JP7263659B2 - カルボン酸基を含む窒素含有ベンゾ複素環化合物、その調製方法及び使用 - Google Patents

カルボン酸基を含む窒素含有ベンゾ複素環化合物、その調製方法及び使用 Download PDF

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Description

本出願は、一般式(I)に示される、カルボン酸基を含有する窒素含有ベンゾ複素環化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩、及び同化合物を含む医薬組成物に関する。該化合物は、優れた薬物動態特性及び極めて顕著な肝臓標的特性を有し、CCR拮抗薬、特にCCR2及び/又はCCR5拮抗薬として使用することができる。したがって、本出願は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が挙げられるがこれらに限定されないCCR(特にCCR2及び/又はCCR5)によって媒介される疾患の予防及び/又は治療における、該化合物の使用に更に関する。
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、肝臓における、トリグリセリドの形態にある過剰な脂肪の堆積(脂肪肝)を指す。該疾患は、第一に、肝撮像又は組織学によって確認される脂肪肝があること、第二に、アルコール消費、薬物、遺伝子異常などの、二次性脂肪肝に至らせる他の要因がないころを含むと定義されている。疾患の範囲には、非アルコール性の単純な脂肪肝(NAFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)及び関連する肝硬変並びに肝臓がんが含まれる。
NASHの正確な病因は明瞭になっておらず、該病因は患者ごとにほとんど異なっている。該疾患は、インスリン抵抗性、肥満及びメタボリックシンドロームと緊密に相互関連しているものの、これらの状態にある患者の全てがNAFLD及び(又は)NASHを患うことになるわけではなく、NAFLD及び(又は)NASHを患っている患者の全てがこれらの状態を経験するわけではない。NAFLDがNASHに進展する場合、肝硬変、肝不全及び肝臓がんの発生リスクは大きく増加することになる。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病因についての研究が続くにつれて、いくつかの新しい治療標的又は薬物の探索が現在ホットスポットとなっている。NASHに対する新しい薬物の機序は、主に4カテゴリーに分類される:糖尿病/脂質、胆汁酸/胆汁酸受容体経路、アポトーシス、及び抗炎症/線維症。NASHへの主な標的には、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-α(PPARA)及びβ(PPARD)作動薬、ファルネシルエステル-X受容体(FXR)作動薬、リシルオキシダーゼ様2(LOXL2)タンパク質を阻害するモノクローナル抗体、アポトーシスシグナル調節タンパク質キナーゼ(ASK1)阻害剤、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)タンパク質アロステリック阻害剤、及びケモカイン受容体(CCR2/CCR5)拮抗薬が挙げられる。
現在、NASHのための薬物はまだ市販されておらず、全ての化合物が依然として臨床試験段階にある。Intercept Co.製のオベチコール酸は、最も売れ行きのよい薬物であり、これは、第III相臨床研究にある。日本の武田薬品工業株式会社製のCenicivirocの第II相臨床研究は完了している。Gilead、Bristol-Myers Squibb及びAstra Zeneca等の国際的な医薬会社は全て、第II相臨床研究中の化合物を有している。NASHの医学的療法は、グローバルな医薬分野において研究のホットスポットとなっている。国際公開第03014105号は、二環式化合物と、抗HIVにおけるその使用について記載しており、式中、Rは、C1~6アルコキシ-C1~6アルコキシであり、Rは、テトラヒドロピラン-アミノ、アルキル置換イミダゾリル及びアルキル置換トリアゾリルであり、Rは、ハロゲン、置換アルキル、置換アルコキシであり、Yは、酸素、スルフィニル、スルフリル、アルキル置換アミノであり、Z2aは、硫黄、スルフィニル、スルフリルである。この特許における特定の記載は本発明の部分として考えられておらず、そこでの化合物は、以下の式:
Figure 0007263659000001

を有する。
欧州特許第1593681号は、三環式化合物と、抗HIVにおけるその使用について記載しており、式中、R1aは、C1~6アルコキシ-C1~6アルコキシであり、R2aは、テトラヒドロピラン-アミノ、アルキル置換イミダゾリル及びアルキル置換トリアゾリルであり、Z2aは、硫黄、スルフィニル、スルフリルであってもよく、Wは、式(a)又は(b)の基であり、Rは、ハロゲン、置換アルキル、置換アルコキシである。この特許における特定の記載は本発明の部分として考えられておらず、そこでの化合物は以下の式:
Figure 0007263659000002

を有する。
国際公開第03076411号は、式(c)を有する光学異性体の合成の方法、及びHIVの治療のためのその医学的使用について記載している。この特許における特定の記載は本発明の部分として考えられておらず、そこでの化合物は以下の式:
Figure 0007263659000003

を有する。
国際公開第2015143367号は、HIV及び繊維症の治療のためのCenicrivirocの使用を記載しており、国際公開第2016105527号は、Cenicrivirocの合成の方法を記載している。これらの特許における特定の説明は本発明の部分として考えられていない。
研究を深めることにより、発明者らは、カルボン酸基を窒素含有ベンゾ複素環化合物中に導入することによって得られる化合物が、CCR2/CCR5に対して極めて強力な阻害作用を有するが、CYP及びhERGに対しては明らかなる阻害作を有さず、良好な安全性並びに極めて顕著な肝臓標的特性及び優れた薬物動態特性を有することを、驚くべきことに見出した。本出願の化合物は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などが挙げられるがこれらに限定されないCCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患の治療のために使用することができる。本出願は、上記のことに基づいて達成されている。
特に、本出願は以下に関する:
第1の態様では、本出願は、一般式Iの化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物を提供する:
Figure 0007263659000004

[式中、
は、水素、重水素及びC1~6アルキルから選択され、前記C1~6アルキルは、Rで任意選択で置換されており;
は、C1~6アルキレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;
は、存在せず、又は-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-COOR、-N(R、C3~10シクロアルキル、3~10員複素環基、C6~10アリール、CON(R及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;
は、存在せず、又はC1~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;
は、水素、重水素、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、C1~6アルコキシ、-(C1~6アルキレンオキシ)m1-(C1~6アルキレンオキシ)m2-C1~6アルキル、(C1~6アルキル)アミノ、及び1個又は複数のN、O又はSを含有する5~6員ヘテロシクリルから選択され;m及びmは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;
は、水素、重水素、C1~4アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され;
Aは、4~7員ヘテロシクリル又は5~10員ヘテロアリールから選択され、それらの両方は、重水素から、R、ハロゲン、-CN、ハロゲン化C1~6アルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択される置換基で任意選択で置換されており;Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~6アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択され;
nは、0、1又は2から選択される]。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、水素及びC1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、Rで任意選択で置換されており、Rは、ヒドロキシル、カルボキシル、C1~6アルコキシ、-(C1~6アルキレンオキシ)m1-(C1~6アルキレンオキシ)m2-C1~6アルキル、及び1個又は複数のN、O又はSを含有する5~6員ヘテロシクリルから選択され;m及びmは、0、1、2、3又は4から独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、C1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、Rで任意選択で置換されており、Rは、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、-(C1~6アルキレンオキシ)m1-(C1~6アルキレンオキシ)m2-C1~6アルキル、及び1個又は複数のN、O又はSを含有する5~6員ヘテロシクリルから選択され;m及びmは、0、1又は2からそれぞれ独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、C1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、Rで任意選択で置換され;Rは、C1~4アルコキシ、-(C1~4アルキレンオキシ)m1-(C1~4アルキレンオキシ)m2-C1~4アルキル、及び1個又は複数のN、O又はSを含有する5~6員ヘテロシクリルから選択され;m及びmは、0、1又は2からそれぞれ独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、C1~4アルキルから選択され、前記C1~4アルキルは、Rで任意選択で置換されており;Rは、C1~4アルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、
Figure 0007263659000005

である。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C1~6アルキレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン及びC5~12ヘテロアリーレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C1~6アルキレン、C3~7シクロアルキレン、C6~8アリーレン及びC5~8ヘテロアリーレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C1~3アルキレン及びC3~5シクロアルキレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C1~3アルキレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、メチレン及びエチレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-COOR、-N(R、C3~10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、-CON(R及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3ハロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、C1~4アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、メチル、ハロメチル、ハロメトキシ、-C(O)CH、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、メチル及びシクロプロピルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、メチル、ハロメチル、ハロメトキシ、-C(O)CH、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、メチル及びシクロプロピルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~4アルキレン、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~4アルキレン、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、メチル、ハロメチル、ハロメトキシ、-C(O)CH、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~6員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、メチル及びシクロプロピルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、C2~4アルキレン、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、メチル、ハロメチル、ハロメトキシ、-C(O)CH、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~6員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、メチル及びシクロプロピルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-、-C(CH-、-CH=CH-、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され、y及びyは、0、1又は2からそれぞれ独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在しない。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C2~4アルキレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、-NH-、-N(CH)-及び-C(CH-から選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、-C(CH-である。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又はC1~3アルキレン、C2~3アルケニレン、C2~3アルキニレン、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~7員ヘテロシクリレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又はC1~6アルキレン及びC2~6アルケニレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在せず、又は-C(CH-、-CH-及び-CH=CH-から選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在しない。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、-CH-である。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、4~7員ヘテロシクリル又は5~10員ヘテロアリールから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、4~7員窒素含有ヘテロシクリル又は5~10員窒素含有ヘテロアリールから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、4~7員窒素含有ヘテロシクリル又は5~10員窒素含有ヘテロアリールから選択され、その両方が、水素、重水素、Rで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキル、ハロゲン、-CN、ハロゲン化C1~6アルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールから選択される置換基で任意選択で置換されており;Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~6アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、5員又は6員窒素含有ヘテロアリールから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、重水素、Rで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキル、ハロゲン、-CN、ハロゲン化C1~6アルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールから選択される置換基で任意選択で置換されている5員又は6員窒素含有ヘテロアリールから選択され;Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~6アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、5員窒素含有ヘテロアリールである。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、重水素、Rで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキル、ハロゲン、-CN、ハロゲン化C1~6アルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールから選択される置換基で任意選択で置換されている5員窒素含有ヘテロアリールであり;Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~6アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択され;
好ましくは、Aは、置換基で置換されている5員窒素含有ヘテロアリールであり、該置換基はC1~6アルキル(例えばプロピル)である。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、
Figure 0007263659000006

であり、Rは、水素、重水素、又はRで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~4アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択され、Rは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C1~6アルキレン-CN、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールから選択され、Xは、N及びC-Rから選択され、各Rは、同一又は異なる。
いくつかの好ましい実施形態では、Aは、
Figure 0007263659000007

から選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~6アルキルであり、Rは、重水素、ヒドロキシル、-CN及びC1~4アルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~6アルキルであり、Rは、ヒドロキシル及びC1~4アルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~4アルキルであり、Rは、ヒドロキシル及びC1~4アルコキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~4アルキルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~4アルキルであり、Rは、メトキシ及びエトキシから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、n-プロピル及び
Figure 0007263659000008

