアポケット104には、凹部105が設けられている。カメラユニット筐体23は、左扉101bの内側の面に固定されている。そして、カメラユニット筐体23の凸部25を、ドアポケット104の凹部105に係合させることで、ドアポケット104が取り付けられる。このようにして、カメラユニット筐体23を介して、ドアポケット104が冷蔵室扉101に取り付けられる。このため、ドアポケット104を冷蔵室扉101に取り付けるための部材の一部が不要となる。
図6に示すように、カメラユニット筐体23には移動駆動部30が収容されている。移動駆動部30は、カメラ21を予め設定された移動経路に沿って移動させるカメラ移動手段である。移動駆動部30は、カメラ21を可動範囲内で上下に移動させる。可動範囲は、予め設定された範囲である。ここでは、可動範囲の上端は、冷蔵室100内の上端部である。また、可動範囲の下端は、最も下にあるドアポケット104の直上の位置である。
次に、図7及び図8を参照しながら、移動駆動部30の構成を説明する。移動駆動部30は、図7及び図8に示すように、カメラ支持部31、ガイド部32、ガイドローラ34、ステッピングモータ35、ウォームギヤ36、ピニオン37及びラック38を備えている。カメラ21は、カメラ支持部31に固定されている。ガイド部32は、カメラユニット筐体23に固定されている。カメラ支持部31は、ガイド部32に対して移動可能である。ガイド部32は、少なくとも前述した可動範囲にわたって上下方向に沿って配置されている。ガイド部32は、前述した可動範囲にわたるカメラ21及びカメラ支持部31の移動を案内する。
図8に示すように、カメラ支持部31には、ガイドローラ34、ステッピングモータ35、ウォームギヤ36及びピニオン37が取り付けられている。ガイド部32には、ラック38が取り付けられている。ラック38は、前述した可動範囲にわたって上下方向に沿って配置されている。また、ガイド部32には、溝部33が形成されている。溝部33は、前述した可動範囲にわたって配置されている。溝部33の内部には、ガイドローラ34が配置される。
ステッピングモータ35は、カメラ21の移動を駆動する。ステッピングモータ35の駆動軸には、ウォームギヤ36が固定されている。ピニオン37は、大ギヤと小ギヤとが一体に構成されている。ピニオン37の大ギヤと小ギヤとは回転軸が同一となるように固定されている。ピニオン37の大ギヤは、ウォームギヤ36と噛み合っている。ピニオン37の小ギヤは、ラック38と噛み合っている。
ステッピングモータ35によりウォームギヤ36を回転させると、ピニオン37が回転する。ラック38と噛み合った状態のピニオン37が回転することで、ピニオン37の回転軸がラック38に沿って直線状に移動する。ピニオン37の回転軸は、カメラ支持部31に回転可能に支持されている。したがって、このようなラック・アンド・ピニオン機構により、移動駆動部30は、ステッピングモータ35の回転運動をガイド部32に対するカメラ支持部31の直線運転に変換し、冷蔵室扉101に対してカメラ21を前述した移動経路に沿って上下に移動させる。
なお、カメラ21の移動量はステッピングモータ35の回転量に比例する。そして、ステッピングモータ35の回転量は、ステップ数を用いて制御することができる。したがって、移動駆動部30は、ステッピングモータ35のステップ数を用いてカメラ21の移動量を制御することができる。
図7に示すように、ガイド部32は、前述した可動範囲の下端部分において、上下方向から冷蔵室扉101側の方向へと滑らかに曲がっている。これに伴い、ガイド部32に形成された溝部33も、前述した可動範囲の下端部分において、上下方向から冷蔵室扉101側の方向へと滑らかに曲がっている。この他の部分では、ガイド部32及び溝部33は上下方向に沿っている。
ラック38上をピニオン37が回転した際、ガイドローラ34が溝部33内に規制された状態で溝部33内を移動することで、カメラ支持部31の向き、すなわち、カメラ21の向きが決められる。カメラ21の位置がガイド部32及び溝部33が上下方向に沿っている部分にある時、カメラ21は水平に冷蔵室100側を向いている。そして、カメラ21の位置が前述した可動範囲の下端部分にある時、カメラ21は水平よりも斜め下を向く。このようにすることで、カメラユニット20の下にあるドアポケット104の内部を上方から撮影できる。
