JP7261733B2 - 熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、表面修飾窒化ホウ素 - Google Patents

熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、表面修飾窒化ホウ素 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、及び、表面修飾窒化ホウ素に関する。
パーソナルコンピュータ、一般家電、及び自動車等の様々な電気機器に用いられているパワー半導体デバイスは、近年、小型化が急速に進んでいる。小型化に伴い高密度化されたパワー半導体デバイスから発生する熱の制御が困難になっている。
このような問題に対応するため、パワー半導体デバイスからの放熱を促進する熱伝導材料が用いられている。
例えば、特許文献1には、熱伝導性に優れ、被着体との接着性にも優れる電子機器用接着剤シートとして、「少なくとも接着剤層と剥離可能な保護フィルム層を有する電子機器用接着剤シートであって、該接着剤層が(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)熱可塑性樹脂および(D)熱伝導性充填剤を含有し、(D)熱伝導性充填剤が、(d1)窒化アルミニウム、窒化珪素および窒化硼素からなる群から選ばれる平均粒径1~10μmの無機粉末および(d2)平均粒径0.01~1μmの球状アルミナ粉末からなり、その含有量比d1:d2が重量比で95:5~50:50であることを特徴とする電子機器用接着剤シート。(請求項1)」が開示されている。また、上記(D)熱伝導性充填剤としては、シランカップリング剤により表面処理されている熱伝導性充填剤を使用することも提案されている(請求項4)。
特開2008-106231号公報
本発明者らは、特許文献1に記載された電子機器用接着剤シートについて検討したところ、主に接着性について改善の余地があることを知見した。
また、熱伝導材料には、優れた熱伝導性も求められる。
そこで、本発明は、熱伝導性及び接着性に優れた熱伝導材料を与え得る熱伝導材料形成用組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記熱伝導材料形成用組成物に関する、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、及び、表面修飾窒化ホウ素を提供することをも課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
〔1〕
窒化ホウ素と、樹脂バインダー又はその前駆体と、一般式(1)で表される化合物と、を含む、熱伝導材料形成用組成物。
Figure 0007261733000001
一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
ただし、R~Rのうち、少なくとも1つは水酸基を表す。
〔2〕
~Rのうち、少なくとも3つが水酸基を表す、〔1〕に記載の熱伝導材料形成用組成物。
〔3〕
~Rの全てが水酸基を表す、〔1〕又は〔2〕に記載の熱伝導材料形成用組成物。
〔4〕
上記一般式(1)で表される化合物の含有量が、上記窒化ホウ素の含有量に対して、5質量%以下である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の熱伝導材料形成用組成物。
〔5〕
〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の熱伝導材料形成用組成物を硬化して得られる、熱伝導材料。
〔6〕
〔5〕に記載の熱伝導材料からなる、熱伝導シート。
〔7〕
デバイスと、上記デバイス上に配置された〔6〕に記載の熱伝導シートを含む熱伝導層とを有する、熱伝導層付きデバイス。
〔8〕
窒化ホウ素と、上記窒化ホウ素の表面上に吸着した一般式(1)で表される化合物と、を含む、表面修飾窒化ホウ素。
Figure 0007261733000002
一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
ただし、R~Rのうち、少なくとも1つは水酸基を表す。
〔9〕
~Rのうち、少なくとも3つが水酸基を表す、〔8〕に記載の表面修飾窒化ホウ素。
〔10〕
~Rの全てが水酸基を表す、〔8〕又は〔9〕に記載の表面修飾窒化ホウ素。
本発明によれば、熱伝導性及び接着性に優れた熱伝導材料を与え得る熱伝導材料形成用組成物を提供できる。
また、本発明によれば、上記熱伝導材料形成用組成物に関する、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、及び、表面修飾窒化ホウ素を提供できる。
以下、本発明の熱伝導材料形成用組成物、熱伝導材料、熱伝導シート、熱伝導層付きデバイス、表面修飾窒化ホウ素について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」との記載は、「アクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか一方又は双方」の意味を表す。また、「(メタ)アクリルアミド基」との記載は、「アクリルアミド基及びメタクリルアミド基のいずれか一方又は双方」の意味を表す。
本明細書において、酸無水物基は、1価の基であってもよく、2価の基であってもよい。なお、酸無水物基が1価の基を表す場合、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、及び、無水トリメリット酸等の酸無水物から任意の水素原子を除いて得られる置換基が挙げられる。また、酸無水物基が2価の基を表す場合、*-CO-O-CO-*で表される基を意図する(*は結合位置を表す)。
なお、本明細書において、置換又は無置換を明記していない置換基等については、可能な場合、目的とする効果を損なわない範囲で、その基に更に置換基(例えば、後述する置換基群Y)を有していてもよい。例えば、「アルキル基」という表記は、目的とする効果を損なわない範囲で、置換又は無置換のアルキル基(置換基を有してもよいアルキル基)を意味する。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」という場合の置換基の種類、置換基の位置、及び置換基の数は特に制限されない。置換基の数としては、例えば、1個、又は、2個以上が挙げられる。置換基としては、例えば、水素原子を除く1価の非金属原子団が挙げられ、以下の置換基群Yから選択される基が好ましい。
本明細書において、ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。
置換基群Y:
ハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I等)、水酸基、アミノ基、カルボン酸基及びその共役塩基基、無水カルボン酸基、シアネートエステル基、不飽和重合性基、エポキシ基、オキセタニル基、アジリジニル基、チオール基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アルデヒド基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N-アルキルアミノ基、N,N-ジアルキルアミノ基、N-アリールアミノ基、N,N-ジアリールアミノ基、N-アルキル-N-アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N-アルキルカルバモイルオキシ基、N-アリールカルバモイルオキシ基、N,N-ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N-ジアリールカルバモイルオキシ基、N-アルキル-N-アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N-アルキルアシルアミノ基、N-アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアルキルウレイド基、N’-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリールウレイド基、N’-アルキル-N’-アリールウレイド基、N-アルキルウレイド基、N-アリールウレイド基、N’-アルキル-N-アルキルウレイド基、N’-アルキル-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアルキル-N-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアルキル-N-アリールウレイド基、N’-アリール-N-アルキルウレイド基、N’-アリール-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリール-N-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアリール-N-アリールウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アルキルウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N-アルキル-N-アルコキシカルボニルアミノ基、N-アルキル-N-アリーロキシカルボニルアミノ基、N-アリール-N-アルコキシカルボニルアミノ基、N-アリール-N-アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキルカルバモイル基、N-アリールカルバモイル基、N,N-ジアリールカルバモイル基、N-アルキル-N-アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(-SOH)及びその共役塩基基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N-アルキルスルフィナモイル基、N,N-ジアルキルスルフィナモイル基、N-アリールスルフィナモイル基、N,N-ジアリールスルフィナモイル基、N-アルキル-N-アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N-アルキルスルファモイル基、N,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アリールスルファモイル基、N,N-ジアリールスルファモイル基、N-アルキル-N-アリールスルファモイル基、N-アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N-アルキルスルホニルスルファモイル基(-SONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N-アリールスルホニルスルファモイル基(-SONHSO(aryl))及びその共役塩基基、N-アルキルスルホニルカルバモイル基(-CONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N-アリールスルホニルカルバモイル基(-CONHSO(aryl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(-Si(Oalkyl))、アリーロキシシリル基(-Si(Oaryl))、ヒドロキシシリル基(-Si(OH))及びその共役塩基基、ホスホノ基(-PO)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノ基(-PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(-PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(-PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(-POH(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノ基(-POH(aryl))及びその共役塩基基、ホスホノオキシ基(-OPO)及びその共役塩基基、ジアルキルホスホノオキシ基(-OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(-OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(-OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(-OPOH(alkyl))及びその共役塩基基、モノアリールホスホノオキシ基(-OPOH(aryl))及びその共役塩基基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、及びアルキル基。