から選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、水素、重水素、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル及びC3~6ヘテロシクロアルキルから独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、水素、重水素、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル及びシクロプロピルから独立に選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Rは、水素である。
いくつかの好ましい実施形態では、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、重水素、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-C1~6アルコキシ、C3~6ヘテロシクロアルキル及びC3~6ヘテロシクロアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、重水素、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル及びシクロプロピルから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、C1~6アルキレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン及びC5~12ヘテロアリーレンから選択され;好ましくはLは、C1~3アルキレン及びC3~5シクロアルキレンから選択され;より好ましくはLは、メチレン及びエチレンから選択される。
は、存在せず、又は-NH-、C2~4アルキレン、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~4アルキレン、C2~3アルケニレン、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、メチル、ハロメチル、ハロメトキシ、-C(O)CH、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~6員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、メチル及びシクロプロピルから選択され;好ましくは、Lは、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-、-C(CH-、-CH=CH-、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され、y及びyは、0、1又は2からそれぞれ独立に選択され;より好ましくは、Lは、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-及び-C(CH-から選択され;
は、存在せず、又はC1~3アルキレン、C2~3アルケニレン、C2~3アルキニレン、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~7員ヘテロシクリレンから選択され;好ましくは、Lは、存在せず、又はC1~6アルキレン及びC2~6アルケニレンから選択され;より好ましくは、Lは、存在せず、又はC(CH-、-CH-及び-CH=CH-から選択され;特に好ましくは、Lは、存在せず、又は-CH-である。
いくつかの好ましい実施形態では、nは、1又は2から選択され、好ましくは、nは1である。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式I又はIの化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物を提供する:
Figure 0007263659000009

(式中、R、R、R、L、L、L、X及びnは、上に定義した通りである)。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、式II又は式IIa’の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物を提供する:
Figure 0007263659000010

(式中、R、R、R、X、L、L、L及びnは、上に定義した通りである)。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及び式IIa’の化合物であって、Rは、水素、重水素、及びC1~6アルキルから選択され、前記C1~6アルキルは、Rで任意選択で置換されており、Rは、水素、重水素、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1~6アルコキシ、-(C1~6アルキレンオキシ)m1-(C1~6アルキレンオキシ)m2-C1~6アルキル、(C1~6アルキル)アミノ、及び1個又は複数のN、O又はS原子を含有する5~6員ヘテロシクリルから選択され;m及びmは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;
好ましくは、Rは、C1~6アルキルであり、前記C1~6アルキルは、C1~6アルコキシで任意選択で置換されており;
好ましくは、Rは、C1~3アルキルであり、前記C1~3アルキルは、C1~6アルコキシで任意選択で置換されており;
好ましくは、Rは、エチルであり、前記エチルは、n-ブトキシで置換されている。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及び式IIa’の化合物であって、
Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル、C1~6アルキレン-CN、C1~6アルキレン-OH、C1~6アルキレン-C1~6アルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及びC5~12ヘテロアリールから選択され;
好ましくは、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、重水素、C1~6アルキル、ハロゲン化C1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され;
好ましくは、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、C1~3アルキル、ハロゲン化C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され;
好ましくは、Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、メチル、トリフルオロメチル及びシクロプロピルから選択され;
好ましくは、Xは、C-Rであり、Rは、水素及びメチルから選択される、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及び式IIa’の化合物であって、
は、水素、重水素、又はRで任意選択で置換されているC1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され;Rは、水素、重水素、ヒドロキシル、-CN、C1~4アルコキシ及びC3~6シクロアルコキシから選択され;
好ましくは、Rは、C1~6アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、その両方は、Rで任意選択で置換されており、Rは、C1~4アルコキシであり;
好ましくは、Rは、Rで任意選択で置換されているC1~3アルキルから選択され、Rは、C1~3アルコキシであり;
好ましくは、Rは、プロピル及びメトキシ置換エチルから選択され;
好ましくは、Rは、n-プロピルである、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及びIIa’の化合物を提供し、式中、
は、C1~6アルキレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;
好ましくは、Lは、C1~3アルキレンであり;好ましくは、Lは、メチレン及びエチレンから選択される。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及びIIa’の化合物であって、
は、存在せず、又は-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;前記-NH-、C2~6アルキレン、C2~6アルケニレン、-(C1~6アルキレンオキシ)y1-(C1~6アルキレンオキシ)y2-、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンは、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~3アルキル、C1~3ハロアルキル、C1~3ハロアルコキシ、-C(O)C1~4アルキル、-COOR及び-NRCOから独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;前記3~10員ヘテロシクリレンは、N、NR、O、P及びS(O)から選択される1つ又は複数の環員を含有し;y及びyは、0、1、2、3又は4からそれぞれ独立に選択され;zは、0、1又は2から選択され;Rは、水素、重水素、C1~4アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され;
好ましくは、Lは、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-、-C(CH-、-CH=CH-、-(C1~3アルキレンオキシ)y1-(C1~3アルキレンオキシ)y2-、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~6員ヘテロシクリレンから選択され、y及びyは、0、1又は2からそれぞれ独立に選択され;
好ましくは、Lは、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-及び-C(CH-から選択され;
好ましくは、Lは、-NH-、-N(CH)-及び-C(CH-から選択される、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、Lは、存在しない。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及びIIa’の化合物であって、
は、存在せず、又はC1~6アルキレン、C2~6アルケニレン、C2~6アルキニレン、C3~10シクロアルキレン、C6~10アリーレン、C5~12ヘテロアリーレン及び3~10員ヘテロシクリレンから選択され;
好ましくは、Lは、存在せず、又はC1~3アルキレン、C2~3アルケニレン、C2~3アルキニレン、C3~6シクロアルキレン、C6~8アリーレン、C5~8ヘテロアリーレン及び3~7員ヘテロシクリレンから選択され;
好ましくは、Lは、存在せず、又はC1~6アルキレン及びC2~6アルケニレンから選択され;
好ましくは、Lは、存在せず、又は-C(CH-、-CH-及び-CH=CH-から選択され;
好ましくは、Lは、存在しない、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及びIIa’の化合物であって、
nは、0、1又は2から選択され;好ましくは、nは、0及び1から選択され;好ましくは、nは1である、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及びIIa’の化合物であって、
は、C1~3アルキルであり、前記C1~3アルキルは、C1~6アルコキシで任意選択で置換されており;
Xは、N及びC-Rから選択され、Rは、水素、メチル、トリフルオメチル及びシクロプロピルから選択され;
は、プロピル及びメトキシ置換エチルから選択され;
は、C1~3アルキレンであり;好ましくは、Lは、メチレン及びエチレンから選択され;
は、存在せず、又は-NH-、-N(CH)-及び-C(CH-から選択され;
は、存在せず、又は-C(CH-、-CH-及び-CH=CH-から選択され;
nは、0及び1から選択され;好ましくは、nは1である、
化合物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、一般式II及び式IIb’の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物を提供する:
Figure 0007263659000011

(式中、R、R、R、X、L、L、L及びnは、上に定義した通りである)。
いくつかの好ましい実施形態では、本出願は、
Figure 0007263659000012

Figure 0007263659000013

Figure 0007263659000014

から選択される化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物を提供する。
本発明の化合物中の原子は、その同位体によって置き換えられてもよい。例えば、12Cは、その同位体13C又は14Cによって置き換えられてもよく;Hは、H(D、重水素)又はH(T、三重水素)などによって置き換えられてもよい。本発明は、化合物中の任意の原子をその同位体で置き換えることによって得られる同位体標識化合物を含む。
本出願はまた、式Iの化合物の調製ための方法であって、以下の合成経路:
Figure 0007263659000015

(式中、R、n、L、L、L及びAは、上に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、反応後にL(好ましくは、LはC1~3アルキレンであり、より好ましくはLはメチレン及びエチレンから選択される)に変換されてもよく、カルボキシル保護基PGは、1つ又は複数のRで任意選択で置換されている以下の基:C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、C1~6アルキレン-C6~10アリール、C5~12ヘテロアリールから選択され、Rは、水素、重水素、ハロゲン、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシから選択される)
を含む、方法にも関する。いくつかの好ましい実施形態では、カルボキシル保護基PGは、好ましくはC1~6アルキルである。
特に、該方法は、以下のステップを含む:
ステップI:化合物aを化合物bと反応させて化合物cを得るステップ:
該反応は、好ましくは好適な有機溶媒中で実施され、前記有機溶媒は、直鎖状又は環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、ニトリル(例えばアセトニトリルなど)、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せ、好ましくはジオキサン又は1,2-ジクロロエタンから選択することができる。該反応は、好ましくは好適な還元剤の存在下で実施され、前記還元剤は、水酸化ホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素カリウム、シアノ水酸化ホウ素ナトリウム及び酢酸水酸化ホウ素ナトリウムから選択され、好ましくは、前記還元剤は、シアノ水酸化ホウ素ナトリウムである。該反応は、好ましくは好適な酸性条件下で実施され、前記酸は、塩酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸から選択することができ、好ましくは、前記酸は、トリフルオロ酢酸である。該反応は、好ましくは好適な温度にて実施され、前記温度は、好ましくは-50~100℃、より好ましくは-20~70℃である。該反応は、好ましくは好適な時間実施され、例えば1~24時間、例えば1~6時間である。
ステップII:化合物cを化合物dと反応させて化合物eを得るステップ:
該反応は、好ましくは好適な有機溶媒中で実施され、前記有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、ニトリル(例えばアセトニトリルなど)、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せから選択することができ、好ましくはジクロロメタンであることができる。該反応は、好ましくは好適な濃縮剤の存在下で実施され、該濃縮剤は、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル、HATU、HBTU、EEDQ、DEPC、DCC、DIC、EDC、BOP、PyAOP又はPyBOPから選択することができ、好ましくは、該濃縮剤は、塩化チオニル、塩化オキサリルである。該反応は、好ましくは、好適な塩基性条件下で実施され、該塩基は、有機又は無機塩基であり;好ましくは、有機塩基は、トリエチルアミン、DIPEA、ピリジン、NMM又はDMAPから選択され、好ましくは、無機塩基は、NaH、NaOH、NaCO又はKCOから選択され;好ましくは、該塩基は、トリエチルアミン、DIPEA及びDMAPから選択される。該反応は、好ましくは、好適な温度にて実施され、該反応温度は、好ましくは0~100℃、より好ましくは15~50℃である。該反応は、好ましくは好適な時間実施され、例えば1~24時間、例えば2~7時間である。
ステップIII:化合物eの保護基を除去して一般式Iの化合物を得るステップ:
該反応は、好ましくは好適な水及び/又は有機溶媒中で実施され、該有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、ニトリル(例えばアセトニトリルなど)、アルコール(例えばメタノール、エタノール)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組み合わせ、好ましくは水及びエタノールから選択することができる。該反応は、好ましくは好適な酸性条件下で実施され、該酸は、塩酸、硫酸又はトリフルオロ酢酸である。該反応は、好ましくは好適な塩基性条件下で実施され、該塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであり、好ましくは、該塩基は、水酸化ナトリウムから選択される。該反応は、好ましくは好適な温度にて実施され、該反応温度は、好ましくは-20~100℃、より好ましくは0~60℃である。該反応は、好ましくは好適な時間実施され、例えば1~24時間である。
本出願はまた、式I
Figure 0007263659000016

