JP7261674B2 - 外壁断熱構造とその施工方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、左右方向に間隔をおいて配置された複数の縦鉄骨と、これら複数の縦鉄骨の屋外側に設けられた耐火ボードと、この耐火ボードの屋外側に設けられた断熱ボードと、この断熱ボードの屋外側に設けられた外壁とを備える鉄骨造の外壁耐火断熱構造が開示されている。
本発明(1)は、
建物の外壁断熱構造であって、
前記外壁断熱構造は、
少なくとも、耐火ボードと、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体と、金属外装板と、を含み、
前記ポリイソシアヌレート発泡体が、少なくとも一方の表面に金属製面材を有し、
前記複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体の端面どうしを当接してできた目地部の、屋外側又は屋内側の少なくとも一方の面が、金属テープにより覆われていることを特徴とする、外壁断熱構造である。
前記金属テープの基材が、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔とガラスクロスとの積層体のいずれかであることを特徴とする、前記発明(1)の外壁断熱構造である。
前記ポリイソシアヌレート発泡体の端面が、相じゃくり構造又はさね構造のいずれかであることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の外壁断熱構造である。
前記耐火ボードと前記ポリイソシアヌレート発泡体とが積層接着されていることを特徴とする、前記発明(1)~(3)のいずれかの外壁断熱構造である。
前記ポリイソシアヌレート発泡体の見かけの密度が、20kg/m3~80kg/m3であることを特徴とする、前記発明(1)~(4)のいずれかの外壁断熱構造である。
建物の外壁断熱構造の施工方法であって、
前記外壁断熱構造は、
少なくとも、耐火ボードと、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体と、金属外装板と、を含み、
前記ポリイソシアヌレート発泡体が、少なくとも一方の表面に金属製面材を有し、
前記複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体の端面どうしを当接してできた目地部の、屋外側又は屋内側の少なくとも一方の面を、金属テープで覆うことを特徴とする、外壁断熱構造の施工方法である。
本発明の外壁断熱構造は、少なくとも、耐火ボードと、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体と、金属外装板とを含む(図1)。
以下において、図1に基づいて、本発明の外壁断熱構造の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、下記の記載は、本発明の一例を示しており、これらの記載の実施形態に限定されるものではない。
本発明の耐火ボードは、公知のものを使用することができ、市販のものを用いることができる。耐火ボードは、公知の材質であればよく、特に限定されない。また、単層又は複層の耐火ボードを含むことができるが、施工性を向上させるため。単層であることが好ましい。
本発明にかかる外壁断熱構造10は、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体が、耐火ボードの屋外側に設置されている。
本発明にかかる外壁断熱構造10は、ポリイソシアヌレート発泡体を含む。ポリイソシアヌレート発泡体は、分子構造中にイソシアヌレート環を有する。ここで、ヌレート化率は、30~40%であり、好適には32~40%であり、より好適には34~40%である。尚、ヌレート化率は、赤外線吸収スペクトル法に基づいて測定されたもので、ヌレート環に基づく吸収ピーク面積を、ヌレート環、ウレタン・ウレアのN-H、ウレアのC=O、ウレタン・ヌレートのC=Oに基づく吸収ピーク面積との総和で割ることによって、全体の部分構造に対するヌレート環の割合を算出した値である。
より具体的には以下のように算出される。
ヌレート化率(%)=[a/(a+b+c+d)]×100
a:ヌレート環に基づく吸収ピーク位置:1410cm-1、面積位置:1347.03~1464.67cm-1の面積
b:ウレタン・ウレアの[N-H]に基づく吸収ピーク位置:1510cm-1、面積位置:1460.81~1562.06cm-1の面積
c:ウレアの[C=O]に基づく吸収ピーク位置:1595cm-1、面積位置:1566.88~1638.23cm-1の面積
d:ウレタン・ヌレートの[C=O]に基づく吸収ピーク位置:1710cm-1、面積位置:1636.3~1768.4cm-1の面積
ここで、ポリイソシアヌレート発泡体のヌレート化率は、例えば、当該ポリイソシアネート発泡体の表面から深さ3mmの部位を切り出したものについて測定された値である。ヌレート化率が当該範囲内であり、且つ、独立気泡率が後述する範囲内である場合、難燃性を担保しつつ、高い断熱性や好適な圧縮強度・フライアビリティ・寸法安定性をバランス良く有するポリイソシアヌレート発泡体となる。このヌレート化率を得るために、イソシアネート指数は、150以上であることが好ましい。