図4に示すように、カバー部40は、カメラ21の前述した移動経路の冷蔵室100側を覆っている。図6に示すように、カメラ21及びカメラ支持部31の一部は、カメラユニット筐体23の外部、より詳しくは、カメラユニット筐体23の冷蔵室100側に配置されている。そして、カバー部40は、カメラユニット筐体23の外部にあるカメラ21及びカメラ支持部31の一部を、少なくともカメラ21の前述した可動範囲にわたって覆っている。カバー部40の断面形状は、例えば中空な半円状を呈する。
図6に示すようにカメラ21は、レンズ22を備える。レンズ22は、広角な例えば魚眼レンズである。図4に示すように、カバー部40は、透明部41を備えている。透明部41は、前述の移動経路を移動するカメラ21のレンズ22に対向する部分に設けられている。透明部41は、可視光を透過させる素材からなる。一方、カバー部40の透明部41以外の部分は、可視光を遮る素材からなる。このようなカバー部40を備えることで、カメラ21による撮影に支障をきたすことなく、カメラ21のレンズ22等を保護できる。
冷蔵庫本体200のカメラユニット20は、遮光部42を備えている。遮光部42は、カメラ21のレンズ22に入射する光の一部を遮るものである。すなわち、遮光部42は、予め設定された第1の範囲の光を通過させる。そして、遮光部42は、予め設定された第2の範囲の光を遮る。遮光部42が光を通過させる前述した第1の範囲は、カメラ21の画角よりも狭い範囲である。また、遮光部42が光を遮る前述した第2の範囲は、カメラ21の画角の内側で、かつ、前述した第1の範囲の外側の範囲である。
次に、図9を参照しながら、カメラ21の画角と遮光部42の遮光範囲について説明する。図9に示す構成例では、遮光部42はカバー部40に設けられている。したがって、遮光部42は、カメラ21のレンズ22よりも冷蔵室100側に設けられている。そして、カメラ21の画角をθc、レンズ22の焦点を中心にした前述の第1の範囲の角度をθs、レンズ22の焦点を中心にした前述の第2の範囲の角度をθtとすると、次の(1)式及び(2)式の関係が成り立つ。
θc>θs ・・・ (1)
θc=θs+θt ・・・ (2)
以上のように構成された冷蔵庫本体200によれば、広角なカメラ21を使用して撮影可能な範囲を広げつつも、貯蔵室内の収納状態の把握に不要な範囲においては、遮光部42によりカメラ21に入射する光を遮ることで、カメラ21の撮影画像から貯蔵室内の収納状態の把握に不要な部分の情報をなくし、画像のデータサイズを削減できる。このため、カメラ21の撮影画像の記憶に必要な容量を低減したり、一定の記憶容量で、より多くの枚数の画像を保存したりすることができる。
なお、レンズ22の光軸は、冷蔵室100に正対するように配置されている。そして、レンズ22の光軸より右側のカメラ21の画角をθc1、レンズ22の光軸より左側のカメラ21の画角をθc2とすると、次の(3)式及び(4)式の関係が成り立つ。
θc=θc1+θc2 ・・・ (3)
θc1=θc2 ・・・ (4)
また、ここで説明する構成例では、レンズ22の光軸より右側の第1の範囲の角度をθs1、レンズ22の光軸より左側の第1の範囲の角度をθs2とすると、次の(5)式及び(6)式の関係が成り立つ。
θs=θs1+θs2 ・・・ (5)
θs1<θs2 ・・・ (6)
そして、レンズ22の光軸より右側の第2の範囲の角度をθt1、レンズ22の光軸より左側の第2の範囲の角度をθt2とすると、次の(7)式及び(8)式の関係が成り立つ。
θt=θt1+θt2 ・・・ (7)
θt1>θt2 ・・・ (8)
すなわち、前述した第1の範囲及び第2の範囲は、レンズ22の光軸に対して非対称に配置されている。このようにすることで、貯蔵室内の収納状態の把握に不要な撮影範囲がレンズ22の光軸に対して対称でない場合にも、不要な範囲をより広く遮光して、カメラ21の撮影画像のデータサイズのさらなる削減を図ることができる。