(式中、R、R、R、n、L、L、L、PG及びXは、上に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、L(好ましくは、LはC1~3アルキレンであり、より好ましくは、Lはメチレン及びエチレンから選択される)に変換されうる)
の化合物の調製のための方法にも関し、式Iの化合物の調製のための方法は、式Iの化合物の調製のための方法を参照する。
本出願はまた、式I
Figure 0007263659000017

(式中、R、R、R、n、L、L、L、PG及びXは、上に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、L(好ましくは、LはC1~3アルキレンであり、より好ましくは、Lはメチレン及びエチレンから選択される)に変換されうる)
の化合物の調製のための方法にも関し、式Iの化合物の調製のための方法は、式Iの化合物の調製のための方法を参照する。
いくつかの実施形態では、本出願は、一般式II及び/又は一般式IIa’の化合物の調製のための方法を提供する:
方法I:
Figure 0007263659000018

(式中、R、R、R、n、L、L、L、PG及びXは、上に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、L(好ましくは、LはC1~3アルキレンであり、より好ましくは、Lはメチレン及びエチレンから選択される)に変換されうる)。
該方法の合成ステップは、式Iの化合物の合成のためのステップを参照する。
方法II:
Figure 0007263659000019

(式中、R、R、R、n、L、L、L及びXは、上に定義した通りである)。
特に、方法IIは、以下のステップを含む:
ステップI:式Iの化合物を分離して一般式IIの化合物と一般式IIa’の化合物とを得る:
分離は、市販のキラル分取カラム、好ましくはOD、OJ、AS、AD、IA、IB、IC、IDなどを、分離及び精製を実施するための移動相としてアルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、弱い極性溶媒(n-ヘキサン、石油エーテル、COなど)、共溶媒(ジクロロメタンなど)及び塩基(アンモニア水、ジエチルアミンなど)と共に使用することによって適用することができ、>99%のee値を有する成分が回収される。
方法III:
Figure 0007263659000020

(式中、R、R、R、n、L、L、L及びXは、上に定義した通りである)。
特に、方法IIIは、以下のステップを含む:
ステップI:化合物eを分離して化合物hと化合物h’とを得る:
該方法は、市販のキラル分取カラム、好ましくはOD、OJ、AS、AD、IA、IB、IC、IDなどを、分離及び精製を実施するための移動相としてアルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、弱い極性溶媒(n-ヘキサン、石油エーテル、COなど)、共溶媒(ジクロロメタンなど)及び塩基(アンモニア水、ジエチルアミンなど)と共に使用することによって適用され、>99%のee値を有する成分が回収される。
ステップII:化合物hの保護機と化合物h’の保護基とを除去して、それぞれ一般式IIの化合物と一般式IIa’の化合物とを得る:
該反応は、好ましくは好適な水及び/又は有機溶媒中で実施され、有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなど)、ニトリル(例えばアセトニトリルなど)、アルコール(例えばメタノール、エタノール)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せ、好ましくは水及びエタノールから選択することができる。該反応は、好ましくは好適な酸性条件下で実施され、該酸は、塩酸、硫酸又はトリフルオロ酢酸である。反応は、好ましくは、好適な塩基性条件下で実施され、該塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであり、好ましくは、該塩基は、水酸化ナトリウムから選択される。該反応は、好ましくは好適な温度にて実施され、該反応温度は、好ましくは-20~100℃、より好ましくは0~60℃である。該反応は、好ましくは好適な時間実施され、例えば1~24時間である。
いくつかの実施形態では、本出願は、以下のステップを含む、一般式II及び/又は一般式IIb’の化合物の調製のための方法を提供する:
方法I:
Figure 0007263659000021

(式中、R、R、R、n、L、L、L、PG及びXは、上に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、L(好ましくは、LはC1~3アルキレンであり、より好ましくは、Lはメチレン及びエチレンから選択される)に変換されうる)。
該方法の合成ステップは、一般式Iの化合物の合成のステップを参照する。
方法II:
Figure 0007263659000022

