以下、サーマルプリントヘッドの実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
図1は、サーマルプリントヘッド1の平面図である。サーマルプリントヘッド1は、例えばバーコードシート及びレシートを作成するために感熱記録紙に対して1ラインごとに印字するサーマルプリンタに搭載される。図1に示すように、サーマルプリントヘッド1は、矩形板状に形成されたヘッド本体1Aと、ヘッド本体1Aに取り付けられたコネクタ1B,1Cとを備える。コネクタ1B,1Cは、サーマルプリントヘッド1をサーマルプリンタに組み込む際、サーマルプリンタ側のコネクタに電気的に接続される。
以降の説明において、サーマルプリントヘッド1の平面視(以下、単に「平面視」という)において、ヘッド本体1Aの長辺方向を「主走査方向X」とし、ヘッド本体1Aの短辺方向を「副走査方向Y」とし、ヘッド本体1Aの厚さ方向を「板厚方向Z」とする。主走査方向Xは、副走査方向Yと直交している。平面視において、副走査方向Yは、感熱記録紙の搬送方向と一致している。板厚方向Zは、主走査方向X及び副走査方向Yと直交する方向である。また便宜上、基板10の裏面12から主面11に向かう方向を「上方」とし、主面11から裏面12に向かう方向を「下方」とする。上方及び下方は、サーマルプリントヘッド1の姿勢等によって変更されるため、実際の製品の方向として定義するものではない。
ヘッド本体1Aの副走査方向Yの上流側端部かつ主走査方向Xの一方の端部には、コネクタ1Bが接続されている。ヘッド本体1Aの副走査方向Yの上流側端部かつ主走査方向Xの他方の端部には、コネクタ1Cが接続されている。なお、主走査方向Xにおけるコネクタ1B,1Cの位置は任意に変更可能である。また、ヘッド本体1Aに接続されるコネクタの個数は任意に変更可能である。例えば1個のコネクタ又は3個以上のコネクタがヘッド本体1Aに接続されてもよい。
図1~図3に示すように、ヘッド本体1Aは、基板10、ガラス層20、電極層30、抵抗体層40、保護層50、及び複数の駆動IC61を備える。なお、ヘッド本体1Aは、基板10に加えて、例えばガラスエポキシ樹脂からなる基材層と、銅(Cu)などからなる配線層とが積層された配線基板を有する構造としてもよい。また、図1及び図2では、便宜上、保護層50を省略して示している。
基板10は、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)などのセラミックからなり、例えばその厚さが0.6mm~1.0mm程度とされる。基板10は、主走査方向Xに長く延びる矩形板状である。基板10は、板厚方向Zにおいて互いに反対側を向く主面11及び裏面12を有する。基板10の主面11には、ガラス層20、電極層30、抵抗体層40、及び保護層50が形成されている。基板10の裏面12には、例えばアルミニウム(Ai)などの金属からなる放熱板を設けてもよい。
ガラス層20は、基板10の主面11上に形成されており、例えば非晶質ガラスなどのガラス材料からなる。ガラス層20は、グレーズ21、ダイボンディンググレーズ22、中間ガラス層23、及び先端ガラス層24を有する。ガラス層20は、ガラスペーストを基板10の主面11上に厚膜印刷した後、厚膜印刷されたガラスペーストを焼成することによって形成される。
グレーズ21は、蓄熱層であって、抵抗体層40のうちの発熱する部分である発熱部41を印刷対象である感熱記録紙に押し当てるために設けられている。グレーズ21は、基板10のうちの副走査方向Yの下流側の部分に設けられている。グレーズ21は、平面視において主走査方向Xに延びる帯状に形成されている。本実施形態のグレーズ21は、副走査方向Y及び板厚方向Zを含む平面で切った断面形状が板厚方向Zにおいて上方に向けて凸となる円弧状に形成された、いわゆる部分グレーズである。円弧状のグレーズ21の曲率は、サーマルプリントヘッド1の用途に応じて適宜設定可能である。グレーズ21の副走査方向Yのサイズは、例えば700μm程度である。グレーズ21の板厚方向Zのサイズは、例えば18μm~50μm程度である。つまり、基板10の主面11からグレーズ21の頂部21Aまでの板厚方向Zのサイズが50μm程度である。グレーズ21の頂部21Aは、板厚方向Zにおいて基板10の主面11からグレーズ21の表面までの高さが最も大きくなる箇所であり、本実施形態では、副走査方向Yにおけるグレーズ21の中央に形成されている。
ダイボンディンググレーズ22は、グレーズ21に対して副走査方向Yの上流側に離間した位置で、グレーズ21と平行に設けられた帯状に形成されている。ダイボンディンググレーズ22は、電極層30の一部及び複数の駆動IC61を支持している。ダイボンディンググレーズ22の厚さは、例えば30μm~50μm程度である。グレーズ21及びダイボンディンググレーズ22は、それぞれ非晶質ガラスによって形成されている。グレーズ21及びダイボンディンググレーズ22のガラス材料の軟化点は、例えば800℃~850℃である。なお、ガラス層20からダイボンディンググレーズ22を省略してもよい。
中間ガラス層23は、副走査方向Yにおいて基板10の主面11のうちのグレーズ21とダイボンディンググレーズ22とに挟まれた領域を覆っている。中間ガラス層23は、ガラス材料の軟化点が例えば680℃程度と、グレーズ21及びダイボンディンググレーズ22のガラス材料よりも軟化点が低いガラス材料からなる。中間ガラス層23の厚さは、例えば2.0μm程度である。先端ガラス層24は、基板10の主面11のうちのグレーズ21に対して副走査方向Yの下流側の領域の一部を覆っている。先端ガラス層24は、中間ガラス層23と同様の材質及び厚さである。中間ガラス層23及び先端ガラス層24はそれぞれ、基板10の主面11の凹凸をなくして電極層30を積層し易くするために設けられている。本実施形態では、グレーズ21及びダイボンディンググレーズ22が形成された後、中間ガラス層23及び先端ガラス層24が形成される。
電極層30は、抵抗体層40に通電するための経路を構成するものであり、ガラス層20上に形成されている。本実施形態では、電極層30は、例えば添加元素としてロジウム(Rh)、バナジウム(V)、ビスマス(Bi)、シリコン(Si)などが添加された金(Au)レジネートペーストによって形成されている。電極層30は、金レジネートペーストを厚膜印刷した後、厚膜印刷された金レジネートペーストを焼成することによって形成されている。また、電極層30は、スパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成されてもよい。電極層30の厚さは特に限定されないが、例えば0.6μm~1.2μm程度である。電極層30は、共通電極31及び複数の個別電極32を有する。なお、個別電極32の個数は任意に変更可能である。共通電極31は、抵抗体層40に対して全体的に通電するものである。個別電極32は、抵抗体層40に対して部分的に通電するものであり、共通電極31に対して逆極性となる。本実施形態では、共通電極31が正極となり、個別電極32が負極となる。