例えば、図11に示すように、ここでは、カメラユニット20が冷蔵室扉101の左扉101bに取り付けられている。右扉101aよりも左扉101bの方が左右方向の幅が狭い。このため、カメラユニット20が冷蔵室100の左右方向の中央からずれて配置されている。そして、カメラ21は冷蔵室100に正対しているため、冷蔵室棚板102の左右全幅がカメラ21の画角θc内に入るようにすると、片側に冷蔵室100の内壁等の貯蔵室内の収納状態の把握に不要な部分が多く写り込んでしまう。そこで、図10及び(6)式に示すようにθs1<θs2とすることで、冷蔵室棚板102の左右全幅が前述した第1の範囲の角度θs内に入るようにでき、貯蔵室内の収納状態の把握に必要な範囲を過不足なく撮影することが可能となる。
なお、前述した第1の範囲及び第2の範囲を、レンズ22の光軸に対して対称に配置してもよい。このようにしても、貯蔵室内の収納状態の把握に不要な範囲の少なくとも一部を遮光して、カメラ21が撮影する画像のデータサイズを削減できる。したがって、遮光部42を設けない場合と比較して、カメラ21が撮影する画像のデータサイズの削減について一定の効果が期待できる。
特に例えば、カメラユニット20が冷蔵室100の左右方向の中央に配置されている場合等には、前述した第1の範囲及び第2の範囲を、レンズ22の光軸に対して対称に配置してもよい。また、他に例えば、異なるサイズの冷蔵庫に対して遮光部42を調整することで、貯蔵室内の収納状態の把握に必要な範囲だけが撮影されるようにできるため、共通するカメラユニット20を異なるサイズの冷蔵庫に適用する際に有利である。
次に、図11を参照しながら、この実施の形態のカメラ21による撮影画像の具体例を比較例とともに説明する。まず、図11の(a)は、遮光部42を備えていない場合の比較例である。この比較例で撮影された画像では、冷蔵室棚板102上及びドアポケット104内の全ての食品が写っている。しかし、同時に画像の左右両側に冷蔵室100の内壁及び冷蔵室扉101の枠部材等が写り込んでいる。
次に、図11の(b)は、θs1=θs2、すなわち、前述した第1の範囲及び第2の範囲が、レンズ22の光軸に対して対称な場合の例である。遮光部42を備えることで、画像の左右両側に写り込んでいた冷蔵室100の内壁、天井及び冷蔵室扉101の枠部材等の一部が、遮光部42により隠される。画像中の遮光部42により遮光された部分は、他の部分と比較して画素値の変化が少ない。このような画素値の変化が少ない領域があることで、撮影画像のデータサイズを小さくできる。
そして、図11の(c)は、θs1<θs2、すなわち、前述した第1の範囲及び第2の範囲が、レンズ22の光軸に対して非対称な場合の例である。撮影画像中の冷蔵室棚板102の位置に合わせて遮光部42を左右非対称にすることで、画像の左右両側に写り込んでいた冷蔵室100の内壁等を遮光部42でさらに広範囲に隠すことができる。したがって、遮光部42により遮光されて画素値の変化が少ない領域をさらに拡大して、撮影画像のデータサイズをさらに小さくできる。
このように、この実施の形態の冷蔵庫本体200によれば、広角なカメラ21を使用して撮影可能な範囲を広げつつも、貯蔵室内の収納状態の把握に不要な範囲には遮光部42が写り込み、撮影画像中に画素値の変化に乏しい領域の面積が増加する。したがって、広角なカメラ21で貯蔵室内の収納状態の把握に必要な箇所を広く撮影しつつ、画像のデータサイズの削減を図ることができる。
カメラ21は、例えば、冷蔵室扉101が開閉された時に冷蔵室100内を撮影する。冷蔵室扉101が開閉されると、冷蔵室100内の食品が出し入れされ、冷蔵室100内の収納状態が変化する可能性があるためである。冷蔵庫本体200は、扉の開閉を検知可能なセンサを備えている。このセンサは、例えば、一般的なマグネット方式のセンサである。すなわち、このセンサは、例えば、冷蔵室扉101に埋め込まれた磁石の近接を、冷蔵庫本体200側に設置された一対のリードスイッチによって検出する。カメラ21は、例えば、開かれていた冷蔵室扉101が閉じられたことを検知した後、冷蔵室100内が照明されている間に撮影を行う。
冷蔵室100内の撮影を行う際、移動駆動部30は、前述の可動範囲の一端から他端まで前述した移動経路に沿ってカメラ21を移動させる。そして、カメラ21は、前述した移動経路を移動しながら冷蔵室100内の画像を撮影する。