(式中、R、R、R、n、L、L、L及びXは、上に定義した通りである)。
特に、方法IIは、以下のステップを含む:
ステップI:式Iの化合物を分離して式IIの化合物と式IIb’の化合物とを得る:
分離は、市販のキラル分取カラム、好ましくはOD、OJ、AS、AD、IA、IB、IC、IDなどを、分離及び精製を実施するための移動相としてアルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、弱い極性溶媒(n-ヘキサン、石油エーテル、COなど)、共溶媒(ジクロロメタンなど)及び塩基(アンモニア水、ジエチルアミンなど)と共に使用することによって適用され、>99%のee値を有する成分が回収される。
別の態様では、本出願は、第1の態様の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、及び1種又は複数の薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、硬質キャンディ、散剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ジェル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤及びシロップ剤の形態にある。
いくつかの好ましい実施形態では、医薬組成物は、CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などを予防する又は治療する1種又は複数の他の薬物を更に含む。
更なる態様では、本出願は、第1の態様の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、又は前記組成物、及び1種又は複数の薬学的に許容できる担体を含む医薬製剤を提供する。
更なる態様では、本出願は、以下:
a)第1の治療薬として、第1の態様の少なくとも1種の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、又は第1の医薬組成物として、医薬組成物を含む、第1の容器と、
b)第2の治療薬として、少なくとも1種の他の治療薬、又は第2の医薬組成物として、前記他の治療薬を含む医薬組成物を含む、任意選択の第2の容器と、
c)任意選択の包装仕様書と
を含むキット製品を提供する。
いくつかの好ましい実施形態では、他の治療薬は、CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの予防又は治療に有用である、本開示に記載の化合物以外の薬物から選択される。
別の態様では、本出願は、第1の態様の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、医薬組成物、医薬製剤又はキット製品の、CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの予防又は治療のための薬剤の製造における使用を提供する。
別の態様では、本出願は、CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの予防又は治療における使用のための、第1の態様の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、医薬組成物、医薬製剤又はキット製品を提供する。
別の態様では、本出願は、CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの予防又は治療のための方法であって、治療有効量の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、医薬組成物、医薬製剤又はキット製品を、それを必要とする個体に投与することを含み、並びに任意選択でCCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの予防又は治療のために使用される別の薬物と共にそれを必要とする個体に更に投与することを含む、方法を提供する。
本出願では、医薬組成物の主題は、有機体への投与を促進すること、又はそれにより生物活性を発揮する有効成分の吸収を促すことである。担体としては、イオン交換剤、酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血漿タンパク質;ホスフェート、グリセロール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどの緩衝剤物質、飽和植物脂肪酸の部分グリセリドの混合物、水、塩又は電解物、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ビーズワックス、ラノリンが挙げられるがこれらに限定されない。
本出願は、第1の態様による化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、医薬組成物、医薬製剤又はキットが、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内及び筋肉内の各経路、又は吸入として投与されうることを提供する。任意選択で、医薬組成物は、多種の疾患の治療において少なくともいくらかの効果を有する他の試薬との併用において投与することができる。
本出願は、第1の態様による化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、又は医薬組成物が、投与経路に応じて多種の好適な剤形に製剤化されうることを提供する。
本出願で記載の医薬組成物又は好適な剤形は、0.01mg~1000mgの化合物を含有することができる。
経口投与では、化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、又は前述のものの混合物、又は医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水性液剤又は水性懸濁剤が挙げられるがこれらに限定されない任意の経口で許容できる調製品の形態に製剤化することができる。該調製品の中で、錠剤中に使用される担体としては、ラクトース、トウモロコシデンプンが一般に挙げられ、更にはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤もまた添加されてもよい。カプセル剤中に使用される希釈剤としては、ラクトース及び乾燥トウモロコシデンプンが一般に挙げられる。水性懸濁剤については、有効成分は、好適な乳化剤及び懸濁化剤と混合することによって通常使用される。任意選択で、甘味剤、芳香剤又は着色剤が、上記の経口調製品に更に添加されてもよい。
皮膚局所投与では、化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、若しくは前述のものの混合物、又は医薬組成物は、好適な軟膏剤、ローション剤又はクリーム剤に製剤化することができ、有効成分は、1種又は複数の担体中に懸濁される又は溶解される。軟膏剤中で使用される担体としては、鉱物油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、乳化ワックス及び水が挙げられるがこれらに限定されず、ローション剤又はクリーム剤中で使用される担体としては、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタンTween 60、セチルエステルワックス、ヘキサデセン芳香族アルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が挙げられるがこれらに限定されない。
化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、エステル、溶媒和物(例えば水和物)、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、若しくはその結晶形態、代謝物、若しくは前述のものの混合物、又は医薬組成物は、無菌の注射用水、油性懸濁剤、又は無菌の注射溶液を含む無菌の注射調製品の形態でも投与することができる。該調製品の中で、有用な担体及び溶媒としては、水、リンゲル溶液及び等張性の塩化ナトリウム溶液が挙げられる。加えて、無菌の不揮発性油がまた、溶媒又は懸濁媒として使用されてもよく、例えばモノグリセリド又はジグリセリドである。
本出願の実施形態では、好適なインビトロ又はインビボのアッセイは、医薬組成物の有効性を決定するために、及びその投与が、疾患又は状態に罹患している個体の治療に好適であるかどうかを決定するために、実施される。これらのアッセイの例は、特定の疾患又は医学的治療との関連において以下の非限定的な実施例に記載される。典型的に、予防効果又は治療効果を達成するのに十分な有効な医薬組成物の量は、約0.001mg/体重kg/日~約10,000mg/体重kg/日である。好適には、該用量は、約0.01mg/体重kg/日~約1000mg/体重kg/日である。該用量は、1日毎に、2日毎に又は3日毎に、約0.01~1000mg/対象の体重kg、より典型的には0.1~500mg/対象の体重kgの範囲であってもよい。例示的な治療レジメンとしては、2日毎に1回の投与、又は1週間毎に1回の投与、又は1か月毎に1回の投与が挙げられる。調製品は、典型的には多くの回数で投与され、単一の投与のインターバルは、1日、1週間、1か月又は1年とすることができる。別法では、調製品は、持続放出型調製品の形態で投与されてもよく、この事例では、低い投与頻度が求められる。用量及び頻度は、対象における調製品の半減期に応じて多様であってもよく、又は治療は予防的又は治療的である。予防的用途では、かなり低い用量が、低いインターバル頻度において投与される。治療的用途では、しばしば、かなり高い用量が、疾患の進展が遅くなる又は止まるまで、好ましくは個体が、疾患の徴候における部分的又は完全な改善を呈するまで、かなり短いインターバルにおいて投与されなければならず、その後に予防レジメンが該患者に投与されてもよい。
以下に別段の定義がなされない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により通常理解されるのと同じ意味を有することが意図される。本明細書において挙げられる技術は、当業者に明らかである変形形態、及び均等な置換形態を含む、当技術分野で通常理解されるものを指すことが意図される。以下の用語が当業者によって、よく理解されていると確信される場合であってさえ、該用語は、本発明のより良い説明のために依然として本明細書で定義される。
本明細書で使用される場合、用語「含む(include)」、「含む(comprise)」、「有する」、「含有する」又は「関する」及び本明細書中のそれらの他の変化形は、包括的又はオープンであり、他の特定されていない要素又は方法ステップを排除するものではない。
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖又は分枝状の脂肪族炭化水素基であると定義される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1~8個、例えば1~4個の炭化水素を有する。例えば、本明細書で使用される場合、用語「C1~6アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状の基(例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシル)を指し、これは、1つ又は複数の(例えば1~3つの)、ハロゲンなどの好適な置換基(「ハロアルキル」と称され、例えば-CF、-C、-CHF、-CHF、-CHCF、-CHCl、-CHCHCFなど)で任意選択で置換されている。
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」は、2個の水素原子を除去することによって直鎖又は分枝状の飽和のヒドロカルビル基から誘導される飽和の二価のヒドロカルビル基であると定義され、アルキレン基は、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子又は1~3個の炭素原子を含有し、例えばメチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、イソプロピレン(-CH(CH)CH-)などであり、ここで、アルキレン基は、独立に、非置換であってもよく、又は本発明に記載の1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、飽和又は不飽和の、非芳香族の、単環式又は多環式の(例えば二環式の)炭化水素環(例えば単環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、又は二環を指し、例えばスピロ、縮合系又は架橋系(例えばビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなど)であり、これは、1つ又は複数の(例えば1~3つの)好適な置換基で任意選択で置換されている。シクロアルキル基は、3~15個の、例えば3~10個の炭素原子、3~7個の炭素原子、又は3~6個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用される場合、用語「C3~7シクロアルキル」は、3~7個の環を形成する炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、非芳香族の、単環式又は多環式の(例えば二環式の)炭化水素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)を指し、これは、1つ又は複数の(例えば1~3の)好適な置換基で任意選択で置換されており、例えばメチル置換シクロプロピルである。
本明細書で使用される場合、用語「C3~10シクロアルキレン」は、二価のC3~10アルキル残基として定義され、例えば二価のメチレン残基、例えばシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン又はシクロオクチレン、例えばシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、特にシクロペンチレン、シクロヘキシレンである。
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、-O-アルキルの式を有する直鎖状、分枝状又は環状の飽和の一価の炭化水素基を指し、ここで、用語「アルキル」は上に定義したものであり、又はそれは、以下に定義する「シクロアルキル」、例えばC1~6アルキル、C1~3アルキル又はC3~6シクロアルキル、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、シクロブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ又はn-ヘキシルオキシ、又はそれらの異性体である。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」は、環の中に2、3、4、5、6、7、8又は9個の炭素原子、及びC(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)及びNR(式中、Rは水素原子、C1~6アルキル又はハロゲン化C1~6アルキルを表す)から選択される1個又は複数の(例えば1、2、3又は4つの)ヘテロ原子含有基を含有する、飽和又は不飽和の、単環式又は二環式の基を指し、ヘテロシクロアルキルは、炭素原子又は窒素原子(存在する場合)のうちの任意の1種を介して分子の残りの部分に結合されうる。例えば、C3~6ヘテロシクリル、C5~6ヘテロシクリル又はC3~7ヘテロシクリルは、3~6個、5~6個又は3~7個の炭素原子を有するヘテロシクリルである。3~10員ヘテロシクリルは、環の中に3~10個の炭素原子及びヘテロ原子を有する基であり、4~7員ヘテロシクリルは、環の中に4~7個の炭素原子及びヘテロ原子を有する基であるが、例えば、それは、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキシエタニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又はトリチアニルに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリーレン」は、例えば5~12個、5~10個又は5~8個の炭素原子を有する二価のヘテロアリール基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、共役π電子系を有する完全炭素単環式又は縮合多環式芳香族基を指す。例えば、本明細書で使用される場合、用語「C6~10アリール」は、6~10個の炭素原子を含有する芳香族基、例えばフェニル又はナフチルを指すと意図される。アリールは、1つ又は複数の(例えば1~3つの)好適な置換基で任意選択で置換されている。