また、上述の各基は、可能な場合、更に置換基(例えば、上述の各基のうちの1以上の基)を有してもよい。例えば、置換基を有してもよいアリール基も、置換基群Yから選択可能な基として含まれる。
置換基群Yから選択される基が炭素原子を有する場合、上記基が有する炭素数としては、例えば、1~20である。
置換基群Yから選択される基が有する水素原子以外の原子の数としては、例えば、1~30である。
また、これらの置換基は、可能であるならば置換基同士、又は置換している基と結合して環を形成してもよいし、していなくてもよい。例えば、アルキル基(又は、アルコキシ基のように、アルキル基を部分構造として含む基におけるアルキル基部分)は、環状のアルキル基(シクロアルキル基)でもよく、部分構造として1以上の環状構造を有するアルキル基でもよい。
[組成物]
本発明の熱伝導材料形成用組成物(以下、単に「組成物」とも言う)は、窒化ホウ素と、樹脂バインダー又はその前駆体と、後述する一般式(1)で表される化合物(以下、「特定化合物」とも言う)と、を含む。
このような構成をとることで本発明の課題が解決されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
窒化ホウ素は、熱伝導性に優れるものの、樹脂バインダーとの密着性が不十分である場合が多い。そのため、従来の窒化ホウ素と樹脂バインダーとを含む熱伝導材料では、樹脂バインダーと窒化ホウ素との間の密着性が不十分であることに起因して熱伝導材料自体の破断(凝集破壊)が生じやすく、所望の接着性を実現することが困難であった。このような問題を解決するために、例えば、シランカップリング剤等を使用して、窒化ホウ素と樹脂バインダーとの密着性の改善を試みられることもあった。しかし、窒化ホウ素の表面には水酸基の量が少なく、十分量のシランカップリング剤が窒化ホウ素粒子の表面に吸着しにくいため、必ずしも望むような成果は得られなかった。
一方で、本発明の組成物において使用される特定化合物は、トリフェニレン骨格に基づく母核を有し、平面構造を有している。このようなトリフェニレン骨格の平面構造が、窒化ホウ素との間で、π-π相互作用を生じ、特定化合物は窒化ホウ素の表面に良好に吸着できたと考えられている。また、特定化合物が上記母核に直接結合する水酸基を有していることも、窒化ホウ素粒子への吸着性の改善に寄与していると考えられている。
このように、本発明の組成物においては、窒化ホウ素の表面に、特定化合物が十分に吸着しているため、組成物から形成された熱伝導材料中の窒化ホウ素は、特定化合物を介して樹脂バインダーと良好に結びつくことができる。その結果、熱伝導材料自体の強度が改善し、接着性の向上につながった、と考えられている。
以下、組成物に含まれる成分について詳述する。
〔樹脂バインダー又はその前駆体(バインダー成分)〕
組成物は、樹脂バインダー又はその前駆体を含む。
以下、樹脂バインダー又はその前駆体を総称して、バインダー成分ともいう。
バインダー成分は、樹脂バインダーそのものであってもよいし、樹脂バインダーの前駆体であってもよい。
樹脂バインダーそのものを使用する組成物としては、例えば、溶媒と、上記溶媒中に溶解したポリマー(樹脂)である樹脂バインダーとを含む組成物が挙げられる。この組成物の溶媒が蒸発することで、上記樹脂バインダーが析出し、上記樹脂バインダーがバインダー(結合剤)として機能する熱伝導材料が得られる。
また、組成物が樹脂バインダーとして熱可塑性樹脂を含む場合、組成物は、例えば、熱可塑性樹脂である樹脂バインダーを含み、溶媒を含まない組成物であってもよい。この組成物を加熱溶融させてから所望の形態で冷却固化して、上記熱可塑性樹脂である樹脂バインダーがバインダー(結合剤)として機能する熱伝導材料を得てもよい。
樹脂バインダーの前駆体は、例えば、組成物から熱伝導材料が形成される過程で、所定の条件で重合及び/又は架橋して、樹脂バインダー(重合体及び/又は架橋体)となる成分である。このように形成された樹脂バインダーが、熱伝導材料中でバインダー(結合剤)として機能する。
樹脂バインダーの前駆体としては、例えば、硬化性化合物が挙げられる。
硬化性化合物としては、熱又は光(紫外光等)等によって重合及び/又は架橋が進行して硬化する化合物が挙げられる。つまり、熱硬化性化合物及び光硬化性化合物が挙げられる。これらの化合物は、ポリマーでもよいしモノマーでもよい。硬化性化合物は、2種以上の化合物(例えば主剤と硬化剤)の混合物であってもよい。なお、樹脂バインダーの前駆体は、後述の表面修飾剤と化学反応してもよい。
樹脂バインダー(樹脂バインダーの前駆体から形成される樹脂バインダーを含む)としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、イソシアネート系樹脂(ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂等)、及び、ラジカル重合体((メタ)アクリル樹脂等)のように重合性二重結合を有する2以上のモノマーが連鎖重合してなる樹脂が挙げられる。
また、樹脂バインダー(樹脂バインダーの前駆体から形成される樹脂バインダーを含む)は、例えば、異なるモノマー間における下記(官能基1/官能基2)の1種以上の組み合わせが反応して形成される樹脂であってもよい。
(官能基1/官能基2)=(重合性二重結合/重合性二重結合)、(重合性二重結合/チオール基)、(カルボン酸ハロゲン化物基(カルボン酸塩化物基等)/一級又は二級アミノ基)、(カルボキシル基/一級又は二級アミノ基)(カルボン酸無水物基/一級又は二級アミノ基)、(カルボキシル基/アジリジン基)、(カルボキシル基/イソシアネート基)、(カルボキシル基/エポキシ基)、(カルボキシル基/ハロゲン化ベンジル基)、(一級又は二級アミノ基/イソシアネート基)、(一級、二級、又は三級アミノ基/ハロゲン化ベンジル基)、(一級アミノ基/アルデヒド類)、(イソシアネート基/イソシアネート基)、(イソシアネート基/水酸基)、(イソシアネート基/エポキシ基)、(水酸基/ハロゲン化ベンジル基)、(水酸基/カルボン酸無水物基)、(水酸基/アルコキシシリル基)、(エポキシ基/一級又は二級アミノ基)、(エポキシ基/カルボン酸無水物基)、(エポキシ基/水酸基)、(エポキシ基/エポキシ基)、(オキセタニル基/エポキシ基)、(アルコキシシリル基/アルコキシシリル基)等。
なお、重合性二重結合は、ラジカル重合等の重合が可能な炭素同士の二重結合を意図し、例えば、(メタ)アクリロイル基、及び、ビニル基における炭素同士の二重結合が挙げられる。
中でも、組成物は、バインダー成分として、樹脂バインダーの前駆体を含むことが好ましく、エポキシ樹脂又はイソシアネート系樹脂を形成可能な樹脂バインダーの前駆体を含むことがより好ましく、エポキシ樹脂を形成可能な樹脂バインダーの前駆体を含むことが更に好ましい。
樹脂バインダーは、一種単独で使用してもよく二種以上を使用してもよい。
<エポキシ樹脂>
樹脂バインダー(特に、樹脂バインダーの前駆体から形成される樹脂バインダー)はエポキシ樹脂が好ましい。
つまり、組成物は、エポキシ樹脂を形成可能なバインダー成分を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂は、エポキシ化合物単独で、又は、エポキシ化合物と他の化合物(フェノール化合物及びアミン化合物等の活性水素基含有化合物、及び/又は、酸無水物等)と重合させて形成できる。
中でも、エポキシ樹脂は、エポキシ化合物と他の化合物(好ましくはフェノール化合物)とを反応して形成されることが好ましい。
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、1分子中に、少なくとも1つのエポキシ基(オキシラニル基)を有する化合物である。
上記エポキシ基は、オキシラン環から1以上の水素原子(好ましくは1の水素原子)を除いてなる基である。上記エポキシ基は、可能な場合、更に置換基(直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1~5のアルキル基等)を有していてもよい
エポキシ化合物が有するエポキシ基の数は、1分子中、2以上が好ましく、2~40がより好ましく、2~10が更に好ましく、2が特に好ましい。
エポキシ化合物の分子量は、150~10000が好ましく、150~1000がより好ましく、200~290が更に好ましい。
エポキシ化合物のエポキシ基含有量は、2.0~20.0mmol/gが好ましく、5.0~15.0mmol/gがより好ましく、6.0~14.0mmol/gが更に好ましい。
なお、上記エポキシ基含有量は、エポキシ化合物1gが有する、エポキシ基の数を意図する。
エポキシ化合物は、芳香環基(好ましくは芳香族炭化水素環基)を有するのも好ましい。
エポキシ化合物は、液晶性を示してもよく示さなくてもよい。
つまり、エポキシ化合物は、液晶化合物であってよい。言い換えれば、エポキシ基を有する液晶化合物であってもよい。
中でも、エポキシ化合物は、ポリヒドロキシ芳香環型のグリシジルエーテル(ポリヒドロキシ芳香環型エポキシ化合物)が好ましい。
上記ポリヒドロキシ芳香環型のグリジジルエーテルは、置換基として2以上(好ましくは2~6、より好ましくは2~3、更に好ましくは2)の水酸基を有する芳香環における、上記2以上の水酸基を、グリシジルエーテル化してなる構造の化合物である。
上記芳香環は、芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよく、芳香族炭化水素環が好ましい。上記芳香環は多環でも単環でもよい。上記芳香環の環員数は5~15が好ましく、6~12がより好ましく、6がより好ましい。
上記芳香環は、水酸基以外の置換基を有していても有していなくてもよい。