再び図2を参照しながら説明を続ける。冷蔵庫本体200は、制御基板201を備えている。制御基板201は、例えば、冷蔵庫本体200の背面側の上部に収容されている。制御基板201には、冷蔵庫本体200の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御基板201は、例えばマイクロコンピュータを備えており、すなわち、プロセッサ及びメモリを備えている。制御基板201は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより、予め設定された処理を実行し、冷蔵庫本体200を制御する。
この実施の形態に係る冷蔵庫システムは、以上のように構成された冷蔵庫本体200をまず備えている。そして、この冷蔵庫システムは、さらに画像サーバ3を備えている。画像サーバ3は、貯蔵室画像の保存、管理及び外部への送信を行うためのものである。画像サーバ3は、冷蔵庫本体200が設置された宅内(以下、単に「宅内」という)であって、かつ、冷蔵庫本体200の貯蔵室の外側に設置される。図1及び図2に示すのは、画像サーバ3を冷蔵庫本体200の天井部の外面部に配置した例である。なお、画像サーバ3の設置位置は、冷蔵庫本体200の天井部に限られない。画像サーバ3を、冷蔵庫本体200の貯蔵室の外であれば、冷蔵庫本体200の側面、背面又は貯蔵室の扉に設置してもよい。また、制御基板201に画像サーバ3を実装してもよい。
画像サーバ3は、前述した制御基板201と同様に例えばマイクロコンピュータを備えており、すなわち、プロセッサ及びメモリを備えている。そして、画像サーバ3は、図2に示すように、貯蔵室画像記憶部4、貯蔵室画像管理部5及び無線通信部6を備えている。これらの各部の機能は、例えば、画像サーバ3のマイクロコンピュータにおいて、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、予め設定された処理を行うことで実現される。なお、画像サーバ3は、例えば、制御基板201と接続され、制御基板201から電力の供給を受けて動作する。
貯蔵室画像記憶部4は、カメラ21から出力された貯蔵室画像を記憶する。前述したように、冷蔵室扉101の開閉が検知されると、移動駆動部30はカメラ21を移動させ、カメラ21は移動しながら冷蔵室100内のそれぞれの冷蔵室棚板102及び最下部のドアポケット104の収納状況を撮影する。
図4、図6及び図7に示すように、カメラユニット20は、配線部24を備えている。配線部24は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント回路基板)である。そして、カメラユニット20と画像サーバ3とは、配線部24を介して電気的に接続されている。カメラ21は、撮影した画像を、配線部24を介して貯蔵室画像記憶部4に出力する。カメラ21から出力された画像は、貯蔵室画像記憶部4に入力される。
したがって、貯蔵室画像記憶部4には、冷蔵室扉101が開閉される毎(すなわち、冷蔵室100内の収納状態が変化する可能性がある毎)に、カメラ21から出力された画像が入力されることになる。こうして、貯蔵室画像記憶部4には常に最新の状態の冷蔵室100内の画像が入力される。
貯蔵室画像記憶部4は、入力された最新の貯蔵室画像を一時的に記憶する。この際、貯蔵室画像記憶部4は、貯蔵室画像が貯蔵室画像記憶部4に入力された時刻を、撮影時刻情報として当該貯蔵室画像とともに一時的に記憶する。なお、撮影時刻情報には、撮影された日にち(月日又は年月日)の情報も含まれている。
貯蔵室画像管理部5は、貯蔵室画像記憶部4に記憶されているこれらの貯蔵室画像及び撮影時刻情報を、貯蔵室画像記憶部4から取得する。そして、貯蔵室画像管理部5は、必要に応じて、カメラ21が撮影した画像の明るさ及び歪みの一方又は両方を補正する。すなわち、この意味で、貯蔵室画像管理部5は、カメラ21が撮影した画像の明るさ及び歪みの一方又は両方を補正する画像処理部である。