本明細書で使用される場合、用語「アリーレン」は、2つの不飽和の原子価を有し、例えば6~10個又は6~8個の炭素原子を有するアリール基、例えばフェニレンを指す。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、5、6、8、9、10、11、12、13又は14個の環原子、例えば5~10個の環原子、特に1又は2又は3又は4又は5又は6又は9又は10個の炭素原子を有し、同一であっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子(前記ヘテロ原子は、例えば酸素、窒素又は硫黄である)を含む、単環式、二環式又は三環式の芳香族環系を指し、更に、それぞれの存在において、該基はベンゾ縮合されていてもよい。特に、ヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、及びそれらのベンゾ誘導体から、又はピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、及びそれらのベンゾ誘導体から選択される。
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」又は「ハロゲン」基は、F、Cl、Br又はIを含むと定義される。
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、及び結合によって置き換えられる1個の水素原子を含有する脂肪族炭化水素基を指す。アルケニルは、直鎖又は分枝状であることができ、約2~約15個の炭素原子を含有する。例えば、「C2~6アルケニル」は、本明細書では、約2~約6個の炭素原子を含有する。アルケニルの非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、3-メチル-ブタ-2-エニル、n-ペンテニル、オクテニル及びデセニルが挙げられる。アルケニルは、非置換であってもよく、又は同一であっても異なっていてもよい1つ又は複数の置換基で置換されていてもよく、各置換基は、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、-O-アルキル、-O-アリール、-アルキレン-O-アルキル、アルキルチオ、-NH、-NH(アルキル)、-N(アルキル)、-NH(シクロアルキル)、-O-C(O)-アルキル、-O-C(O)-アリール、-O-C(O)-シクロアルキル、-C(O)OH及び-C(O)O-アルキルから独立に選択される。用語「C2~6アルケニル」は、2~6個の炭素原子のアルケニル基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」は、分子の残りの部分を結合させるための直鎖又は分枝状の二価の炭化水素基を指し、これは、炭素原子と水素原子とのみからなり、少なくとも1つの二重結合及び2~6個の炭素原子を含有し、例えば、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレンなどである。アルケニレン鎖は、二重結合又は単結合を介して分子の残りの部分に結合し、二重結合又は単結合を介して基に結合している。アルケニレン鎖の、分子の残りの部分への結合部位、及び基は、鎖内の1個の炭素原子又は任意の2個の炭素原子を通ってもよい。本明細書で別段の指定がない限り、アルケニレン鎖は、ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシリル、-OR、-OC(=O)R、-N(R、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)N(R、-N(R)C(=O)OR、-N(R)C(=O)R、-N(R)S(=O)(式中、tは1又は2である)、-S(=O)OR(式中、tは1又は2である)、-S(=O)(式中、pは0、1又は2である)、及び-S(=O)N(R(式中、tは1又は2である)から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されていてもよく、各Rは、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、本明細書で定義された上記の置換基のうちのそれぞれは、任意選択で置換されうる。
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、1つ又は複数のC≡C三重結合を有する炭化水素基を指す。アルキニルは、2~18個の炭素原子、例えば2~10個の炭素原子、例えば2~6個の炭素原子を有するがこれらに限定されない。「低級アルキニル」は、本明細書では、より少ない炭素原子、例えば2~8個の炭素原子、例えば2~6個の炭素原子、例えば2~4個の炭素原子を有するアルキニルを指す。アルキニルの例としては、本明細書では、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル及び1,3-ブチニルが挙げられるがこれらに限定されない。本明細書中で定義されたアルキニルが、例えば「C~Cアルキニル」又は「C2~6アルキニル」と数値範囲を含むとき、それは、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子又は6個の炭素原子を含有するアルキニルを指し、アルキニルは、本明細書ではまた、特定されていない事例、数値範囲もまた包含する。
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」は、1個の水素原子が1つの結合に置き換えられている、上で定義されたアルキニルを指す。アルキニレンの非限定的な例としては、-CHC≡C-、-CHC≡CCH-及び-CH(CH)C≡C-が挙げられ、例えば、アルキニレンは、2~6個の炭素原子を有する。アルキニレンは、分枝状又は直鎖状である。用語「C2~6アルキニレン」は、2~6個の炭素原子を有するアルキニレン基を指し、用語「C2~3アルキニレン」は、2~3個の炭素原子を有するアルキニレン基を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アミノ」は、2つの更なる置換基を有する窒素含有部分を指し、ここで、塩素又は炭素原子は、窒素に結合されている。例えば、代表的なアミノ基としては、-NH、-NHCH、-N(CH、-NHC1~3アルキル、-N(C1~3アルキル)などが挙げられる。別段の指定がない限り、アミノ部分を含有する本発明の化合物は、その誘導体を含んでもよく、ここで、アミノ部分は保護されている。アミノ部分の好適な保護基としては、アセチル、t-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「カルボン酸基」はまた、「カルボキシル」としても公知で、-COOHの化学式を有する官能基を指す。本発明の意味では、用語「カルボキシル」は、関連するアニオン-COO-(カルボン酸イオン)を更に含む。環境条件に応じて、例えば環境のpH値に応じて、官能基は、-COOH又は-COO-の形態で存在することができる。
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン化C1~6アルキル」は、1個又は複数の(例えば1、2、3又は4個の)水素原子をハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素又は硫黄)で置換することにより、上に記載したC1~6アルキルから得られる基を指し、例えばハロゲン化C1~3アルキル、ハロメチル、ハロエチル、ハロゲン化Cアルキル、ハロゲン化Cアルキル、フルオロC1~3アルキル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロCアルキル、フルオロCアルキル、クロロC1~3アルキル、クロロメチル、クロロエチル、クロロCアルキル及びクロロCアルキルである。特定の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、クロロエチルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
用語「置換されている」は、示された原子上の1個又は複数の(例えば1、2、3又は4個の)水素原子が、示された基によって選択的に置き換えられていることを指し、但し、現在の状況における示された原子の正常な原子価が超えられないこと、及び置換が安定な化合物をもたらすことができることを条件とする。置換基及び/又は変形の組合せは、こうした組合せが安定な化合物をもたらすことができるときにのみ許容できる。
用語「任意選択で置換されている」は、特定の基、ラジカル又は部分での任意選択の置換を指す。
置換基の結合が、環の中の2個の原子を結合している結合を通ると示されている事例では、このような置換基は、置換可能な環の中の、任意の、環を形成する原子に結合されうる。
本発明の化合物はまた、1種又は複数の(例えば1、2、3又は4種の)同位体の置換体を有してもよい。例えば、前記化合物中、Hは、H、H(D又は重水素)及びH(T又は三重水素)を含む任意の同位体の形態にあってもよく、Cは、12C、13C及び14Cを含む任意の同位体の形態にあってもよく、Oは、16O及び18Oを含む任意の同位体の形態にあってもよい。
用語「立体異性体」は、少なくとも1つの不斉中心の結果として形成される異性体を指す。1つ又は複数の(例えば1、2、3又は4つの)不斉中心を有する化合物では、ラセミ体、ラセミ体混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び単一のジアステレオマーが形成されうる。特定の個々の分子はまた、幾何異性体(cis/trans)の形態で存在してもよい。同様に、本発明の化合物は、急速な平衡における2つ以上の異なる構造形態の混合物として存在することができる(通常、互変異性体と称される)。互変異性体の代表的な例としては、ケトン-エノール互変異性体、フェノール-ケトン互変異性体、ニトロソ-オキシム互変異性体、イミン-エナミン互変異性体などが挙げられる。本出願の範囲が、任意の比(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%)にある全てのこのような異性体又は混合物を包含することが理解されることになる。
本出願は、化合物の全ての可能な結晶形態又は多形を包含し、それは、単一の多形であってもよく、又は任意の比における1つ超の多形の混合物であってもよい。
化合物、又はその薬学的に許容できる塩はまた、アルコレートなどの溶媒和物を形成することができる。
化合物はまた、プロドラッグの形態にあってもよく、又はインビボで代謝後に有効成分を放出したはずの形態が、有効成分を放出することができる。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製は、当業者には周知の技術である。
化合物はまた、化学的に保護された形態にあってもよい。保護基は、化合物の活性基(例えばアミノ基)を保護することができ、該保護基は、インビボで代謝されて、そのため対応する有効成分を放出することができる。好適な化学的に保護された形態の選択及び調製は、当業者には周知の技術である。
用語「薬学的に許容できる」は、本出願で使用される場合、物質又は組成物が、調製品を形成している他の構成成分、及び/又はそれで治療される哺乳動物と、化学的に及び/又は毒物学的に適合性があることを指す。
用語「薬学的に許容できる塩」は、本出願で使用される場合、薬学的に許容できる無機若しくは有機酸、又は無機若しくは有機塩基で形成されている従来の塩を含む。好適な塩の例示的な例としては、アミノ酸から誘導される有機塩、例えばグリシン及びアルギニン、アンモニア、第一級、第二級及び第三級アミン、及び環状アミン、例えばピペリジン、モルホリン及びピペラジン、並びにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウムから誘導される無機塩が挙げられるがこれらに限定されない。
本出願のいくつかの化合物が、その遊離形態で、又は適当な場合、その薬学的に許容できる誘導体の形態で存在してもよいことが理解されるべきである。薬学的に許容できる誘導体としては、薬学的に許容できる塩、溶媒和物、代謝物又はプロドラッグが挙げられるがこれらに限定されず、これらのうちの全ては、それを必要とする患者に投与されるとき、直接的に又は間接的に、化合物、又はその代謝物若しくは残渣を供与することができる。
化合物の薬学的に許容できる塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。好適な酸付加塩は、非毒性塩を形成することができる酸から形成される。
好適な塩基付加塩は、非毒性塩を形成することができる塩基から形成される。許容できる無機塩基としては、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウムが挙げられる。許容できる有機塩基としては、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどが挙げられる。
好適な塩のレビューでは、Stahl and Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Wiley-VCH、2002)を参照されたい。化合物の薬学的に許容できる塩を調製する方法は、当業者には公知である。
該化合物は、水和物又は溶媒和物の形態で存在することができ、ここで、本発明の化合物は、化合物の結晶格子の構造要素として、特に水、メタノール又はエタノールなどの極性溶媒を含む。極性溶媒の量、特に水の量は、化学量論的又は非化学量論的な比において存在することができる。
本発明の範囲内に更に含まれるのは、本発明の化合物の代謝物、すなわち薬物投与時にインビボで形成される化合物である。
用語「医薬組成物」は、本出願で使用される場合、治療有効量の化合物を含む製品、並びに該化合物を含む組合せから直接的に又は間接的に形成された任意の製品を含む。
用語「有効量」は、本出願で使用される場合、所望の治療効果を達成するのに十分な量、例えば治療される疾患に関連する徴候の緩和を達成できる量を指す。
用語「治療」は、本出願で使用される場合、対象とする疾患の状態又は症状を緩和する又は除去することを目的とする。本明細書に記載の方法による、治療量の化合物、その光学異性体又は薬学的に許容できる塩、又はその医薬組成物を対象が受けた後に、対象の1つ又は複数の兆候(indications)及び徴候(symptoms)が、観察できるほどに及び/又は検出できるほどに低減する又は改善する場合、対象は首尾よく「治療された」ことになる。疾患状態又は症状の治療が、完全な治療を含むだけでなく、完全な治療が達成されていないがいくらかの関連する生物学的又は医学的結果が達成されている状況も含むこともまた理解されるべきである。
「治療」は、そのようにして達成するための化合物の任意の投与を指す:
(1)疾患に罹りやすいことがあるが未だ疾患の病理若しくは徴候を経験していない若しくは呈していない動物における疾患の発生を予防する、
(2)疾患の病理若しくは徴候を経験している若しくは呈している動物にける疾患を抑制する(すなわち、病理及び/又は徴候の更なる進行を阻止する)、又は
(3)疾患の病理若しくは徴候を経験している若しくは呈している動物における疾患を改善する(すなわち、病理及び/又は徴候を回復させる)。
技術的効果
研究を深めることにより、カルボン酸基を含有する窒素含有ベンゾ複素環化合物が得られる。カルボン酸基の導入を介して、該化合物は、以下の技術的効果のうちの少なくとも1つを達成することができる:
(1)極めて顕著な肝臓標的特性、
(2)優れた薬学動態特性、
(3)CCR2/CCR5に対する強力な阻害効果、並びに
(4)CCR2及び/又はCCR5が媒介する関連疾患、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などへの顕著な治療効果。
発明を実施するための具体的な形態
本発明の実施形態を、実施例に関して以下に詳細に説明する。しかしながら、当業者には、以下の実施例が本発明の例示のためにのみ使用され、本発明の範囲への限定として考えるべきではないことが理解されることになる。特定の条件を伴って示されるのではない実施例は、従来の条件又は製造者が推奨する条件に従って実施されるべきである。製造者が示していない試薬又は装置は、それぞれが従来の市販の製品である。
従来の合成及び実施例、並びに中間体の合成実施例では、略語の意味は以下の通り示される:
Figure 0007263659000023