上記ポリヒドロキシ芳香環型のグリジジルエーテルとしては、例えば、1,3-フェニレンビス(グリシジルエーテル)が挙げられる。
他にも、エポキシ化合物としては、例えば、少なくとも部分的に棒状構造を含む化合物(棒状化合物)、及び、少なくとも部分的に円盤状構造を含む化合物円盤状化合物が挙げられる。
以下、棒状化合物及び円盤状化合物について詳述する。
・棒状化合物
棒状化合物であるエポキシ化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が挙げられる。以上のような低分子化合物だけではなく、高分子化合物も使用できる。上記高分子化合物は、低分子の反応性基を有する棒状化合物が重合した高分子化合物である。
好ましい棒状化合物としては、下記一般式(XXI)で表される棒状化合物が挙げられる。
一般式(XXI):Q-L111-A111-L113-M-L114-A112-L112-Q
一般式(XXI)中、Q及びQはそれぞれ独立に、エポキシ基であり、L111、L112、L113、及び、L114はそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。A111及びA112はそれぞれ独立に、炭素数1~20の2価の連結基(スペーサ基)を表す。Mはメソゲン基を表す。
及びQのエポキシ基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
一般式(XXI)中、L111、L112、L113、及び、L114はそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
111、L112、L113、及び、L114で表される2価の連結基としては、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-NR112-、-CO-O-、-O-CO-O-、-CO-NR112-、-NR112-CO-、-O-CO-、-CH-O-、-O-CH-、-O-CO-NR112-、-NR112-CO-O-、及び、-NR112-CO-NR112-からなる群より選ばれる2価の連結基であるのが好ましい。上記R112は炭素数1~7のアルキル基又は水素原子である。
中でも、L113及びL114は、それぞれ独立に、-O-が好ましい。
111及びL112は、それぞれ独立に、単結合が好ましい。
一般式(XXI)中、A111及びA112は、それぞれ独立に、炭素数1~20の2価の連結基を表す。
2価の連結基は、隣接していない酸素原子及び硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。中でも、炭素数1~12の、アルキレン基、アルケニレン基、又は、アルキニレン基が好ましい。上記、アルキレン基、アルケニレン基、又は、アルキニレン基がエステル基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
2価の連結基は直鎖状であるのが好ましく、また、上記2価の連結基は置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子)、シアノ基、メチル基、及び、エチル基が挙げられる。
中でも、A111及びA112は、それぞれ独立に、炭素数1~12のアルキレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。
一般式(XXI)中、Mはメソゲン基を表し、上記メソゲン基としては、公知のメソゲン基が挙げられる。中でも、下記一般式(XXII)で表される基が好ましい。
一般式(XXII):-(W-L115-W
一般式(XXII)式中、W及びWは、それぞれ独立に、2価の環状アルキレン基、2価の環状アルケニレン基、アリーレン基、又は、2価のヘテロ環基を表す。L115は、単結合又は2価の連結基を表す。nは、1~4の整数を表す。
及びWとしては、例えば、1,4-シクロヘキセンジイル、1,4-シクロヘキサンジイル、1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、1,3,4-チアジアゾール-2,5-ジイル、1,3,4-オキサジアゾール-2,5-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、ナフタレン-1,5-ジイル、チオフェン-2,5-ジイル、及び、ピリダジン-3,6-ジイルが挙げられる。1,4-シクロヘキサンジイルの場合、トランス体及びシス体の構造異性体のどちらの異性体であってもよく、任意の割合の混合物でもよい。中でも、トランス体が好ましい。
及びWは、それぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、上述した置換基群Yで例示された基が挙げられ、より具体的には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子)、シアノ基、炭素数1~10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)、炭素数1~10のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、及び、エトキシ基等)、炭素数1~10のアシル基(例えば、ホルミル基、及び、アセチル基等)、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、及び、エトキシカルボニル基等)、炭素数1~10のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、及び、プロピオニルオキシ基等)、ニトロ基、トリフルオロメチル基、及び、ジフルオロメチル基等が挙げられる。
が複数存在する場合、複数存在するWは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(XXII)式中、L115は、単結合又は2価の連結基を表す。L115で表される2価の連結基としては、上述したL111~L114で表される2価の連結基の具体例が挙げられ、例えば、-CO-O-、-O-CO-、-CH-O-、及び、-O-CH-が挙げられる。
115が複数存在する場合、複数存在するL115は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(XXII)で表されるメソゲン基の基本骨格で好ましい骨格を、以下に例示する。上記メソゲン基は、これらの骨格に置換基が置換していてもよい。
Figure 0007261733000003
Figure 0007261733000004
・円盤状化合物
円盤状化合物であるエポキシ化合物は、少なくとも部分的に円盤状構造を有する。
円盤状構造は、少なくとも、脂環又は芳香族環を有する。特に、円盤状構造が、芳香族環を有する場合、円盤状化合物は、分子間のπ-π相互作用によるスタッキング構造の形成により柱状構造を形成しうる。
円盤状構造として、具体的には、Angew.Chem.Int. Ed. 2012, 51, 7990-7993又は特開平7-306317号公報に記載のトリフェニレン構造、並びに、特開2007-2220号公報及び特開2010-244038号公報に記載の3置換ベンゼン構造等が挙げられる。
エポキシ化合物として円盤状化合物を用いれば、高い熱伝導性を示す熱伝導材料が得られる。その理由としては、棒状化合物が直線的(一次元的)にしか熱伝導できないのに対して、円盤状化合物は法線方向に平面的(二次元的)に熱伝導できるため、熱伝導パスが増え、熱伝導率が向上する、と考えられる。
上記円盤状化合物は、エポキシ基を3つ以上有するのが好ましい。3つ以上のエポキシ基を有する円盤状化合物を含む組成物の硬化物はガラス転移温度が高く、耐熱性が高い傾向がある。
円盤状化合物が有するエポキシ基の数は、8以下が好ましく、6以下より好ましい。
円盤状化合物の具体例としては、C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994)、及び特許第4592225号に記載されている化合物等において末端の少なくとも1つ(好ましくは3つ以上)をエポキシ基とした化合物が挙げられる。
が挙げられる。円盤状化合物としては、Angew.Chem.Int. Ed. 2012, 51, 7990-7993、及び特開平7-306317号公報に記載のトリフェニレン構造、並びに特開2007-2220号公報、及び、特開2010-244038号公報に記載の3置換ベンゼン構造において末端の少なくとも1つ(好ましくは3つ以上)をエポキシ基とした化合物等が挙げられる。
・その他のエポキシ化合物
上述のエポキシ化合物以外の、その他のエポキシ化合物としては、例えば、一般式(DN)で表されるエポキシ化合物が挙げられる。
Figure 0007261733000005
一般式(DN)中、nDNは、0以上の整数を表し、0~5が好ましく、1がより好ましい。
DNは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-S-、アルキレン基(炭素数は、1~10が好ましい。)、アリーレン基(炭素数は、6~20が好ましい。)、又は、これらの組み合わせからなる基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、メチレン基がより好ましい。
その他のエポキシ化合物としては、エポキシ基が、縮環している化合物も挙げられる。このような化合物としては、例えば、3,4:8,9-ジエポキシビシクロ[4.3.0]ノナン等が挙げられる。
その他のエポキシ化合物としては、他にも、例えば、ビスフェノールA、F、S、AD等のグリシジルエーテルであるビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物等;水素添加したビスフェノールA型エポキシ化合物、水素添加したビスフェノールAD型エポキシ化合物等;フェノールノボラック型のグリシジルエーテル(フェノールノボラック型エポキシ化合物)、クレゾールノボラック型のグリシジルエーテル(クレゾールノボラック型エポキシ化合物)、ビスフェノールAノボラック型のグリシジルエーテル等;ジシクロペンタジエン型のグリシジルエーテル(ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物);ジヒドロキシペンタジエン型のグリシジルエーテル(ジヒドロキシペンタジエン型エポキシ化合物);ベンゼンポリカルボン酸型のグリシジルエステル(ベンゼンポリカルボン酸型エポキシ化合物);及び、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物が挙げられる。
エポキシ化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
(活性水素基含有化合物)
エポキシ樹脂は、エポキシ化合物と活性水素基含有化合物とを反応させて形成することが好ましい。
活性水素基含有化合物は、活性水素を有する基(活性水素基)を、1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは2~10個)有する化合物である。
なお、ここでいう活性水素基含有化合物に後述する特定化合物は含まない。