図2に示すように、共通電極31は、複数の第1帯状部33、連結部34、及び迂回部35を有する。連結部34は、グレーズ21の一部と先端ガラス層24上に形成されている。連結部34の副走査方向Yの下流側端部は、先端ガラス層24からはみ出さないように形成されている。また連結部34の副走査方向Yの上流側端部は、グレーズ21の頂部21Aよりも僅かに副走査方向Yの下流側の部分に形成されている。複数の第1帯状部33は、連結部34の上流側端部から副走査方向Yに沿って延びている。本実施形態では、複数の第1帯状部33の先端縁はそれぞれ、グレーズ21の副走査方向Yの上流側端部よりも僅かに上流側となるように形成されている。迂回部35は、複数の個別電極32を迂回するように、連結部34の主走査方向Xの一方の端部から副走査方向Yの上流側に延びている。
個別電極32は、副走査方向Yにおいてグレーズ21からダイボンディンググレーズ22までにわたり延びる帯状に形成されている。各個別電極32は、第2帯状部36を有する。第2帯状部36は、グレーズ21上において主走査方向Xに隣り合う第1帯状部33の間に配置されている。つまり、第1帯状部33及び第2帯状部36は、主走査方向Xにおいて交互に配置されている。第2帯状部36は、副走査方向Yに沿って延びている。第2帯状部36の先端縁は、副走査方向Yにおいてグレーズ21の頂部21Aよりも僅かに上流側に位置しており、副走査方向Yにおいて共通電極31の連結部34と間隔をあけて対向している。図3に示すように、グレーズ21の頂部21Aは、第2帯状部36と連結部34との副走査方向Yの間に位置している。各個別電極32の副走査方向Yの上流側端部には、ボンディング部37が設けられている。ボンディング部37は、その幅寸法が第2帯状部36の幅寸法よりも大きくなるように形成されている。複数のボンディング部37は、主走査方向Xに間隔をあけて配列されている。
駆動IC61は、複数の個別電極32を選択的に通電させることによって、抵抗体層40の複数の発熱部41のいずれかを任意に発熱させる機能を有する。図1に示すように、本実施形態では、複数の駆動IC61が主走査方向Xに離間して配置されている。図3に示すように、駆動IC61は、ダイボンディンググレーズ22上に形成されている。より詳細には、ダイボンディンググレーズ22上において駆動IC61が配置される領域には、電極層30の一部が形成されている。この電極層30の一部上には、支持ガラス層25が形成されている。支持ガラス層25は、例えば非晶質ガラスからなる。駆動IC61は、支持ガラス層25上に配置されている。図2に示すように、駆動IC61には、複数のパッド62が形成されている。複数のパッド62は、複数のワイヤ63を介して個別電極32のボンディング部37、又はダイボンディンググレーズ22上に形成された電極層30の一部であるパッドに接続されている。図1に示すように、複数の駆動IC61は、封止樹脂64によって封止されている。
図4に示すように、抵抗体層40は、基板10の主面11上に形成されたグレーズ21の頂部21Aにおいて、主走査方向Xに延びる帯状に形成されている。抵抗体層40は、グレーズ21において、複数の第1帯状部33及び複数の第2帯状部36にそれぞれ交差するように形成されている。本実施形態では、抵抗体層40は、複数の第1帯状部33上及び複数の第2帯状部36上を跨るように形成されている。抵抗体層40は、ヘッド本体1Aを副走査方向Y及び板厚方向Zに沿う平面で切った断面において、グレーズ21上に形成された部分の形状と、第1帯状部33及び第2帯状部36上に形成された部分の形状とが互いに異なる。抵抗体層40のうちのグレーズ21上に形成された部分の形状は、ヘッド本体1Aを副走査方向Y及び板厚方向Zに沿う平面で切った断面において円弧状である。抵抗体層40のうちの電極層30上に形成された部分の形状は、ヘッド本体1Aを副走査方向Y及び板厚方向Zに沿う平面で切った断面において、副走査方向Yの中央が凹むことによって2つの凸部が副走査方向Yに並ぶ形状である。抵抗体層40は、例えば酸化ルテニウム(RuO2又はRuO4)を含む。本実施形態では、抵抗体層40は、グレーズ21上、複数の第1帯状部33上、及び複数の第2帯状部36上にペーストを厚膜印刷した後、厚膜印刷されたペーストを焼成することによって形成されている。なお、抵抗体層40は、スパッタリングなどの薄膜形成技術によって形成されてもよい。抵抗体層40の厚さは特に限定されないが、厚膜印刷の場合、例えば6μm程度であり、薄膜形成技術の場合、例えば0.05μm~0.2μm程度である。
抵抗体層40のうちの主走査方向Xにおいて各第1帯状部33と各第2帯状部36とに挟まれた部分、及び副走査方向Yにおいて各第2帯状部36と連結部34とに挟まれた部分はそれぞれ、発熱部41を構成している。発熱部41は、電極層30によって抵抗体層40が部分的に通電されることによって発熱する部分である。発熱部41の発熱によって感熱記録紙に印字される。
図3及び図4に示すように、保護層50は、少なくとも抵抗体層40を保護するものであり、例えば非晶質ガラスからなる。保護層50は、第1保護層51及び第2保護層52を有する。
第1保護層51は、少なくとも抵抗体層40の発熱部41を覆っている。本実施形態では、第1保護層51は、抵抗体層40の全体及び電極層30の大部分を覆っている。具体的には、図3に示すように、第1保護層51は、副走査方向Yにおいて、基板10の下流側端縁の手前(例えば、副走査方向Yにおける基板10の下流側端縁よりも0.1mm~0.5mm上流側)からダイボンディンググレーズ22の中央付近までにわたる領域に形成されている。すなわち第1保護層51は、抵抗体層40及び電極層30を保護している。第1保護層51は、例えば非晶質ガラスからなる。第1保護層51は、非晶質ガラスを含むガラスペーストをガラス層20上において抵抗体層40及び電極層30の大部分を覆うように厚膜印刷した後、厚膜印刷されたガラスペーストを焼成することによって形成される。第1保護層51の厚さは、特に限定されないが、例えば6μm~8μm程度である。なお、第1保護層51は、例えば所望の領域を露出するマスクを形成した後、例えば非晶質ガラスを用いたスパッタ法又はCVD(chemical vapor deposition)法を施すことによって形成されてもよい。
第2保護層52は、第1保護層51上に形成されている。第2保護層52は、感熱記録紙の搬送時に感熱記録紙がサーマルプリントヘッド1に接触する可能性のある領域に形成されている。具体的には、第2保護層52は、副走査方向Yにおいて基板10の下流側端部から中間ガラス層23のうちの副走査方向Yにおいてグレーズ21寄りの部分までにわたる領域に形成されている。本実施形態では、第2保護層52の副走査方向Yの下流側端縁は、第1保護層51の副走査方向Yの下流側端縁よりも上流側となるように形成されている。第2保護層52は、炭化ケイ素(SiC)又はチタン(Ti)を含むコーティング膜である。第2保護層52の種類は、サーマルプリントヘッド1の用途又は感熱記録紙の種類に応じて変更してもよい。第2保護層52の厚さは特に限定されないが、例えば2μm~4μm程度である。このように本実施形態では、第2保護層52の厚さは、第1保護層51の厚さよりも薄い。