Figure 0007263659000024
本発明を詳細に、更に例示するために、実施例及びアッセイを以下に例示するが、本発明を限定することは意図していない。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく変形を行いうる。
以下の実施例中に記載する化合物の構造を、核磁気共鳴法(H NMR)又は質量分析法(MS)により確認した。
核磁気共鳴法(H NMR)の測定装置は、Bruker 400 MHz核磁気共鳴メータとし、測定用溶媒は、重水素化メタノール(CDOD)、重水素化クロロホルム(CDCl)及び六重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)とし、内部標準物質はテトラメチルシラン(TMS)とした。
実施例中で使用した核磁気共鳴法(NMR)スペクトルにおける略語を以下に示す:
s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、dd:ダブレットダブル、qd:カルテットダブレット、ddd:ダブルダブルダブル、ddt:ダブルダブルトリプレット、dddd:ダブルダブルダブルダブレット、m:マルチプレット、br:ブロード、J:カップリング係数、Hz:ヘルツ、DMSO-d:六重水素化ジメチルスルホキシド。
全てのδ値はppmで表す。
質量分析法(MS)の測定装置は、Agilent(ESI)質量分析機、モデルAgilent 6120Bとした。
実施例1:(S,E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物1)の合成
Figure 0007263659000025
ステップ1:エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオネートの合成
室温にて、化合物1-1(1.0g、8.5mmol)、炭酸セシウム(3.3g、10.2mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)を三首フラスコ中に装入し、次に、そこにヨードエタン(2.6g、17.0mmol)を室温にて撹拌下、添加した。該系を窒素ガスに3回置き換えて55℃に加熱し、その温度にて16時間反応させた。室温に冷却後、該系を氷水(80mL)中に注入し、酢酸エチルで抽出した(30mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、乾燥剤をろ過して除去した。溶媒を減圧蒸発によって除去し、カラムクロマトグラフィーでの精製(THF:PE=1:10)を実施して標記化合物1.0gを得た。ESI-MS(m/z):147.1[M+H]
ステップII:エチル2,2-ジメチル-3-オキソプロピオネートの合成
塩化オキサリル(522mg、4.1mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、該系を-78℃に冷却した。そこにジメチルスルホキシド(640mg、8.2mmol)を滴下添加した。添加後、該系をその温度にて30分間反応させた。次いで、化合物1-2(500mg、3.4mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下添加した。添加後、該系を-78℃にて2時間反応させた。更に、トリエチルアミン(1.03g、10.2mmol)を滴下添加した。添加後、該系を-78℃にて1時間反応させ、次いで室温にて更に30分反応させた。水(30mL)を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(20mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、乾燥剤をろ過して除去した。溶媒を減圧蒸発によって除去し、カラムクロマトグラフィーでの精製(THF:PE=1:15)を実施して標記化合物200mgを得た。ESI-MS(M/Z):145.1[M+H]
ステップIII:(E)-8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-1-(3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-5-ギ酸の合成
室温にて、(E)-8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-5-ギ酸(80mg、0.2mmol)及び化合物1-3(432mg、3.0mmol)をジオキサン(4.5mL)に溶解し、次いで、そこにトリフルオロ酢酸(1.5mL)を室温にて添加し、5分撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(252mg、4.0mmol)を更に添加した。添加後、混合物をマイクロ波下、60℃にて2.5時間反応させた。該系に水(30mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(30mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、乾燥剤をろ過して除去した。溶媒を減圧蒸発によって除去し、分取液体相の精製を実行して標記化合物150mgを得た。ESI-MS(M/z);524.3[M+H]
ステップIV:エチル(S,E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロピオネートの合成
化合物1-4(60mg、0.11mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩化チオニル(0.5mL)を室温にて添加し、混合物を1時間反応させた。該系を排水し、次いでジクロロメタン(2mL)を添加して溶解し、得られた混合物を、(S)-4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)アニリン(46mg、0.16mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(84mg、0.66mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に滴下添加した。添加後、混合物を室温にて3時間反応させた。水(10mL)を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(20mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、乾燥剤をろ過して除去した。溶媒を減圧蒸発によって除去し、精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物15mgを得た。ESI-MS(M/z)769.4[M+H]
ステップV:(S,E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
室温にて、化合物1-5(15mg、0.02mmol)を無水エタノール(0.5mL)及び水(1mL)に溶解し、そこに水酸化ナトリウム(8mg、0.2mmol)を室温にて撹拌下、添加した。混合物を45℃に加温し、その温度にて20時間反応させた。反応物をLC-MSにより検出すると反応の完了を示した。室温に冷却後、該系に1N塩酸の水性溶液を添加してpHを5~6に調整し、次いで酢酸エチルで抽出した(20mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(20mL×1)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、乾燥剤をろ過して除去した。溶媒を減圧蒸発させ、精製を分取高性能液体クロマトグラフィーで実施して標記化合物1 5mgを得た。
化合物1の構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 10.07 (s, 1H), 7.89 (d,J = 8.5 Hz, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.55 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 2.4 Hz,1H), 7.47 (d, J = 9.2 Hz, 4H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.5 Hz,2H), 6.48 (s, 1H), 4.35 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 14.3 Hz, 1 H), 4.11(dd, J = 5.8, 3.6 Hz, 2H), 3.80 (td, J = 7.1, 2.2 Hz, 2H), 3.74-3.68 (M, 2H),3.49-3.42 (M, 6H), 2.38 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 1.65 (q, J = 7.3 Hz, 2H),1.55-1.45 (M, 4H), 1.39-1.27 (M, 2H), 1.17 (s, 6H), 0.88 (t, J = 7.3 Hz, 3H),0.81 (t, J = 7.4 Hz, 3H).ESI-MS(M/z):741.4[M/H]
実施例2:(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物2)の合成
Figure 0007263659000026
ステップI:4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル-ホルムアルデヒドの合成
室温にて、化合物2-1(500mg、4.5mmol)、炭酸カリウム(941mg、6.8mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を三首フラスコ中に添加し、そこにヨードプロパン(1.5g、9.1mmol)を添加した。窒素ガスの保護下、混合物を50℃に加温し、室温にて16時間反応させた。該系を室温に冷却し、氷水(100mL)中に注入し、酢酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して標記化合物260mgを得た。ESI-MS(M/z):153.1[M+H]
ステップII:(4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メタノールの合成
化合物2-2(210mg、1.4mmol)を無水メタノール(5mL)に溶解し、0℃に冷却し、そこに水素化ホウ素ナトリウム(66mg、1.7mmol)をバッチにおいて添加した。混合物をその温度にて30分間反応させた。該系に水(10mL)を添加して反応をクエンチし、濃縮し、抽出のためにそこに酢酸エチルを添加した(30mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(10mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、標記化合物155mgを得た。ESI-MS(M/z):155.1[M+H]
ステップIII:5-(クロロメチル)-4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾールの合成
化合物2-3(155mg、1.0mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、そこに塩化チオニル(1mL)を室温にて添加した。次いで、混合物を70℃に加温し、2時間反応させた。該系を室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(5mL)を添加し、室温にて30分間撹拌した。吸引ろ過を実施して標記化合物のヒドロクロリド175mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 14.93 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.15 (t, J = 7.4 Hz,2H), 2.34 (s, 3H), 1.86 (H, J = 7.4 Hz, 2H), 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
ステップIV:4-(((4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)チオ)アニリンの合成
室温にて、4-アミノチオフェノール(240mg、1.9mmol)、トリエチルアミン(576mg、5.7mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)を三首フラスコに添加し、0℃に冷却し、そこに化合物2-4(400mg、1.9mmol)のテトラヒドロフラン(5mL:0.5mL)水性溶液を滴下添加した。添加後、混合物を室温に加温し、2時間反応させた。該系を水(50mL)中に注入し、酢酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物160mgを得た。ESI-MS(M/z):262.1[M+H]
ステップV:4-(((4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)アニリンの合成
化合物2-5(160mg、0.61mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃に冷却し、そこにm-クロロペルオキシ安息香酸(105mg、0.61mmol)をバッチにおいて添加した。添加後、混合物を室温にて30分間反応させた。該系に飽和無水亜硫酸ナトリウム溶液(10mL)を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンを添加して抽出した(20mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物180mgを得た。ESI-MS(M/z)278.1[M+H]
ステップVI;メチル(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロピオネートの合成
(S)-4-(((1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)アニリンを化合物2-6に置き換えた以外は実施例1におけるステップIVに類似の方法を適用してこの合成を実施し、精製をカラムクロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物230mgを得た。ESI-MS(M/z):769.4[M+H]
ステップVII:(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
化合物1-5を化合物2-7に置き換えた以外は実施例1におけるステップVに類似の方法を適用してこの合成を実施し、精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物2 60mgを得た。
化合物2の構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 12.45 (s, 1H), 10.08(s, 1H), 7.87 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.53 (t, J = 9.2 Hz, 4H), 7.50-7.44 (m, 2H),7.39 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 8.6 Hz, 2H),4.26 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.13-4.07 (m, 2H), 3.79(ddd, J = 18.6, 13.9, 6.8 Hz, 2H), 3.73-3.66 (m, 2H), 3.52-3.40 (m, 4H) 3.29(s, 2H), 2.38 (s, 2H), 1.70-1.63 (M, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.50 (dt, J = 13.8, 6.2Hz, 4H), 1.36-1.29 (M, 2H), 1.17 (s, 6H), 0.88 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.82 (t, J= 7.1 Hz, 3H).ESI-MS(M/z):755.3[M+H]
実施例3
実施例2で得た化合物2(260mg)を、SFC法を適用して、その鏡像異性体のうちの1つについてキラルカラムにおいて分離し、対応する画分を回収した。溶媒を回転蒸発によって除去して純粋な光学異性体を得た。調製の条件は以下の通りである:キラルカラム:CHIRALPAK ID、キラルカラムモデル:0.46cm I.D.×15cm L、サンプリング量:0.5μL、移動相:CO/(EtOH:DCM:NHOH=60:40:0.1)=55/45(V/V)、流速:2.0mL/分、波長:UV 254nm;化合物2の異性体A100mgを保持時間4.773分で得た。
異性体Aの構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 12.45 (s, 1H), 10.09(s, 1H), 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.58-7.50 (m, 4H), 7.49 (s, 1H), 7.48-7.44(m, 1H), 7.39 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.02-6.97 (m, 2H),4.26 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.13-4.08 (m, 2H), 3.84-3.75(m, 2H), 3.70 (dd, J = 5.6, 3.7 Hz, 2H), 3.50-3.42 (m, 4H) , 3.29 (s, 2H), 2.38(s, 2H), 1.70-1.63 (M, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.54-1.45 (M, 4H), 1.36-1.30 (M, 2H),1.17 (s, 6H), 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.82 (t, J = 7.3 Hz, 3H).ESI-MS(M/z):755.3[M+H]
Figure 0007263659000027
実施例4
実施例2において得た化合物2(260mg)を、SFC法を適用して、その鏡像異性体のうちの他の1つについてのキラルカラムにおいて分離し、対応する画分を回収した。溶媒を回転蒸発によって除去して純粋な光学異性体を得た。調製の条件は以下の通りである:キラルカラム:CHIRALPAK ID;キラルカラムモデル:0.46cm I.D.×15cm L、サンプリング量:0.5μL、移動相:CO/(EtOH:DCM:NHOH=60:40:0.1)=55/45(V/V)、流速:2.0ml/分、波長:UV 254nm;化合物2の異性体B 103mgを保持時間7.107分で得た。
異性体Bの構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 12.35 (brs, 1H),10.16(s, 1H), 7.88 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.53 (s, 2H), 7.50 (d, J = 1.9Hz, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.39 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.8 Hz, 1H),6.99 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.26 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 14.4 Hz, 1H),4.13-4.08 (m, 2H), 3.86-3.73 (m, 2H), 3.73-3.68 (m, 2H) , 3.46 (t, J = 6.5 Hz,4H), 3.30 (s, 2H), 2.38 (s, 2H), 1.66 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 1.61 (s, 3H),1.55-1.44 (M, 4H), 1.36-1.30 (M, 2H), 1.16 (s, 6H), 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H),0.82 (t, J = 7.3 Hz, 3H).ESI-MS(M/z):755.3[M+H]
Figure 0007263659000028
実施例5:(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物5)
Figure 0007263659000029
ステップI:5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル-ホルムアルデヒドの合成
室温にて、化合物2-1(500mg、4.5mmol)、炭酸カリウム(941mg、6.8mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を三首フラスコ中に添加し、そこにヨードプロパン(1.5g、9.1mmol)を添加した。窒素ガスの保護下、混合物を50℃に加温し、その温度にて16時間反応させ、次いで、室温に冷却した。該系を氷水(100mL)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。精製をカラムクロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物230mgを得た。ESI-MS(M/z):153.1[M+H]
ステップII:(5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メタノールの合成
化合物5-2(210mg、1.4mmol)を無水メタノール(5mL)に溶解し、0℃に冷却し、そこに水素化ホウ素ナトリウム(66mg、1.7mmol)をバッチにおいて添加した。混合物をその温度にて30分間反応させた。該系に水(10mL)を添加して反応をクエンチし、濃縮し、抽出のためにそこに酢酸エチルを添加した(30mL×2)。有機相を飽和かん水で洗浄し(10mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、標記化合物155mgを得た。ESI-MS(M/z):155.1[M+H]
ステップIII:4-(クロロメチル)-5-メチル-1-プロピル-1H-塩酸イミダゾールの合成
化合物5-3(155mg、1.0mmol)をアセトニトリル(3mL)に溶解し、塩化チオニル(1mL)を室温にて添加し、次いで70℃に加温し、2時間反応させた。反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(5mL)を添加し、室温にて30分間撹拌し、次いで吸引ろ過を実施して、標記化合物175mgを得た。ESI-MS(M/z):173.1[M+H]
ステップIV:4-(((5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)チオ)アニリンの合成