貯蔵室画像管理部5は、必要に応じて補正した各冷蔵室棚板102の収納状況の最新画像から、冷蔵室100内の全体の最新画像を合成する。そして、貯蔵室画像管理部5は、合成後の貯蔵室画像を撮影時刻情報に基づいて撮影時刻順に並び替えて記憶する。このようにして、カメラ21により撮影された貯蔵室画像は、貯蔵室画像記憶部4に一時的に記憶された後、貯蔵室画像管理部5へと移動されて、管理される。
さらに、貯蔵室画像管理部5は、カメラ21により撮影された食品の画像を、入庫及び出庫を判別した上で時系列で保存して管理する。例えば、貯蔵室画像管理部5は、まず、カメラ21により撮影された画像から、個々の食品の画像を抽出する。次に、貯蔵室画像管理部5は、連続する2つの時点においてカメラ21により撮影された画像から抽出された個々の食品の画像を比較することにより、個々の食品について冷蔵室100に入庫されたのか出庫されたのかを判別する。この際、入庫及び出庫の判別に用いた2つの画像の撮影日時から、おおよその入庫日時及び出庫日時を特定することができる。こうして、貯蔵室画像管理部5は、カメラ21により撮影された画像に基づいて、個々の食品の画像について、入庫日時及び出庫日時を特定し、それぞれの食品の画像を時系列で保存して管理する。
無線通信部6は、外部と通信可能な通信装置である。無線通信部6は、例えば周知の無線通信技術を用いて、冷蔵庫本体200の画像サーバ3とルータ装置7との間で情報の相互通信を行う。なお、画像サーバ3とルータ装置7との通信は無線方式に限られず、有線方式であってもよい。
図12に示すのは、この実施の形態に係る冷蔵庫システムの全体構成である。同図に示すように、この実施の形態に係る冷蔵庫システムは、ユーザ端末10を備えている。ユーザ端末10は、通信装置である無線通信部6と通信可能に設けられた端末装置である。ユーザ端末10は、具体的に例えば、PC、スマートフォン、タブレット端末等である。なお、ユーザ端末10は、1以上設けられ、望ましくは複数設けられる。
ユーザ端末10は、図示しない端末表示部を備えている。端末表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等を備えている。また、端末表示部をタッチパネルで構成し、情報を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付けることができるようにしてもよい。ユーザ端末10の端末表示部は、貯蔵室画像及び撮影時刻情報を含む各種の情報を表示可能である。
図12に示すように、冷蔵庫本体200、画像サーバ3及びルータ装置7は、宅内に設置されている。ルータ装置7は、例えばインターネット8を介して、クラウドサーバ9と通信可能に接続されている。クラウドサーバ9は、前述した外部サーバである。同図では外部サーバとして、インターネット8に接続された複数のサーバ(サーバ群)からなるクラウドサーバ9を用いた場合を例示している。しかしながら、外部サーバはクラウドサーバ9に限られず、1台のサーバであってもよい。インターネット8及びクラウドサーバ9は、冷蔵庫本体200が設置された宅内の外側の宅外(以下、単に「宅外」という)にある。
無線通信部6は、貯蔵室画像記憶部4及び貯蔵室画像管理部5に記憶されている画像及び情報を、ルータ装置7及びインターネット8を介して、宅外のクラウドサーバ9へと送信する。そして、クラウドサーバ9は、受信した画像及び情報を記憶する。
この際、クラウドサーバ9への通信が混雑し、貯蔵室画像を1回でアップロード(送信)できない場合を想定して、無線通信部6からクラウドサーバ9への貯蔵室画像のアップロードの最大リトライ数を設定するようにしてもよい。そして、無線通信部6は、最大リトライ数に到達した場合には、即時にアップロードするようにしてもよい。
宅外のユーザ端末10は、インターネット8を介してクラウドサーバ9へとアクセスする。ユーザが、ユーザ端末10において冷蔵庫本体200に係る画像及び情報の表示操作を行うと、ユーザ端末10は送信要求を送信する。送信要求を受信したクラウドサーバ9は、自身に記憶している画像及び情報をユーザ端末10へと送信する。ユーザ端末10は、クラウドサーバ9からインターネット8を介して画像及び情報を受信する。そして、ユーザ端末10は、受信した冷蔵庫本体200に係る画像及び情報を端末表示部に表示する。