次に、図5及び図6を参照して、1ドットを形成する電極層30の構成を用いて、電極層30の詳細な構成について説明する。
図5(b)に示すように、サーマルプリントヘッド1は、所定の個別電極32の第2帯状部36(以下、「所定の第2帯状部36X」という)と、所定の第2帯状部36Xの主走査方向Xの両隣の第1帯状部33(以下、「第1帯状部33L、第1帯状部33R」という)とに対応する抵抗体層40の発熱部41によって1ドットの印字を形成する。
図5(a)に示すように、第1帯状部33Lは、所定の第2帯状部36Xに対して主走査方向Xの一方側(図5(a)の左側)に隣り合っている。第1帯状部33Rは、所定の第2帯状部36Xに対して主走査方向Xの他方側(図5(a)の右側)に隣り合っている。第1帯状部33Lの幅寸法(主走査方向Xの寸法)は、第1帯状部33Rの幅寸法(主走査方向Xの寸法)と等しい。また第1帯状部33L,33Rの幅寸法は、第2帯状部36Xの幅寸法(主走査方向Xの寸法)と等しい。
平面視において、第1帯状部33Lは、主走査方向Xにおいて第1帯状部33R側の辺S1と、主走査方向Xにおいて第1帯状部33Rとは反対側の辺S2と、第1帯状部33Lの先端縁を形成する辺S3とを有する。辺S1,S2は、副走査方向Yに沿って延びている。辺S3は、主走査方向Xに沿って延びている。
第1帯状部33Lにおいて連結部34との接続部分には、基端側曲面部33a,33bが形成されている。基端側曲面部33aは、平面視において、第1帯状部33Lの辺S1と連結部34との間の部分に形成されている。基端側曲面部33bは、平面視において、第1帯状部33Lの辺S2と連結部34との間の部分に形成されている。
第1帯状部33Lの先端部には、先端側曲面部33c,33dが形成されている。先端側曲面部33cは、第1帯状部33Lの辺S1と第1帯状部33Lの辺S3との間に形成されている。先端側曲面部33dは、第1帯状部33Lの辺S2と第1帯状部33Lの辺S3との間に形成されている。
平面視において、第1帯状部33Rは、主走査方向Xにおいて第1帯状部33L側の辺S4と、主走査方向Xにおいて第1帯状部33Lとは反対側の辺S5と、第1帯状部33Rの先端縁を形成する辺S6とを有する。辺S4,S5は、副走査方向Yに沿って延びている。辺S6は、主走査方向Xに沿って延びている。
第1帯状部33Rにおいて連結部34との接続部分には、基端側曲面部33e,33fが形成されている。基端側曲面部33eは、平面視において、第1帯状部33Rの辺S4と連結部34との間の部分に形成されている。基端側曲面部33fは、平面視において、第1帯状部33Rの辺S5と連結部34との間の部分に形成されている。
第1帯状部33Rの先端部には、先端側曲面部33g,33hが形成されている。先端側曲面部33gは、第1帯状部33Rの辺S4と第1帯状部33Rの辺S6との間に形成されている。先端側曲面部33hは、第1帯状部33Rの辺S5と第1帯状部33Rの辺S6との間に形成されている。
主走査方向Xにおいて第1帯状部33Lと第1帯状部33Rとの間の連結部34における副走査方向Yの上流側端部には、平坦部34aが形成されている。平坦部34aは、主走査方向Xにおいて第1帯状部33Lの基端側曲面部33aと第1帯状部33Rの基端側曲面部33eとを繋いでいる。平面視において、平坦部34aは主走査方向Xに延びている。
第2帯状部36Xは、第1帯状部33Lの辺S1と主走査方向Xに対向する辺S7と、第1帯状部33Rの辺S4と主走査方向Xに対向する辺S8と、連結部34の平坦部34aと副走査方向Yに対向する辺S9とを有する。辺S7,S8は、副走査方向Yに沿って延びている。辺S9は、主走査方向Xに沿って延びている。
第2帯状部36Xの先端部には、先端側曲面部36a,36bが形成されている。先端側曲面部36aは、第2帯状部36Xの辺S7と第2帯状部36Xの辺S9との間に形成されている。先端側曲面部36bは、第2帯状部36Xの辺S8と第2帯状部36Xの辺S9との間に形成されている。
第2帯状部36Xは、2つの第1帯状部33L,33Rと連結部34とからなる凹部38に挿入されているため、第2帯状部36Xと凹部38との間には、平面視において、副走査方向Yの下流側に開口するU字状の隙間Gが形成されている。平面視において、隙間Gは、副走査方向Yに延びる第1の隙間GY1,GY2と、主走査方向Xに延びる第2の隙間GXとに区分できる。第1の隙間GY1は、第2帯状部36Xと第1帯状部33Lとの主走査方向Xの間に形成された隙間である。より詳細には、第1の隙間GY1は、第2帯状部36Xの辺S7及び先端側曲面部36aと第1帯状部33Lの辺S1との主走査方向Xの間に形成されている。第1の隙間GY2は、第2帯状部36Xと第1帯状部33Rとの主走査方向Xの間に形成された隙間である。より詳細には、第1の隙間GY2は、第2帯状部36Xの辺S8及び先端側曲面部36bと第1帯状部33Rの辺S4との主走査方向Xの間に形成されている。第2の隙間GXは、第1の隙間GY1と第1の隙間GY2とを繋ぐ隙間である。第2の隙間GXは、主走査方向Xに延びている。第2の隙間GXは、主走査方向Xにおいて第1帯状部33Lの基端側曲面部33aから第1帯状部33Rの基端側曲面部33eまでにわたり形成されている。
平面視において第1の隙間GY1の副走査方向Yの大きさは、第1の隙間GY2の副走査方向Yの大きさと等しい。第2の隙間GXの主走査方向Xの大きさは、第1の隙間GY1,GY2の副走査方向Yの大きさよりも小さい。平面視において第1の隙間GY1の主走査方向Xの大きさは、第1の隙間GY2の主走査方向Xの大きさと等しい。本実施形態では、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは、第1の隙間GY1,GY2の主走査方向Xの大きさよりも小さい。
図5(b)に示すように、抵抗体層40は、第1帯状部33L,33R及び第2帯状部36Xを覆っている。また抵抗体層40は、連結部34の副走査方向Yの上流側端部を覆っている。抵抗体層40の副走査方向Yの上流側端部は、第1帯状部33L,33Rの先端縁よりも下流側に位置している。すなわち抵抗体層40は、第1帯状部33L,33Rを部分的に覆っている。抵抗体層40のうちの第1の隙間GY1,GY2及び第2の隙間GXを覆っている部分(図5(b)のドットが付された部分)は、発熱部41を構成している。平面視において、発熱部41は、副走査方向Yの上流側に向けて開口するU字状に形成されている。発熱部41は、第1発熱部41A,41Bと第2発熱部41Cとを有する。
第1発熱部41Aは、発熱部41のうちの第1の隙間GY1を覆っている部分である。第1発熱部41Aは、副走査方向Yに沿って延びている。第1発熱部41Aは、第1の隙間GY1のうちの副走査方向Yの下流側の一部を覆っている。すなわち、第1発熱部41Aの副走査方向Yの寸法は、第1の隙間GY1の副走査方向Yの大きさよりも小さい。