ポリイソシアヌレート発泡体の独立気泡率は、75%であり、好適には80%以上であり、より好適には82.5%以上である。尚、上限値は特に限定されないが、例えば99%である。前記のように、独立気泡率が当該範囲内であり、且つ、ヌレート化率が前記範囲内である場合、難燃性を担保しつつ、高い断熱性や好適な圧縮強度・フライアビリティ・寸法安定性をバランス良く有するポリイソシアヌレート発泡体となる。ここで、独立気泡率は、ASTM D2856に基づいて測定された値である。
金属製面材の種類としては特に限定はされず、アルミニウム、銅、鉄、真鍮、ブリキ、ステンレスなどが用いられるが、アルミニウムが軽量かつ入手が容易であるため好ましい。
本発明にかかる外壁断熱構造10は、少なくとも1つの金属外装板が、ポリイソシアヌレート発泡体の外側に設置されている。
本発明にかかる外壁断熱構造10の耐火ボードとポリイソシアヌレート発泡体との間、及びポリイソシアヌレート発泡体と金属外装板との間には他の層を存在させてもよい。
金属テープは、金属箔や、金属箔とガラスクロスとの積層体を基材とした、粘着テープ又は接着テープである。本発明にかかる金属テープは、公知の金属テープを用いることができる。特にアルミテープやアルミガラスクロステープなど市販のものを用いることができる。
2-1.ポリイソシアヌレート発泡体の製造方法
本発明にかかる外壁断熱構造に好適なポリイソシアヌレート発泡体は、例えば、ポリオール側発泡原料液(ポリオール、触媒、任意成分として整泡剤、任意成分として発泡助剤、任意成分として難燃剤)と、ポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と、物理的発泡剤と、を混合することにより製造可能である。以下、当該製造方法に関し、原料とプロセスに分けて説明する(尚、難燃剤については前述したので省略する)。尚、以下の説明にて、「ポリオール側発泡原料液」は、ポリオール、触媒、任意成分として整泡剤、任意成分として発泡助剤、任意成分として難燃剤を含有する液を指し、「発泡原料組成物」は、上記の「ポリオール側発泡原料液」と上記「イソシアネート成分」とを合わせたものである。
2-1-2-1.ポリオール
ポリオールとしては、複数の水酸基を有している化合物であれば特に限定されない。例えば、2官能若しくは3官能の双方又はいずれか一方のポリエーテルポリオールと、多塩基酸とを縮合させて得られた、末端又は側鎖に水酸基を2個以上有する芳香族ポリエステルポリオールと、を併用して用いることが好適である。以下、当該好適な態様について詳述する。2官能若しくは3官能の双方又はいずれか一方のポリエーテルポリオールを構成するポリオールとしては、2官能ポリオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、ビスフェノールS等、又は、これらにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、3官能ポリオール(トリメチロールプロパン、グリセリン等、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物等)が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、芳香族ポリエステルポリオールを構成する多塩基酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。ここで、フタル酸と、2官能、3官能若しくは多官能のアルコール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加物の1種以上と、を縮合させて得られたポリエステルポリオールが好ましく、より好ましくは、テレフタル酸とジエチレングリコールとを縮合させて得られたポリエステルポリオールである。芳香族ポリエステルポリオールの水酸基の含有量は、2個以上であり、好ましくは2~3個である。
物理的発泡剤は、特に限定されないが、好適には、炭化水素(好適にはC4~C6)やハイドロフルオロオレフィンである。具体的には、シクロペンタン、HFO(1336mzz)、HCFO(1233zd)を挙げることができる。
発泡助剤は、特に限定されないが、好適には、水である。物理的発泡剤を単独使用することで課題を達成できるが、さらに、所定量の発泡助剤を添加しても、難燃性を担保しつつ、幅広い断熱性や圧縮強度・フライアビリティ・寸法安定性をバランス良く有する発泡体を得ることができる。ここで、発泡助剤として水を併用する場合、物理的発泡剤(例えばシクロペンタン)の添加部数は、発泡原料組成物100重量部に対して3.0~15重量部であることが好ましい。水の添加部数は、発泡原料組成物100重量部を基準として、当該発泡原料組成物中に配合される量を0.05重量部以下とすることが好ましい。水の割合が0.05重量部以下であると、脆くなく面材等との接着性が良好で且つ高い断熱性の発泡体を得ることができる。