なお、ユーザ端末10は、クラウドサーバ9等の外部サーバを介することなく、無線通信部6から送信された冷蔵庫本体200に係る画像及び情報を、ルータ装置7及びインターネット8を通じて受信してもよい。また、貯蔵室画像管理部5が冷蔵室100への入出庫があったと判定した場合、無線通信部6は、その旨をルータ装置7及びインターネット8を通じてユーザ端末10に通知してもよい。
なお、以上においては、移動駆動部30によりカメラ21を移動させながら貯蔵室内を撮影する構成例について説明した。しかし、移動駆動部30を備えずに、貯蔵室内に固定されたカメラ21で貯蔵室内を撮影してもよい。この場合、撮影する貯蔵室の大きさ、撮影の対象とする範囲等に応じて、設置するカメラ21の個数、位置等を決定する。
図13は、2個の固定されたカメラ21で冷蔵室100内を撮影した画像の一例と、移動駆動部30によりカメラ21を移動させながら冷蔵室100内を撮影した画像の一例とを対照して示すものである。図13の(a)に示す画像が、2個の固定されたカメラ21で撮影した各冷蔵室棚板102及び最下部のドアポケット104の収納状況の画像例である。この場合、カメラ21の正面から外れた冷蔵室棚板102が存在してしまう。このため、この例では特に最上段と上から3つめの画像で歪みが比較的に大きくなっている。また、これらの画像では冷蔵室棚板102の下から見上げる視点からの画像になっている。
一方、図13の(b)に示す画像が、移動駆動部30によりカメラ21を移動させながら撮影した各冷蔵室棚板102及び最下部のドアポケット104の収納状況の画像例である。この場合、それぞれの冷蔵室棚板102の正面からカメラ21で撮影するため、全ての冷蔵室棚板102及び最下部のドアポケット104について、より少ないカメラ21の数で歪みの少ない画像を得ることが可能である。
実施の形態2.
図14を参照しながら、この発明の実施の形態2について説明する。図14は冷蔵庫のカメラユニットの斜視図である。
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、前述した移動経路上でカメラが撮影を行う位置を予め決めておき、このカメラが撮影を行う位置に対応してカメラユニットのカバー部に透明部を設けたものである。以下、この実施の形態2に係る冷蔵庫について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と基本的に同様である。以降の説明においては、実施の形態1と同様の又は対応する構成について、原則として実施の形態1の説明で用いたものと同じ符号を付して記載する。
この実施の形態に係る冷蔵庫本体200においては、このカメラ21による冷蔵室100内の撮影を、移動駆動部30によるカメラ21の移動と連係して行う。そして、カメラ21は、前述の移動経路上の予め設定された撮影位置で冷蔵室100内の画像を撮影する。
例えば、移動駆動部30は、カメラ21を前述の可動範囲の上端から下端までカメラ21を下方向に移動させる。この際、カメラ21は、冷蔵室100の上端内面と、この上端内面の隣の冷蔵室棚板102との間における少なくとも1箇所で画像を撮影する。カメラ21が撮影を行う際、移動駆動部30はカメラ21の移動を停止させてもよいし、カメラ21を移動させたままでもよい。この時にカメラ21が撮影した画像は、冷蔵室100の上端内面の隣の冷蔵室棚板102すなわち最上段の冷蔵室棚板102の収納状況を示すものである。
また、カメラ21は、隣り合う冷蔵室棚板102同士の間のそれぞれの少なくとも1箇所で撮影を行う。この時にカメラ21が撮影した画像は、カメラ21の位置のすぐ下にある冷蔵室棚板102の収納状況を示すものである。
このようにして、カメラ21が前述の可動範囲の下端にまで達すると、前述したように、ドアポケット104の内部を上方から撮影できる位置及び向きにカメラ21がくる。そして、この位置でカメラ21は画像を撮影する。この時にカメラ21が撮影した画像は、最下部のドアポケット104の収納状況を示すものである。
以上のようにして、カメラ21が隣り合う冷蔵室棚板102同士の間の位置にある時にカメラ21は撮影を行う。また、カメラ21が冷蔵室100の上端内面と、この上端内面の隣の冷蔵室棚板102との間の位置にある時にも、カメラ21は撮影を行う。さらに、この実施の形態では、カメラ21は、ドアポケット104の内部を上方から撮影する。なお、移動駆動部30は、カメラ21を前述の可動範囲の下端から上端までカメラ21を上方向に移動させてもよい。