第1発熱部41Bは、発熱部41のうちの第1の隙間GY2を覆っている部分である。第1発熱部41Bは、副走査方向Yに沿って延びている。第1発熱部41Bの副走査方向Yの長さは、抵抗体層40の副走査方向Yの長さよりも短い。第1発熱部41Bは、第1の隙間GY2のうちの副走査方向Yの下流側の一部を覆っている。すなわち、第1発熱部41Bの副走査方向Yの長さは、第1の隙間GY2の副走査方向Yの大きさよりも小さい。第1発熱部41Bの副走査方向Yの長さは、第1発熱部41Aの副走査方向Yの長さと等しい。また、第1発熱部41Bの主走査方向Xの長さ(幅寸法)は、第1発熱部41Aの主走査方向Xの長さ(幅寸法)と等しい。
第2発熱部41Cは、発熱部41のうちの第2の隙間GXを覆っている部分である。第2発熱部41Cは、第2の隙間GXの全体を覆っている。すなわち、第2発熱部41Cの主走査方向Xの長さは、第2の隙間GXの主走査方向Xの大きさと等しい。第2発熱部41Cは、第1発熱部41Aと第1発熱部41Bとを繋いでいる。第2発熱部41Cの副走査方向Yの長さ(幅寸法)は、第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの長さ(幅寸法)よりも小さい。
なお、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは任意に変更可能である。一例では、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは、第1の隙間GY1,GY2の主走査方向Xの大きさと等しくてもよい。この場合、第2発熱部41Cの副走査方向Yの寸法(幅寸法)は、第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの寸法(幅寸法)と等しい。また一例では、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは、第1の隙間GY1,GY2の主走査方向Xの大きさよりも大きくてもよい。この場合、第2発熱部41Cの副走査方向Yの寸法(幅寸法)は、第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも大きい。
サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットの印字を行う場合、図5(b)の二点鎖線に示すように、平面視における1ドットの印字の領域Tの形状は、四角形となるように規定される。領域Tは、主走査方向Xにおいて第1帯状部33Lから第1帯状部33Rまでにわたり規定されている。領域Tは、副走査方向Yにおいて連結部34の副走査方向Yの上流側端部から第1帯状部33L,33Rの先端部までにわたり規定されている。図5(b)に示すとおり、領域Tの副走査方向Yの上流側端部は、副走査方向Yにおいて抵抗体層40の副走査方向Yの上流側端部よりも上流側に位置している。領域Tの副走査方向Yの下流側端部は、副走査方向Yにおいて抵抗体層40の副走査方向Yの下流側端部よりも上流側に位置している。このように、領域Tは、副走査方向Yにおいて抵抗体層40に対して上流側に寄るように規定されている。なお、図5(b)の二点鎖線で示される本実施形態の領域Tは、主走査方向Xに隣り合う領域Tと重なる部分を有する。しかし、領域Tのサイズはこれに限定されない。例えば、領域Tのサイズは、主走査方向Xに隣り合う領域Tと重ならないように設定されてもよい。
図6及び図7を参照して、本実施形態の作用について説明する。
図6(a)は、比較例のサーマルプリントヘッド100の電極層110の一部と抵抗体層120との関係を示している。電極層110の共通電極111は、第1帯状部113L,113Rと、第1帯状部113L,113Rを連結する連結部114とを有する。第1帯状部113L,113Rは、主走査方向Xにおいて互いに離間して配置されている。電極層110の個別電極112は、所定の第2帯状部115を有する。第2帯状部115は、第1帯状部113L,113Rの主走査方向Xの間に配置されている。第2帯状部115と、第1帯状部113L,113R及び連結部114との間には、隙間GRが形成されている。隙間GRは、副走査方向Yに延びる第1の隙間GRY1,GRY2と、主走査方向Xに延びる第2の隙間GRXとに区分できる。
抵抗体層120は、第1帯状部113L,113R上及び第2帯状部115上を跨るように形成されている。抵抗体層120は、連結部114よりも副走査方向Yの上流側に配置されている。より詳細には、抵抗体層120の副走査方向Yの下流側端部は、第2帯状部115の先端縁よりも上流側に位置している。抵抗体層120の副走査方向Yの上流側端部は、第1帯状部113L,113Rの先端縁よりも下流側に位置している。このように、抵抗体層120は、第1の隙間GRY1,GRY2の副走査方向Yの一部を覆っている。抵抗体層120は、第2の隙間GRXを覆っていない。抵抗体層120は、第1の隙間GRY1の副走査方向Yの一部を覆う発熱部121Aと、第1の隙間GRY2の副走査方向Yの一部を覆う発熱部121Bとを有する。発熱部121Aの副走査方向Yの長さは、発熱部121Bの副走査方向Yの長さと等しい。また発熱部121A,121Bの副走査方向Yの長さLxは、抵抗体層120の副走査方向Yの長さLrと等しい。
サーマルプリントヘッド100が1ドットを感熱記録紙に印字する場合、図6(a)の二点鎖線に示すように、平面視における1ドットの印字の領域Trは、次のように規定される。すなわち領域Trは、主走査方向Xにおいて第1帯状部113Lから第1帯状部113Rまでにわたり規定され、副走査方向Yにおいて第1帯状部113L,113Rの先端部から第2帯状部115の先端部までにわたり規定されている。領域Trの副走査方向Yの長さLtrは、抵抗体層40の副走査方向Yの長さLr以上である。領域Trの副走査方向Yの中心は、抵抗体層40の副走査方向Yの中心と一致している。
サーマルプリントヘッド100が1ドットを感熱記録紙に印字する場合、例えば共通電極111の第1帯状部113L,113Rから個別電極112の第2帯状部115に電流が流れることによって、発熱部121A,121Bが発熱する。このため、感熱記録紙には、主走査方向Xに離間した2つの発熱部121A,121Bの熱によって印字される。
図6(b)は、発熱部41A,41Bによって感熱記録紙に1ドットが印字された場合の1ドットの印字の模式図である。図6(b)に示すとおり、1ドットの印字は、主走査方向Xに離間した2つの楕円形状によって形成されている。この楕円形状は、副走査方向Yに細長くなるように形成されている。このため、1ドットの印字の輪郭(二点鎖線)が主走査方向Xの中央かつ副走査方向Yの両端部において副走査方向Yに凹むように欠ける歪な形状となる。
図7(a)に示すように、本実施形態のサーマルプリントヘッド1では、副走査方向Yに延びる一対の第1発熱部41A,41Bと、一対の第1発熱部41A,41Bを主走査方向Xにおいて繋ぐ第2発熱部41Cとからなる略U字状の発熱部によって感熱記録紙に印字される。発熱部41の副走査方向Yの長さLhは、抵抗体層40の副走査方向Yの長さLrよりも短いため、比較例のサーマルプリントヘッド100の発熱部121A,121Bの副走査方向Yの長さLxよりも短い。