触媒には、三量化触媒を必須的に含む。好適には、三量化触媒、樹脂化触媒、泡化触媒との混合触媒であり、好適には、金属塩触媒とアミン触媒との混合触媒である。ここで、三量化触媒としては、例えば、1)酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等の金属酸化物類;2)メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、プロポキシナトリウム、ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、プロポキシカリウム、ブトキシカリウム等のアルコキシド類;3)酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、カプリル酸カリウム、シュウ酸鉄等の有機金属塩類;4)2,4,6‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’,N”‐トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類;5)エチレンイミンの誘導体;6)アルカリ金属、アルミニウム、遷移金属類のアセチルアセトンのキレート類、4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、単独、又は2種以上を混合して使用することができ、なかでも、有機金属塩類や4級アンモニウム塩を使用することがより好ましい。好適には、酢酸カリウムとオクチル酸カリウムとを組み合わせたものである。また、樹脂化あるいは泡化触媒としては、特に限定はなく、通常のウレタンフォームを製造する際に使用するものを利用でき、例えば、モノアミン類(N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、トリエチルアミン、N, N-ジメチルベンジルアミン等)、環状モノアミン類(ピリジン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン等)、ジアミン類(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N ’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’,N’ -テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N, N, N’,N ’-テトラメチルヘキサンジアミン、メチレン-ビス( ジメチルシクロヘキシルアミン)、N,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジアミン等)、トリアミン類(N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)-フェノール等)、エーテルジアミン類(ビス(2 -ジメチルアミノエチル)エーテル、2-(N ,N-ジメチルアミノ)エチル-3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピルエーテル、4,4 ’-オキシジメチレンジモルフォリン等)、環状ポリアミン類(トリエチレンジアミン、N,N’-ジメチルピペラジン、N,N’- ジエチルピペラジン、N,N-ジメチルアミノエチルモルフォリン、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ブトキシ-2-メチルイミダゾール等)、アルカノールアミン類(N, N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、2-(2-ジメチルアミノ-エトキシ)エタノール、N,N - ジメチルアミノエタノール、N,N-トリメチル-1,3-ジアミノ-2- プロパノール、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン等)等のアミン触媒が挙げられる。これら触媒としては、1種又は2種以上併用してもよい。
ポリイソシアヌレート発泡体を製造するに際し、整泡剤、減粘剤、面材接着性向上剤、気泡微細化剤等の各種添加剤をさらに用いてもよい。この際、これらの添加剤は、ポリオール側発泡原料液と、ポリイソシアネート成分とを混合する際に添加してもよく、また、予めポリオール側発泡原料液中に含有させておいてもよい。尚、整泡剤としては、従来公知のノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が使用できる。
ポリイソシアネートとしては、好適には芳香族ポリイソシアネート化合物である。例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。そして、上記芳香族ポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上用いて混合物としてもよい。
ポリイソシアヌレート発泡体は、上記ポリオール側発泡原料液と、上記ポリイソシアネート成分と、物理的発泡剤と、を混合することで発泡硬化して得られる。例えば、汎用の高圧発泡機などを用い、衝突混合して混合液とし、該混合液を所定の寸法の金型などに入れて発泡硬化させることで得られる。連続成形には低圧注入機を用い、常温大気圧下でベルトコンベア上に吐出することで平板、スラブストック等を成形できる。基本的な製造方法は、特許文献(特開2006-321882、特開2007-099822)に示したものが適用される。但し、下記は、特記すべき特徴である。