活性水素基としては、例えば、水酸基、一級又は二級アミノ基、及び、メルカプト基等が挙げられ、中でも、水酸基が好ましい。
活性水素基含有化合物は水酸基を2個以上(好ましくは3個以上、より好ましくは3~6個)有するポリオールであることが好ましい。
中でも、エポキシ化合物と組み合わせて使用される活性水素基含有化合物は、フェノール化合物が好ましい。
つまり、本発明の組成物は、エポキシ化合物及びフェノール化合物を含むことが好ましい。
フェノール化合物は、フェノール性水酸基を1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、更に好ましくは3~6個)有する化合物である。
本発明の効果がより優れる点から、フェノール化合物としては、一般式(P1)で表される化合物が挙げられる。
・一般式(P1)で表される化合物
一般式(P1)を以下に示す。
Figure 0007261733000006
一般式(P1)中、m1は0以上の整数を表す。
m1は、0~10が好ましく、0~3がより好ましく、0又は1が更に好ましく、1が特に好ましい。
一般式(P1)中、na及びncは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
na及びncは、それぞれ独立に、1~4が好ましい。
一般式(P1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボン酸基、ボロン酸基、アルデヒド基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基を表す。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。上記アルキル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。
上記アルコキシ基におけるアルキル基部分、及び、上記アルコキシカルボニル基におけるアルキル基部分は、上記アルキル基と同様である。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子が好ましく、水素原子又は塩素原子がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
一般式(P1)中、Rは、水素原子又は水酸基を表す。
が複数存在する場合、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
が複数存在する場合、複数存在するRのうち、少なくとも1個のRが水酸基を表すのも好ましい。
一般式(P1)中、Lx1は、単結合、-C(R)(R)-、又は、-CO-を表し、-C(R)(R)-又は-CO-が好ましい。
x2は、単結合、-C(R)(R)-、又は、-CO-を表し、-C(R)(R)-、又は、-CO-が好ましい。
~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
上記置換基は、それぞれ独立に、水酸基、フェニル基、ハロゲン原子、カルボン酸基、ボロン酸基、アルデヒド基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基が好ましく、水酸基、ハロゲン原子、カルボン酸基、ボロン酸基、アルデヒド基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基がより好ましい。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。上記アルキル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。
上記アルコキシ基におけるアルキル基部分、及び、上記アルコキシカルボニル基におけるアルキル基部分は、上記アルキル基と同様である。
上記フェニル基は、置換基を有していても有していなくてもよく、置換基を有する場合は1~3個の水酸基を有するのがより好ましい。
~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基が好ましく、水素原子がより好ましい。
x1及びLx2は、それぞれ独立に、-CH-、-CH(OH)-、-CO-、又は、
-CH(Ph)-が好ましい。
上記Phは置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
なお、一般式(P1)中に、Rが複数存在する場合、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Rが複数存在する場合、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(P1)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、ベンゼン環基又はナフタレン環基を表す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、ベンゼン環基が好ましい。
一般式(P1)中、Qは、水素原子、アルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、カルボン酸基、ボロン酸基、アルデヒド基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基を表す。
上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。上記アルキル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。
上記アルコキシ基におけるアルキル基部分、及び、上記アルコキシカルボニル基におけるアルキル基部分は、上記アルキル基と同様である。
上記フェニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。
は、Qが結合するベンゼン環基が有してもよい水酸基に対して、パラ位に結合するのが好ましい。
は、水素原子又はアルキル基が好ましい。上記アルキル基はメチル基が好ましい。
なお、一般式(P1)中にR、Lx2、及び/又は、Qが複数存在する場合、複数存在するR、Lx2、及び/又は、Qは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
その他にもフェノール化合物としては、例えば、ベンゼントリオールなどのベンゼンポリオール、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールフェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトールクレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、又は、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂等も好ましい。
フェノール化合物の水酸基含有量の下限値は、3.0mmol/g以上が好ましく、7.0mmol/g以上がより好ましい。上限値は、25.0mmol/g以下が好ましく、20.0mmol/g以下がより好ましい。
なお、上記水酸基含有量は、フェノール化合物1gが有する、水酸基(好ましくはフェノール性水酸基)の数を意図する。
また、フェノール化合物は、水酸基以外にも、エポキシ化合物と重合反応できる活性水素含有基(カルボン酸基等)を有していてもよい。フェノール化合物の活性水素の含有量(水酸基及びカルボン酸基等における水素原子の合計含有量)の下限値は、3.0mmol/g以上が好ましく、7.0mmol/g以上がより好ましい。上限値は、25.0mmol/g以下が好ましく、20.0mmol/g以下がより好ましい。
なお、上記活性水素の含有量は、フェノール化合物1gが有する、活性水素原子の数を意図する。
フェノール化合物の分子量の上限値は、600以下が好ましく、500以下がより好ましく、450以下が更に好ましく、400以下が特に好ましい。下限値は、110以上が好ましく、300以上がより好ましい。
フェノール化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
<イソシアネート系樹脂>
樹脂バインダー(特に、樹脂バインダーの前駆体から形成される樹脂バインダー)はイソシアネート系樹脂(ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及び/又は、ポリウレタンウレア樹脂等)も好ましい。
つまり、組成物は、イソシアネート系樹脂を形成可能なバインダー成分を含むことも好ましい。
中でも、イソシアネート系樹としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及び、ポリウレタンウレア樹脂が挙げられ、ポリウレタン樹脂が好ましい。
イソシアネート系樹脂は、例えば、イソシアネート化合物を用いて形成でき、イソシアネート化合物と活性水素基含有化合物とを反応させて形成することが好ましい。
(イソシアネート化合物)
イソシアネート化合物は、イソシアネート基を1個以上(好ましくは2個以上、より好ましくは2~10個)有する化合物である。
イソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上(好ましくは2~10個)有するポリイソシアネートであることが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、及び、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネートが挙げられ、例えば、フェニレンジイソシアネート(m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート等)、トルエンジイソシアネート(2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート等)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1,4-ジイソシアネート、キシリレン-1,3-ジイソシアネート、4-クロロキシリレン-1,3-ジイソシアネート、2-メチルキシリレン-1,3-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、及び、4,4’-ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂肪族ジイソシアネートが挙げられ、例えば、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、及び、水素化キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
なお、上記では2官能の芳香族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネートを例示したが、ポリイソシアネートとしては、3官能以上のポリイソシアネート(例えば、3官能のトリイソシアネート、及び、4官能のテトライソシアネート)も挙げられる。