図7(b)は、本実施形態のサーマルプリントヘッド1によって感熱記録紙に1ドットが印字された場合の1ドットの印字の模式図である。図7(b)に示すように、第2発熱部41Cによる印字部分によって一対の第1発熱部41A,41Bによる印字部分同士が繋がっているため、1ドットの印字は、略四角形によって形成される。このため、1ドットの印字の輪郭(二点鎖線)が略四角形となる。すなわち、1ドットの印字の輪郭における副走査方向Yの下流側端部において副走査方向Yに凹む欠けが形成されることが抑制される。加えて、1ドットの印字の輪郭における副走査方向Yの上流側端部において形成される副走査方向Yに凹むように欠けた部分の深さは、サーマルプリントヘッド100の1ドットの印字の輪郭における副走査方向Yの上流側端部において形成される副走査方向Yに凹むように欠けた部分の深さよりも浅い。このように、本実施形態では、1ドットの印字の輪郭におけるかすれが抑制される。
本実施形態のサーマルプリントヘッド1によれば、以下の効果が得られる。
(1)抵抗体層40は、抵抗体層40のうちの第2帯状部36Xと第2帯状部36Xに対して主走査方向Xの両隣の第1帯状部33L,33Rとの間の第1発熱部41A,41Bと、副走査方向Yにおいて第2帯状部36Xの先端縁と対向する部分と第2帯状部36Xとの間の第2発熱部41Cとを有する。この構成によれば、図7(b)に示すとおり、1ドットの印字の輪郭(二点鎖線)が略四角形となる。したがって、サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットの印字を行う場合、主走査方向Xに延びる直線のエッジにかすれが生じることが抑制されるため、印字品質を向上できる。
(2)抵抗体層40は、共通電極31の連結部34の副走査方向Yの上流側端部を覆っている。抵抗体層40の第2発熱部41Cは、連結部34と第2帯状部36Xとの間の部分である。この構成によれば、サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットの印字を行う場合、連結部34から第2帯状部36Xに電流が流れる。このため、第2発熱部41Cを好適に発熱させることができるため、1ドットの印字の輪郭を略四角形にし易くなる。したがって、印字品質を向上できる。
(3)第1発熱部41A,41Bの副走査方向Yの長さは、第2発熱部41Cの副走査方向Yの長さと等しい。この構成によれば、サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットの印字を行う場合、1ドットの印字の輪郭を略四角形にし易くなる。したがって、印字品質を向上できる。
(4)第2発熱部41Cの副走査方向Yの寸法(幅寸法)は、第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも小さい。この構成によれば、第2発熱部41Cを好適に発熱させることができるため、1ドットの印字の輪郭を略四角形にし易くなる。したがって、印字品質を向上できる。
(変更例)
上記実施形態は本開示に関するサーマルプリントヘッドが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関するサーマルプリントヘッドは、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・上記実施形態において、共通電極31の連結部34の副走査方向Yの上流側端部の形状は任意に変更可能である。一例では、図8に示すように、平面視において、連結部34のうちの隣り合う2つの第1帯状部33の間の部分には、平坦部34aに代えて、副走査方向Yの下流側に向けて凹む湾曲部34bが形成されてもよい。この場合、第1帯状部33L,33Rが湾曲部34bによって接続されるため、第1帯状部33Lの基端側曲面部33a,33b及び第1帯状部33Rの基端側曲面部33e,33fは省略されている。図8では、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさが主走査方向Xの湾曲部34bの端部から中央に向かうにつれて大きくなる。このため、第2発熱部41Cの副走査方向Yの大きさは、第2発熱部41Cの主走査方向Xの端部から中央に向かうにつれて大きくなる。
・上記実施形態において、個別電極32の第2帯状部36Xの先端部の形状は任意に変更可能である。一例では、図9に示すように、平面視において、第2帯状部36Xの先端部の形状は、共通電極31の連結部34に向けて凸状となる湾曲凸形状であってもよい。
なお、図9に示すように、第2帯状部36Xの形状は、図8の共通電極31と組合せることもできる。この場合、平面視において第2帯状部36Xの先端縁と連結部34の湾曲部34bとの間からなる第2の隙間GXの大きさ(第2帯状部36Xの先端縁と湾曲部34bとの間の最短距離)は、一定となる。このため、第2発熱部41Cの幅寸法は一定となる。
・上記実施形態において、個別電極32の第2帯状部36Xの副走査方向Yの位置は任意に変更可能である。一例では、図10に示すように、個別電極32の第2帯状部36Xの先端縁と連結部34との副走査方向Yの間の隙間(第2の隙間GX)が第2帯状部36Xと第1帯状部33Lとの間の隙間(第1の隙間GY1)及び第2帯状部36Xと第1帯状部33Rとの間の隙間(第1の隙間GY2)よりも大きくなるように第2帯状部36Xが形成される。この場合、抵抗体層40は、共通電極31の連結部34よりも副走査方向Yの上流側に配置されている。抵抗体層40の副走査方向Yの下流側端部は、第2帯状部36Xの先端縁よりも副走査方向Yの下流側に位置している。これにより、抵抗体層40には、発熱部41として第1発熱部41A,41B及び第2発熱部41Cが設けられる。第1発熱部41Aは、抵抗体層40のうちの第2帯状部36Xと第1帯状部33Lとの主走査方向Xの間の部分である。第1発熱部41Bは、抵抗体層40のうちの第2帯状部36Xと第1帯状部33Rとの間の部分である。第2発熱部41Cは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33Lと第1帯状部33Rとの主走査方向Xの間の部分、かつ、第2帯状部36Xよりも副走査方向Yの下流側の部分である。
・上記実施形態において、共通電極31の構成は任意に変更可能である。一例では、共通電極31は、第2帯状部36Xと副走査方向Yに対向している第3帯状部39を有する。第3帯状部39は、副走査方向Yにおいて第1帯状部33Lと第1帯状部33Rとの中央に配置されている。第3帯状部39の副走査方向Yの長さは、第1帯状部33L,33Rの副走査方向Yの長さよりも短い。一例では、第3帯状部39の副走査方向Yの長さは、第1帯状部33L,33Rの副走査方向Yの長さの1/2以下である。第3帯状部39の先端縁は、グレーズ21の頂部21A(図4参照)よりも副走査方向Yの下流側に位置している。第3帯状部39の先端部には、先端側曲面部39a,39bが形成されている。先端側曲面部39aは、副走査方向Yにおいて第2帯状部36の先端側曲面部36aと対向するように設けられている。先端側曲面部39bは、副走査方向Yにおいて第2帯状部36の先端側曲面部36bと対向するように設けられている。図11では、連結部34には、第1帯状部33Lと第3帯状部39との間、及び第1帯状部33Rと第3帯状部39との間に湾曲部34cが形成されている。この場合、第1帯状部33Lの基端側曲面部33a,33b及び第1帯状部33Rの基端側曲面部33e,33fは省略されている。