室温にて、4-アミノチオフェノール(240mg、1.9mmol)、トリエチルアミン(576mg、5.7mmol)及びテトラヒドロフラン(10mL)を三首フラスコに添加し、0℃に冷却し、そこに化合物5-4(400mg、1.9mmol)のテトラヒドロフラン水性溶液(5mL:0.5mL)を滴下添加した。添加後、混合物を室温に加温し、2時間反応させた。該系を水(50mL)中に注入し、酢酸エチルで抽出した(40mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物160mgを得た。ESI-MS(M/z):262.1[M+H]
ステップV:4-(((5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)スルフィニル)アニリンの合成
化合物5-5(160mg、0.61mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃に冷却し、そこにm-クロロペルオキシ安息香酸(105mg、0.61mmol)をバッチにおいて添加した。添加後、混合物をその温度にて30分間反応させた。該系に飽和無水亜硫酸ナトリウム溶液(10mL)を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタンを添加して抽出した(20mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。精製を分取高性能液体クロマトグラフィーにおいて実施して標記化合物180mgを得た。ESI-MS(M/z):278.1[M+H]
ステップVI:メチル(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロピオネートの合成
化合物5-6(330mg、0.65mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、該反応系に、(S)-4-{[(4-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]スルフィニル}アニリン(180mg、0.65mmol)を添加した。1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(376mg、1.95mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(237mg、1.95mmol)を添加し、室温にて一晩反応させた。反応混合物に水(20mL)を添加し、ジクロロメタンで抽出した(50mL×3)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標記化合物230mgを得た。ESI-MS(M/z):770.3[M+H]
ステップVII:(E)-3-(8-(4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((5-メチル-1-プロピル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
化合物5-7(230mg、0.30mmoL)をテトラヒドロフラン/メタノール(10mL/10mL)に溶解し、そこに水酸化リチウム溶液(5mL、1M)を添加した。該系を70℃に加温し、2時間反応させた。反応物を室温に冷却した後、それを1M塩酸でpH=7に調整し、そこに水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(30mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、分取高性能液体クロマトグラフィーにより精製して標記化合物5 60mgを得た。
化合物5の構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ 9.31 (s,1H), 7.91 (s, 2H), 7.54 (dd, J = 14.8, 3.9 Hz, 4H), 7.41 (dd, J = 13.6, 6.1 Hz,4H), 7.02 (s, 2H), 6.93 (s, 1H), 4.26 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 4.20 (s, 2H), 4.10(d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.89 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.42 (s, 2H),3.14 (s, 2H), 2.68 (s, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.82 (s, 2H), 1.10 (s, 6H), 1.02-0.97(M, 6H).ESI-MS(M/z):755.4[M+H]
実施例6:(E)-3-(8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-(2-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸(化合物6)の合成
Figure 0007263659000030
ステップI:メチル(E)-8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-5-ギ酸の合成
化合物6-1(816mg、2.55mmoL)、4-(2-メトキシエトキシ)フェニルボロン酸(500mg、2.55mmoL)、酢酸パラジウム(20mg、0.085mmoL)、リン酸カリウム(540mg、2.53mmoL)、トリ-tert-テトラフルオロホウ酸ブチルホスホニウム(98mg、0.35mmoL)及びトルエン/水 10:1(5mL)をマイクロ波の管中に添加し、窒素ガスの保護下、100℃のマイクロ波条件で3時間反応させた。室温に冷却した後、該系を水(50mL)中に注入し、酢酸エチルで抽出し(30mL×3)、有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標記化合物530mgを得た。ESI-MS(M/z):410.2[M+H]
ステップII:(E)-8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-5-ギ酸の合成
化合物6-2(530mg、1.45mmoL)をテトラヒドロフラン/メタノール(10mL/10mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液(5mL、1M)を添加した。該系を70℃に加熱し、2時間反応させた。反応物を室温に冷却した後、それを1M塩酸でpH=7に調整した。該系に水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(30mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標記化合物388mgを得た。ESI-MS(M/z)396.2[M+H]
ステップIII:(E)-8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-1-(3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル)-1,2,3,4-テトラヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-5-ギ酸の合成
塩化オキサリル(3.818g、30mmoL)をジクロロメタンに溶解し、-78℃に冷却し、次いで、そこに、窒素ガスの保護下、ジメチルスルホキシド(3.12g、40mmol)を滴下添加した。混合物をその温度にて30分間反応させた。上記反応液体に、メチル2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピオネート(1.32g、10mmol)のジクロロメタン溶液を添加し、その温度にて2時間反応させた。そこにトリエチルアミン(10g、100mmol)を添加し、混合物をその温度にて1時間反応させた。混合物を-20℃に加温して、トリフルオロ酢酸を滴下添加して、該反応系を酸性(pH=1.0)にした。化合物6-3(388mg、1.1mmol)及びトリアセトキシ水酸化ホウ素ナトリウム(2.2g、10mmol)を該反応系に添加し、得られた混合物をその温度にて1時間反応させた。反応溶液に蒸留水(100mL)を添加し、ジクロロメタンで抽出した(30mL×3)。有機相を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(100mL×1)、飽和かん水(100mL×1)及び水(100mL×1)で続けて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標記化合物300mgを得た。ESI-MS(M/z):510.3[M+H]
ステップIV:メチル(E)-3-(8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-(2-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロピオネートの合成
化合物6-4(300mg、0.65mmoL)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、(S)-4-{[(1-(2-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]スルフィニル}アニリン(180m、0.65mmol)を該反応系に添加し、続いて1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(376mg、1.95mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(237mg、1.95mmol)を添加し、次いで室温にて一晩反応させた。反応混合物に水(20mL)を添加し、ジクロロメタンで抽出した(50mL×3)。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して標記化合物155mgを得た。ESI-MS(M/z):771.3[M+H]
ステップV:(E)-3-(8-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-5-((4-(((1-(2-メトキシエチル)-1H-イミダゾール-5-イル)メチル)スルフィニル)フェニル)カルバモイル)-3,4-ジヒドロベンゾ[b]アザシクロオクタテトラエン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルプロパン酸の合成
化合物6-5(155mg、0.20mmoL)をテトラヒドロフラン/メタノール(10mL/10mL)に溶解し、そこに水酸化ナトリウム溶液(5mL、1M)を添加した。該系を70℃に加熱し、2時間反応させた。反応物を室温に冷却した後、該系を1M塩酸でpH=7に調整した。該系に水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(30mL×3)。有機相を飽和かん水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、分取高性能液体クロマトグラフィーにより精製して標記化合物6 8mgを得た。
化合物6の構造は、以下のように特徴付けられた:
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ 9.37 (s,1H), 8.29 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.57 (dd, J = 8.4, 2.2 Hz, 1H),7.52 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.28 (d, J =8.3 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.88 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 4.37 (d, J =14.6 Hz, 1H), 4.32-4.25 (m, 1H), 4.20 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 4.11 (d, J = 15.7Hz, 1H), 3.95 (d, J = 14.7 Hz, 1H), 3.85 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.64 (d, J = 8.4Hz, 2H), 3.59 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 3.44 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 3.34 (s, 3H),3.15 (s, 2H), 2.68 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 1.65 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.46-1.42 (m,2H), 1.13 (s, 3H), 1.09 (s, 3H), 0.98 (d, J = 7.4 Hz, 3H),ESI-MS(m/z):757.4[M+H]
薬学動態活性のアッセイ
以下の実施例は、本発明を更に例示するが、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
実験実施例1:細胞中におけるCCR2/CCR5の活性に対する阻害試験
試験原理
CCR2及びCCR5受容体タンパク質を安定に発現するHEK293細胞を、最初に、カルシウムイオン感受性蛍光プローブで標識し、次いで対応する配位子(MCP1及びRANTES)で刺激した。刺激後、受容体を活性化させて、小胞体から細胞質への、カルシウムイオンの放出をトリガーした。更に、カルシウムイオンが蛍光プローブに捕捉されたら、蛍光シグナルがトリガーされ得た。CCR2及びCCR5における化合物の阻害は、蛍光シグナルの強度を検出することによって評価することができる。
実験に使用した材料:
HEK293細胞:WuXi Apptec Co.,Ltd;
384ウェルプレート(384ウェルのPoly-D-Lysineタンパク質コーティングプレート)、Greiner #781946;
単球走化性タンパク質1(MCP1):CCR2作動薬、PeproTech-300-04;
調整し活性化させる正常T細胞発現分泌因子(RANTES):CCR5作動剤、PeproTech-300-06。
384ウェルプレートの各ウェルに、2×10のHEK293細胞を添加し、一晩培養した。蛍光プローブによって標識した後、異なる濃度にあるMCP1及びRANTESを添加し、蛍光シグナルを読み取った。蛍光シグナルを、配位子濃度と関連させてプロットし、4つのパラメータモデルに従って、IC50値を、化合物のその後の検出のためのCCR2及びCCR5の配位子濃度として算出した。
上記結果を参照して、細胞を、異なる濃度(5000nM、1250nM、313nM、78nM、20nM、4.8828nM、1.2207nM、0.3052nM、0.0763nM及び0.0191nM)にある試験化合物でインキュベートし、そこにMCP1及びRANTESを添加した後、蛍光シグナルを読み取った。溶媒群(該化合物を含有しない)を負の対照とし、緩衝剤群(配位子を一切含有しない)をブランクの対照として、各濃度群の阻害活性を算出した。
相対阻害活性%=1-(各濃度群の蛍光シグナル-ブランク群の蛍光シグナル)/(溶媒群の蛍光シグナル-ブランク群の蛍光シグナル)×100%
各濃度群の阻害活性%を、化合物の濃度と関連させてプロットし、曲線を、4つのパラメータモデルに従って固定し、IC50値を算出した。
y=min+(max-min)/(1+(x/IC50)^(-ヒルスロープ))
(式中、yは相対阻害活性%であり;max、minはそれぞれ固定した曲線の最大値及び最小値であり;xは化合物の濃度であり、ヒルスロープは曲線のスロープである)。
試験結果
上記方法に従って、CCR2/CCR5に対する化合物の阻害活性を決定し、結果を表1に示す。
Figure 0007263659000031
表1を見れば分かるように、本出願の化合物(例えば化合物1、2、3及び4)は、CCR2/CCR5に対して極めて強力な阻害効果を有する。
実験実施例2:CYP 1A2、CYP 2D6、CYP 3A4M、CYP 3A4T及びhERGに対する阻害試験
1.CYP 1A2、CYP 2D6、CYP 3A4M及びCYP 3A4Tに対する阻害試験
CYP 1A2:
プローブ基質:フェナセチン、National Institute of Control of Pharmaceutical & Biological Products、100095。
正の対照:α-ナフトフラバン、ACras、A0331533。
CYP 2D6:
プローブ基質:デキストロメトルファ、Beijing Jinbao、100201。
正の対照:キニジン、Damas-bata、P1176507。
CYP 3A4M:
プローブ基質:ミダゾラム、National Institute of Control of Pharmaceutical & Biological Products、171265。
正の対照:ケトコナゾール、Dingdang Chemical、DTYC 0516-17から購入。
CYP 3A4T:
プローブ基質:テストステロン、European Pharmacopoeia(EP)Reference Standard、Sigma-Aldrich、T0100000。
正の対照:ケトコナゾール、Dingdang Chemical、DTYC 0516-17。
プローブ基質(50μl)、PBS(49μl)及び異なる濃度の試験化合物(0.05μM、0.15μM、0.5μM、1.5μM、5μM、15μM、50μM)、又は正の対照(1μl)をヒト肝臓ミクロソーム(HLM、50μl)と混合して、混合液体150μlを得、これを予備インキュベーション(37℃)に5分間供し、次いでNADPH(50μl)を添加して30分間インキュベートした。氷状結晶アセトニトリル(glacial acetonitrile)200μlを添加して反応をクエンチした。適当な体積の内部標準物質を添加し、ボルテックス処理及び遠心分離の後、上清を得た。
LC-MS/MSを使用して検出を実施した。質量分析計はAPI 5500とし、液体クロマトグラフはWaters ACQUITY UPLC I-CLASSシステムとした。クロマトグラフのカラムはHypersil GOLD C18、粒径1.9μm、50×2.1mm;移動相A:水+0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル;流速:0.4ml/分、カラム温度:40℃とした。使用したイオン源はESI源の正のイオンモードとし、走査モードはMultiple Reaction Monitoring(MRM)とした。
負の対照として溶媒群(DMSO)を使用することにより、試験化合物の異なる濃度の事例におけるプローブ基質から変換した主な代謝物の濃度を測定して、化合物の半阻害濃度(IC50)を決定した。化合物の半阻害濃度(IC50)の結果を表2及び3に示した。
2.hERG阻害試験:
異なる濃度(1μM及び10μM)の試験化合物と、30μMの正の対照キニジンとを製剤化した。hERGカリウムイオンチャネルを過剰発現するHEK293細胞を、5%COインキュベータ中、37℃にて培養した。細胞の密度がペトリ皿の80%に達したとき、細胞をリン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄し、続いてトリプシン/EDTAで2~3分間、消化させた。細胞培地を添加して消化を終了させ、次いで溶液を移し、遠心分離して上清を除去し、細胞培地(DMEM、15%ウシ胎児血清及び1%の100×ペニシリン-ストレプトマイシン)を添加した。均一に混合した後、細胞を円型スライド上に滴下し、ペトリ皿中で培養して試験細胞を得た。
チャネル電流を、電気生理学的マニュアルパッチクランプを全細胞記録モードにおいて適用して記録し、即ち末尾電流(対照の電流値)のピーク値を記録した後で電流が安定になるまで細胞外流体を灌流させ、異なる濃度の試験化合物を含有する細胞外流体を灌流させ、hERG電流における医薬の阻害効果が安定になるまで継続的に記録を行い、末尾電流のピーク値(薬物投与後の電流値)を記録した。
この実験の結果を表4に示した。
Figure 0007263659000032
Figure 0007263659000033
Figure 0007263659000034
表2~4を見れば分かるように、本出願の化合物は、CYP酵素に対して弱い誘電効果を有し、hERGチャンネルに対して阻害効果を全く有さず、かつ明らかな心毒性はない。本出願の化合物(例えば化合物1、化合物2、化合物3及び化合物4)は、CYP及びhERGの態様において、より良好な特性を有し、かつより良好な安全性を有する。
実験実施例3:ラット薬学動態(PK)研究
試験化合物をオスのSDラットに5mg/kgの用量で胃内(p.o.)投与した。溶媒系は、p.o.投与の間、0.5%MCとした。p.o.投与後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間にPK研究のために血液を回収した。p.o.投与後15分、1時間、4時間、8時間及び24時間に肝臓組織を回収し、肝臓組織サンプルを、タンパク質沈殿処理に供した後、LC-MS/MSによって分析した。質量分析計はAPI 5500とし、液体クロマトグラフはWaters ACQUITY I-CLASSシステム;クロマトグラフのカラム:Agela ASB C18カラム(2.1mm×50mm、1.9μm);移動相A:水+0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル;流速:0.4mL/分、カラム温度:40℃とした。使用したイオン源はESI源の正のイオンモードとし、走査モードはMultiple Reaction Monitoring(MRM)とした。
試験結果を表5に示した。
Figure 0007263659000035
表5を見れば分かるように、ラットの肝臓における本出願の化合物(例えば化合物3)の曝露は、血漿中の曝露よりも約2345倍高く;肝臓中の薬物濃度は、血漿中の薬物濃度よりも約530倍高く;肝臓中のT1/2は7.20±0.50時間であった。本出願の化合物は、血漿において極めて低い曝露量(AUClast)及び薬物濃度(Cmax)を有し、その一方で、肝臓において極めて高い曝露量及び薬物濃度を有し、そのため、該化合物は、極めて顕著な、肝臓標的特性、及び良好な薬物動態特性を有している。
本出願における他の化合物はまた、上記化合物に対して類似のAUClast及びCmax及びT1/2も有しており、それらは、ラットにおいて、上記のものに対して類似の薬物動態特性を有していた。
要約すると、本出願の化合物は、インビトロの薬物有効性の態様において良好な活性を示し、優れた薬物動態特性及び顕著な肝臓標的特性を有し、そのため、本出願の化合物は、CCR2及びCCR5が媒介する疾患、特に非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)などの治療のための薬物の製造において適用することができる。
本明細書に記載のこれらの実施形態に加えて、先行する叙述によれば、当業者には、本発明に対する多くの修正が明らかである。こうした修正はまた、添付した特許請求の範囲内に落とし込まれることも意図される。本出願中に引用されている各参照文献(全ての特許、特許出願、雑誌、書籍、及び任意の他の出版物を含む)は、参照としてその全体が組み込まれる。