より具体的には、ポリイソシアネートとしては、上記の2官能のポリイソシアネートの3量体であるビューレット体もしくはイソシアヌレート体、トリメチロールプロパン等のポリオールと2官能のポリイソシアネートとのアダクト体(付加体)、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等の重合性基を有するポリイソシアネート、及び、リジントリイソシアネートも挙げられる。
ポリイソシアネートについては「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社発行(1987))に記載されている。
中でも、ポリイソシアネートの好適態様の一つとしては、3官能以上のポリイソシアネート(多官能のポリイソシアネート)が好ましい。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、例えば、3官能以上の芳香族ポリイソシアネート、及び、3官能以上の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、芳香族又は脂環族ジイソシアネートと1分子中に3つ以上の活性水素基を有する化合物(例えば、3官能以上の、ポリオール、ポリアミン、又はポリチオール等)とのアダクト体(付加物)である3官能以上のポリイソシアネート(アダクト型である3官能以上のポリイソシアネート)、及び、芳香族又は脂環族ジイソシアネートの3量体(ビウレット型又はイソシアヌレート型)も好ましく、上記アダクト体(付加物)である3官能以上のポリイソシアネートがより好ましい。
上記アダクト体である3官能以上のポリイソシアネートとしては、芳香族又は脂環族ジイソシアネートと1分子中に3つ以上の水酸基を有するポリオールとのアダクト体である3官能以上のポリイソシアネートが好ましく、芳香族又は脂環族ジイソシアネートと1分子中に3つの水酸基を有するポリオールとのアダクト体である3官能のポリイソシアネートがより好ましい。
上記アダクト体としては、本発明の効果がより優れる点で、芳香族ジイソシアネートを用いて得られるアダクト体を用いることが好ましい。
上記ポリオールとしては、例えば、3官能以上の低分子ポリオールが好ましく、トリメチロールプロパンがより好ましい。
また、ポリイソシアネートとしては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートも好ましい。
(活性水素基含有化合物)
イソシアネート系樹脂は、イソシアネート化合物と活性水素基含有化合物とを反応させて形成することが好ましい。
つまり、本発明の組成物は、イソシアネート化合物及び活性水素基含有化合物(フェノール化合物等)を含むことも好ましい。
イソシアネート化合物と共に使用できる活性水素基含有化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を形成し得る成分として説明した活性水素基含有化合物(フェノール化合物等)が挙げられる。
組成物が、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物と、活性水素基含有化合物とを含む場合、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物の含有量と、活性水素基含有化合物の含有量との比は、エポキシ化合物のエポキシ基及び/又はイソシアネート化合物のイソシアネート基と、活性水素基含有化合物の活性水素基(好ましくは水酸基、より好ましくはフェノール性水酸基)との当量比(「エポキシ基及び/又はイソシアネート基の数」/「活性水素基の数」)が、30/70~70/30となる量が好ましく、40/60~60/40となる量がより好ましく、45/55~55/45となる量が更に好ましい。
組成物が、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物と、活性水素基含有化合物とを含む場合、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物と、活性水素基含有化合物との合計含有量は、全バインダー成分に対して、20~100質量%が好ましく、60~100質量%がより好ましく、90~100質量%が更に好ましい。
また、組成物中、バインダー成分の含有量は、組成物の全固形分に対して、5~90質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、15~40質量%が更に好ましい。
なお、全固形分とは、熱伝導材料を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。ここでいう、熱伝導材料を形成する成分は、熱伝導材料を形成する際に反応(重合)して化学構造が変化する成分でもよい。また、熱伝導材料を形成する成分であれば、その性状が液体状であっても、固形分とみなす。
〔窒化ホウ素〕
組成物は、窒化ホウ素(BN)を含む。
組成物中の窒化ホウ素は、通常、粉体である。
窒化ホウ素の形状は、特に制限されず、鱗片状、平板状、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、凝集状、及び、不定形状のいずれであってもよい。
窒化ホウ素の大きさは特に制限されないが、窒化ホウ素の分散性がより優れる点で、窒化ホウ素の平均粒径は500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、取り扱い性の点で、10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
窒化ホウ素の平均粒径としては、市販品を用いる場合、カタログ値を採用する。カタログ値が無い場合、上記平均粒径の測定方法としては、電子顕微鏡を用いて、100個の窒化ホウ素を無作為に選択して、それぞれの窒化ホウ素の粒径(長径)を測定し、それらを算術平均して求める。
窒化ホウ素は、1種のみを使用していてもよいし、2種以上を使用してもよい。
なお、本発明の組成物が、事前に作製された表面修飾窒化ホウ素(表面修飾窒化ホウ素については後述する)を用いて調製される場合、窒化ホウ素は、表面修飾窒化ホウ素に含まれる形態で組成物中に導入されていてもよい。組成物中に表面修飾窒化ホウ素が含まれている場合、上記表面修飾窒化ホウ素を構成する窒化ホウ素は、組成物に含まれる窒化ホウ素の含有量としても計上される。この点は、後述する特定化合物についても同様である。
組成物中における窒化ホウ素の含有量は、組成物の全固形分に対して、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。上限は100質量%未満であり、95質量%以下が好ましい。
〔一般式(1)で表される化合物(特定化合物)〕
本発明の組成物は特定化合物を含む。
特定化合物は、一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0007261733000007
一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
ただし、R~Rのうち、少なくとも1つは水酸基を表す。
~Rのうち、少なくとも3つが水酸基を表すことが好ましい。例えば、R及びRのうち一方又は両方が水酸基を表すことが好ましく、R及びRのうち一方又は両方が水酸基を表すことが好ましく、R及びRのうち一方又は両方が水酸基を表すことが好ましい。
中でも、R~Rのうち、6つが水酸基を表すことがより好ましい。つまり、R~Rの全てが水酸基を表すことがより好ましい。
また、R~Rのうちの水酸基の数が3以上6未満の場合、水酸基以外の基は、水素原子であることも好ましい。
~Rが水酸基以外の置換基である場合、上記置換基は、水酸基(好ましくはフェノール性水酸基)を一部に有する基であることが好ましい。
上記水酸基を一部に有する基が有する水酸基(好ましくはフェノール性水酸基)の数は、1~10が好ましく、1がより好ましい。
上記水酸基を一部に有する基は、「*-X11-L11-OH」で表される基が好ましい。
複数の「*-X11-L11-OH」が存在する場合、複数の「*-X11-L11-OH」は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
「*-X11-L11-OH」中、*は、結合位置を表す。
「*-X11-L11-OH」中、X11は、単結合、-O-、-CO-、-NH-、-O-CO-、-O-CO-O-、-O-CO-NH-、-O-CO-S-、-CO-O-、-CO-NH-、-CO-S-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-NH-CO-NH-、-NH-CO-S-、-S-、-S-CO-、-S-CO-O-、-S-CO-NH-、又は、-S-CO-S-を表す。
「*-X11-L11-OH」中、L11は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
ただし、同一の「*-X11-L11-OH」中において、X11とL11とが両方単結合であることはない。
2価の連結基の例としては、-O-、-O-CO-、-CO-O-、-S-、-NH-、アルキレン基(炭素数は、1~10が好ましく、1~8がより好ましく、1~7が更に好ましい。)、アリーレン基(炭素数は、6~20が好ましく、6~14がより好ましく、6~10が更に好ましい。)、又は、これらの組み合わせからなる基が挙げられる。
上記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、及び、ヘプチレン基が挙げられる。
上記アリーレン基としては、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、及び、アントラセニレン基が挙げられ、1,4-フェニレン基が好ましい。
上記アルキレン基及び上記アリーレン基はそれぞれ置換基を有していてもよい。置換基の数は、1~3が好ましく、1がより好ましい。置換基の置換位置は特に制限されない。置換基としては、ハロゲン原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記アルキレン基及び上記アリーレン基は無置換であることも好ましい。
「*-X11-L11-OH」中の、-X11-L11-の例として、以下に示すL101~L127が挙げられる。
なお、以下のL101~L127において、ALは、アルキレン基(炭素数は、1~10が好ましく、1~8がより好ましく、1~7が更に好ましい。)又はアルケニレン基(炭素数は、2~10が好ましく、2~8がより好ましく、2~7が更に好ましい。)を意味し、ARはアリーレン基(炭素数は、6~20が好ましく、6~14がより好ましく、6~10が更に好ましい)を意味する。また、左側の結合手が一般式(1)中における母核(トリフェニレン骨格)に結合し、右側の結合手がOHに結合する。
L101:-AL-CO-O-AL-
L102:-AL-CO-O-AL-O-AL-
L103:-CO-AR-O-AL-
L104:-CO-NH-AL-
L105:-O-AL-
L106:-O-AL-O-CO-NH-AL-
L107:-O-AL-S-AL-
L108:-S-AL-
L109:-S-AL-S-AL-
L110:-S-AR-AL-
L111:-O-CO-AL-
L112:-O-CO-AR-O-AL-
L113:-O-CO-AR-O-AL-O-CO-AL-S-AR-