第2帯状部36Xの先端縁は、グレーズ21の頂部21Aよりも副走査方向Yの上流側に位置している。第2帯状部36Xの先端縁と第3帯状部39の先端縁との副走査方向Yの間の隙間(第2の隙間GX)の副走査方向Yの大きさは、第2帯状部36Xと第1帯状部33Lとの間の隙間(第1の隙間GY1)の主走査方向Xの大きさ及び第2帯状部36Xと第1帯状部33Rとの間の隙間(第1の隙間GY2)の主走査方向Xの大きさよりも小さい。なお、第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは任意に変更可能である。第2の隙間GXの副走査方向Yの大きさは、第1の隙間GY1,GY2の主走査方向Xの大きさ以上であってもよい。
抵抗体層40は、第1帯状部33L,33Rの副走査方向Yの中央部、第3帯状部39の先端部、及び第2帯状部36Xの先端部を覆うように配置されている。抵抗体層40は、発熱部41として第1発熱部41A,41B及び第2発熱部41Cを有する。平面視において、発熱部41は、副走査方向Yの上流側に開口する略U字状に形成される。第1発熱部41Aは、第2帯状部36Xと第1帯状部33Lとの主走査方向Xの間の部分である。第1発熱部41Bは、第2帯状部36Xと第1帯状部33Rとの主走査方向Xの間の部分である。第2発熱部41Cは、第2帯状部36Xと第3帯状部39との副走査方向Yの間の部分である。また第2発熱部41Cは、第1発熱部41Aと第1発熱部41Bとを繋ぐ部分である。
サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットの印字を行う場合、第1帯状部33L,33R及び第3帯状部39から第2帯状部36Xにそれぞれ電流が流れる。これにより、第1発熱部41A,41B及び第2発熱部41Cがそれぞれ発熱するため、1ドットの印字形状が上記実施形態と同様に略四角形となる。このため、上記実施形態の(1)の効果と同様の効果が得られる。
・図11の変更例において、第3帯状部39の先端部の形状は任意に変更可能である。また、第2帯状部36Xの先端部の形状は任意に変更可能である。第3帯状部39の先端部の形状及び第2帯状部36Xの先端部の形状はそれぞれ、例えば次の(A)及び(B)のいずれかの形状に変更してもよい。
(A)図12に示すように、平面視において、第3帯状部39の先端部の形状は、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて先細るテーパ形状である。また平面視において、第2帯状部36Xの先端部の形状は、副走査方向Yの下流側に向かうにつれて先細るテーパ形状である。図12では、抵抗体層40のうちの第2発熱部41Cは、第2発熱部41Cの主走査方向Xの中央から第1帯状部33Lに向かうにつれて副走査方向Yの大きさが大きくなり、第2発熱部41Cの主走査方向Xの中央から第1帯状部33Rに向かうにつれて副走査方向Yの大きさが大きくなる。
(B)図13に示すように、平面視において、第3帯状部39の先端部の形状は、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて先細るテーパ形状であってもよい。また平面視において、第2帯状部36Xの先端部の形状は、第3帯状部39の先端部が収容される凹形状である。具体的には、平面視において、第2帯状部36Xの先端部は、第2帯状部36Xの辺S7の副走査方向Yの下流側端縁から主走査方向Xにおける第2帯状部36Xの中央に向かうにつれて副走査方向Yの上流側に傾斜する辺S9Aと、第2帯状部36Xの辺S8の副走査方向Yの下流側端縁から主走査方向Xにおける第2帯状部36Xの中央に向かうにつれて副走査方向Yの上流側に傾斜する辺S9Bとを有する。図13では、第2の隙間GXの形状は、平面視において、副走査方向Yの下流側に開口する略V字状である。このため、抵抗体層40のうちの第2発熱部41Cの形状は、平面視において、副走査方向Yの下流側に開口する略V字状を含む。
なお、上記(B)の変更例において、平面視における第2帯状部36Xの先端部の形状が副走査方向Yの下流側に向かうにつれて先細るテーパ形状であり、平面視における第3帯状部39の先端部の形状が第2帯状部36Xの先端部が収容される凹形状であってもよい。この場合、第2の隙間GXの形状は、平面視において、副走査方向Yの上流側に開口する略V字状である。このため、第2発熱部41Cの形状は、平面視において、副走査方向Yの上流側に開口する略V字状を含む。
・図11の変更例において、第1帯状部33L,33Rの形状は任意に変更可能である。一例では、図14に示すように、第1帯状部33Lは、辺S1から主走査方向Xに突出する突起部33jと、辺S2から主走査方向Xに突出する突起部33kとを有する。第1帯状部33Rは、辺S4から主走査方向Xに突出する突起部33mと、辺S5から主走査方向Xに突出する突起部33nとを有する。突起部33j,33kの先端部及び突起部33m,33nの先端部はそれぞれ、主走査方向Xからみて、第3帯状部39と第2帯状部36Xとの副走査方向Yの間の隙間(第2の隙間GX)と重なっている。
平面視において、抵抗体層40は、突起部33j,33k,33m,33nと重なるように配置されている。抵抗体層40は、発熱部41として第1発熱部41A,41B及び第2発熱部41Cを有する。第1発熱部41Aは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33Lの辺S1と第2帯状部36Xの辺S7との主走査方向Xの間の部分、及び第1帯状部33Lの突起部33jと第2帯状部36Xの先端側曲面部36aとの主走査方向Xの間の部分を含む。第1発熱部41Bは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33Rの辺S4と第2帯状部36Xの辺S8との主走査方向Xの間の部分、及び第1帯状部33Lの突起部33mと第2帯状部36Xの先端側曲面部36bとの主走査方向Xの間の部分を含む。第2発熱部41Cは、抵抗体層40のうちの主走査方向Xにおいて突起部33jから突起部33mまでにわたる部分であって、第3帯状部39と第2帯状部36Xとの副走査方向Yの間の部分である。このように、平面視において、抵抗体層40の発熱部41の形状は、副走査方向Yの上流側に開口する略U字状である。
・図12の変更例において、第1帯状部33L,33Rの形状を図14の第1帯状部33L,33Rの形状に変更してもよい。
・上記実施形態において、図15に示すように、第1帯状部33L,33R及び第2帯状部36Xはそれぞれ、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて主走査方向Xの一方側に斜めに延びるように形成されてもよい。なお、第1帯状部33L,33R及び第2帯状部36Xはそれぞれ、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて主走査方向Xの他方側に斜めに延びるように形成されてもよい。