Claims (19)

  1. 一般式Iの化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形
    Figure 0007263659000036

    [式中、
    は、
    Figure 0007263659000037

    であり
    は、-CH -であり
    は、-C(CH -であり
    は、存在せず;
    は、
    Figure 0007263659000038

    であり、各Xは、N及びC-R から選択され、R は、R で任意選択で置換されているC 1~4 アルキルであり、各R は、水素、重水素、C 1~6 アルキル、ハロゲン化C 1~6 アルキル、及びC 3~6 シクロアルキルから独立に選択され、R は、ヒドロキシル及びC 1~4 アルコキシから選択され、
    nは、1である]。
  2. が、Rで任意選択で置換されているC1~4アルキルであり、Rが、ヒドロキシル、メトキシ及びエトキシから選択される、請求項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  3. が、R で任意選択で置換されているC 1~4 アルキルであり、R が、メトキシ及びエトキシから選択される、請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  4. が、n-プロピル及び
    Figure 0007263659000039

    から選択される、請求項1に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  5. が、水素、メチル、トリフルオロメチル及びシクロプロピルから独立に選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  6. 各R が、水素又はメチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  7. Aが、
    Figure 0007263659000040

    から選択される、
    請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  8. 前記化合物が、式II又は式IIa’
    Figure 0007263659000041

    (式中、R、R、R、X、L、L、L及びnは、請求項1~のいずれか一項で定義した通りである)
    によって示される構造を有する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  9. 前記化合物が、
    Figure 0007263659000042

    から選択される、
    請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態、及び1種又は複数の薬学的に許容できる担体を含む、医薬組成物。
  11. CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状を予防する又は治療する1種又は複数の他の薬物を更に含む、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状が、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、硬質キャンディ、散剤、スプレー剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤、ジェル剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤及びシロップ剤から選択される形態にある、請求項10~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態、又は請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物、及び1種又は複数の薬学的に許容できる担体を含む、医薬製剤。
  15. a)第1の治療薬として、請求項1~のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物、若しくはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、若しくはその結晶形態を含む、又は第1の医薬組成物として、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、又は請求項14に記載の医薬製剤を含む、第1の容器と、
    b)第2の治療薬として、少なくとも1種の他の治療薬を含む、又は第2の医薬組成物として、前記他の治療薬を含む医薬組成物を含む、任意選択の第2の容器と、
    c)任意選択の包装仕様書と
    を含む、キット製品。
  16. CCR2及び/又はCCR5が媒介する疾患又は症状の予防又は治療に使用するための、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物、又は請求項14に記載の医薬製剤、又は請求項15に記載のキット製品。
  17. 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の予防又は治療に使用するための、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物、又は請求項14に記載の医薬製剤、又は請求項15に記載のキット製品。
  18. 請求項1~のいずれか一項に記載の式Iの化合物の調製のための方法であって、以下の合成経路:
    Figure 0007263659000043

    [式中、R、n、L、L、L及びAは、請求項1~のいずれか一項に定義した通りであり、Lは、その末端にてアルデヒド基を保持する基であり、Lは、反応後に 変換され、カルボキシル保護基PGは、1つ又は複数のRで任意選択で置換されている以下の基:C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C3~10ヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、C1~6アルキレン-C6~10アリール、C5~12ヘテロアリールから選択され、Rは、水素、重水素、ハロゲン、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシから選択され
    を含む、方法
  19. 以下のステップ:
    ステップI:化合物aを化合物bと反応させて化合物cを得るステップであり、
    前記反応が、好適な有機溶媒中で実施され、前記有機溶媒が、直鎖状又は環状エーテル、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せから選択され;前記反応が、好適な還元剤の存在下で実施され、前記還元剤が、水酸化ホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素カリウム、シアノ水酸化ホウ素ナトリウム及び酢酸水酸化ホウ素カリウムから選択され;前記反応が、好適な酸性条件下で実施され、前記酸が、塩酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸から選択され;前記反応が、-50~100℃にて実施され;前記反応が、1~24時間実施される、ステップと;
    ステップII:化合物cを化合物dと反応させて化合物eを得るステップであり、
    該反応が、好適な有機溶媒中で実施され、前記有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せから選択され;前記反応が、好適な濃縮剤の存在下で実施され、前記濃縮剤が、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル、HATU、HBTU、EEDQ、DEPC、DCC、DIC、EDC、BOP、PyAOP又はPyBOPから選択され;前記反応が、好適な塩基性条件下で実施され、前記塩基が、有機又は無機塩基であり、有機塩基が、トリエチルアミン、DIPEA、ピリジン、NMM又はDMAPから選択され、無機塩基が、NaH、NaOH、Na CO 又はK CO から選択され;前記反応が、0~100℃にて実施され;前記反応が、1~24時間実施される、ステップと;
    ステップIII:化合物eの保護基を除去して一般式Iの化合物を得るステップであり、
    前記反応が、好適な水及び/又は有機溶媒中で実施され、前記有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、アルコール、エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びそれらの任意の組合せから選択され;前記反応が、好適な酸性条件下で実施され、該酸が、塩酸、硫酸又はトリフルオロ酢酸であり;前記反応が、好適な塩基性条件下で実施され、前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであり;前記反応が、-20~100℃にて実施され;前記反応が、1~24時間実施される、ステップと
    を含む、請求項18に記載の方法。
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