L114:-O-CO-AL-S-AR-
L115:-O-CO-AR-O-AL-O-CO-AL-S-AL-
L116:-O-CO-AL-S-AR-
L117:-O-AL-S-AR-
L118:-AL-CO-O-AL-O-CO-AL-S-AR-
L119:-AL-CO-O-AL-O-CO-AL-S-AL-
L120:-O-AL-O-AR-
L121:-O-AL-O-CO-AR-
L122:-O-AL-NH-AR-
L123:-O-CO-AL-O-AR-
L124:-O-CO-AR-O-AL-O-AR-
L125:-AL-CO-O-AR-
L126:-AL-CO-O-AL-O-AR-
L127:-O-CO-AR-
特定化合物は、通常、上述の窒化ホウ素を表面修飾する表面修飾剤として機能する。
本明細書において、「表面修飾」とは窒化ホウ素の表面の少なくとも一部に有機物が吸着している状態を意味する。吸着の形態は特に限定されず、結合している状態であればよい。すなわち、表面修飾は、有機物の一部が脱離して得られる有機基が窒化ホウ素表面に結合している状態も含む。結合は、π-π相互作用による結合、共有結合、配位結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス結合、及び、金属結合等、いずれの結合であってもよく、本発明者らは、特に、π-π相互作用による結合が特定化合物の窒化ホウ素表面への良好な吸着性に寄与していると考えている。表面修飾は、表面の少なくとも一部に単分子膜を形成するようになされていてもよい。単分子膜は、有機分子の化学吸着によって形成される単層膜であり、Self-AssembledMonoLayer(SAM)として知られている。なお、本明細書において、表面修飾は、窒化ホウ素の表面の一部のみであっても、全体であってもよい。
つまり、本発明の組成物において、窒化ホウ素は、特定化合物と共同して、表面修飾窒化ホウ素を構成していてもよい。
なお、少なくとも一部の特定化合物が、窒化ホウ素に吸着せずに組成物中に存在していてもよい。
また、本発明の組成物が、事前に作製された表面修飾窒化ホウ素を用いて調製される場合、特定化合物は、表面修飾窒化ホウ素に含まれる形態で組成物中に導入されていてもよい。つまり、組成物に導入される特定化合物は、表面修飾窒化ホウ素に由来する特定化合物のみであってもよい。
組成物の全固形分に対する、特定化合物の含有量の下限は、0.00001質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、0.01質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
組成物の全固形分に対する、特定化合物の含有量の上限は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
組成物中、窒化ホウ素の含有量に対する、特定化合物の含有量の下限は、0.00001質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、0.01質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
組成物中、窒化ホウ素の含有量に対する、特定化合物の含有量の上限は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
特定化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
〔硬化促進剤〕
組成物は、更に、硬化促進剤を含んでいてもよい。
特に組成物が、樹脂バインダーの前駆体を含む場合において、樹脂バインダーの前駆体から、樹脂バインダーを形成するための硬化促進剤を含むことが好ましい。
使用する硬化促進剤の種類は、樹脂バインダーの前駆体の種類等を考慮して、適宜決定すればよい。
硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、三フッ化ホウ素アミン錯体、及び、特開2012-67225号公報の段落0052に記載の化合物が挙げられる。その他にも、2-メチルイミダゾール(商品名;2MZ)、2-ウンデシルイミダゾール(商品名;C11-Z)、2-ヘプタデシルイミダゾール(商品名;C17Z)、1,2-ジメチルイミダゾール(商品名;1.2DMZ)、2-エチル-4-メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2-フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2-フェニル-4-メチルイミダゾール(商品名;2P4MZ)、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール(商品名;1B2MZ)、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール(商品名;1B2PZ)、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール(商品名;2MZ-CN)、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z-CN)、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(商品名;2PZCNS-PW)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2MZ-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;C11Z-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2E4MZ-A)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MA-OK)、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2PHZ-PW)、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2P4MHZ-PW)、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール(商品名;2PZ-CN)、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(商品名;2MZA-PW)、及び、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物(商品名;2MAOK-PW)などのイミダゾール系硬化促進剤等が挙げられる(いずれも四国化成工業(株)製)。更に、トリアリールホスフィン系の硬化促進剤として特開2004-43405号公報の段落0052に記載の化合物も挙げられる。トリアリールホスフィンにトリフェニルボランが付加したリン系硬化促進剤として、特開2014-5382の段落0024に記載の化合物も挙げられる。
硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく2種以上使用してもよい。
例えば、組成物が、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物を含む場合において、硬化促進剤の含有量は、エポキシ化合物及び/又はイソシアネート化合物の全量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.10~5質量%がより好ましい。
〔分散剤〕
組成物は、更に、分散剤を含んでいてもよい。
組成物が分散剤を含むと、組成物中での無機物(表面修飾窒化ホウ素を形成していてもよい窒化ホウ素及び/又は窒化ホウ素以外の無機物等)の分散性が向上し、より優れた熱伝導率と接着性を実現できる。
分散剤としては、通常使用される分散剤から適宜選択できる。例えば、DISPERBYK-106(BYK-Chemie GmbH製)、DISPERBYK-111(BYK-Chemie GmbH製)、ED-113(楠本化成株式会社製)、アジスパーPN-411(味の素ファインテクノ製)、及び、REB122-4(日立化成工業製)等が挙げられる。
分散剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。
分散剤の含有量は、全無機物(表面修飾窒化ホウ素を形成していてもよい窒化ホウ素及び/又は窒化ホウ素以外の無機物等の合計)に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
〔溶媒〕
組成物は、更に、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒の種類は特に制限されず、有機溶媒であるのが好ましい。有機溶媒としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、及び、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、組成物の固形分濃度を、20~90質量%とする量が好ましく、30~80質量%とする量がより好ましく、50~80質量%とする量が更に好ましい。
〔その他の成分〕
組成物は、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、特定化合物以外の表面吸着剤、窒化ホウ素以外の無機物、及び、重合開始剤(光重合開始剤又は熱重合開始剤等)が挙げられる。
〔組成物の製造方法〕
組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、上述した各種成分を混合して製造できる。
表面修飾窒化ホウ素に含まれた形態で特定化合物及び/又は窒化ホウ素を、各種成分と混合して、組成物中に特定化合物及び/又は窒化ホウ素の全部又は一部を導入してもよい。
また、表面修飾窒化ホウ素に含まれた形態で導入される特定化合物及び/又は窒化ホウ素以外の、表面修飾窒化ホウ素を形成していない状態の特定化合物及び/又は窒化ホウ素を他の成分と混合し、組成物中に特定化合物及び/又は窒化ホウ素の全部又は一部を導入してもよい。この場合、混合の過程で、特定化合物が窒化ホウ素の表面に吸着し、組成物中で、表面修飾窒化ホウ素を形成することも好ましい。
混合する際には、各種成分を一括で混合しても、順次混合してもよい。
成分を混合する方法に特に制限はなく、公知の方法を使用できる。混合に使用する混合装置は、液中分散機が好ましく、例えば、自転公転ミキサー、高速回転せん断型撹拌機等の撹拌機、コロイドミル、ロールミル、高圧噴射式分散機、超音波分散機、ビーズミル、及び、ホモジナイザーが挙げられる。混合装置は1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。混合の前後に、及び/又は、同時に、脱気処理を行ってもよい。
〔組成物の硬化方法〕
本発明の組成物を硬化処理して本発明の熱伝導材料が得られる。
組成物の硬化方法は、特に制限されないが、熱硬化反応が好ましい。
熱硬化反応の際の加熱温度は特に制限されない。例えば、50~250℃の範囲で適宜選択すればよい。また、熱硬化反応を行う際には、温度の異なる加熱処理を複数回にわたって実施してもよい。