・図11の変更例において、図16に示すように、第1帯状部33L,33R、第3帯状部39、及び第2帯状部36Xはそれぞれ、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて主走査方向Xの一方側に斜めに延びるように形成されてもよい。この場合、各帯状部33L,33R,39,36Xが延びる方向において、第3帯状部39と第2帯状部36Xとが対向している。なお、第1帯状部33L,33R、第3帯状部39、及び第2帯状部36Xはそれぞれ、副走査方向Yの上流側に向かうにつれて主走査方向Xの他方側に斜めに延びるように形成されてもよい。
・図11~図14及び図16の変更例において、第3帯状部39の主走査方向Xの寸法(幅寸法)は任意に変更可能である。一例では、第3帯状部39の主走査方向Xの寸法は、第1帯状部33L,33Rの主走査方向Xの寸法よりも大きくてもよい。また、第3帯状部39の主走査方向Xの寸法は、第1帯状部33L,33Rの主走査方向Xの寸法よりも小さくてもよい。
・上記実施形態において、個別電極32の第2帯状部36の形状は任意に変更可能である。一例では、図17に示すように、個別電極32は、2つの第2帯状部36P,36Qを有する。第2帯状部36P,36Qはそれぞれ、副走査方向Yに延びている。第2帯状部36Pは、第2帯状部36Qと主走査方向Xに間隔をあけて配置されている。個別電極32は、第2帯状部36P,36Qを互いに接続する接続部32aと、接続部32aから副走査方向Yの上流側に延びる電極本体部32bとを有する。接続部32aは、主走査方向Xに延びており、第2帯状部36P,36Qの副走査方向Yの上流側端部にそれぞれ接続されている。電極本体部32bの主走査方向Xの寸法(幅寸法)は、第2帯状部36P,36Qの主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも大きい。また電極本体部32bの主走査方向Xの寸法は、第1帯状部33の主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも大きく、第3帯状部39の主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも大きい。
共通電極31は、連結部34から副走査方向Yの下流側に向けて副走査方向Yに沿って延びる複数の第1帯状部33を有する。複数の第1帯状部33は、各個別電極32の第2帯状部36P,36Qと主走査方向Xに交互に配置されている。複数の第1帯状部33のうちの第2帯状部36P,36Qの主走査方向Xの間に配置された第1帯状部33Mの副走査方向Yの長さは、第1帯状部33M以外の第1帯状部33の副走査方向Yの長さよりも短い。第1帯状部33Mは、副走査方向Yにおいて接続部32a及び電極本体部32bと対向している。
抵抗体層40は、平面視において、共通電極31の連結部34の副走査方向Yの上流側端部、複数の第1帯状部33、及び複数の第1帯状部33Mと、個別電極32の複数の第2帯状部36とに重なるように配置されている。具体的には、抵抗体層40は、複数の第1帯状部33の先端部、及び複数の第2帯状部36の副走査方向Yの上流側端部をそれぞれ覆っていない。抵抗体層40は、複数の第1帯状部33Mの先端縁を覆っている。
サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットを印字する場合、抵抗体層40は、発熱部42として、副走査方向Yに延びる第1発熱部42A,42B,42C,42Dと、主走査方向Xに延びる第2発熱部42E,42Fとを有する。一例では、所定の個別電極32Xと、個別電極32Xの両隣の第1帯状部33L,33Rと、第1帯状部33L,33Rの主走査方向Xの間に配置された第1帯状部33MXと、抵抗体層40の発熱部42とによって感熱記録紙に1ドットを印字する。この場合、第1発熱部42Aは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33Lと個別電極32Xの第2帯状部36Pとの主走査方向Xの間の部分である。第1発熱部42Bは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Pと第1帯状部33MXとの主走査方向Xの間の部分である。第1発熱部42Cは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33MXと個別電極32Xの第2帯状部36Qとの間の部分である。第1発熱部42Dは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Qと第1帯状部33Rとの間の部分である。第2発熱部42Eは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Pと共通電極31の連結部34との間の部分である。第2発熱部42Fは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Qと連結部34との間の部分である。
・図17の変更例において、図18に示すように、個別電極32は、共通電極31の第1帯状部33Mと副走査方向Yに対向する第4帯状部70を有してもよい。第4帯状部70は、主走査方向Xにおいて第2帯状部36P,36Qの間に配置されている。第4帯状部70は、個別電極32の接続部32aから副走査方向Yの下流側に向けて副走査方向Yに沿って延びている。第4帯状部70の副走査方向Yの長さは、第2帯状部36P,36Qの副走査方向Yの長さよりも短い。図18の第1帯状部33Mの副走査方向Yの長さは、図17の第1帯状部33Mの副走査方向Yの長さよりも短い。一例では、図18の第1帯状部33Mの先端縁は、グレーズ21の頂部21A(図4参照)よりも僅かに副走査方向Yの下流側に位置している。第4帯状部70の先端縁は、グレーズ21の頂部21Aよりも僅かに副走査方向Yの上流側に位置している。
サーマルプリントヘッド1が感熱記録紙に1ドットを印字する場合、抵抗体層40は、発熱部として、副走査方向Yに延びる第1発熱部42A,42B,42C,42Dと、主走査方向Xに延びる第2発熱部42E,42F,42Gとを有する。第1発熱部42A,42D及び第2発熱部42E,42Fは、図17と同様である。第1発熱部42Bは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Pと第1帯状部33MXとの主走査方向Xの間の部分である。第1発熱部42Cは、抵抗体層40のうちの個別電極32Xの第2帯状部36Qと第1帯状部33MXとの主走査方向Xの間の部分である。第2発熱部42Gは、抵抗体層40のうちの第1帯状部33MXと第4帯状部70Xとの間の部分である。第2発熱部42Gは、第1発熱部42Bと第1発熱部42Cとを繋ぐように設けられている。