上記ポリオール側発泡原料液と上記ポリイソシアネート成分とを混合する際、当該混合物(発泡原料組成物)のイソシアネート指数が、好適には150~600、より好適には350~600、さらに好適には370~550である。当該範囲にあると、難燃性を担保しつつ、より高い断熱性やより好適な圧縮強度・フライアビリティ・寸法安定性をバランス良く有するポリイソシアネート発泡体となる。ここで、イソシアネート指数とは、全原料配合である反応混合液のすべての活性水素のモル数と、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基のモル数の比(NCO/OHのモル比)をいう。また、下記実施例及び比較例におけるOHVは水酸基価を指す。ここで、複数のポリオールを添加する場合は、個々の水酸基価に個々の添加部数を掛け、全ポリオールの添加部数合計で除した加重平均を平均水酸基価(平均OHV)とする。
上記ポリイソシアネート成分の25℃粘度は、150~750mPa・sであることが好適である。ここで、当該粘度は、ASTM D4889に準じて測定される。
本発明にかかる外壁断熱構造は、耐火ボードの屋外側にポリイソシアヌレート発泡体が設置され、さらに、ポリイソシアヌレート発泡体の外側に金属外装板が設置される。これらの設置方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。下記に、本発明の外壁断熱構造の施工方法の一例を説明する。
本発明の外壁断熱構造は、工場、倉庫及び事務所等の建物の外壁として用いられる。
(ポリイソシアヌレート発泡体の製造例1)
ポリエステルポリオールとして、オルトフタル酸とジエチレングリコール(DEG)とを脱水縮合してなるポリエステルポリオール(OHV400mgKOH/g、重量平均分子量510)100重量部と;ポリエーテルポリオールとして、ポリエステルポリオール100重量部に対してジエチレングリコール(DEG)14.1重量部及びトリエチレングリコール(TEG)2.0重量部と;さらに、整泡剤、触媒及び難燃剤を添加し、ポリオール側発泡原料液を得た。以上のポリオール側発泡原料液に含まれるポリオール(全ポリオール)の平均水酸基価(平均OHV)は、490mgKOH/gであった。
ここで、整泡剤としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、商品名:Niax Slicone L-6638(MOMENTIVE社製)0.9質量%及びメチルカルビトール(三協化学株式会社製 商品名:メチルジグリコール)0.6質量%となるよう添加した。触媒としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、三量化触媒としてオクチル酸カリウム及び酢酸カリウムをそれぞれ0.6質量%及び0.3質量%、ルベアックDMP-30(ナカライテスク社製)を0.3質量%となるよう添加した。さらに、難燃剤としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)(商品名:ProFlame-PC1389、Pro Flame社製)を16質量%となるように添加した。
このポリオール側発泡原料液を計量後、3000rpmのプロペラ攪拌機で1分間攪拌した。その後、15℃に温調したポリオール側発泡原料液に対し、同じく15℃に温調したイソシアネート成分(東ソー株式会社製クルードMDI 商品名:MR-200)をイソシアネート指数が250になるように添加し、また、発泡原料組成物の全質量に対し、物理的発泡剤としてシクロペンタン(商品名:マルカゾールFH、丸善石油株式会社製)を6.5質量%となるように添加した。5000rpmのプロペラ攪拌機にてこれらの混合物を速やかに10秒攪拌し、攪拌物を得た。その後、当該攪拌物を上下にアルミ面材を備えた300×300×20mmのモールド型枠に投入し、上下面にアルミ面材を備えたポリイソシアヌレート発泡体を作製した。このポリイソシアヌレート発泡体の密度は32kg/m3だった。密度の測定は、JIS K7222の方法で測定した。
平均OHVが522である発泡原料液を用い、また、イソシアネート指数が370となるようイソシアネート成分を添加した以外は、製造例1と同様の手法にて、ポリイソシアヌレート発泡体を作製した。また、ポリイソシアヌレート発泡体の密度は50kg/m3だった。
平均OHVが518である発泡原料液を用い、また、イソシアネート指数が450となるようイソシアネート成分を添加した以外は、製造例1と同様の手法にて、ポリイソシアヌレート発泡体を作製した。また、ポリイソシアヌレート発泡体の密度は65kg/m3だった。
製造例1で得られたポリイソシアヌレート発泡体を用いて、目地部の防耐火性能を評価するためにバーナー試験を実施した。発泡体を100mm×200mmの寸法に切り出し、長辺側を突き合わせて目地部とした。目地部にアルミテープを貼付けて実施例1の試験体を作製し、下記に示す方法でバーナー試験を実施した。
金属テープをアルミガラスクロステープとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の試験体とした。アルミガラスクロステープは、アクリル粘着剤使用の市販品とした。