硬化処理は、フィルム状又はシート状とした組成物について行うのが好ましい。具体的には、例えば、組成物を塗布成膜し硬化反応を行えばよい。
硬化処理を行う際は、基材上に組成物を塗布して塗膜を形成してから硬化させるのが好ましい。この際、基材上に形成した塗膜に、更に異なる基材を接触させてから硬化処理を行ってもよい。硬化後に得られた硬化物(熱伝導材料)は、基材の一方又は両方と分離してもよいし分離しなくてもよい。
また、硬化処理を行う際に、別々の基材上に組成物を塗布して、それぞれ塗膜を形成し、得られた塗膜同士を接触させた状態で硬化処理を行ってもよい。硬化後に得られた硬化物(熱伝導材料)は、基材の一方又は両方と分離してもよいし分離しなくてもよい。
硬化処理の際には、プレス加工を行ってもよい。プレス加工に使用するプレスに制限はなく、例えば、平板プレスを使用してもよいしロールプレスを使用してもよい。
ロールプレスを使用する場合は、例えば、基材上に塗膜を形成して得た塗膜付き基材を、2本のロールが対向する1対のロールに挟持し、上記1対のロールを回転させて上記塗膜付き基材を通過させながら、上記塗膜付き基材の膜厚方向に圧力を付加するのが好ましい。上記塗膜付き基材は、塗膜の片面にのみ基材が存在していてもよいし、塗膜の両面に基材が存在していてもよい。上記塗膜付き基材は、ロールプレスに1回だけ通過させてもよいし複数回通過させてもよい。
平板プレスによる処理とロールプレスによる処理とは一方のみを実施してもよいし両方を実施してもよい。
また、硬化処理は、組成物を半硬化状態にした時点で終了してもよい。半硬化状態の本発明の熱伝導材料を、使用されるデバイス等に接触するように配置した後、更に加熱等により硬化を進行させ、本硬化させてもよい。上記本硬化させる際の加熱等によって、デバイスと本発明の熱伝導材料とが接着するのも好ましい。
硬化反応を含む熱伝導材料の作製については、「高熱伝導性コンポジット材料」(シーエムシー出版、竹澤由高著)を参照できる。
熱伝導材料の形状に特に制限はなく、用途に応じて様々な形状に成形できる。成形された熱伝導材料の典型的な形状としては、例えば、シート状が挙げられる。
つまり、本発明の熱伝導材料は、熱伝導シートであるのも好ましい。
また、本発明の熱伝導材料の熱伝導性は異方的ではなく等方的であるのが好ましい。
熱伝導材料は、絶縁性(電気絶縁性)であるのが好ましい。言い換えると、本発明の組成物は、熱伝導性絶縁組成物であるのが好ましい。
例えば、熱伝導材料の23℃相対湿度65%における体積抵抗率は、1010Ω・cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好ましく、1014Ω・cm以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、通常1018Ω・cm以下である。
[熱伝導材料の用途]
本発明の熱伝導材料は放熱シート等の放熱材として使用でき、各種デバイスの放熱用途に使用できる。より具体的には、デバイス上に本発明の熱伝導材料を含む熱伝導層を配置して熱伝導層付きデバイスを作製して、デバイスからの発熱を効率的に熱伝導層で放熱できる。
本発明の熱伝導材料は十分な熱伝導性を有するとともに、高い耐熱性を有しているため、パーソナルコンピュータ、一般家電、及び、自動車等の様々な電気機器に用いられているパワー半導体デバイスの放熱用途に適している。
更に、本発明の熱伝導材料は、半硬化状態であっても十分な熱伝導性を有するため、各種装置の部材の隙間等の、光硬化のための光を到達させるのが困難な部位に配置する放熱材としても使用できる。また、接着性にも優れるため、熱伝導性を有する接着剤としての使用も可能である。
本発明の熱伝導材料は、本組成物から形成される部材以外の、他の部材と組み合わせて使用されてもよい。
例えば、シート状の熱伝導材料(熱伝導シート)は、本組成物から形成された層の他の、シート状の支持体と組み合わせられていてもよい。
シート状の支持体としては、プラスチックフィルム、金属フィルム、又は、ガラス板が挙げられる。プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、及び、シリコーンが挙げられる。金属フィルムとしては、銅フィルムが挙げられる。
[表面修飾窒化ホウ素]
本発明は、表面修飾窒化ホウ素にも関する。
本発明の表面修飾窒化ホウ素は、窒化ホウ素と、上記窒化ホウ素の表面上に吸着(表面修飾)した特定化合物(一般式(1)で表される化合物)と、を含む、表面修飾窒化ホウ素である。
表面修飾窒化ホウ素における窒化ホウ素及び特定化合物については、本発明の組成物における窒化ホウ素及び特定化合物と、それぞれ同様である。
本発明の表面修飾窒化ホウ素は、窒化ホウ素の表面の少なくとも一部に特定化合物が吸着していればよい。吸着の形態は特に限定されず、結合している状態であればよい。
特定化合物による表面修飾は、表面の少なくとも一部に単分子膜を形成するようになされていてもよい。
特定化合物による表面修飾は、窒化ホウ素の表面の一部のみであっても、全体であってもよい。
また、表面修飾窒化ホウ素における窒化ホウ素には、特定化合物以外の有機物が、更に吸着していてもよい。
表面修飾窒化ホウ素は、通常、粉体である。
表面修飾窒化ホウ素の形状は、特に制限されず、鱗片状、平板状、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、凝集状、及び、不定形状のいずれであってもよい。
表面修飾窒化ホウ素の大きさは特に制限されないが、表面修飾窒化ホウ素の分散性がより優れる点で、表面修飾窒化ホウ素の平均粒径は500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、取り扱い性の点で、10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
上記平均粒径の測定方法としては、電子顕微鏡を用いて、100個の表面修飾窒化ホウ素を無作為に選択して、それぞれの表面修飾窒化ホウ素の粒径(長径)を測定し、それらを算術平均して求める。
表面修飾窒化ホウ素における、窒化ホウ素の含有量は、表面修飾窒化ホウ素の全質量に対して、90質量%以上が好ましく、99質量%以上がより好ましく、99.5質量%以上が更に好ましい。上限は、100質量%未満であり、99.9999質量%以下が好ましい。
表面修飾窒化ホウ素における、特定化合物の含有量は、表面修飾窒化ホウ素の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。下限は、0質量%超であり、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、0.01質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が最も好ましい。
表面修飾窒化ホウ素は、例えば、窒化ホウ素と特定化合物とを接触させて形成できる。例えば、組成物の製造方法の説明の中で上述した通り、窒化ホウ素と、特定化合物と、他の成分(バインダー成分等)とを混合し、組成物中に含まれる形態で表面修飾窒化ホウ素を形成してもよい。
また、例えば、溶媒中で、窒化ホウ素と特定化合物とを混合して、表面修飾窒化ホウ素を含む混合液を調製し、上記混合液から、ろ別等の手段で、表面修飾窒化ホウ素を分離し
、分離された表面修飾窒化ホウ素を得てもよい。なお、ろ別等の手段で分離された表面修飾窒化ホウ素を、溶媒を用いて洗浄することも好ましい。
分離された表面修飾窒化ホウ素は、例えば、本発明の組成物を調製するために使用することもできる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきではない。
〔組成物の調製及び評価〕
[各種成分]
以下に、実施例及び比較例で使用した各種成分を示す。
<バインダー樹脂又はその前駆体(バインダー成分)>
以下に、実施例及び比較例で使用したバインダー樹脂又はその前駆体(バインダー成分)を示す。
なお、以下のB-1はフェノール化合物に該当し、B-2はエポキシ化合物に該当し、B-3及びB-4はイソシアネート化合物に該当する。
Figure 0007261733000008
<表面修飾剤>
以下に、実施例及び比較例で使用した表面修飾剤を示す。
なお、以下のC-1~C-6が特定化合物(一般式(1)で表される化合物)である表面修飾剤であり、それ以外は特定化合物以外の表面修飾剤である。
Figure 0007261733000009
Figure 0007261733000010
<窒化ホウ素>
以下に、実施例及び比較例で使用した窒化ホウ素を示す。
・HP-40 MF-100(平均粒径:43.0μm、水島合金鉄社製)
<硬化促進剤>
硬化促進剤として、PPh(トリフェニルホスフィン)使用した。
<溶媒>
溶媒として、シクロペンタノン使用した。
<分散剤>
分散剤として、DISPERBYK-106(酸性基を有するポリマー塩)を使用した。
<表面修飾窒化ホウ素>
(表面修飾窒化ホウ素の作製)
組成物の調製で、表面修飾窒化ホウ素を事前に作製した場合において使用した表面修飾窒化ホウ素は、下記に示す方法で作製した。
表面修飾剤(10mg)をシクロペンタノン(100mL)に溶解し、更にシクロペンタノンで1/10に希釈することにより1000mLの溶液を得た。得られた溶液(20mL)に窒化ホウ素(HP40 MF-100)(0.5g)を添加し、1時間撹拌した。撹拌後、得られた溶液をフィルターろ過し、ろ物として窒化ホウ素を回収した。回収した窒化ホウ素をシクロペンタノンで洗浄することで、表面修飾剤が吸着した窒化ホウ素(表面修飾窒化ホウ素)を得た。
(吸着の確認)
以下に示す方法で、表面修飾剤が窒化ホウ素に吸着すること、及び、その吸着量を確認した。
表面修飾剤(500mg)をシクロペンタノン(100mL)に溶解し、更にシクロペンタノンで1/10に希釈することにより1000mLの溶液を得た。得られた溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定することで、溶液中に含まれる表面修飾剤に由来するピーク強度(X)を求めた。
次に、上記溶液(20mL)に窒化ホウ素(HP40 MF-100)(0.5g)を添加し、1時間撹拌した。撹拌後、得られた溶液の上澄みをフィルターろ過した。得られたろ液を用いて、上記と同様に、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定し、溶液中に含まれる表面修飾剤に由来するピーク強度(Y)を定量化した。
ピーク強度(X)に対する、ピーク強度(Y)の割合(残存率(%)=ピーク強度(Y)÷ピーク強度(X)×100)を算出した。残存率(%)が小さいほど、表面修飾剤の窒化ホウ素への吸着性が優れることを意味する。
また、残存率から計算して、上述の「(表面修飾窒化ホウ素の作製)」に示した方法で作製されたいずれの表面修飾窒化ホウ素も、窒化ホウ素1gに対して、表面修飾剤が、0.01~10mgの範囲で吸着していることが確認された。
[組成物の調製]
下記表に示すバインダー成分(バインダー樹脂又はその前駆体)の組み合わせを、当量(系中における、エポキシ化合物のエポキシ基、又は、イソシアネート化合物のイソシアネート基の数と、フェノール化合物の水酸基の数とが等しくなる量)で配合した硬化液を調製した。