・上記実施形態において、第2帯状部36の形状はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、図19に示すように、第2帯状部36は、幅広部36wと幅狭部36nとに区分できる。幅広部36wは、第2帯状部36のうちの副走査方向Yの上流側の部分である。幅広部36wは、副走査方向Yにおいて第1帯状部33L,33Rよりも上流側に配置されている。幅狭部36nは、第2帯状部36のうちの幅広部36wよりも副走査方向Yの下流側の部分である。幅狭部36nは、副走査方向Yにおいて幅広部36wと連続している。幅狭部36nは、第2帯状部36の先端部を含む。
・上記各変更例において、抵抗体層40の第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの寸法(幅寸法)及び第2発熱部41Cの副走査方向Yの寸法(幅寸法)の少なくとも1つは任意に変更可能である。一例では、第2発熱部41Cの副走査方向Yの寸法が第1発熱部41A,41Bの主走査方向Xの寸法以上であってもよい。
・上記実施形態において、共通電極31の連結部34の形状は任意に変更可能である。一例では、図20に示すように、連結部34には、連結部34を板厚方向Zに貫通する複数の開口部34dが形成されてもよい。平面視において、複数の開口部34dの形状は、四角形である。例えば、開口部34dは、副走査方向Yからみて、第2帯状部36Xと重なっている。より詳細には、開口部34dは、副走査方向Yにおいて第2帯状部36Xと対向する部分に形成される。この構成によれば、抵抗体層40の第2発熱部41Cの熱が連結部34に伝わり難くなるため、第2発熱部41Cが感熱記録紙に印字する場合の第2発熱部41Cの温度の低下を抑制できる。
また図20では、開口部34dは、副走査方向Yにおいて抵抗体層40よりも下流側に位置している。なお、開口部34dの副走査方向Yの位置は、任意に変更可能である。一例では、平面視において開口部34dの副走査方向Yの上流側の一部が抵抗体層40と重なるように開口部34dが設けられてもよい。
開口部34dの主走査方向Xの大きさ及び副走査方向Yの大きさはそれぞれ任意に変更可能である。開口部34dの主走査方向Xの大きさは、第2帯状部36Xの主走査方向Xの寸法(幅寸法)よりも大きくてもよい。また、平面視において、開口部34dの形状は、四角形に限られず、任意に変更可能である。一例では、平面視における開口部34dの形状は、円形であってもよい。
・上記実施形態において、抵抗体層40の副走査方向の位置は任意に変更可能である。一例では、抵抗体層40は、グレーズ21の頂部21Aよりも副走査方向Yの上流側又は下流側に位置してもよい。
・上記実施形態において、平面視において第2保護層52の副走査方向Yの長さは任意に変更可能である。一例では、平面視において第2保護層52の副走査方向Yの長さは、第1保護層51の副走査方向Yの長さと等しい。
・上記実施形態において、第2保護層52の厚さは任意に変更可能である。第2保護層52の厚さは、第1保護層51の厚さ以上であってもよい。
・上記実施形態では、グレーズ21として部分グレーズが形成されているが、グレーズ21の種類はこれに限定されない。グレーズ21は、例えば、薄グレーズ、ダブルパーシャルグレーズ、ファイングレーズ、及びスーパーファイングレーズのいずれかとして形成されてもよい。
(付記1)
前記第1発熱部の前記副走査方向の長さは、前記第2発熱部の前記主走査方向の長さと等しい。
(付記2)
主面を有する基板と、
前記基板の主面に形成されたガラス層と、
主走査方向に延びる連結部、及び前記連結部の副走査方向の上流側端部において前記主走査方向に間隔をあけて配置され、上流側に向けて延びる複数の第1帯状部を有する共通電極と、前記主走査方向において隣り合う前記第1帯状部の間に配置される第2帯状部を有する複数の個別電極とを有し、前記ガラス層上に形成された電極層と、
前記ガラス層上に形成され、前記主面に垂直な方向からみて、前記複数の第1帯状部及び前記複数の第2帯状部と重なり、前記電極層と電気的に接続された抵抗体層と、
を備え、
前記抵抗体層は、
所定の前記第2帯状部と前記所定の第2帯状部に対して前記主走査方向の両隣の前記第1帯状部との間の第1発熱部と、
前記副走査方向において前記所定の第2帯状部の先端縁と対向する部分と前記所定の第2帯状部との間の第2発熱部と、
を有し、
前記共通電極は、前記連結部から前記副走査方向の上流側に延び、前記所定の第2帯状部と対向している第3帯状部を有する
サーマルプリントヘッド。
(付記3)
前記主面に対して垂直な方向からみて、前記第3帯状部の先端部の形状及び前記所定の第2帯状部の先端部の形状の少なくとも一方は、先端縁に向かうにつれて先細るテーパ形状である付記2に記載のサーマルプリントヘッド。
(付記4)
前記第3帯状部の先端部及び前記所定の第2帯状部の先端部の一方は、前記主面に対して垂直な方向からみた形状が先端縁に向かうにつれて先細るテーパ形状であり、
前記第3帯状部の先端部の形状及び前記所定の第2帯状部の先端部の形状の他方は、前記主面に対して垂直な方向からみた形状が前記第3帯状部の先端部及び前記所定の第2帯状部の一方が収容される凹形状である
付記2に記載のサーマルプリントヘッド。
(付記5)
前記主面から垂直な方向からみて、前記所定の第2帯状部は、前記副走査方向の上流側から下流側に向けて前記主走査方向に傾くように斜めに延びており、
前記主面から垂直な方向からみて、前記第1帯状部及び第3帯状部は、前記副走査方向の上流側から下流側に向けて前記主走査方向に傾くように斜めに延びている
付記2~4のいずれか一項に記載のサーマルプリントヘッド。
(付記6)
主面を有する基板と、
前記基板の主面に形成されたガラス層と、
主走査方向に延びる連結部、及び前記連結部の副走査方向の上流側端部において前記主走査方向に間隔をあけて配置され、上流側に向けて延びる複数の第1帯状部を有する共通電極と、前記主走査方向において隣り合う前記第1帯状部の間に配置される複数の第2帯状部、前記複数の第2帯状部の前記副走査方向の下流側端部において前記複数の第2帯状部を接続する接続部を有する複数の個別電極とを有し、前記ガラス層上に形成された電極層と、
前記ガラス層上に形成され、前記主面に垂直な方向からみて、前記複数の第1帯状部及び前記複数の第2帯状部と重なり、前記電極層と電気的に接続された抵抗体層と、
を備え、
前記抵抗体層は、
所定の前記個別電極の複数の第2帯状部と前記主走査方向において隣り合う前記第1帯状部との間の部分である第1発熱部と、
前記共通電極のうちの前記副走査方向において前記所定の個別電極の複数の第2帯状部の先端縁と対向する部分と前記所定の第2帯状部との間の第2発熱部と、
を有する
サーマルプリントヘッド。
(付記7)
前記抵抗体層は、前記所定の第2帯状部の先端縁と対向する部分として前記連結部に重なる部分を有する
付記6に記載のサーマルプリントヘッド。
(付記8)
前記複数の第1帯状部のうちの前記主走査方向において前記所定の個別電極の複数の第2帯状部の間に配置された第1帯状部の前記副走査方向の長さは、他の第1帯状部の前記副走査方向の長さよりも短い
付記6に記載のサーマルプリントヘッド。