ポリイソシアヌレート発泡体の端面を相じゃくり構造とした以外は、実施例2と同様にして、実施例3の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体として製造例2で得られた密度50kg/m3のものを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例4の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体として製造例3で得られた密度65kg/m3のものを使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例5の試験体とした。
厚さ12.5mmの石膏ボードと、ポリイソシアヌレート発泡体を、接着剤を用いて貼合わせたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例6の試験体とした。接着剤は、酢酸ビニル系樹脂接着剤とした。
ポリイソシアヌレート発泡体を製造例3で得られた密度65kg/m3のものを使用した以外は、実施例6と同様にして、実施例7の試験体とした。
金属外装板を、厚さが0.4mmの、端面が角波型である鋼板(角波型鋼板)とし、金属外装板どうしの目地部が、ポリイソシアヌレート発泡体どうしの目地部と重なるようにした以外は、実施例6と同様にして、実施例8の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体を密度65kg/m3のものを使用した以外は、実施例8と同様にして、実施例9の試験体とした。
金属テープを用いないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体の面材を、クラフト材とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体として製造例2で得られた密度50kg/m3のものを使用した以外は、比較例1と同様にして、比較例3の試験体とした。
ポリイソシアヌレート発泡体として製造例3で得られた密度65kg/m3のものを使用した以外は、比較例1と同様にして、比較例4の試験体とした。
(ガスバーナ燃焼試験)
試験体を垂直に立て、ガスバーナの先端と試験体の目地部の距離が50mmになるように、ガスバーナを水平に固定した。次に、ガスバーナから火炎を放射させ、炎が試験体の目地部を貫通するまでの時間を測定した。ガスバーナは、新富士バーナー製パワートーチRZ-820S(液化プロパン及び液化ブタン混合ガス使用、火炎温度1500~1700℃)を用いた。結果を表1に示した。
表1から本発明の外壁断熱構造は、目地部の開きが小さく火炎が裏側まで通過しにくいため、優れた防耐火性を有していることが理解できる。
21 耐火ボード
22 ポリイソシアヌレート発泡体
23 金属外装板
24 金属テープ
25 凸形状部
26 胴縁
31 耐火ボードどうしの目地部
32 ポリイソシアヌレート発泡体どうしの目地部
33 金属外装板どうしの目地部
Claims (6)
- 建物の外壁断熱構造であって、
前記外壁断熱構造は、
少なくとも、耐火ボードと、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体と、金属外装板と、を含み、
前記ポリイソシアヌレート発泡体が、少なくとも一方の表面に金属製面材を有し、
前記複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体の端面どうしを当接してできた目地部の、屋外側又は屋内側の少なくとも一方の面が、金属テープにより覆われていることを特徴とする、外壁断熱構造。 - 前記金属テープの基材が、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔とガラスクロスとの積層体のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の外壁断熱構造。
- 前記ポリイソシアヌレート発泡体の端面が、相じゃくり構造であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外壁断熱構造。
- 前記耐火ボードと前記ポリイソシアヌレート発泡体とが積層接着されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の外壁断熱構造。
- 前記ポリイソシアヌレート発泡体の見かけの密度が、20kg/m3~80kg/m3であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の外壁断熱構造。
- 建物の外壁断熱構造の施工方法であって、
前記外壁断熱構造は、
少なくとも、耐火ボードと、複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体と、金属外装板と、を含み、
前記ポリイソシアヌレート発泡体が、少なくとも一方の表面に金属製面材を有し、
前記複数の隣り合うポリイソシアヌレート発泡体の端面どうしを当接してできた目地部の、屋外側又は屋内側の少なくとも一方の面を、金属テープで覆うことを特徴とする、外壁断熱構造の施工方法。
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