上記硬化液を使用して、下記の、「表面修飾窒化ホウ素を事前に作製する方法」、又は、「表面修飾窒化ホウ素を事前に作製しない方法」で、各実施例又は比較例組成物(熱伝導材料形成用組成物)を調製した。
(表面修飾窒化ホウ素を事前に作製する方法)
後段に示す表に記載する配合となるように、上記硬化液、溶媒、分散剤、硬化促進剤の順に混合して混合物を得た。この混合物に、更に、上述の方法で作製した表面修飾窒化ホウ素を添加した。混合物を、自転公転ミキサー(THINKY社製、あわとり練太郎ARE-310)で5分間処理して、組成物(熱伝導材料形成用組成物)を得た。
なお、溶媒の添加量は組成物の固形分濃度が50~80質量%になる量とした。
組成物の固形分濃度は、組成物の粘度がそれぞれ同程度になるように、上記範囲内で組成物ごとに調整した。
硬化促進剤の添加量は、組成物中の硬化促進剤の含有量が、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物の含有量に対して、1質量%となる量とした。
表面修飾窒化ホウ素の添加量は、組成物中の表面修飾窒化ホウ素の含有量が、組成物の全固形分に対して、後段に示す表に記載の値(質量%)になる量とした。
分散剤の添加量は、組成物中の分散剤の含有量が、表面修飾窒化ホウ素の含有量に対して、0.2質量%となる量とした。
(表面修飾窒化ホウ素を事前に作製しない方法)
後段に示す表に記載する配合となるように、上記硬化液、溶媒、分散剤、硬化促進剤の順に混合して混合物を得た。この混合物に、更に、窒化ホウ素、及び、表面修飾剤を添加した。混合物を、自転公転ミキサー(THINKY社製、あわとり練太郎ARE-310)で5分間処理して、組成物(熱伝導材料形成用組成物)を得た。
なお、溶媒の添加量は組成物の固形分濃度が50~80質量%になる量とした。
組成物の固形分濃度は、組成物の粘度がそれぞれ同程度になるように、上記範囲内で組成物ごとに調整した。
硬化促進剤の添加量は、組成物中の硬化促進剤の含有量が、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物の含有量に対して、1質量%となる量とした。
窒化ホウ素の添加量は、組成物中の窒化ホウ素の含有量が、組成物の全固形分に対して、後段に示す表に記載の値(質量%)になる量とした。
表面修飾剤の添加量は、組成物中の表面修飾剤の含有量が、組成物の全固形分に対して、後段に示す表に記載の値(質量%)になる量とした。
分散剤の添加量は、組成物中の分散剤の含有量が、窒化ホウ素の含有量に対して、0.2質量%となる量とした。
[評価]
<熱伝導性>
アプリケーターを用いて、離型処理したペットフィルム(PET756501、リンテック社製、膜厚75μm)の離型面上に、調製した各実施例又は比較例の組成物を均一に塗布し、120℃で5分間放置して塗膜を得た。
このような塗膜付きペットフィルムを2枚作製し、2枚の塗膜付きペットフィルム同士を塗膜面同士で貼り合せてから、空気下で熱プレス(熱板温度120℃、圧力20MPaで1分間処理)することで半硬化膜を得た。得られた半硬化膜を空気下で熱プレス(熱板温度180℃、圧力20MPaで10分間処理した後、更に、常圧下で180℃90分)で処理して塗膜を硬化し、樹脂シートを得た。樹脂シートの両面にあるペットフィルムを剥がし、平均膜厚200μmの熱伝導シートを得た。
各組成物を用いて得られた、それぞれの熱伝導シートを用いて、熱伝導性評価を実施した。下記の方法で熱伝導率の測定を行い、下記の基準に従って熱伝導性を評価した。
(熱伝導率(W/m・k)の測定)
(1)NETZSCH社製の「LFA467」を用いて、レーザーフラッシュ法で熱伝導シートの厚み方向の熱拡散率を測定した。
(2)メトラー・トレド社製の天秤「XS204」を用いて、熱伝導シートの比重をアルキメデス法(「固体比重測定キット」使用)で測定した。
(3)セイコーインスツル社製の「DSC320/6200」を用い、10℃/分の昇温条件の下、25℃における熱伝導シートの比熱を求めた。
(4)得られた熱拡散率に比重及び比熱を乗じて、熱伝導シートの熱伝導率を算出した。
(評価基準)
測定された熱伝導率を下記基準に照らして区分し、熱伝導性を評価した。
「A+」:13W/m・K以上
「A」: 10W/m・K以上13W/m・K未満
「B」: 10W/m・K未満
<接着性評価>
各実施例又は各比較例の組成物を用いて銅箔付きアルミベース基板を作製し、得られた銅箔付きアルミベース基板に対して下記のピール試験を行い、熱伝導シートの接着性を評価した。
(銅箔付きアルミベース基板の作製)
アプリケーターを用いて、離型処理した上記ペットフィルムの離型面上に、各実施例又は各比較例の組成物を均一に塗布し、120℃で5分間放置して塗膜を得た。
このような塗膜付きペットフィルムを2枚作製し、2枚の塗膜付きペットフィルム同士を塗膜面同士で貼り合せてから、空気下で熱プレス(熱板温度120℃、圧力20MPaで1分間処理)することで半硬化膜を得た。得られた半硬化膜からポリエステルフィルムを剥がし、アルミニウム板と銅箔の間に挟み、空気下で熱プレス(熱板温度180℃、圧力10MPaで5分間処理した後、更に、常圧下で180℃90分間)で処理して銅箔付きアルミベース基板を得た。
(ピール試験)
得られた銅箔付きアルミベース基板の銅箔ピール強度を、JIS C 6481に記載されている、常態での引きはがし強さの測定方法に従って測定した。
なお、引きはがし強さを測定した際における、破壊の形態は、いずれも、組成物から形成された熱伝導シート層での凝集破壊であった。
(評価基準)
測定された引きはがし強さを下記基準に照らして区分し、接着性を評価した。
「A+」:5N/cm以上
「A」: 4N/cm以上5N/cm未満
「B」: 3N/cm以上4N/cm未満
「C」: 1N/cm以上3N/cm未満
「D」: 1N/cm未満
[結果]
以下の表に、各実施例又は比較例の組成物の配合、及び、試験結果を示す。
表中、「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄は、組成物の調製方法を示す。「有り」の記載は、上述の「(表面修飾窒化ホウ素を事前に作製する方法)」で組成物を調製したことを示し、「無し」の記載は、上述の「(表面修飾窒化ホウ素を事前に作製しない方法)」で組成物を調製したことを示す。
各成分に関して示される「量(%)」欄は、組成物の全固形分に対する、各成分の含有量(質量%)を示す。
なお、「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄が「有り」の場合、「窒化ホウ素 又は 表面修飾窒化ホウ素」欄における、「量(%)」欄は、組成物中における表面修飾窒化ホウ素全体(窒化ホウ素と、窒化ホウ素の表面に吸着する表面修飾剤との全体量)の添加量を示す。「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄が「無し」の場合、「窒化ホウ素 又は
表面修飾窒化ホウ素」欄における、「量(%)」欄は、組成物中における窒化ホウ素単独の添加量を示す。
「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄が「有り」の場合、「表面修飾剤」欄における、「種類」欄は、表面修飾窒化ホウ素を事前作製した際に用いられた表面修飾剤の種類を示す。「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄が「無し」の場合、「表面修飾剤」欄における、「種類」欄は、組成物中に添加された表面修飾剤の種類を示す。
「窒化ホウ素吸着量(mg/g)」欄は、上述の「(吸着の確認)」の項目で示した方法で求められる、各実施例又は比較例で使用した表面修飾剤が窒化ホウ素に対して吸着する量(窒化ホウ素1gに対して吸着する表面修飾剤の質量(mg))を示す。
「対窒化ホウ素量比(%)」欄は、「表面修飾窒化ホウ素の事前作製」欄が「有り」の場合の組成物中における、窒化ホウ素の含有量に対する、表面修飾剤の含有量の質量百分率(=100×表面修飾剤の含有質量÷窒化ホウ素の含有質量)を示す。
Figure 0007261733000011
Figure 0007261733000012
Figure 0007261733000013
表に示す結果より、本発明の組成物を用いれば、熱伝導性及び接着性に優れる熱伝導材料が得られることが確認された。
一般式(1)中、R~Rのうち、少なくとも3つ(好ましくは全部)が水酸基を表す場合、得られる熱伝導材料の接着性がより優れることが確認された(実施例1~6の比較等を参照)。
特定化合物の含有量が、窒化ホウ素の含有量に対して、5質量%以下である場合、得られる熱伝導材料の熱伝導性がより優れることが確認された(実施例11と16の比較等を参照)。

Claims (11)

  1. 窒化ホウ素と、樹脂バインダー又はその前駆体と、一般式(1)で表される化合物と、を含み、
    前記樹脂バインダーが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂及びイソシアネート系樹脂から選択される、熱伝導材料形成用組成物。
    Figure 0007261733000014
    一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は水酸基を一部に有する基を表す。
    ただし、R~Rのうち、少なくとも1つは水酸基を表す。
  2. 前記樹脂バインダーが、エポキシ樹脂及びイソシアネート系樹脂から選択される、請求項1に記載の熱伝導材料形成用組成物。
  3. ~Rのうち、少なくとも3つが水酸基を表す、請求項1又は2に記載の熱伝導材料形成用組成物。
  4. ~Rの全てが水酸基を表す、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝導材料形成用組成物。
  5. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、前記窒化ホウ素の含有量に対して、5質量%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の熱伝導材料形成用組成物。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の熱伝導材料形成用組成物を硬化して得られる、熱伝導材料。
  7. 請求項に記載の熱伝導材料からなる、熱伝導シート。
  8. デバイスと、前記デバイス上に配置された請求項に記載の熱伝導シートを含む熱伝導層とを有する、熱伝導層付きデバイス。
  9. 窒化ホウ素と、前記窒化ホウ素の表面上に吸着した一般式(1)で表される化合物と、を含む、表面修飾窒化ホウ素。
    Figure 0007261733000015
    一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基又は水酸基を一部に有する基を表す。
    ただし、R~Rのうち、少なくとも1つは水酸基を表す。
  10. ~Rのうち、少なくとも3つが水酸基を表す、請求項に記載の表面修飾窒化ホウ素。
  11. ~Rの全てが水酸基を表す、請求項又は10に記載の表面修飾窒化ホウ素。
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