この実施の形態では、移動駆動部30は、前述の可動範囲内におけるカメラ21の位置をステッピングモータ35のステップ数を用いて制御する。すなわち、移動駆動部30は、カメラ21を停止させる位置を、ステッピングモータ35のステップ数を計数することで特定する。
ここで、冷蔵室棚板102の位置が固定されていて変更できない場合、カメラ21を停止させる位置も固定できる。したがって、例えば、移動駆動部30は、カメラ21を停止させる位置についての情報、例えばステッピングモータ35のステップ数を予め記憶しておく。そして、ステッピングモータ35のステップ数が、予め記憶していた値になったときに移動駆動部30はカメラ21を停止させることが考えられる。
なお、移動駆動部30は、冷蔵室扉101の開閉を検知するセンサが冷蔵室扉101の閉動作を検知した場合に、前述の可動範囲の一端にカメラ21を移動させてステッピングモータ35のゼロ点補正を行うようにするとよい。すなわち、センサが冷蔵室扉101の閉動作を検知した場合、移動駆動部30は、最初にカメラ21を前述の可動範囲の例えば上端に移動させる。そして、移動駆動部30は、ステッピングモータ35のステップ数の計数値を0にする。このようにすることで、ステッピングモータ35のステップ数と実際のカメラ21の位置とのずれを修正することができる。
図14に示すように、この実施の形態のカメラユニット20においては、カバー部40には、前述した撮影位置に対応して透明部41が設けられている。より詳しくは、透明部41は、それぞれの前述した撮影位置にあるカメラ21のレンズ22に対向する部分に設けられている。カメラ21の前述した移動経路上であっても、前述した撮影位置にあるカメラ21のレンズ22に対向しない部分のカバー部40は、不透明である。
以上のように構成された冷蔵庫においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。さらに、カバー部40において透明な部分を少なくできるため、カメラユニット20を目立たなくすることが可能である。
実施の形態3.
図15を参照しながら、この発明の実施の形態3について説明する。図15は冷蔵庫のカメラユニットの断面図である。
ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、カメラユニットのカバー部の透明部に、カメラの撮影時のみ光を通過させる遮光切替部を備えたものである。以下、この実施の形態3に係る冷蔵庫について、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1又は実施の形態2と基本的に同様である。
この実施の形態に係る冷蔵庫本体200においては、図15に示すように、カメラユニット20は、遮光切替部43を備えている。遮光切替部43は、カバー部40の透明部41に設けられている。遮光切替部43は、カメラ21の撮影時に光を通過させる。また、遮光切替部43は、カメラ21の非撮影時に光を遮る。遮光切替部43は、例えば、透明部41を開閉するシャッターである。また、他に例えば、遮光切替部43として、電気的な信号により光の透過率を変更可能な液晶パネルを用いることができる。
前述したように、カメラ21による撮影は冷蔵室扉101が閉じた状態で行われる。このため、遮光切替部43が透明になるのは冷蔵室扉101が閉じている時だけであり、冷蔵室扉101が開いている時は常に遮光切替部43は不透明である。したがって、ユーザがカメラユニット20を目にする時には、常に遮光切替部43は不透明であり、ユーザにカメラ21の存在を意識させることがないようにできる。また、カメラユニット20の内部が外から見えないようにできるため、冷蔵室100内の他の箇所と一体感のある外観にできる。
以上のように構成された冷蔵庫においても、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。加えて、カメラユニット20をさらに目立たなくすることが可能である。